2019年9月の主な出来事

このブログは、

  1. 相場に左右されずに
  2. 気長に忍耐強く

新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。

特に、

  1. これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
  2. 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方

を想定しています。

筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして6年くらいです。

ずっと投資し続けています。

このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2019年9月に更新した箇所をひとまとめにしている記事です。

各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。

この記事の日付は、その出来事が起こった日(現地時間)を原則としてします。

9月30日 アメリカの対中証券投資規制の一部報道は誤り

アメリカ、対中証券投資規制の報道を一部否定

2019年9月30日、アメリカのナバロ米大統領補佐官が、アメリカが中国企業への証券投資制限を検討しているとの報道について「不正確な部分が多い」と述べ、報道を一部否定しました。

アメリカのマーケットにおける中国企業の上場廃止を含む複数の規制案が議論されていると伝えられていましたが、具体的な指摘は避けました。

ナバロ氏は

「報道の半分以上が極めて不正確か単なる捏造だ」

と主張し、中国企業を上場廃止にする計画はないとするアメリカ財務省の説明を肯定しました。

invstem.com

同氏は政権内で対中強硬派の代表格として知られます。

中国の反応は・・・・

この報道について、中国の報道官は

中国と米国のデカップリング(分断)が進行すれば国際金融市場は不安定に陥る

として、対中投資制限の動きをけん制していました。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

トルコ政府、インフレは落ち着き、来年から5%の成長を見込む

トルコ政府は、経済が今年のほぼゼロ成長から急加速し、インフレは鈍化するとの見通しを示しました。

2019年9月30日、アルバイラク財務相が記者向けのプレゼンテーションで語った所によると、

  • インフレ率が8月の15%から年末には12%に減速すると予想
  • 更に2020年末に8.5%、21年末には6%への低下を見込みます。
  • GDPは2019年が0.5%の伸びにとどまるものの、2020年からの3年間は5%の成長を続けるとの見通し
との事です。

政府が見込んでいる数値について、マーケット関係者は全く信用していないようです。

トルコの経済・財政問題と政策についてのまとめ

9月29日 ブラジルの年金法案の上院採決延期

ブラジル、予定されていた年金法案の上院採決が延期

年金改革に関して、9月23日の週に予定されていた上院議会における第一回票決を10月前半に延期しました。

票決が延期されたことで、一部では法案が骨抜きにされる可能性についての懸念が広がりましたが、延期された年金改革法案の票決が10月前半までに行われる予定となっている事もあり、とりあえずマーケットは延期を冷静に受け止めているようです。

ただ、票決が大幅に遅れたり、法案の骨抜きがあったりするとブラジル・レアルが大いに売られる可能性があります。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

米中、10月の第二週に閣僚級会合

2019年9月29日、米中の閣僚級貿易協議が10月の第2週に開かれることが明らかになりました。

劉副首相が10月7日まで1週間の国慶節の連休後に交渉チームと共に訪米するという事です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

9月28日 ベトナムの漁夫の利が鮮明

ベトナムの2019年7-9月期GDPは前年同期比7.31%増

2019年9月28日、ベトナムの7~9月期のGDPが発表され、前年同期比7.31%増となりました。米中貿易摩擦の影響があると思われます

米国との貿易摩擦を抱える中国からの生産移管が一段と進み、主要輸出品目のスマートフォンなど対米輸出が増えました。

世界景気が鈍化する中でも、米中貿易戦争の恩恵を取り込んで高い成長率を維持している姿が浮き彫りです。

今回の数値は事前予想も上回っているようです。

1~3月期(6.82%)や4~6月期(6.73%)の実績も上回っており、当初予想された2019年通年の予想もこのままだと上振れするでしょう。

成長をけん引するのは米国向けの輸出である事は述べるまでもありません。

ベトナムの対米輸出額は東南アジアで最大で、1~9月は前年同期比で28%増となりました。

総輸出の約25%を占める韓国サムスン電子は中国でのスマホ生産を減らし、ベトナムで代替生産を増やしているもようで、このインパクトが一番大きいでしょう。

ベトナム株とベトナムドンで儲けるための基礎知識

人民元は更に安くなる??

中国人民銀行は人民元が1ドル=7元の節目を突破するのを容認したのに続き、一段の下落を放置するかもしれません。貿易協議のカードに使う可能性がある為です。

人民元は8月5日、2008年以来初めて7元台となりました。

中国人民銀行は人民元を貿易交渉の武器に使っているとの説を否定していますが、9月もなだらかな元安に誘導しようとしている様子が窺えます。

【USドルー人民元(CNY)の2019年9月の動き(出所:TradingView)】

中国人民銀行に近い関係者は7元の節目が破られた以上、中長期的に7.1元や7.2元が底値になるとは思えないと語っていますが、その一方で7.3元を突破する可能性も小さいと話しているようです。

中国当局は人民元は貿易戦争の武器ではなく、武器に使えば中国経済を不安定化すると強調しています。

景気減速、貿易高の減少に加え、ユーロ安やドル高といった外部要因も重なって人民元は自然に下落するとみる人が多いようです。

中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~

9月27日 アメリカ、中国への証券投資制限を検討

アメリカ、中国への証券投資の制限を検討

アメリカが同国から中国への証券投資の制限を検討していることが分かりました。

これに加えて、アメリカの市場に上場する中国企業の上場廃止や、アメリカ企業が算定する株価指数に中国株を組み入れないよう求めることも検討しているという事です。

政権内の議論はまだ初期段階とされますが、実際に発動されると中国を含む世界の金融市場にとても大きな影響を及ぼす可能性があります。

もちろん米中対立が一段と激しくなるでしょう。

このアイデアは対中投資や新規上場で収益を稼ぐアメリカの金融機関や投資家にも悪影響が及ぶため、慎重に検討するとみられます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

原油相場がイラン大統領の発言で乱高下

2019年9月27日のニューヨーク市場で、原油相場が乱高下しました。背景はイラン問題です。

イランのロウハニ大統領が

「アメリカが、交渉することと引き換えに全ての制裁を解除すると提案した」

と述べたと通信社が伝え、マーケットは緊張緩和の思惑から売りが殺到しました。

WTI原油先物は一時、前日比3%安の1バレル54.75ドルまで下落したのです。

しかし、その後、トランプ米大統領がこれを否定。

その結果、原油相場は56ドル台前半と前日終値近くまで値を戻しました。

【両首脳の発言前後のWTIの動き(出所:TradingView)】

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

9月26日 メキシコ・フィリピンが利下げ

メキシコ、政策金利を0.25%引き下げて7.75%に

2019年9月26日、メキシコ銀行は定例の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き下げて7.75%にすることを決めました。

これで利下げは2会合連続となります。

背景は何でしょうか??

3つほどあるでしょうか。

  • 経済活動が停滞していること
  • 直近のインフレ水準が目標の範囲内まで低下してきていること
  • 他国も金融緩和を促進しており、通貨防衛を過度に意識しなくていいこと

といった所でしょうか。

インフレ率については、メキシコ銀が目標とする3%±1%である中、2019年9月前半の物価上昇率は2.99%と、水準に入ってきています。

【最新】メキシコの金融政策についてのまとめと経緯

フィリピン、政策金利を0.25%引き下げて4.0%に

2019年9月26日、フィリピン中央銀行は0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利を4.0%としました。

インフレ圧力が抑られている中で、金融緩和を継続するとの姿勢を継続しました。

この利上げはほぼ予想通りの結果でした。

東南アジア各国では19日のインドネシアも利下げしており、米中貿易戦争の長期化で景気の先行きに不透明感が増す中、金融緩和でテコ入れを急ぐ国が増えています。

フィリピンの金融政策の経緯とまとめ

9月25日 日米貿易交渉の最終合意を確認

日米貿易協定、最終合意した事の共同声明に署名

2019年9月25日、日米両首脳はニューヨーク市内のホテルで日米貿易協定の最終合意を確認し、共同声明に署名しました。

協定は

  1. 工業品
  2. 農産品
  3. デジタル貿易ルール

の3分野で構成されます。

アメリカ向けの自動車や自動車部品の関税は撤廃する方針を明記する一方で、撤廃時期は明示せず、事実上の先送りとなっています。

自動車については、この貿易協定の発効後、4カ月以内に新たな貿易交渉の対象範囲を決める予定となっています。

自動車など継続協議になった品目のみを対象とします。

トランプ大統領は

「遠くない将来に日本とまさに包括的な取引をしたい」

と新交渉にも意欲を示しています。

トランプ政権は日本と結ぶ貿易協定で、特例措置を発動して2019年中の早期発効を目指しています

議会への通知や承認などの手続きを省いて、2020年の大統領選前に農畜産品の対日輸出を早期に増やす狙いがそこにはあります。

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早期発効にこだわる理由は何でしょうか??

