中国製造2025についてのまとめと経緯

ここでは、中国の習近平が重視する中国製造2025を中心に、中国の製造業強国への途についてまとめていきます。

以下に米中貿易摩擦・米中対立の副本として中国製造2025及びファーウェイ、ZTE等に関して2018年以降の動きを網羅的にまとめています。kindle unlimitedで無料でご覧いただけます。

中国の製造業全般を網羅する事で、政策としての中国製造2025と直接的に結びつかないケースもありますが、ファーウェイやZTE、その他中国を象徴するような製造業・メーカーの動きを知る事で、新興国への投資についての重大なヒントを得ることが出来るはずです。

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ZTE問題についてのまとめ

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米中貿易摩擦問題について整理してみた2018

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習近平についてのまとめと研究

中国製造2025のハイテク重点分野 半導体、ロボット、情報技術、AI(人工知能)など

中国製造は決して最近できた政策ではなく、2015年から習近平が推し進めていた政策です。

次世代情報技術や新エネルギー車など10の重点分野と23の品目を設定し、製造業の高度化を目指すものです。

第一段階は製造強国への仲間入り

第1段階である2025年までの目標は「世界の製造強国の仲間入り」です。

品目ごとに国産比率の目標を設定していて、

  • 産業用ロボットでは「自主ブランドの市場占有率」を2025年に70%、
  • 「5G」のカギを握る移動通信システム設備では2025年に中国市場で80%、世界市場で40%

といった高い目標を掲げています。

また、これに伴って、関連産業に対する金融支援や、基盤技術の向上支援などの施策を相次ぎ打ち出し、国を挙げてのシンボリックな近代化政策の一つとなっています。

中国のむき出しの野心が先進国から見て脅威に

こうした中国の隠さぬ野心に対してアメリカを中心とした先進諸国は警戒を強めています。

これまでアメリカをはじめ世界の企業は、中国に不当な技術移転を余儀なくされ、中国企業が政府支援の下で安さを売りに世界シェアを一気に上げて台頭を許してきたという反省があります。

MEMO
2018年から始まった米中貿易戦争もその脈絡で語る事が出来ると思います。

2049年までに製造強国の先頭グループに

2025年で目標を達成した後は、2049年が節目になります。

建国100年を迎えるのが2049年だからです。

この時までに「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目指すのが超長期戦略の目標です。

2019年現在、既に「世界の工場」の地位からは脱却

日本の内閣府が作成したあるレポートによると、中国は既に生産機械のような付加価値の高い製品や部品の輸出拠点になっています。

つまり、2018年から起きている米中貿易摩擦等によって中国からの輸出が減れば、世界各国に広く影響を及ぼしかねないという事です。

これまで中国は付加価値の高い部品を輸入して国内で消費財にして輸出する「世界の組み立て工場」の役割を担ってきました。

その過程で、様々な技術を取得し、内製化を進めてきた、というのがよく耳にする中国の戦略です。

しかし、データを読み解けば、既にかつての繊維製品や玩具といった品目や組み立てを中心にしたものから、電気製品や高品質な部品、生産機械といった付加価値の高い製品の生産・輸出へとシフトしており、製造強国の仲間入りを一定程度果たしてるというのが実際と思われます。

invstem.com

例えば電気機器などの分野では、中国で生産・輸出される付加価値の高い部品がアメリカの製造業には欠かせないものになりつつあります。

アメリカが輸出する製品に含まれる海外生産部品などの付加価値は2018年は約13%でしたが、その内訳を国・地域別シェアでみると中国が12%と2000年の4.9%から割合を大きく高めています。

invstem.com

因みに日本の場合は2000年の13.6%から5.6%へとシェアが低下しています。

産業のバリューチェーン全体をも支配する戦略

中国製造2025で自らの技術力を高める一方で、バリューチェーンを支配するための動きもこの戦略の付属戦略のような形で動いています。

例えばEV。

EVで必要とされるバッテリー技術やAI、再生エネルギー関連の技術投資を積極的に行うと同時に、彼らはEV向けリチウムイオン電池の製造に欠かせないコバルトの世界的な供給源の大半もすでに押さえています。

