NAFTA再交渉の経緯 まとめ

貿易戦争の一つであるNAFTA再交渉。

これからアメリカと色々な国が貿易摩擦以外でも様々交渉する事になるのだろうと思いますが、その際の過去ログという事で、NAFTA再交渉の経緯を分かる範囲でまとめてみました!

米中貿易摩擦や、日米交渉、欧米貿易交渉などの行く末を考える際の一つの参考として、また投資をするときの過去の実績調査の一つとしてご活用ください!

上から新しいものを追記していく形で、随時更新していきます!

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NAFTA再交渉に関するレポート一覧

2021年7月

新NAFTA発効から一年

北米自由貿易協定(NAFTA)から代わった「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の発効から1日で1年を迎えました。

トランプ前政権は国内生産回帰や雇用創出を狙いましたが、現状はメキシコへの投資が再び増え始めています。

自動車などのメーカーは一部を除き、米工場の増強には慎重で、バイデン政権は難題を引き継いでいます。

GMは4月、米国国境の北部コアウイラ州の完成車工場に10億ドルを追加投資し、2023年から電気自動車(EV)を生産する計画を発表しました。

米フォード・モーターも23年からメキシコでEVを増産する計画を打ち出しています。

フォードはトランプ氏からメキシコ工場の建設計画を批判され、撤回に追い込まれた経緯があります。

米国工場の閉鎖を決めたGMもトランプ氏から補助金を打ち切ると脅されていました。

両社はメキシコについて沈黙し、米国投資を小出しに発表することでトランプ政権の後半をしのいだのです。

それが終わり、両社もメキシコへの投資を堂々と発表する様になりました。

背景

USMCAでは完成車を関税なしで輸出するための基準が厳しくなり、多くの自動車メーカーはクリアできていません。メキシコ製のガソリン乗用車(排気量1.5~3リットル、SUV含む)のうち、USMCAの適用外となった輸出車は4月時点で金額ベースで21%にのぼっており、NAFTA時代の1%から急増しています。

メーカーにとって特にハードルが高いのが「LVC」と呼ぶ従業員の賃金などを規定した新ルールです。

自動車の非関税要件に、一定割合の部品を時給16ドル以上の工場から調達することを加えています。

メキシコの部品工場のほとんどは時給16ドルに届かず、メキシコ国内での部品調達が多ければ基準から外れるのです。

バイデン政権は新協定を厳格に実行することで、対米投資の拡大につなげたいようです。

協定の枠組みを使い、米国生産が不利にならないよう目を光らせています。

バイデン政権はUSMCAに次ぐ新たなFTAの締結にも消極的で、基本的には今のまま行きたいようです。

2021年5月

三カ国がオンライン会合を開催

米国、カナダ、メキシコの貿易担当相は2020年7月に発効したUSMCAを巡り、5月17ー18日に初の公式なオンライン会合を開催する予定です。

特に雇用や環境が焦点になるという事です。

2020年9月

日本車部品メーカー、アメリカへの移管が遅延

新NAFTAが7月1日に発効されましたが、一部の日系自動車部品メーカーは対応に苦慮しているようです。

各社はメキシコから一部の部品生産を米国工場に移すとしていましたが、新型コロナウイルスの対応に追われ見合わせる事となりました。

USMCAでは、域内で関税をかからないようにモノをやり取りするための条件が厳しくなりました。

2023年以降、エンジン部品などでは、域内で生産された部材を62.5%使っていれば関税がかかりませんでしたが、この比率が75%に高まりました。

メキシコに進出した日系企業は1000社程度あるとされ、6割超の650社が自動車関連企業です。

メキシコはアメリカやカナダの完成車工場に部品を供給する一大拠点となっていて、メキシコの車部品の対米輸出は19年に608億ドル(6兆4570億円)と過去10年で3倍に膨らみました。

調達率の条件をクリアできなければ、部品メーカーには2.5%の関税がかかるため、今後は生産移管や調達網の再構築で関税を逃れるか、関税を払い続けるかの、局面に立たされます。

2020年7月

メキシコのエネルギー政策が新協定違反の可能性

カナダのエネルギー企業4社がUSMCAにメキシコのエネルギー政策が違反している可能性があると指摘しました。

メキシコのロペスオブラドール政権は、前政権が進めたエネルギー産業の民間開放を批判し、エネルギー政策における国家の役割を拡大する必要があると主張し、数十億ドル規模の契約の再交渉を求めているようです。

その上で、新規の再生エネルギー施設の試運転停止や発電所の開発・操業制限を決めたメキシコ政府の措置により、自社のメキシコ事業が危険にさらされる可能性があると主張しています。

メキシコ、投資獲得に苦難?

