ブラジル大統領ボルソナロ氏の経済政策に関するまとめ

2018年10月28日にボルソナロ氏がブラジルの次期大統領になる事が決定しました。

彼は極右とか、決選投票で戦ったアダジ氏よりは市場寄りだとか色々言われていますが、今後どういった政策を出していくかはまだ分かりません。

新興国に投資をするとき、政治が安定しているというのはかなり大切ですよね。

そこで、この記事では、ボルソナロ氏が実行していく政策について時系列でまとめてみようと思います。

本ブログは↓です。こちらもご参考ください。

ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

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ブラジル大統領選挙に関するレポート一覧

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2018年ブラジルの大統領選挙のまとめ

随時更新・加筆していきます。

ブラジルレアルやブラジル株投資家、ボルソナロ政権の政策に要注目

ブラジルレアルに投資をしている日本人は沢山いますが、多くの人は実感を伴って理解できると思います。

新興国はどこもそうですが、政治と政治家に左右されることがとても多いのです。

最近の世界的な傾向かもしれませんが、ポピュリズムに走る政治家が多く、政治家の資質や行動を可能な限りモニタリングしていないと、必ずその国への投資は失敗します。

このブログではそうしたポイントから、ボルソナロ政権の政策とその遂行状況に絞ってまとめていくものです。

選挙期間中に掲げていたボルソナロ氏の経済政策おさらい

選挙期間中にボルソナロ氏が掲げていた政策を簡単におさらいします。

もちろん、彼は経済政策の公約をいくつか掲げています。

  • ブラジル中央銀行の政策運営上の独立性の維持
  • 財政改革の推進(財政健全化、税制簡素化、税負担軽減)
  • 国営企業の民営化の積極推進
  • 省庁数削減による政府部門の運営効率化
  • 緩やかな年金改革の推進

という感じです。

国民的人気者だったルラ氏に比べるとかなり市場寄りであることは確かでしょう。

invstem.com

経済ブレーンも有名な経済学者です。

中央銀行の独立維持について付言するなら、現在のゴールドファイン総裁の職務継続も謳っています。

しかし、経済政策以外では物議を醸しそうなものもあります。

例えば、

  • 男女間の給与格差の擁護(男女差別の許容?)
  • 元軍人の閣僚への積極的な登用(軍の影響力増大を懸念)
  • 治安対策での全国民への武器所有の認可(武器を持つことで逆に治安悪化しないかという恐れ)

等です。

省庁削減には、スーパー大臣を指名

ボルソナロ氏はテメル現政権の構造改革路線を基本的に引き継ぎます。

「小さな政府」を目指し省庁の削減と公務員の数を減らすわけですが、省庁をまたぐ種々の問題については、各大臣よりも大きな権限を持つ「スーパー大臣」が統括します。

これは省庁にまたがる問題を統括しまとめていく大臣です。

ボルソナロ政権の経済政策 キーワード

スーパー大臣

省庁削減など、それぞれの省庁だけではさばけない案件を、大臣より偉い「スーパー大臣」が差配して円滑に改革を進めていく為に設置されています。

ただ、どこまでうまくいくかは未知数な所があるでしょう。

財政改革

前政権のテメル氏の路線を基本的に引き継ぐ予定です。

マーケット関係者にとってはとてもポジティブな内容ですが、まだ達成度合いは未知数です。

年金改革

財政核の一環としての年金改革です。

これはボルソナロ政権は一番最初に着手すると思われる本格的な改革の一つですので、手腕がどの程度あるか等、色々な部分で注目されます。

ボルソナロ政権による年金改革が実現すれば、コスト削減は10年間で1兆レアル

ボルソナロ政権の当初案がもし通れば、それだけで10年間で1兆レアル(2019年3月時点で32兆円)程度のコスト削減が実現できます。

これはテメル政権の当初案(8,000億レアル)よりも更に高いものです。

ブラジルの年金改革は憲法改正が必要

ブラジルの年金改革には憲法改正が必要になります。

これは、上院、下院共に6割の賛成が必要となります。

注意
少数政党出身のボルソナロ氏がどこまで他の政党と強調できるかが法案可決の可能性に大きく影響します。議会との連携が注目される所以です。

国営企業の民営化

ボルソナロ政権では主に以下の民営化が計画されてます。

  • インフラ運営件の入札
  • 5大国営企業の民営化、資産売却、経営合理化
  • 中堅国営企業の民営化、経営合理化
  • 政府が保有する不動産の売却

国営企業の民営化や資産売却の規模としては、3000~5000億レアルと言われたりしていますので、かなり巨大です。

インフラとは港、高速道路、空港を言っています。

議会では過半数割れ

ボルソナロ氏が所属する社会自由党(PSL)は他党からの移籍を受け下院(定数513)では55議席となっていて、最大野党労働党と並ぶ第1党となりましたが、過半数はほど遠い状況です。

上院(同81)では4議席にすぎません。

従って、法案を通すためには様々な政党と協力する必要があるわけですが、どこまでそれが上手くいくかは未知数なのです。

上下両院のそれぞれで約4割の議員が「協力政党」としてPSL支持の意向を示すものの、よく分かりません。

軍人の支持層

ボルソナロ氏を主に支持しているのは軍人や軍人OBです。

彼らはいわばボルソナロ政権側の身内なわけですが、彼らだけを特別視すると一気に人心は離れるでしょう。そうすると、ただでさえ議会内で少数派のボルソナロ氏一派なので何もできなくなってしまいます。

ボルソナロ大統領の支持率

ボルソナロ政権の改革を進める上で国民からの支持は欠かせません。

しかし、不支持率が支持率を上回る状況が続くなど、決して好調というわけではありません。

特に与党内では大統領の息子達が幅を利かせたり、身内重用も目立っていて、こうした行動が支持率低下に拍車をかける可能性があります。

ブラジルの大統領は、スキャンダルで常に世間から見放され、下野する事が多かったこともあり、この問題に継続的に注意していく必要があると思われます。

2020年3月

ボルソナロ大統領、コロナ感染拡大でも経済活動の拡大を訴える

2020年3月29日、ボルソナロ大統領は新型コロナウイルス対策で経済活動を停止すべきではないとの姿勢をあらためて鮮明にしました。

同大統領は首都ブラジリア郊外の低所得地域で青空市場を視察し、その場で交わした会話をSNS等に投稿しました。

大統領府が展開する「ブラジルは止まってはならない」と題するキャンペーンには、州政府や政治家、保健当局、さらには保健相も反発し、政府内で統一した動きが取れていません。

しかし大統領はそれを気にしていないのか、ロックダウンに踏み切った州政府などを批判し、考えを改めるつもりはないようです。

新型コロナウイルスで非常事態を宣言

2020年3月20日、ブラジル政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非常事態を宣言しました。

これにより感染拡大抑制に向け連邦予算の利用が可能になります。

ボルソナロ大統領は、国内の新型ウイルス感染拡大は6月が正念場になると予想しているようです。

ブラジルはすでに中国とEUからの入国を禁止している状況です。

コロナウイルス関連で300億ドルの経済対策

2020年3月16日、ブラジル政府は新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を和らげるため、約1500億レアル(300億ドル)の景気支援策を発表しました。

ただ、新たな歳出は含まれず、社会保障給付の前倒しや企業の納税延期などの措置が柱となっているようです。

  1. 社会保障関連が834億レアル、
  2. 企業の雇用維持支援が594億レアル、
  3. 新型ウイルスに直接対処する費用が45億レアル。

また、ゲジス経済相は新型ウイルス蔓延に伴って成長予測の見直しを行っている事も明らかにしました。

既にブラジルが景気後退に陥るとの見方が高まっていて、景気を支えるため財政規則を緩和するよう政府に求める声が上がっています。

ゲジス氏は、歳出上限のルールは変更しないと強調したが、財政赤字に関するルールを見直していることを明らかにしています。

2020年1月

ブラジルがOPECに加盟?