コバルトの生産量世界一はコンゴ民主共和国なのですが、その産出量の大部分は中国企業が押さえているとされており、ある調査によると、世界で採掘されるコバルトの8割は中国が精錬しているという事です。

invstem.com

いわゆるレアアースというやつですね

他の国からしたら恐ろしい事です。

中国の科学技術分野における研究開発費はアメリカと同水準

ハイテク分野や科学技術分野での中国の躍進を支えるのは、豊富な資金力と言えるでしょう。

2016年の中国の研究開発投資は官民で約45兆円(2016年)。

これは、アメリカの51兆円に迫る勢いです。

中国の得意分野とアメリカの得意分野

この様に先端技術の研究開発で米中両国の実力が突出するのは分かりましたが分野別にはどの様な形になっているでしょうか。

ライフサイエンス、生命科学で優位に立つアメリカ

アメリカが優位に立つのが生命科学です。

質の高い論文を分析すると、生命科学の46領域のうち「がん研究」「遺伝学」「発生生物学」「分子生物学」など40領域でアメリカが首位でした。

遺伝子を効率よく改変するゲノム編集や再生医療などの研究で世界をリードし、スタートアップなどを通じた産業応用でも先行します。

もっとお中国も46領域の多くで2位に付け、米国を猛追しています。

倫理的なハードルが低い中国でも研究が進みやすい

中国は生命倫理や規制などの面で他国に比べ制約が少なく、研究が早く進みやすいとされています。

最近でも中国でゲノム編集の技術を使った双子の女児が誕生し波紋を呼びました。

製造業、ものづくりでは中国が圧倒 中国製造2025のたまもの

工学・化学・材料の分野では中国の存在感が圧倒的です。

同分野39領域のうち「航空宇宙工学」「電気電子工学」「機械工学」「材料科学」「金属・合金」など31領域でトップに立ちました。

MEMO
まさに「中国製造2025」の成果が出始めていて、ものづくりに関わる研究で力を高めているようです。

5G関連の特許は中国(ファーウェイ)が世界一?

ある中国専門誌によると、次世代高速通信である「5G」関連特許について、ファーウェイが占める割合は29%となっていて、世界トップです。

次に続くのがスウェーデンのエリクソン(22%)や韓国サムスン電子(20%)という事で、5G関連の技術で中国がトップレベルである事はある程度本当のようです。

ファーウェイ幹部は「当社なしではオーストラリアの5G構築コストは最大40%上昇する」とのコメントさえしているとの事です。

中国は2025年までには国内の全世帯の80%にワイヤレスの『5G』機器等の利⽤に不可⽋な光ケーブル通信を普及させる計画で、広⼤な国⼟の⾼速データ化を急ピッチで進めています。

これらは将来的に周辺国へも拡⼤するとみられます。

invstem.com

一帯一路等がこれにあたって活用されるのでしょう。

5G通信と4G通信の違い 何が凄いのか

ところで「5G(第5世代)」は何が凄いのでしょうか。

例えば、

  • 現行の通信規格と比べて実効速度が100倍という超高速通信
  • 通信の遅れがほとんど発生しない
  • 大量のデータを一気に送ることができる
  • 1平方キロメートルあたり100万台までの機器接続が可能

といった所がよく出てくるワードのようです。

これがあるので、自動運転や遠隔医療など社会インフラとしての期待が高まり、大きな変化をもたらすというからくりです。

そこの首根っこを中国が全部つかんで、世界をモニタリングして支配しようというのが中国の思惑だったわけです。

AI(人工知能)でも中国優位になりつつあるか

人工知能(AI)でも中国の勢いは止まりません。

ある報告書によると、1997年から17年までに発表されたAI分野の論文数は中国が約37万本で、アメリカ(約33万本)を抑えてトップに立っています。

影響力の強さを示す論文引用数でみれば上位10社はマイクロソフトやグーグルなどアメリカ企業が多く、中国企業は殆どゼロですが、最近ではかなり質が高いものが量産されつつあると言われています。

