2019年5月の出来事

このブログは、

  1. 相場に左右されずに
  2. 気長に忍耐強く

新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。

特に、

  1. これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
  2. 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方

を想定しています。

筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。

ずっと投資し続けています。

このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2019年5月に更新した箇所をひとまとめにしている記事です。

各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。

【この記事は複数ページあります】


2019年5月31日

ブラジル2019年1-3月期GDPは9四半期ぶりにマイナス成長

2019年5月30日に発表された1~3月期の実質経済成長率は前期比で▲0.2%と、9四半期ぶりのマイナス成長となりました。

背景としては、

  • 企業の設備投資減退
  • 輸出低調
  • 消費減退

等です。

一喜一憂する必要もありませんが、この数値が改革を進めるボルソナロ政権に対する批判となって、彼の改革の足かせとなってしまうと、海外投資家としては嫌な所です。

ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

アメリカがメキシコに5%の関税、不法移民問題で

2019年5月30日、トランプ大統領は6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課すとしました。

これはメキシコからの不法移民の流入が止まるまで継続させるとの考えを示しています。

メキシコの新NAFTA批准の動きや、ロペスオブラドール氏のリアクションに注目が集まります。

アメリカとメキシコの貿易・移民問題2019

トルコリラ、アメリカとの対立打開の観測で2%上昇

2019年5月30日のトルコリラは急伸しました。

ミサイル防衛システム購入計画についてアメリカとの対立打開に動いたとの観測があった為です。

ただ、対立打開に動いたという観測があっただけで2%上がるというのも凄い事です。どれだけ政治がらみでトルコリラが売られているのか、といった所です。

リラは同じ日に2%超値上がりし、節目の1ドル=6リラを突破し5リラ台を付けました。

アメリカとトルコは29日に電話で対話し、G20での首脳会談を開く事で一致したと報道されています。

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ2019

日本の譲歩で8月に大枠合意の可能性もあり

5月下旬のアメリカ大統領来日で、トランプ⼤統領がツイッター上で

  • ⽇本との交渉では大きな進展がある
  • 特に農業や⽜⾁は大きい
  • 7⽉の⽇本の選挙の後まで待つことになるが、⼤きな数字が⾒込まれる

といった旨のコメントを発表しています。

これについて、日本は従来より、

  • アメリカが⾃動⾞等の関税を撤廃・削減しなければ農産品の関税は下げない
  • 農産品の関税引き下げはTPP⽔準が限度

と主張してきていますが、これについてもトランプ大統領は自分にTPPは関係ないとけん制してきています。

こうした中、考えられる一つのシナリオとして、

  • ⽇本が⽶国産の⽜⾁など農産品の関税を引き下げる
  • 一方で、⽇本から輸出する⾃動⾞等への関税引き下げなどについては継続協議とする

といった日本側の譲歩で終わる可能性もあると思われます。

そしてこの場合なら、トランプ⼤統領が発言した「8⽉中の⼤枠合意」も実現可能かもしれません。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

インド株、海外投資家も引き続き強気

海外投資家のインド株への投資動向をみると、総選挙の前後で大幅な買い越しとなりました。

これは5月だけの動きではなく、2月のパキスタンとの紛争で、モディ首相の強気姿勢によって与党の支持率が上昇したことを受けて、海外投資家の姿勢が買いに転換して以降、継続しているものです。

総選挙で与党が圧勝したため、2期目のモディ政権への期待から、今後も海外投資家の買い越しは続きそうです。

インド株式の動きとまとめ2019

フィリピン中銀総裁、追加利下げも視野に

フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、5月30日のメディアのインタビューで、金利水準はまだ高いとして追加利下げの可能性を示唆しました。

既に物価上昇が政府目標の2~4%の範囲に収まって落ち着いたと説明し、経済成長率の伸び悩みに対応する構えをみせました。

フィリピンの金融政策の経緯とまとめ2019

中国の対米報復関税でシェール業者に暗雲??

中国が2019年6月、米国産LNGへの関税を引き上げます。いわるゆ報復関税です。

中国は中東などからの代替調達を進めていますが、アメリカのシェール業者にとって新たな輸出先を探すのはハードルが高そうです。

対立が長引けばアメリカのシェール産業発展の足かせとなる可能性があります。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

アメリカ、メキシコが批准手続き開始、アメリカは難航予想も

2019年5月30日、アメリカとメキシコの両政府もUSMCAの批准手続きを始めました。

既報の通りカナダも既に始めていて、3カ国すべてが議会承認に向けて正式に動き出したことになります。

ただアメリカ議会では野党・民主党が協定の修正を求めて抵抗しており、新協定発効の行方は不透明です。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

エリクソンとノキアがファーウェイの5G顧客を取り合い

ファーウェイが元々5G関連で契約していた所について、フィンランドのノキアとスウェーデンのエリクソンがその後釜を狙おうとして激闘を繰り広げています。

2019年5月29日、ノキアはソフトバンクの5G向け機器の主要納入業者に選ばれたと発表しましたし、エリクソンは最近、デンマークの通信大手TDCからも5G導入にあたりファーウェイ機器から同社製品に切り替える契約を獲得したと発表しています。

両社にとっては今回の禁輸措置はビジネス拡大に一役買っています。

【2019年5月】ファーウェイ(華為、HUAWEI)禁輸措置の影響

原油先物4%安で2か月ぶりの安値

2019年5月30日、原油先物は約4%下落し、約2カ月ぶりの安値を更新しました。

アメリカのエネルギー省の週間石油統計でアメリカの原油在庫が予想ほど減少しなかったことに加え、米中貿易戦争で世界経済が減速するとの懸念が重しとなったようです。

週間石油統計で米原油在庫の減少は約30万バレルにとどまり、減少幅は予想の90万バレルを大きく下回りました。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

ハーパー氏が立候補を表明

保守党のマーク・ハーパー下院議員が党首選に出馬すると表明しました。

これで党首選に立候補した同党の議員は12人目です。

ハーパー氏は他の立候補者をここ1週間見ていたら出馬の決意が固まったと語りました。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

ポルトガルが人民元建て債を発行

2019年5月30日、ポルトガル政府はユーロ圏で初めて、中国本土で人民元建ての国債を発行すると発表しました。

発行額は20億元(約320億円)で、中国の機関投資家の購入意欲が旺盛だったようです。

これも一帯一路からの「人民元国際化」の一例となるでしょう。ギリシャやイタリアももしかしたら近い将来人民元建て債を発行する事になるかもしれません。

中国の一帯一路政策とインフラ建設支援についてのまとめと経緯

マレーシア、可能な限りファーウェイ製を使う

マレーシアのマハティール首相は、アメリカのファーウェイ製品禁輸措置がある中でも可能な限り同社製品を国内で使っていくと述べました。

マハティール氏はこう宣言して、ある意味外交的な貸しを中国に作ろうとしているのかもしれません。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

2019年5月30日

メキシコ中央銀行が成長率見通しを引き下げ

2019年5月29日、メキシコ銀行は2019年の成長率の見通しを0.8~1.8%に引き下げました。

従来は1.1~2.1%でした。

理由として、

  • 1~3月期の実績が予想を下回ったこと
  • 世界的に経済成長が弱含んでいること

を挙げています。

このままいくと、2013年(1.6%)以来の低成長になりそうです。

ロペスオブラドール氏はこの数値をどう見ているのでしょうか。

メキシコに投資すべきか? メキシコペソ・メキシコ株の投資ブログ

国内銀行にトルコ国債購入の依頼

これが政策と呼べるかは分かりませんが、トルコ財務省はトルコ国内の主要12銀行の担当者を呼び、リラ建て国債の購入を拡大するよう促しました。

これに対して銀行側は、長期債の発行を増やしてほしいとの要望を出したようです。

トルコリラの下落を受け、トルコ政府の調達コストは大幅に上昇しています。

一方で外国人投資家による同国国債への投資が振るわず、国内の銀行にこの様なお願いをしたのでしょう。

トルコの金融政策の経緯とまとめ2019

ブラジル、年金改革が成功した後の金融政策、利下げの余地あり

2019年5月現在、ボルソナロ政権は年金改革法案の議会承認を取り付けるために動いているわけですが、その年金改革法案が通過すると、中央銀行としては利下げ余地が出てくる為、幾分か金融政策運営が楽になると思われます。

新興国は通貨防衛の為に政策金利を高めに設定し、暴落を下げようとしたりするわけですが、年金改革法案が通ればブラジルの財政不安は一定程度払しょくされる為、金利を引き下げてもそれがブラジルレアルの暴落につながらない、という理屈です。

株式に投資をしている人にとっては、利下げは株価上昇要因となりますので、ポジティブでしょう。

ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~

日銀のETF残高が31%増

日本銀行が2019年5月29日に発表した2018年度決算によると、日銀が保有するETFの2019年3月末残高は24兆7848億円となり、前年度末から31%増えました。

約37兆3千億円の国内ETF市場規模の7割近くを日銀の保有が占めるという事で、どんどん状況の異常さが際立っています。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

レアアース市場における中国優位はすぐに覆らず

レアアース市場における中国の存在感はそれなりにあるようです。

アメリカがレアアース市場における中国の優位性に対抗するには何年もかかる見通しとの報道がありました。アメリカ国内に加工施設が不足しているためです。

中国のレアアース埋蔵量は世界全体の3分の1程度と言われていますが、アメリカのレアアース輸入に占める中国の割合は80%です。

これは中国がレアアース加工で支配的な地位にあるからです。この状況を数か月とかそういった期間で覆すのは物理的に無理で、中国がレアアース砲を放った場合はアメリカに相当なダメージを与える可能性があります。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

G20でアメリカとトルコが首脳会談、ミサイル問題前進するか

2019年5月29日、エルドアン大統領とアメリカのトランプ大統領が電話協議し、G20の合間に会談することで一致しました。

アメリカとトルコは目下ロシア製ミサイルの導入を巡ってもめています。

エルドアン氏は電話会議の中でトランプ氏に作業グループ設置を繰り返し呼び掛けたとの事です。

ホワイトハウスによれば、

  • 貿易拡大に向けた意思共有
  • トルコ鉄鋼製品に対する関税引き下げ方針
  • ロシア製ミサイル問題
  • G20開催中の協議継続

などについて話し合ったとしています。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

EU、イギリスと再交渉せずと改めて表明

2019年5月28日、EUのユンケル欧州委員長はブレグジットについて改めて再交渉はしない旨を述べました。

メイ首相の後任候補が、相次いで再交渉の必要性を主張していることに反発した形です。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

ロシア、減産延長に同意するか慎重に検討

ロシアの政府高官はOPECとの間で取り決めた減産合意について、延長するか慎重に検討する姿勢を示しました。

ロシアは原油価格へのプラス効果とアメリカのシェールオイルにシェアを奪われる可能性という二つを天秤にかけて検討していきます。

OPECプラスは、6月25─26日に開くOPEC会合で、減産延長を協議する予定です。

しかし、その会合も7月に後ずれする可能性も浮上しています。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

ファーウェイ禁輸措置から2週間、マーケットへの影響

禁輸措置から2週間が過ぎた2019年5月の最終週、アジアの株式市場に上場するファーウェイの主要サプライヤーの株価を禁輸前後で比べるとかなり厳しい状況です。

例えば、

  • Qテクノロジー(中国):▲27.4%
  • 比亜迪電子(中国):▲19.6%
  • 鴻海精密工業(台湾):▲7.2%
  • 湾積体電路製造(TSMC、台湾):▲7.8%
  • SKハイニックス(韓国):▲11.3%
  • 舜宇光学科技(中国、光学メーカー):▲22.9%

ファーウェイの主要調達先の企業数は、

  • アメリカ:36%
  • 中国:27%
  • 日本:12%
  • 台湾:11%

となっていて、アジア企業だけで約6割を占めるとされています。

【2019年5月】ファーウェイ(華為、HUAWEI)禁輸措置の影響

マクリ大統領に反対したゼネスト発生

2019年5月29日、アルゼンチンで主要労働組合による、マクリ政権の経済政策に反対する大規模なゼネストが実施されました。これで、2015年12月のマクリ政権の発足以降、ゼネストは5回目となります。

