中国製造2025についてのまとめと経緯

ここでは、中国の習近平が重視する中国製造2025を中心に、中国の製造業強国への途についてまとめていきます。

中国の製造業全般を網羅する事で、政策としての中国製造2025と直接的に結びつかないケースもありますが、ファーウェイやZTE、その他中国を象徴するような製造業・メーカーの動きを知る事で、新興国への投資についての重大なヒントを得ることが出来るはずです。

「中国製造2025」に関する各社レポートの一覧は↓をご参考!

中国製造2025関連レポート一覧

別途、一帯一路政策やZTE問題も併せてご参考ください!

中国の一帯一路政策とインフラ建設支援についてのまとめと経緯

ZTE問題についてのまとめ

米中貿易摩擦についての経緯とまとめは↓をご参考!

米中貿易摩擦問題について整理してみた2018

習近平の政策全体についての記事は↓

習近平についてのまとめと研究

中国製造2025のハイテク重点分野 半導体、ロボット、情報技術、AI(人工知能)など

中国製造は決して最近できた政策ではなく、2015年から習近平が推し進めていた政策です。

次世代情報技術や新エネルギー車など10の重点分野と23の品目を設定し、製造業の高度化を目指すものです。

第一段階は製造強国への仲間入り

第1段階である2025年までの目標は「世界の製造強国の仲間入り」です。

品目ごとに国産比率の目標を設定していて、

  • 産業用ロボットでは「自主ブランドの市場占有率」を2025年に70%、
  • 「5G」のカギを握る移動通信システム設備では2025年に中国市場で80%、世界市場で40%

といった高い目標を掲げています。

また、これに伴って、関連産業に対する金融支援や、基盤技術の向上支援などの施策を相次ぎ打ち出し、国を挙げてのシンボリックな近代化政策の一つとなっています。

中国のむき出しの野心が先進国から見て脅威に

こうした中国の隠さぬ野心に対してアメリカを中心とした先進諸国は警戒を強めています。

これまでアメリカをはじめ世界の企業は、中国に不当な技術移転を余儀なくされ、中国企業が政府支援の下で安さを売りに世界シェアを一気に上げて台頭を許してきたという反省があります。

MEMO
2018年から始まった米中貿易戦争もその脈絡で語る事が出来ると思います。

2049年までに製造強国の先頭グループに

2025年で目標を達成した後は、2049年が節目になります。

建国100年を迎えるのが2049年だからです。

この時までに「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目指すのが超長期戦略の目標です。

2019年現在、既に「世界の工場」の地位からは脱却

日本の内閣府が作成したあるレポートによると、中国は既に生産機械のような付加価値の高い製品や部品の輸出拠点になっています。

つまり、2018年から起きている米中貿易摩擦等によって中国からの輸出が減れば、世界各国に広く影響を及ぼしかねないという事です。

これまで中国は付加価値の高い部品を輸入して国内で消費財にして輸出する「世界の組み立て工場」の役割を担ってきました。

その過程で、様々な技術を取得し、内製化を進めてきた、というのがよく耳にする中国の戦略です。

しかし、データを読み解けば、既にかつての繊維製品や玩具といった品目や組み立てを中心にしたものから、電気製品や高品質な部品、生産機械といった付加価値の高い製品の生産・輸出へとシフトしており、製造強国の仲間入りを一定程度果たしてるというのが実際と思われます。

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例えば電気機器などの分野では、中国で生産・輸出される付加価値の高い部品がアメリカの製造業には欠かせないものになりつつあります。

アメリカが輸出する製品に含まれる海外生産部品などの付加価値は2018年は約13%でしたが、その内訳を国・地域別シェアでみると中国が12%と2000年の4.9%から割合を大きく高めています。

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因みに日本の場合は2000年の13.6%から5.6%へとシェアが低下しています。

産業のバリューチェーン全体をも支配する戦略

中国製造2025で自らの技術力を高める一方で、バリューチェーンを支配するための動きもこの戦略の付属戦略のような形で動いています。

例えばEV。

EVで必要とされるバッテリー技術やAI、再生エネルギー関連の技術投資を積極的に行うと同時に、彼らはEV向けリチウムイオン電池の製造に欠かせないコバルトの世界的な供給源の大半もすでに押さえています。

コバルトの生産量世界一はコンゴ民主共和国なのですが、その産出量の大部分は中国企業が押さえているとされており、ある調査によると、世界で採掘されるコバルトの8割は中国が精錬しているという事です。

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いわゆるレアアースというやつですね

他の国からしたら恐ろしい事です。

中国の科学技術分野における研究開発費はアメリカと同水準

ハイテク分野や科学技術分野での中国の躍進を支えるのは、豊富な資金力と言えるでしょう。

2016年の中国の研究開発投資は官民で約45兆円(2016年)。

これは、アメリカの51兆円に迫る勢いです。

中国の得意分野とアメリカの得意分野

この様に先端技術の研究開発で米中両国の実力が突出するのは分かりましたが分野別にはどの様な形になっているでしょうか。

ライフサイエンス、生命科学で優位に立つアメリカ

アメリカが優位に立つのが生命科学です。

質の高い論文を分析すると、生命科学の46領域のうち「がん研究」「遺伝学」「発生生物学」「分子生物学」など40領域でアメリカが首位でした。

遺伝子を効率よく改変するゲノム編集や再生医療などの研究で世界をリードし、スタートアップなどを通じた産業応用でも先行します。

もっとお中国も46領域の多くで2位に付け、米国を猛追しています。

倫理的なハードルが低い中国でも研究が進みやすい

中国は生命倫理や規制などの面で他国に比べ制約が少なく、研究が早く進みやすいとされています。

最近でも中国でゲノム編集の技術を使った双子の女児が誕生し波紋を呼びました。

製造業、ものづくりでは中国が圧倒 中国製造2025のたまもの

工学・化学・材料の分野では中国の存在感が圧倒的です。

同分野39領域のうち「航空宇宙工学」「電気電子工学」「機械工学」「材料科学」「金属・合金」など31領域でトップに立ちました。

MEMO
まさに「中国製造2025」の成果が出始めていて、ものづくりに関わる研究で力を高めているようです。

5G関連の特許は中国(ファーウェイ)が世界一?

ある中国専門誌によると、次世代高速通信である「5G」関連特許について、ファーウェイが占める割合は29%となっていて、世界トップです。

次に続くのがスウェーデンのエリクソン(22%)や韓国サムスン電子(20%)という事で、5G関連の技術で中国がトップレベルである事はある程度本当のようです。

ファーウェイ幹部は「当社なしではオーストラリアの5G構築コストは最大40%上昇する」とのコメントさえしているとの事です。

中国は2025年までには国内の全世帯の80%にワイヤレスの『5G』機器等の利⽤に不可⽋な光ケーブル通信を普及させる計画で、広⼤な国⼟の⾼速データ化を急ピッチで進めています。

これらは将来的に周辺国へも拡⼤するとみられます。

invstem.com

一帯一路等がこれにあたって活用されるのでしょう。

5G通信と4G通信の違い 何が凄いのか

ところで「5G(第5世代)」は何が凄いのでしょうか。

例えば、

  • 現行の通信規格と比べて実効速度が100倍という超高速通信
  • 通信の遅れがほとんど発生しない
  • 大量のデータを一気に送ることができる
  • 1平方キロメートルあたり100万台までの機器接続が可能