USMCAが2020年7月1日に発効しましたが、メキシコへの投資再開が積極的になるかどうかは未知数です。

本来は環境の安定でメキシコへの投資拡大が膨らむはずです。

しかしロペスオブラドール政権が外資参加の投資案件に不利な決定を繰り返すなど不安材料があり、人図地縄にはいかなさそうです。

ペニャニエト前政権までは、多くの分野で外資を歓迎する開放的な経済体制だったものの、2018年12月のロペスオブラドール政権発足後は、民間企業の投資意欲をそぐ決定ばかりが繰り返されてきました。

メキシコへの外国からの直接投資は19年通年は18年を3%下回り、20年1~3月期は前年同期比26%減となりました。

新型コロナの新規感染者数も1日5千人規模で増加を続けていて、収束は見通せていません。

アメリカへの車生産回帰は難しい

NAFTAを改訂し、国内雇用を守る事を掲げたトランプ大統領でしたが、グローバル分業を進める企業には急なアメリカ回帰が難しい事も事実なようです。

USMCAでは域内の関税をゼロにする条件として、乗用車1台につき40%以上の部品を時給16ドル以上の工場でつくるよう求めています。

メキシコと比べて時給の高いアメリカでの生産を促す狙いがあります。

2018年のデータでは、アメリカで販売するメキシコ製の自動車のうち、アメリカ・カナダ産部品の使用率は13.5%で、40%を満たすためにいや応なくアメリカ生産が増えるはず・・・というのがトランプ氏の筋立てでした。

工場の移転を伴ったりするとコストがかかりすぎるのです。

非効率な生産や部品の流れが増える結果、不利益を被るのは消費者で、それはそのまま企業の業績下降を意味します。

トランプ大統領が11月に再選されるのか、といった所も睨みつつ、各社が新ルールへの向き合い方を考えているような感じです。

2020年6月

最大1年間は罰則回避が可能

7月1日発行予定のUSMCAの下、自動車メーカーとサプライヤーはコンプライアンス違反にかかる罰則を最大1年間回避できる可能性があるようです。

USMCAでは自動車の現地調達率(価値ベース)がNAFTAの62.5%から75%に引き上げられまする。

さらに自動車の価値のうち40ー45%はアメリカとカナダからもたらされることが義務付けられます。

各社はコンプライアンス認証方法の変更を義務付けられているほか、北米産の鉄鋼とアルミニウムの使用に関する新たな要件もあります。

ただ、2021年最初の6カ月間については、「インフォームド・コンプライアンス期間」が適用されるようです。

この期間については、積極的に順守しようとしている企業の製品には制裁関税を課すのではなく、コンプライアンスの誤りの正し方を助言するというスタイルのようです。

車生産のアメリカ回帰は不発?

USMCAが7月1日に発効しますが、狙い通りのアメリカ回帰は難しいようです。

国内雇用を守るためにトランプ米大統領が見直しを進めた制度ですが、グローバル企業に急な生産拠点の変更は難しいものです。

USMCAでは域内の関税をゼロにする条件として、乗用車1台につき40%以上の部品を時給16ドル以上の工場でつくるよう求めています。もちろんメキシコと比べて時給の高いアメリカでの生産を促す狙いがあります。

2018年のデータでは、アメリカで販売されたメキシコ製の自動車のうち、アメリカ・カナダ産部品の使用率は13.5%でした。これを40%を満たすためにいや応なくアメリカ生産が増えるというのがトランプ氏の筋立てだったわけです。

アメリカのメーカーは表向きは新NAFTAを歓迎していますが、それでもマイナスの影響はあるようです。

GMもメキシコに生産拠点があり、フィアット・クライスラーも同国での生産比率が高く、業界団体は協定発効を21年1月に遅らせるよう要望していましたが、公約実現にこだわるトランプ氏が7月実施で押し切ったという経緯があります。