今年の10月に大統領選を控え、労組が支持する左派陣営のサポートで動いているのでしょう。

このゼネストで、首都ブエノスアイレスをはじめとした主要都市で公共交通機関や空港が稼働せず、結果的に学校や商店、工場なども休業する形となりました。

労組はデモも実施していて、マクリ政権の財政健全化改革IMFとの合意撤回を要求しました。

アルゼンチンの2018年通貨危機、デフォルトの経緯とまとめ

日米交渉、「8月決着」が波紋

トランプ大統領の「8月発表」が波紋を広げているようです。

日本は夏の参院選後に「大枠合意」をとりあえずまとめる方向で考えていました。

実際は大枠合意後も細かい9000超の関税品目を詰める作業に時間がかかるため、最終妥結はもう少し先になると考えるのが普通です。そこで8月で妥結となったので、どうなるか困惑している人が多いのです。

普通は大枠合意から妥結まで少なくとも2~3カ月、長ければ半年以上かかるものです。それで2020年11月のアメリカ大統領選挙に間に合えばいいと考えていたのです。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

マクベイ氏、離脱期限延期するより合意なき離脱を選択

保守党党首候補の1人されるエスター・マクベイ前雇用・年金相はBREXIT達成のためには、合意なき離脱も受け入れなければならないと述べました。

マクベイ氏はEUが協定案の再交渉に応じない姿勢を維持するなら、自分が首相となった場合、10月31日の離脱期日の延期を求めることはないとしました。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

保守党ジョンソン氏に出廷命令

保守党の次期党首の有力候補であるジョンソン前外相が、法律に違反する言動をとった疑いがあるとして出廷を命じられたようです。

この件は捜査当局ではなく、活動家のマーカス・ボール氏という私人が訴追を申し立てていたもののようです。

前外相の問題発言は、2016年のBREXIT国民投票で、イギリスがEUに毎週3億5000万ポンド(約483億円)支払っていると主張した事です。

これについて、ジョンソン氏は数字が誤っていると知りながら、あえて何度も何度も繰り返していたと当該活動家は主張していたのです。

これがどの程度ジョンソン氏の得票率に関係するのか分かりませんが、保守党党首選挙の勝利をもくろむ前外相にとって、この出廷は選挙勝利に邁進するにあたって冷や水を浴びせる形になりそうです。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

ベトナム、米中貿易摩擦で調子良いが油断は禁物

ベトナムの株式相場は世界の株式が売られた2019年5月においても大きなダメージはありませんでした。

この背景にはベトナムが米中衝突の「漁夫の利」を得るという事があると思われます。

実際に対米輸出の生産拠点を中国からベトナムに移す動きは、世界の企業で起こっている事です。

実際にベトナム政府の中には、このトレンドに大きな自信を持ち、高らかにベトナム経済の輝かしい将来を謳う人が多くいるようです。

しかし、油断は禁物で、ベトナムが中国と同じような道をたどる可能性の方がよほど高いと言わなくてはなりません。

対米輸出の拠点としてのしあがるにつれてアメリカのターゲットとなり、どんどん環境は厳しくなっていきます。

2019年5月28日、アメリカ財務省は同国を通貨安誘導をけん制する「監視リスト」に加えたのもその一つでしょう。

ベトナムに追い風が続く間に、国営企業改革や自国産業の発展といった構造改革を進められるかが、ベトナムの中長期的な展望を考える上で大切です。

ベトナム株とベトナムドンで儲けるための基礎知識

米中貿易摩擦でレアアース銘柄が急騰

株式市場は第2のファーウェイを警戒していますが、一方で急騰する銘柄を探してもいます。

その中で注目されるのがレアアース。

中国でレアアースを生産する江西金力永磁科技は株価が2週間で2倍以上に急騰しました。

もちろん背景は、中国が対米交渉でレアアースを取引材料に使うとの思惑から政府の支援が期待できるから、という事です。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

ハント外相、総選挙よりBREXIT延期が望ましい

保守党の次期党首候補であるハント外相は合意なき離脱の後に総選挙というシナリオより、10月31日の離脱期限を延期するほうが好ましいとの考えを示しました。

保守党なので現時点で総選挙をしない方が良いというのは当然ですが、合意なき離脱を声高に訴える強硬派をけん制しての発言です。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

2019年5月29日

中国がレアアースを使った報復を真剣に検討

2019年5月28日、中国共産党系メディアである環球時報の編集長が、中国がレアアースの対米輸出規制を「真剣に検討」していると明らかにしました。

もちろん彼の背後に共産党指導部がいる事は間違いありません。

中国がこの報復措置を実施すれば、米中貿易交渉は更に難しい局面へと進んでいくでしょう。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

世界の国債利回りが低下傾向

世界経済への減速懸念が高まっていて、先進国の国債利回りが数年ぶりの低水準に落ち込んでいます。

10年物アメリカ国債相場は、利回りが 2.268%と2017年9月以来の低水準で取引を終えました。

10年物米国債の利回りは、3カ月物を下回る水準で、逆イールドと呼ばれる現象がまた起きています。

これは景気後退の前に発生する傾向があるため、投資家が注視しています。

先進国・その他の状況2019

アメリカ、中国を為替操作国に認定せず

アメリカは5月28日中国の為替操作国と認定することを見送る決定を下しました。

ただ、為替監視のリストには中国が載っています。ただ、これは操作国とは違って、制裁などはありません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

アメリカ、日本含む9か国を為替監視リスト対象に

5月28日、アメリカが貿易相手国の通貨政策を分析してまとめた半期為替報告書が公表されました。

その中で日本や中国など9カ国を「監視リスト」に指定しました。

2018年10月時点では6カ国でしたが、イタリアやマレーシアなどを加えて監視対象を広げました。

現状は、

  • 日本
  • 中国
  • ドイツ
  • 韓国
  • イタリア
  • アイルランド
  • シンガポール
  • マレーシア
  • ベトナム

です。

監視リストは「為替操作国」とは異なり経済制裁を伴いませんが、通貨安誘導をけん制する狙いがあります。

先進国・その他の状況2019

インドネシア大統領選挙、野党陣営の抗議、なかなか終わらず

野党陣営による大規模なデモは5月28日までに沈静化したようですが、野党側は選挙結果に異議申し立てをし、審理が本格化する6月後半に再び大規模なデモを準備する方針のようです。

大きな心配をするほどではないかもしれませんが、これがそのまま国を分断して政治的な不安定を生むと、通貨ルピアを含めてマーケットは警戒してしまうかもしれません。

2019年インドネシア大統領選挙の経緯とまとめ

2019年5月28日

新しい記事を投稿

ブレグジット関連のスポット記事として、保守党党首選挙に関してフォーカスする記事を作成しました。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

トランプ大統領、8月に決着

トランプ氏は日米貿易交渉について8月決着を念頭に、早期の結果を日本に迫りました。

今後、日米の駆け引きが激しくなるのは必至と思われますが、夏休みを返上しても8月に妥結というのはかなり厳しいと一部からは出ています。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

1ドル=7元にあまり大きな意味はない??

人民元の対ドル相場が歴史的な低水準になっている事は既報の通りですが中国人民銀行(中央銀行)の腰は重たいようです。

このため、マーケットでは、中国当局にとって1ドル=7元といった特定の相場水準は目標ではないのでは、との観測が広がっているようです。

ただ、人民元安で資本が海外に流出する事は避けたいというのはあるはずです。

ただ中国人民銀行は、香港で元建て債を発行したり、日々の人民元の基準値を市場の予想より高く設定する以外、特に何もやっていません。

もし7元に意味がないとマーケットが確信したら、もっと大きく元安に動くでしょうか。。。

中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~

EU、自動車輸出規制に断固反対

2019年5月27日、EUはアメリカが言っている自動車関連の輸出制限に断固反対の姿勢を示しました。

貿易を巡り欧米間の緊張が高まるリスクが改めて浮き彫りになっています。

米中貿易戦争のみでなくヨーロッパの対米自動車輸出を巡る摩擦も大きな不確定要素となります。もちろん自動車輸出規制は日本も同じです。

アメリカ・ヨーロッパ(EU)の貿易摩擦問題についてのまとめと経緯

モディ首相続投確定の後の注目点

モディ氏の歴史的勝利のあと、次に注目されるのは、

  • 選挙後の連立工作(特に上院)
  • 閣僚人事
  • 修正予算の内容

といった所でしょう。

特に修正予算の内容には注目が集まるでしょう。

2019年2月提出の暫定予算案では、小規模農家に対する最低所得保障制度の導入を謳いました。

今後は、

  • BJPの公約に沿ってその拡充が行われ農村地帯における所得向上を目指す
  • 低所得層向け住宅、上下水道の整備も進展する見込み
  • 物品サービス税(GST)の簡素化
  • 非課税品目の縮小
  • 直接税の簡素化

といった所がポイントとなり、どういった方向性で政権を運営するのかを知る上で、2019年7月の修正予算に注目が集まるのです。

インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)

ハモンド財務大臣、合意なき離脱を推し進めるなら内閣不信任を支持

ハモンド財務相は、次期首相が合意なき離脱を進めるなら、内閣不信任案を支持するかもしれない旨のコメントをしました。

2019年5月現在、保守党党首選で数人の候補が10月31日に合意なき離脱を行う用意があると述べています。

ハモンド財務大臣の様な人は保守党の中にもたくさんいるでしょう。新しい保守党が強硬派の場合どうやって説得していくか大きな問題となると思われます。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

ブラジル、税制改革法案が下院の憲法司法委員会で承認

2019年5月下旬、年金改革法案とは別に、下院憲法司法委員会で税制改革法案が承認されたようです。

ただ、今回承認された税制改革法案は政府案ではなく下院議会の独自案のようで、政府案とは違うもののようです。内容が同じなら良いですが、政府案との乖離があまりに大きいと改革が骨抜きにされているという事になり、年金改革法案でも同様の事が想起され、少し不安になってしまいます。

ただ、マーケットはおおむね良好に推移している事から、今回の出来事が政府と議会でコミュニケーションが上手く取れていて、年⾦改革法案についても進展するという期待につながっているのかもしれません。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

カナダが新NAFTA批准に向けて動議

2019年5月27日、カナダはUSMCA(新NAFTA)批准に向けた動議を下院に提出しました。

USMCA批准に向けた初めの一歩となります。

批准の最大の足かせとなっていた、アメリカのカナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税が撤廃されたことを受け、動き出した形です。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

トランプ大統領、中国と早期の合意は困難

2019年5月27日、トランプ大統領は中国との貿易協議について早期の妥結は困難で、少なくともアメリカにはその用意がないと述べました。

また、中国が制裁関税を払い続けることは困難であるとも話し、中国への圧力を継続し、譲歩を迫る姿勢を示しました。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

マクリ現大統領の支持率、振るわず再選危機

最新の世論調査で、マクリ氏の支持率が26.2%となり、不支持率54%の半分以下に落ち込んでいます。

インフレや雇用の悪化で、支持率は18年以降下落基調で推移しています。

フェルナンデス前大統領が出馬しない事はマクリ氏にとっては良かったのですが、同大統領の改革を国民があまり快く思っていないのでしょう。

しかし、再び左派の手に政権が渡ると、アルゼンチンペソは更なる苦境に陥ってしまう可能性もくすぶります。

アルゼンチンの2018年通貨危機、デフォルトの経緯とまとめ

欧州議会選で、二大政党は苦戦、ブレグジット党躍進

5月23日実施のイギリスにおける欧州議会選挙では、ブレグジット党と、EU残留や2回目の国民投票を掲げる自由民主党が躍進しました。

この一方で既存の二大政党は存在感が乏しく、特に保守党は歴史的な惨敗となってしまいました。

保守党に対する国民の支持がない中で、その保守党の党首が掲げる方針が国の方針となってしまう所が、また難しい所です。

世論と政治が違う方向を向き、バラバラになってしまいかねません。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