2020年1月22日、アルブケルケ鉱業・エネルギー相は7月にサウジアラビアを訪問する際、OPEC加盟について議論を始める方針を明らかにしました。

ただ、さすがに年内の加盟はないようです。

ただ、産業界は協調減産に従わなければならなくなることへの懸念から、冷ややかな反応でした。
この懸念についてエネルギー相は、交渉の問題で、まずは議論を始める事が先決と述べています。

ボルソナロ大統領の支持率は上昇、政策効果で

ボルソナロ大統領の支持率が2019年8月に比べて上昇しているようです。

就任1年目に下落を続けていたわけですが、上昇に転じました。

景気の改善に加え、汚職対策や都市部の治安改善に努めた政府の対応が評価されたと思われます。

一方で、現政権を「悪い」または「ひどい」と回答したのは31%で、前回の39.5%から低下しました。

2019年12月

金融危機下での危機対応手段を策定

2019年12月23日、ブラジル政府は金融危機下における銀行規制について危機対応の最後の手段として、公的資金による救済を認める法案を議会に提出しました。

法案が可決されれば、金融機関の規模によって異なる2つの新しい制度が創設される事になります。

1つ目の制度は金融システム全体のリスクとなる大手行が対象となります。

対象行を選定する基準は二次的な法律で定められる予定です。

もう1つは中小金融機関が対象で、幹部や取締役の解任が柱となります。

損失が生じた場合には会社や株主の資金保護が優先される、というものです。

アメリカが鉄鋼関税を見送り

2019年12月20日、アメリカのトランプ大統領はボルソナロ大統領に対し、ブラジルからの鉄鋼・アルミニウム輸入への追加関税の発動を見送ると伝えました。

トランプ大統領は同日、ボルソナロ大統領と電話での貿易協議を行っており、その中で伝えたようです。

トランプ氏は12月2日、ブラジルとアルゼンチンが自国通貨の操作で米国の農家の利益を損なっていると主張し、両国から輸入する鉄鋼・アルミへの追加関税を直ちに発動させると表明していました。

一瞬、ブラジルの新たな課題として認識されかけ始めましたが、何とか杞憂に終わったようです。

2019年11月

構造改革を進める上での懸念ポイント

2019年11月、収賄罪などで有罪判決を受けたルラ元大統領が保釈されましたが、これが反改革派の結集とならないか懸念が集まっています。

左派政党の団結で改革推進が阻害されることに加え、ボルソナロ大統領の所属していた政党との対立による新政党設立の動きも懸念されます。

こうした国内の政治的混乱で、これまでブラジルは幾度となくチャンスを逃してきました。

何とか今回は様々な改革を推進して欲しいものです。

行政・財政改革案の概要を発表

2019年11月5日、ブラジル政府は行政・財政改革案の概要を発表しました。

概要

  • 公務員の給与に代表される硬直化した予算の仕組みを改め、財政を立て直すこと
  • 国から地方自治体への税の配分の仕方の見直し

等です。

10月に成立させた年金改革法案に続く重要課題として、2020年の成立を目指します。

課題

この改革は市場からの評価は相当高いですが、実現には憲法改正が必要で、かなりの抵抗も予想されるため、一筋縄ではいかないでしょう。

ブラジルでは公務員給与や教育関係予算など支出が固定化していて、歳出削減の余地が乏しい問問題がありました。

これを新たな改革案では労働時間と給与を削減できるようにして、柔軟性を持たせます。

政府案が実現した場合、初年度に247億8000万レアル(約6750億円)の予算削減効果が見込めるという事です。

税収の配分も見直します。

予算不足でインフラや治安の維持に苦労する州が多い中、公共政策を地方分権型に移行させて構造を抜本的に変えるという事です。

注意

上記提案の実現には憲法改正が必要で、上下院で議席の5分の3の協力を得る必要があります。年金改革と同様に、時間がかかるでしょうし、どうやって議会を説得していくかという問題が立ちはだかります。

2019年10月 年金改革法案、成立

次の改革メニューは

年金改革法案は財政再建、構造改革の流れの始まりであり今後は税制改革、国営企業の民営化、コンセッション方式のインフラ投資計画が改革メニューとして挙がってきています。

年金制度改革法案は、政府が今年2月に議会に提出してからわずか8ヶ月で上下院を通過しましたが、この改革推進力とそのスピードは評価されるべきものでしょう。

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もちろん前任大統領の功績も忘れてはなりませんが。。。

 

年金改革法案が上院の二回目採決で可決

2019年10月22日、ブラジル上院は年金改革法案を可決しました。これによりブラジル株は過去最高値を記録しています。

上院は、年金改革法案の骨格案を60対19の賛成多数で可決しました。

まだプロセスは残っている?

年金改革法案は、まだ一部の修正案の採決が残っていますが、アウコルンブレ上院議長は22日にその審議は行わず、採決は23日に延期となりました。修正案が可決されれば、大統領の署名を経て成立する見通しです。

最終的な歳出削減額

歳出削減効果は、当初10年間で1.2兆レアルとも言われていましたが、結局は8,000億円レアル程度まで下方修正されました。最後の最後でそれをゆり戻そうとする動きもありましたが、ダメでした。

それでも、社会保障の赤字額を年間で半分近く縮小させるほどの効果はありそうだ

経済担当大臣、縮小した歳出削減規模を取り戻す案を模索

年金改革法案は、2019年10月上旬現在、第一回目の採決まで済みました。

ただ、歳出削減規模は議会で採決されるたびに縮小されていっています。

これを受け、ゲデス経済相は縮小した歳出削減規模を取り戻す策を考案するよう関係各所に指示を出したようです。

これを上院でどう議論するのか。

もしかしたら、これで議論が長引く可能性もあり、最後まで目が離さなさそうです。

アマゾンの森林火災の発生件数が大きく減少

アマゾン地域で9月に発生した森林火災の数が約1万9900件で、前月と比べて約35%減少したことが分かりました。

火災への対応の鈍さを国際的に批判されたボルソナロ政権が、消火のために策を講じた事が奏功したとみられます。

年金改革法案、上院で第一回目の採決が行われ可決

2019年10月1日、ブラジル連邦議会上院は年金支給年齢の引き上げを柱とした年金改革法案の1回目の採決を実施し、賛成票が56票と、全議席(81議席)の5分の3を上回り可決しました。

これで法案の骨子が固まり、近く行う2回目の採決で可決すれば法案が成立します。

採決が一度延期されたので不安でしたが、一回目の採決は無事行われ、可決されました。

ただ、今回採決された法案では、低所得者向けの配慮が導入され、今後10年間での財政支出の削減額は計8000億レアル(約20兆6400億円)と、当初の政府案から約2割減っています。

政府高官は

「この変更は良いことではないが、議会の決定は尊重されるべき」

とコメントしたそうです。

ボルソナロ大統領も結果を受け、引き続き投資誘致や財政健全化のために改革を推進すると強調しました。

第二回目の上院採決は10月中旬に実施される予定です。

2019年9月

予定されていた上院採決が延期

年金改革に関して、9月23日の週に予定されていた上院議会における第一回票決を10月前半に延期しました。

票決が延期されたことで、一部では法案が骨抜きにされる可能性についての懸念が広がりましたが、延期された年金改革法案の票決が10月前半までに行われる予定となっている事もあり、とりあえずマーケットは延期を冷静に受け止めているようです。

ただ、票決が大幅に遅れたり、法案の骨抜きがあったりするとブラジル・レアルが大いに売られる可能性があります。

アマゾンの火災対策についてボルソナロ大統領が反論

2019年9月24日、ボルソナロ大統領はアマゾンの問題で、森林が破壊されているわけではなりと主張しました。

国連総会の一般討論演説で主張しました。

ボルソナロ大統領は、

「森林が指摘されているように破壊されているわけではない。ブラジルは世界で最も環境保護に取り組んでいる国の一つだ」

と強調しました。

アマゾン開発による発展を重視するボルソナロ政権が保護に消極的だとする国外の報道についても「センセーショナルな攻撃」だとの批判を展開しました。

景気浮揚のための歳出増をどこまで許すか

ブラジルの景気は引き続き厳しい状況ですが、これに対するボルソナロ大統領の対応が注目されます。

ボルソナロ大統領は大統領選挙時に財政再建を公約の一つの柱としていた事から、他のポピュリズム政権と違ってのべつ幕無しの歳出増は出来ません。

ただ、景気低迷に伴う歳入鈍化を受けて、財政状況はひっ迫度合いを増している状況でもあります。

そこで大統領としても景気浮揚で税収アップを図るべく、政権の経済チームに対して歳出の伸びを前年のインフレ率以下に抑えることを定めた歳出上限法の見直しを指示したようです。