といった所がよく出てくるワードのようです。

これがあるので、自動運転や遠隔医療など社会インフラとしての期待が高まり、大きな変化をもたらすというからくりです。

そこの首根っこを中国が全部つかんで、世界をモニタリングして支配しようというのが中国の思惑だったわけです。

AI(人工知能)でも中国優位になりつつあるか

人工知能(AI)でも中国の勢いは止まりません。

ある報告書によると、1997年から17年までに発表されたAI分野の論文数は中国が約37万本で、アメリカ(約33万本)を抑えてトップに立っています。

影響力の強さを示す論文引用数でみれば上位10社はマイクロソフトやグーグルなどアメリカ企業が多く、中国企業は殆どゼロですが、最近ではかなり質が高いものが量産されつつあると言われています。

AI国家プロジェクト

中国政府は2017年、

  • ⾃動運転、
  • スマートシティ、
  • 医療映像、
  • ⾳声認識

の4部⾨からなるAI国家プロジェクトを認定し、着実な成果を積み上げているようです。

政府・中国共産党が手厚い保護をするBATIS

国家プロジェクト「AI発展計画」なるものが中国にはあります。

その中に企業名の頭文字を取って名付けられたBATISなるものが出て来ます。

2017~18年に指名した5大プラットフォーマーで、

  • 百度(バイドゥ、自動運転)、
  • アリババ(スマートシティー)、
  • テンセント(ヘルスケア)、
  • アイフライテック(音声認識)、
  • センスタイム(顔認識)

の事を言います。

MEMO
この5社は政府・共産党から補助金や許認可で手厚い支援を受け、研究開発を加速化させています。

EV(電気自動車)も中国無しに語れぬ分野に

EVの生産コストの大部分は電池なわけですが、2018年の世界車載電池出荷ランキングでは、中国勢が上位10社のうち7社を占めています。

駆動用モーターでも中国企業は存在感を増しています。

中国の自動車販売は年間2800万台(2018年)ですが、その内700万台が電気自動車となれば、コストを賄えるほどにまでなっています。

もしそれを中国が達成すると、EVのデファクトスタンダードは中国が握る可能性がかなり高くなるでしょう。

中国は宇宙戦略も重視

中国製造2025では宇宙戦略についても言及されています。

中国の宇宙戦略は軍民複合 2030年に「宇宙強国」を目指す

共産党最高指導部は2014年に宇宙開発を民間に開放しました。

中国の宇宙開発は軍民融合で発展を促す戦略をとっており、宇宙関連事業の会社やスタートアップの創業者・幹部には人民解放軍と関係の深い国有企業の出身者が少なくないようです。

また、スタートアップが運用する衛星も軍系企業が打ち上げることが多いようです。

こうして、中国は2030年の「宇宙強国」を目指し、軍と共産党が民間企業の成長を後押し、先行するアメリカ企業にとっても無視できない存在になりつつあります。

宇宙関連のスタートアップが多数

中国では宇宙開発分野のスタートアップが台頭しています。

ロケットの開発や打ち上げ、人工衛星の製造・運用などに参入が相次いでいます。

民間企業が計画する10年間の人工衛星の打ち上げ数は約1500基にのぼると言われています。

今後は中国以外の国からどれだけ受注できるかが問題です。

2019年9月

5Gの中核特許、中国が世界一

中国政府は2019年9月20日の記者会見で、5Gの製品製造に欠かせない標準必須特許(SEP)件数で中国が世界で最も多いと明らかにしました。

4Gでは欧米がSEPを握っていたが、5Gではファーウェイなどの特許取得が多かったとみられます。

ハイテクの覇権を巡る米中対立の行方にも影響を与えるでしょう。

2019年8月

2020年にも国有企業が5G対応の半導体を投入

国有半導体大手、紫光集団系の紫光展鋭(UNISOC)が、2020年後半にも5G対応の半導体を投入するようです。

invstem.com

本当だとするとファーウェイ系に続く動きです。

具体的には、5Gのデータ通信や演算処理を担う「SoC(システム・オン・チップ)」と呼ばれる製品を出すようです。

2019年6月

悲願の半導体国内生産を整備??

2019年内にも、中国産半導体メモリーDRAMの量産が始まるようです。

国策会社の長鑫存儲技術(CXMT)で量産のメドが立ったようです。

中国が悲願の半導体国産化に向け、手を緩めない姿勢が浮き彫りになりました。

DRAMはデータの一時記憶を担い、スマートフォンやサーバーなど電子機器の性能を左右する重要なもの。
市場規模は10兆円規模で高度な技術が求められ、サムスン、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの3社で95%以上のシェアを握っています。

今、CXMTの技術力に対する評価は割れています。

地道な改善を重ね歩留まりを高めて量産規模を拡大するにはまだ時間がかかるとの見方もあるようなのです。

また、高度な半導体を製造するにはAMATなど海外メーカーの製造設備が欠かせないほか、半導体設計に必要な自動化ソフトもシノプシスなどアメリカ企業の寡占状態にあるので、国内生産と言っても、実質は海外の技術に頼りっぱなしという所もあるのです。

アメリカの出方が気になる所です。

2019年5月

中国、2019年6月中にも5G免許を国有三社に

中国政府は国有通信大手3社に5G免許を交付する予定です。

アメリカがファーウェイ排除を進めていることに対抗し、5G投資を加速させてファーウェイなど中国企業を支援する構えです。

中国の通信大手3社合計で携帯電話の契約件数は15億件以上で、5G投資は総額で20兆円に達する見通しです。日本はNTTドコモやKDDIがそれぞれ5年で1兆円程度の投資ですから、規模はかなり大きいです。

スーパーコンピューター開発も火花

米中間での次世代スーパーコンピューターの開発レースも熱くなっているようです。

アメリカは2019年3月、アメリカ初の「エクサ級」次世代スパコン「オーロラ」を2021年に稼働すると発表しました。

同クラスの次世代機については、スパコン保有数で世界一の中国が2020年、日本も2021年ごろの稼働を目指すものです。

スーパーコンピューターは将来の国力も左右するだけに、米中のハイテク覇権争いの一つのメルクマールとして注目されていくでしょう。

アメリカ、監視カメラ世界最大手のハイクビジョンの禁輸を検討

アメリカが監視カメラで世界シェア首位の中国企業であるハイクビジョンへの禁輸措置を検討しているとの報道がありました。

報道によれば、安全保障上懸念のある外国企業を列挙した「エンティティー・リスト」にハイクビジョンを指定することを検討しているようです。

ファーウェイ禁輸を受け、国内半導体産業を支援

以下のリンクをご参照ください。

中国の景気テコ入れ策・経済政策の経緯とまとめ(2018年~)

2019年5月、ドローンの使用にアメリカ政府が警告メモ

アメリカ政府が中国製ドローンの使用について、情報漏洩のおそれがあるとして警告するメモをまとめたようです。

ドローン世界最大手の中国DJIが念頭にあると思われ、米中貿易戦争における新たな火種になる可能性があります。

アメリカ政府内には、かねてから中国製ドローンが安全保障に影響を及ぼすことへの懸念があったようです。

実際にアメリカ陸軍は2017年にDJI製のドローンの使用を禁止しました。撮影したアメリカの重要インフラなどの情報がDJIを通じて中国政府に流れている可能性があるというのがその理由です。