早期発効にこだわるのは、米中貿易摩擦やTPPからの離脱でアメリカの農畜産品の輸出が落ち込んでいるためと思われます。

それはそのまま大統領選挙に直結します。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

議会再開も、保守党・労働党共に党内がゴタゴタ

2019年9月25日、最高裁が議会閉会を「違法」と判断したのを受け、英議会は与野党の論戦を再開しました。

ただ、保守党も労働党も党内でゴタゴタが目立っています。

保守党ではジョンソン氏の強硬路線に反発が広がり、労働党もEU離脱を巡る党内の亀裂が深く、混乱しています。

結局、行き詰まりの打開へ再び総選挙にらみの状況が強くなってきているようです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

日米デジタル貿易協定も合意

2019年9月25日、日米はデータの流通促進に向けた新たなルール「日米デジタル貿易協定」で合意しました。

人工知能(AI)などのアルゴリズムについて、国が企業に開示を求めるのを原則禁じます。

データを扱う企業が安心して海外進出できる環境を整えるというものです。

開示要求の禁止はアルゴリズム以外に、機器を動かすソフトウエアのソースコードも対象になります。

ただ、独占禁止法や個人情報保護法、消費者の安全に関わる問題が起きた場合などに、国が開示を求めることができる例外規定も設けられています。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

9月24日 イギリス最高裁、議会閉会を違憲

トランプ大統領、中国と妥協した合意は望まない

2019年9月24日、トランプ大統領は国連総会で行った演説で中国の通商を巡る慣行を改めて非難し、米中貿易協議で妥協した合意は容認しないとの考えを示しました。

また、トランプ氏は、香港の反政府デモに対する中国当局の対応と米中通商協議を関連付ける姿勢も示しました。

中国をかなりけん制した形です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

イギリス最高裁、議会閉会は違憲の判決で攻防激しくなる

2019年9月24日、イギリス最高裁判所はジョンソン首相が10日から約1カ月にわたる議会閉会を決めたことについて「違法」との判決を下しました。

政府が長期閉会の理由を明確に示していないと指摘し、EU離脱前の重要な時期に審議の機会を奪ったと断じました。

この判決でジョンソン氏は一段と追い込まれた形になります。

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今後どうなるのでしょうか??

9月25日から議会は再開されます。

労働党は議会でジョンソン政権への追及を強めるとみられ、政権側との攻防が、再び幕を開ける事になります。

ジョンソン氏はいったん議会を再開した後、数日後に議会を再び閉会するのではとの噂もあります。

野党が求める辞任に応じるかは分かりませんが、総選挙をにらんだ駆け引きが激しくなるかもしれません。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

アルゼンチン、左派政権の誕生可能背高く、海外企業の撤退

アルゼンチンで海外企業の撤退が相次いでいるようです。

通貨ペソのデフォルトが懸念される中、10月の大統領選では左派への政権交代が確実視されていて、自動車や素材、衣料品など幅広い産業で企業撤退が目立っています。

当選が有力視される左派陣営の分配重視の経済政策を額面通り実行すれば、低迷する経済のさらなる悪化が不可避と考えられており、企業としては当然の行動と言えるでしょう。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

中国が追加で米国産大豆に対する制裁関税を免除

2019年9月24日、中国はアメリカ産大豆に対する制裁関税の適用を新たに免除したとの報道がありました。

10月の閣僚級通商協議を前に誠意を示したようです。

今回の免除措置は2段階で実施され、合わせて約600万トン程度が対象になっている模様。

ただ、今回の大豆の追加購入が、通商協議の打開につながる可能性は低いと見ている人が多いようです。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

9月23日

日米首脳会談での署名に間に合わず

今次日米首脳会談で予定されていた貿易協定への署名は行われないとの報道がありました。

元々安倍総理大臣とトランプ大統領は9月25日に行われる首脳会談で正式な文書に署名することを目指していましたが、法的な審査が遅れているため見送る方針との事です。

日本側の説明によれば、アメリカ側が繰り返し文言の修正を求めたことで遅れが生じたという事で、交渉決裂とかそういった事ではないようです。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

9月22日

メキシコ、まずい経済政策で景気後退の危機?

メキシコは、経済成長率が直近2四半期連続でプラスを達成できないなど、景気後退の危機にひんしています。原因はロペスオブラドール政権の経済政策にもあるようです。

元々世界的に景気は悪くなり始めているので、政治だけが悪いわけではないですが、ロペスオブラドール政権で投資環境が混乱している上、緊縮策に固執し公共事業などを削減している事が景気をさらに押し下げている事は間違いないとマーケット関係者は考えているようです。

メキシコ政府は支出削減に躍起になってきました。

大統領専用機や公用車を廃止したほか、自身を含めた政府幹部や高級官僚の給与をカットするなど、目に見えやすい形の支出削減策は、貧困層を中心とした支持基盤へのただのアピールです。

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そんなものをカットした所で、実質的な効果は限られますので。。。

主要公約である年金や奨学金の拡充、開発の遅れる南部へのインフラ投資などにばらまきこそが一番の元凶で、それをやめた方が国の為になるのですが、それはポピュリストなので出来ません。

ただ、批判されているのは分かっているので、2019年予算で基礎的財政収支を国内総生産(GDP)比1%の黒字確保を約束しています。

実際、財務公債省によると今年1~7月の公的支出はペニャニエト前大統領の任期最終年度だった前年同期と比べ4.5%も減少しました。

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この支出削減は現時点で財政規律の維持につながっているものの、「副作用」もあります。

新空港の建設中止などによる混乱で民間投資が落ち込み経済成長が停滞する中で、本来は景気刺激の役目を果たす公的支出を絞ることで景気を下押ししているのです。

緊縮策の影響は経済面だけでなく、日々の国民生活にも影響が出ています。

例えば医療分野。

病院の設備や医薬品の購入が削減されたり、2年前の大地震からの復興も手つかずの地域もあったりします。

自分の好きな政策をとにかく左右戦史、本当に必要な事には目を背ける。。。

そんな姿勢の象徴が、債務超過が続く国営石油会社ペメックスの救済でしょう。

2019年2月に約1千億ペソの財政支援を発表したのに続き、7月には3年間で総額2690億ペソの支援を打ち出しています。

使途は政府からの直接の資本注入や税金減免です。

しかし、子の投資は公共投資のような経済効果はほとんどなく、国家財政への悪影響も避けられません。

政府は20年予算案に関しても「緊縮策と財務規律の維持が柱」としていて、2020年も現状方針が取られる見込みです。

現在の経済状況を半ば放ったらかしのまま、我が道行くロペスオブラドール政権ですが、このまま行くと、景気停滞ではなく、後退局面になりそうです。

今からメキシコに投資をするのは少し様子を見てからにした方が良いかもしれません。

9月20日 インド株、減税策発表で爆騰

インド、205億ドル規模の法人減税

2019年9月20日、インド政府は法人実効税率を現行より5%ほど低い約25%に改めると発表しました。

景気刺激の一環として、また投資促進の効果も狙います。

モディ首相の目玉政策の一つである「メーク・イン・インディア」が低迷していることを踏まえ、製造業での投資をテコ入れしたい意図がにじみます。

インドの経済・財政政策のまとめ

インド株、大幅な減税策発表で爆騰

2019年9月のインド株式市場は景気減速観測懸念等でなかなか上昇しない展開となっていましたが、政府が9月20日に大幅な法人税減税を発表したことを受けて、企業収益の改善や景気の回復期待から急上昇しました。

代表的な株式指数であるSENSEX指数は、19日の引け値から2営業日で、8.3%高となりました。

【2019年9月20日~25日のSENSEX指数の推移(出所:TradingView)】

法人税減税の恩恵を大きく受ける金融や製造業の銘柄がSENSEX指数の上昇をけん引した形です。

政府が発表した法人税減税は期初にさかのぼって適用されるため、今年度を含め企業収益の改善が期待できると考えられます。

市場参加者の間では7~8%程度の企業収益の押し上げが見込まれているようです。

金の上昇一服するも、まだ上昇する??

金価格の上昇が一服したようです。

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背景を教えて下さい

米中貿易摩擦の懸念が後退し、株式などリスク資産に投資マネーが集まった結果、金が売られた、という事でしょう。

ただ引き続き状況は不透明です。まだ今後金が値上がりする可能性は十分あります。

【2019年8月21日~9月21日までの金価格の推移(出所:TradingView)】

2019年9月のFOMCでは7月に続く利下げを決めました。
普通、金利のつかない金にとり利下げは買い材料ですが、引き下げに反対する参加者が出たことで、2020年以降の利下げまで織り込んだ金の買いが止まったという事が考えられます。

ただ、金価格が1500ドルを大きく割り込むとの見方も少ないようです。

一進一退の貿易摩擦の経緯を知っている事もありますし、地政学リスクも関係しています。

一筋縄で今の不景気が良くなるとは思っていないのです。

米シティグループは最近、今後2年の間に金価格が1トロイオンス2000ドルを突破すると予想するリポートを出しました。

今後どうなっていくか引き続き注視する必要があります。

金の動き、金相場についてのまとめ

トランプ大統領、部分合意は望まない

2019年9月20日、現在、米中で次官級協議が行われている米中貿易問題ですが、トランプ大統領「部分的な合意」を結びたいとは考えていないと述べ、貿易戦争が2020年大統領選挙での得票に響くことはないとの見方を示しました。

同大統領はモリソン・オーストラリア首相との共同記者会見で、

「部分合意は求めていない。求めているのは完全な合意だ」

とコメントしました。

柔軟に対応するといった事をほのめかしていましたが、改めて中国をけん制した発言、といった所でしょうか。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

対イラン制裁、アメリカ側の限界が露呈??

