この記事では東南アジア全般における共通テーマやトピックについてまとめていきます。
各国のテーマに触れる場合もありますが、基本的にはアジア、東南アジア全般における共通事項を扱う記事にしていきます。
2022年8月
東南アジアの経済が回復
東南アジア経済の回復が堅調です。
域内主要国の4~6月期のGDPは軒並みプラス成長を確保しました。
新型コロナウイルス対策の規制撤廃により個人消費が伸び、外需も堅調だったようです。
一方、世界的な資源高によるインフレは加速し、2022年通期の予測を下方修正する動きも目立ちます。
域内ではマレーシアが前年同期比8.9%増と最も高い成長率を見せました。
GDPの約6割を占める個人消費がけん引し、輸出額も6月は過去最高を更新しました。
ベトナムは前年同期比7・7%増と、四半期としては09年以降で最も高い成長率となりました。
米中対立や上海のロックダウンの影響で、中国の代替地としてベトナムの製造拠点を新増設する動きが続いており、これがベトナム経済を下支えしています。
2022年7月
ADBが成長予想を下方修正
アジア開発銀行(ADB)は7月21日、アジア開発途上国の今年の経済成長率見通しを4月時点の5.2%から4.6%に下方修正しました。
ロシアによるウクライナでの戦争やインフレ抑制に向けた世界的な金融引き締めによる影響を反映しました。
2022年の実質GDP成長率見通しについて、インドは下方、東南アジアは上方の微修正を施しています。
ただ、2023年に景気が加速する予想は変わらず、これらの国の良好な景気動向を裏付けました。
2022年1月
東南アジアの経済は回復基調が続く見込み
東南アジア経済は2022年、輸出主導の回復基調が続く見通しです。
主要国の中央銀行も相次ぎ政策金利の引き上げに踏み切る可能性が高まっています。
ただ新たな変異型「オミクロン型」など新型コロナウイルスの感染状況次第では成長率が下振れするほか、利上げの遅れで通貨安を招くリスクもあります。
ADBは東南アジアの22年の成長率が5.1%と、21年の3%から高まると予測しています。
証券会社メイバンク・キムエンは、東南アジアでロックダウン(都市封鎖)のリスクは薄れ、22年は新型コロナとの共生に転換する年になると指摘しています。
2021年12月
東南アジアの成長予想、5.1%に上方修正
アジアのエコノミストに経済見通しを聞く「アジア・コンセンサス」によると、ASEAN主要5カ国の2022年のGDP成長率の予想平均は5.1%でした。
政府支出の拡大や観光再開への期待感から前回9月調査比0.1ポイント上振れしました。
ただ、新型コロナウイルスの感染再拡大などの懸念は残っています。
ASEAN主要5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)のうち、22年成長率予想を引き上げたのはフィリピンとタイです。
フィリピンの予想は7.1%と前回調査比0.5ポイント、タイは3.7%と同0.3ポイント上方修正しました。
2021年8月
コロナウイルスが東南アジアの成長を下押し
東南アジアの経済成長を新型コロナウイルスによる感染拡大が下押ししています。
タイやマレーシアは2021年のGDP予測を引き下げ、コロナの感染が広がる前の19年の水準には回復しない見通しとなりました。
2021年7月
東南アジアの成長、下振れ
最新のエコノミスト調査によれば、ASEAN主要5カ国の2021年のGDPの増減率予想は平均4.1%となりました。
これは前回の3月の調査時から0.2ポイント下方修正となります。
マレーシア、フィリピン、タイの3カ国で予想を下げました。
ASEAN主要5カ国はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイです。
下げ幅が1.2ポイントと最大なのはマレーシアで、これは新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖が響きました。
フィリピンは3月予想より0.9ポイント低い4.3%、タイも同0.7ポイント低い1.9%でした。
いずれもワクチン接種が遅れ、変異ウイルスの感染が広がっています。
一方で、輸出が好調なシンガポールは3月予想より0.8ポイント高い6.9%の成長を見込んでいます。
インドネシアは3.9%から4.1%へと小幅に上方修正されました。