AI国家プロジェクト

中国政府は2017年、

  • ⾃動運転、
  • スマートシティ、
  • 医療映像、
  • ⾳声認識

の4部⾨からなるAI国家プロジェクトを認定し、着実な成果を積み上げているようです。

政府・中国共産党が手厚い保護をするBATIS

国家プロジェクト「AI発展計画」なるものが中国にはあります。

その中に企業名の頭文字を取って名付けられたBATISなるものが出て来ます。

2017~18年に指名した5大プラットフォーマーで、

  • 百度(バイドゥ、自動運転)、
  • アリババ(スマートシティー)、
  • テンセント(ヘルスケア)、
  • アイフライテック(音声認識)、
  • センスタイム(顔認識)

の事を言います。

MEMO
この5社は政府・共産党から補助金や許認可で手厚い支援を受け、研究開発を加速化させています。

EV(電気自動車)も中国無しに語れぬ分野に

EVの生産コストの大部分は電池なわけですが、2018年の世界車載電池出荷ランキングでは、中国勢が上位10社のうち7社を占めています。

駆動用モーターでも中国企業は存在感を増しています。

中国の自動車販売は年間2800万台(2018年)ですが、その内700万台が電気自動車となれば、コストを賄えるほどにまでなっています。

もしそれを中国が達成すると、EVのデファクトスタンダードは中国が握る可能性がかなり高くなるでしょう。

中国は宇宙戦略も重視

中国製造2025では宇宙戦略についても言及されています。

中国の宇宙戦略は軍民複合 2030年に「宇宙強国」を目指す

共産党最高指導部は2014年に宇宙開発を民間に開放しました。

中国の宇宙開発は軍民融合で発展を促す戦略をとっており、宇宙関連事業の会社やスタートアップの創業者・幹部には人民解放軍と関係の深い国有企業の出身者が少なくないようです。

また、スタートアップが運用する衛星も軍系企業が打ち上げることが多いようです。

こうして、中国は2030年の「宇宙強国」を目指し、軍と共産党が民間企業の成長を後押し、先行するアメリカ企業にとっても無視できない存在になりつつあります。

宇宙関連のスタートアップが多数

中国では宇宙開発分野のスタートアップが台頭しています。

ロケットの開発や打ち上げ、人工衛星の製造・運用などに参入が相次いでいます。

民間企業が計画する10年間の人工衛星の打ち上げ数は約1500基にのぼると言われています。

今後は中国以外の国からどれだけ受注できるかが問題です。

2021年4月

半導体の微細化に足踏み

中国が半導体の微細化に手間取っているようです。

主要な製造装置7社は、その大半が世界的に2~3世代遅れとなる回路線幅14ナノ~28ナノメートルが主力と答えています。

米国の制裁で部材の調達に支障を来しているとの声が多く、国産品による代替もまだうまくいっていないようです。

中国は2020年まで中国各地の半導体プロジェクトに多額の補助金を投下してきましたが、破綻する案件も多く成果は限定的です。

中国製造2025で掲げた自給率70%について言及することはほとんどなくなっています。

半導体が中国のアキレスけんとなる状況から脱するのは容易ではないかもしれません。

EV用の半導体に触手

中国の電子機器大手、ウィングテックがEV用半導体の国産化に乗り出します。

120億元(約2000億円)を投じ、電力制御に使うパワー半導体の新工場を上海市に建てます。

今ここでこの投資に動く理由は世界的な半導体不足と、中国政府の大方針です。

中国政府は60年の二酸化炭素排出実質ゼロにむけ、35年をめどに新車販売の約半分をEVなどの新エネルギー車にする方針です。

2020年は約5%にもかかわらず、EVの市場としては既に世界最大となっています。

ここから一気に普及させるためには、パワー半導体も国内で確保しなければなりません。

1月には半導体以外に、EVにも必要な磁性材料や電池材料といった電子部品産業の強化政策も打ち出しています。

また、EV用半導体が米国の制裁対象から外れている点もポイントにあげられます。

中国では電子機器の頭脳となる演算半導体を設計するハイシリコンや、受託生産のSMICなどが台頭したものの、両社とも米国の制裁対象となり、先端分野での事業展開が難しくなっています。