こういった事もあり、トランプ政権への不信感がくすぶって、いつまで続くか分からない政策に振り回されたくないという本音もありそうです。

2020年4月

新NAFTAが7月1日に発効と発表

2020年4月24日、USTRはUSMCAが7月1日に発効すると議会に通知したと明らかにしました。

USTRのライトハイザー代表は声明で、3カ国すべてが発効に必要な手続きを終えたと説明しました。

メキシコ自動車業界、USMCAの準備に時間足りず

2020年4月6日、メキシコ自動車工業会は7月1日に発効予定のUSMCAについて、規則順守を行うための準備時間が足りないとの認識を示しました。

同業界はUMCAの規則の導入を2021年1月まで延期するよう当局に求めてきていました。

規則が依然として明確ではない上、新型コロナウイルスの感染拡大で順守することが一層困難になっているとしています。

2020年3月

アメリカで発効延期を遅らす要求

アメリカの上院議員19人の超党派グループは、USMCAの発効予定日を6月1日から延期するようトランプ政権に求めました。

新型コロナウイルスの感染拡大を理由としています。

上院財政委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)と民主党幹部ロン・ワイデン議員が率いるグループは、ライトハイザーUSTR代表に宛てた書簡で、新協定はメキシコとカナダがコミットメントを完全に順守するまで発効すべきではないと主張しています。

元々、当該議員らは6月1日の期限が非常に強引で、企業が期限までに新規則に合わせるのに必要な情報を得ているのかどうかについて疑問が出ているとしています。

そこに今回のコロナウイルス問題で企業の動きが通常よりもかなり遅くなるのは必至であり延期は現実的な方策としているのです。

USMCA発効は夏ごろ

メキシコ経済省のルスマリア・デラモラ副大臣が、USMCAの発効時期が今夏になるとの見通しを示しました。

批准が遅れているカナダで議会を通過する必要がありますが、発効は7月から9月の間になりそうとの事です。

USMCAはアメリカとメキシコはすでに批准しましたが、3カ国が批准を通知して3カ月後に発効する仕組みです。

カナダの政策当局者は同国議会の通過が3月から4月になるとの見方を伝えているという事で、そこから考えると夏ごろが発効時期というわけです。

2020年1月

トランプ大統領、USMCAに署名

2020年1月29日、トランプ大統領はUSMCAに署名しました。

ホワイトハウスでの式典には400人が参加し、共和党議員のほか、メキシコやカナダの当局者も招待されたが、ウクライナ問題を巡る弾劾裁判でトランプ氏と対立する民主党指導部の姿はありませんでした。

あとはカナダの批准を待つのみです。

特徴

今回の新NAFTAの特徴は、域内で自動車の関税をゼロにする条件として定めた「原産地規則」を厳しくする事です。

域内での部材の調達比率を現行の62.5%から75%に段階的に引き上げるほか、乗用車の40%を時給16ドル以上の工場で生産するように求めているのです。

ただ、メキシコでは時給10ドル未満が一般的と言われています。

そのため新協定は賃金の安いメキシコからアメリカへの生産移転を促すものとなっています。

ここから、トランプ政権は今後5年間で現在の8%にあたる7万6千人の雇用を自動車業界に生むと強調すると同時にムニューシン財務長官はGDPを0.5%押し上げると説明してきました。

カナダ、USMCAの法案を1月29日に提出、批准は4月になる恐れも

2020年1月21日、カナダのトルドー首相は親NAFTAの批准に向け、29日に関連法案を提示すると明らかにし、議会に迅速に可決するよう求めました。

ただ、最大野党の保守党は、協定は精査が必要と表明しており、批准手続きが長引く可能性もあります。

そうなれば今年の大統領選で再選を目指すトランプ大統領をいら立たせる恐れもあります。

アメリカ上院がUSMCAを承認

2020年1月16日、アメリカ議会上院はUSMCAを賛成多数で承認しました。

トランプ大統領が近日中に署名し、批准する見込みです。

最大のハードルとなっていた米議会承認を終え、後はカナダ議会が承認すれば発効します。

2019年12月

アメリカ議会下院、新NAFTAを可決

2019年12月19日、アメリカ議会下院は「米・メキシコ・カナダ協定」の実施法案を超党派の賛成多数で可決し、上院に送付しました。

上院での審議日程は不透明ですが、2020年1月に見込むトランプ氏の弾劾裁判後になるとの見通しを示しています。

3カ国は昨年、新協定に署名したものの、その後、アメリカ民主党の意向で米下院での可決がうまくいかず、同党が求める労働基準の厳格化などを盛り込んだ修正協議をこのほど行い、今月に入り修正文書に署名した、という経緯があります。