トランプ大統領、「自分にTPPは関係ない」

日米は既にアメリカが求める農産品の関税下げについて、TPP水準を限度とすることで大筋一致している状況ですが、トランプ大統領は、自分はTPPと何の関係もない、としてTPP水準を限度とすることや日本が進める多国間の通商戦略と一線を画す姿勢を明示しました。

もしこれがそのままアメリカの方針だとすると、交渉は相当難航するかもしれません。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

イタリアとEUの財政を巡る対立が再び

EUの欧州委員会はイタリアの過剰財政赤字を巡って勧告を出すことを検討しているようです。理屈上は35億ユーロの課徴金につながる可能性があります。

今回の措置はEUの定期的な財政監視プロセスの一環ですが、イタリアの財政についてイタリアとEUで再び対立が起きそうです。

イタリアとEU間の対立は2018年においてもたびたび市場を混乱させてきたわけですが、同じことがまた起きるかもしれません。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

中国へのフィンテック投資がしぼむ

あるデータによると、2019年1~3月期のフィンテック投資は中国で1億9千万ドルと前年同期比88%減となったようです。

米中貿易摩擦の激化、中国当局によるオンライン融資の規制強化がその主な背景としてあがっています。

世界全体でも同様の傾向であれば大きなニュースにはならないでしょうが、世界全体で見ると前期比で堅調です。中国だけ大幅減少となってしまいました。

中国の統計・データに関するまとめ2019

2019年5月27日

ジョンソン氏、合意なき離脱への準備進める

次期保守党党首の選挙戦に立候補しているジョンソン前外相は、自身が次期首相になれば合意なき離脱を準備しつつ、アイルランド国境問題を巡る「バックストップ条項」をEUと再交渉すると発言し、その再交渉をEUが拒めば、合意なき離脱に踏み切るとコメントしました。

ここにきて、一気に合意なき離脱への可能性が高まっていると見る関係者は多いと思われます。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

日米貿易交渉の結論は7月の参院選まで先送り

2019年5月26日、トランプ大統領は日本との貿易交渉について日本の7月の参院選まで結論を急がない旨表明しました。

今後の貿易交渉の進め方は27日の日米首脳会談で焦点の一つとなっています。

トランプ氏は夏の参院選への影響を避けたい安倍晋三首相に配慮した形ですが、ここまで選挙回避といわれると、逆に重大な材料を有権者に示さずに、物事を進めていて有権者軽視だとの批判が起きそうなものですが。。。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

合意なき離脱を巡る情勢、保守党の2/3は合意なき離脱を支持

次期首相は保守党の党員12万人から選ばれるわけですが、最近の世論調査によると、党員の3分の2は合意なき離脱を望んでいるようです。

一方で保守党以外もいれた全体で見ると、議員の過半数は合意なき離脱に反対している状況です。

合意なき離脱を進めたい保守党リーダーと阻止したい議員の攻防は続きます。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

フィリピン、ドゥテルテ派の圧勝で早くも2022年の次期大統領選の話題

ドゥテルテ大統領一派の圧勝を受けて、待ちきれない人たちが2022年の大統領選へ早くも動き出したようです。

次期大統領有力候補にドゥテルテ大統領の長女が急浮上しているのです。

一方、現職大統領であるドゥテルテ大統領が改憲で再選を目指すとの臆測も根強くあるようです。

フィリピンの政治は、特に大きなスキャンダルがない限り、ドゥテルテ一家を中心に今後動いていくかもしれません。

【2019年5月】フィリピンの中間選挙とドウテルテ大統領の政策

2019年5月26日

新しい記事を投稿

BREXIT関連で、メイ首相の後任の決定プロセスとそれ以降の考えられるシナリオについて簡単にまとめたスポット記事を作成しました。

【2019年5月】BREXIT関連 メイ首相後任決定プロセスとそれ以降

モディ氏勝利で今後5年間は上昇基調の可能性高い

モディ氏勝利で、インド株式は上昇基調を維持すると思われます。

米中関係悪化や世界経済の減速が懸念される一⽅で、インドにおいては今後5年の政局不安が払拭されたと同時に、高い経済成⻑も引き続き期待されることから、海外投資家にとってのインド株の魅⼒は高まっていると思われます。

ただ、最近の上昇でによって株価の割安感が薄れたこともあるのっでそれが上昇抑制となる可能性もあります。

ただ、中⻑期では堅調な経済成⻑と業績⾒通しに支えられながら、上昇基調が続いていくのではないかと思われます。

インド株式の動きとまとめ2019

ファーウェイ、10億ドルの調達を目指す

ファーウェイが少数の金融機関から約10億ドルの調達を模索しているようです。

アメリカの禁輸措置を受けて以降、ファーウェイにとって初めての調達となり、同社の資金力が問われます。また、マーケットが同社をどの様に見ているか垣間見ることが出来るイベントとなるかもしれません。

ファーウェイは上調達について米ドルか香港ドル建てのオフショアローンを目指しているようで、期限は5年と7年が念頭にあるという事です。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

2019年5月25日

メイ首相が退任を表明、6月7日に

2019年5月24日、メイ首相派6月7日に保守党の党首を辞任する考えを表明し、後任が決まり次第、首相の座も降りると発表しました。

これについてのレポートは↓から一覧がご覧いただけます。

メイ首相退任に関するレポート一覧

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

アメリカ、人工知能などの新技術も輸出制限??

米中貿易戦争はアメリカ製品の輸出制限も検討していく段階に入るかもしれません。

アメリカはファーウェイがアメリカ製の基幹部品を調達することを事実上禁止し、重要技術の中国のアクセスを遮断しようとしています。

さらに監視システム等を手掛ける中国企業についても、「ブラックリスト」への掲載を検討しています。

アメリカによる貿易戦争が、中国とのテクノロジー覇権を巡る争いに発展する可能性がどんどん拡大しています。

今、対中輸出で制限を受けるものとして、

  • AI
  • ロボット
  • 3Dプリンター

といった技術関連の輸出を抑制する幅広い定義を求めているようです。

こうした新たな規制は、この分野で働く外国人エンジニア・科学者が得る知識を機密情報の輸出と見なし、企業が外国人を採用できる余地を制限することも可能性としてあり得ます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

貿易戦争激化でマーケットへの影響大きくなる

貿易戦争の一層の激化が懸念される中、世界のマーケットでも警戒ムードが強まっているようです。

  • 株式や商品などのリスク資産は売られる
  • 安全資産とされる先進国国債には買い(10年金利がドイツでは▲0.12%、英国では1%を割り込む)
  • アメリカで「不況の前兆」とされる金利の「長短逆転」が再び発生
  • 外国為替市場では比較的低リスクとされる日本円やスイスフランが買われる
  • 銅相場は4か月ぶりの安値。(銅相場は中国経済の「先行指標」と位置付けられることが多い。)
  • 世界の主要半導体株の動きを示すフィラデルフィア半導体株指数は約2カ月半ぶりの低水準に

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

アメリカ、人民元安への誘導をけん制

アメリカが中国による人民元安への誘導を強くけん制し始めています。

2019年5月23日、アメリカは輸入品の不当廉売に関税を課す相殺関税制度を見直し、貿易相手国の為替介入も「不当な補助金」とみなして税率を上乗せする検討に入りました。

これは通商と為替をからめた異例の措置で、日本にとっても将来の為替介入の余地を狭める可能性があり、注視する必要があるかもしれません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

ファーウェイによるアメリカのハイテク団体への参加停止相次ぐ

アメリカの無線LANや半導体分野の規格団体がファーウェイの会員資格を停止したようです。

アメリカ政府の方針を受け、同社の活動を制限するというものです。

このまま行くとファーウェイのみならず他の中国企業がアメリカ主導の次世代技術の標準化に参画できなくなる可能性があります。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

自動車新車販売をテコ入れ

中国が新車販売のテコ入れに乗り出します。

メニューとしては、

  • 農村での販売補助制度導入
  • 中古車輸出の解禁
  • 北京市や上海市などのナンバープレート発給制限を緩和

といったもののようです。

2019年1~4月の新車販売台数は1割減と落ち込みが続いており、車産業支援を通じて景気を刺激し、貿易摩擦による景気後退を和らげます。

中国の景気テコ入れ策・経済政策の経緯とまとめ(2018年~)

2019年5月24日

モディ氏勝利宣言、予想外の歴史的勝利

2019年5月23日に開票が始まったインド総選挙で、モディ首相の与党インド人民党の勝利が確実となったようです。

しかも選挙管理委員会の公式結果によると、542の改選議席のうち、少なくとも与党が302議席を獲得し、下院の過半を握るのに必要な272議席を大幅に上回りました。

これは2014年選挙で獲得した282議席からさらに積み増した形です。

元々与党一党での過半数越えは厳しいというのが大方の一致した意見でしたので、これは与党にとってはうれしい誤算でしょう。

単一の政党が連続して過半数を獲得すれば、1984年以来となる快挙です。

インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)

アメリカ、農家支援に160億ドル

アメリカは農業セクター向けに160億ドル規模の支援策を発表しました。

米中貿易摩擦で農家が被る損失を埋め合わせる目的で、農家へ直接支払う形が主となる予定です。

トランプ大統領は来年に大統領選挙を控え、票田である農家の支持をつなぎ留めておく必要があり、ことさら力の入った支援策になるのかもしれません。

米中貿易交渉が5月に入ってから激化し、中国市場を主要な輸出先とするアメリカの農家の穀物輸出が滞るとの見方が台頭しています。これを背景に、コモディティー価格は約10年ぶりの安値に沈んでいる状況です。

このまま放置すれば、農家のトランプ大統領に対する印象は悪化し、2020年の大統領選挙で苦戦を強いられると考えているのだと思われます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

原油先物が急落

2019年5月23日、ニューヨーク原油先物相場が急落し、今年最大の下げとなりました。

米中貿易摩擦の影響でリスク資産を回避する動きが強まったようです。

原油先物は6%近い下げとなり、終値の下落率としては2018年12月24日以来最大となっています。

この日はアメリカ株式相場も大きく下落しました。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

米中貿易摩擦、中国は長期の持久戦略か

中国政府は米中貿易戦争を巡り、国内に持久戦への備えを呼びかけているようです。

習氏が中国共産党が1万キロメートル以上の道のりを2年かけて行軍した「長征」の出発点を訪れ、「新しい歩みを始める」と語った事を受けています。

一部では10年以上この交渉は続くとの意見も出ています。

ただ、米中の貿易協議の早期合意を望む声も強く、国内で一致したトレンドとなっているわけではなさそうです。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

アメリカの禁輸措置が影響し、新スマホの開発が困難に

アメリカの輸出禁止措置がファーウェイのスマホ戦略の根幹を揺るがすかもしれません。

中核半導体の技術を握るイギリス半導体設計大手アーム・ホールディングスが取引停止の方針を決め、新規開発が困難になったとの見方が広がっています。

ファーウェイは現行モデルのライセンスを使い続ける権利があると思われ、すぐに生産停止に追い込まれることはなさそうです。

ただ、今後のスマホ向け半導体開発ではアームの協力を得られなくなる可能性が高く、ファーウェイのスマホ開発はかなり暗雲立ち込めてきそうな様相です。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

インドネシア大統領選挙、大規模暴動でSNS制限も

大統領選の公式結果を受けて、首都ジャカルタで混乱が続く中、政府はSNSの使用制限を決めたようです。

偽情報の拡散や暴力をあおる投稿を防ぐためとしています。

4月に行われた大統領選でのジョコ大統領の再選が確定した5月21日以降、SNSでは偽情報や暴力をあおる投稿が急増しており、大きな問題となっています。

2019年インドネシア大統領選挙の経緯とまとめ

トランプ大統領、ファーウェイは交渉材料の一つ

米中通商摩擦でファーウェイなどのハイテク企業をやり玉にあげられ、さながらハイテク企業を巡る冷戦に変貌するとの懸念が渦巻く中、トランプ大統領はファーウェイをめぐり、同社が貿易交渉の中で一つの材料になる趣旨の発言をしています。

