2018年10月28日にボルソナロ氏がブラジルの次期大統領になる事が決定しました。
彼は極右とか、決選投票で戦ったアダジ氏よりは市場寄りだとか色々言われていますが、今後どういった政策を出していくかはまだ分かりません。
新興国に投資をするとき、政治が安定しているというのはかなり大切ですよね。
そこで、この記事では、ボルソナロ氏が実行していく政策について時系列でまとめてみようと思います。
2019年1月以降の同政権の経済政策を網羅的にご確認されたい場合は以下をご参考ください。
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ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ
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ブラジルレアルやブラジル株投資家、ボルソナロ政権の政策に要注目
ブラジルレアルに投資をしている日本人は沢山いますが、多くの人は実感を伴って理解できると思います。
新興国はどこもそうですが、政治と政治家に左右されることがとても多いのです。
最近の世界的な傾向かもしれませんが、ポピュリズムに走る政治家が多く、政治家の資質や行動を可能な限りモニタリングしていないと、必ずその国への投資は失敗します。
このブログではそうしたポイントから、ボルソナロ政権の政策とその遂行状況に絞ってまとめていくものです。
選挙期間中に掲げていたボルソナロ氏の経済政策おさらい
選挙期間中にボルソナロ氏が掲げていた政策を簡単におさらいします。
もちろん、彼は経済政策の公約をいくつか掲げています。
- ブラジル中央銀行の政策運営上の独立性の維持
- 財政改革の推進(財政健全化、税制簡素化、税負担軽減)
- 国営企業の民営化の積極推進
- 省庁数削減による政府部門の運営効率化
- 緩やかな年金改革の推進
という感じです。
国民的人気者だったルラ氏に比べるとかなり市場寄りであることは確かでしょう。
invstem.com
中央銀行の独立維持について付言するなら、現在のゴールドファイン総裁の職務継続も謳っています。
しかし、経済政策以外では物議を醸しそうなものもあります。
例えば、
- 男女間の給与格差の擁護(男女差別の許容?)
- 元軍人の閣僚への積極的な登用(軍の影響力増大を懸念)
- 治安対策での全国民への武器所有の認可(武器を持つことで逆に治安悪化しないかという恐れ)
等です。
省庁削減には、スーパー大臣を指名
ボルソナロ氏はテメル現政権の構造改革路線を基本的に引き継ぎます。
「小さな政府」を目指し省庁の削減と公務員の数を減らすわけですが、省庁をまたぐ種々の問題については、各大臣よりも大きな権限を持つ「スーパー大臣」が統括します。
これは省庁にまたがる問題を統括しまとめていく大臣です。
ボルソナロ政権の経済政策 キーワード
スーパー大臣
省庁削減など、それぞれの省庁だけではさばけない案件を、大臣より偉い「スーパー大臣」が差配して円滑に改革を進めていく為に設置されています。
ただ、どこまでうまくいくかは未知数な所があるでしょう。
財政改革
前政権のテメル氏の路線を基本的に引き継ぐ予定です。
マーケット関係者にとってはとてもポジティブな内容ですが、まだ達成度合いは未知数です。
年金改革
財政核の一環としての年金改革です。
これはボルソナロ政権は一番最初に着手すると思われる本格的な改革の一つですので、手腕がどの程度あるか等、色々な部分で注目されます。
ボルソナロ政権による年金改革が実現すれば、コスト削減は10年間で1兆レアル
ボルソナロ政権の当初案がもし通れば、それだけで10年間で1兆レアル(2019年3月時点で32兆円)程度のコスト削減が実現できます。
これはテメル政権の当初案(8,000億レアル)よりも更に高いものです。
ブラジルの年金改革は憲法改正が必要
ブラジルの年金改革には憲法改正が必要になります。