この問題は来年の大統領選挙における共和党と民主党の代理戦争の様相も少しあって、なかなか進みませんでした。

修正では、民主党に譲歩する形で環境ルールも厳格化されたほか、メキシコの工場労働者の権利が保護されているか迅速に検証するメカニズムが確立されました。

民主党が、薬価上昇につながるなどとして懸念を表明していたバイオ医薬品データを10年保護する規定も削除されました。

メキシコ、修正後の新NAFTAを承認

2019年12月12日、メキシコの連邦議会上院はUSMCAについて批准を承認しました。

新協定に関しては6月に承認していましたが、アメリカ民主党の要望などで一部が修正されたため、再度の承認となりました。

ロペスオブラドール大統領はメキシコはやるべきことを終えた。今度はアメリカとカナダの番だとコメントしてインす。

アメリカ下院、16日の週に採決

USMCAが修正されたことを受けて、アメリカ下院民主党は来週採決する計画だと、ペロシ下院議長が議員らに伝えました。

2019年12月10日、ペロシ議長はUSMCAが今後の他の貿易協定のモデルになると指摘し、

「この日をわれわれは待ち望んでいた。これは米政権が当初提案したものよりも、はるかに優れている」

と記者団に語りました。

ここは来年の大統領選挙をにらんだコメントでしょう。

3か国がUSMCAの修正合意に署名

2019年12月10日、3か国がUSMCAの修正合意に署名しました。

1年以上前に最初に合意した同協定が、ようやく3カ国の議会で批准される道が開かれました。

これに先立ち下院民主党は修正を承認する姿勢を示し、ペロシ米下院議長は、修正合意が米国の労働者にとってより良いものだと述べました。

アメリカ最大の労働組合である労働総同盟産別会議はUSMCAを支持しており、交渉で民主党と緊密に協力してきたリチャード・トラムカ議長は今回の合意を支持できる内容だと評価しました。

メキシコ、アメリカ民主党の提案に反発

NAFTAに代わる新協定を巡り、メキシコが米民主党の提案に反発し、批准がさらに遅れる可能性が出て来ました。

米民主党は協定で定めた労働条件の改善状況を確認するために、アメリカによるメキシコへの査察を求めていますが、メキシコは反対しており、批准が2020年11月の大統領選後にずれ込む可能性が出て来ました。

アメリカ民主党はUSMCA批准に向け、メキシコが約束した労働条件の改善状況についてアメリカ側が直接、工場などの拠点を査察できるように修正を求めています。

実際に労働条件の改善を確認する事と同時に、アメリカにおいて労働組合の支持を得る狙いもありそうです。

メキシコ側は強く反発していて、今後どうなるかは少し不透明になっています。

医薬品関連の知的財産権保護に関する規定の緩和を検討

新NAFTAについて、政権は米民主党の支持を得るため、製薬大手のバイオ医薬品の知的財産権保護に関する規定を緩和することを検討しているようです。

民主党は保護期間の短縮か、アメリカ国内法が改正された場合に少なくとも10年以内の期間短縮を可能にする新たな文言の追加を求めていて、早めの批准を目指すトランプ政権は12年から10年への期間短縮を検討しているという事です。

2019年11月

批准に向けて詰めの協議

新協定の批准に向けたアメリカ与野党の協議がヤマ場を迎え、3国間で詰めの協議をしています。

民主党が労働や環境に関する条項で内容の見直しを求めていて、政権はメキシコ、カナダと相談しながら修正案を詰めている状況です。

トランプ大統領は公約実現へ年内の批准を目指していますが、厳しい声も聞かれます。

アメリカ民主党のジレンマで批准遅れる

批准を承認するか否かでアメリカの民主党はジレンマに陥っています。

NAFTA見直しはトランプ大統領が2016年の大統領選で掲げた看板公約で、新協定に賛成すれば大統領選を前にある意味、敵に塩を送る形になってしまいます。

その一方で、民主党は本来協定見直しに賛成の立場です。

中西部の労働者層にはNAFTA発効でメキシコへの雇用流出が進んでしまったとの不満は根強く、現協定を放置する事は労働者の支持離れを加速させてしまう可能性があります。

こうした立場を踏まえて民主は特にメキシコ労働者の権利を強めるようUSTRに要請しています。

アメリカに比べて雇用ルールが緩いメキシコに雇用が流出するのを止めたい為です。

民主党としてはアメリカの雇用を守るための修正を政権に認めさせたと実績にしたいわけです。

アメリカの年内の批准は難しい??