2021年4月
東南アジア3か国が下方修正
最新のエコノミスト調査によれば、ASEAN主要5カ国のうち3カ国で2021年のGDPの伸び率予想が前回の20年12月の調査時より下方修正となりました。
新型コロナウイルスのワクチン接種の遅れや感染再拡大の懸念が払拭できず、各国景気に依然として慎重な見方が強いようです。
ASEAN主要5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)のGDPの伸び率予想の平均は20年比で4.3%でした。
各国ともプラス成長を見込んでいますが、マレーシア、フィリピン、タイの3カ国は20年12月の前回調査時よりも0.6~0.9ポイントの下方修正となりました。
2021年2月
東南アジアの成長率下振れの可能性
東南アジア主要6カ国の2020年のGDPが2月16日までに出そろいました。
新型コロナウイルスの影響で5カ国が実質でマイナス成長に落ち込みました。
21年は6カ国とも急回復を見込みますが、ワクチン接種が遅れれば、いずれも下振れする可能性があります。
各国政府は21年、最大で7%程度の実質プラス成長を目標に掲げています。
しかし、景気の先行きを占うワクチン接種は多くの国で遅れています。
すでに始まったのはシンガポール、インドネシアだけで、ほかの4カ国(フィリピン、タイ、マレーシア、ベトナム)では、必要量を確保できていないケースもあります。
また、新型コロナの影響もどこまで続くか分かりません。
タイでは感染が再拡大し、21年の実質成長率の見通しを2.5~3.5%と、従来の3.5~4.5%から下方修正しています。
フィリピンでは新型コロナによる市場縮小から、日系の車メーカーも工場を閉鎖したりしています。
2020年12月
来年はプラス成長に転換
アジアのエコノミストに経済見通しを聞く「アジア・コンセンサス」によると、ASEAN主要5カ国及びインドの2021年のGDPの伸び率は、プラスに転じる見通しです。
新型コロナウイルスの感染拡大でマイナスだった20年から再びプラスに転じる見通しです。
コロナ禍前の水準に戻るのは2022年以降になりそうです。
ASEAN主要5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の2021年のGDP成長率予測は20年比で4.3%、インドは9.1%と予想しました。
ただし、2021年のプラス転換はコロナ禍の収束が前提となっていて、マイナス成長となった20年からの反動が大きな要因です。
2020年10月
東南アジアの成長率予想、下方修正
日本経済新聞社と日本経済研究センターがアジアのエコノミストに経済見通しを聞く「アジア・コンセンサス」は、ASEAN主要5カ国の2020年のGDP伸び率予測をマイナス5.0%に下方修正しました。
新型コロナウイルスの感染再拡大で、経済の先行きの不透明感が強まっているためです。
2020年7月
東南アジアの経済成長率はマイナス3.3%
日本経済新聞社と日本経済研究センターが実施した調査「アジア・コンセンサス」で、ASEAN主要5カ国の2020年のGDP伸び率予測がマイナス3.3%となった事が分かりました。
新型コロナウイルスの影響で観光や輸出が大幅に落ち込む事が背景にあります。
3月に実施した前回調査(プラス2.7%)から大幅な下方修正となりました。
通年でマイナス成長となるのは2015年の調査開始以来初めてです。
2020年5月
東南アジアの経済減速が鮮明
新型コロナウイルス対策としてのロックダウンで東南アジアの生産や消費、貿易の減速が鮮明になっています。
2020年4~6月期のGDPは、3カ国がマイナスだった1~3月期より悪化するのが確実な情勢です。
東南アジア諸国はアジア通貨危機以来の試練に直面しています。
アジア開発銀行によると、タイやインドネシアなど東南アジア主要5カ国の1~3月期の平均成長率は0.7%であり、四半期で見ると09年4~6月期(0.5%)以来の低成長となったようです。
2020年4月
東南アジアの成長率、1%どまり
2020年4月3日、アジア開発銀行は東南アジアの2020年の成長率が前年比1%にとどまるとの見通しを発表しました。
アジア通貨危機後の1998年のマイナス成長に次ぐ低さとなります。
