各国の統計・データのまとめ(2019年)

このブログは、

  1. 相場に左右されずに
  2. 気長に忍耐強く

新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。

特に、

  1. これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
  2. 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方

を想定しています。

筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。

ずっと投資し続けています。

ここでは、基本的に本ブログがある国(ブラジル、トルコ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、中国、インド、メキシコ)以外の国で、新興国投資をする際に重要となってくる国々の統計データをまとめていきます。

ただし、本ブログがある先でも、ホットなトピックが絡むものなどはこちらでも紹介するように致します。

2018年(12月のみ)は↓をご参考ください!

各国の統計・データのまとめ(2018年)

また、アメリカの金融政策については別途↓をご参考ください。

アメリカの金融政策の経緯とまとめ

基本的には全て時系列で上から順に新しいものが来るようにしています。

2019年11月

世界の成長エンジンはやはりアジア

リーマン・ショック前から純利益を10倍以上に増やした上場企業が世界で560社に上り、そのうちアジア企業が8割を占めているようです。

08年から純利益を10倍以上に増やした企業数を国別に見ると首位の中国(225社)に続き、日本は126社、中国と日本を除くアジアは91社となりました。

産業構造や社会の変化をとらえ、デジタル化で成長するITのほか、高齢化が追い風の医薬品メーカーなどの成長が目立っています。

アメリカISM非製造業は上昇

2019年10月のISM非製造業総合景況指数は上昇し、市場予想も上回りました。

雇用や受注、景況などの指数が改善し、米経済の最大部分を占めるサービス業が安定的かつ緩やかに拡大している状況が示唆されました。

指数は前月、3年ぶりの低水準でしたが、一応持ち直した形です。

米国株から流出、現金及び債券に流入

ある金融機関によると、2019年の米国株ファンドからの資金流出は、現金および債券への流入との比較で2008年以来の大きさだったようです。

ただ、それでも現金比率は「歴史的低水準」に近いとのこと。

現在の現金配分比率は12%と、過去30年でも相当低い水準です。

2020年の株式相場については、高い不確実性、景気後退に対する懸念、もともと低かった現金比率が原因で、株式配分が大幅に増加する可能性は低く、従って大きな上昇相場は可能性としては低いとの事です。

米国株ファンドからは今年これまでに1000億ドルが流出し、過去15年で2番目のペースとの事です。

一方、債券ファンドには3530億ドルが流入し、現金は4360億ドル増えているようです。

来年については米株買いの主役は今年と同様に企業と見る人もが多く、個人と外国人投資家も買い越し、年金基金は株式への配分を減らし続けると予想しています。

2019年10月

ISM非製造業も約3年ぶりの低水準に下落

ISMが発表した9月の非製造業総合景況指数も、製造業に続いて大きく低下し、世界的な景気減速が意識されました。統計発表直後に株と通貨が下がりました。

非製造業総合景況指数は3.8ポイント低下の52.6となり、2016年8月以来の低水準となりました。

製造業に打撃を与え続けているものと同じ要因が、サービス業に対する影響も強めているようです。

因みにサービス業は経済の大半を占めていて、労働力の最大部分を構成する極めて大切なものです。

ADP雇用統計は予想を下回り、景気悪化を示唆

2019年10月2日、ADPとムーディーズが発表した2019年9月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が13万5000人増と、エコノミスト予想の14万人増を下回りました。やはり、貿易摩擦の影響が労働市場にも波及しつつあるようです。これはマーケットにも影響を及ぼしています。

10月4日には9月の雇用統計が発表される予定ですが、一部のアナリストは弱い内容になると予想しているようです。

ISM製造業は、2009年6月以来の低水準

2019年10月1日にアメリカ供給管理協会(ISM)が公表した99月の製造業景気指数は47.8と、前月の49.1から悪化して、2009年6月以来の低水準となりました。

米中貿易摩擦による景気の落ち込みがデータで表れた形です。

2019年9月

世界的な金融緩和で社債の発行が急増

世界の企業による社債の発行が急増しているようです。

2019年9月の発行額は1日あたり112億ドルと過去最高ペース。

金融緩和が進み、低コストで資金を調達しようと多くの企業が起債を急いでいるためです。

ただ、収益力に見合わないほどの債務を抱える企業も目立ち始めていて、ゾンビ企業を増やす懸念もあります。

1日あたりでみると、9月の社債発行額は8月の2倍程度に急増しています。

ISM非製造業は打って変わって好調を示唆

2019年9月5日に発表された8月の非製造業総合景況指数は、61.5(前月53.1)に上昇し、1カ月の上昇幅としては2008年2月以来最大となり、市場予想を上回りました。