これは、上院、下院共に6割の賛成が必要となります。
国営企業の民営化
ボルソナロ政権では主に以下の民営化が計画されてます。
- インフラ運営件の入札
- 5大国営企業の民営化、資産売却、経営合理化
- 中堅国営企業の民営化、経営合理化
- 政府が保有する不動産の売却
国営企業の民営化や資産売却の規模としては、3000~5000億レアルと言われたりしていますので、かなり巨大です。
インフラとは港、高速道路、空港を言っています。
議会では過半数割れ
ボルソナロ氏が所属する社会自由党(PSL)は他党からの移籍を受け下院(定数513)では55議席となっていて、最大野党労働党と並ぶ第1党となりましたが、過半数はほど遠い状況です。
上院(同81)では4議席にすぎません。
従って、法案を通すためには様々な政党と協力する必要があるわけですが、どこまでそれが上手くいくかは未知数なのです。
上下両院のそれぞれで約4割の議員が「協力政党」としてPSL支持の意向を示すものの、よく分かりません。
軍人の支持層
ボルソナロ氏を主に支持しているのは軍人や軍人OBです。
彼らはいわばボルソナロ政権側の身内なわけですが、彼らだけを特別視すると一気に人心は離れるでしょう。そうすると、ただでさえ議会内で少数派のボルソナロ氏一派なので何もできなくなってしまいます。
ボルソナロ大統領の支持率
ボルソナロ政権の改革を進める上で国民からの支持は欠かせません。
しかし、不支持率が支持率を上回る状況が続くなど、決して好調というわけではありません。
特に与党内では大統領の息子達が幅を利かせたり、身内重用も目立っていて、こうした行動が支持率低下に拍車をかける可能性があります。
ブラジルの大統領は、スキャンダルで常に世間から見放され、下野する事が多かったこともあり、この問題に継続的に注意していく必要があると思われます。
2021年2月
国営石油の人事に介入
ボルソナロ大統領がブラジル最大の企業である国営石油会社ペトロブラスの人事に介入し、同社の株価や通貨レアルが売られています。
ボルソナロ氏は、ワクチン確保に手間取った結果、支持率が急低下し、これを挽回しようとしていました。
こうした中、ペトロブラスはレアル安や国際原油価格の底入れを理由に燃料価格の引き上げに動いていましたが、この方針を巡ってボルソナロ大統領と対立が激化。
ボルソナロ大統領は19 日に同社のブランコCEOを事実上更迭したのです。
目先の支持を獲得するため、企業に不利になる形の燃料価格の引き下げを政権が強要する形となり、同政権が進めてきた経済改革路線の推進にも悪影響を及ぼしかねません。
2月22日のブラジル株式市場でペトロブラスの株は売られ、前週末比で一時20%を超える下落幅を記録してしまいました。
ブラジル銀行や電力大手エレトロブラスなど他の国営企業の株も売られ、主要株価指数のボベスパは一時5%下落しています。
通貨レアルも対ドルで一時1.5%安となり、約3週間ぶりの安値となっています。
低所得者向けの追加現金給付を検討
ボルソナロ大統領は2月8日、低所得者向けの新たな緊急現金給付措置を検討していると明らかにしました。
追加措置は昨年末に期限が切れた措置よりも小規模になり、受給にはより多くの条件が付けられる予定です。
ただ、ボルソナロ氏は財政規律を重視した方法で実施すべきだとし、さもなければ、金融市場で警戒感が高まり、通貨レアルはドルに対して6レアルまで下落する可能性があるとも指摘しています。
新たな支援措置は、貧困家庭向けの現金給付策「ボルサ・ファミリア」の対象となっていない非正規従業員向けで、毎月200レアル(37ドル)を3カ月支給する予定です。
予算は1カ月で11億ドルを見込んでいるという事です。
2021年1月
政府債務が約18%増、バラマキ政策が主因
ブラジル政府は1月27日、2020年末の政府債務残高が前年比17.9%増の5兆レアルだったと発表しました。
新型コロナウイルスの感染を受けて財政支出を拡大したことで、増加額は過去最大でした。