もちろん、DJIはこのことを否定しています。

第二のファーウェイのようになるのでしょうか。

アメリカ、チャイナモバイルの参入を却下

2019年5月9日、アメリカの連邦通信委員会は中国国有通信最大手のチャイナモバイルのアメリカ参入を認めない方針を正式決定しました。

安全保障上のリスクを考慮したものです。

ファーウェイとあわせて、中国の通信業界全体への警戒を強めているアメリカですので、予想通りといった所なのでしょうか。

2019年4月

5G関連特許の出願、中国が最大

最新の調査によれば、5Gに関する特許出願数は中国が34%と、大きな存在感を示しました。特許数は自動運転など各国の新産業の育成や次世代の国力をも左右します。

企業別でみると、出願件数が最も多い企業はファーウェイで15.05%、ZTEは全体で5位、中国電信科学技術研究院(CATT)が9位に入っています。

企業ランキングは以下の通りです。

  1. ファーウェイ(約15%)
  2. ノキア(約14%)
  3. サムソン(約13%)
  4. LG電子(約12%)
  5. ZTE(約12%)

となっています。

ただ、通信の場合、技術の特許は積み重ねでもあるので、5Gになっても3Gや4Gの特許が引き続き使われる事から、すぐに上記の会社が圧倒的な強みを持つよいう事ではありません。

アメリカの中国系ハイテク企業の排除あらわ

アメリカが安全保障上の懸念を理由に、中国企業への締め付けを強化しています。

ファーウェイに続き、チャイナモバイルの参入を認めない異例の方針も示されました。チャイナモバイルは中国政府が直接管理する国有企業で、10億人を超える契約者の個人データを抱え、中国政府と一体で事業運営がなされていると言われています。

アメリカはこうした企業のスパイ活動やサイバー攻撃を警戒し、政府主導で対中包囲網を築いています。

今回の決定は米連邦通信委員会(FCC)と呼ばれるところです。健全な競争環境を重視するFCCが、安全保障を理由に外資参入を拒否するのは初めての事です。

中国からの報復も考えられ、米中双方の報復合戦に発展すれば、米中貿易戦争と相まって更なる混乱となる可能性があります。

米中で5Gを巡る牽制合戦が本格化

5Gを巡って、米中のけん制合戦が過熱しているようです。

アメリカは2019年5月に行われる通信の国際会議で同盟国にサイバーセキュリティー政策で協調を呼びかける方針です。もちろん、これはファーウェイ排除を念頭に置いたものとみられます。

アメリカはファーウェイの名指しは避ける見通しであっるものの、中国企業の製品調達を事実上禁じるための方法を教えるようです。

一方で、中国も5Gでファーウェイの競合であるスウェーデンのエリクソンに対して知的財産権を巡る調査に入りました。恐らくファーウェイ排除の対抗措置とみられます。

アメリカの半導体世界最大手が中国企業との取引停止

半導体製造装置の世界最大手である、アメリカのアプライドマテリアルズ(AMAT)が、LED世界大手のアモイ三安光電など一部の中国企業や研究機関との取引を中止するそうです。

取引中止の対象はLED世界大手のアモイ三安光電や西安交通大学など、アメリカ政府が作成した警戒リストに挙がった少なくとも3つの中国企業や研究機関です。

アメリカ、中国企業未確認リストを作成

2019年4月11日、アメリカの商務省が中国の37の企業や研究機関を米国企業が取引で慎重に扱うべき「未確認」リストに登録したと発表しました。

同リストは安全保障や貿易の公正性確保などの観点から作成され、取引にはアメリカ政府の承認や報告が必要となるようです。

これは禁輸措置ではありませんが、実質的に取引を規制する効果があるとの見方が出ています。

他の米企業にも中国企業との取引への慎重姿勢が広がる可能性があります。

自動運転分野でも米中で闘い

自動運転技術で中国に対する訴訟がアメリカで相次いでいます。

テスラは技術を持ち出し、中国のEVメーカーに転職した元社員を提訴しました。

アップルも、同じ中国メーカーに転職した元社員を機密データ漏洩で訴えています。

因みにテスラとアップル、どちらも訴えられた元社員は、小鵬汽車という会社に転職しています。同社は2014年の設立だが、急成長企業として知られます。

これまでは半導体や通信分野の対立が目立っていましたが、成長が見込まれる自動運転技術でも米国の警戒が一段と強まってきているようです。

MITもファーウェイやZTEとの協力を中止

アメリカのMITはファーウェイ、ZTEとの協力関係を打ち切る方針を決めました。

アメリカ政府がイラン制裁違反を理由にそれぞれ起訴したり制裁を科したりしたことを理由に挙げています。

MIT以外にも米中摩擦を背景に、中国企業との関係を見直すアメリカの大学が増えています。

MIT以外だと、既にスタンフォード大やカリフォルニア大バークレー校などがファーウェイからの寄付金受け入れを停止しています。

中国の通信3社の5G投資は今後数年で20兆円

中国通信大手3社による2019年の設備などの投資額が合計で4年ぶりに前年を上回ることが分かりました。

5Gに着手したためで、5G向けだけで投資額は5千億円規模。

これらの投資は今後数年で総額約20兆円に上る見通しです。

2019年3月

2019年3月 ヨーロッパの対中政策がよりシビアに

2019年3月22日、EU首脳会議後のマクロンフランス大統領は対中政策を軌道修正する考えを示しました。

これまでのように中国をお得意様と考えて一定程度好きなようにさせるのではなく、中国をライバルとしてヨーロッパ共通の戦略を持ち、しっかりとした競争戦略を持っていく事の意思の表れと思われます。

一枚岩でまとまっていく事が重要ですが、早速同じタイミングでイタリアのみ中国にすり寄るような態度を示したりと、前途は多難なようです。

国際特許出願数、中国の存在感増大

国際特許の分野でファーウェイの突出ぶりが際立っています。

世界知的所有権機関(WIPO)が3月19日に発表した2018年の特許の国際出願件数で、ファーウェイは2位の三菱電機の約2倍となり、他社を大きく引き離しました。

これで2014年から5年連続で中国企業が首位となっただけでなく、国別でも中国からの出願件数が全体の2割を占めました。

アメリカに肉薄し、米中2強が争う構図が鮮明になっています。

まさに中国製造2025が目指す世界に近づきつつあります。

EU、「中国は競合相手」 対中政策見直しへ

EUが対中戦略を変えようとしています。

2019年3月21~22日にブリュッセルで開く首脳会議で、中国の経済・政治的な影響力の拡大を受けた対中戦略の見直しを協議する予定です。

その中には5Gなど重要インフラへの中国勢の影響拡大に対する方針変更も含まれており、中国製造2025についても色々と修正が必要となるかもしれません。

ヨーロッパではドイツ、フランスを中心に、中国勢によるEU域内のインフラやハイテク産業への投資拡大を警戒する見方が強まっていますが、中東欧や南欧は中国の投資マネーに期待しています。

先日は、EU中核国の一角のイタリアも中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」を巡る覚書への署名を検討するなどしており、EUの足並みには乱れも目立っています。

今アメリカと物議を醸している5Gネットワークに関しては、EU共通のサイバーセキュリティー政策を構築するため、EU首脳会議と協議したうえで加盟国への「勧告」を提示すると表明しました。

中国にとっては、自国の影響力を拡大するうえでの前提条件がネガティブな意味で変わる可能性もあります。

アメリカは電源装置でも情報漏洩を懸念し、中国産製品を回避

台湾の電源部品大手、光宝科技(ライトン)がサーバー向け製品の台湾生産を強化しています。

背景はアメリカの顧客の間で中国に情報を抜き取られる懸念が強まっている事がありそうです。

これまではデータ処理を担う半導体などが情報漏洩につながるとして注目を集めてきましたが、電源装置のリスクにも影響が及んでいます。

サーバーには複雑な電源管理システムが搭載されており、特別なソフトを埋め込めば、情報を流出させる事は可能性として大いにあるようです。

こういった影響がどこまで及ぶか時々チェックしておくと良いでしょう。

2019年3月 EU、域外からの投資審査を厳格に

EUは2020年秋にも、中国など域外の企業による欧州企業の買収に対する審査を強める予定です。

これで初めてEUレベルでの審査の仕組みを導入した事になります。

ヨーロッパでも中国の膨張策への警戒感が強まっていることが背景にあると思われます。

これまでは加盟国ごとに審査制度を設けていたが、EUレベルでの枠組みはありませんでした。しかし、中国企業によるヨーロッパ企業の買収が増え、技術流出や安全保障の分野で独仏を中心に懸念が広がり、対応強化を求める声が広がっていました。