ロックダウンに踏み切ったものの副作用も大きく、経済活動が停滞して国民の間には不満も高まりつつあると見られます。
経済を重視して企業活動を再開させるか、各国政府は難しい選択を迫られています。
アジア全体も2.2%と22年ぶりの低さ
ADBが同じく4月3日に発表した2020年のアジア新興国(アジア大洋州の46カ国・地域)のGDPも低い伸びです。
前年比伸び率が2.2%にとどまるとの見通しのようです。
2019年は5.2%成長だったわけですから急減速し、アジア金融危機後の1998年の1.7%増に次ぐ22年ぶりの低さとなります。
新型コロナウイルスの感染拡大で消費、投資が落ち込むためですが、まだまだ下振れリスクも残っています。
東南アジア全体の景況感も最低に
新型コロナウイルスの感染拡大で、東南アジア企業の景況感が急速に悪化しているようです。
2020年4月1日にIHSマークイットが発表した3月のASEAN製造業PMI(購買担当者景気指数)は43.4と、2012年7月の調査開始以来、最低となりました。
ASEAN製造業PMIはインドネシアやタイなど7カ国の約2100社の購買担当者に景況感を聞き取り調査し、指数化したものです。
各国政府は感染拡大を防ぐために企業活動の制限や国民の外出規制を敷いています。
これが製造業の生産の足かせとなり、景況感の低迷が当面続く可能性が高そうです。
2020年2月
各国、コロナウイルス対策を急ぐ
アジア各国は拡大するコロナウイルスに対応する政策を発表しています。
2020年2月18日、シンガポール政府は2020年度(20年4月~21年3月)の予算案に、総額64億シンガポールドル(約5100億円)の新型肺炎対策を盛り込みました。
全ての企業を対象に1社当たり1万5千シンガポールドルを上限に法人税の25%を払い戻すほか、190万人の従業員の給与の一部を補助するというものです。
打撃が深刻な観光、航空、小売り、外食、タクシーの5業種を対象に個別の支援策も盛り込んでいます。
タイも2月上旬、観光業者が抱える債務の返済期間延長や、住宅ローン金利の引き下げといった対策を発表しました。
これ以外にも乗客が急減している航空会社が支払うジェット燃料税も9月まで減免します。
上記二国は2020年の実質成長率の見通しもそれぞれ1ポイント、1.2ポイント引き下げ、経済への打撃を織り込んでいます。
両国の経済は輸出や観光への依存度が高く、内需型のインドネシアより新型肺炎の影響が大きいのです。
中国への依存度がより高い東アジアの国や地域も危機感を強めています。
台湾は最大約600億台湾ドル(約2160億円)規模の特別予算を編成しました。
観光や運輸など打撃を受ける産業への減税や補助金を盛り込んでいます。
韓国政府はLCC向けに、最大3000億ウォン(約280億円)の緊急融資を実施します。
政府系の韓国産業銀行が必要額を貸し出し、空港施設使用料は3カ月間猶予する予定です。
今後の影響いかんでは短期的な対策では足りなくなるかもしれません。
足元では国民が外出を控えることで、外食産業などの売り上げが減る懸念も強まっています。
アジア株への資金流入が急減
2020年1月の海外からアジア株への資金流入が大幅に減少したようです。
理由
中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への懸念からリスク投資意欲が低下した為です。
韓国、台湾、インド、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムの証券取引所の集計データによると、1月の海外投資家のアジア株投資額はネットで4億5900万ドルで、12月の29億2000万ドルから急減しました。
中国への経済依存度が高い国々への資金流入は今後さらに細っていくと思われます。
ある金融機関は、新型ウイルスの影響でタイ、台湾、韓国、マレーシアのGDPを0.4-0.8%押し下げると試算しています。
2020年1月
1月中旬から再び上昇を試す
2019年末から2020年初頭にかけてアジアの株式市場は、上値が重くなりましたが、1月中旬以降は再び上値を追う展開となっています。
アジア株価指数の予想EPSは2019年8月末に底を付けて以降、改善傾向に向かっていると言って良いと思われます。
2008年や2016年も、業績が底を打って改善に向かう1、2年間も今と同じように株価が大きく反発する傾向があったりしました。