2019年11月25日、アメリカの企業幹部や議会関係者は議会が今年中にUSMCAを承認する可能性が低くなりつつあるとの見方を示しました。

メキシコのセアデ外務次官は、今年中にアメリカ議会が承認することに「悲観的」との認識を示しています。

セアド氏によると、アメリカが労働問題に関するパネルの設置を求めていることがポイントの1つとなっているようです。

また、実効性の保証も対立している要因の一つで、アメリカはメキシコの自由度を奪うようなメカニズムを要求しているとし「そうしたものは受け入れられないと伝えた」と述べています。

メキシコ、アメリカ下院に早期批准を要請

2019年11月25日、メキシコのロペスオブラドール大統領はUSMCAについて、ペロシ米下院議長に対して早期に下院を通過させるよう要請することを明らかにしました。

ただ、アメリカの企業幹部や議会関係者は、議会が今年中にUSMCAを承認する可能性は低くなりつつあるとの見方を示したりしています。

アメリカ下院、年内に新NAFTA案を承認

2019年11月14日、アメリカ連邦議会下院のペロシ議長はUSMCAについてトランプ政権との協議で近く合意する可能性があると説明し、年内の下院通過を目指すと表明しました。

ペロシ氏はUSMCAの承認について

「年内に終えたい。それは私の目標だ。上院の承認にそれほど長い時間を要するとは思えない」

とコメントしました。

3カ国は1年前にUSMCAで合意していますが、各国とも議会の承認が必要となっていて、メキシコでは既に批准したものの、カナダはアメリカの動向を見極めようとしている状況です。

2019年10月

アメリカ下院、新NAFTAを近く承認へ

2019年10月31日、アメリカのペロシ米下院議長は下院でUSMCA批准に向けた作業が日々前進していると述べました。

ペロシ議長は近く結論が出るとの見方を示しました。

民主党が労働者や環境保護に関する条項の履行を確実にする措置や、医薬品に関する条項の修正を求めていて、これらはUSTRと協議中だとしています。

トランプ大統領、ペロシ下院議長にいら立ち

2019年10月22日、トランプ大統領はUSMCAの議会批准を巡って、民主党のペロシ下院議長が時間をかけ過ぎていると非難しました。

トランプ氏はツイッターで同議長を批判。

「民主党議員らは協定に賛成しているのに、彼女がなぜ与野党による投票を容認しないのか分からない。時間がかかり過ぎだ!」

と述べています。

メキシコ大統領、アメリカに早期批准を求める

2019年10月17日、メキシコのロペスオブラドール大統領はUSMCAの早期批准を求め、アメリカの下院歳入委員会のニール委員長に書簡を送付しました。

メキシコの労働改革に向けて賃上げと改革遂行のための財源手当てを約束する内容との事です。

2019年9月

メキシコ、ブラジルとFTA交渉

2019年9月9日、メキシコがブラジルとFTA交渉を開始しました。

貿易摩擦が世界経済への下押し圧力となる中、中南米の二大国が貿易関係の深化を目指します。

メキシコも従来のNAFTA重視から、貿易相手の多様化を求めているものと思われます。

カナダの首相とアメリカ下院議長が電話会談、民主党の懸念事項を伝達

2019年9月3日、アメリカの民主党のペロシ下院議長は、カナダのトルドー首相と電話で会談し、新NAFTAについて、民主党として、新NAFTAにおける労働基準、処方薬の価格、環境保護、具体的な執行メカニズムが同党の「重要な懸念事項」になっているとの認識を改めて示しました。

下院で多数派の民主党は、この懸念が解消されるまで手続きを進めない意向を示していますが、一部では9月にUSTRと下院間で協議のペースが進むのではとの期待感も高まっているようです。

2019年8月

ロペスオブラドール氏、アメリカは9月に批准すると予想

2019年8月14日、メキシコのロペスオブラドール大統領は新NAFTAについて、アメリカが9月に批准すると予想していると述べました。

但し、これがどういった根拠に基づく発言なのかは分かりません。

2019年6月

メキシコとカナダが再交渉?