2019年9月20日、アメリカ財務省は不正な資金取引に関わったとして、イランの中央銀行や国家開発基金を経済制裁の対象に指定したと発表しました。

しかし、この発表は実際には殆ど効果がないと見られます。

MEMO

アメリカは2018年11月にイラン中銀と外国金融機関の取引を原則禁じる措置を講じ、同中銀は事実上の制裁対象になっていました。

今回の制裁指定にはアメリカの金融機関との取引を禁じる効果がありますが、取引自体がほとんどないとみられています。

トランプ大統領は軍事行動に慎重な姿勢を崩さず、イランを国際社会から孤立させるという外交的手段で事態を打開させようと考えているのでしょう。

アメリカの対イラン制裁の限界が露呈し、イランもアメリカの足下を見て交渉してくるでしょうから、引き続きどうやって解決していくのかの具体的なロードマップは見えにくいままです。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

中国、1年ものLPR、小幅引き下げとその背景

2019年9月20日、中国は1年物ローンプライムレート(貸出基礎金利)を前月の4.25%から4.20%に引き下げました。

この引き下げ自体は予想されていましたが、直近のより対象が広い預金準備率の引き下げがあったため、より大胆な利下げに動くとの期待が高まっていましたが、大幅緩和は見送られた格好です。

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何が背景としてあるのでしょうか

大幅利下げを見送った背景にはインフレ、人民元安、住宅バブルという3つの要因が取りざたされています。

まずインフレ懸念。

7、8月の消費者物価は前年同月比2.8%上昇し、政府が上限としているる3%に近づいています。

豚肉などは8月は47%も上がり、社会問題になる勢いです。

利下げはインフレを助長する効果があるため、大幅利下げはしにくかったのです。

次に通貨問題。

通貨人民元にも下落圧力がかかっていて、8月初めに1ドル=7元台に突入し、9月初めには同7.2元近くまで下落しています。

足元は落ち着きを取り戻していますが、利下げで元売り圧力に再び火がつく恐れもあります。

最後に金融緩和マネーの行先問題と言って良い住宅問題。

政府が行っている金融緩和のマネーが本来行ってほしい製造業ではなく、不動産に行っている状況にあり、緩和を進めにくくなっているのです。

【最新】中国の金融政策のまとめ【最新】中国の金融政策のまとめ

9月19日  ユンケル欧州委員長、イギリスと合意も可能

インドネシア、政策金利を0.25%引き下げて5.25%へ、3か月連続利下げ

2019年9月19日、インドネシア中央銀行は定例の金融政策決定会合で政策金利を5.5%から5.25%に引き下げたと発表しました。

これで利下げは7月以降、3カ月連続です。

成長鈍化の懸念から、景気を刺激して経済成長を下支えする姿勢を示しました。

中央銀行のペリー総裁は記者会見で

「減速しつつある経済成長を支えるための予防的措置」

と説明しました。

MEMO

上記に加えて、通貨ルピア相場やインフレ率が安定していることもポイントです。

インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~

米中次官級会議開始

2019年9月19日、米中はワシントンで次官級協議を始めました。

対面での交渉は7月末以来、約2カ月ぶりとなります。

中国側は来週、アメリカの農家も視察する予定です。

今回の会合の目的は10月の閣僚級協議に向けて具体策を詰められるかです

足元では中国が農産品への関税を取り下げるなど態度軟化のニュースが出ていますが、協議が進展しなければ対立が再び激しくなる可能性があります。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

ユンケル委員長、イギリスと合意する事も可能

2019年9月19日、欧州委員会のユンケル委員長は離脱協定案を巡りイギリスとの合意が可能との考えを示しました。

ジョンソン首相も同じ日、EU離脱協定案を巡る交渉で「一定の進展があった」と言明しています。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

日米貿易交渉、首脳会談を前に最終調整

2019年9月25日に日米両政府は首脳会談を開き、貿易協定案の署名を目指しています。

日本は、

  • アメリカが自動車の追加関税をかけない確約
  • 輸出数量規制を設けないこと
  • コメの輸入では無関税枠をつくらない

といった点で最中調整をしているようです。

日本政府は首脳会談後に貿易協定の内容を公表する見通しです。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

OECD、貿易摩擦を長期的要因として成長率予想を下方修正

2019年9月19日、OECDがが世界の成長率見通しを下方修正しました。

理由は、米中貿易摩擦の影響によって世界規模の貿易量が縮小しているという所にありそうです。

2019年9月OECDのレポートの概要
  1. 2019年の世界経済成長見通しは2.9%とリーマン危機直後以降で最低の予想。
  2. 2018年の実績値の3.6%から大幅に低下。なお、3%は世界経済の後退の節目と見られていて、今回はその水準を割り込むもの。
  3. 貿易摩擦はもはや一時的な要因から、長期の新たな貿易関係として存在。
  4. こうした貿易摩擦の悪影響が、企業の投資抑制に結びついている可能性。
  5. アメリカの成長率は2019年が2.4%、2020年が2.0%。中国は2019年が6.1%、2020年は5.7%に減速
IMF、OECD経済・景気関連レポートに関するまとめ

9月18日 FRBが0.25%の利下げ

ブラジル、0.5%の利下げで過去最低を更新

2019年9月18日、ブラジル中央銀行は政策金利を0.5%引き下げ年5.5%にすると発表しました。

これで2会合連続の引き下げとなり、過去最低を更新しました

通貨政策委員会では全会一致で利下げを決めました。

中央銀行は声明で

「経済の減速、目標を下回るインフレ率を背景とした主要国の追加金融緩和は新興国経済にとって好ましい」

と説明しています。

2019年8月のインフレ率は前年比3.43%と、かなりの低水準となっています。

中央銀行は、

「良好なインフレ見通しが強まっていることから刺激策の追加調整が可能になるとみている」

としていて、政策の次の動きが見通しに左右されるとしながら、追加緩和の可能性も示唆しました。

【最新】ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~

FRBが0.25%の利下げ、今後の見通しは不透明

2019年9月18日、FOMCで政策金利を0.25%引き下げる事を7:3で決定し、7月に続く利下げに踏み切りました。

政策金利を1%台に下げて景気悪化に予防線を張ります。

パウエル議長は

「景気が減速すれば追加利下げが適切だ」

と話しましたが、FRB内では見解が分かれているようです。

今回新たに公表されたFRB当局者の金利・経済見通しで示された予測中央値は、金利が2020年を通して新たなレンジ内にとどまるというものでした。

FRB当局者の金利・経済見通し

政策当局者17人のうち7人は0.25%の利下げが年内あと1回実施されるとの見通しを示す一方、5人は金利据え置きを予想し、また5人は年内に利上げが必要になるとの見方をしている。

アメリカの金融政策の経緯とまとめ

対イラン制裁は軍事ではなく経済的措置?

2019年9月18日、トランプ大統領はイランに対する経済措置を48時間以内に発表すると述べました。

トランプ氏はツイッターでムニューシン財務長官にイラン制裁の大幅な強化を命じたと明らかにしました。

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軍事的措置はどうでしょうか??

アメリカ軍のダンフォード統合参謀本部議長は

「米軍は軍事面での検討を進めている」

と話しています。

一方のトランプ大統領。

トランプ米大統領は衝動的行動で知られますが、今回の件については慎重な態度を見せ、関与が疑われるイランへの軍事攻撃を控えています。

来年の再選を目指し、軍事オプションは避けたいようです。

トランプ大統領は大統領就任から3カ月弱の2017年、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとしてわずか2日間の猶予を置いただけで軍事攻撃に踏み切っているだけに、今回は慎重な姿勢が際立っているようです。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

9月17日 供給懸念後退で原油価格は戻り売り

供給懸念後退で原油価格は大幅下落

2019年9月17日ので原油価格は前日の記録的な急反発から一転、大幅下落しました。

【9月17日のWTIの動き(出所:TradingView)】

WTI原油先物は17日、前日比6%安の1バレル=59.34ドルで取引を終えました。

invstem.com

背景は何でしょうか??