譲歩を引き出すための交渉材料にファーウェイを使う可能性に改めて言及した形です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

2019年5月23日

メイ首相が退任表明か、イギリスメディア

メイ首相が5月24日に辞任を表明する見通しとの報道がありました。当該メディアは情報源は明らかにしていません。

報道によればメイ氏は後任が選出されるまで首相職にとどまる予定との事です。

もしこれが本当だとすると、後任を巡ってまたマーケットが騒々しくなる可能性があります。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

トランプ大統領、5月の訪日で貿易交渉の話はせず

5月のトランプ大統領訪日時において、貿易問題に大きく焦点を当てない見通しであることが分かりました。

日米は貿易交渉を続けていて、要するにこの段階ではそこまで大きな進展はないという事でしょうか。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

アメリカとトルコが首脳会談の可能性

2019年5月23日、アメリカとトルコの首脳が近くトルコで、又はG20の合間に会談する可能性があるとの報道がありました。

一連のミサイル問題で事務レベルで何らかの進展や良い兆候があった可能性があります。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

G20での米中首脳会談、「おそらく、会う」

2019年5月22日、ムニューシン財務長官は6月下旬に米中の首脳はおそらく会うだろうと述べました。

日本で開かれるG20首脳会議の事を言っているわけですが、この言い方では、首脳会談を行わない可能性も相応にあると疑ってしまいますね。。。双方とも対話再開の意欲はあるようですが、どうなるでしょうか。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

アメリカ、監視カメラ世界最大手のハイクビジョンの禁輸を検討

アメリカが監視カメラで世界シェア首位の中国企業であるハイクビジョンへの禁輸措置を検討しているとの報道がありました。

報道によれば、安全保障上懸念のある外国企業を列挙した「エンティティー・リスト」にハイクビジョンを指定することを検討しているようです。

中国製造2025についてのまとめと経緯

メイ首相に辞任の圧力

離脱協定合意に向け新しいアイデアを披露したメイ首相ですが、逆に退任圧力が強まっていそうな感じになっています。

  • 英下院のアンドレア・レッドソム院内総務が、EU離脱に対する政府の姿勢は支持できないとして辞任
  • 1922年委員会の幹部議員が、メイ首相に対する新たな信任投票を可能にする党の規則変更を試みる
  • 6月第1週に予定する法案採決の中止を保守党議員らが首相に強く迫る予定

といった報道がなされています。

もしかしたらメイ首相の辞任は近いかもしれません。となるとまた一波乱ありそうです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

6月の米中首脳会談まで人民元に大きな動きはない??

人民元は、心理的な節目となる1ドル=7元に近づいたまま大きな動きを見せません。

米中貿易摩擦再燃から急速に元安が進んだのは既報の通りですが、7元はリーマン・ショック後の元安局面でも突破しなかった厚い壁です。

今回も中国当局が7元のラインを防衛するとの見立てがマーケットでは強まっていますが、米中首脳会談の結果いかんでもしかしたら大きな動きがあるかもしれないと見る人もいるようです。

中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~

メイ首相の新提案も突破口とならず??

2019年5月22日、メイ首相は自らの離脱案が承認されれば、その案の是非を問う再国民投票を実施するかどうかを諮ると改めて議会に説明しました。

しかし、EU残留を嫌う強硬離脱派は猛反発し、EU残留派も「今までの案と大差はない」などと批判していて、新提案が突破口になる兆しは見えていません。

メイ首相の狙いは、再国民投票やEUとの関係を維持した離脱を求める野党からの賛成票の取り込みにあるわけですが、メイ首相の案を認めることが条件になっている点がネックとなっています。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

米中貿易摩擦の影響でレアメタル関連株が上昇

米中貿易摩擦の激化を受けて、レアメタル関連株が値上がりしました。

中国がアメリカへのレアアースの輸出制限をかける可能性が意識され、既存の調達先から代替先として出てくるような企業を中心に、また、レアメタル関連のETF経由で資金流入が増えるとの観測もあり、株価を下支えしたようです。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

ファーウェイ禁輸を受け、国内半導体産業を支援

中国政府は通信機器に組み込む半導体製品などを作る企業について、その所得税を免除すると発表しました。

アメリカがファーウェイへの輸出規制を決めたため、米中貿易戦争の長期化に備えて国内の半導体産業の早期育成をめざします。

発表によると集積回路の設計企業やソフト開発企業を対象に、税率が25%の企業所得税について1~2年間免除し、3年目から5年目までは半減にするとしています。

中国の景気テコ入れ策・経済政策の経緯とまとめ(2018年~)

欧州議会選でブレグジット党が一歩抜き出る

イギリスでは、23日から始まる欧州議会選が離脱派と残留派の代理国民投票の様になっています。

その中で支持率で一位となっているのが、早期の離脱を唯一の公約とするブレグジット党です。

BREXIT対応にいら立つイギリス人を大いにひき付けているようです。

ブレグジット党の躍進を引っ張るのがファラージ党首です。圧倒的な人気なのです。

巧みな演説と、早期離脱がイギリス人を幸せにするというシンプルなメッセージが、イギリス人の心に響きます。

同氏は元々欧州懐疑派の保守党員だったようですが、1992年にメージャー政権がEU創設を定めるマーストリヒト条約に署名すると、それに反発して離党しました。

その後、英国独立党(UKIP)を創設し、前回の2014年の欧州議会選では、UKIPをイギリスの中で1位に押し上げる剛腕ぶりを発揮しました。

その後UKIPを離党しますが、今年に入ってブレグジット党を立ち上げたのです。

感情とナショナリズムい訴えて支持を得ようとするのはどこも同じなようです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

アメリカ企業は中国の非関税障壁に悩む

ある調査で、米中貿易摩擦を背景にアメリカ企業多くが中国で非関税障壁による不便を強いられている事が分かりました。

当局による検査のほか、通関手続きや許認可の遅れなどの障壁が高まっているという事です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

2019年5月22日

新しい記事を投稿

アメリカによるファーウェイへの禁輸措置について、企業への影響にフォーカスしたスポット記事を投稿しました。

アメリカ、日本、欧州などへの影響を簡単にまとめた記事です。

【2019年5月】ファーウェイ(華為、HUAWEI)禁輸措置のアメリカ企業への影響

中国、「協議継続の用意ある」

中国の崔天凱・駐米大使は2019年5月21日、中国政府がアメリカとの通商協議を続ける用意があると表明しました。

米中通商協議は5月10日まで開かれましたが、次回会合の日程はまだ決まっていません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

JPモルガン、合意なき離脱の確率を25%に引き上げ

2019年5月21日、JPモルガンは合意なき離脱となる予想確率を従来の15%から25%へ引き上げました。

メイ首相の後任として強硬離脱派のジョンソン前外相が次期首相になる確率が高まり、それに応じた結果という事です。

現時点では、総選挙の実施を伴う2019年末への離脱延期が中心シナリオのようですが、より不透明さが増していると指摘しています。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

OECDの2019年成長率予想、三たび引き下げ

2019年5月21日、OECDは2019年の世界経済成長率見通しを3月時点と比べ0.1ポイント低い前年比3.2%%に引き下げました。

米中貿易摩擦による影響が主因です。

OECDは2019年の世界経済の成長率見通しを段階的に引き下げてきています。

2018年11月時点では3.5%、2019年3月は3.3%、そして今回3.2%%です。

先行きのリスクとして、

  • 貿易制限のさらなる拡大による投資・雇用・消費への弊害
  • 中国経済の急減速の世界中の経済活動への影響
  • 民間部門の債務

を挙げています。

また、米中貿易摩擦によって、2021~22年にかけて中国の成長率を0.2ポイント強、アメリカの成長率を0.2ポイント、世界の成長率を0.1ポイント押し下げると試算しています。

IMF、OECD経済・景気関連レポートに関するまとめ

日本企業は第四弾の関税に向けて急ピッチで対応を検討中

アメリカの対中制裁関税第4弾が実施される事で、日本のメーカのコスト増やサプライチェーンの再構築が起きる事は既に報道がされている通りだと思います。

ある調査によると、中国拠点からの海外輸出のうちアメリカ向けは約6%で、日本企業が中国からアメリカに輸出する製品の総額は年1兆円規模となっています。

対応方法は各社結論出ておらず、例えばパナソニックは、

  • デジカメを中国福建省で生産。
  • 600億円程度のカメラ事業の売上高のうち、アメリカは約2割。
  • 今後生産移転を検討するが、コストを考慮する必要

としており、アシックスは

  • 2018年から生産の一部を中国からベトナムに移管。
  • 北米は重要市場だが、中国からの輸出品のうち一部は移管が困難。
  • 対応方法について、顧客や調達先と協議予定。

との事です。

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変2019

大規模なトルコリラ売りの決済を、当日から翌日に変更

2019年5月20日、トルコ政府は銀行に、大規模な外貨買いについて決済を翌日とすることを命じました。

通貨リラの防衛策を強化する事がその意図です。

10万ドル相当以上の全てのリテール取引を、現行の当日決済から翌日決済に変更するというものです。

トルコの金融政策の経緯とまとめ2019

ジョコ大統領の勝利が確定も、テロや大規模デモ発生の可能性

2019年5月21日、インドネシア選挙管理委員会は4月17日における大統領選で現職のジョコ大統領の再選が決まったと発表しました。

結果を受け入れない野党支持者による大規模なデモや、選管を狙ったテロ計画が浮上し、混乱等を避けるために予定より早い発表となりました。

2019年インドネシア大統領選挙の経緯とまとめ

中国、「抗米」や「愛国」を訴える

中国政府は、アメリカへの対抗と愛国を国民に呼びかけています。

中国の国営テレビは米中が衝突した朝鮮戦争を題材にした映画を連日放映し、一部の中国企業はファーウェイの優先購入に動いたりしています。

国民に共通の敵を持たせて、他の事から目をそらせたりするのは中国がよくやる手ですが、反米感情が過熱すれば制御不能になるリスクがあります。

政府が陽動した抗日運動を思い出させます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

USTRとアメリカ民主党間の交渉は順調

2019年5月21日、ライトハイザーUSTR代表と民主党が続けているUSMCA(新NAFTA)の議会批准に向けた交渉が、順調に進捗しているとの報道がありました。

ただ批准の採決が行われる時期については、民主党のペロシ下院議長次第となりそうです。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

ドローンの使用にアメリカ政府が警告メモ

アメリカ政府が中国製ドローンの使用について、情報漏洩のおそれがあるとして警告するメモをまとめたようです。

ドローン世界最大手の中国DJIが念頭にあると思われ、米中貿易戦争における新たな火種になる可能性があります。

アメリカ政府内には、かねてから中国製ドローンが安全保障に影響を及ぼすことへの懸念があったようです。

実際にアメリカ陸軍は2017年にDJI製のドローンの使用を禁止しました。撮影したアメリカの重要インフラなどの情報がDJIを通じて中国政府に流れている可能性があるというのがその理由です。

もちろん、DJIはこのことを否定しています。

第二のファーウェイのようになるのでしょうか。

中国製造2025についてのまとめと経緯

2018年の世界の企業業績

2018年度はアメリカ企業が2桁の増益を続ける一方、中国企業は3%増と、米中で企業業績に顕著な差がある事が分かりました。

アメリカ側の好調の要因はGAFA等のインターネット系企業の堅調さです。いずれもプラットフォーマーとして絶大な存在感を保ち、それがそのまま堅調な収益につながっています。

中国側の要因としては過剰債務問題で経済活動が停滞したことと、米中貿易戦争の負の影響、の二つが挙げられるでしょう。

世界全体の上場企業の増益率は3%と2017年(29%増)から大きく縮小してしまいました。業績面では下押し圧力が強まっている状況です。

世界の純利益の合計は4兆1400億ドル(約450兆円)となり、2年連続で過去最高になりましたが、伸び率は3%止まりとなりました。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