世界景気は緩やかながら回復に向かうと期待されており、アジア株式市場も同様の見方を一定程度出来ると思われます。
海外投資家、2019年はアジ株式を買い越し
2019年のアジア株式市場では、海外勢の買い越し額が3年ぶりの高水準に達したようです。
米中貿易戦争に対する懸念が緩和したことや、米国の金利低下が寄与したと見られます。
マーケット関係者はアジア経済の回復を背景に2020年も海外資金の流入が続くと見ているようです。
アジア主要国の証券取引所のデータによると、海外勢は234億ドル相当のアジア株を買い越した模様です。
国別では、インド株に147億ドルの海外資金が流入し、2014年以降で最大の買い越しとなったようです。
これはインド政府が海外のポートフォリオ投資家に対する追加税を廃止したことや、好調な国内株式市場がその要因と見られます。
2019年12月
東南アジアの成長予測、3か月前と大きく変わらず
あるメディアが集計したエコノミストによる経済見通しの集計で、東南アジア主要5カ国の2020年のGDPの伸び率予測は平均4.2%で9月の前回調査と同じでした。
2018年6月時点の予想(5.0%)の水準に依然及んでいない状況です。
具体的な数値
- 19年通年の予測は3.9%と、前回調査から0.2ポイントの下方修正
- 2021年は前回調査の予想値を維持し、4.5%。
- 2020年の国別成長率予測ではタイが2.6%、インドが6.1%と、前回から下方修正
- マレーシアは4.3%、インドネシアが5.1%で前回と変わらず
ADB、2020年アジア新興国の成長率が5.2%になる見通しと発表
2019年12月11日、アジア開発銀行は2020年のアジア新興国のGDPの前年比伸び率が5.2%になる見通しだと発表しました。
2019年4月に発表した見通しを9月に0.1ポイント下げていますが、さらに0.3ポイント引き下げた形です。
長引く米中貿易摩擦が重荷となっているなどとして、中国や東南アジアの一部、インドを下方修正した結果です。
2019年の見込みについても5.2%と9月時点から0.2ポイント引き下げています。
国別でみると、
- 中国が19年に6.1%、20年に5.8%と減速
- 香港は19年に1.2%減のマイナス成長に落ち込み、20年も0.3%の伸び。
- タイの2020年は年3.0%、
- シンガポールは1.2%(2020年)
- ベトナム2020年の見通しを6.8%と0.1ポイント上方修正
- インドは2020年が6.5%成長と0.7ポイントの引き下げ。但し、2019年見通しの5.1%から比べると持ち直すと予想。
ADBは毎年4月ごろに加盟国・地域の経済成長予測をまとめた「アジア経済見通し」を発表し、四半期ごとに見直しています。
2019年10月
ASEAN主要5か国の成長予想は5四半期連続で下方修正
ある調査で、ASEAN主要5カ国の2019年のGDP伸び率予測が4.1%と6月の前回調査から0.2ポイントの下方修正となりました。
エコノミストからのヒアリングで作られる「アジア・コンセンサス」によれば、アセアンの主要5カ国の2019年の経済成長伸び率の予測は4.1%と6月の前回調査から0.2ポイントの下方修正となりました。
これで下方修正は5四半期連続となります。
米中の貿易摩擦や中東の地政学的リスクが意識されたのでしょうか。
2019年9月
米中協議や決算で今後の方向感が決まりそう
2019年8月中旬にかけて大きく調整したアジア株式市場ですが、8月末以降、米中懸念が後退したことや中国の景気刺激策の発表などを受けて、戻り基調に転じました。
実際、一時はアジア株式の平均的な12カ月先予想PER一時12倍まで低下したものの、米中摩擦の緩和などが認知された9月中旬では13倍程度まで回復しました。
今後は、米中協議の行方と、決算の数値次第で方向感が決まってくるものと思われます。
2019年8月
アジアに債務危機再来の予兆??
あるコンサルティングファームが、アジアの債務危機再来の不吉な兆候が見られると、警告しています。
内容としては、
- 債務の拡大や借り入れ返済のストレス、
- 金融システムの脆弱性、
- シャドーバンキング
等のリスクをあげていて、特に中国、インド、インドネシアでこうした項目のリスクが過去の債務危機の水準に近付きつつあるのだという事です。
第四弾関税で東南アジア諸国の輸出はどうなる??