サウジアラビア・エネルギー相が攻撃前の生産を早期回復する見通しを示したことで、供給懸念が和らぎ、戻り売りがあったのです。

サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は9月17日の会見で、

「9月末には日量1100万バレルの生産能力を回復する」

と発言しました。

これによって、当初出ていた攻撃前の生産体制に戻るまでには数カ月かかるとの見方は後退したわけです。

マーケットの急落・急騰についてのまとめ

トランプ大統領、選挙前に米中合意できるとの見通しを披露

2019年9月17日、トランプ大統領は、米中貿易摩擦が来年の米大統領選挙前、もしくは選挙の翌日に合意が得られるとの見通しを示しました。

トランプ大統領は

中国は来年の大統領選で別の人物が勝利することを望んでいるが、自分は再選されるという自信を持っている。そして、合意が選挙後になれば、現時点で得られる合意よりも条件は極めて悪くなると中国に伝えた

と述べました。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

イタリア元首相が民主党を離党し新党を結成、コンテ政権に打撃

2019年9月17日、レンツィ元首相が連立与党をつくる民主党を離脱し、新党を結成すると発表しました。

週内にも30人規模の政党を発足させる見通しです。

こうした動きを通じて政界での存在感を高める狙いでしょう。

注意

新たに発足したコンテ政権を支持していくとも表明していますが、今後の火種になる可能性もありそうです。

民主党内ではジンガレッティ書記長とレンツィ氏の意見が食い違い、分裂を引き起こしつつあったとの事ですが、かつて党首を務めたレンツィ氏を支持する議員は今でも多く、今回の方法をとったものと思われます。

与党の分裂は、コンテ政権にとっては打撃です。

コンテ政権は五つ星運動と民主党の連立ですが、ギリギリ過半数を握っている状況です。

つまり、政権運営にはレンツィ氏が率いる新党の協力が欠かせないのです

コンテ首相は早速受難の状況です。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

9月16日 原油供給懸念で価格急上昇

サウジへのドローン攻撃に関する記事多数

サウジアラビアに対するドローン攻撃に関する記事が多数出ています。

以下から一覧をご確認いただけます。

参考 サウジアラビアへのドローン攻撃に関する影響等の記事・レポート一覧invstems.com

サウジへのドローン攻撃で原油急上昇

サウジアラビアで起きた石油施設への攻撃を受け、原油価格が急上昇しています。

【サウジアラビアへの攻撃前後のWTIの推移(出所:TradingView)】

【サウジアラビアへの攻撃前後の北海ブレントの推移(出所:TradingView)】

ニューヨーク市場では9月15日の原油先物10月物の価格は1バレル63ドル台前半と先週末の終値より15%あまり上昇しました。

原油供給や地政学リスクへの懸念が高まっている事が背景です。

ただ、どこまで供給懸念があるかはまだ不透明です。

マーケットの急落・急騰についてのまとめ

ジョンソン首相、法令遵守しつつも離脱期限の延長申請はせず

2019年9月16日、ジョンソン首相はルクセンブルクを訪問し、欧州委員会のユンケル委員長と昼食を取りながらBREXITを巡り協議しました。

現在、EU側は「バックストップ(安全策)」を巡り、イギリス側からの代替策を待っていると強調しました。

ジョンソン首相は離脱協議の加速の必要性を示しつつも、法律を遵守しながら、しかし離脱期限の延長を要請しない意向を改めて鮮明にしました。

欧州委は会談後の声明で、メイ前首相とEUが合意している離脱協定案に沿い、合法的な解決策を提示することがイギリス側の責任だという認識を改めて示しました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

アメリカとイランの関係は後退する可能性高い

サウジへのドローン攻撃はイランとアメリカの対話への雰囲気を壊す可能性があると言えるでしょう。

実行犯とされているのは、イランが支援するイエメンの反体制武装勢力フーシだからです。

これが本当なら、アメリカとイランの関係の一段の悪化につながる可能性があり、当然、国連総会の場で検討されていたアメリカとイランの首脳会談も暗雲が立ち込めるでしょう。

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またサウジとイランの関係悪化もあるでしょう。

攻撃に反発するサウジは、イエメンのフーシ支配地域への空爆を一段と強化する可能性があり、イランとサウジの関係もさらに険悪になりそうです。

一方で、トランプ氏は強硬派のボルトン大統領補佐官を解任していて、イランに秋波を送る姿勢をみせていました。

どうなるか注目する必要があります。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

日米貿易交渉、日米首脳会談で署名か

2019年9月16日、トランプ大統領は、関税障壁などに関して日本と合意に達したことを明らかにしました。

数週間以内に、日本と協定を結ぶ意向を議会に通知し、包括的な貿易協定に向けて交渉を継続する方針も示しました。

9月25日に日米首脳会談が開催されますが、ここで署名する事をアメリカ側は期待しているようです。

日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯

9月20日に米中次官級会合

2019年9月16日、次官級の米中通商交渉が9月20日に行われる見通しであるとの報道がありました。

もちろん、それは10月に行われる予定の閣僚級会合の地ならしと思われます。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

9月14日 サウジの石油施設、ドローンで攻撃される

サウジへのドローンテロで、原油供給懸念広がる

2019年9月14日、イエメンで活動する親イラン武装組織フーシが、無人機10機でサウジを攻撃したと発表しました。

アメリカはこのテロの裏にイランがいると示唆し、その一方、イランは9月15日の声明で即座に関与を否定しました。

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この攻撃による原油供給リスクはどうなんでしょうか??

原油供給へのリスクはまだ不透明です。

9月14日、アメリカのエネルギー省は

「必要ならば戦略石油備蓄(SPR)を放出する用意がある」

と表明し、IEAは

「十分な量の商業在庫がある」

とコメントしています。

その一方で、サウジのエネルギー省に近い人物が

「施設を強化し最大の能力まで高めるには数週間かかる」

と述べているという事です。

少しの間、注視が必要です。

非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019

イラン、アメリカが制裁を緩和すれば原油生産を最大化

2019年9月14日、イランはアメリカが制裁を解除すれば、原油生産の最大化政策を導入するとの意向を示しました。

イランのザンギャネ石油相は

「アメリカによるイラン石油産業への制裁が緩和された際には、生産最大化がイラン石油省の政策になる」

と語っています。

アメリカは2018年から、イランとの核合意から離脱し、対イラン制裁を再開しました。

イランから石油を輸入する国々にも制裁を科すとしたため、イランの石油輸出は80%以上減少しています。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

9月13日 トルコの与党重鎮が離党して新党を結成

トルコ、元重鎮の与党政治家が離党して新党を結成

2019年9月13日、トルコのダウトオール元首相は13日、与党・公正発展党(AKP)を離党し、新党を結成すると表明しました。

ダウトオール氏はかねてから強権的なエルドアン大統領の手法に批判的でした。

AKPからは2019年7月にババジャン元副首相も離党していて、党の元重鎮が離反する動きが続いています。

MEMO

ダウトオール氏は2014~16年に首相を務めた大物政治家ですがが、大統領権限を拡大しようとするエルドアン氏と対立し、最終的に辞任しました。

AKPは、イスタンブール市長選で不正を主張があったとごねて一旦敗北を帳消しにしたものの、再選挙でも更なる敗北を喫し、エルドアン氏の求心力低下が指摘されています。

トルコで政治の動きが慌ただしくなってくるかもしれませんが、マーケットがどの様に反応するかはまだ分かりません。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ

9月12日 トルコ、予想を超える利下げでもリラは上昇

トルコ中銀、3.25%の利下げ

2019年9月12日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合を開き、主要な政策金利である1週間物レポ金利を年率3.25%引き下げて16.50%にすると決めました。

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7月に続き2会合連続の利下げです。

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利下げの理由は何でしょうか??

利下げの表向きの理由は物価上昇率が縮小傾向で、金融緩和を進めて景気をテコ入れする好機、というもの。

ただ、エルドアン大統領の意向も相当にあるでしょう。

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予想はどうだったのでしょうか??

事前の予測は2.75%程度でしたので、これを上回る利下げです。

ただ、エルドアン大統領は金融政策決定会合の直前に、金利を一けた台に、とする発言をしていたので、それに比べれば、まだ許容範囲っという事で、トルコリラはこの利下げ幅を受けて上昇しました。

トルコの金融政策の経緯とまとめ

利下げ幅に安心してトルコリラは上昇

2019年9月12日、トルコが政策金利を年率3.25%引き下げて16.50%にすると決めました。

トルコの金融政策の経緯とまとめ

これによってトルコ・リラは上昇しています。

【利下げ前後のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

大幅利下げをしたわけですが、利下げ幅が一部の予想ほど大きくはなかったことで安心感が広がったのです。

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エルドアン大統領の「近く金利は一けた台になる」という発言ですかね。。。

リラは引き続き、政治的な要因から乱高下する可能性が高いので、注意が必要です。

ただ、しっかりと時間分散を続けて投資をしている分には良いでしょう。

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ

トランプ大統領、暫定合意の可能性を示唆

2019年9月12日、トランプ大統領は中国との暫定的な貿易合意の可能性を示唆しました。

トランプ大統領は暫定合意を検討する事柄の一つであると語っています。

限定的な合意案とは

知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回する内容との報道がなされていますが、詳細は分かりません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

米中暫定合意案の浮上で、利下げ幅予想が縮小

2019年9月12日の金利先物市場では米利下げ見通しが後退しました。

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なぜでしょうか??

米中が限定的な貿易合意をする可能性が出てきたためです。

フェデラルファンド(FF)金利先物動向によると、FF金利は2019年末時点で約1.60%と織り込まれています。

前日の取引終了時点では同1.575%でした。

詳しい説明は割愛しますが、つまりマーケットは当局が年内に0.54%程度の追加利下げを実施すると予想している、という事で、今回の一件で利下げ幅が0.25%程度縮まった、と解釈されます。

貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~

ECB、量的緩和を再開

2019年9月12日、ECBは3年半ぶりの金融緩和を決めました

2018年12月に打ち切ったばかりの量的緩和政策を再開する事となります。

さらに銀行が中央銀行に余剰資金を預ける際の金利を現在のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げます。

政策の先行き指針も変更し、物価目標の実現がしっかりと見通せるまで政策金利を現状かそれ以下に据え置くと約束しました。

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なぜECBはこのような決定をしたのでしょうか

ECBが緩和を再開するのは、米中貿易摩擦やBREXITなどで景気の先行きの不透明感が強まり、景気減速に歯止めがかからなくなっているためです。

物価上昇率も目標(2%近く)を大きく下回っていて、低インフレから抜け出せなくなるとの危機感も広がっているようです。

先進国・その他の状況

米中、歩み寄りの姿勢??