中国政府は米政権による半導体部門への制裁をうけ、国内産業の育成に力を入れています。

2021年からの5カ年計画では「国家経済安全保障の強化」を打ち出し、研究開発の重点分野に半導体を指定しました。

半導体産業で、米国の制裁に対抗できる中国独自の供給網構築を目指しているのです。

半導体の設計や製造、製造設備、材料などを手掛ける企業に所得税の減免といった支援策も導入して関連企業の投資を促進します。

中国のハイテク新興企業に逆風

米中対立のあおりを受けて中国の新興企業に逆風が吹いているようです。

ハイテク企業向け市場「科創板」では2021年に入り、88社が上場手続きを取りやめました。

4月10日に中国政府がアリババ集団に巨額罰金を科すなどハイテク企業を締め付ける方向に転じたほか、バイデン米政権下でも米中対立が続いていることが背景にありそうです。

統制強化が技術革新の阻害要因になるかもしれません。

2021年3月

通信3社、5G投資を5%増

中国の国有通信大手3社の2021年12月期の投資計画が出そろいました。

5G関連の総投資額は前期比5%増の1847億元(約3兆円)です。

米中対立が続くなか、中国政府の5G普及推進に応じて投資を上積みします。

国有大手3社の香港上場子会社、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)が3月25日までに発表しました。

5G以外の分野を含む3社の総投資額は3406億元と2%増え、3年連続の増加となります。

半導体企業を選別して育成

中国政府は半導体産業を育てるため、所得税の減免などによる支援対象を技術力の高い有力企業に絞り込みます。

中国では2020年の支援拡充で半導体分野の投資額が前年の5倍近くに膨らみ、地方政府による半導体関連の野放図な投資や事業の乱立を招いています。

支援の選択と集中を進めることで、地方政府に効率的な投資を促し、「製造強国」への脱皮を目指します。

特許出願数、2年連続で中国首位

世界知的所有権機関は3月2日、2020年の特許の国際出願件数を発表しました。

中国が2年連続の首位で、韓国もドイツを抜き4位に浮上しました。

新型コロナウイルスの感染拡大でITサービスの需要が拡大し、アジア勢を中心に技術革新が進んでいます。

国際特許は特許協力条約に基づく制度で、1つの加盟国への出願で複数国に出願したとみなされます。

企業や大学の技術力や国際化を示す指標となります。

2020年は世界全体では、前年比4%増の27万5900件と過去最多を更新しました。

2021年1月

電子部品産業を育成

中国政府は1月29日、電子部品産業の強化計画を発表しました。

ハイテク分野での対中包囲網づくりを進める米国に対抗するため、中国は半導体の国産化を進めてきました。

さらに電子部品にも対象を広げ、自前のハイテク分野のサプライチェーンを整備します。

計画によれば、2023年に電子部品市場を19年の約1.2倍の2兆1千億元(約34兆円)に引き上げ、国内需要に十分対応できる大国の地位を固める予定です。

次世代インフラに170兆円投資

中国が5Gの通信網、データセンターといった次世代のインフラへの投資を大幅に増やす予定です。

官民合計の投資額は2025年までの5年間で約170兆円に達する見通しです。

米国とのハイテク摩擦の長期化をにらみ、民間資金も活用しながら産業基盤を整備する事が目的です。

だが必要な部品や技術を米国に頼るケースも多く、自国のみという事ではなさそうです。

中国は次世代のインフラを「新型インフラ」と呼び、主に7つの技術領域に分類しています。

5G通信網やデータセンター、人工知能(AI)などIT(情報技術)分野の基盤に加え、大容量の電力を効率的に送る超高圧送電網や、都市圏内で都市をまたがって運行する高速鉄道や地下鉄なども含まれています。