新制度では

  • ロボット
  • 人工知能、
  • エネルギー、
  • インフラ関連

などのEUにとって戦略上重要な産業分野での買収を対象とする予定です。

主に中国を念頭に置いていますが、制度上は欧州域外からの投資が対象となるため、グローバルに影響が起きえる新しいルールでしょう。

2019年2月

中国、アメリカ製半導体の輸入増で国内半導体産業の育成にハードル

中国は対米貿易摩擦問題で、アメリカからの半導体輸入を6年間で2000億ドルに拡大することを提案しました。

2017年に約60億ドルだった輸入額を、数年中に年平均330億ドルに増やすわけです。

これは国内で最先端半導体の生産を増やすという中国製造2025と相反するものと言えるでしょう。

中国は少し古めの半導体は大量生産していますが、最先端となるとメモリーチップ分野でアメリカに5年間遅れていると言われており、一部のプロセス技術など他の主要分野では15年間も後れをとっているとの話もあります。

共産党がどの様な修正案に基づきこの提案をしたのかはまだ分かりません。

アメリカの動きにより、中国の対5G投資は大幅損失の可能性

中国政府は既述の通り5Gの覇権争いに勝つため膨大な投資をし、国内企業を支援しているわけですが、アメリカによる華為(ファーウェイ)外しなどのネガティブキャンペーンにより、投資資金が回収できない羽目に陥る恐れがあります。

ファーウェイとZTE製デバイスの海外における比率は25%以上

ある金融機関の試算によると、ファーウェイやZTEといった中国系企業が作っている電子機器の海外におけるシェアは25%を超えているとされ、そのシェアを以てすれば、5G関連機器を中国製で固める事は簡単でした。

実際に中国の5G関連機器のコストは他の国のメーカーのそれよりも安く、技術にも定評があったのです。このため、このまま行けば、おそらく中国が5Gで天下を取っていたでしょう。

その動きを完全に断ち切ろうとしているのが今のアメリカです。

中国政府による5G関連の補助金回収は・・・

中国で、中国製5G技術が使われるのは当たり前だとして、他国でなかなか使ってもらえないとなるとどうなるか。

もちろん、5G関連の投資・補助金の回収を中国国内のマーケットから回収せざるを得ません。

それは投資としては失敗を意味します。大きな損失を出す事となるかもしれません。

2019年1月

ヨーロッパも華為(ファーウェイ)排除の動き

EUも、5G網から中国企業を排除する案を検討しているようです。

華為技術(ファーウェイ)の機器を事実上締め出すという事ですが、まだ流動的です。

具体的な動きとして、は欧州委員会が2016年のサイバーセキュリティー法を改正する案が浮上していて、その改正いかんではファーウェイの機器が使えなくなる可能性があるとの事です。

カナダのトルドー首相、駐中国大使を解任

カナダのトルドー首相は、ジョン・マッカラム駐中国大使を解任しました。

華為問題で中国との外交的対立が続く中で、マッカラム氏の発言が批判を招いていた為です。

首相官邸の声明によると、トルドー首相は25日にマッカラム大使に辞任を求め、大使から辞表を受理したとの事です。

マッカラム氏は米国が孟CFOの引き渡しをカナダに要請しても、孟CFOが裁判所で「強い主張」を行えるなどと発言していました。

その後失言を認め釈明しましたが、解任を求める声が過去1週間で強まっていました。

2019年1月28日 アメリカ、中国のファーウェイ(華為)を起訴

2019年1月28日、アメリカ司法省はイランとの違法な金融取引に関わった罪などでファーウェイと同社の孟晩舟CFOを起訴したと発表しました。

孟氏を逮捕したカナダに身柄の引き渡しを求めています。

ファーウェイは米通信会社から企業秘密を盗んだ罪でも起訴されています。

閣僚級の米中貿易摩擦協議を目前に控え、米中の対立が激しくなるのは必至です。ただ、協議直前の起訴は中国により大きな譲歩を迫る為の策だとの見方もあります。

ファーウェイ(華為)、5G向け半導体を独自開発

ファーウェイは、5G向けの半導体を独自開発したと発表しました。名前は「バロン5000」。

近く発売する5G対応のスマートフォンに搭載する予定との事で、アメリカ企業に技術で先行しシェア拡大を狙います。

米中の技術競争が激化し、足元で約5割の自給率を7割程度まで高めることを視野に入れています。

中国は金額ベースで世界の4割を占める最大の半導体市場ですが、まだまだ国内の自給率は1~2割に留まっているととみられ、どこまで自給率を上げられるかが問題となってきます。

ファーウェイ(華為)問題、安全保障関係者がより懸念

ファーウェイ問題は、アメリカの技術的な優勢云々もさることながら、軍事的・安全保障的な観点で論じる人たちの方が、より切実さを訴えている事が多いです。

ファーウェイのポーランド法人元幹部とポーランド情報機関の元幹部の逮捕を受け、ポーランドと米国の当局者は中国政府がポーランドで築き上げてきた連携網を調査しています。

ポーランドはNATOの東側境界線に位置する戦略的に重要な国ですが、逮捕された男はファーウェイの社員という肩書で軍事スパイの役割も果たしていたとの容疑がかかっています。

また、カナダの元情報機関トップであるリチャード・ファデン氏も、セキュリティーリスクが甚大としてファーウェイ5G製品を排除すべきとの考えを示しました。

また中国がファーウェイを防衛するため拘束中のカナダ人らを死刑に処する可能性に触れ、「中国共産党がカナダの重要な通信網に自由にアクセスしていたらどう対処するのか」と警告しました。

2019年1月 中国の半導体などのハイテク製品に関する生産が急減

中国でハイテク製品の生産が急減しているようです。

例えば日本からの半導体製造装置の輸出は2018年12月に前年同月比34%減、韓国からの半導体輸出も減少が鮮明です。

米中貿易摩擦などの影響でしょうか。

一番分かりやすいスマホについては確かに飽和状態になっているし、複合的な要因が重なって、今回の生産急減となっていると思われますが、マーケットが大きいだけに、影響も世界のあらゆるところに及んでしまいます。

2019年1月22日 中国製造2025は順調に進展-米報告書

2019年1月28日の週から始まる米中貿易交渉を前に、米商工会議所と在中国米商工会議所が中国のハイテク政策の推進状況を詳しく記した報告書をまとめ、その中で、改めて中国の野心的な計画が幅広く実行されていると指摘しました。

ファーウェイCFOの引き渡しやこのレポート提出など、交渉を前に色々と難しい材料が出ています。

2019年1月21日 アメリカ、ファーウェイ副会長の引き渡しを正式に要請

2019年1月21日、カナダがアメリカの要請に基づいて逮捕したファーウェイの副会長について、アメリカ政府がカナダに身柄引き渡しを正式要請する方針を固めたとの報道がありました。