野放図な財政出動は通貨安を招き、物価上昇でさらに景気を下押しする悪循環になりかねません。
要因は、ボルソナロ政権による現金給付策です。
低所得者や失業者向けに、最低賃金の60%にあたる月600レアルを配りました。
のちに半額に縮小したものの、年末まで全国民の3割以上となる6600万人に支給した一方で税収も落ち込んだため、この様な数値となりました。
2020年11月
ゲジス経済相、コロナによる景気後退から脱しつつあるとの認識
2020年11月13日、ゲジス経済相はブラジル経済が新型コロナウイルス感染拡大によるリセッションから脱しつつあるとの見方を示しました。
同日発表された7-9月(第3四半期)の経済活動指数が上昇したことを受けての発言です。
ゲジス氏は、ブラジル経済は低金利と通貨安という新たなポリシーミックスの恩恵を受けており、内需と輸出を後押ししていると述べました。
これに先立ち中央銀行が発表した経済活動指数は7-9月に前期比9.47%上昇し、9月は前月比1.29%上昇と、予想中央値(1%)も上回りました。
コロナ第2波でも財政出動は今年ほどの規模にはならず
2020年11月10日、ゲジス経済相は新型コロナウイルス感染第2波への対応が必要となるとしても、そのための財政出動は今年ほど大きくはならないとの見通しを示しました。
ゲジス氏はコロナ第2波に伴う歳出額はGDPの4%前後、または現在の半分程度の額になるだろうと述べました。
持続不可能な形の支出は見送られ、政府は新たな政治的連携を活用し経済改革を加速させるとしたほか、ブラジルのコロナ感染者数は現在減少していると述べました。
感染拡大によるリセッションからの回復を図る中、ブラジルは政策決定において難しい状況に直面しています。
政府は今年、需要下支えや雇用維持のため緊急支援策に約5870億レアル(約11兆4000億円)を投入し、ボルソナロ大統領の支持率を押し上げました。
しかし、金融市場では財政危機に対する懸念が高まり、ゲジス氏は緊縮財政への迅速な方針転換を求めてきました。
2020年10月
債務総額が対GDP比で拡大
2020年10月30日、ブラジル政府は今年末時点の債務総額がGDP比で96%となり、従来予想の93.9%から拡大するとの見通しを示しました。
また、公的部門の利払いを除いた基礎的財政赤字も対GDP比で12.7%と、従来予想の12.5%から上昇するとしました。
ともに過去最高です。
ボルソナロ大統領、各国のコロナ対策を批判
2020年10月29日、ボルソナロ大統領は新型コロナウイルス感染第2波を受けて各国が再度のロックダウンを実施している現状は「狂っている」との見方を示しました。
同大統領は引き続きコロナ対策に対してはそこまで本格的に行うつもりはないようです。
2020年9月
財政規律破る経済政策が復活の可能性
ボルソナロ大統領は、財政規律を損なう恐れがあると投資家が懸念する社会プログラムの導入計画を復活させました。
これを受け、9月28日の外国為替市場では緊縮財政の要である歳出上限のルールが危うくなるとの観測でブラジル・レアルが急落、中央銀行は自国通貨下支えのため市場に介入しました。
レアルは一時2%下げました。
政府が「シチズン・インカム」に名称を変更した社会プログラムの財源について、裁判所の決定により命じられた支払いを制限する措置や、歳出上限の対象から外れている基礎教育開発基金から資金を利用することで賄う可能性を示唆したことが背景です。
ボルソナロ大統領は、閣僚や連邦議会議員との会合後、歳出上限を尊重し、財政責任を担いながら財源を探すと説明し、数日中に緊急法案を議会に送る意向を示しました。
政府支出の増加に制限を設ける歳出上限は憲法で定められており、社会プログラムの財源確保はボルソナロ大統領にとり頭痛の種となっていますが、新型コロナウイルス対策として導入した緊急支援金の給付がまもなく終了するため、多くの国民への支援を継続するためには代替案を見つける必要があるとボルソナロ大統領は考えています。