ここにきて、米中がお互い歩み寄りを見せているようです。

まず中国です。

  • 9月10日に海外投資家投資規制をなくし、
  • 翌11日にはアメリカへの報復関税から16品目の除外を発表
  • トランプ大統領は「大きな動きだ」と歓迎

これに対して、アメリカが

  • 9月11日に2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の引き上げを10月1日から同15日に延期すると発表

すると中国は、

  • 12日に米国産農産品の輸入手続きを再開したと表明

引き続き米中間には深い溝がありますが、10月の閣僚級会合を前に一旦歩み寄りを見せたという事でしょうか。

中国がアメリカ産の農産品の輸入手続きを再開

2019年9月12日、中国政府がアメリカ産の農産品の輸入手続きを再開したと表明しました。

中国にとって農産品は譲りやすい分野です。

今回の手続きには、アメリカが重視する大豆や豚肉も対象だという事です。

国内では豚肉など食品の値上がりに庶民の不満が強く、安価なアメリカ産農産品の輸入は国内の物価対策にもなります。

大統領選を控えて農家の支持を取り付けたいトランプ氏に対する「貸し」という事でしょうか。。。

9月11日 米中歩み寄りを模索?

中国、一部関税を除外も、農産物の高関税はそのまま

2019年9月11日、中国政府は追加関税をかけるアメリカ製品の対象から、潤滑油や医療用のレーザー加速器など16品目を除外すると発表しました。

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除外した背景は何でしょうか

2019年5月に新設した追加関税の除外制度を適用したわけですが、中国国内企業からの申請に基づいて、上記品目がアメリカ以外からの調達が難しいと判断した為です。

加えて、10月初めにワシントンで開かれる閣僚級協議に向けて、柔軟な姿勢を印象づける狙いがありそうです。

しかし、アメリカが気にしている大豆や豚肉などの主要な農産物は除外リストに含めておらず、アメリカ側の理解がどこまで得られるかは未知数です。

因みに、トランプ大統領は、これを大きな動きであるとした上で、

「中国は正しいことをした。中国にとってよい事だ」

と語り、中国政府が中国企業のために取った措置だとの見方を示しています。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

アメリカ、イラン制裁の緩和を示唆??

2019年9月11日、トランプ大統領は対イラン制裁を緩和する可能性を示唆しました。

イランがウラン濃縮に着手することは非常に危険だ。イランは財政面で苦境に立たされていて、制裁は厳しくなる一方だ。イランはアメリカと合意することを望んでいるだろう。

とけん制も加えました。

強硬派のボルトン補佐官も政権を去り、少し柔和な外交姿勢に変わる可能性もあります。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

スコットランド上級裁判所、ジョンソン政権の議会閉会は違法

2019年9月11日、スコットランドの上級裁判所はジョンソン首相が9月10日から1カ月にわたる議会閉会を決めたことについて「違法」との判断を示しました。

上級裁はBREXITを実現するために反対派の意見を封じる目的があったとみなしたという事です。

この司法の判断は政権にとってダメージがあるかもしれません。

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政府はどう対応するのでしょうか??

政権側はこの判断に対して最高裁に上訴する方針を表明しました。

最高裁は17日に審理を行う予定です。

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最高裁も同じ判断をしたらどうなるのでしょうか??

最高裁も同じ判断をすれば10日に閉じた議会が再開される可能もあります。

その際は再び混乱が起きそうです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

9月10日 イギリス、解散総選挙の動議は再び否決

イギリス、解散総選挙の動議、再び否決

2019年9月10日、下院はジョンソン首相が提出した早期総選挙の動議を再び否決しました。

MEMO

早期総選挙の承認には下院(650議席)の2/3の434票の賛成が必要ですが、賛成票は293票にとどまりました。

ジョンソン氏は議会で、

政府は離脱協定案の交渉を推し進める一方で、合意なき離脱にも備える。

10月17日のEU首脳会議にも出席し、国益にかなう合意にこぎつけるため努力する。

と言明しました。

ジョンソン氏が10月31日の離脱に向け、次にどんな手を打ってくるのか注目です。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

ECB、3年半ぶりの金融緩和を検討

2019年9月12日、ECBは理事会で、3年半ぶりの金融緩和を検討する予定です。

現在マイナス0.4%の中銀預金金利をさらに引き下げるほか、より長い期間緩和を続けると約束する可能性が高いと見られます。

量的緩和政策の再開にはなお慎重な意見も多く、どうなるかは分かりません。

ただ、景気減速が進んでいる中で、BREXITも予断を許さず、先行して利下げを進めるアメリカと足並みをそろえる形で対策をとろうとしているのでしょう。

この流れに他国も追随する可能性があります。

イングランド銀行総裁、ポンドの変動の大きさに警鐘

2019年9月10日、イングランド銀行のカーニー総裁は、ポンドのボラティリティーが新興国通貨並みだと指摘した上で、BREXITを巡る結果が明らかになればイギリスの資産価格は大幅な水準訂正が起きるだろうと述べました。

カーニー氏は、

ポンドのボラティリティーはまさに新興市場並みです。

BREXITの動向によって他の先進国通貨とは動きが異なっています。

さまざまな指標を見ても、離脱の結果次第で金融市場がどちらか一方向に相当動くでしょう。

との趣旨のコメントをしました。

過去数カ月間にポンドは乱高下を繰り返しています。

2019年5月には1.32ドルに上昇しましたが、9月に入ると1.20ドルを下回る場面もありました。

ポンドのボラティリティーはかなり上がっていて、今年初めのトルコ・リラよりも今のポンドの方がボラティリティーは高い状況です。

BREXITとイギリスポンドの動き

イタリア新政権、財政赤字目標を引き下げ、再びEUとの摩擦強まる恐れ

イタリア新政権が2020年の財政赤字目標の対GDP比率を2.3%前後に引き上げる意向であることが分かりました。

新たに発足した政権は、前連立政権と比べて反ユーロ色が薄れると思われましたが、上記のようではEUとの摩擦が再び高まる恐れがあります。

MEMO

2019年の財政赤字の対GDP比率については、前政権時に当初の2.4%から2.04%に引き下げることで合意し、現時点で2020年の目標は2.1%となっています。

ただ、現実には、現行の政策に変更がないとの仮定の下では、2020年の財政赤字の対GDP比率は1.6%に低下する見通しです。

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なぜですか??

国債利回り急落や、前政権が導入した早期退職や貧困化対策などの利用が想定より低調だったことが背景にあるようです。

ここから景気浮揚のために更なる財政出動を行うという事なのかもしれませんが、油断は禁物でしょう。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

EVシフトで原油の需要は日量で1370万バレル減少

あるレポートによれば電気自動車への世界的なシフトにで2040年までに石油需要が日量1370万バレル減少する可能性があるとの事です。

この減少量は現時点での中東、アフリカ、中南米の合計消費量よりも多いものです。

一方で、国際エネルギー機関は石油化学向け原料の需要が2040年までに日量500万バレル増加すると予想しています。

全体的な原油への需要は、これらのEVシフトへの技術的な動向と、また各年の景気動向に左右される石油化学製品へのニーズで決まりそうです。

非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019

9月9日 イタリア新内閣、対EU融和へ方針転換

ジョンソン首相、解散・総選挙を求める二度目の動議を採決

2019年9月9日、議会下院はジョンソン首相が提案する解散・総選挙を求める2回目の動議を採決する予定です。

一度この動議は否決されたわけですが再度のチャレンジです。

ただ、野党の同意は得られておらず、採決で解散が決まるメドは立っていません。

因みに、首相官邸は解散動議の採決結果にかかわらず、同日の議事終了後から10月13日まで議会を閉会すると表明しました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

メキシコ、2020年度の予算案を連邦議会に提出

2019年9月9日、メキシコ政府は2020年度の予算案を連邦議会に提出しました。

2020年度の予算案概要
  • 19年度比で1.5~2.5%の経済成長を前提とする
  • 歳入が今年度予算より+0.4%
  • 歳出は同+0.8%
  • 基礎的財政収支はGDP比で0.7%の黒字を目指す

連邦議会はこれを議論し、11月15日までの可決を目指します。

エレラ財務公債相は予算案について、

  1. 社会福祉の拡充
  2. 治安改善
  3. 国営石油会社ペメックスの支援

により大きな優先度があると説明しています。

今年度に引き続き増税はしないとも明言しました。

税収の柱として期待されるペメックスによる原油生産は、

落ち込みは底を打っており、今後は計画通り増産が見込める

と説明しています。

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どこまで信用できるかは分かりませんが。。。

ロペスオブラドール政権のまずい経済政策によって民間投資は落ち込み、雇用や消費にも影を落としている状態です。

政権に対する海外投資家の目は厳しく、財政規律を維持しながら、景気刺激を含めた必要な施策をどう実行していくか、若干の諦めを持ちながら、政権のかじ取りを見ていく事になりそうです。