ただ、この法律改正には議会承認が必要です。

議会は同法及び経常歳出に向けた国債発行の禁止、プライマリーバランスの達成を財政政策の柱とみる傾向があり、なかなか実現が難しそうな情勢です。

心配なのは、仮にそれが可決してしまった時にマーケットがどう反応するかということ。

実現すれば金融市場では財政健全化に向けたストッパーが外れたと見る可能性もあり、そうなると年金改革でレアルが上昇する事を我慢して見守っていた投資家を裏切る事になる可能性もあります。

メキシコとFTA交渉

2019年9月9日、ブラジルとメキシコがFTA交渉を開始しました。

貿易摩擦が世界経済への下押し圧力となる中、中南米の二大国が貿易関係の深化を目指ります。

メキシコも従来のNAFTA重視から、貿易相手の多様化を求めているものと思われます。

ブラジルはメキシコ向けの農産品輸出を増やすことに期待を示しています。

上院憲法司法委員会で年金改革法案が承認

9月第一週に、上院憲法司法委員会にて年金改革法案の票決が行われました。

そこで、同法案は賛成18:反対7で承認されました。

ただ、承認された法案では、歳出削減規模が8,700億レアルとなり、下院で承認された案から縮小しています。

削減額縮小は少し気になる所ですが、一方で新たに歳入を増やす案も盛り込まれていて、財政改善という意味では、下院の原案と同じ効果があるとされています。

ボルソナロ大統領、マクロン氏と9月6日に電話会談

2019年9月3日、ボルソナロ大統領は、アマゾン問題でフランスのマクロン大統領と電話会談すると明らかにしました。

両氏はこれまで互いを非難し合っていました。

ただ、このまま事態が悪化するとブラジル経済への影響が出る可能性も出ており、ボルソナロ氏が表面上は歩み寄りを見せました。

ボルソナロ氏は9月6日にマクロン氏と話す予定です。

2019年8月 新たな火種、アマゾン火災

アマゾン火災対応、国内では批判少ない??

アマゾン森林火災へのブラジル政府の対応をめぐって、国際社会や環境保護グループから激しい批判が沸き起こっていますが、ブラジル国内で大統領の対応に怒る国民はあまり多くないようです。

国民の多くは、そうした批判が国内問題への干渉だとするボルソナロ大統領と同じ感覚を持っているようです。

ただ、ブラジルに対する通商制裁や不買運動が広がって景気に悪影響が出始めれば、世論も変わる可能性がありそうで、注意が必要です。

ボルソナロ大統領は議会で少数派であり、国民からの支持が頼みの綱ですから、対応を誤ると進めている改革などにも影響が出る可能性があります。

アマゾン森林火災問題の対立は深く、解決に時間??

アマゾンの森林火災が拡大するなか、ブラジルとヨーロッパの対立が改善しません。

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そもそもの対立点は何ですか??

ボルソナロ大統領は経済成長のために森林開発を進めたい一方で、ヨーロッパはアマゾンを保護すべきだと主張している事です。

ヨーロッパがかなり深い懸念を示している事に、ボルソナロ大統領は内政干渉だと強く反発しています。

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このまま行くとどんなリスクがあるでしょうか??

ヨーロッパとの関係悪化がさらに進むと、経済成長の足かせとなるリスクも出てくると思われます。

ボルソナロ氏は「アマゾンはブラジル国民のものだ」と繰り返し訴え、ヨーロッパ、特にフランスのマクロン氏を念頭に「植民地主義を思い起こさせる」などと発言したりして、少し感情的な様相も帯びています。

ブラジル政府は、今が焼き畑の時期にあたり、火災は例年並みだと主張しています。

ブラジル国立宇宙研究所によれば、今年のアマゾン地域での火災発生件数は直近のピークだった2010年の6割程度との事です。

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いつもとそんなに変わらないなら、なぜこんなに注目を浴びているのでしょうか??

国際的な関心が集まるのはボルソナロ氏の姿勢に原因がありそうです。

ボルソナロ氏は地球温暖化に懐疑的で、環境保護より経済開発を優先しています。

ボルソナロ氏の環境問題に関する言動

  • 2018年の大統領選ではアマゾンの土地売買や農地開発を容易にする規制緩和を行うと公約
  • 政権発足後、道路を舗装し、農牧地や鉱山の開発を後押し
  • 違法伐採を監視する政府機関の予算を削減
  • それまで違法だった金の違法採掘を合法化し、国が管理する方針も提示
  • 上記の行動から、政権が森林開発を容認したと受け止められ、違法伐採や焼き畑が急増

ブラジルは南部に産業が集中していて、森林が広がる北部は貧しい事で知られます。

歴代政権は、この格差を分配によって解決しようとしてきましたが、ボルソナロ氏はそれを経済振興によって成し遂げようとしているのです。

ただ、このままボルソナロ氏が強硬姿勢を続けると経済にも悪影響を及ぼしかねません。

すでに欧米の衣料・靴メーカーがブラジル製素材の発注を停止する方針を発表しました。

EUと、ブラジルを含む南米4カ国のFTAも見直しの検討が公然と言われる等、成長戦略の根幹とするFTA網の拡大にも黄信号がともり始めています。

最初はなんてことないと思っていたアマゾン森林火災問題は、意外に政権を大きく揺らしそうです。

アマゾン森林火災の対応が混とん

アマゾンの森林火災についてのブラジルの対応が大きく取り上げられています。

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当初ボルソナロ大統領はどう対応したのでしょうか??

ボルソナロ氏は当初、NGOがブラジル政府のイメージダウンを狙ってアマゾンに放火したと批判しました。

しかし、その後、国際的な批判が高まると、被災地域の地方政府に緊急対策を取るよう命じ、消火活動のために軍を派遣したのです。

ところが、一連の対策を講じた後も世界中の抗議は収まらず、ブラジル製品の不買運動につながったりと、国内企業からも政府に対する批判や不満が噴出し始めたのです。

このまま森林破壊が続けば、ブラジルの農産物は環境保護に熱心な海外企業に背を向けられて競争力を失い、不買運動の拡大といった懸念も強まっているようです。

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各国の対応はどうでしょうか?
各国の反応

  • フランスのマクロン氏など欧州各国首脳:ブラジルがアマゾン火災の鎮火に真剣な取り組まない限り、EUと南米南部共同市場(メルコスル)が2019年6月に合意したFTAを批准しないと警告
  • EUの議長国を務めるフィンランド:ブラジル産牛肉の輸入禁止を検討するよう加盟国に呼びかけ

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ブラジル政府はどう反応してますか??

2019年8月23日、ブラジルのクリスチーナ農務大臣は、政府の対応を擁護し、ブラジルが世界の懸念に配慮していないわけではないと述べています。

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ブラジル国民はどう受け止めているでしょうか??