ブラジルではコロナ関連の死者数が14万人を超えていますが、こうした現金給付が大統領の支持率を記録的な水準に押し上げてきたと大統領は信じているのです。
経済対策が評価されて支持率上昇
最新の世論調査で、ボルソナロ大統領の支持率が上昇していることが分かりました。
調査では、現政権を「素晴らしい」または「良い」と評価した回答者の割合が全体の40%で、昨年12月に実施した前回調査時の29%から上昇しました。
「悪い」または「ひどい」と評価した回答割合は29%で、同38%から低下しています。
新型コロナウイルス感染の深刻さを軽視して経済続行のためロックダウンに反対する大統領の姿勢には医療専門家などから批判が出ていますが、調査では回答者の50%が大統領の国家運営方法を支持しており、前回の41%から割合が上昇しました。
但し、年末に手当ての支給が終了し、大統領が来年の景気改善に失敗すれば、支持率がまた急落する可能性が残っています。
現金給付拡充を断念
2020年9月15日、ブラジルのボルソナロ大統領は貧困家庭向けの現金給付策の拡充を断念したと明らかにしました。
ボルソナロ氏は2022年の大統領選再選に向け、バラマキ色の強い政策を掲げていましたが、財政悪化を懸念するゲジス経済相の同意を得ることができませんでした。
ブラジル政府は既存の貧困家庭向けの現金給付策を刷新し、名称を「ヘンダ・ブラジル(ブラジル所得計画)」とした上で、支給額の増額や支給対象の拡大を目指していました。
しかし、ボルソナロ氏は15日、SNS上で計画の撤回を表明しました。
もちろん今回の計画撤回の背景にいるのはゲジス氏です。
ゲジス氏は2019年に成立した年金改革を主導した実績があり、経済界や市場からの信頼も厚い人です。
もしゲジス氏が政権から去れば、改革期待の喪失で通貨などの資金流出が避けられないとの見方が強まっており、ボルソナロ氏が譲歩を余儀なくされた形です。
新型コロナ対策に失敗したことで一時は批判にさらされていたボルソナロ政権ですが、実際のブラジル経済は国を挙げて経済活動を停止した南米の周辺国に比べ打撃が小さいこともあり、足元の各種世論調査では支持率が不支持率を上回る状況が続いています。
ボルソナロ氏はコロナを受けた緊急対策として実施した低所得者向けの現金給付策が支持率の底上げに寄与したと考え、現金給付などポピュリズム的な政策を推進する姿勢を打ち出していました。
現金給付策を12月まで延長
2020年9月1日、ボルソナロ大統領は新型コロナ対策の一環である低所得者向けの現金給付を12月まで延長すると発表しました。
財政赤字拡大への懸念を受け、支給額は月300レアル(約5800円)とこれまでの半額にします。
企業の倒産や解雇の増加で家計消費が大きく落ち込む中、廃止には踏み込みませんでした。
2020年8月
ボルソナロ大統領とゲジス経済大臣の関係が悪化し懸念
ボルソナロ大統領と経済政策を統括するゲジス経済相の対立が表面化しており、懸念が上昇しています。
次期大統領選を見据え、大統領周辺が現金給付策の拡充をもくろむ中、財政規律の堅持を唱えるゲジス氏が反対しているのが直接のきっかけです。
改革路線が停滞するとの見方から、通貨安懸念も再燃しています。
ボルソナロ政権は現在、「ボルサ・ファミリア」と呼ばれる、貧困家庭向けの現金給付策を刷新し、名前も「ヘンダ・ブラジル(ブラジル所得計画)」と変えた上で、支給額の増額や支給対象の拡充を計画しています。
ボルソナロ氏は「小さな政府」を標榜し、2016年まで政権の座にいた左派陣営が設立したボルサ・ファミリアについても票の買収だと批判していました。
しかし最近、方針を一転させ、世帯あたりの給付額を毎月300レアル(約5800円)と、現行水準から6割近く増やし、対象人数も従来の1420万世帯から4~6割程度拡大する計画を掲げています。
ゲジス氏がこれに反対しているのです。
ゲジス氏は新自由主義的な改革路線を進めており、昨年には財政赤字の要因となっていた年金制度の改革を主導。経済界や投資家からの信頼も厚い人物です。