2019年5月21日

新しい記事を投稿

メキシコのロペスオブラドール大統領の政策の遂行状況について追っていく記事を投稿しました。

メキシコ・ロペスオブラドール氏の政策の遂行状況のまとめ2019

インド株式は過去最高値も油断ならず

2019年5月23日に開票する下院総選挙(定数545)で、与党連合の勝利観測が広がり、株価が上昇しています。

2019年5月20日、SENSEXが前週末に比べ4%近く上昇し、過去最高値を更新しました。

ただ、あくまで観測に過ぎないので実際に開票したら全く違っていたという事も理屈上はあり得ます。そうなった場合はその反動で大きな下落となるかもしれません。

実際に、与党BJPの独自調査では、与党連合の獲得議席は(下院の4割の)220議席を下回る可能性も言及していて、かなり慎重です。

地方政党との連立協議を加速させ、無所属議員にも参加を促していく方針との事です。

インド株式の動きとまとめ2019

トランプ大統領への超党派の支持はいつまで続くか

トランプ大統領の対中貿易強硬策は、珍しく超党派の賛辞を浴びています。

しかし、これまで対中関税の負の影響をあまりアメリカ経済が被ってこなかったことがその背景にある事も忘れてはなりません。

ファーウェイ製品の禁輸や、第四弾の対中関税が実施されると物価の上昇を肌で感じる事も多くなってくるものと思われます。

こうした対中関税に伴うコストの負担に直面する中、今後もこうした支持が続くかどうかが試されることになります。

トランプ大統領が強気でいるのは、一つは順調なマーケットや経済、そして超党派の支持があることの二つが大きなものとしてあるでしょう。

今後、事実上すべての中国産品に追加関税を課そうというアメリカ政府の動きと合わせて、一部の共和党議員の間にさえも懸念を引き起こしていますが、どこまでいけるか、アメリカ側も決して楽な感じではないでしょう。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

夏までの離脱は厳しい情勢、メイ首相の求心力も限界に

与野党協議が決裂した影響もあり、メイ英首相が描いてきた2019年夏までの離脱は難しい情勢です。

5月23日に投票が始まる欧州議会選で、どれだけ保守党が票を伸ばせるかが一つのポイントとなりますが、地方選でも大敗しているメイ氏は求心力を失っており、欧州議会選でも保守党が大きく議席を減らせば退陣圧力が一段と強まる可能性があります。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

中国の対米報復関税、6月から最大で25%

中国は6月からアメリカへの報復関税を実施します。

LNG、木材、ワイン、ナッツなど農産品・食品類など重要な品目の関税率を最大25%に引き上げ、トランプ大統領の支持基盤を揺さぶる狙いですが、発動規模はアメリカに大きく見劣りし、迫力はあまりありません。

国内産業に配慮して自動車部品は関税をゼロに戻すなど、実情と感情の間で帳尻を合わせているようなところがあります。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

習近平がレアアース関連施設を視察で、憶測

習近平国家主席がレアアース関連の国内施設を視察したことで、貿易交渉でレアアースを取引材料にするのではないかとの見方が広がっているようです。

アメリカは第四弾の対中制裁関税で3000億ドル相当の追加関税を準備していますが、この中からレアアースは除外されています。実は、アメリカはレアアース需要の約80%を、中国からの輸入に頼っているのです。

こういう背景の下、中国がレアアースを報復手段に使用する可能性があるという警告をアメリカに発していると受け止める向きが多いのだと思われます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

ブラジル政府のデモ対応に不安

既報の通り、大学予算の減額などに抗議した大規模デモがブラジルで発生しましたが、これに対するボルソナロ政権の対応等に少し不安を覚えた投資家が多いようです。

今回予算凍結を決定したアブラアン・ウェイントラウビ教育相を下院本会議に召喚する票決が行われ、票決は反対の82票を大きく上回る賛成307票で可決され、政府と議会の溝が意識されました。

問題はここからですが、こうした混乱の中、ボルソナロ大統領とゲデス経済相は外遊に出かけてしまい、結果として議会軽視やボルソナロ大統領の政権運営能力への疑念が高まる結果となってしまいました。

今後、これを武器に反ボルソナロ派の人たちが勢いづくと年金改革法案の行方も懸念されてしまいます。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

グーグルがファーウェイへのOS提供を停止?

2019年5月19日、グーグルはファーウェイに一部ソフトウエアの供給を制限する可能性があることを示唆しました。

グーグルはファーウェイ製のスマホにOSを提供しており、それが停止となると、特に海外で販売するスマホへの打撃が大きくなりそうです。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

米中貿易摩擦激化で金は上昇するか

2019年5月は米中貿易摩擦が激化したタイミングという事で、今後の世界景気や、世界一金需要のある中国の景気減退によって通貨よりは金を持つという人が増える可能性があるので、買い、といえるかもしれません。

ただ、2019年5月現在では金価格はそこまで上昇していないようです。

金の現物価格は2019年5月中旬で1オンス当たり1296ドルあたりで、昨年末を1%ほどしか上回っていない状況です。

第1・四半期中には2月20日に一時1346.73ドルに達しましたが、そうした値上がり分はほとんど帳消しになっている状況です。

ETFからの買いが入っていないからだと思いますが、それでも今後より世界景気が悪化すると考えるなら、金を一つの投資先候補として挙げていても良いかもしれません。

金の動き、金相場についてのまとめ

ファーウェイ輸出禁止規制、保守関連は3か月間猶予

アメリカはファーウェイに対する事実上の輸出禁止規制を巡り、一部取引を3カ月間認める猶予措置を発表しました。

アメリカ国内にある既存の通信ネットワークの保守に関わる取引などに限って容認するようです。アメリカの同社製品の利用者に悪影響が及ぶのを避ける事が主な狙いです。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

インド、与党は票読みにかなり慎重

出口調査では与党勝利の観測が強いようですが、与党BJPは与党連合の獲得議席が(下院の4割の)220議席を下回る可能性にも言及するなど、極めて慎重のようです。

今後地方政党との連立協議を加速させ、無所属議員にも参加を促していく事も検討しているとの事です。

インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)

日本の1-3月期GDPは表面上ポジティブサプライズ

日本の2019年1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.5%、前期比年率+2.1%%となりました。

これはマイナスか横這いという予想が多かったこともあり、ポジティブ・サプライズとなりました。

しかし、個人消費、設備投資、輸出といった主要項目は事前の予想通り前期比マイナスという厳しい内容になっており、米中貿易摩擦の影響が出ています。

一方で住宅投資、公共投資は予想通り前期比プラスとなっています。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

ファーウェイへの禁輸で世界の半導体企業の株価は暴落

世界の半導体企業が米中貿易摩擦の悪化で大きな打撃を被っています。

2019年5月20日にはファーウェイへの製品供給を一部のサプライヤーが停止したとのニュースで、半導体メーカーの株は下げ一色でした。

アメリカのフィラデルフィア半導体株指数は一時3.6%安と1週間ぶりの大幅安となり、欧州ではストックス600テクノロジー指数の下げが3%を超えました。

光学・光通信製品のルメンタム・ホールディングスはファーウェイへの供給を全面停止すると発表して業績の見通しを下方修正し、その結果一時5%を超える下げとなりました。

同業のインファイも一時5.3%安まで下げています。

このほか、ドイツのインフィニオン・テクノロジーは、ファーウェイへの供給製品の過半数は今回の制限の対象外であり、「当社の国際サプライチェーンの中で適応可能だ」と発表しましたが、株価は一時6.1%安となりました。

amsはファーウェイへの供給を止めてはいないとしたものの、株価の下げ幅は15%に達しました。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

世界の貿易量は低水準が続く

世界貿易機関が2019年5月20日に発表した2019年4~6月期の世界貿易予測指数は96.3でした。

これは前期(1~3月期)と同じ数値で、米中貿易摩擦の影響などで低水準が続いている状況です。

因みに今回の数値に、5月のアメリカによる対中追加関税の発表は反映されていません。

WTOは2019年の貿易量の前年比伸び率を2.6%と予測していますが、米中が打開策で早期に合意できなければ、下方修正する可能性に言及しています。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

2019年5月20日

インドの選挙、出口調査ではモディ氏優勢

2019年5月19日、メディア等各社の出口調査結果が相次ぎ発表されました。それによればモディ首相率いるインド人民党(BJP)の与党連合が、議席の過半数を獲得するとの予想が多いようです。

さすがに、前回2014年の選挙と同じレベル(336議席相当)を得るという予想はないようですが、おおむねモディ氏がかなり優勢という形で今回の選挙を総括している所が多いようです。

インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)

新しい記事を投稿

メイ首相の後任候補に関するスポット記事を投稿しました。

【2019年5月】BREXIT関連、主なメイ首相の後任候補の顔ぶれ

トランプ大統領、「五分五分の合意、ない」

トランプ大統領は、メディアのインタービューに答え、中国の習近平国家主席に、米中合意が「五分五分」の合意にはなり得ないと伝えたことを明らかにしました。

中国の過去の貿易慣行を考えれば、今回の交渉ではアメリカ側に有利な内容になるべきだと主張したという事です。

その上で、中国がいずれアメリカと合意を結ぶはずだともコメントしました。高い関税に経済が耐えられないからだ、というのがその理由です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

OPECとロシア減産幅縮小で協議

2019年5月19日、OPECとロシアなど非加盟国は原油の減産状況を確認する監視委員会を開きました。

7月以降の減産幅の縮小について引き続き協議することで一致し、6月下旬に開くOPEC総会などで判断する見込みです。

但し、OPEC加盟国の大半が今年下期に減産を延長することに支持を表明したものの、ロシアは今後1カ月の動向を見極めたいと述べており、どこまで意見が集約できるかはまだ分かりません。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

アルゼンチン大統領選挙、左派のフェルナンデス前大統領は出馬せず

2019年5月18日、左派でポピュリストのフェルナンデス前大統領が10月の大統領選に出馬せず、副大統領候補として臨むと発表しました。

2015年まで大統領を務めたフェルナンデス氏は汚職疑惑を抱える一方で大衆迎合主義的な政策ゆえ、一部の国民から根強い支持を得ていて、世論調査でも現職のマクリ大統領を抑えて首位でした。

今回のフェルナンデス氏による出馬しない宣言は大きな影響を与えそうです。

マクリ大統領が当選となれば、現状の改革も継続されるとの期待からアルゼンチンペソは上昇する可能性が高くなります。

マクリ大統領のほか、、「非マクリ、非フェルナンデス」を前面に出している人気3位の穏健左派、ラバーニャ元経財相の動きにも注目が集まっていくでしょう。

アルゼンチンの2018年通貨危機、デフォルトの経緯とまとめ

メイ首相の退任報道でポンド安

メイ首相の退任が現実のものとなりつつある中、ポンドは売られました。

保守党の党首選となり、後任の保守党党首に強硬派が選ばれれば、合意なき離脱も懸念される為でしょう。

具体的な懸念としては、

  • メイ首相の後任にジョンソン前外相など強硬派が就任すること
  • 誰がなっても議会での過半数獲得に困難も想定され、離脱期限切れとなる可能性があること

5月時点で、なんとなく三度の離脱期限延期というシナリオがメインになりつつあるような気もします。

BREXITとイギリスポンドの動き2019

5月24日にライトハイザーUSTR代表が来日し協議

2019年5月24日にライトハイザーUSTR代表が来日し、27日のトランプ大統領訪日に先立って茂木敏充経済再生相と会談する予定です。

日米通商交渉を加速させたいアメリカ側の狙いがあるとみられます。

21日には、ワシントンで事務レベルでの論点整理も行われる予定です。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

中国はもはや米中協議に関心ない?