アメリカによる対中関税第4弾によって、中国の代替拠点となる東南アジアからの対米輸出がさらに増えるとの見方が広がっています。
ただ、その一方で最大の貿易相手国である中国向けの輸出には打撃が大きいため、結局トータルで見ると行って来いとなる可能性もかなりありそうです。
2018年夏にアメリカが3回にわたって対中関税を課して以降、東南アジアの多くの国は対米輸出を伸ばしてきました。
19年1~6月期はベトナムが前年同期に比べ+27.4%、タイが17.4%、シンガポールが4.8%となっています。
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1~6月の中国向け輸出はタイやインドネシア、シンガポール、マレーシアで前年割れとなりました。
トータルでどうなるのかは、まだまだ未知数のようです。
2019年7月 米中摩擦による影響、それぞれ
ADB、アジアの途上国の成長率見通しを据え置き
アジア開発銀行(ADB)が7月18日、アジアの途上国について2019年と2020年の経済成長率見通しを据え置きました。
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アジア太平洋の途上国45カ国の今年の成長率見通しは5.7%で、来年は5.6%としています。
ADBは中国の成長率見通しも、それぞれ6.3%と6.1%で据え置いていますが、これは政策による支援が内需・外需の伸び鈍化を補うと見込んでの事です。
一方、インドについては2019年の成長率見通しを7.2%から7.0%に、2020年は7.3%から7.2%に、それぞれ下方修正しました。
米中貿易摩擦の影響、ASEAN内で明暗
米中貿易摩擦の影響という意味では、ASEAN内で明暗が分かれているようです。
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アジアを代表する貿易国・地域であるシンガポールと香港です。
これらの国・地域は10年ぶりの低成長に苦しんでいます。
2019年7月12日発表のシンガポールの4~6月期のGDP成長率は前年同期比で0.1%と、1~3月期の1.1%から伸び率が落ち込みました。
シンガポールの半導体製造企業は、米中貿易摩擦によって世界経済の先行きが不透明になり、受注先の企業が在庫を抱えたがらず、注文数を絞っている状況に苦しんでいます。
5月の輸出は中国向けが23%減、台湾向けが35%減、日本向けが31%減、香港向けが25%減と総崩れの状態です。
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モノの輸出が4.1%、輸入が4.7%減った影響で、1~3月期のGDPは0.6%増にとどまりました。
2019年の実質経済成長率は1.8%と、18年の3%から大幅に鈍化すると見込まれています。
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米中がお互いに25%の関税をかけるシナリオの場合、
- 香港のGDPは▲0.86%、
- シンガポールのGDPは▲0.65%
となると言われています。
貿易への依存度が高いため、中国(0.6%減)や米国(0.3%減)よりも悪影響が大きくなるわけです。
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このブログで何度も出てきていますが、ベトナムです。
中国の代替拠点として生産移管の効果が見込めるベトナムは、貿易摩擦によるプラスの影響の方が上回ると見込まれています。
同国の4~6月期の成長率は前年同期比で6.71%と、エコノミストの平均予想を上回る水準でした。
東南アジアの景気も減速か
東南アジア経済も減速してきています。
あるメディアのアンケートによれば、東南アジア諸国の2019年と20年のGDPの成長率予測は下方修正あれました。
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- ASEAN主要5カ国の19年の成長率予測は4.3%(4月の前回調査から0.3ポイント下方修正。)
- 2020年は4.5%(前回調査から0.1ポイント下方修正。)
貿易戦争については、短期的にはマイナスの影響がありそうなものの、中長期的には東南アジアへ製造業の生産移管が進むなど、プラス材料になる可能性も指摘されています。
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2019年6月 アジア通貨は割安??