紫光、債務不履行でも引き続き操業

半導体大手、紫光集団が債務危機に揺れている一方で事業は継続しています。

2020年末までに4度の社債の債務不履行を起こす一方、傘下企業は操業を続けています。

その背後には政府資本が複雑に入り込む中国独特の企業統治の仕組みと、22年の共産党大会を控えた政治情勢が見え隠れしていると言われています。

財務の厳しさは前から知られていました。

6月末の有利子負債は1566億元まで膨れ上がり、連結対象ではないグループ会社も多額の債務を抱えています。

元建て社債は、融資のような性質を持ち、債務不履行に陥っても取引を打ち切らないことが多いのが特徴です。

このことが信用不安がすぐに広がらない要因となっているのです。

また、米中間のハイテクの覇権争いが続くことは必至のなか、半導体産業の育成の観点からも紫光集団が重要であるとの背景もありそうです。

SMIC、台湾から経営陣を招聘

中国半導体大手のSMICが新たな経営体制を発足させました。

米国からの制裁が強まるなか、経営首脳4人のうち3人を台湾半導体大手の出身者で固めました。

豊富な経験を持つ台湾人材の協力を得ることで、アメリカの制裁下でも半導体の技術力などを高め、国産化を推進する意図があります。

2020年12月

中国の航空産業も標的に

米商務省は中国、ロシアの航空宇宙分野など計103社を軍事関連企業に指定しました。

米国製部品を対象企業に輸出する際は許可制として規制を強化します。

中国が進める航空機産業のサプライチェーンを育成する政策への影響は避けられず、旅客機の100%国産化の目標を達成するうえで障害となりそうです。

中国SMICを含む数十社をエンティティリストに追加

アメリカは12月18日、半導体受託生産の中国最大手であるSMICなど中国数十社に対して事実上の禁輸措置を発動すると発表しました。

これは、最先端の半導体を生産するのに必要な製品の輸出を認めないという内容です。

トランプ政権は約80社とその関連企業をエンティティーリストに追加します。

同リストに載った企業は米国の技術にアクセスできなくなります。

トランプ大統領が政権交代前に、中国が目指す半導体の国産化を阻止しようとしています。

スマートフォンに使う回路線幅10ナノメートル以下の半導体に必要な製品は許可を原則出しません。

半導体企業の所得税減免

中国は12月17日、半導体の製造や設計、製造設備などを手掛ける企業の所得税を減免すると発表しました。

国務院が今年8月に発表した半導体産業の育成支援策に沿った取り組みです。

新たな優遇策を導入し、自国の半導体産業の早期育成を目指します。

今回の所得税の減免は半導体の製造に携わる多くの企業が対象となります。

製造では最長10年間の免税期間を設けました。

これまでも免税期間はありましたが、大幅に長くなったと説明しています。

SMIC、アメリカの禁輸措置で大きな影響

中国の半導体受託生産最大手、SMICは12月20日、アメリカから受けた先端技術に関わる禁輸措置についてコメントしました。

SMICは、

「回路線幅が10ナノメートル以下の先端技術の研究開発や生産設備の建設に重大な不利な影響がある」

とコメントしました。

習近平指導部は米国企業に依存している半導体の国産化を目指しており、SMICはそのけん引役を担っています。

政権交代前に中国の半導体国産化の阻止を目指すトランプ米政権の新たな措置で中国への影響は避けられない見通しです。

SMICが中心となって半導体工場を建設

中国の半導体受託生産最大手であるSMICが12月4日、中国政府系ファンドと共同出資会社を設立し、北京市内に新工場を建設すると発表しました。

総投資額は76億ドルです。

米中対立の長期化に備え、中国国内での生産能力を高める目的があります。

SMIC、政府系ファンド、政府系投資会社の3社が新会社を設立し、北京市内に半導体の大型生産拠点をつくるという計画です。

スパコンより100兆倍速い量子コンピュータを開発と主張

世界最速のスパコンよりも計算速度が100兆倍近く速い量子コンピューターを開発したと中国人科学者が主張しているようです。

レポートによると、中国人科学者が開発したのは最大76フォトン(光子)の検出が可能な量子コンピューター試作機だという事です。

2020年11月

アメリカの半導体幹部を獲得

半導体の開発に欠かせない設計支援ツール「EDA」を手掛ける企業の設立が中国で相次いでいるようです。

EDAは米大手が寡占しており、半導体の国産化を目指す中国にとって自前開発が不可欠の分野です。