先に発表された製造業総合景況指数で示された景気後退懸念が和らぐか可能性があります。

因みに、サービス業は経済全体の約90%を占めています。

ISM製造業景況指数、3年ぶりに50を割る

2019年9月3日にISMが発表した8月の米製造業景況感指数は49.1となり、前月から2.1ポイント低下すると共に、2016年8月以来3年ぶりに製造業景気の拡大・縮小の境目である50を割り込みました。

MEMO

50を切るという事は、景況感が悪化している事を示しています。

同日の米株式市場ではこの統計結果の影響もあり、ダウ工業株30種平均で一時、前週末比420ドル超下落しました。

2019年8月

ISM非製造業も3年ぶりの低水準

2019年8月5日に発表された7月のISM非製造業景況指数は前月から低下し、ほぼ3年ぶりの低水準となりました。

世界経済の低迷、米中貿易摩擦の影響が製造業のみならずサービス業の分野にも拡大することが懸念され始めています。

MEMO

サービス業には小売りやヘルスケア、建設といった業界が含まれ、経済全体の約90%を占めます。

ISM製造業景況指数、3年ぶりの低水準

2019年8月1日発表の7月の製造業総合景況指数は、約3年ぶりの低水準に落ち込みました。

生産拡大ペースの鈍化や海外市場の不安定さが影響したようです。

invstem.com

これで製造業総合景況指数は4カ月連続で低下しました。

製造業の景況指数が景況の分岐点に接近したこと、非製造業の景況も低下傾向であること、インフレ圧力の弱まりが窺えること、等についてFRBは警戒感を持って見ている事でしょう。

FRBは次回9月以降のFOMCにおいて、やはり追加利下げの必要性について再検討するものとみられます。

2019年7月

ISM非製造業景況感指数、2年ぶりの低水準

米供給管理協会が2019年7月3日に発表した6月の非製造業総合景況指数は市場予想より大幅に落ち込みました。

invstem.com

約2年ぶりの低水準です。

雇用指数の下げが大きく、全体の指数を押し下げました。

アメリカのハイイールド債券の発行が過去最大水準

アメリカでハイイールド債券の発行が増えています。

2019年6月の発行額は250億ドルと1年9カ月ぶりの高水準になりました。

利下げ期待で社債の金利も下がり、その結果ハイイールド債券へのニーズが増えたのです。

注意
ただ、アメリカ企業の債務は過去最高の水準に膨らんでいます。

FRBによると債務残高は15兆ドルを上っていて、GDP比73%と過去最大とほぼ同じ。

この問題は好景気のときは良いのですが、景気が悪くなると一気に企業の破綻増につながりかねません。

一番いやなのは、健全な企業の資金繰りも悪化し、それが負の連鎖を引き起こしていく事です。

2019年6月

ISM非製造業は2月以来の高水準

2019年6月5日発表の5月ISM非製造業総合景況指数は、前月から上昇し、2月以来の高水準となりました。

特に雇用の伸びが顕著で、労働市場の力強さが示唆されています。製造業の方は悪化していましたが非製造業の方は良化です。

ISM製造業景況指数、予想外に悪化

2019年6月3日に発表された5月のISM製造業総合景況指数は、市場の予想外に低下し、2016年10月以来の低水準となりました。

ついに米中貿易摩擦の影響が経済の重しになりつつあるのかもしれません。

実は、この日別に発表された5月の米製造業購買担当者指数(PMI)改定値も、2009年以来の水準をつけています。

2019年5月

日銀のETF残高が31%増

日本銀行が2019年5月29日に発表した2018年度決算によると、日銀が保有するETFの2019年3月末残高は24兆7848億円となり、前年度末から31%増えました。

約37兆3千億円の国内ETF市場規模の7割近くを日銀の保有が占めるという事で、どんどん状況の異常さが際立っています。

2018年の世界の企業業績

2018年度はアメリカ企業が2桁の増益を続ける一方、中国企業は3%増と、米中で企業業績に顕著な差がある事が分かりました。

アメリカ側の好調の要因はGAFA等のインターネット系企業の堅調さです。いずれもプラットフォーマーとして絶大な存在感を保ち、それがそのまま堅調な収益につながっています。