新型コロナ対策で財政支出が増加する中、ゲジス氏は給付額を削減するよう主張しています。
また、財源として、既存の受給者の一時給付金を削減するという案も提言しましたが、ボルソナロ氏は貧しい人からもっと貧しい人に分け与えることはできないと述べて、経済省の提案する法案を議会にかけないと発表しました。
ボルソナロ氏がかつて批判していたバラマキ色が強い政策を推進するのは、2022年に予定されている大統領選での再選を目指すためとみられます。
格差が大きいブラジルでは近年、大衆迎合策を掲げる左派政党が低所得者層の支持を独占してきました。
2018年の大統領選で当選したボルソナロ氏も、中間層以上からの支持を固めたものの、低所得者層が多い地域では左派候補の後じんを拝しているのが現状です。
最新の世論調査によると、ボルソナロ氏の支持率は37%と、6月の前回調査から5ポイント上昇し、不支持率も34%と、10ポイント低下しました。
低所得者層の間で、新型コロナ対策として政府が実施した月額600レアルの緊急支援策が評価されたといわれています。これがボルソナロ氏のバラマキ路線への傾斜を強くしているのです。
ボルソナロ氏との路線対立が表面化したことで、通貨レアルは対ドルで落ち込み、年初来からの下落率は3割近くに達しています。
仮にゲジス氏が政権から去れば、さらなる通貨安は避けられない状況です。
低所得者への現金給付策拡充を一時停止
2020年8月26日、ボルソナロ大統領は低所得者への現金給付を大幅に拡充する計画について、一時停止すると発表しました。
2022年の大統領選を見据えるボルソナロ氏と財政赤字の拡大を懸念するゲジス経済相との路線対立が表面化し、市場では通貨売りが加速していました。
ボルソナロ政権は「ボルサ・ファミリア」と呼ばれる、貧困家庭向けの現金給付を「ヘンダ・ブラジル(ブラジル所得計画)」に刷新し、支給額の増額や支給対象の拡充を計画していました。
しかし、ボルソナロ氏は26日の演説で
「昨日議論したが、一旦、停止することを決めた。(法案を)議会に送らない」
と発言しました。
ボルサ・ファミリアは16年まで続いた左派政権の看板政策で、「小さな政府」路線を掲げるボルソナロ氏はかつて批判していました。
その後、2022年の大統領選に向け、低所得者の支持を獲得するために方針を転換し、拡充に向けて動いていました。
しかし財源が見つからず、支給額を巡り経済政策を統括するゲジス氏と折り合いがつかない状態となっていました。
ただ、この一方で、この決定はゲジス経済相の提案する社会プログラムも議会に送付しない事も意味しています。
引き続き、政権内の対立が意識され 、 金融市場は株安・金利上昇・通貨安で反応する場面もありました 。
ボルソナロ大統領の支持率が最高で、経済再開が進む可能性
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な中、ボルソナロ大統領の支持率が向上しています。
最新の世論調査によると支持率は37%で、不支持率の34%を上回りました。
経済が低迷する中、経済活動の再開を唱えるボルソナロ氏の主張に支持が集まっているのかもしれません。
コロナ禍対策で、財政規律破る可能性
2020年8月13日、ボルソナロ大統領は憲法が定める歳出上限を破る可能性を示唆しました。
実はこの前日に財政規律を強調したばかりでした。
憲法が定める歳出上限を尊重するとして、新型コロナウイルス対策として歳出拡大を求める政治家からの圧力に屈しない姿勢を示していたのです。
新型コロナの感染拡大が続くブラジルでは低所得者や失業者への現金給付の規模が膨らんでおり、経済政策を統括するゲジス経済相は8月11日、ボルソナロ氏の取り巻きが2022年の大統領選を見据え、財政支出の上限を撤廃すべきだと主張していると暴露し、「無責任だ」と批判していました。
レアルは対ドルで売られ、8月12日には中央銀行が5月以来となる為替介入を実施したようです。
ゲジス経済担当大臣の下で主要スタッフが相次いで退任