新会社にはこれら米大手の幹部が参加したのが特徴です。

中国政府も資金面などで事業を支援し、半導体自力開発のために引き続き注力しているようです。

紫光の私募債が債務不履行に

国半導体大手の紫光集団が債務危機に揺れています。

私募債が債務不履行に陥り、他の社債や傘下企業の株価も大きく下落しています。

紫光集団は半導体の量産を開始し始めていただけに、共産党が掲げる半導体国産化の進捗にも影響を及ぼすかもしれません。

債務不履行を起こしたのは2017年に発行した13億元(200億円強)の私募債で、11月15日が償還期限でした。

紫光集団は前週末に投資家を集めた会議を開き、一部を返済したうえで残りを半年後に償還する案を提案しています。

同案は8割超の賛成を集めましたが、手続き上の不備があり無効になりました。

中国では社債の償還が遅れても、すぐに経営破綻に発展するわけではありません。

銀行がしばらくは運転資金の供給を続けるケースが多いためです。

数日遅れで元利を返済し、実質的に債務不履行を回避したと主張する事例があります。

2020年10月

地方政府が燃料電池車を育成

水素で走る燃料電池車(FCV)産業の育成策を、中国の地方政府が積極的に行っています。

中央政府が電気自動車に次ぐ次世代車と位置づけ、地域単位で奨励金を出す方針を示したためです。

上海市や広州市が近く「モデル地域」に名乗りを上げるようです。

これまで、中国政府はFCVの完成車に対して販売補助金を出してきました。

しかし、販売台数は伸び悩んでいました。

そこで、中国政府は普及には技術開発の加速や燃料供給インフラの整備が不可欠だとみて、部品や水素ステーションなど関連産業全体を支援する方針に切り替える事にしたようです。

中国通信3社が微増収

中国の国有通信大手3社が香港に上場する子会社の2020年1~9月期決算が出そろいました。

中国政府から5Gの普及加速の指示を受け、契約件数は伸びたものの、3社とも売上高は微増にとどまりました。

チャイナモバイルの売上高は前年同期比1.4%増の5744億元(約9兆円)で純利益は0.3%減の816億元。

同社は、コスト削減を加速して、良好な利益水準を維持するとコメントしています。

チャイナテレコムの売上高は3.5%増の2926億元、純利益は1.7%増の187億元でした。

チャイナユニコムの売上高は3.8%増の2253億元で、純利益は10.2%増の108億元。

中国では新型コロナウイルスで落ち込んだ経済の立て直しや5Gでの覇権を目指し、通信網の整備や普及を3社に指示しています。

米中分断が一段と進む

米中のハイテク分野の分断が一段と広がっています。

2020年10月4日、中国の半導体受託生産最大手、SMICはアメリカ政府による輸出規制で半導体などの生産に悪影響が出る恐れがあると発表しました。

これを受けて香港市場で同社株価は急落しています。

下落率は一時8%に迫り、約4カ月ぶりの安値となってしまいました。

中国の半導体産業に影響が広がるとの懸念が強まっています。

ファーウェイも影響を受けています。

同社は輸出規制の強化を受け、9月中旬からアメリカの技術が関わる半導体の調達が原則不可能になりました。

企業はアメリカ商務省の許可を受ければ同社との取引が可能になりますが、SMIC自身も米規制の対象になり取引が認められる可能性は一段と小さくなりました。

2020年9月

SMIC、アメリカからの規制に備え

SMICが、アメリカをはじめとした海外製の生産設備や部品を積み増しているようです。

アメリカによる輸出規制で今後の生産に支障が出ないように備えるためとみられます。

SMICは欧米や日本のサプライヤーから、通常の使用量を大幅に上回る規模の生産設備や部品の調達を進めている最中です。

対象は半導体に回路を形成するエッチング装置など幅広い分野に及んでおり、一部の消耗部品については今後1年間に使う分を確保しているようです。

また、中国内の別の半導体メーカーと共同で、消耗部品を備蓄するための倉庫も設置したという事です。

SMICへの制裁による影響

2020年9月26日、米商務省が半導体受託生産の中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)に制裁を科しました。

SMICは同日、中国軍と無関係であるとのコメントを発表しましたが、輸出の事前許可制が発動された場合、SMICはアメリカ企業などから半導体製造に必要な装置の供給をスムーズに受けられなくなる恐れがあります。