中国側の要因としては過剰債務問題で経済活動が停滞したことと、米中貿易戦争の負の影響、の二つが挙げられるでしょう。

世界全体の上場企業の増益率は3%と2017年(29%増)から大きく縮小してしまいました。業績面では下押し圧力が強まっている状況です。

世界の純利益の合計は4兆1400億ドル(約450兆円)となり、2年連続で過去最高になりましたが、伸び率は3%止まりとなりました。

世界の貿易量は低水準が続く

世界貿易機関が2019年5月20日に発表した2019年4~6月期の世界貿易予測指数は96.3でした。

これは前期(1~3月期)と同じ数値で、米中貿易摩擦の影響などで低水準が続いている状況です。

因みに今回の数値に、5月のアメリカによる対中追加関税の発表は反映されていません。

WTOは2019年の貿易量の前年比伸び率を2.6%と予測していますが、米中が打開策で早期に合意できなければ、下方修正する可能性に言及しています。

日本の1-3月期GDPは表面上ポジティブサプライズ

日本の2019年1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.5%、前期比年率+2.1%%となりました。

これはマイナスか横這いという予想が多かったこともあり、ポジティブ・サプライズとなりました。

しかし、個人消費、設備投資、輸出といった主要項目は事前の予想通り前期比マイナスという厳しい内容になっており、米中貿易摩擦の影響が出ています。

一方で住宅投資、公共投資は予想通り前期比プラスとなっています。

日本の投信、2019年4月は外国株投信からの資金流出が目立つ

2019年4月の日本の投資信託は6125億円の純流出となりました。これは2年4カ月ぶりの規模の流出です。外国株式で運用する投信からの流出が目立ちました。

しかし、これは4月の数値で、5月の米中貿易摩擦激化によるものではありません。

むしろ、4月は世界的に株価が上昇しており、2018年末の株安で被った含み損が一定程度無くなったため、売却の意思が固まった個人投資家の売りによるものです。

アメリカの対中追加関税以降、新興国からの資金流出が7か月ぶりの規模

国際金融協会が2019年5月15日に公表したリポートによればと、米中貿易摩擦の激化に伴い、4-5月にかけて新興国から流出した資金は昨年10月以来の規模となったようです。

5月の第2週、アメリカが対中追加関税を表明した週には、中国株からは25億ドル、5月13日には15億ドルが流出したようです。

また台湾からの流出額も15日に4億ドルとなり、韓国やインド、インドネシアなど他のアジア新興国においても中国と同様の傾向が示されたようです。

日本の景気動向指数、6年ぶりに「悪化」

2019年5月13日に発表された3月の景気動向指数のいて、国内景気の基調判断が6年2カ月ぶりに「悪化」となりました。

ポイントとしては、

  • 現状をあらわす一致指数の速報値は99.6となり、前月より0.9ポイント下落
  • 3カ月単位の推移などから基調判断は機械的に「悪化」に
  • 算出で使用した3月分の7指標のうち、5指標が指数を押し下げ
  • 特に投資財出荷指数が前月比2.3%低下し、最大の押し下げ要因
  • このほか耐久消費財出荷指数や鉱工業生産指数も落ち込み