メキシコ・ロペスオブラドール氏の政策の遂行状況のまとめ

イタリアのコンテ首相、対EU融和を表明

2019年9月9日、再任されたイタリアのコンテ首相は議会下院で所信表明演説に臨みました。

そこで、

EUと融和的関係を築き、EUのルールの枠内でイタリア人の利益を追求する

と述べました。

これまでの対立路線から、対話や協調を重視する方針への転換です。

財政赤字をGDP比で「3%以下」にするというEUの財政ルールについては

成長に向け改善する必要がある

と指摘するなど、成長実現のために一定の歳出拡大が必要になる可能性を示唆しました。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

離脱延期法案が正式に成立

2019年9月9日、BREXITの時期を10月末から延期する法律が正式に成立しました。

ジョンソン首相は10月のEU首脳会議で離脱協定で合意したいとの意向を示す一方で、合意なき離脱を阻止しようとする議会の動きには屈しない姿勢を示しました。

アイルランドを訪問したジョンソン首相は、

議会で何が起ころうと、絶対屈しない。国民がわれわれに望んでいるのは、合意をとりまとめ、10月末に離脱することだと思う

という趣旨のコメントをしました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

サウジの協調減産維持で原油先物は上昇

2019年9月9日(米国時間)の原油先物は約2%上昇しました。

既報の通り、サウジのエネルギー相に就任したアブドルアジズ王子が、原油価格支援に向け減産政策を維持する姿勢を示した事を受けての動きです。

【2019年9月9日(現地時間)のWTIの推移(出所:TradingView)】

非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019

9月8日 トルコ、次の金融政策決定会合で10%以上も利下げ??

トルコのエルドアン氏、近く政策金利を一けた台に

2019年9月8日、エルドアン大統領はトルコの政策金利が近く1桁台に引き下げられ、それに伴いインフレ率も鈍化するとの見通しを示しました。

MEMO

エルドアン氏は、「金利を下げればインフレが収まる」という持論をずっと主張し続けています。

大統領はテレビ演説で、

利下げを進めており、最短期間で金利を1桁台に引き下げる。そうすればインフレ率も1ケタ台となるだろう。

と語りました。

この前日には、トルコ中央銀行が9月12日の会合で利下げすると確信していると述べていました。

現行金利は19.75%ですので、もし一度に一けた台に政策金利をするならば、10%程度の利下げとなります。

トルコリラはどうなってしまうのでしょうか。。。

トルコの金融政策の経緯とまとめ

イギリスのジョンソン首相、合法的に離脱延期を阻止する計画を進める

2019年9月8日、ジョンソン首相が今次離脱延期を、合法的に阻止する計画を進めているとの報道がありました。

現状

EUと合意した離脱協定案が10月19日までに英議会で承認されなければ、政府はEUに2020年1月末までの離脱延期を申請しなければなりません。

報道によると、ジョンソン氏はこうした議会の動きを阻止するために8日、会合を開いたようです。

検討中の計画ではジョンソン氏が10月31日以降の延期をイギリス政府が望まないことを明記した書簡を、EU基本条約第50条の延長要請とともに送付するという事です。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

中国の2019年8月の輸出が予想外に減少、人民元安にもかかわらず

2019年9月8日、中国の8月の貿易統計が発表されました。

そこで、輸出が予想に反して減少していました。

因みに対米輸出は前年同月比で16%の減少です。

2019年8月の貿易統計の概要
  • 全体の輸出はドルベースで前年同月比▲1%
  • 輸入は同▲5.6%
  • 貿易収支は348億4000万ドルの黒字

因みに、事前予想は、輸出が+2.2%増、輸入は▲6.4%でした。

人民元安が続いたにもかかわらず輸出が減ったわけです。

輸出の低迷は、苦境の中国経済へ追い打ちとなる可能性もあり、中国当局の景気対策を促す空気も強くなるかもしれません。

【最新】中国の統計・データに関するまとめ

9月7日 トルコ、アメリカとの貿易を4倍にすることを目標

トルコ、アメリカとの貿易を4倍にする目標を設定

2019年9月7日、トルコはアメリカと協議し、両国間の取引拡大に向け、貿易障壁を撤廃するよう要請しました。

ミサイル防衛システム問題がくすぶる中、トルコとアメリカは二国間の貿易額を現行の4倍の年1000億ドルに増やすという目標を設定しました。

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両国の貿易障壁とは何でしょうか??

アメリカ政府が2019年5月に行った、トルコを一般特恵関税制度対象国からの除外を指しています。

ただ、アメリカは当該制度からの除外についてトルコの経済発展の水準を踏まえれば適切な措置だとしています。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ

9月6日 アメリカ雇用統計は市場予想を下回る

アメリカの8月雇用統計は予想下回る

2019年9月6日に発表された8月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比13万人増にとどまりました。

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市場予想と比較してどうだったのでしょうか??

これは市場予測(16万人程度)を下回った水準です。

加えて前月(15万9千人)と比べても減速した形です。

貿易戦争で製造業を中心に雇用環境に逆風が吹いており、利下げ局面が長期化する可能性もありそうです。

2019年8月の雇用統計概要
  • 失業率は3.7%(3カ月連続で前月から横ばい)
  • 57万1000人が新たに労働市場に参入。
  • 時間当たり平均賃金は28.11ドルと(前月の28.00ドルから0.4%増加)
  • 平均週間労働時間は34.4時間
  • 労働参加率(生産年齢人口に占める働く意志を表明している人の割合)は63.2%(77月の63.0%から上昇。)
アメリカの金融政策の経緯とまとめ

中国、預金準備率を0.5%引き下げ、景気下支えを狙う

2019年9月6日、中央銀行は預金準備率を0.5ポイント下げると発表しました。

9月16日から実施します。

大手銀行の標準的な準備率は13%になりますが、これとは別に、地方銀行だけを対象に準備率を10~11月に計1ポイント下げる予定です。

アメリカとの貿易戦争の長期化に備え、減速する国内経済に資金を新たに供給することが狙いで、景気の下支えを強めます。

人民銀行は

穏健な金融政策を続ける。バラマキはしない。景気下支えの強度を高める

と説明しています。

中国政府は預金準備率引き下げに加え、地方政府による特別債発行の加速も呼び掛けています。

同債券はインフラ投資の資金に充てられることが多く、中国経済を下支えすることになると説明しています。

【最新】中国の金融政策のまとめ【最新】中国の金融政策のまとめ

ブラジル、上院憲法司法委員会で年金改革法案が承認

9月第一週に、上院憲法司法委員会にて年金改革法案の票決が行われました。

そこで、同法案は賛成18:反対7で承認されました。

ただ、承認された法案では、歳出削減規模が8,700億レアルとなり、下院で承認された案から縮小しています。

削減額縮小は少し気になる所ですが、一方で新たに歳入を増やす案も盛り込まれていて、財政改善という意味では、下院の原案と同じ効果があるとされています。

ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

不法移民は56%減少、メキシコ自信

2019年9月6日、メキシコのエブラルド外相はメキシコに流入する不法移民が56%減少したと発表し、その結果に自信を見せました。

この56%減というのは対策開始前の5月と直近の8月の実績とを比較したものです。

9月10日にアメリカ側に実績を報告する予定ですが

もう関税で脅しをかけてくることはないだろう

と交渉に自信をみせました。

逆にこれだけ自信を見せて、アメリカの反応が芳しくなかった場合、相当マーケットは動揺するでしょう。。。

アメリカとメキシコの貿易・移民問題2019アメリカとメキシコの貿易・移民問題2019

ブラジル、インフレ率落ち着きで、利下げか

2019年9月の第一週に、ブラジル中央銀行のネト総裁が

インフレ率が抑制されており、追加利下げの余地がある

とコメントしました。

これによってマーケットでは利下げを行うとの観測が高まっています。

折しも、アルゼンチンペソやアマゾン火災問題で若干軟調気味だったレアルにどう影響するのか注目です。

次回の金融政策決定会合は9月18日です。

【最新】ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~

9月5日 ポンドが半年ぶりの高値

離脱期限延期申請と総選挙回避でポンドが半年ぶりの高値

2019年9月5日の外為市場のアジア時間帯早朝の取引で、ポンドの対ドル相場が一時約6カ月ぶりの大幅高となりました。

9月4日のイギリス下院で離脱期限の延期申請をジョンソン首相に義務付ける法案が可決された事と、首相が提案した総選挙実施の動議が否決された事を好感してのものです。

【2019年9月4~5日にかけてのUSD-英ポンドの推移(出所:TradingView)】

ポンドは対ドルで一時1.5%高の1ドル=0.815ポンドまで上昇しました。

法案が成立すれば、ジョンソン首相は、議会の承認が得られるEUとの合意が成立するか、合意なき離脱に議会が同意しない限り、離脱期限を来年1月31日まで3カ月延期するようEUに申請する必要が出てきます。

BREXITとイギリスポンドの動き

米中、閣僚級会合を10月初旬に開催?

2019年9月5日、米中両国は閣僚級協議を10月初めにワシントンで開くことで合意しました。

当初予定の9月初めから1カ月先送りした形です。

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なぜ1か月も先送りになったのでしょうか??