今回のSMICに対する措置は、アメリカがファーウェイなどに行ったものと同じ戦略の中に位置づけられます。

中国政府は半導体の国産化を目指していますが、SMICはその重要な役割を担う国策企業と位置づけられています。

7月には上海のハイテク企業向け市場「科創板」に株式を上場し、半導体の生産拡充のため、資金を調達したところでした。

アメリカ企業などから半導体製造装置を輸入できなくなると、最先端の半導体生産ラインを構築することが困難になると思われます。

SMICに対し輸出規制が発動された場合、SMICのみならず、SMICから半導体の供給を受ける企業や、SMICに半導体製造装置を供給する企業も影響を受けることになるでしょう。

SMICの最大の顧客はファーウェイで、米クアルコムや米ブロードコムも名を連ねているとみられますが、これらは半導体の安定供給が得られなくなる恐れがあり、注意が必要です。

中国半導体、脱アメリカ進む

アメリカ政府が中国ハイテク企業への規制を強めるなか、半導体受託生産の中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)がアメリカ技術に頼らない生産体制の構築を急いでいます。

中国製装置の使用比率を高め、アメリカ以外の国の技術の採用も探っています。

先端半導体を手がけるにはなお時間がかかりますが、米中摩擦は中国独自の半導体産業の形成を促しているようです。

シノケムとケムチィナが国主導で統合協議

中国中化集団(シノケム)と中国化工集団(ケムチャイナ)が経営統合に向けた協議に入ったようです。

国有企業である両社の董事長を務める寧高寧氏が2020年9月2日に表明しました。

6月に農業部門を統合したばかりだが、全体統合が実現すれば、売上高は約16兆円と2位を大きく引き離す世界首位の化学メーカーとなります。

アメリカの規制対象に加えられる可能性が高まるなど、先鋭化する米中対立が背中を押しました。

習近平指導部は2012年の発足後、国際競争力を高めようと、国有企業同士の合併を促してきました。

その結果、鉄道車両大手の中国中車、鉄鋼大手の中国宝武鋼鉄集団などが誕生しましたが、当初の狙いに反して競争力の向上や世界シェアの拡大は必ずしも実現していないのが実情です。

2020年8月

科学論文数で中国が一位

自然科学分野の論文数で中国がアメリカを抜いて1位になったとする報告書が日本の文部科学省から公表されました。

中国は研究開発費でもアメリカを猛追しており、研究者数は最多となっています。

これまでアメリカへの留学などで育成を進めた結果です。

貿易や安全保障の分野で対立が目立つ米中間の攻防は、軍事や企業活動の根幹をなす科学技術の分野も含めて激しくなっています。

データ流通で中国除外を狙う

アメリカがアジア太平洋経済協力会議(APEC)の個人データのルールについて加盟各国に見直しを提案していることがわかりました。

ルールをAPECの枠組みから独立させ、特異な規制でデータを吸い上げる中国の除外を狙うとみられます。

国境をまたぐデータの活用は急速に拡大しており、ネット通販の決済データを基にしたデジタル広告配信や、輸出した自動車の走行データを使った自動運転技術の開発など幅広い状況です。

こうしたデータ流通網から中国を締め出す事はアメリカの目的と見られます。

インド、5Gでファーウェイ等を排除

インドは5G導入計画から、中国のファーウェイとZTEを排除する方針を固めました。

インドは7月23日に投資規制を改正し、陸の国境を接する国の企業を対象に、国家安全保障上の懸念を理由に入札での参入を制限すると定めましたが、インドは今回この新規制を適用するようです。

この排除決定は、首相府の承認を受けた後、1ー2週間で発表される見通しとの事です。

中国、ハイテク分野で存在感

世界のハイテク市場で中国が一段と存在感を高めています。

あるメディアがまとめた調査で、中国は電子部材など前年より2品目多い12品目でトップシェアを獲得したようです。

中国は国・地域別で2位になりました。

中国勢は、スマートフォン向けの中小型液晶パネルと電気自動車などにも使うリチウムイオン電池向け絶縁体で、いずれも日本企業から首位を奪いました。

パソコンではレノボ・グループがシェア24.2%と18年比1.2ポイント伸ばして、18年に同率首位だったアメリカのHPを超えました。

5年前のスマホ市場はサムスン電子とアップルで39%の世界シェアを握り、ファーウェイは5%台でしたが、2019年はファーウェイとシャオミ、OPPOの中国3社で計35%と、主役は交代しつつあります。