今回の難局がボルソナロ大統領の攻撃的な言動により悪化したと考えるブラジル人も多いようです。

ボルソナロ氏はこの問題について、自身を批判する人々への攻撃にばかり熱中し、被災地への配慮等はあまりしていません。

ボルソナロ氏は8月26日、G7で決まった資金援助2千万ドルの受け入れも拒否する姿勢を示しています。

ただ、森林保護そのものには取り組む姿勢を示していて、消火活動のために軍も派遣しています。

親交があるトランプ大統領やイスラエルのネタニヤフ首相からの支援申し出については受け入れるとも表明しています。

少し感情が挟まった問題になりつつあるこの件ですが、ボルソナロ大統領の命綱は国内の支持率の高さなので、それが離反したりすると、せっかく進めている他の改革もおぼつかなくなってしまいます。

17社の国有企業のを民営化を発表

2019年8月21日、ブラジル政府は郵政電信公社など国営・国有17社を2019年末までに民営化すると発表しました。

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ボルソナロ政権の「小さな政府」路線の目玉政策の一つです。

肥大化した国営・国有企業の経営効率化と政府保有株の売却で財政再建を加速させますが、まだこれでは終わらず、国営石油会社ペトロブラスも含めたさらなる民営化案も浮上しているようです。

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市場では国営企業の株価がそろって上昇しました。

最近は、政府が民営化を提案しても、既得権益を守りたい議員の反対で、骨抜きされるケースが多くありました。

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最近で言うと、、、

2017年にはテメル前政権がエレトロブラスや造幣局の民営化を提案しましたが、議会の賛成を取り付けられず、失敗に終わったという経緯があります。

年金改革法案、下院での二回目の採決でも可決

2019年8月7日、ブラジル下院は年金改革法案の2回目の採決を実施し、賛成多数で可決しました。

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ついに下院でのプロセスが終わりました。

法案は上院に送付されます。

既報の通り、今回の年金改革法案は、今後10年間で9339億レアル(2350億ドル)の歳出削減を目指す内容で、可決すればブラジルの財政再建に大いに役立つものです。

採決の結果

この日の2回目の採決は賛成370、反対124でした。因みに第一回の時は賛成379、反対131でした。

今回の採決では野党が提案した歳出削減額を大幅に減らす8つの修正案も否決されています。

このまま順調にいけば、9月頃に上院で採決が取られる見込みです。

2019年7月

アメリカと貿易交渉

2019年7月31日、ブラジルはアメリカと貿易協定の締結に向けた交渉を始めました。

ブラジル政府はアメリカがブラジルとより緊密な通商関係の構築を求めているとした上で、非関税分野から交渉を進めていく方針を明らかにしました。

MEMO

アメリカが貿易協定を求める背景には、ブラジルも加盟している関税同盟・南米南部共同市場(メルコスル)がEUと自由貿易協定交渉で合意したことで、EUに対抗する意味合いもあるようです。

大統領の息子を米国大使に

ボルソナロ大統領の息子で連邦下院議員のエドゥアルド・ボルソナロ氏が米国大使になるようです。

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ボルソナロ氏が身内をこのように重用するのは今に始まった事ではありませんが、、、

今後、この人事を上院で審議し、過半数の賛成を得れば大使に任命される予定です。

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汚職が多く、それを変えると意気込んで大統領になったボルソナロ氏ですから、誤解が起きないような政権運営をしてほしいですね。。。

退職金の事前引き出し制度で景気刺激

2019年7月24日、ブラジル政府は退職金や失業保険に相当する資金(FGTS)を前倒しで引き出せるようにすると発表しました。

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これによって個人消費を刺激する狙いがあるようです。GDPを1年間で0.35%押し上げる効果があると見ています。
FGTSとは

月々の給与額に応じて専用口座に積み立てられているもので、本来は退職時や解雇された時などに引き出すものです。今回の変更で、2019年9月から1人あたり500レアル(約1万4440円)を上限に引き出せるようにする予定です。

将来の社会保障の基礎である積立金の取り崩しを奨励する背景には、足元の景気低迷があります。

不調なブラジル経済

製造業や消費の不振によって、2019年1~3月期の成長率は前期比▲0.2%と、9四半期ぶりのマイナスとなりました。2019年の成長率見通しも0.8%と、前年実績を下回る見込みです。

経済再生を掲げて1月に発足したボルソナロ政権にとり、景気低迷は失点です。

この措置で消費を刺激し、2019年に300億レアル、20年に1200億レアルの経済効果を狙っています。

下院での二回目の決議は8月に延期

下院本会議で、第一回目の投票が賛成多数で可決され、一気に第二回投票まで行くかと思いましたが、こちらについては法案の一部に再度議論が必要との判断から議会休会明けの2019年8月6日以降に延期されることとなったようです。

MEMO

第一回目の投票は、改革法案の基本文の採決、二回目はより詳細な本文の所が対象となっているようです。

第二回の投票も含めて7月中に下院は通過すると思っていた所からは少し後退していますが、引き続き年金改革については期待を持ってウォッチしておくと良いと思います。

下院本会議で一回目の採決実施、可決

2019年7月10日、ブラジル連邦議会下院が年金改革法案の1回目の採決を実施し、賛成票が全議席の5分の3を上回り可決しました。

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今後、下院で2回目の採決を行い、可決されれば上院へと送付します。
注意
今回採決したのは改正案の基本文で、改めて下院で改正案の採決を実施します。

今回の採決では賛成票が379票と、事前の数字を大きく上回りました。

ボルソナロ大統領は同日、ツイッターでマイア下院議長に感謝の意を表明し、「ブラジルは雇用と繁栄の道へと近づいている」としました。

今回の可決で、主要株価指数のボベスパは7月10日、前日比1.23%プラスの1万5817で取引を終え、終値で過去最高を更新しています

【可決前後のボベスパ指数の推移(出所:TradingView)】

為替も堅調に推移しています。

【可決前後のレアルー日本円の推移(出所:TradingView)】

マイア下院議長が7月17日の休会までに法案通過を目指すと発言

マイア下院議長が、年金改革法案の下院議会票決を議会休会入り前の7月17日までに行う意向を示しました。

既報の通り、今年中に年金改革法案が可決されるかは、下院通過が7月の休会までに行われるか否かで左右される可能性が高く、今回の議長のこの発言はポジティブです。

7月4日、年金改革法案、下院特別委員会を通過

年金改革法案は若干遅いペースであるものの、2019年7月4日に下院の特別委員会を通過し、一つの節目をまずは越えました。

今回の年金改革法案の概要

  • 一般労働者の年金受給開始年齢は男性は65歳、女性は62歳。
  • 最低拠出期間は男性20年、女性15年。
  • 州・地方政府の公務員は年金改革の対象から除外。
  • 勤労不可能な高齢者および障害者への継続扶助制度(BPC)は現行ルールのまま。
  • 農村労働者は年金改革の対象から除外。
  • 積立方式の年金制度の導入は見送り。

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これ以降、年金改革法案は、議員の6割の賛成が必要となる下院、上院に審議の場を移します。

これを受けて市場には安どの雰囲気が広がっているようですが、もちろん今後も注視が必要です。

2019年7月1日~5日のブラジルレアルー日本円のチャート(出所:TradingView)

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年金改革法案推進を指示するボルソナロ政権の誕生で、株式市場も回復傾向です。
注意
今後下院、上院の審議の中で、年金改革法案の骨抜きにも注意が必要です。

例えば、

  • 当初予定されていた年金賦課方式から積立方式への移行は見送り
  • 女性教員については受給開始年齢が当初の60歳から57歳に引き下げ
MEMO
マーケットでは今後10年で1兆レアルという政府の支出削減見通しを、最終的に6~8000憶レアル程度に引き下げているようです。

ただ、上記程度のレベルであればマーケットは許容範囲と見ているようで、大きくブラジルレアルが下がるといった事は起きていません。

むしろ、年金改革法案の審議が進行していることを前向きに受け止めている様子です。

年金改革、7月中に下院での採決いけるか

年⾦改⾰について、一番の関門とされる下院議会での法案承認に必要な賛成票が既に集まっているとの⾒⽅が強まっているようです。

そういった事もあり下院議会での票決が7⽉中に⾏われる可能性があると示唆され、市場では好感されています。

注意
2019年7月19日から、国会が休会するので、採決するとしたらその前です。逆にそれまでに下院で1回目の採決が行われなければ、2019年中に成立に待ったがかかる可能性が高くなります。