10月1日は中国にとって建国70周年の大切な日で、軍事パレードなど多くの記念行事を予定すると共に、お祝いムードを壊すようなリスク要因は徹底的に排除しようとしています。

9月に貿易協議を開いて不調に終われば、トランプ氏がさらに追加関税をかける口実を与えかねず、そうしたトランプ大統領リスクを避けるため、協議を先延ばしにしたのでしょう。

この発表を受けて、9月5日の上海総合指数は一時、2カ月ぶりに3000台を回復し、人民元相場も上昇しました。

ただ、懸念点もあります。

協議直前の10月1日、発動済みの第1~3弾の追加関税を25%から30%に上げる方針です。

これに中国が反発し、閣僚協議がさらに延期される可能性があります。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

ジョンソン首相、議会解散を再提案か

ジョンソン首相の攻め手が少しずつ狭まっている状況ですが、なおジョンソン首相派10月末の離脱を諦めていません。

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どのような作戦が考えられるでしょうか??

議会解散の再提案が最も現実的なものでしょう。

保守党の支持率は好調で、今解散総選挙をすれば単独過半数を奪還できるとの予測がある為です。

離脱期限の延期法案では「議会が合意なき離脱を承認した場合」はEUに延期を要請する必要はありません。

保守党が過半数を握って、合意なき離脱を議会で承認する、という形にするのです。

9月5日、保守党のリースモグ下院院内総務は、ジョンソン氏が週明けの9日に議会に解散を再提案すると表明しました。

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今回否決されたのに、もう一度やって勝算はあるのでしょうか。。。

野党内には延期法案成立後であれば解散に応じるべきだとの声も多いようで、延期法案が成立後に再度決議を取れば通る可能性もあるのです。

まだどうなるか分かりません。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

アメリカ・メキシコの移民問題、90日の評価期間終了

2019年9月5日、ロペスオブラドール大統領はエブラルド外相をワシントンに派遣すると発表しました。

9月5日はちょうど6月7日から始まった評価期間の期限日です。

今回の訪問は不法移民対策の成果を報告する為です。

メキシコ外務省によると、エブラルド氏は10日にワシントンでポンペオ国務長官と会談する方向で調整しています。

メキシコはアメリカとの間で6月7日に、関税発動を無期延期にする代わりに、不法移民の流入をくい止めるように警備を強化することなどで合意していました。

その合意から90日間で状況を評価することになっていて、9月5日が90日目にあたるわけです。

既にトランプ大統領は9月4日に好意的な評価のコメントを発表しています。

問題は、アメリカ政府がメキシコ政府にアメリカへの難民申請手続きの実施国になるように求めたものの、メキシコが拒絶したいう事が6月にありました。

今後、アメリカが再び同じ要求をする可能性もあり、再び関税発動も含めて両国間で緊張が高まる可能性もあります。

アメリカとメキシコの貿易・移民問題2019アメリカとメキシコの貿易・移民問題2019

イタリア、新コンテ内閣誕生

2019年9月5日、イタリア首相に再指名されたジュセッペ・コンテ氏(55)が大統領府で宣誓式に臨み首相に就任しました。

これで約1カ月続いた政局混迷はひとまず収束した形です。

前回の内閣では「同盟」が反EUであった事もあり、EUとたびたび衝突していましたが、今回は、経済財務相や欧州関係担当相を親EUの立場を取る民主党から起用しました。

第二次コンテ内閣
  • 閣僚は21人、五つ星から10人、民主党から9人。
  • 五つ星を率いるディマイオ氏は外相に就任。
  • 少数政党の中道左派「自由と平等」からも1人選出。
  • 副首相ポストはなし。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

9月4日 イギリス下院、離脱延期法案を可決

離脱延期法案可決、解散総選挙案は否決

2019年9月4日、下院はEUからの離脱延期を政府に求める法案を賛成多数で可決しました。

野党が提出した法案内容

10月19日までに新たな離脱案が英議会の承認を得られない場合、政府は2020年1月31日までの離脱延期をEUに要請する、という内容が核になっています。

最大野党・労働党が主導し、審議入りに賛同して9月3日に与党・保守党を除名されたハモンド前財務相ら約20人も賛成しました。

これに対してジョンソン首相は国民の信を問うため総選挙を提案しましたが、これに野党が応じず解散動議は否決されました。

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今後はどうなりますか??

野党側は法案を上院でも速やかに可決し、9日の週の議会閉会までの成立をめざします。

この法案が発効すれば、ジョンソン氏が「合意なき離脱」に突き進む選択肢は一旦無くなります。

保守党は大量除名の結果、下院の過半数を大きく割り込んでいて、政権基盤のさらなる弱体化が避けられません。

ジョンソン氏はEUと協議するとしても、議会での基盤の弱さを見透かされ、なかなか交渉もうまくいかないでしょう。

かなり混とんとした状況です。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

アメリカ、中国とファーウェイ関連の取引望まず

2019年9月4日、トランプ米大統領は中国とファーウェイについて協議することは望んでいないと語りました。

トランプ大統領は記者団に対し、

ファーウェイは国家安全保障、特に軍や情報機関に対する大きな懸念があり、米国はファーウェイと取引しない

とコメントしました。

その上で

中国がどう対応するか見守ろう。ただ、ファーウェイについては現時点で中国と協議したくない

とコメントしました。

トランプ大統領は過去にファーウェイについての議論に前向きでしたが、この考えに変化が起きたのかもしれません。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

産油量増加で原油価格は上昇よりも下落を試す展開??

2019年7月初のOPECプラス会合以降、WTI原油先物価格は50ドル台で推移しています。

ただ、2019年8月にロシアが増産に転じ、減産目標水準を上回ってきています。

元からロシアは協調減産に積極的ではなかったものの、様々な政治的思惑から減産を行ってきました。

ただ、そうした政治的な動機が弱まりつつあり全体的に産油量が増加した模様です。

加えて、アメリカでも8月にパーミアン地区から原油を輸送するためのパイプラインが操業を開始し、産油量は8月第4週に過去最高を更新しています。

従って、原油価格を一定程度に維持したいならばOPECプラスの協調減産を行う事が重要となりますが、ロシアとしては減産に応じる政治的モチベーションも下がってきていると言われています。

可能性としては原油価格上昇よりも下降の方が高いと言えるかもしれません。

【直近1年間のWTIの推移(出所:TradingView)】

非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019

トルコのエルドアン大統領、核保有を示唆する発言

2019年9月4日、エルドアン大統領が将来の核保有の可能性を示唆しました。

これまでトルコは本格的な核兵器開発を進めてきませんでした。

そうした中、今回エルドアン氏がこのような発言をした真意は分かりませんが、本当にそうなると中東のパワーバランスを変化させるもので、また海外資金が逃避する要因にもなってしまいます。

今回の発言が与党の支持層へのリップサービスなのか、または国際社会を意識し周到に準備されたものかどうか、まだ分かりません。

わざと政治的な課題をたくさん作って、外交カードにするといった事もあるかもしれません。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ

9月3日 米製造業景況指数が弱気

イギリス下院、離脱延期を求める動議の審議入りを可決

2019年9月3日、下院は離脱延期を要請する法案の審議入り動議を可決しました。

ジョンソン首相が敗北した形です。

328対301で可決され、4日にも採決が行われる可能性があります。

ジョンソン首相は法案が下院で可決された場合、前倒し総選挙の実施を目指す意向を示しました。

但し、既報の通り、解散するためには議会の2/3の賛成が必要で、その数が集まるかどうかは分かりません。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

カナダの首相とアメリカ下院議長が電話会談、新NAFTA関連

2019年9月3日、アメリカの民主党のペロシ下院議長は、カナダのトルドー首相と電話で会談し、新NAFTAについて、民主党として、新NAFTAにおける労働基準、処方薬の価格、環境保護、具体的な執行メカニズムが同党の「重要な懸念事項」になっているとの認識を改めて示しました。

下院で多数派の民主党は、この懸念が解消されるまで手続きを進めない意向を示していますが、一部では9月にUSTRと下院間で協議のペースが進むのではとの期待感も高まっているようです。

NAFTA再交渉の経緯 まとめ

イギリス議会が再開、事態は混とん

2019年9月3日に英議会が再開しました。

野党は来年1月末までの離脱延期を要請する法案を提出する予定です。

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少し詳細に見ていきましょう。
野党が提出した法案内容

10月19日までに新たな離脱案が英議会の承認を得られない場合、政府は2020年1月31日までの離脱延期をEUに要請する、という内容が核になっています。

野党側は、この法案の審議入りをさせるための動議を提出しました。

一方、10月末の離脱にこだわるジョンソン氏は同法案の審議入りに過半数が賛成した時点で解散総選挙を提案する方針のようです。

しかし、ジョンソン氏の一存で総選挙になるかは分かりません。

イギリスでは解散には下院の3分の2以上の賛成か、内閣不信任案の可決が必要になっています。

労働党ではコービン党首が早期の解散総選挙を求める一方、「離脱延期法案の成立後に選挙すべきだ」とジョンソン氏の解散の求めに反対する向きもあり、下院の3分の2以上の賛成が得られるかは不透明です。

仮に、解散総選挙になった場合には、10月14日が投票日になる見通しです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