アジア通貨、割安が目立つ状況に
均衡為替レートに基づき、直近の2019年1~3月の対ドル均衡レートと足元の実勢相場をあるメディアが比較した所、多くのアジア通貨が割安状態となっている事が分かったそうです。
割安だった通貨一覧
韓国ウォン | 7%割安 |
インドネシアルピア | 4%割安 |
マレーシアリンギ | 3%割安 |
一方で、アジア通貨のなかで唯一割高だったのがタイバーツです。
観光業などを支えに経常収支の黒字基調が続き、インフレ率も落ち着いている為です。
こうした指標も投資をする際の一つの目安となるでしょう。
動画配信の競争激化
東南アジアで動画配信を巡る競争が激しくなっているようです。
背景にはスマートフォンの急速な普及で、ネット利用時間が世界でもトップレベルに長いという地域特性にあると考えられています。
1日の平均利用時間は
- フィリピン:10時間
- タイ:9時間超
などかなりの時間に達しています。
しかも、タイの場合、そのうち4時間弱が動画視聴となっているのです。
これは他のアセアン諸国でも同様で、インドネシアでは1日平均で3時間弱。
動画配信で世界一のマーケットをほこるアメリカの視聴時間(4時間14分)に近づきつつあります。
売上高でみると、定額制動画配信の市場シェアは
- アメリカ:46%
- 中国:7%
- 日本:6%
となり、東南アジアはまだまだなのですが、利用者数では東南アジアが日本を凌駕しています。
中間層の拡大を追い風に、コンテンツの魅力を高めていけば、無料・広告モデルの視聴から定額制へ誘導できる商機は広がると言われています。
2019年5月 米中貿易摩擦激化でアジア通貨は下落
2019年5月、米中貿易摩擦激化でアジア通貨が下落
米中貿易摩擦の激化でアジア通貨に下げ圧力が強まっています。
特に韓国ウォンと台湾ドルは2019年5月下旬現在でそれぞれ2年4カ月ぶりの安値水準にまで下落しました。
アメリカの利上げ停止をきっかけに新興国には資金が流入していたわけですが、その逆回転が鮮明になっているようです。
インドネシアやフィリピンは経済構造がもともと脆弱なため、市場のムードで売りの対象になりやすい所があります。このため、フィリピンペソとインドネシアルピアは2019年5月中旬と4月末の比較では1%超下げており、2018年末比でも下落に転じました。
2019年5月、ASEAN+3の成長率予想は5.1%
ASEANプラス3マクロ経済調査事務局(AMRO)が2019年5月1日に発表した資料によれば、2019年の成長率は5.1%と、前回2019年1月時点の見通しから据え置き、2020年の成長率は5.0%と予測しました。
細かい数字としては、
- 物価上昇率は2020年まで2%前後で安定
- 成長率は5%台を堅持
- 中国の成長率見通しは6.3%
- ASEAN主要国の成長率予測は前回から引き下げ
となっています。
2019年4月の景況感は改善??
某メディアがが発表した2019年4月のASEANの製造業PMIは50.4と前の月に比べて0.1ポイント上昇しました。
これで上昇は2カ月連続となりました。
輸出の先行指標とされる新規輸出受注が9カ月ぶりに50を上回り、拡大に転じました。米中貿易摩擦の終わりが見え始めている事から、受注や生産が回復しつつあるようです。
増加する電力需要を補うため、再生エネルギーに資金集まる
東南アジア企業による再生可能エネルギーへの投資が活発になっているようです。
インドネシアの地熱発電やタイ、ベトナムの風力発電、マレーシアの太陽光発電など様々です。
急増する電力需要を賄うため、化石燃料由来の発電量を増やすだけでなく、政策的な補助を出して再生エネを活用する動きが広がっています。
東南アジアでは電力需要が30年に17年比7割増える見通しです。ただ、石炭火力のコストの方が優位性はまだありますので、それが続けば再生エネの普及にブレーキがかかる可能性もあります。
東南アジアへ投資をする際の一つのテーマとして頭の片隅に置いていても良いかもしれません。
2019年4月
東南アジアの成長率下振れ
日本の報道機関がまとめた、東南アジア諸国の2019年と20年のGDP成長率予測において、成長率予想が下方修正されました。
貿易戦争などで各国の輸出産業に影響が及んだ事がその要因です。
今回の調査ではASEAN主要5カ国の2019年と2020年の成長率予測はともに4.6%でした。20
18年12月の前回調査から19年は0.1ポイント、20年は0.2ポイント下方修正された形です。