2019年6月

ボルソナロ大統領の軍出身同行者がコカイン密輸疑惑で逮捕

ボルソナロ大統領の外遊に付きそう軍人がコカインの密輸に関わったとしてスペイン当局に逮捕されたようです。

ブラジルでは麻薬が大きな社会問題になっています。ボルソナロ氏自身も麻薬組織壊滅のために軍の権限を強化する方針を打ち出しており、その軍から裏切り者が出てきた事で、今後議会で追及される可能性が出ています。

invstem.com

これで年金改革法案などの議論が停滞すると、またブラジルレアルが売られやすい地合いとなるかもしれません。。。

年金改革の行方、楽観が多いもののデモも頻発

2019年6月下旬現在、年⾦改⾰については楽観的な⾒通しが⾼まっているようですが、足元ではこの改革に対するデモが全国で⾏われています。

この年⾦改⾰が特に貧困層に対して⼤きな打撃になると考える人たちが行っていると言われています。

もしこのデモが今後拡⼤して国政に影響が出たりすると厄介かもしれません。

下院の独自年金改革法案、政府案と近く市場は好感

2019年6月中旬に下院特別委員会に議会独自の年⾦改⾰法案が提出されました。

ポイントは、

  • 歳出削減規模が9,134億レアルと、政府案の1.2兆レアルに近い数字だった
  • 労働者支援基⾦の⼀部を社会保障費に組み込み、歳出削減が見込まれる

といったもので、市場からは好感されたようです。

これが認められれば、総計で1.13兆レアルの歳出削減が⾒込まれ、財政再建に一役買いそうです。

弱い経済で収入不足⇒歳出上限の緩和??

2019年6月に発表された一連の指標は、足元の弱い経済を示しており、ボルソナロ政権にとっては逆風となっています。

これを受けて、歳出を賄うだけの税収を得られない⾒通しが強まってきており、ボルソナロ政権がその時にどうするかという点が注目を集めています。

こうした中、同政権が、前政権であるテメル大統領が定めた歳出上限ルールの緩和を検討していると報じられており、マーケットは懸念しています。

歳出上限ルールが緩和された場合には、財政規律への懸念が高まる可能性があり、財政再建に逆行する形となるからです。

年金不正受給の取り締まり強化法案が可決

2019年6月上旬、年⾦の不正受給を取り締まる法案が上院で可決されました。

この法案は遺族年⾦などで発⽣していた不正受給を取り締まるための受給資格審査の強化を図るものです。

政権によれば、10年間で1,000億レアルの歳出抑制が図れるという事です。

2019年5月

税制改革法案が下院の憲法司法委員会で承認

2019年5月下旬、年金改革法案とは別に、下院憲法司法委員会で税制改革法案が承認されたようです。

ただ、今回承認された税制改革法案は政府案ではなく下院議会の独自案のようで、政府案とは違うもののようです。内容が同じなら良いですが、政府案との乖離があまりに大きいと改革が骨抜きにされているという事になり、年金改革法案でも同様の事が想起され、少し不安になってしまいます。

ただ、マーケットはおおむね良好に推移している事から、今回の出来事が政府と議会でコミュニケーションが上手く取れていて、年⾦改革法案についても進展するという期待につながっているのかもしれません。

ブラジル政府のデモ対応に不安

既報の通り、大学予算の減額などに抗議した大規模デモがブラジルで発生しましたが、これに対するボルソナロ政権の対応等に少し不安を覚えた投資家が多いようです。

今回予算凍結を決定したアブラアン・ウェイントラウビ教育相を下院本会議に召喚する票決が行われ、票決は反対の82票を大きく上回る賛成307票で可決され、政府と議会の溝が意識されました。

問題はここからですが、こうした混乱の中、ボルソナロ大統領とゲデス経済相は外遊に出かけてしまい、結果として議会軽視やボルソナロ大統領の政権運営能力への疑念が高まる結果となってしまいました。

今後、これを武器に反ボルソナロ派の人たちが勢いづくと年金改革法案の行方も懸念されてしまいます。

年金改革法案、下院議会の中道政党との協力がカギ

既報の通り、年金改革法案の審議状況が現在のブラジルレアル関連の話題では最も注目されたものとなっています。

今後の議会審議において、特に注目すべきは下院本会議の承認手続きといわれています。

下院議会での年金改革法案の承認には、513名の議員のうち308名(60%)以上の賛成を得る必要があるわけですが、これをどうするのか、というのが一番の山場と思われます。

ただ、年金改革に反対を表明している野党陣営は下院議会のうち140名前後と勢力が小さいため、あまり大きなハードルにはなりえません。

問題は中立派の下院議員(約150名強)との協力関係です。これはまだ未知数でボルソナロ政権がどの様に対処していくかを見ていく必要がありそうです。

教職員と大学生がデモ、ボルソナロ政権の改革に反対で

2019年5月15日、ブラジルでボルソナロ政権が進める教育関連の予算削減に反対する大規模なデモやストライキが行われました。

2019年1月の政権発足以来、反政府デモとしては最大規模のようです。

ボルソナロ氏は大学が左派系の政党を支持する学者の巣窟になっていると主張し、国公立大学での文系学部の予算削減を推進しており、それに学生や教職員らが反発しているわけです。

ボルソナロ政権は工学や獣医学、薬学などの分野に税金を集中的に投入する意向を示しています。今回は文系の学生と教職員のデモだったようです。

今後も教育に関わらず色々な分野でこうした改革に反対するデモやイベントが開催されていくでしょう。

年金改革法案が下院特別委員会を通過後の工程

年金改革が成立するまでどういった道程があるのか、今一度確認をしたいと思います。

既に年金改革法案は下院憲法司法委員会で合憲性が認められています。

2019年5月現在だと下院特別委員会での審議が行われています。

仮に下院特別委員会で可決となった場合はどうなるかというと、

下院本会議⇒上院の憲法司法委員会⇒特別委員会⇒上院本会議

の順番で法案が審議されていきます。

もちろん、それぞれの委員会や議院で審議・承認されなければいけません。

最後、上院本会議で成立すると、ようやく成立、という事になります。

まだかなり先の様に思えてきますが、マーケットの関心は、この長い過程の中でこの法案が骨抜きにされないかという事でしょう。

2019年5月、下院特別委員会での年金法案通過は楽観的??

2019年5月7日から始まっている、年金改革法案に関する下院特別委員会についてですが、2019年5月時点においてはその議案通通過について楽観的に見ている人が多いようです。

また、最新の世論調査でも国民のおよそ6割が年金改革法案に理解を示したこともあり、追い風が吹いている状況といえるでしょう

加えて、これは直接的な事ではありませんが、ボルソナロ大統領が中道政党が要望していた地域開発省の分割に合意したことが、政府と政党間対話が上手くいっている証拠の一つとして捉えられ、法案審議進展への期待につながっているようです。

2019年4月

ブラジル年金法案の次の注目点、下院司法委員会の次は下院特別委員会

2019年4月23日に行われた下院憲法司法委員会の票決では、既報の通り法案が通過しました。しかも事前の予想通り賛成多数で通過しました。

たっだ、当初の想定よりも大幅に時間を要したこともあり、マーケットでは年金改革法案の承認が遅れるだろうと考え始めています。

次の注目点は2019年5月7日から開始される下院特別委員会となるでしょう。

下院憲法司法委員会では今回の年金法案が憲法改正を伴うものかを審議するものでした。

一方で下院特別委員会は法案の詳細について議論・調整が行われます。つまり、法案の具体的な変更点、歳出削減規模、承認スケジュールがここで決定されるのです。

その特別委員会で中道政党が歳出削減規模の縮小を提案するとの報道がなされました。もちろんマーケットは嫌気しレアルはそれを受けて若干下落しました。

年金法案は、下院憲法司法委員会を通過

既報の通り、2019年4月17日に予定されていた下院憲法司法委員会での年金改革法案に関する票決は一週間延期され、23日となっていましたが、23日の夜に同委員会で票決が行われ通過したとの事です。

2019年4月、年金改革の審議スピードがマーケットの期待を裏切る状況

マーケットが注目している年金改革の行方ですが、2019年4月17日に予定されていた、下院憲法司法委員会での票決が一週間延期され、23日となるなど、マーケットはボルソナロ大統領が掲げる改革の実効性に少しずつ不安を覚え始めているようです。