ゲジス経済相の下で経済政策を担う主要メンバーが相次いで辞任していると報じられています。
ボルソナロ政権が進める経済改革の行方に不透明感が高まり、株価下落・金利上昇につながりました 。
閣僚が相次いで感染し、政権の機能不全に懸念
ブラジル政府の幹部が新型コロナウイルスに相次ぎ感染しており、機能不全が心配されます。
全閣僚の3分の1超に相当する8人が検査で陽性となっています。
政権が機能不全に陥れば混乱に拍車がかかる恐れがあります。
ボルソナロ大統領はすでに回復し、なお経済活動を優先させる姿勢を示しています。
国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会は年内に中南米の企業270万社以上が破綻するとの推計を示しており、懸念されています。
2020年7月
付加価値税を全国一律12%にするための議論
2020年7月29日、ゲジス経済相は全国一律の付加価値税(VAT)の導入について、州知事らと議論を始めたことを明らかにしました。
ブラジルでは州や市ごとに同種の税があるが位置づけや税率が異なっています。
税率12%のVATに一本化して、企業活動を後押しする狙いがあります。
ゲジス氏はボルソナロ政権の経済政策を担当していますが、昨年成立させた年金改革法案に続く改革案として、税制改革に力を入れています。
会見で
「VATは最初の一歩だ。特定製品への課税、所得税、雇用税などでも(改革を)進める」
と説明しました。
観光客受け入れを表明
2020年7月29日、ブラジルは新型コロナウイルス感染被害がアメリカに次いで世界第2位となる中、3月から禁止されていた海外からの観光客受け入れに踏み切りました。
29日に同国で確認された新型コロナ感染者および死者数は、過去最多に達しています。
ゲジス経済大臣が税制改革の一部を議会指導部に提出
2020年7月21日、ゲジス経済相が税制改革案の一部を議会指導部に提出しました 。
税制改革はボルソナロ政権にとって、2019年10月に成立した年金改革法に次ぐ目玉の政策であり 、 議論が進展すれば金融市場は好感すると思われます。
ボルソナロ大統領、コロナ対策の負の面を改めて強調
2020年7月18日、ボルソナロ大統領は新型コロナウイルス感染拡大抑制のためのロックダウンが経済をダメにさせると改めて述べました。
大統領は、一部自治体で実施された規制に言及し、ロックダウンが経済をダメにすると改めて主張しました。
ブラジル経済は今年、新型コロナ流行により6.4%のマイナス成長になると予想されています。
7月7日に感染が確認された同大統領は、ブラジリアの官邸の敷地内で、マスクを着用し、数メートルの距離を取った上で支持者らと面会しました。
年金の早期引き出し容認を検討
2020年7月17日、政府は年金基金の早期引き出しを認める案を検討しているようです。
年金基金の早期引き出しを巡ってはペルーで認められたほか、チリでも協議されているものです。
年金基金が投資しているブラジル国債への影響がどう及ぶかなど、現在経済省が引き続き検討しているようです。
ボルソナロ大統領、野焼きを禁止に
2020年7月16日、ボルソナロ大統領はアマゾン熱帯雨林などで野焼きを禁止する大統領令を発令しました。
農牧地開拓のための森林火災が多発する中、国際的な非難が集まっており、経済活動に悪影響が出ると判断した模様です。
ボルソナロ大統領自身もコロナに感染
2020年7月7日、ボルソナロ大統領は新型コロナウイルスの検査を受けて陽性反応が出たと発表しました。
ボルソナロ氏はこれまで新型コロナを「ただの風邪」だと主張し、都市封鎖を批判したり、マスクを着用せずに支持者や閣僚と接触していました。
同大統領は、感染が分かった後も、調子は普通だと述べ、重症ではないとアピールしました。
当面、テレワークで職務を継続するという事です。
重症化して国政が混乱しない事が望まれます。
2020年6月以前
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