中国はもちろん反発。アメリカの行動によっては対抗措置を取る事をにおわせました。

2019年1月17日 中国、カナダのファーウェイ排除に警告 5G技術や半導体で

中国の盧沙野・駐カナダ大使は、カナダ政府が次世代高速通信「5G」ネットワークに技術提供する企業から中国のファーウェイを排除した場合、何らかの影響があると警告しました。

一方、カナダは当該通信技術に関するセキュリティー検証を行っている最中で、ファーウェイの利用を制限するかどうかの決定はまだ行っていないとのコメントを出しています。

ファーウェイ創業者、自社製品排除に危機感

ファーウェイを創業した任正非氏(74)が、日本のメディアに登場し、各国で出ているファーウェイ製品排除の動きに危機感を示しました。

低価格と品質を武器に世界トップに躍り出たファーウェイにとって、成長が止まることへの危機感は強く、同社製品関する様々な安全保障上の疑惑を全面否定しました。

任氏はめったにメディアに登場しないことで知られるようですが、今はそうも言ってられないと判断したのでしょう、立て続けに欧米や中国メディアの取材に応じ、疑惑払しょくに努めているようです。

同氏は、中国共産党から求められても、顧客企業にとって不利になるようなことは拒否する、と言明しています。

アメリカ当局がファーウェイを捜査

アメリカ政府がファーウェイを米企業の企業秘密を盗んだ疑いで本格捜査しているとの報道がありました。

近日中に起訴する可能性もあるらしく、米当局は2014年に米携帯3位のTモバイルUSがファーウェイに企業秘密を盗まれたと主張して民事訴訟を起こした案件に高い関心を寄せているという事です。

ファーウェイが盗んだとされるのは、Tモバイルが独自開発した携帯端末の品質管理ロボット「タッピー」に関連するものとされています。

ボーダフォンもファーウェイ端末の購入を停止

契約者数で世界携帯電話サービス業界2位の英ボーダフォン・グループが、欧州全域に展開する次世代高速モバイル通信規格「5G」の中核設備にファーウェイ製品の利用を見合わせると表明しました。

5Gを展開する地域でファーウェイ製品を禁止する政府があるかが不透明なため、との事です。

ヨーロッパでも「ファーウェイ外し」が加速か

2019年1月現現在、欧州では、「ファーウェイ外し」でアメリカやその同盟諸国に足並みをそろえるべきかどうか、議論がヒートアップしています。

懸念されるのは、中国の国家情報法です。この法律は中国の「機関や市民が、同法に従って、国家の情報活動を支援し、協力する」ことを義務付けたものです。

ポーランド政府は、国家安全保障上の観点から公的機関でのファーウェイ製品の使用を禁止する可能性が出ていると、同国の高官は語っています。

EU高官は、域内の産業や安全にもたらすリスクのため、加盟国はファーウェイや他の中国テクノロジー企業を懸念すべきだと語っています。

ドイツやノルウェー安は全保障上の観点から同問題を議論していますが、まだ結論は出ていません。

フランスはセキュリティ上の懸念から、ファーウェイ製の5Gネットワークは使わないと決定しています。

2019年1月14日 中国の裁判所がカナダ人に死刑判決 ファーウェイ問題で圧力か

中国の裁判所が、覚醒剤密輸の罪に問われたカナダ人の男に死刑を言い渡しました。

ファーウェイ問題で、中国が対カナダで圧力をかけているとの受け取り方がなされていて、中国とカナダの緊張は、いっそう高まりそうです。

カナダのトルドー首相は、2019年1月14日、集まった記者団に対し「カナダにとって大きな懸案であるだけでなく、国際社会や同盟国にとっても重大な問題だ」と語りました。

カナダが逮捕したファーウェイのCFOをアメリカに引き渡すかについては、まだ結論は出ていません。

華為、アメリカにおける新たな課題 現地開発の技術を中国で使えず

ファーウェイがアメリカで新たな課題に直面しているようです。

ファーウェイの米国部門で開発した技術を中国に持ち込む事が、昨今の米中貿易摩擦の影響で難しくなっているのです。

同社シリコンバレーの研究開発部門フューチャーウェイは、アメリカ商務省がフューチャーウェイの輸出免許を更新しない方針を示したため、中国本国への一部技術の移転が禁じられました。

今後、こういった事例が他の中国企業で増えてくるかもしれません。

2019年1月12日 ファーウェイ、ポーランドで逮捕された社員を解雇

2019年1がつ12日、ファーウェイは、ポーランド当局にスパイ容疑で逮捕された社員を解雇したと発表しました。

逮捕された社員について「疑いが持たれている行動は当社と関係はない」と説明していて、「世界での当社の評判を落とした」ことを解雇の理由としました。

逮捕された翌日にすぐ解雇となって、幕引きを早く図りたいという事でしょうか。

2019年1月11日 ポーランドでファーウェイ社員が逮捕

ポーランド当局がファーウェイの中国人幹部ら2人をスパイ容疑で逮捕したとの報道が2019年1月11日にありました。

アメリカなどの西側諸国がファーウェイの活動への疑念を一段と強め、中国との新たな火種になる可能性もあります。

ポーランドでは保守政党の「法と正義」が政権を握っていますが、伝統的にロシアに対する警戒が強く、安全保障を中心にアメリカとの関係が強い国です。

これまでもポーランドはトランプ政権寄りの姿勢を示してきましたが、裏にアメリカがいるかどうかの報道は今の所見当たりません。

中国、カナダ人13人を拘束 ファーウェイ問題で

2019年1月3日、カナダ政府はファーウェイ幹部を米国の要請に基づいて逮捕して以降、13人のカナダ人が中国当局に拘束されたと明らかにしました。

ただ、このうち少なくとも8人は解放されたようです。

引き続き水面下で米加と中国の間で綱引きが行われているようです。

2019年1月 台湾企業も技術協力を縮小

台湾大手の聯華電子(UMC)が中国への技術協力を大幅に縮小することが分かりました。

アメリカが産業スパイの罪で同社と中国側企業を起訴し、同事業への製造装置の輸出も規制したためです。

中国側では台湾の先進技術への期待が大きく、事業の先行きに暗雲が漂っています。

米中摩擦の影響は中台間で進行していた実際の事業にも及ぶ形となりました。

ハイテク産業や金融などの先進的サービスの育成を急ぐ中国は、あらゆる先端機器の制御を担う半導体を最も重視しており、その技術に関する台湾への期待もかなり大きいものでした。

その半導体で海外からの技術導入を制限されることの打撃は大きいかもしれません。

2018年12月

アメリカ、アジア諸国と軍事協力推進

2018年12月31日、アメリカはアジア諸国との安全保障や経済面での包括的な協力強化を盛り込んだ「アジア再保証推進法」が成立しました。

台湾への防衛装備品の売却推進や南シナ海での航行の自由作戦の定期的な実行を明記し、中国をけん制する狙いです。

これは一義的には安全保障の法案ですが、軍事技術の協力や共同研究などを含むと見られ、ハイテク分野の様々な協力をアジアとしていくという観点で、中国の製造業2025や一帯一路構想への対抗策の一部と見ることが出来ます。

中国版GPSの運用開始でアメリカの警戒更に

2018年12月27日、中国政府は中国版全地球測位システム(GPS)「北斗」が完成し、同日から全世界を対象に運用を始めたと発表しました。

宇宙開発も「中国製造2025」の重点分野の一つで、自動運転やネット通信などのハイテク産業の基盤となる独自インフラを整えたことにより、中国による技術覇権へのトランプ米政権の警戒が一段と高まりそうです。