同委員会で年金改革の審議が開始されてから、既に1カ月以上が経過しており、当初マーケットが想定していたスピード感よりも遅めの速度となっています。

審議が進展していないこと自体が徐々にブラジルレアルや株式マーケットの重石となりつつあり、ボルソナロ氏の正念場と言えそうです。

インフラの民営化を加速

ボルソナロ政権が積極的に進める民間主導のインフラ整備で、政府要人が2019年4月中に30~40件のプロジェクトを審議会にかけ、新たに15~20件を選定すると表明しました。

更に、上記の選定に加え、2019年内にさらに同じ規模の民営化案件を選び出す意向も示し、インフラの民営化に意欲を見せました。

ボルソナロ大統領就任100日、実績と課題

ボルソナロ大統領の就任から100日以上が経過しました。

まだ短いですが同大統領の実績と今後の課題について簡単にまとめたスポット記事を作成しています。

ボルソナロ大統領就任100日、これまでの実績と今後の課題

2019年4月、下院議長の発言等で神経質な展開も

2019年4月17日に予定されている年金改革法案の下院憲法司法委員会での票決をめぐるマイア下院議長の発言で、色々と状況が攪乱されているようです。

マイア議長は年金改革法案を下院で通す為に重要な人物と考えられていますが、同氏の発言から市場がボルソナロ大統領との関係について懐疑的になって警戒感が高まったりと神経質な展開になりやすい状態になっています。

2019年4月、ボルソナロ大統領の手法に変化

ボルソナロ大統領の政治手法に変化が見られ始めています。

これまでボルソナロ大統領は連邦議会での政党連立を「古い政治」の象徴として自身の進め方に取り入れて来ませんでした。

実際に目下進めている年金改革法案についても、政党連立に頼らない方法での承認を目指していました。

しかし、現実的には、

  • ボルソナロ政権発足後、いまだ政府の法案が一つも承認されていないこと
  • 年金改革法案においても、議会下院での協力体制が見えないこと

などから、当初の方針を変更し、政党連立に向けて動き出しました。

ボルソナロ大統領は9つの政党と会談予定で、これらの政党から合意を得られた場合、下院の通過が現実的になると思われます。

そうなると再びブラジルレアルも上昇トレンドを作って行けるかもしれません。

テメル前大統領の逮捕がボルソナロ政権を脅かす理由

既報の通り、前大統領であるテメル氏が逮捕され、マーケットは一気にボルソナロ政権の改革の行方に疑問符を突きつけました。

市場がテメル氏の逮捕を不安材料としてとらえた底流にあるのは、ボルソナロ政権の議会での基盤の弱さです。

ボルソナロ政権の改革路線の象徴である年金改革法案は議会での賛成が必要ですが、議会での基盤が弱いボルソナロ氏は、法案の成立にテメル氏が率いる中道政党との協力が不可欠なのです。

しかしその中道政党が今回のスキャンダルで年金改革法案どころではなくなりそうになっているという事で、そのまま年金改革法案の採決も流れてしまいかねないという事なのです。

2019年3月

ボルソナロ大統領の支持率、低下傾向

最新の世論調査によると、ボルソナロ大統領のの支持率が34%となり、就任時から15ポイント下落しました。

要因としては、

  • 痛みを伴う年金改革に対する反発
  • 閣僚や家族の醜聞、奔放な言動
  • 選挙公約で掲げた汚職や治安対策で目に見える成果が出ていないこと

がその要因として挙げられています。

ボルソナロ氏は昨年の大統領選で汚職根絶を掲げ、テメル氏ら既存の大政党を厳しく批判してきたわけで、3月下旬に起きたテメル前大統領の逮捕劇は格好の人気回復の機会のはず。

しかし、年金改革法案成立には議会でテメル氏が率いる中道政党との協力が不可欠で、ボルソナロ氏は事件発覚後も基本的に無口です。

こうした歯切れの悪さも、国民からの支持が離れてしまう理由になっているのかもしれません。

大変難しい所です。

テメル前大統領の逮捕で懸念される政治・財政改革の進捗

2019年3月21日、テメル前大統領が汚職に関わった容疑で逮捕され、ボルソナロ政権が推進する改革路線に対する不安材料となっているようです。

政界全体を揺るがした汚職問題の膿が出来っていないと分かり、政治の不安定化懸念が出ています。

政治不安で財政再建に不可欠な年金改革実現への懸念が急上昇し、レアルも一時年初来安値を更新。神経質な相場状況になっています。

年金法案の原案を3項目修正も、市場は折り込み済みで大きな動きにはならず

ボルソナロ政権は下院議会での承認を受けるために、原案から3項目を修正すると発表しました。

ただ、法案が修正されることはマーケットとしては折り込み済みであったため、大きな材料にはなりませんでした。

法案の審議については、カーニバル休暇後に下院憲法司法委員会が招集される予定で、徐々に法案通過の可否が分かってくるのだと思われます。

2019年2月

年金改革の法案、2019年6月までに下院通過

ブラジルのマイア下院議長は、ボルソナロ政権が進める年金改革法案について、6月までに下院を通過するとの見立てを示しました。

既報の通り、ボルソナロ氏自身が所属する政党は少数政党で、議会の多数派工作を進めていかなくてはなりません。

ブラジルの議会では労働党(PT)をはじめとした左派政党の影響力も大きく、国民に痛みを伴う年金改革には抵抗も予想されるており、どの様になるかはまだ分かりません。

マイア氏はポピュリズムの姿勢を改めて、年金をはじめとした国の制度改革の必要性を強調しました。

年金改革に関する今後のスケジュール

今後の日程としては、

  • 2019年2月下旬~3月:憲法司法委員会
  • 2019年3月~5月:特別委員会での法案審議
  • 2019年6月頃:最終的な下院での採決
  • 2019年8月頃:上院での採決

がおおまかな流れとなりそうです。

2019年2月20日 ボルソナロ政権、年金改革法案を議会に提出

2019年2月20日、ブラジルのボルソナロ大統領は年金支給開始年齢の引き上げを柱とする年金改革法案を議会に提出しました。

議会の対応でボルソナロ政権の手腕が試されます。

2019年2月 ボルソナロ政権、年金改革の内容を決定

ボルソナロ大統領が2019年2月14日に年金改革の柱である「最低受給開始年齢の引き上げ」に関して最終決定を下しました。

ポイントとしては、

  • 最低受給開始年齢を男性は65歳、女性は62歳へ段階的に引き上げること
  • 10~12年の移行期間を設けること

です。

ボルソナロ政権案の「男性65歳、女性62歳」という所はテメル前政権の提案と同一です。

しかし、移行期間が違っていて、テメル政権は移行期間を20年としていたのに対して、ボルソナロ政権はより早期の年金改革達成を目指しています。

年金改革法案の中身はまだ全部公表されていない

まだ不明な所もあります。

例えば、軍人年金の取り扱いや、賦課方式から積立方式への移行の有無、年金改革による財政効果などの詳細についてです。

これらは2月20日に公表され、議会に提出される予定です。

2019年2月 ボルソナロ政権がブラジル国内の12の空港民営化を発表

2019年2月18日、ボルソナロ政権は国内12空港の民営化手続きを進めると発表しました。

テメル前政権が進めてきた開放的な経済政策の継続を海外投資家にアピールし、海外からの投資を呼び込みます。

入札日は3月12日で、7月以降にも契約を結ぶとしていますが、前政権下で進んでいた政策を自らの実績としてアピールしたいという意図もありそうです。

ボルソナロ氏の手腕が本当にあらわになってくるのはまだこれからです。

2019年2月 ボルソナロ新政権、現状は政策実現に向けて手堅く行動

話題先行、期待先行のブラジルの新政権ボルソナロ内閣ですが、2019年2月現在においては手堅く行動している印象です。

ブラジル議会での支持固めも順調

政党の仲間集めも今の所順調のようです。

大統領選挙後に行われた政党間協議で、議会選挙において大きく議席数を減らすなど退潮が鮮明になった前与党の中道右派PMDB(民主運動党)のほか、中道右派PSDB(社会民主党)、中道政党のDEM(民主党)といった既存の中道政党は新政権に協力する姿勢に転じています。