背景は外需の低迷で、生産や輸出が落ち込んだことにあります。

政府として景気後退を認定しているわけではありませんが、景気動向指数の定義上は後退局面にある可能性が高いことを示しているわけです。

米中貿易摩擦が激化すれば国内景気もただではすみません。選挙も近づき、政府として経済対策を真剣に考えなければいけなくなっているかもしれません。

アメリカISM非製造業景況指数は予想外に下落

アメリカの2019年4月の非製造業総合景況指数は予想外に低下し、2017年8月以来の低水準となりました。これで低下は2カ月連続となります。

ただ、活動の拡大と縮小の境目を示す50はなお上回っているため、経済成長は引き続きあるものの、そのペースが鈍化しているという状況です。

2019年4月

新興国に5年で120兆円の資金流入、今後はその流出に懸念

ある調査会社によるとこの5年間で新興国に流れた海外の投資マネーは1.1兆ドル(約120兆円)に上るようです。

一つ注目されているのがパッシブファンドの資金です。

これは新興国全体といったテーマに基づき、国の規模等に応じて資金を投下していくものです。

多くの機関投資家や個人がETF等を通じてこのパッシブファンドに投資をしていて、これらが新興国に流れ込んでいる状況です。

IMFによれば「新興国債券」を対象としたパッシブマネーは8000億ドルと過去10年で4倍に膨らんだとの事です。

問題はこの資金がいつ逆回転するかということ。

世界景気の減速や株安が起これば、一気にそうした資金は流出する可能性があります。

しかも「新興国全体」という戦略でもあるため、個々の新興国の景気とは無関係に一斉に所かまわず流出に見舞われてしまう可能性があるのです。

急激な資金流出は通貨安によるインフレや企業の資金繰り懸念にもつながります。利上げで資金流出を食いとめようとしても、景気を冷やしかねません。

この問題は処方箋もないので放置するしかないのかもしれませんが、世界全体の資金の流れもよく理解しておく必要があります。

GDPの民間予測、1ー3月はマイナスに

2019年4月9日に公表された民間エコノミストによる経済見通し「ESPフォーキャスト」によれば、2019年1~3月期のGDPの実質成長率は前期に比べ年率で0.06%減とマイナス成長に転じました。

前月は0.01%増の予測でした。

中国経済の減速を踏まえ設備投資の下落幅が大きいと思われる為です。また、住宅投資も下振れるとの見方が増えました。

ISM非製造業景況指数は予想下回る

亜米利加ISMが発表した2019年3月の非製造業総合景況指数は、市場が予想していた以上に低下し、2017年半ば以来の低水準となりました。

景況指数や新規受注が特に落ち込み、経済成長が今年に入って勢いを失いつつある兆候が増えてしまいました。

ISM製造業景況指数は予想上回る上昇

2019年3月のISM製造業総合景況指数は上昇し、市場予想も上回りました。

前月は2年ぶりの低水準に落ち込んでいましたが、3月は雇用の指数などが堅調でした。雇用の指数は前月まで3カ月連続で低下していましたが、今回は3年ぶりの大幅上昇です。

2019年3月

日本の景気動向指数、5年7か月ぶりの低水準

2019年3月7日発表された2019年1月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が97.9と2013年6月以来の低水準となりました。

内閣府は基調判断を「下方への局面変化を示している」と、「足踏みを示している」との従来表現から引き下げました。

背景は中国景気の懸念。

今後は、3月下旬に政府が発表する月例経済報告で「緩やかに回復している」としていた景気判断に変化があるかどうかに注目が集まります。

世界35か国・地域でカントリーリスクが上昇

ある格付機関が2019年1月に実施したカントリーリスク調査によれば、35カ国・地域が前回の2018年7月に比べて投資リスクの総合評価を下げたようです。

この数は、2017年7月調査(37カ国・地域)以来の多さとなりました。

アメリカの利上げの一時停止で世界経済への過度な悲観論は後退しましたが、企業の債務拡大や政治の混乱などの問題を抱える国・地域への金融機関や企業の警戒感は強いようです。

評点を最も下げたのはスリランカ。政治的な混乱によるものです。中国の一帯一路戦略の所でスリランカは政治対立が起きています。

中国の一帯一路政策とインフラ建設支援についてのまとめと経緯

アメリカISM非製造業景況指数、予想上回る数値

米供給管理協会(ISM)が発表した2019年2月の非製造業総合景況指数は、前月から上昇しました。

新規受注の好調を背景に、市場予想を上回る伸びとなったようです。

貿易摩擦が続いていることや世界の成長見通し悪化が、非製造業をそれほど圧迫しておらず、アメリカ経済の底堅い状況が示された格好です。

日経ボラティリティインデックスは5か月ぶりの低水準 不安心理後退

2019年3月4日、日経平均株価の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックスが16.54と前週末に比べ0.26ポイント(1.5%)低くなり、2018年9月27日以来約5カ月ぶりの低水準になりました。