ISM製造業景況指数、3年ぶりに50を割る

2019年9月3日にISMが発表した8月の米製造業景況感指数は49.1となり、前月から2.1ポイント低下すると共に、2016年8月以来3年ぶりに製造業景気の拡大・縮小の境目である50を割り込みました。

MEMO

50を切るという事は、景況感が悪化している事を示しています。

同日の米株式市場ではこの統計結果の影響もあり、ダウ工業株30種平均で一時、前週末比420ドル超下落しました。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

イギリスの保守党、下院で過半数を失う

2019年9月3日、保守党の議員1人がジョンソン氏の離脱方針に反発して野党の自由民主党に移りました。

このため保守党と閣外協力の政党を合わせた議席数は下院で過半数を割ってしまいました。

ここに加えて、与党内には多くのEU残留派や「合意なき離脱」に反対する勢力がいるので、延期法案の採決では政府・与党側がかなり不利な状況です。

2019年4月にもメイ首相(当時)にEUへの離脱延期の申請を義務付ける法案が提出され、この時は法案が僅差で可決され、現状の10月末までの延期につながったという経緯があります。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

9月2日 トルコ、3四半期連続でマイナス成長

合意なき離脱を阻止する法案が通過すれば、総選挙も

2019年9月2日、ジョンソン首相は記者会見を行い、数週間以内に総選挙を実施する可能性を示唆しました。

労働党が提出する予定の「合意なき離脱を阻止する法案」への対応をを巡っての一つの選択肢です。

同首相は声明の中で、選挙は望まないと述べた上で、今週議会で「合意なき離脱を阻止する法案」が通過すれば、緊急総選挙に持ち込む可能性を示唆しました。

その上で、首相は離脱延期をEUに要請する事はないと改めて表明しました。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

中国、アメリカをWTOに提訴

2019年9月2日、中国はアメリカを第四弾関税に絡めてWTOに提訴すると発表しました。

これで9月初めの閣僚級の貿易協議の実現はさらに不透明になりました。

今回の提訴にはアメリカがWTOを軸とする多角的貿易体制を軽視する一方で、中国は既存のWTO体制を重視するという印象を国際社会に与える狙いがありそうです。

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今のアメリカはWTOをそこまで重視していませんからね。。。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

資本規制で一旦は落ち着き

2019年9月2日、アルゼンチンの通貨ペソは先週末比3.5%高の1ドル=57.5ペソで取引を終えました。

【現地時間9月2日のUSD-アルゼンチンペソの推移(出所:TradingView)】

9月1日の資本規制を導入した結果、ペソをドルに替える動きがひとまず収まった形です。

主要株価指数メルバルも6%を超える上昇となりました。

発表から一夜明けた2日朝、ブエノスアイレスの銀行には開店前から行列ができたものの、外国為替取引市場でペソが上昇していることが判明するにつれ並ぶ人は減り、大きな混乱は見られませんでした。

2019年9月2日、ラクンサ財務相と中央銀行のサンドレリス総裁は、ペソ安定のための方策である事の理解を求めました。

ただ、このやり方はあくまで一過性のもの。

今後の先行きは不透明で、ある分析によればペソは12月までに1ドル=70.5ペソまで下落する可能性もささやかれています。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

イタリア、まもなく新政権樹立

間もなく新たな連立政権が発足する見通しとなりました。

五つ星運動との連立から手を引いて解散総選挙に持ち込もうとした「同盟」のサルビーニ党首による画策は失敗に終わりました。

ただ、連立合意を最終的に成立させるためにはまだたくさんのハードルがありそうです。

元々仲が悪かった五つ星運動と民主党を満足させる組閣と政策をまとめる必要があります。

仮に組閣が上手くいっても、新連立政権は多難が待ち構えそうです。

結束の維持にはコンテ首相の強い求心力が必要となるでしょう。

イタリアの問題は全く片付いていない状態で、弱い連立政権がどこまで出来るのかは分かりません。

実際、多くの投資家が心配しているでしょう。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

トルコ、3四半期連続でマイナス成長

2019年8月2日発表の2019年4~6月期のGDPは前年同期比1.5%減と、3四半期連続でマイナスでした。

インフレによる消費低迷が主因でしょう。

インフレの理由はもちろん通貨安。

通貨急落の引き金となった対米関係の改善も進まず、景気の先行きは見通せない状況で、トルコ投資家にとってはやきもきした所でしょう。

参考データ
  • トルコのGDPの6割を占める個人消費は前年同期比▲1.1%。この数値は前期が▲4.7%だったため少し改善しました。
  • 政府・民間による投資も▲22.8%。経済のけん引役だった建設業も低迷。

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今後はどうなるでしょうか??

恐らくエルドアン大統領の意向を受けて、9月も中銀は追加利下げをするものと思われます。

この結果、通貨リラは再び下落していて、足元では1ドル=5.8リラ台と、8月上旬から約7%下落しました。

トルコ政府は19年通期の成長率を2%強と予想していますが、エコノミスト予測はゼロ成長です。

やは「為替相場が安定しなければ、プラス成長は難しいと考える人が殆どです。

懸念の対米関係は今も不透明感が漂っています。

2019年8月27日、米下院外交委員会は公式ツイッターでトルコへの制裁に言及しています。

実はこの日、エルドアン氏がプーチン大統領と会談していて、その時にロシアからの戦闘機の購入や共同生産の可能性について言及していたのです。

まだまだくすぶり続ける火種が沢山あります。

アルゼンチン、議会に長期債務の返済猶予についての法案を送付

アルゼンチン政府は長期債務の返済猶予についての法案を議会に送付する準備を進めています。

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どういう内容でしょうか??

最大500億ドル(約5兆3000億円)の債務返済期間を変更する、というものです。

中央銀行は週末に外貨準備を増やす対策を検討していたところ、先週新規短期国債発行に失敗したため、多額の債務返済に必要な現金の調達に苦しんでいる状況です。

議会がこの法案に対してどのようなリアクションを取るかはまだ分かりません。

ただ、選択肢は2つありそうです。

  1. 政府と協力して今後の返済条件を明確にする
  2. 政府案を退けて不安定な状況を長引かせ、マクリ大統領を更に追い詰める

野党の多くは、政府が経済状況に関わる責任の一部を野党に転嫁しようとしている、と感じているようで、議会運営も今後の権力闘争を絡んで複雑な色合いを見せています。

政府と野党が対話をしない限り状況は悪化の一途をたどるでしょうが、次期大統領が決まるまでは対話へのインセンティブがないというのが野党の本音のようです。

ただ、野党や、ポピュリストの次期大統領候補フェルナンデス氏が現政権を追い詰めすぎると国が混乱に陥り、そうなると同氏が大統領となったとき大変な事になってしまいます

状況の悪化は国家にとっても野党にとっても利益にはならないので、お互いが大人の対応をする必要があります。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

英首相ジョンソン氏、与党内反対勢力を締め付け

ジョンソン首相が与党内の反対勢力への締め付けを強めているようです。

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具体的にどういった内容でしょうか??

近く野党が提出する予定の「合意なき離脱を阻止する法案」に賛成した保守党議員を党から除名し、次期総選挙で公認しないというものです。

合意なき離脱を阻止する法案
  • 最大野党・労働党が9月3日からの議会で提出予定の法案。
  • 合意なき離脱の回避を首相に義務付ける内容。
  • 議会が開会している最中の短期成立を目指す。
  • ハモンド前財務相ら保守党内の反ジョンソン勢力はこの法案への賛成を示唆し、成立する可能性も。

与党側は野党勢力を実質的に1議席しか上回っていない状況なので、与党内で造反が出ればこの法案は可決してしまいます。

一方で、ジョンソン氏が僅かな人数でも反対派を保守党から追放すれば、自ら内閣不信任案が可決される素地を作ることにもなり、ジョンソン首相としては難しい決断です。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

9月1日 第四弾対中関税が発動

アルゼンチン、資本規制を導入し事態の鎮静化を図る

アルゼンチン政府は、外貨準備高の減少と通貨安に歯止めを掛けるため資本規制を導入しました。

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どれくらい、外貨準備が減っているのでしょうか??

8月29、30両日だけで外貨準備は約30億ドル減少したようです。

このままいけば、150億ドルを切った純外貨準備高は数週間で底を突く恐れがあります。

2019年9月1日、中央銀行は輸出企業に対し外貨の国内還流に5日間の期限を設定するとともに、外国貿易決済の場合を除き、外国為替市場での企業のドル購入に中銀の許可が必要となります。

また、個人のドル買いは月当たり1万ドル(約106万円)に制限されます。

政府は短期債務の返済が困難になり、通貨ペソの下落に歯止めをかけられないでいる状況です。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

OPEC、久しぶりに原油を増産

先月のOPEによるの原油生産は久しぶりに増加しました。

OPECプラスによる協調減産が年初に新たなラウンドを迎えて以降初めての増産となりました。

ナイジェリアとサウジアラビアがこの増産をけん引したようです。

非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019

第四弾関税が発動、中国も即報復関税

2019年9月1日、アメリカは1100億ドル(約12兆円)分の中国製品を対象に制裁関税「第4弾」を発動しました。

家電や衣料品など消費財を中心に15%を上乗せする内容です。

中国も同時にアメリカの農産品や大豆などに報復関税を課しました。

米中貿易摩擦も来るところまで来た感じです。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月

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