先端技術研究、8割で中国が首位

日経新聞の報道によると、最先端技術の研究で中国の存在感が際立っている事が分かりました。

日済新聞等の調査によれば、EVやロボットなど新産業の要となる電池や新材料の論文数を国別でみると上位30テーマのうち中国が23でトップに立っていて、アメリカの首位は7つにとどまったとの事です。

中国が上位を独占した背景にはもちろん科学技術研究の強化があって、その研究費は45兆円と10年前の3.4倍に達しているそうです。

そしてこのブログのテーマでもある「中国製造2025」というハイテク産業の育成策を掲げて製造業の底上げも図っています。

中国はこれまで論文数や研究者は多いが質が伴っていないと皮肉られてきましたが、最近は質も高まってきた事の一つの証拠でしょう。

アメリカ、ファーウェイやZTE製品の企業の使用禁止を検討

トランプ大統領は米国企業に対し、安全保障上重大な脅威となる外国メーカーの通信機器の使用を禁じる大統領令を出す検討に入りました。

もちろん、ファーウェイとZTEの社名は明示していませんが、実質的には2社の機器を米市場から閉め出す狙いがあるものとみられます。

この大統領令について、アメリカ政府は8カ月以上前から検討してきましたが、実際に発令されると、民間企業による中国ハイテク製品の排除も加速する可能性があります。

オーストラリア、ファーウェイ排除は「客観的な基準に基づく」

オーストラリアの高官が日本のメディアのインタビューに答え、オーストラリアが5Gネットワークからファーウェイ製を排除した件についえ、法律に基づいた客観的な判断であることを強調しました。

同高官は5Gがもたらす新たな技術革新の波は、3Gや4Gとは決定的に違うとして、5Gがあらゆるモノがネットにつながる「IoT」や自動運転、スマートシティーなどを可能にする通信技術であり、社会インフラがネットワークでつながる事で、従来とは次元の違うセキュリティ対応が必要だと強調しました。

今回のファーウェイ排除については、中国当局とも協議したとしています。

その際に今回の決定が客観的な基準に基づいており、特定の国を対象としていないことを確認したものの、中国は反発し、豪中関係悪化のリスクは未だ消えてはいません。

同高官は豪中関係を強化し、深化させたいとしながら、どの様に外交面でバランスをとるのか独自の判断を下す必要があると明言しました。

鴻海・シャープが中国で半導体工場建設 地元政府が全面支援

台湾の鴻海精密工業と子会社のシャープが、中国に最新鋭の半導体工場を新設する方向で地元政府と最終調整に入ったようです。

総事業費は1兆円規模になる可能性がありますが、広東省珠海市が全面バックアップしているようです。

中国は外資に頼る半導体の国産化を強力に進めており、新工場も多額の補助金などで誘致しています。

貿易戦争を繰り広げるアメリカも注目していると思われます。

特に本件は、シャープが深く関与します。鴻海グループで半導体を製造するのはシャープだけだからです。そのシャープは元々日本の会社。日米のTAG交渉にも影響があったりするのでしょうか。

この動きにはやはり中国の思いがにじんでいます。

中国では半導体を巡り次々と1兆円規模の投資計画が浮上し、製造装置業界は需要増に沸いています。

実際、中国の装置市場の規模はすでに日本を越え世界3位に浮上しており、18年には台湾を抜き世界2位に、19年には首位の韓国に接近すると予測されています。

ただ、技術という意味では同分野では日本や米国メーカーが強く、中国企業は育っていないのが現状です。中国としては早くそこに追いつき、ZTEで起きたような事が二度とないようにしたいわけです。

シャープが自身の持つ半導体技術を中国に垂れ流しにしたりすると、日米の外交問題に発展しかねません。

中国の圧力がカナダを翻弄

華為問題で、中国がカナダに対し様々な手段で圧力を強めているようです。

カナダ人の拘束や主力産品への貿易制限、不買運動など、ファーウェイ問題と直接関係のない案件ばかりで、カナダは対応に苦慮しています。

これらは「非対称戦術」や「複合戦術」などと呼ばれる中国に特徴的なやり方で、日本や韓国など米国に歩調を合わせる同盟国にも不安を広げています。

中国が世界で力を持つとどうなってしまうかという事が少し垣間見えてしまう事象ですね。

中国は他国と外交問題が発生すると直接関係のない問題で圧力をかけることが少なくありません。

例えば韓国が2017年に地上配備型ミサイル迎撃システムの在韓米軍への配備を受け入れると、消防点検などの名目で韓国大手スーパー「ロッテマート」の中国国内店舗を次々と営業停止にしましたし、2012年には南シナ海問題で対立したフィリピンに対し、バナナの輸入を制限しました。

更に、2010年に起きた尖閣諸島問題の際は、日本人会社員4人が拘束され、先端技術に欠かせないレアアースの日本向け輸出も滞りました。

本件については、中国はアメリカに対して色々と行うのが筋なのでしょうが、米中貿易戦争の協議を控えて関係悪化を避けたいため、カナダに矛先を向けているものと思われます。

華為問題でサプライチェーンに変化

世界各国、特に西側諸国でファーウェイ製品が締め出しにあおうとしている中で、色々な変化が起きつつあります。

同社は通信基地局で世界シェア首位、スマートフォンで2位なので、半導体だけで年間調達額は1.5兆円を超え、日本企業からも5千億円規模の部品を買っています。

「ファーウェイ排除」の動きが進めば、サプライチェーンを担う日本や米国の企業にも打撃となるわけです。

2017年のファーウェイの調達額は半導体だけで140億ドルに達し、その多くがクアルコムやインテル等、米企業からの調達です。

同社の日本での調達額は約5千億円。

一部サプライヤーには、2020年までに日本での調達額を2倍に引き上げる計画を示していますが、今回の締め出しが強化されれば幅広い産業に影響するでしょう。

華為、安全性対策に2200億円投資

ファーウェイの胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は、メディアのインタビューで安全保障上の懸念から欧米や日本で同社製品を締め出す動きが広がっていることについて「証拠がない」と反論しました。

その一方で、次世代通信規格「5G」時代をにらみ、5年間でサイバーセキュリティー分野に20億ドルを投資する用意があると話しました。

CFO逮捕については既に司法プロセスに入ったという事でコメントを控えました。

2018年12月 ファーウェイの対米戦略は法廷闘争を軸に

華為技術(ファーウェイ)は、国家安全保障上の脅威として米政府から度重なる攻撃を受ける中、米政府との対話から法廷での争いへと対米戦略を見直したようです。

ファーウェイは、アメリカ政府による締め付けが厳しくなった2018年4月、アメリカ議会や政府機関への働きかけを担当していた米国スタッフ4人を解雇した一方で、米法律事務所ジョーンズ・デイ、モルガン・ルイス・アンド・バッキアスの2社を起用し、米国での訴訟に備える方向へとかじを切りました。

もちろんその方針転換に中国政府・共産党も色々とアドバイスしているでしょう。

米中のハイテク戦争が今後どの様に動いていくか、法廷闘争の行方も注目すると良いでしょう。

2018年12月13日 中国製造2025推進を抑制??