米中貿易協議の進展期待や対ドルでの円安進行などを背景に、投資家の不安心理が和らいでいるものと思われます。

2018年12月25日、日経平均が1010円下落した日の日経平均VIは一時33台と警戒ラインの30を上回っていましたが、その後は一転して下落傾向にあります。

2019年2月

世界各国で住宅価格が連動的に下落

各国で住宅の価格が頭打ちになっているようです。

これまでの利上げで住宅市場へのマネーが細る

中央銀行の利上げで金利が上がり、低金利下でマネーが流れ込み高騰した不動産の魅力が薄れたためです。

一部の国では値下がりに転じ、先進国全体でも3年ぶりの低い伸びにとどまっています。

利上げペースは既に鈍っているのですが、不動産投資は過熱を冷ます段階にあります。

嫌なのはこの住宅の下落が消費を冷やす事です。

各国の住宅価格の連動性が高まっている

IMFが2018年4月にまとめた報告書によれば、40カ国と44の主要都市における住宅価格の連動性が高まっているようです。

背景は、国際分散投資をする投資家が沢山いる事でしょう。

各国の政策担当者は、他国の住宅価格の異変が国内市場に影響する可能性を無視すべきではないとIMFは言っています。

欧州(ヨーロッパ)のPMIは6年ぶりの低水準 BREXIT、アメリカとの貿易摩擦による影響で

ユーロ圏の2月の製造業の購買担当者景気指数(PMI)速報値は前月比1.3ポイント低下の49.2と、約6年ぶり低水準を更新しました。

ユーロ圏の景気の先行指標の製造業PMIが景気が拡大・縮小の判断の目安となる50を割り込むのは2013年6月以来です。

BREXITや、アメリカによる欧州製自動車への追加関税への警戒が広がっていることが背景にあると思われます。

日本、景気判断項目の「生産」を40か月ぶりに下方修正

2019年2月21日に日本が発表し2月の月例経済報告で、14の景気判断項目のうち「生産」を40カ月ぶりに下方修正し、「企業収益」も引き下げられました。

中国向けの電子部品などの落ち込みが響いたようです。

全体の景気判断は据え置いたものの、懸念が少しずつ上昇しています。

「生産」の下方修正は2015年10月以来、40カ月ぶりです。

1月までは「緩やかに増加」としていたのですが、2月の判断では「一部に弱さがみられるものの、緩やかに増加している」としました。

背景としては電子部品などの海外向け出荷の減速があるようです。

特に半導体の影響は無視できません。

データ保存に使うメモリーやスマートフォン(スマホ)搭載カメラなどに使うCCD(電荷結合素子)の生産が鈍化しているようです。

アメリカの小売売上高、2018年12月は9年3か月ぶりの大幅な減少

2019年2月14日発表されたアメリカの2018年12月の小売売上高は前月比1.2%減少しました。

これは2009年9月以来9年3カ月ぶりの大幅な減少です。

売り上げはほぼ全業種で減少しました。

好調とされていたネット通販などの無店舗小売りが前月比3.9%減ったほか、百貨店が3.3%、スポーツ用品・趣味・本・音楽を扱う店もそれぞれ4.9%減りました。

労働者市場は好調で、景況感も良かっただけに、少し驚きのある数字となりました。

日本の景気後退確率23.6%に上昇

日本経済研究センターによれば、2018年12月の景気後退確率は23.6%と、前月から3.3ポイント上昇したようです。

ただ、景気後退入りの目安となる67%はまだまだ下回っている水準です。

日本株の空売り比率、3か月ぶりの高さ

日本株の空売りが増えているようです。

東証上場銘柄の売買代金に占める空売りの割合は、2019年2月8日に48.7%と2018年10月30日以来、約3カ月ぶりの高水準となりました。

これで44営業日連続で40%を超え、08年に算出を開始して以降の連続記録となっています。

日本株の空売り比率40%超えが普通になりすぎた

普通はここまでの高水準だと株価も底入れ、と思われますが、今は40%を超えるのが普通になりすぎてそう考えて良いのか分かりません。

業績があまり良くないのに戻りすぎではないかという声もあったりと、慎重にな姿勢をあまり崩さない方が賢明かもしれません。

日本の銀行融資残高、20年ぶりに500兆円を突破 ゾンビ企業増加

日銀によると、邦銀による2018年末の国内貸出残高は504兆3974億円と、1997年末以来となる21年ぶりの高水準になったようです。

景気回復と低金利を追い風に中小企業への融資が伸びたという事ですが、貸出先には先行きがよく分からないような企業も多く、低利での融資合戦による悪い残高伸長ではないかとの声も多数あるようです。