中国の国営メディアが、現在のような関税引き上げの脅しの下での対米協議再開に関心がないと、中国の姿勢を伝えました。中国国営メディアは今回の貿易交渉を「貿易戦争」と表現し一気に攻撃的になっています。

加えて中国の報道官は2019年5月16日、アメリカ当局者がが追加協議のために訪中するという話も聞いていないと述べました。

これでG20での米中首脳会議に一気に耳目が集まります。

中国側は既に、中国の国家戦略や技術開発計画などでアメリカが干渉してくることを一切拒否するという姿勢を固めているのかもしれません。もしそうなら中国にとって協議再開はほぼ無意味になります。

中国側としては、最初に示した①関税撤廃、②達成可能な購入計画、③バランスの取れた合意文書、という3つの主要な懸念が改められない限り、何も協議する事はないとしています。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

ブラジルの年金改革法案、下院議会の中道政党との協力がカギ

既報の通り、年金改革法案の審議状況が現在のブラジルレアル関連の話題では最も注目されたものとなっています。

今後の議会審議において、特に注目すべきは下院本会議の承認手続きといわれています。

下院議会での年金改革法案の承認には、513名の議員のうち308名(60%)以上の賛成を得る必要があるわけですが、これをどうするのか、というのが一番の山場と思われます。

ただ、年金改革に反対を表明している野党陣営は下院議会のうち140名前後と勢力が小さいため、あまり大きなハードルにはなりえません。

問題は中立派の下院議員(約150名強)との協力関係です。これはまだ未知数でボルソナロ政権がどの様に対処していくかを見ていく必要がありそうです。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

エルドアン大統領、ロシアとミサイルシステムの共同生産開始を発表

2019年5月18日、エルドアン大統領はロシアと新ミサイル防衛システムの共同生産を進める考えを明らかにしました。

加えてアメリカが反発しているロシア製のミサイルの導入も改めて意欲を示しました。

トルコのロシアとの軍事関係深化はアメリカとの溝を広げそうです。

エルドアン氏はアメリカの懸念と制裁に対し、技術的な問題は調査済みとして、安全保障情報の漏洩などの懸念を否定しました。

さらにタイミングは別として、いずれF35を受け取れる見通しも示しました。

この発言はマーケットにとって決してポジティブではないでしょう。どこまで悪影響が起きるのか、トルコ投資家は見ておく必要があると思われます。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

米中貿易摩擦の影響で債務問題悪化を懸念

2019年5月に発表されたアメリカによる対中関税によって、多くの中国企業が苦境に陥ると観測されています。

こんな中、既に景気減速に対処すべく大規模な刺激策を打ったばかりの中国政府の対応は注目されると思われます。

もし、制裁関税の影響緩和の為に追加の資金を経済システムに注入するとなると、今のシャドーバンキング問題といった債務問題は、取り返しのつかないレベルまで事態を悪化させるリスクがあるからです。

目先の対策をするなとは言えない状況ですが、構造的問題を野放しにするどころかもっと厳しい状況に追い込むと長い期間苦しむことになるでしょう。

中国民間企業の債務問題、シャドーバンキング問題

フィリピンは、ドゥテルテ大統領一色の政治に?

2019年5月の選挙でドゥテルテ大統領派は圧勝しました。

同大統領に対する評価は海外を中心に厳しい一方で、同国経済は堅調な景気拡大を続け、薬物犯罪取り締まりの強化によって治安改善も実現され、国内での支持率は81%と過去最高を更新していました。

そして、最終的には事前予想を上回る形で選挙戦に勝利を収めました。

影響力が大きい議会上院改選では、「反ドゥテルテ派」が全滅し、ドゥテルテ大統領が支持する候補が次々に勝利しました。

議会下院選でも与党及び連立政党が過半数を上回るなど、同大統領の政権基盤は隙が無いレベルになりました。

今後は立法を伴う構造改革が行いやすくなると思われ、ドゥテルテ氏が目指す連邦制導入に向けた改憲議論や、死刑制度導入、輸出企業優遇撤廃などの動きに繋がると予想されます。

一方で、大統領任期の撤廃に動くとの見方もくすぶり、若干の警戒感も出てきています。

特に、大統領の「懐刀」と目される長女サラ氏はダバオ市長選で再選を決めていて、政党立ち上げなどで存在感を示しています。

報道では、ドゥテルテ大統領は、次の大統領としてサラ氏を擁立したいと考えているともされていて、ドゥテルテ家の事実上の独裁の様な色彩が強くなっていく事も懸念されています。

【2019年5月】フィリピンの中間選挙とドウテルテ大統領の政策

2019年5月18日

BREXIT協議で与野党協議が決裂

2019年5月17日、メイ政権と労働党による与野党協議が決裂しました。

労働党のコービン党首がメイ首相に協議終結を書簡で通告しました。

メイ首相は「合意なき離脱」を回避するために労働党の協力を得て離脱協定案の議会承認をめざしていたわけですが、これがとん挫した形で、事態は再び混迷の様相を呈しています。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

アメリカ、自動車関税判断を180日先送りし、交渉加速を指示

2019年5月17日、アメリカは自動車への追加関税を巡る判断を最大180日先延ばしすると発表しました。

トランプ大統領は日本やEUとの貿易交渉を加速するようUSTRに指示し、180日以内に合意が得られなければ「追加の行動を取る」と述べました。

こと、日本に関して言えば、5月27日の日米首脳会談を前にトランプ氏は180日と期限を区切り、日本に譲歩を迫った形となります。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

アメリカ、鉄鋼とアルミの追加関税撤廃に合意

2019年5月17日、アメリカはカナダ、メキシコに課す鉄鋼とアルミニウムの追加関税を撤廃することで両国と合意したと発表しました。

既報の通り、カナダとメキシコは新NAFTAの批准を進める条件として関税の解除を求めていました。

今回これが前進した事で今後は各国議会の承認作業に焦点が移っていくものと思われます。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

アメリカ政府、ファーウェイ規制の一部発動猶予を検討

2019年5月17日、アメリカ政府はファーウェイとの取引を原則禁じる制裁措置について、ファーウェイの既存顧客を対象に、発動を一定期間猶予する可能性があると明らかにしました。

アメリカ政府は、既存の通信網や機器の運用に支障が出ないようにするために、発動の一部猶予を検討中としています。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

トルコリラの売りに0.1%の課税

アメリカとの政治対立や地方選挙後の政治的混乱などでリラは売り込まれていますが、トルコ政府は通貨防衛措置としてリラ売りに対する0.1%課税する事を決めました。

これは初めての試みではなく、10年前にも導入した事がある政策です。

なりふり構わずリラ防衛をしています。

トルコの金融政策の経緯とまとめ2019

米中貿易摩擦激化でアジア通貨が下落

米中貿易摩擦の激化でアジア通貨に下げ圧力が強まっています。

特に韓国ウォンと台湾ドルは2019年5月下旬現在でそれぞれ2年4カ月ぶりの安値水準にまで下落しました。

アメリカの利上げ停止をきっかけに新興国には資金が流入していたわけですが、その逆回転が鮮明になっているようです。

韓国は機械類などを中国に輸出しており、深刻な影響を受けるとイメージされての売りでしょう。
台湾も同様にハイテク製品の製造で中国とサプライチェーンでのつながりが深い為売られていると思われます。

インドネシアやフィリピンは経済構造がもともと脆弱なため、市場のムードで売りの対象になりやすい所があります。このため、フィリピンペソとインドネシアルピアは2019年5月中旬と4月末の比較では1%超下げており、2018年末比でも下落に転じました。

東南アジア、ASEANへの投資

供給網見直しを検討する企業

アメリカの第四弾の制裁関税が発動すれば、日本のみならず多くの国の多国籍企業が影響を受けます。ここでは、各種報道を基に個別企業の動きを簡単にご紹介します。

アップルは中国の生産規模が大きく、逆に身動きが取りにくいようです。

アップルが公表する主要取引先の工場の内、全体の5割弱が中国です。この状況で主力の「iPhone」などの生産拠点をすぐに中国外に移すのは困難です。

一方で、アメリカ企業の業界団体は米中貿易摩擦が長期戦の様相を呈しているとして、その前提に立って備えるよう促しました。

  • 小型ビデオカメラメーカーの米ゴープロ:アメリカ向け製品の生産を中国からメキシコに移転
  • 靴メーカーのスケッチャーズUSA:中国からインドやベトナムに生産移管を進める計画
  • 玩具メーカーのハズブロ:中国からの調達比率を引き下げ
  • ある調査では、調査先アメリカ企業の約6割が「12カ月以内にサプライチェーンの見直しに着手する」と回答。

もちろん日本企業も同様の対応を取り始めています。

  • シチズン時計:中国での生産体制の見直しを示唆
  • ソニー:中国で生産しているデジカメについて対応を検討
  • ファーストリテイリング:中国工場での生産をベトナムやバングラデシュに切り替える可能性

この動きは今後もさらに増していくでしょう。

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変2019

アメリカの対外強硬策で人民元決済が拡大??

人民元決済のネットワークが2015年10月に稼働して以来、多くの国の銀行が酸化する形で確実に普及しているようです。

アメリカが経済制裁の対象としたロシアやトルコなどを取り込み、2018年の取引額は前年比8割増の26兆元に達したようです。

アメリカの対外強硬路線が、逆にドルの覇権を揺らがせているという状況になっています。

人民元と中国株で儲けたい方へ 中国投資情報ひとまとめ

日本の投信、2019年4月は外国株投信からの資金流出が目立つ

2019年4月の日本の投資信託は6125億円の純流出となりました。これは2年4カ月ぶりの規模の流出です。外国株式で運用する投信からの流出が目立ちました。

しかし、これは4月の数値で、5月の米中貿易摩擦激化によるものではありません。

むしろ、4月は世界的に株価が上昇しており、2018年末の株安で被った含み損が一定程度無くなったため、売却の意思が固まった個人投資家の売りによるものです。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

2019年5月17日

茂木大臣、アメリカ側から「自動車の輸出制限求めない」と確認

2019年5月17日、茂木大臣はアメリカが自動車の輸出制限を日本に求めることはないとライトハイザー代表に確認したことを明らかにしました。

前日の報道では、このブログでも紹介したように、アメリカが関税引き上げの判断延期と引き換えに自動車・同部品輸入に関し、対米輸出を制限ないし規制するよう求める事を検討しているとされていました。

今回、これが否定された形になります。

単純にアメリカが対中貿易交渉に集中したいだけ、という事だったのでしょうか。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

メイ首相が6月に退陣スケジュール策定を表明

2019年5月16日、メイ首相が6月に退陣スケジュールを策定する意向であるとの報道がありました。

保守党の現職議員で構成する議員委員会(1922年委員会)のブレイディ委員長が表明したものです。

メイ首相の後任候補として、ジョンソン前外相が同日、保守党党首選に出馬する意向を表明しました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

メキシコ、政策金利を8.25%で据え置き

2019年5月16日、メキシコ銀行は金融政策決定会合を開き、政策金利を現行の8.25%のまま維持することを決めました。

これで据え置きは3会合連続となります。

ロペスオブラドール氏のポピュリズム的政策もあって経済成長のペースは急速に鈍化していますが、物価上昇が再びメキシコ銀の目標を超える水準になってきているため金利の据え置きを決めたという事です。

メキシコの金融政策についてのまとめと経緯2019

中国当局、1ドル=7元を超える元安は容認しない見通し

2019年5月17日現在、中国人民銀行は目先、1ドル=7元を超える元安は容認しない見通しのようです。

同日の上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで下落し、心理的に重要な1ドル=6.9元を超えて、約5カ月ぶりの元安水準となりました。

中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~

ファーウェイ排除による他国企業への影響②

アメリカによるファーウェイ排除はファーウェイ自身の経営も悪化しますが、アメリカのサプライヤーも打撃を受けるでしょう。

ファーウェイの2018年の部品調達700億ドル分のうち、クアルコムやインテルなどアメリカ企業が110億ドル前後を占めました。ファーウェイへの規制強化でこうした企業はこの売り上げを失う事となります。

一方で、中国で大きな売り上げを持つアメリカの製品メーカーは、中国から何らかの報復措置を受ける可能性があります。

ファーウェイが生産を抑制したとすると、アジアとヨーロッパのサプライヤーにも影響が出ます。

実際にファーウェイの規制リスト入りが伝わるとアジアではファーウェイのサプライヤーの株価が軒並み下落しました。

今後、実際に色々な事が起きてくるとこれもあれもといった形で様々な所に影響が及んでくることが想定され、どこまでダメージが大きくなるかは2019年5月時点ではまだ分かりません。