2020年7月

ファーウェイ排除強化

2020年7月16日、アメリカ政府はファーウェイとZTEを米国市場から排除する取り組みを進める中、国家安全保障上のリスクがあるとみなされる通信機器のリストを作成するプロセスを開始しました。

アメリカは先に、両社を国家安全保障上の脅威に指定しています。

連邦政府の補助金を両社製の機器の購入などに充てることはできなくなっています。

アメリカ政府、中国企業5社の製品を使う企業を排除

アメリカは8月からファーウェイなど中国企業5社の製品を使う企業がアメリカ政府と取引することを禁じる法律を施行します。

米中対立の激化で、世界のハイテク市場の分断が加速します。中国製品への依存を強めていた世界各国の製造業も調達戦略の修正を迫られそうです。

対象5社はファーウェイとZTE、監視カメラのハイクビジョン、ダーファ・テクノロジー、無線通信機大手のハイテラです。

アメリカ、ファーウェイ等中国のIT企業にビザ発給制限

2020年7月15日、アメリカのポンペオ国務長官は、ファーウェイなどの中国企業に対するビザ発給を制限する可能性があると述べました。

ポンペオ長官は

「人権侵害に関与している政府に物質的な支援を提供しているファーウェイなどの中国IT企業について、特定の従業員に対するビザ発給を制限する可能性がある」

と表明しました。

その上で、世界中の通信機器メーカーは、ファーウェイとの取引が人権侵害を行っている企業との取引になるため、警告を受けたと認識する必要があると述べました。

中国企業、半導体の国産化を目指して資本調達を積極化

半導体の国産化をめざす中国企業が資本調達を急拡大しています。

2020年の調達額は5日時点で約2兆2千億円と、半年で19年通年の約2.2倍となったようです。

支援の主役は政府系ファンドと2019年に開設した新しい株式市場です。

中国のハイテク覇権の阻止を狙うアメリカに対抗し、生き残りを懸けて半導体の自給率向上を急ぎます。

中国はスマホや5G向け機器で高いシェアを誇る一方で、半導体自給率は10%台半ばにとどまっています。

中国は「中国製造2025」で、半導体自給率を70%まで高める目標を掲げていますが、自給率は2024年時点でも2割強の見通しとなっており、国産化のペース加速が急務となっています。

この国産化戦略が狙い通りに成果を上げるには、資金面に加えて技術面でも乗り越えなければならない課題がまだありそうです。

2020年6月

ファーウェイとZTEを安全保障上の脅威に指定

2020年6月30日、アメリカの連邦通信委員会はファーウェイとZTEを国家安全保障上の脅威に指定しました。

国内市場から両社を排除しようとする動きなわけですが、地方の小規模通信事業者は低価格で提供する両社のネットワーク機器に依存しており、混乱が起きるかもしれません。

今回の指定により、連邦政府の補助金をファーウェイやZTE製の機器購入やメンテナンスに充てることができなくなります。

連邦補助金は地方の小規模通信事業者の多くが利用しているものです。

半導体の自給率は数年後でも20%程度

ある調査によると、中国半導体自給率は、2024年でも20.7%にとどまる可能性があるとの事です。

中国は国を挙げて半導体の国産化に取り組んでいますが、2019年実績の15.7%からは高まるものの、産業政策「中国製造2025」で掲げる70%の目標達成はなかなか遠いようです。

半導体のうちCPUやメモリーといったICについて、中国のIC生産は24年に19年比2.2倍の430億ドルまで伸びる見通しです。

これは世界のIC市場の8.5%に相当しますが、スマートフォンやパソコンの工場が集まる中国のIC消費額(2024年で2080億ドルと予想)には及ばないと推察されています。

2019年5月以前

2019年1月以前の動きは以下からご覧ください。

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