この結果、2月1日に改選後の議会が初めて召集されましたが、協力するレベル感はあるものの、新政権に協力的な議席割合は70%を超え、元老院でも7割強に達している状況です。

ブラジルの年金改革は憲法改正が必要

財政改革の本丸である年金改革には憲法改正が必要で、これは議会の60%の賛成が必要ですが、70%の支持があればその水準はクリアしている事になります。

上下院議長共にボルソナロ新政権支持

事前協議では紆余曲折もみられた上下院議長の選定ですが、最終的に元老院(上院)議長にはDEMのダビ・アルコンブリ(Davi Alcombre)氏、代議院(下院)議長には同じくDEMのロドリゴ・マイア(Rodorigo Maia)氏が再任されるなど連立与党内のバランスを採ることで決着しました。

両氏ともにボウソナロ政権が掲げる構造改革路線を支持する姿勢を示しているので、上下両院議長が揃って『ボウソナロ路線』の推進派という事になります。

これによって年金改革はもちろん、重要政策の法制化が一段と後押しされる可能性が高まっています。

テメル政権時に拒否された年金改革案をメインシナリオに

ブラジルの年金は手厚くて有名です。

詳細はメインブログにありますのでご確認ください。

ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

現状「少なくとも15 年加入していれば、男性は65 歳、女性は60 歳から受給可能」な上、「男性は35 年、女性は30 年以上加入していればいつからでも受給可能」というものになっていて、これが財政を圧迫しています。

政府内ではテメル前政権が提示した当初の改革案(男女ともに65 歳から受給)をメインシナリオに据えている模様ですが、テメル前政権下では協議が不十分で国民的理解が進まず、最終的に改革自体を断念せざるを得ない状況に追い込まれました。

ボルソナロ新政権がどこまで推進できるか注目されます。

金融市場の期待と国民の期待の相違に懸念

金融市場の期待は財政健全化と経済の安定成長でしょう。

一方で国民の期待は汚職撲滅といったエモーショナルな部分も結構あります。

ボルソナロ新政権がどっちを見て改革をしていくか、二つを同時にやろうとするときに生じる矛盾があるとしたら、それをどう料理するかが重要です。

2019年2月 年金改革に着手

ボルソナロ政権が支給開始年齢の引き上げを軸とする年金改革法案を議会に提出する準備に着手しました。

まずは、議会対策です。

上下両院はそれぞれ2019年2月2日までに議長選を実施し、いずれも中道勢力から選出され、ボルソナロ政権が支援したマイア下院議長は改革への支持を表明しています。

ブラジルにおける下院議長は大統領、副大統領に次ぐ国政のナンバー3と位置づけられています。

ボルソナロ氏は当初、自身が所属する右派の社会自由党(PSL)から選出しようと考えていたようですが、法案通過に必要な中道勢力の協力を得るため、政党間の調整を得意とするマイア氏の続投支持に転じたのです。

ブラジルの年金改革法案の中身

政権が準備する年金改革法案の柱は支給開始年齢の引き上げです。

近く改革案を公表し、法案をまとめる方針のようですが、ボルソナロ氏の支持基盤である軍関係者の扱いを巡り調整しているようです。

マーケットは改革の中身に期待して上昇基調

株も為替も改革に期待して上昇基調です。

しかし、まだ中身がついてきていない状態ですので、ボルソナロ政権にはしっかりと将来を見据えた改革案を出してほしいものです。

自身の支持基盤に甘い所を見せると、期待で上がってきた分、また凄い下落になってしまう可能性があります。

2019年1月

2019年1月 財政改革をめぐって、意見集約はまだ途上

ブラジルの投資家にとってあまり聞きたくない、デジャブ的な報道がありました。

ブラジルは巨額の財政赤字を縮小するため、税制や年金制度といった財政改革に取り組む必要があるわけですが、そのやり方について政府の政治・経済チーム内で意見の相違や意見集約がまだ不十分であることを露呈した所がいくつか出てきたという事です。

例えばボルソナロ氏は2019年1月4日に、金融業への増税と最高税率の引き下げを行うと述べましたが、ゲジス財務相の次官が直ちにこれを否定し、その後ロセンゾニ官房長官が大統領の発言は誤りだったと述べたりしました。

ボルソナロ氏がそこまで金融に詳しくないという所もあると思うので、この程度でじたばたする必要はないと考えますが、財政改革にいち早く取り組むことを期待していた投資家は、このドタバタ劇に少し不安を抱いたようです。

2018年12月

下院議長に、年金改革に前向きなマイア氏再任の可能性高まる

ボルソナロ大統領は年金改革に取り組む姿勢を示し、今の所マーケットや国民はそれを支持しています。

直近では、ビジネス業界と近く、年金改革についても熱心であるというマイア議員を下院議長に再任する方向であるとの報道がありました。

議長の選出は2月ですが、同氏選出について既に200近い議員の同意を固めた模様です。

下院議長が同氏となって順調にその他の事が進めば、今年中ごろから年金改革に関する本格的な議論が始まるものと思われます。

ブラジルボルソナロ政権の外交方針

ブラジルの外交はボルソナロ新大統領になってから大きく変わるかもしれません。

ボルソナロ氏はアメリカのトランプ政権と歩調を合わせるのが基本となりそうです。

ボルソナロ氏は今回の大統領就任式に、中南米地域の反米左派政権のキューバ、ベネズエラの両国の首脳について「民主的に選ばれていない」として就任式に招待しませんでした。

また、同氏は2019年1月1日の国民向けた演説でも「社会主義から国民を解放しよう」と述べ、反米左派国と親密だった歴代左派政権からの方針転換をアピールしました。

2019年1月2日にはアメリカのポンペオ国務長官と会談し、ベネズエラなどへの圧力について協議したと見られます。

議会対策が課題

ボルソナロ氏の独自路線がどうなるか注目されていますが、一番壁になりそうなのが議会です。

ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)は上下両院で少数派で、上院(定数81)では4議席、下院(同513)でも52議席にすぎません。

新政権が準備する改革案の多くは上下両院でそれぞれ過半数が必要な法改正が求められます。議会の説得が必要なのです。

特に年金改革は憲法改正が伴い、両院でいずれも5分の3の賛成が必須となります。

下院第1党の労働党(56議席)はボルソナロ氏が厳しく非難していて、協力が難しい先です。

そこでキーとなってくるのが中道勢力なわけですが、協議の過程で修正を迫られるのは必至です。

また幾度となく政治取引の中で汚職を繰り返してきた国ですので、同じような事がここで起きる事は創造に難くありません。

ボルソナロ政権でも、法案通過の為の汚職が発覚すれば、またまた国民の政治不信から政局が不安定化し、改革停滞とそれに伴う経済とマーケット停滞が起きる可能性があります。