中国が、中国製造2025戦略推進の手綱を緩めつつあるようです。

同戦略に基づき技術獲得に向けあからさまな政府助成が行われていることなどに欧米は警戒感を示しているのはこのブログでも散々言及していますが、米中が通商協議を進める中、アメリカの苛立ちの根源ともなっていると思われます。

中国国務院は地方政府に対するガイダンスで、中国製造2025戦略を推進した地方政府を優先的に支援すると明記していましたが、ここにきて新たに発表された新たなガイダンスから、同戦略に関する文言が削除されています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国が同戦略を外国企業により多くのアクセスを提供する新たなプログラムに置き換えることを計画していると報道しています。

それによれば中国は同戦略の代替となる、外国企業の参入に開放的な戦略の策定を進めているとし、新たな戦略は米中が通商協議を加速化させると見られる来年初旬に発表される見通しであるとしています。

アメリカ、米中貿易戦争休戦でもハイテク輸出制限の意向

アメリカは、米中貿易戦争の休戦中でも高度技術の輸出制限を強化する計画を推進しているようです。

一部のアメリカ企業はこうした規制強化が研究開発への打撃になりかねないとむしろ懸念しています。

ホワイトハウスは米国が中国に対する技術面でのリードを保つための長期戦略に着手しており、アメリカ商務省は、国家安全保障に関わる先端技術のリストを示すとともに、そうした技術を厳格な輸出規制の対象とすべきかについて意見公募をしています。

この結果を受けて、どの程度アメリカのハイテク技術の輸出規制を行うか決めると思われます。

2018年12月11日 ファーウェイCFOの保釈を決定

2018年12月11日、カナダの裁判所はファーウェイCFOの保釈を決定しました。

但し、いくつか条件が付されています。

まず保釈金は1000万カナダドル(750万米ドル)で、保釈後もカナダ国内にとどまり、外出時には電子監視の対象となります。また、午後11時から午前6時までの外出も禁止されます。

アメリカへの身柄引き渡しについては、カナダの裁判所が妥当と判断した場合、カナダの法相が身柄引き渡しの是非を決定するようです。

その場合、同CFOは複数の金融機関に対する詐欺行為の共謀罪で裁かれることになる予定で、有罪となれば、1つの罪につき最長30年の禁錮刑が言い渡される可能性があります。

アメリカとしてはこのネタを使って司法取引をし、何か次の一手を打ってくるのでしょうか。

2018年12月10日 ファーウェイ問題につてカナダの裁判所は判断持越し

2018年12がつ10日、カナダの裁判所は同国で逮捕されたファーウェイの孟晩舟CFOの保釈の可否を巡る審問を開きましたが、判断を示すことなく休廷しました。

カナダもNAFTAでアメリカに痛い目にあわされ、また中国からの報復も気を付けなければならないという事もあって、政治的に色々と策を練ったりしているのでしょうか。

2018年12月 日本も5Gから中国製品を排除

日本の携帯電話会社も、次世代通信「5G」の基地局などに中国製品を使わない方針を固めました。

もちろん、日本政府が安全保障上の懸念から、中国製の通信機器を政府調達から事実上、排除する指針をまとめたことを受けたものです。

米国政府による中国製通信機器排除の圧力が日本企業にも影響を及ぼしています。

2018年12月 中国ハイテク企業の排除、世界規模で

2018年12月初頭に起こったファーウェイの最高幹部逮捕は、アメリカによる中国ハイテク企業への強硬姿勢を裏付けたものです。

安全保障上のリスクが高いという理由で、アメリカ政府は2020年8月からファーウェイなど中国ハイテク企業の製品を使用しているだけで米政府との取引禁止の方針を打ち出します。

市場からの排除の動きが進めば企業のサプライチェーンにも影響を及ぼす可能性がありますし、習近平肝いりの中国製造2025も様々な所で方針変更を余儀なくされる可能性があります。

米中貿易戦争とハイテク排除はアメリカ側の一つの方針によって推進されているようです。

アメリカ側の強硬姿勢を支えるNDAA2019

アメリカの強硬姿勢を支えているのは2018年8月に可決された「2019年度米国防権限法(NDAA2019)」です。

安全保障上の理由から5社などへの締め付けを大幅に強化する条項を盛り込み、8月13日にトランプ大統領が署名し成立しました。

5社というのは、中国のハイテク産業を代表する企業であるファーウェイ、ZTE、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ)です。

アメリカ側としてはこうした動きを以下に世界全体に広めていくか考えている所でしょう。

2018年12月5日 ファーウェイのCFO、逮捕される

カナダでファーウェイのCFOが逮捕されました。

対イラン制裁違反疑惑を巡るアメリカの要請に基づく措置のようです。

逮捕されたのは孟晩舟・最高財務責任者で、12月1日にバンクーバーで身柄を確保されたようです。

今後米中協議の中で交渉材料となる、または外交問題になるかもしれません。

今カナダが中国と勧めようとしているFTA交渉も影響を受ける可能性があります。

2018年12月 中国製造2025は今後の議題とならず

G20時に行われた米中協議は、追加関税の発動を90日間保留するという形でひとまず終わりましたが、今後米中で協議していく議題の中に、トランプ政権が強く求めていた中国製造2025の見直しが入っていない事が分かりました。

アメリカの対中強硬派には撤回を求める声が根強くあり、今後の協議で火種となる可能性もあります。

ここは中国政府のメンツの問題でしょう。仮にアメリカが中国製造2025をやめさせたとしても、中国は秘密裏に中国製造2025と同じことが出来るでしょうし。

2018年12月 特許出願件数、中国が7年連続首位

2018年12月3日に、世界知的所有権機関(WIPO)が2017年の特許出願件数が過去最高の317万件になったと発表しましたが、出願の受け付け国では中国が138万件と全体の約4割を占め、7年連続で首位になりました。知財の質もあるでしょうから一概に中国が凄いというわけではありませんが、それでもやはり、一定程度知財の世界では中国がけん引する形でアジアの勢いが増している事が改めて示されたわけです。

特に最近は人工知能(AI)や自動運転など新技術の開発競争が激しくなり、各国の研究者や企業が出願を急いでいる為、件数も増加しています。

中国での出願は電子機器やコンピューター技術、デジタル情報通信の分野が目立ち、ファーウェイやZTEをはじめとしたハイテク企業が大幅に出願を増やしています。

因みに、特許出願件数が2位となったのはアメリカで61万件、3位は日本(32万件)、4位は韓国(20万件)でした。

2018年11月

2018年11月30日 当局がEVデータの提供を義務付け

中国当局が自動車メーカーから、電気自動車など新エネルギー車の位置や電池使用などリアルタイムの車両情報の提供を受けているとの報道がありました。

次世代自動車は中国製造2025の重点分野ですが、データが競争力を左右する自動運転時代の到来に備え、国家をあげたビッグデータ収集で日米欧を猛追する姿が改めて浮き彫りになりました。

ただ、個人情報保護の面から国際的な論議を呼ぶ可能性もあります。

車両情報は車の電池やモーター、ハンドル、アクセル、ブレーキなどを統合的に制御する部分から、各種操作や電池使用の状況などを常時送信するしくみになっているようですが、それらが蓄積した60種類以上の情報を提供しているとされ、走行位置も把握できるようです。

次世代車を製造販売している企業すべてがこの規定の順守を義務づけられていて、北京で全国のデータがまとめられ、中国当局によって保存されるそうです。

中国政府は次世代車をいち早く普及させるため販売価格の最大6割に達する補助金を支給していて、中国はEVで世界最大市場となっています。

車両情報の提供が義務づけられた2017年7月から18年10月までに100万台以上の次世代車が販売されており、中国側の膨大なデータ収集につながったとみられます。

この膨大なデータを使って中国は自動運転で欧米に追いつこうとしているのだと思われます。

自動運転の普及は国家プロジェクトで、例えば中国ネット大手の百度(バイドゥ)が進める自動運転技術の開発についても、中国当局は国家プロジェクトと認定しています。

2018年11月28日 NZもファーウェイの5G技術を却下

ニュージーランド政府が次世代通信規格「5G」について、ファーウェイの技術を使う計画を却下したことが分かりました。

アメリカが安全保障上の懸念から同盟国に中国企業の5G技術をプラットフォームとして使わないように要請しているとの事ですが、これもその結果でしょう。

オーストラリアも既に8月、同様の決定を行っています。

2018年11月 5G覇権をめぐって中国企業が積極攻勢

ファーウェイやZTEなどの中国企業が、5G技術の普及で攻勢を強めています。

ファーウェイは既に世界66カ国150社以上と実証実験を進め、来年に5G対応のスマホを発売する予定です。

既述の通り、警戒感を強めるアメリカは同盟国に中国技術の不使用を求め、対抗策に打って出ていますが、中国企業も5Gに優位な通信規格と低価格品を武器に勢力拡大を着々と進めています。