主たる要因である貿易戦争以外では、BREXITもマイナス要因になるとの指摘があったようです。
ASEAN5カ国の中では、フィリピンとシンガポール、タイが前回調査より成長率の予測値が低下。ASEAN以外では、インドの成長率予測を下方修正されました。
特にフィリピンは2019年の予測が前回調査比0.3ポイント減と下方修正の幅が大きい結果となりました。
インドは政治不安を懸念する声が目立ち、選挙の結果次第な所もありそうです。
2019年の5.7%成長に下振れ、ADB予測
2019年4月3日、ADBは2019年のアジア新興国(アジア大洋州の45カ国・地域)のGDP伸び率が5.7%になるという見通しを発表しました。
前回発表の2018年12月時点から0.1ポイント引き下げました。この伸び率は2001年(4.9%)以来の低さとなります。
米中貿易戦争や世界経済の減速見込みがアジア新興国の成長を下押しするとみています。
各国の予想としては、
- シンガポール:2.6%(引き下げ幅は0.3ポイント)、
- マレーシア:4.5%(同0.2ポイント)、
- タイ:3.9%(同0.2ポイント)
- 中国:6.3%(同0.3ポイント)
といった所が主要どころでしょうか。
2020年の予想は、
- アジア新興国:5.6%(前年より0.1ポイント低下)
- 中国:6.1%
- マレーシア:5.0%
- インドネシア:5.0%
- インド:7.3%
となり。マレーシア、インドネシア、インドが調子よいと予想しています。
新興国株式上昇の裏で不良債権問題への懸念
新興国株が最近回復傾向にあるものの、多くの新興国で不良債権問題が増加していることへの懸念も増加しているようです。
インドでは、総与信残高に占める不良債権の割合が、世界的にみて高水準となる10%近くに達しています。
中国やトルコ、その他の新興国でも今年は不良債権比率が上昇する可能性が語られています。
不良債権問題は、金融セクターや経済成長をむしばみ、中長期マネーの退避を促すので要注意です。
やはりいつも語られている通り、その国のファンダメンタルズをしっかりと見て投資をしなければならないという事で、その瞬間のセンチメントだけで投資を決めてはならないという事かもしれません。
2019年3月
アジア株式は2019年初来、上昇基調 今後どうなるか
アジア株式市場は2019年年明け以降、安定的に上昇基調を辿ってきています。
背景としては、アメリカが利上げを休⽌した事や、貿易摩擦問題に関する楽観的なシナリオを描きやすくなったこと、等があるのでしょう。
今後の株価上値を実現するためにはもう少しファンダメンタルズ面での改善が必要となるのでしょうが、当面のポイントを考えてみますと、
- FRBの利上げ休⽌
- 中国経済がいつ本格回復するか
- 選挙
- アジア域内のインフレ安定
といった所でしょうか。
アメリカの金融政策
FRBの利上げが無くなった事は新興国資産への投資を考える上では好材料です。
中国経済の回復
中国経済の回復は予断を許しません。政策主導で景気回復をしようとしているのが2019年3月現在の姿ですが、一方でシャドーバンキングや地方の隠れ債務の問題もあり、近視眼的になりすぎると良くないです。
中国がくしゃみすると大きなダメージを受けるアジア各国が殆どですから、注意する必要があります。
以下をご参考にしてみて下さい。
中国の景気テコ入れ策・経済政策の経緯とまとめ(2018年~)
選挙
インドやインドネシア、フィリピンなど多くの国で選挙が行われます。
過度なポピュリズム的政策や、またマーケットが予期していない結果となると大きな波乱があるかもしれません。
以下もご参考ください。
インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)
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アジア各国のインフレ 物価安定
アジア諸国では2018年10⽉以降の原油安によるエネルギー価格の低下に加えて通貨安定によって輸⼊物価が
抑制され、インフレは低下傾向にあります。
この結果、中央銀⾏の⾦融緩和余地が拡⼤すると思われます。
実際、インドでは既に利下げが⾏われ、その他中央銀⾏も⾦融緩和に前向きになってきました。
これは株式投資という意味では前向きです。
2019年3月 アジア各国の物価、安定しつつある
アジアの新興国で消費者物価の上昇が鈍っているようです。