ボルソナロ政権 人事に関する概観

2019年からボルソナロ新政権が発足しますが、人事についての外観です。

以前に既述しましたが、ブラジルでは少数政党が乱立していて、連立政権を組むことが最近の常とう手段になっています。

これによって多くの与党が誕生し、党ごとに閣僚ポストを分け合ってきました。

ですが、ボルソナロ氏はこうした慣習に従わず、同氏の基盤の一つである国軍出身者や各分野の専門家を登用する形を取りました。

閣僚級の高官は新政権が約20人で、このうち政治家は約3割です。テメル現政権は約30人で大半が政治家だったので、かなり違います。

ボルソナロ氏は、閣僚が少なければ汚職の機会は減り、政治家でなければ様々な業界とのしがらみも少ないと考え、この様な布陣にしたと言われています。

今の所、国民はこうした彼独自のやり方を肯定的にとらえています。とにかく政治家の汚職に辟易してきたのが彼らですから。

「スーパー大臣」がどこまで機能するか

特に注目なのは「スーパー大臣」でしょう。

スーパー大臣は複数の省庁を統括する役職でボルソナロ氏が創設したものです。

スーパー大臣は現状3人いて、いずれも政界の外から入閣します。

経済改革は経済学者のパウロ・ゲジス氏が経済相として指揮し、財政、産業政策、貿易などをまとめて管轄する予定です。

汚職撲滅には連邦地裁判事としてルラ元大統領の汚職を追及したセルジオ・モロ氏が法務・公安相に抜てきされました。彼が警察と司法を統括する予定です。

治安回復の責任者には元軍人のフェルナンド・アゼベド氏が国防相に指名されました。

2018年12月 経済政策は新自由主義的 金利は低めに、しかし物価上昇は抑えめに

ボルソナロ氏は新政権の経済チームには金利を低めに誘導しながら物価上昇率を目標圏に収めるよう指示したと、話しました。

経済チームを率いるのは既述した経済学者のパウロ・ゲジス氏です。新政権では経済相に就き、経済政策の司令塔「スーパー大臣」として大きな権限を与えられます。

ゲジス氏は省庁の垣根を越え経済政策全体を統括するほか、財務省、商工サービス省など主要な官庁を担当する予定です。

ゲジス氏はシカゴ大学で学位を取った新自由主義の経済学者です。経済活動への政府の介入を極力避け、規制緩和、補助金削減、国営企業の民営化に積極的です。財政再建のため年金受給開始年齢の引き上げにも取り組む予定です。

スーパー大臣と呼ばれる人たちは、他にも次期法相のセルジオ・モロ氏、次期国防相のフェルナンド・アゼベド氏の2人がいます。

2018年11月

2018年11月中旬 アラウジョ次期外相は環境問題への取り組みに懐疑的

次期外相に指名されているアラウジョ氏は気候変動の科学的根拠が単なる「ドグマ」だと主張し、環境問題への取り組みに消極的な姿勢をかなり垣間見せています。

同氏はトランプの支持者だと自ら発言し、自国第一主義を礼賛してグローバル主義的イデオロギーが本質的にキリスト教と相容れないものだと主張しています。

レベル感はどうあれ、アラウジョ氏と同様にボルソナロ氏も環境保護より天然資源の開発に関心を持っているようで、世界最大かつ最も生物多様性に富むアマゾンの熱帯雨林もどうなるか分かりません。

自国の資源を有効活用すること自体は否定されませんが、世界全体で環境保護の機運が高まっている中で、経済的利益の為だけに環境破壊等を繰り返すと、世界から孤立し中長期的なブラジル経済の停滞を招く可能性があるでしょう。

2018年11月14日 外相に右派のエルネスト・アラウジョ氏を氏名

2018年11月14日、ボルソナロ次期大統領は、エルネスト・アラウジョを外相に指名しました。

アラウジョ氏は右派としてかなり有名で、彼のイデオロギーには批判も多いようです。

主要閣僚に指名されてどうなるかはまだ分かりませんが、今の所主張を軟化させる気配はないようですが、外交であまりに愛国主義だったり自国中心だったりすると、当然のことながら国益を損ねる可能性もあります。

ブラジルの経済が政治家で左右される事がなるべく少なくて済むように願いたいところですが、sン広告への投資に政治リスクはつきものです。

長い目で見て判断していくしかありません。

2018年11月5日 大規模石油鉱床の入札推進、3兆円以上の収入??

ボルソナロ次期大統領のエネルギーチームは、国内の石油鉱床について入札での売却を推進するようです。

もし実現すれば大手石油会社は、メキシコの確認埋蔵量全体を上回る規模の原油にアクセスできる可能性があります。

その目的は、もちろん膨らんだ財政赤字の穴埋め。

2019年半ばに入札を実施する計画のようですが、もし本当に売却したとすると、その額は最大1000億レアル(約3兆570億円(2018年11月現在))に達する可能性があります。

因みに、売却を認める法案は、大統領選を前に議会での手続きが止まっていましたが、2018年11月5日の週に上院で採決される見込みです。

2018年11月1日 在イスラエルブラジル大使館をエルサレムへ

ボルソナロ氏は2018年11月1日に「在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移すつもりだ」と書き込み、その後、地元メディアにも同様の見解を示しました。

ボルソナロ氏は、キリスト教福音派を支持基盤としていて、エルサレムの首都認定は福音派の要望に沿ったものと思われます。

これに反応したのがエジプトです。

実は2018年11月8日から、ブラジルのヌネス外相がエジプトを訪問する予定だったのですが、ボルソナロ氏のエルサレム発言によって訪問が中止になりました。

アラブの盟主を自負するエジプトとしては、エルサレムへの大使館移設は認められなかったのだと思います。

外交的な反応よりも選挙や支持基盤を優先するあたり、ボルソナロ氏もトランプ氏と似ています。

2018年11月1日 年金改革はテメル大統領任期中から開始

ボルソナロ次期大統領は、年金改革について新政権発足の2019年1月ではなく、現テメル大統領の任期中に一部でも進める意向を示し、現テメル政権からも協力の意向が示されたと明かしました。

年金改革の動向はマーケットが注目する一つのポイントであり、どの様に実行に移されるか注目を集めそうです。

2018年11月1日 省庁再編と次期政権の主要閣僚選定

ボルソナロ氏は省庁の大規模な再編を進め、閣僚ポストの数も15程度と、現在の29から大幅に削減する方針を掲げています。

例えば財務省と経済政策をつかさどる企画省や商工サービス省を統合させ「経済省」を創設するなど、縦割りの官僚主義を撤廃し、権限を集中させる方針を掲げています。

その経済省の大臣には財政規律を重視する経済学者のパウロ・ゲジス氏を指名済みです。

ゲジス氏は、年金支給額の抑制や国営企業の民営化など選挙戦前に掲げていた公約の履行を約束しています。

また市場の信頼が厚い中央銀行のゴールドファイン総裁に留任を求めるなど、市場への配慮もにじみます。

法務大臣には、セルジオ・モロ判事に就任を要請し、受託されています。

モロ氏は2014年に始まった国営石油会社ペトロブラス関連の大規模政界汚職の裁判を指揮した人物です。ルラ元大統領を収監に追い込んだのも彼です。

汚職に鬱憤をためるブラジル国民から英雄視されており、ボルソナロ氏としても同氏の力を借りたかったのでしょう。

元軍人という観点では、同国初の宇宙飛行士、マルコス・ポンテス氏を次期科学技術相に指名する予定です。

彼は元軍人ですが、国民からの人気は相当高く、軍人で嫌気されるというよりは人気者でむしろ政権の支持獲得に一役買うかもしれません。

2018年11月 閣僚の任命の仕方、慣習に従わず

最近報道されている事を総合すると、ボルソナロ氏は閣僚起用において、これまでのブラジル政治のやり方を覆して行うようです。

少数政党が乱立するブラジルでは連立政権に多くの与党が加わり、党ごとに閣僚ポストを分け合うのが普通になっているようですが、ボルソナロ氏は同氏の基盤の一つである国軍出身者や各分野の専門家を登用する事になりそうです。

2018年10月

2018年10月29日 官房長官が年金支給額の減額を表明

ボルソナロ新政権で官房長官に就任予定のオニキス・ロレンゾニ下院議員は2018年10月29日、年金支給額の抑制で財政再建を目指すと表明しました。

支給額の膨張は経済改革を進めてきたテメル現政権も十分に手がつけられなかった左派政権の負の遺産です。

年金会計は赤字で、国庫負担で支給額の不足分を補っている。これが実現できれば市場の信頼を得られる可能性が高まります。

ただ、年金改革は有権者に直接の痛みを強いるものです。

実際、テメル政権も受給開始年齢の引き上げを目指したわけですが、議会の同意を得られていません。政治手腕が問われるものでもあり、まだどうなるかは分かりません。

2018年10月28日 次期財務大臣「年金改革に取り組む」

ボルソナロ政権で財務大臣候補となっている、パウロ・ゲジス氏が年金改革について「真っ先に取り組む」と宣言しました。

新政権は年金改革を最優先事項ととらえているようです。

言うは易しなので、どうなるか分かりませんが、まずはマーケットを味方につけて一気にスタートダッシュを決めてほしい所です。

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