2019年は5G元年

2019年は5G元年で、ファーウェイは対応スマホを2019年6月、ZTEは2019年7~9月に発売する予定です。アメリカおモトローラがベライゾン・コミュニケーションズと組み2019年初め、LG電子がスプリントと組んで2019年前半に5Gスマホを発売する予定です。

5Gでは中国勢が有利との見方

ただ、現状は中国勢が有利とみられているようです。

まず通信インフラについてですが、中国の通信大手が基地局など5Gの通信網整備を急ピッチで進めていて、その投資額は2020年までの5年間で、4000億ドルが見込まれています。

中国の5Gの基地局数は既に35万件で米国の10倍超に達しています。

2025年には中国の5Gの契約数は4億3千万件に達する見通しで、アメリカの約2.3倍。既に圧倒的な差が出来つつあるのです。

中国は海外市場の開拓にも勢いがあります。

ファーウェイは現時点で既に世界66カ国に向け1万件を超える基地局の部品などを出荷しており、ZTEもオランダの通信大手KPNと5Gの実証実験を始めています。

しかも、欧州などの競合と比べ5分の1程度の低価格です。

通信規格の面では、中国企業が採用する「TDD」方式と、欧米勢が採用する「FDD」方式に大別されますが、5Gにおいては、FDDよりもTDDの方がスピードも速く、主流になる見通しです。

アメリカによる中国企業の締め出しは奏功するのか

アメリカは焦り、中国企業の排除を同盟国に言って回っていますが、あまり現実的ではないとの指摘もあるようです。

というのも、5G対応のノウハウを既に蓄積した中国企業を締め出せば、5Gのインフラ整備を各国が自前で行う必要が出てきて、整備に後れをとる可能性がある為です。

ただ、安全保障面からの懸念もある為、どの様に各国が対応するかはまだ不透明な所が多いのも現状です。

アメリカ、ファーウェイ製品の不使用を同盟国に要請

2018年11月22日、アメリカ政府が日本を含む同盟国に対し、ファーウェイの製品を使わないように求める説得工作を始めたとの報道がありました。

中国政府の影響下にある同社の製品が、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムなど、同盟国の重要インフラで普及した場合、不正な通信傍受や意図的な遮断など安全保障上の脅威にさらされかねないとのアメリカ側の懸念が背景にあると思われます。

5Gのインフラ支配は製造業2025にとっても大切です。

どの様な顛末となるか、注視が必要です。

ファーウェイのアップル越えは??

スマホ世界2位の中国・華為技術(ファーウェイ)がアップル越えで足場を固めようとしています。

2018年4~6月期に米アップルを抜き、7~9月期も2位を維持しました。

ただ、米中貿易摩擦でアメリカ市場に本格参入するめどは立っておらず、すぐに死海明瞭というわけではなさそうです。

世界のスマホ市場で、ファーウェイは既に「3強」としての地歩を固めています。

2018年4~6月期にファーウェイのシェアが15.8%とアップル(12.1%)を抜き、初の2位となり、韓国サムスン電子とアップルの「2強」に割って入った形です。

ヨーロッパでも攻勢をかけています。

2018年4~6月期はサムスンとアップルがシェアを落とす一方、ファーウェイは旗艦モデルの「P20」がけん引したことでシェアを11ポイント伸ばしました。

半導体チップの開発を加速

ファーウェイが水面下で注力するのが独自の半導体チップの開発です。アメリカ企業の製品の供給が途絶えるリスクの回避が狙いです。

スマホの心臓部であるチップの製造はクアルコムなどアメリカ勢やサムスンに限られてきました。

そのリスクはアメリカ商務省が2018年4月中旬、アメリカ企業に対しZTEとの取引禁止を決めたことで顕在化しました。

ZTEはアメリカの企業からの半導体供給が止まり、スマホなどを生産できなくなったのです。

詳細は↓をご参考。

ZTE問題についてのまとめ

2012年にはすでに傘下の半導体設計メーカー、海思半導体(ハイシリコン)がチップセットを開発しています。

そして2018年10月にはAIなど向けの高性能な半導体チップの量産を始めると発表しました。

懸案のアメリカ市場はAT&Tとの契約をテコに本格参入する計画でしたが、2018年1月に「アメリカ側の事情」で断念しました。

アメリカ側がスマホからの情報漏洩リスクを危惧したことが原因とみられています。

いずれにせよ、ファーウェイの動きは製造業2025にとって大切なもので、今後の動きが注目されます。

ドイツも5G 通信インフラで中国企業を除外?

ドイツ政府が、次世代高速通信「5G」のインフラ構築に当たって華為技術(ファーウェイ)といった中国企業の除外の検討しているようです。

国家の安全保障に関わるとの見方からで、オーストラリアや米国が同様の対応を決定していることも背景にあるでしょう。

ドイツは2019年の早い時期に5G関連の入札を実施する見通しですが、中国企業の除外がうまくいくかどうかは不透明だとしています。

中心的に動いているのはアメリカやオーストラリア政府との関係が強い外務省や内務省で、米豪と懸念を共有しているとみられます。

家電メーカーが半導体事業への進出を強化

中国のインターネット・家電大手が相次いで半導体事業に参入しています。

百度(バイドゥ)は人工知能(AI)向けの開発を進め、珠海格力電器はエアコン向けを内製化します。

アメリカとの貿易摩擦により、中国企業では先端機器に不可欠な半導体確保への不安が高まっており、習近平も技術の海外依存を減らす「自力更生」の方針を掲げていたりしています。

アリババも参入を表明しています。

アメリカが2018年4月中旬、アメリカ企業に対し、中国通信機器大手のZTEとの取引禁止を決めた直後のことです。

ZTEは米企業からの半導体供給が一時停止し、スマートフォンなどを生産できなくなりました。

エアコン大手の格力も2018年8月に10億元(約160億円)を投じて半導体の全額出資会社を設立し、本格的な開発に乗り出しました。

エアコンの制御部分向けなどの半導体の研究を手掛けていたのですが、これまで大きな成果は出ていなかったようです。

しかし、ZTEの問題に触発され、核心技術を掌握しなければならないと考え、積極投資を行う旨を発表したのです。半導体子会社の新設に踏み切り、当初は設計に集中するようですが、生産も視野に入れています。

家電大手の康佳集団(コンカ)も2018年5月に半導体科技事業部を新設しています。

買収も検討し、5年から10年内に100億元の売上高をめざすようです。

情報通信機器分野ではファーウェイが2018年10月にAIなど向けの高性能な半導体チップの量産を始めると発表しました。徐直軍(エリック・シュー)輪番会長は、チップの計算能力は世界一でエヌビディアをも上回ると強調しています。

中国の力を削ぐための半導体関連の制裁だったわけですが、長い目で見ると中国の国力強化につながり、結果的に中国の産業支配と経済支配を促進してしまう可能性もはらんでいる事をしっかり注視していかなければならないでしょう。