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変2019

中国が米国債売却に動く

中国は2019年3月に米国債を204億ドル売り越し、保有額は2年ぶりの低水準になったようです。

マーケットは中国の米国債の急激な持ち高減少を心配しています。

中国の米国債保有額は3月末で1兆1205億ドルと2017年3月以来の少なさでした。また、200億ドル超という売越額も2016年10月以来、約2年半ぶりのロットです。

2019年3月というタイミングは、米中交渉のまっただ中ではありますが、制裁関税を引き上げるという5月5日よりはずっと前です。

5月の制裁関税で保有している米国債の処理を中国がどうするのか注目が集まります。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

アメリカの対中追加関税以降、新興国からの資金流出が7か月ぶりの規模

国際金融協会が2019年5月15日に公表したリポートによればと、米中貿易摩擦の激化に伴い、4-5月にかけて新興国から流出した資金は昨年10月以来の規模となったようです。

5月の第2週、アメリカが対中追加関税を表明した週には、中国株からは25億ドル、5月13日には15億ドルが流出したようです。

また台湾からの流出額も15日に4億ドルとなり、韓国やインド、インドネシアなど他のアジア新興国においても中国と同様の傾向が示されたようです。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

アメリカのファーウェイ外しで日本企業は大きな影響

アメリカによるファーウェイ排除は、日本の電子部品・半導体メーカーにも影響しそうです。

ファーウェイはスマホ大手です。

ファーウェイは日本企業からは年間66億ドル相当の部材を調達しており、これが滞ったりすると売上高が大きく減る可能性があります。

今回のアメリカの措置だと、アメリカ以外で生産された製品でも、アメリカ製の部品や技術が一定割合以上使われていれば禁輸措置の対象となり、それだけに影響は広範囲に及びそうです。

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変2019

フィリピン、預金準備率引き下げで景気刺激狙う

2019年5月16日、フィリピン中央銀行が市中銀行の預金残高から強制的に預かる比率を示す預金準備率を現在の18%から16%に引き下げると発表しました。

この措置によって1900億ペソ(約4千億円)の流動性が供給されるとしていて、経済を刺激する狙いがあります。

長らくフィリピンは預金準備率を20%の高い水準に設定していましたが、2017年に中期的に1桁台に引き下げる方針を表明し、2018年前半に2回引き下げ18%としていました。

その後、物価上昇を受けて政策金利を引き上げたため、預金準備率は据え置かれていました。

フィリピンの金融政策の経緯とまとめ2019

イタリア政府内で財政赤字に対する意見が割れる

イタリアのディマイオ副首相は、自身が党首を務める「五つ星運動」が公的債務を増やす予算案に反対すると表明しました。

五つ星運動と連立を組む「同盟」の党首を務めるサルビーニ副首相は先に、EUの財政規律に違反しても良いと発言しており、これとは反対の立場をとったものです。

ディマイオ副首相は、加えて2020年実施予定の売上税増税を回避する意向も改めて示しました。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

アメリカ、中国の先延ばし戦略を警戒

アメリカのファーウェイ排除の決定は中国による貿易交渉の先延ばしを警戒し、「切り札」を出した形です。元々、トランプ政権はファーウェイにも禁輸措置を打つ機会を見計らっていたようなのです。

その意味ではこのカードを使う時が来た、という判断だったのでしょう。

中国製造2025のコア企業といえるファーウェイへの圧力は、6月のG20に開催予定の首脳会議に向けて、習近平に早期の譲歩を促す強いメッセージです。

逆にアメリカ側も引くに引けない所まで来たといった所で、両者ともに意地をどこまではれるかといった感じでしょうか。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

ロシア製ミサイル導入に関する検証チームをアメリカと立ち上げか?

2019年5月15日、トルコのチャブシオール外相はロシア製ミサイルを購入について、アメリカと共同調査を行う作業グループを立ち上げる方向で協議していると述べました。

但し、ロシア製ミサイルの受け取りは先送りしないとしています。

このロシア製ミサイル問題が起きてからトルコとアメリカの関係は緊張しています。

アメリカやNATO諸国は、西側の戦闘機特性がロシアのレーダーシステムに読み込まれ、ロシア製兵器に対する抑止が効かなくなる可能性を心配しているのです。

トルコ側はそれが杞憂だと主張すると共に、どのようなリスクがあるのか検証する作業グループの設置を求めています。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

景気減速指標がモディ陣営優勢にどこまで影響するか

4月の新車販売が前年同月比15%減少、2018年12月まで52カ月連続で2桁増が続いた国内航空旅客数も3月は横ばい、、、

景気浮揚を切望するモディ政権にとって嬉しくないニュースが5月の投票最終日まで続いています。

世論調査ではモディ氏の与党インド人民党が引き続き優勢ですが、前回下野したラフル・ガンジー氏が率いる最大野党国民会議派も巻き返しに必死です。選挙結果は全く予断を許せる状況ではありません。

期待外れの雇用創出や足元の経済指標の悪化は、有権者の投票行動に影響を与えそうで、最後まで目が離せません。

インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)

ZTE、ミャンマーで5Gインフラの整備

ZTEは、ミャンマーでの5Gインフラ整備に向け、カタール系ので携帯通信事業会社であるウーレドゥー・ミャンマーと協力覚書を結んだと発表しました。

アメリカが中国製機器の排除に動くなか、新興国市場で巻き返しを狙う動きです。

少しずつ次のステップに向かおうとしているようです。

ZTE問題についてのまとめと、その後

2019年5月16日

新しい記事を投稿

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変を切り口とした追記式記事を投稿しました。

企業の動きとサプライチェーンの変化について記していきます。

米中貿易戦争とサプライチェーンの激変2019

アメリカ、日欧に対米自動車輸出の制限・規制を要求?

アメリカは日本とEUからの自動車・同部品輸入に関し、対米輸出を制限ないし規制するよう求める事を検討している、との報道がありました。

そして、その要求に対する検討機関という事で、関税引き上げの判断を最大で半年間遅らせる、というのです。

しかし、日本は輸出制限はできないとの立場で、日米貿易交渉の大きな火種になる可能性があります。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

ブラジル、2019年成長率見通しを1.5%に下方修正

2019年5月14日、ブラジル政府は2019年のGDP成長率の見通しを年率1.5%と、従来予測(2.5%)から下方修正する方針を示しました。

世界経済の悪化のおありを受けて輸出や投資が伸び悩んでおり、それを踏まえての事です。

こうした中、国内では景気刺激策として、中央銀行の利下げを予測する声も上がっているようです。

ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

BREXIT推進派、6月提出予定の離脱協定法案に反対を表明

与党のBREXIT推進派議員らはメイ首相の離脱協定案について、6月の採決で否決に持ち込む方針を表明しました。

ある議員は何度やっても同じだと述べ、今回も否決に持ち込める自信を窺わせました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

6月の米中首脳会議まで、マーケットは大きな動きなし??

2019年5月以降動きのある米中貿易摩擦ですが、マーケットは今後どうなっていくでしょうか。

アメリカが交渉を有利に進めるためには、アメリカ済が堅調で、アメリカ株も高値圏で推移していることがポイントのはずです。

米中首脳会談が近づく中で、株価が低迷するとトランプ大統領も強気に出れず、結果的に弱いリーダーとしての印象を与えてしまう可能性があります。

トランプ大統領はそれを防ぐためにも首脳会談までは米中交渉の進展をアピールするなどして、さらなる株価下落を防ごうとするでしょう。

株式マーケットも新たなネガティブニュースがない限り、小さな一喜一憂を繰り返す可能性が高いかもしれません。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

メイ首相、離脱協定法案を6月中に議会提出

2019年5月14日、メイ首相は離脱合意案の代わりとなる「EU離脱協定法案」を6月3日の週に議会に提出すると約束しました。

労働党との超党派協議は妥結に至っていません。

しかし、保守党も労働党も先の地方選挙で離脱プロセスへの取り組み方について有権者から批判を受けていて、世論を汲んで下院議員らが離脱協定法案に賛成すると首相は期待しているようです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)

中国の4月の経済統計は減速目立つ

2019年5月15日発表の4月の主な経済統計は消費、工業生産、投資がいずれも減速しました。

特に小売り面で減速が目立っているようで、スーパーやインターネット通販などの売上高を合計した社会消費品小売総額の4月実績は、前年同月比7.2%増にとどまり、16年ぶりの低水準となったようです。

アメリカの対中追加関税への懸念が強まる中、共産党指導部はインフラ投資の積み増しや金融緩和などの景気対策を追加で検討するとみられます。

アメリカによる対中関税第四弾が発動すると、携帯電話やパソコンの工場で働く就業者の雇用に直撃する可能性があり、共産党指導部としても対応が必須となるでしょう。

中国の統計・データに関するまとめ2019

鉄鋼・アルミへの関税維持なら新NAFTAの批准難しい??

2019年5月15日、カナダのフリーランド外相は、アメリカが鉄鋼とアルミニウムに対する関税措置を維持している限り、新NAFTAの批准には大きな問題があるとの認識を示しました。

同じ態度をメキシコも表明しており、アメリカは対応を迫られるかもしれません。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

ムニューシン財務長官が近く訪中

2019年5月15日、ムニューシン財務長官は米中通商協議について、課題が多く残されているとして、近く北京を訪問する可能性があると述べました。

具体的な日程は明らかにされていません。

ただ、協議が継続していることを米中双方で表したいという所もあるのでしょう。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

アメリカ、自動車関税の判断を最大6か月延期

トランプ大統領は、検討中の輸入自動車に対する追加関税について、判断を最大6カ月先送りする見通しであるとの報道がありました。

背景には、EUと日本との協議が続く中、関係が一段と悪化するのを避ける狙いがありそうです。

トランプ氏が国家安全保障を理由に導入を検討している自動車・同部品に対する最大25%の輸入関税を巡っては、5月18日が判断の期限となっていました。これを延期、という事です。

日本の貿易交渉担当者たちはひとまず安どしているかもしれませんが、別に自動車関税がなくなったというわけではないので、警戒は全く解けていません。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

ブラジル成長率予測の下方修正で利下げの意見が出る

ブラジル政府が2019年のGDP成長率の見通しを年率1.5%と、従来予測(2.5%)から下方修正する方針を示しました。

背景にある世界経済の鈍化傾向とそれに伴う輸出や投資の伸び悩みはいかんともしがたい所ですが、経済再生を掲げて1月に発足したボルソナロ政権にとって、この状況は逆風でしょう。

こうした中、国内では景気刺激策として、中央銀行の利下げを予測する声も上がっているようです。今後どうなっていくか注視していく必要があるでしょう。

ブラジルの政策金利の推移とまとめ2018~

アメリカ農業界は米中攻防の長期化に嫌気??