長期の金融緩和とカネ余りは経済の新陳代謝を遅らせるので、長期的には経済にとってあまり好ましいものではありません。

アメリカの貿易赤字は半年ぶりに減少 前月は過去最高

アメリカの2018年11月の貿易収支赤字額は493億1,300万米ドルと、2008年以来の高水準となった前月から減少しました。

しかし、中国に対する「モノ(財)」のみの赤字額は、過去最高を記録した前月から減少したものの、依然高水準にあります。

同指標は米商務省が発表を行っていますが、米政府機関の一部閉鎖により発表が約1ヵ月遅れるかたちとなりました。

アメリカ消費者信頼感指数は1年半ぶりの低水準

2019年1月29日に発表された2019年1月の米消費者信頼感指数は120.2となり、市場予想の124.0を大幅に下回る結果となってしまいました。

これは2017年7月以来の低水準で、その要因は6ヵ月先の期待指数にありそうです。

同期対指数は先月の97.7から87.3へ大幅に低下し、2016年10月以来の低水準となったのです。

ただ、政府機関の一時閉鎖といった一時的な要因もここにはあるとされており、そこまで悲観的になる必要はないかもしれません。

しかし、最近よく出ているセンチメントの悪化と同じ方向性の統計結果であり、慎重な景気判断になりつつあるという事かもしれません。

2019年1月のISM非製造業景況指数 サービス業は減速

2019年2月5日に発表された1月の非製造業総合景況指数は前月から低下し、サービス業の減速が示されました。

景況指数は59.7(前月61.2)に低下し、新規受注は57.7(同62.7)と大きく落ち込みました。この新規受注指数の下げ幅は2016年8月以来最大となっています。

ただ、その一方で雇用指数は上昇し、需要の底堅さが示唆されました。

ヘッジファンドの2018年残高は、10年ぶりの減少

ヘッジファンド業界全体の運用成績が10年連続で市場平均を下回っている事もあってか、2018年にはついに運用資産残高も減少に転じたようです。

いわゆるヘッジファンドと呼ばれるものは、全世界で約350兆円を運用し約1万あると言われています。

投資戦略は様々ですが、多様な金融商品の「買い」と「空売り」を組み合わせて、どんな相場でも絶対収益の確保を狙う点では殆ど同じでしょう。

そんなヘッジファンドが直面したのが、日米欧の中銀がばらまいた1千兆円以上の緩和マネーです。

誰もが勝てる「適温相場」でオーソドックスなパッシブ運用が手数料も安く稼げるようになったのです。

パッシブファンドの膨張で個々の企業の割高・割安の判断が利きにくくなり、ヘッジファンドの強みが徐々に失われていく局面が増えたのです。

しかし、米エンロン事件では不正会計を暴き、金融危機時には無価値な証券化商品バブルをいち早く見抜いて利益を上げたのはヘッジファンドであり、時に金融市場のモニタリング役も果たしてきた彼らがいなくなると、緩和マネーは警告役不在の金融市場で水膨れし、とんでもない下落相場を招いてしまう恐れもあります。

2019年1月

世界の企業が調達した金額、3年ぶりに減少

2018年に世界の企業が調達した資金は、3年ぶりに前年比で減少したようです。

2018年に企業が社債と株式によって調達した額は4兆2300億ドル(約465兆円)で、2017年に比べて約5600億ドル(約61兆円)減りました。

背景として語られているのは、法人税制改革でアメリカの企業が自国に資金を還流した事による、新たな資金需要の縮小と、低格付け債に対する投資家の警戒が強まった事、などです。

実際に地域別にみると、アメリカの減少は前年比で22%減となっています。

株式発行による調達は7200億ドルと、こちらは2年ぶりの減少です。

特に上場企業による公募増資の落ち込みが大きく、6年ぶりの低水準となったようです。

地域別では、新興国が22%減と目立ち、その中でも中国は17%減でした。

企業の格下げが世界で増加

S&Pによれば、格付け変更全体に占める格下げの比率が2018年10~12月は64%にのぼり、10四半期ぶりの高い水準となったようです。

格付け別にみると、BB以下の元々「投機的」とされているものの下落が格下げ数の70%程度を占めていて、元々信用力の低かったところが更に悪くなっている、というのが状況のようです。