フィリピンやインドの物価上昇率は4カ月連続で前月を下回り、マレーシアは約9年ぶりの物価下落に転じました。
原油価格の安定と通貨安が一服した事が主因
原油価格が安定し、自国の通貨安も一服したのが主な要因で、各国の中央銀行が利上げに動く必要性も薄れてきつつあります。
ただ、原油価格などに物価が左右される構造は変わっていないので、物価の安定が持続するかは不透明です。
新興国への資金流入一服か
中国株への外国資金の流入が凄かったこともあり、2019年2月半ばに目覚ましい伸びを見せていた新興国市場ですが、国際金融協会のデータによれば、その資金流入も一服してきたようです。
2018年の新興国市場は、トルコやアルゼンチンの経済危機、先進国の金利上昇などで資金流出しましたが、2019年に入ってからアメリカの金融政策がハト派に転じたため、逆回転となってリスクオンとなっていました。
ただ「最も資金が集中している」市場は、ほどなく下げに転じることが多いのも事実です。
IIFによれば、南アフリカは引き続き低調で、ブラジルは低迷が長引き、ボルソナロ氏の年金改革等が俎上に上っているにもかかわらず流入が増えていないため、意外感が強いとの事です。
2019年2月
アジアを中心とした新興国へ資金回帰 不透明感も
アジアを中心とする新興国に投資資金が戻り始めています。
外国人投資家による中国株買いは年初から990億元(約1兆6千億円)に達していて、2018年を大幅に上回るペースです。
アメリカの金融政策、米中貿易摩擦緩和が背景
背景はアメリカの利上げ停止に加え、米中の貿易協議が合意に向かうとの期待感がありそうです。
ただ、世界経済は減速する見通しで、先行きには不透明感が漂っています。
現実的には、業績の下方修正が相次ぐ中で期待が先行して上がっているだけなので、どこまでこれが続くかは分かりません。
アジア各国は金融緩和へ
ここ最近、アジア諸国の中央銀行が、世界経済の減速や米中貿易摩擦の影響で、緩和姿勢へと金融政策を変更させています。
日本やオーストラリアの中央銀行も
2018年末には金融緩和の副作用が注目されていた日本銀行も、次の一手は利上げだと譲らなかったオーストラリア準備銀行も、今では緩和に傾いています。
FRBも1月に利上げについて慎重な姿勢に転じています。
通貨防衛を意図していた国でも利下げ
インド、インドネシア、フィリピンなど経常収支が赤字の新興諸国は、通貨安に対抗するため引き締めを続けざるを得ないとみられていたのが2018年でした。
しかし、これらの国々でも利下げ観測が広がっています。
アメリカの金融政策、原油価格、中国経済
これらの国が方向転換するに至った原因は、ドル相場と石油価格の下落と共に、中国の経済成長が下振れしている事でしょう。
ただ、フィリピンを除く主要アジア諸国は、インフレ率が中央銀行の目標の下限か、それを下回る水準にあるようです。
マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイのインフレ率はなんと1%未満です。
この状態で金利引き下げとするのは少し理屈にかけている所があるかもしれません。
東南アジアは選挙イヤー、財政拡大傾向へ
東南アジア主要国の歳出が膨張しているようです。
選挙で財政拡大のインセンティブ大きく、歳入拡大のめどは立たず
2019年は選挙が多い事も関係あります。
例えば、シンガポールやインドネシアの2019年の歳出額は前年に比べ8~10%増える予定の一方で、増税など歳入を増やす政策は十分でなく、財政悪化のリスクが高まっています。
シンガポールも選挙を控え大盤振る舞い
シンガポール政府が18日発表した19年度予算案は、歳出総額が955億シンガポールドル(約7兆7500億円)と前年度に比べ8.6%増えました。
内訳は、
- 60歳代の高齢者向けの特別支援策が膨張
- 特に医療費の補助などの支援額は19年度分だけで61億シンガポールドル
- 個人所得税の払い戻し
- 低所得者への消費税還元
等です。
インドネシアやフィリピンも選挙を控え、支出増
インドネシアの19年予算の歳出額も約2461兆ルピア(約19兆円)と前年比で1割程度増えました。
目玉は、
- 公務員給与の増額
- やディーゼル燃料向け補助金の増額
です。
フィリピンもインフラ開発などで19年の歳出が実質13%増える予定です。
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