米農村部の有権者はトランプ大統領の支持基盤でかなり有力な所です。

ただ、米中通商対立に伴い家計の痛みが増しており、摩擦が収束した後も農家の受難が続くリスクが高まっているようです。

アメリカの米農家は既に、長期にわたる農作物の値下がりや、洪水の被害に苦しんでいる状況で、これ以上出荷先の一つである中国に対して農作物が輸出できなくなると、かなりしんどくなります。

一方で中国はアメリカ以外の農産物輸出国との関係を強めていて、諸外国の農家も中国向けに事業の体制を再整備しつつある為、時間が経てばたつほどアメリカの農家にとっては状況がシビアになってくるわけです。

トランプ大統領の再選を考えれば、農家からの支持は絶対。トランプ大統領の決断にどの様に影響してくるか注視すると良いかもしれません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

ヨーロッパでファーウェイ一部導入が相次ぐ

5Gのインフラ整備を巡り、ヨーロッパでファーウェイ製品の一部導入が相次いでいるようです。

既存のネットワークでファーウェイが使用されており、他社製品に乗り換えるとコストがかかるためのようです。

ただ、対米関係を考えるとこのままで良いかは依然答えが出ているわけではなく、今後も様子見が続く局面は多いと思われます。

現時点では、政府が特定の企業を認めるかどうかを決断できずにサービス開始が遅れれば、利用者が割を食うので、まずは一部機器でファーウェイを導入して様子を見るという姿勢の所が多いという事です。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

アメリカがファーウェイを事実上排除する事を決定

2019年5月15日、アメリカはファーウェイがアメリカ政府の許可なくアメリカの重要な技術を購入することを禁止するとともに、国家安全保障を理由にアメリカの通信ネットワークから同社の製品を事実上排除する措置を発表しました。

ファーウェイは部品調達をアメリカのサプライヤーに頼っているため、今回の措置でファーウェイは多くの製品の販売を継続することが難しくなるかもしれません。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

教職員と大学生がデモ、ボルソナロ政権の改革に反対で

2019年5月15日、ブラジルでボルソナロ政権が進める教育関連の予算削減に反対する大規模なデモやストライキが行われました。

2019年1月の政権発足以来、反政府デモとしては最大規模のようです。

ボルソナロ氏は大学が左派系の政党を支持する学者の巣窟になっていると主張し、国公立大学での文系学部の予算削減を推進しており、それに学生や教職員らが反発しているわけです。

ボルソナロ政権は工学や獣医学、薬学などの分野に税金を集中的に投入する意向を示しています。今回は文系の学生と教職員のデモだったようです。

今後も教育に関わらず色々な分野でこうした改革に反対するデモやイベントが開催されていくでしょう。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

2019年5月15日

米中貿易摩擦の長期化でポートフォリオ変更の投資家が増加??

米中貿易交渉が最終的に合意に至るとの期待を捨てていない投資家はまだ存在しているものの、2019年5月中旬時点で、貿易摩擦の長期化を見据えてポートフォリオの組みなおしをしている投資家も増えてきているようです。

実際に貿易協議を巡る不透明さに投資家がいつまで耐えられるか不安視するマーケット関係者はかなり増加しています。一気にこの流れがドライブすると世界的なマーケットクラッシュが起きる可能性もゼロではありません。

考えられる影響ですが、

  • 企業の業績見通しは悪化
  • 貿易銘柄の下落(既に広範にに起きています)
  • 投資家心理の急変を受けて一部の投資家がキャッシュを増やす
  • 中国がトランプ政権の強硬姿勢に対抗して保有する米国債を売却する
  • 上記の場合、アメリカの借入コストが跳ね上がる一方、人民元相場が上昇し中国の輸出に打撃

もちろん、これはいわば「原発巣」で、ここから色々な所に波及していく可能性が大いにあります。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

米中の攻防、G20のある6月がヤマ場?

既報の通りアメリカは対中制裁をほぼすべての中国製品に広げる関税第4弾を正式表明しました。

この一方でトランプ大統領は習近平国家主席と当該関税発動前に会談する意向も示しました。恐らくG20で集まったときに会談をするのでしょう。

この意味で米中の攻防は6月がヤマ場となる可能性があります。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

米中貿易摩擦で円インデックスは二年半ぶりの高水準

円相場全体の動きを示す円インデックスが米中貿易摩擦の激化で上昇しています。

ドル/円でみれば109円台で、そこまでの水準ですが、クロス円の動きを加味した実効レートだと、2年半ぶりの円高水準にまでなっています。

マーケット関係者が米中貿易摩擦について楽観的になっていたところに、急な展開となったので動揺していたのがここから読み取れます。

ただ、日本企業による海外企業買収に伴った円売り・外貨買いや、国内機関投資家の海外投資需要など、需給面からの円安圧力は引き続き根強いと見られ、どこまでこの傾向が続くかは分かりませんが、普通の状況とは違う動きに現時点ではなっているようです。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

ロシア製ミサイル購入の再検討又は延期報道で、リラは一瞬持ち直し

2019年5月中旬、トルコがロシアからのミサイルシステム購入を見直すとの報道があり、一瞬トルコリラが戻りました。すぐに当局は否定したものの、その後延期を検討しているとの報道も出ており、まだ詳細ははっきりしない段階です。

しかし、マーケットとしては対米関係の悪化を防ぐことが出来るロシア製ミサイル購入の延期が良い報道であるという事が改めて示されました。

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ2019

中国が対米合意の3割を破棄した修正案を5月初旬に提出し、アメリカ側は激怒

中国側の強硬派が力を持ちつつあるのかもしれません。

中国政府が5月初め、約5カ月間の米中貿易協議で少しずつ合意してきた7分野150ページにわたる合意文書案を105ページに修正・短縮して、一方的にアメリカ側に送付していたようです。

法的拘束力を持つ部分などが不平等条約だとして、共産党指導部内で拒否され、削除・修正対象となったのです。

元々、習近平側近である劉鶴は穏便に、事を荒立てないようにするあまり、中国指導部内で一任を受けている範囲内を越えつつあったと報道されています。

最終的には習近平がすべて自分が責任を持つとして、今回のアメリカが激怒した文書案を送ったようです。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

2019年5月のインド株式市場はかなり軟調

2019年5月のインド株式市場は、株式指数のSENSEXが9営業日連続で下落して約2カ月ぶりの安値水準となるなどかなり軟調です。

理由としては、

  • 元々、総選挙での与党勝利の観測などから4月に過去最高値を付け、高値警戒感が出ていた
  • 米中貿易摩擦が5月中旬に事実上振出しに戻り、世界的な株安となった事からインド株も売られた

といった所で、インド国内で何か大きな事件があって下落しているわけではないと思われます。

総選挙の投票期間ももうじき終わる中で、モディ政権が続くと確定すると、落ち着きを取り戻すかもしれません。

インド株式の動きとまとめ2019

中国の報復関税で、FRBの利下げ観測が高まる

2019年5月、中国が対米報復関税措置を発表したことを受けて、米短期金融市場でFRBが2019年末までに利下げに動くとの観測が一段と高まりました。

2019年5月13日時点のFF金利先物は、FRBが12月FOMCでFF金利誘導目標を0.25%引き下げて2.00─2.25%とする確率が74%であることを織り込む水準となっています。1カ月前のこの数値は40%だっという事です。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

米中攻防激化による元安、中国当局が容認??

既報の通り、米中貿易交渉が難航した事で、2019年5月の初旬から元安が進んでいます。

元安は海外で取引される「オフショア人民元」で先行し、5月13日時点で1ドル=6.91元まで下げる場面がありました。

海外で人民元が売られた後、中国本土の市場でも元安になった事は、中国当局が、輸出下支えを狙って元安を容認しているのではないかとマーケットでは受け止められています。

中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~

フィリピンの中間選挙、ドゥテルテ派が圧勝

2019年5月13日に行われた統一国政・地方選挙の大勢が14日判明し、ドゥテルテ大統領を支持する勢力が上院で圧勝したようです。

ドゥテルテ氏は2022年までの任期後半も議会への影響力を維持する予定で、最重要課題に掲げる連邦制などの実現に向けて弾みを付けました。

政権運営を左右する上院では12議席のうち、ドゥテルテ氏に近い候補が9議席を獲得しました。

最側近がその9議席には入っており、残る3議席の人も政権寄りの立場を取っているようです。

【2019年5月】フィリピンの中間選挙とドウテルテ大統領の政策

トランプ大統領、貿易摩擦激化を想定して金融緩和を要求?

トランプ大統領は、中国が追加関税による国内景気への悪影響を最小限に抑えるために、中国国内の資金供給量を増やし、恐らく金利を引き下げるはずだと述べ、アメリカの金融当局もそれと同等の措置を講じるべきだとコメントしました。

現在マーケットではFRBが今後1年間に政策金利を引き下げると見込んでいますが、FRB当局者らは現時点ではそこまで乗り気ではないようにも見受けられます。また政治的な配慮は金融政策決定に一切影響しないと繰り返しています。

今回のこの発言は、トランプ氏が2020年の大統領選で再選を目指す中で、貿易戦争の激化で景気悪化となった場合、責任を金融当局に押しつける口実とする為、と指摘する人たちもいます。

アメリカの金融政策の経緯とまとめ

第4弾の制裁関税で世界のサプライチェーンが激変の可能性も

第四弾の制裁関税は中長期でサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。既にサプライチェーンの変化は起き始めていますが、それがもっと広範にわたって生じるという事です。

この追加関税がずっと続くと「世界の工場」である中国の位置は揺らぐでしょう。

もちろん中国生産が国外に移れば、中国経済は大きな成長エンジンを失います。

アイフォンやiPadなどを製造する台湾系企業も、追加関税が発動された場合、ベトナムに一部生産を移す方針です。

IMFによれば、第四弾の制裁関税によって、アメリカの輸入における対中依存はかなり減るようです。それは中国からメキシコやカナダなどに生産拠点が移り、世界を巻き込んだ供給網の変化を意味します。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

ブラジルの年金改革法案が下院特別委員会を通過後の工程

年金改革が成立するまでどういった道程があるのか、今一度確認をしたいと思います。

既に年金改革法案は下院憲法司法委員会で合憲性が認められています。

2019年5月現在だと下院特別委員会での審議が行われています。

仮に下院特別委員会で可決となった場合はどうなるかというと、

下院本会議⇒上院の憲法司法委員会⇒特別委員会⇒上院本会議

の順番で法案が審議されていきます。

もちろん、それぞれの委員会や議院で審議・承認されなければいけません。

最後、上院本会議で成立すると、ようやく成立、という事になります。

まだかなり先の様に思えてきますが、マーケットの関心は、この長い過程の中でこの法案が骨抜きにされないかという事でしょう。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

中国、貿易摩擦で再び資本規制か??

中国人民元が米中貿易摩擦によって押し下げられ、元相場は1ドル=7元に近づきつつあります。

元安は、中国の輸出業者には幾分プラスになるかもしれませんが、資本の国外流失を招くことにもなり、国内経済を下支えする政府の取り組みの妨げになります。

このため、中国は相場を安定させようと、再び資本規制を強める可能性があります。

少しだけ回復を見せていた中国国内の経済をまた活気づかせるために、利下げをすれば、元はさらに下落しかねず、そうなれば資本流出が加速する恐れがあります。

これまで中国は資本規制をしてこうした事態に対応してきました。しかし、同じような事をしたりすると、750億ドルにのぼるという、今年満期を迎える中国本土企業のドル建て債券の返済等に支障が出てきたり不便を生じたりして、中国債券市場に悪影響を及ぼす可能性があります。

どの様な金融規制や対策を取るか注目する必要があるでしょう。

中国の景気テコ入れ策・経済政策の経緯とまとめ(2018年~)

メキシコがアメリカの鉄・アルミ問題で新しい報復??

メキシコはアメリカによる鉄鋼・アルミニウムへの関税に対して新たな報復措置を検討しているようです。

これは鉄鋼とアルミの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして、日本や中国などに続き、2018年6月からEU、カナダ、メキシコにも輸入制限措置を広げたものです。

鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課していて、メキシコはすでに報復措置を発動させている状況です。

カナダも同様の動きを見せており、USMCAの批准作業にも影響が出るかもしれません。

アメリカとメキシコの貿易・移民問題

2019年4月の原油生産は横ばい

OPECが2019年5月14日発表した月報によると、4月の加盟国全体の原油生産は前月比で横ばいの日量3003万バレルでした。

イランやサウジアラビアの供給が減った一方で、イラクなどが増産したためトントンとなった模様です。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

ギリシアの取り込みを強化しヨーロッパの切り崩しを狙う

習近平国家主席が北京でギリシャのパブロプロス大統領と会談しました。

中国は最近ギリシャ政府首脳と頻繁に接触しており、ギリシアを足掛かりにして一帯一路をヨーロッパに拡大していきたい思惑がにじみます。

アメリカとの貿易戦争が激化するなか、イタリアとギリシアを梃子にしてEUを切り崩し、実質的な中国の覇権が及ぶようにしていく長期戦略が透けます。

中国の一帯一路政策とインフラ建設支援についてのまとめと経緯

2 COMMENTS

Raymond Grandbois

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