ただ、元々投資適格だったものが投機的に下がってしまったものもいくつかあり、もしこういった数が今後も継続的に増えていくと注意が必要です。

日本の株信用買い残、1年7か月ぶりの低水準に

2019年1月22日に東京証券取引所が発表した18日申し込み時点の信用取引の買い残高は2兆4521億円となり11日申し込み時点に比べて84億円減りました。

また、この水準は2017年6月2日時点以来、約1年7カ月ぶりの低水準となっています。

相場上昇を受け、信用買いの持ち高を解消する個人投資家の動きが優勢となったようです。

ヘッジファンドの資金流出、2018年10-12月は225億ドルの流出

2018年10-12月において、ヘッジファンド業界から225億ドルの資金流出した事が分かりました。

この流出規模は過去2年余りで最大のようです。

2019年1月18日、ヘッジファンドリサーチが発表したリポートによれば、2018年の資金流出額はこれで計340億ドルとなり、業界全体の資産の約1%相当が流出した事になるようです。

2018年の流出額は約700億ドルが引き揚げられた2016年以来の規模となります。

日本 2018年11月の機械受注は足踏み状態

2019年1月16日、2018年11月の機械受注統計が発表されました。

船舶と電力を除く「民需」の受注額が2カ月ぶりに前月を下回り、自動車や情報通信関連の受注も鈍化しました。

内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏み」で据え置きました。

世界景気全体に対する懸念が強まっていて、企業が投資に慎重になっていると見られ、2018年10~12月の四半期ベースでは6四半期ぶりのマイナスになる可能性もあるようです。

世界 「不確実性指数」の数値が高まる

スタンフォード大学の教授らが算出する「経済政策の不確実性指数」が2018年12月に過去最高となりました。

この数値は、日米など20カ国の経済政策関連の新聞記事に「不確実性」や「不安」といった言葉が登場した回数などを基に算出しています。

経済政策の不確実性指数は18年12月に337.25となっていて、トランプ氏がアメリカ大統領選挙で選出された直後の16年12月に付けた水準を超えました。

今の水準は、遡ることが出来る範囲の1997年以来、最も高い数値のようです。

マーケットが最も嫌がるのは、「見通しがつかない」とか「この先どうなるか分からない」といったものですので、この指数が上がったときは大体リスクオフになりやすい傾向があります。

日本 ESPフォーキャストによる2019年GDP成長率予想は0.7%のプラス

日本経済研究センターが1月16日に発表した民間エコノミストによる経済見通し「ESPフォーキャスト」によれば、2019年度のGDP成長率は0.70%増でした。

前回18年12月調査から0.02ポイント小幅に上振れしました。

住宅投資や公共投資など内需が景気の下支えになるとの見方が出ているようです。

日本 TOB額が2年連続で1兆円超 不動産会社が活用、親子上場解消も

日本の上場企業によるTOBが引き続き高水準です。

2018年の実施は計40件で、1兆1623億円に上りました。

これは2年連続で1兆円を超えた事を意味していて、2009~10年以来の状況です。

特に不動産会社によるTOBが目立っています。

高騰が目立つ不動産市場と比べると割安感もある株式市場を活用して、会社ごと取り込む狙いがあるようです。例えばオリックスによる大京、三井不動産による三井ホーム、NTTによるNTT都市開発などです。

また、「親子上場」解消の動きも作用しています。

日銀の量的緩和が減速

日銀の国債の購入量が、2018年12月末残高で504兆円となり、前年同月末比の増加額は24兆円と異次元緩和直前の13年2月以来の小ささになりました。

日銀の資金供給量の伸びにブレーキがかかった事を示していて、金融緩和の副作用などを意識し、国債の購入量を減らしているようです。

日銀が異次元緩和を始めた2014~16年においては、年間80兆円まで増やしていましたが、いまはその3分の1以下です。

2016年秋以降、日銀は長期金利を0%程度に誘導することに金融緩和の軸足を移し、量的緩和にブレーキをかけており、日銀が持つ長期国債の年間増加額も37兆円強とピークの半分以下になっている状況です。

OECDが発表した2018年11月の主要国景気先行指数は鈍化

2019年1月14日発表されたOECDの2018年11月の景気先行指数は、主要国経済の勢いが全体的に鈍りつつあることを示しました。

グローバルな景気懸念が台頭する中で、同指数は世界的な成長鈍化の新たな兆しとなるかもしれません。

6-9カ月先の転換点を予測する指標とされる同指数は2018年の初めから下落基調にあって、2018年11月も下げが継続しました。

OECDはアメリカとドイツに言及し、勢いの軟化を示す「暫定的な兆候」がここにきて確認されたと指摘しています。

日米株の連動性高まる

日経平均株価とアメリカのダウ種平均の相関係数が、2019年1月に入って0.7前後まで上昇しています。

この数値は2018年10月以来、約3カ月ぶりの高水準です。

グローバルな危機が意識されると各国のマーケットは相関しやすくなります。相関係数は1に近いほど連動性が高いことを示していて、日米株の相関係数は2018年末から上昇基調を強めていました。

日本 街角景気、先行き懸念

2019年1月11日に発表された2018年12月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によれば、2~3カ月後の景気の先行きを占う指数は48.5となり、前月から3.7ポイント低下しました。

低下は2カ月ぶりで、下げ幅は16年6月以来の大きさでした。

ただ、調査期間が12月25~31日で金融市場が荒れて株価が急落した時期とほぼ重なっているので、そういったタイミング的な所も考慮してこの数値を見る必要があるでしょう。

アメリカ CPIは9か月ぶりにマイナス ガソリン安が影響

2019年1月11日発表された2018年12月のCPIは前月比0.1%下落と、2018年3月以来9カ月ぶりのマイナスとなりました。

ただ、これは市場予想と一致したものでサプライズではありませんでした。

ガソリンの値下がりが物価全体を押し下げた形ですが、家賃や医療費は安定的に伸び、基調的な物価圧力は底堅さを保っているようです。

アメリカ ISM非製造業景況指数 5か月ぶりの低水準

2019年1月7日に発表された12月のアメリカISM非製造業総合景況指数は前月から低下し、市場予想も下回りました。

指数は57.6と、2018年7月以来の低水準でした。因みに11月は60.7。

ただ、今回は米中貿易摩擦がこの数値の下落に直接的な影響があるとは言い切れなかったようです。

アメリカ雇用統計 堅調な結果

2019年1月4日に2018年12月の雇用統計が発表されました。

景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が前月に比べて31万2千人増え、失業率は3.9%と同0.2ポイント悪化しました。

景気の先行きに減速懸念が浮上するなか、頼みの綱である雇用の堅調ぶりを示した形ですが、将来に備えて人員削減に踏み切る企業も出始めており、予断は許しません。

東南アジアの2018年12月PMIは小幅に低下

2018年12月のASEAN製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.3と前月比0.1ポイント低下しました。

輸出の先行指標となる新規輸出受注が5カ月続けて50の節目を下回っていて、生産のペースが鈍化しています。

PMIは50を上回ると景気が上向き、50を割り込むと下向きの兆候とされますが、対象7カ国のうちベトナム、フィリピン、ミャンマー、インドネシア、タイの5カ国は50を上回りました。

ASEANのPMIは2018年10月に節目の50を下回りましたが、11~12月は緩やかな拡大基調に戻っていました。

今後米中貿易摩擦などの影響でどこまで悪化するかは注目されます。

アメリカ FRBが注目する利回り指標、利下げを示唆

2019年1がつ2日、今後6四半期の米短期証券で示唆されるフォワードレートと現物3カ月物の利回りの差を反映する短期フォワードスプレッドが、2008年以降で初めてゼロを下回りました。

この指標はFRBが経済の健全性を示す最も的確な市場の尺度の一つとして注目している指標です。

短期フォワードスプレッドがこの目安を割り込むのは、「向こう数四半期」内の政策緩和および景気後退を市場が予想していることを示唆すると言われています。

ISM製造業景況指数 12月は08年以来の大幅低下

2018年12月の米ISM製造業景況指数は、2008年10月以来の大幅な低下となりました。

製造業総合景況指数は54.1と、2年ぶりの水準に低下し、予想値も大幅に下回りました。

同指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示しています。

新規受注はほぼ5年ぶりの大幅低下となり、生産は2012年初め以来の急速な低下です。雇用と入荷遅延、在庫の各指数も低下し、全ての数値が低下・悪化しました。

中国のPMI49.4 景況感悪化止まらず

中国の国家統計局は、2018年12月31日に2018年12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表しました。

前月に比べ0.6ポイント低い49.4で、4カ月連続の低下となりました。水準感も2年10カ月ぶりの低水準となり、好不況の節目である50を割り込んだ形です。

景況感悪化の主因は米中貿易戦争ですので、共産党指導部も早めにアメリカと妥結出来るようにあの手この手を使ってくるでしょう。

中国の本ブログは↓

人民元と中国株で儲けたい方へ 中国投資情報ひとまとめ

米中貿易摩擦問題については、

2018年の経緯:米中貿易摩擦問題について整理してみた2018

2019年の経緯:米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

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