アメリカの民主党のアール・ブルーメナウアー下院議員がUSMCAについて、アメリカ議会の要求に応えるためにカナダとメキシコが限定的な再交渉に応じるかもしれないとの考えを示しました。

メキシコは批准済みで、カナダも批准手続きが進められていますが、アメリカだけ止まっています。

アメリカは民主党が雇用と環境に関する規定が修正されない限り批准手続きを阻止すると警告しているからです。

もし内容について再交渉となると、実際のUSMCA稼働はまだ先になるでしょう。

invstem.com

大統領選挙も絡むので、民主党としても有権者にアピールするモチベーションが高いですし

ライトハイザー氏、民主党との見解の相違は早期に解消可能

USTRのライトハイザー代表は下院公聴会で、民主党がUSMCAの労働と環境基準に関する部分を中心に懸念を示しているものの、これらの点に関する見解の相違は早期に解消できるとの見方を示しました。

ただ、民主党ペロシ下院院内総務は上記以外にも履行手段、医薬品などに関する数点の問題があると指摘していて、少し食い違っています。

アメリカの内政問題で批准が遅れたりすることは避けたいところですが、どうなるでしょうか。

メキシコ、USMCAの最初の批准国になる

2019年6月19日、メキシコがUSMCAの批准手続きを終えました。

これで協定に加盟する3カ国で初めての批准承認となります。

今後はカナダ、米国の批准を待って現在のNAFTAに代わって新協定が発効となりますが、問題はアメリカでしょう。

カナダのトルドー首相、アメリカ下院議長と会談

カナダのトルドー首相が新NAFTAの批准加速に向け、民主党のペロシ下院議長と共和党のマコネル上院院内総務と会談を行う予定です。

その後トルドー首相はトランプ大統領とも同内容について協議します。

メキシコの議会上院では18日に新NAFTAを巡る採決が実施されるなど、アメリカの進捗の遅れが問題となりつつあります。

制裁関税回避で、メキシコは批准にメド

2019年6月10日、メキシコのロペスオブラドール大統領はUSMCAについて来週にも連邦議会上院で批准される見通しを示しました。

追加関税発動が見送られ、批准へ向けた準備が整った形です。

もはや問題は言い出しっぺのアメリカでしょう。民主党の議会指導部はUSMCAの審議に入る前に協定を見直すよう求めています。

アメリカ、対メキシコ関税問題がUSMCA批准の妨げにならない

アメリカが不法移民への対応不足を理由にメキシコからの全輸入品に5%の関税を課す方針を示したことについて、アメリカの高官はこの問題がUSMCAの批准を妨げるものではないと強調しました。

ただ、これはあくまでアメリカの立場でしょう。メキシコが同様に思っているかどうかは分かりません。

尤も、メキシコが今回の措置に憤慨して、USMCAの批准を拒めば、更にひどい仕打ちをアメリカから受ける可能性もあるので、メキシコにとって関税問題とUSMCAを絡めて考える事が得策かどうかは分かりませんが。。。

2019年5月

アメリカ、新NAFTA今年の夏批准を目標に

2019年5月30日、カナダを訪問したアメリカのペンス副大統領は、USMCAの批准について米議会で今夏の批准を目指すと表明しました。

アメリカ議会では民主党が多数を占め、批准に向けまだ状況は不透明です。

アメリカ、審議加速の為に行政措置を検討

アメリカ政府が、USMCA批准に向けた議会の審議を加速させる行政措置の発動を検討しているようです。

ただ、民主党はこれまでに、新協定の内容を見極めるための猶予を求めていて、対立が生じる可能性があります。

アメリカ、メキシコが批准手続き開始、アメリカは難航予想も

2019年5月30日、アメリカとメキシコの両政府もUSMCAの批准手続きを始めました。

既報の通りカナダも既に始めていて、3カ国すべてが議会承認に向けて正式に動き出したことになります。

ただアメリカ議会では野党・民主党が協定の修正を求めて抵抗しており、新協定発効の行方は不透明です。

カナダが新NAFTA批准に向けて動議

2019年5月27日、カナダはUSMCA(新NAFTA)批准に向けた動議を下院に提出しました。

USMCA批准に向けた初めの一歩となります。

批准の最大の足かせとなっていた、アメリカのカナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税が撤廃されたことを受け、動き出した形です。

USTRとアメリカ民主党間の交渉は順調

2019年5月21日、ライトハイザーUSTR代表と民主党が続けているUSMCA(新NAFTA)の議会批准に向けた交渉が、順調に進捗しているとの報道がありました。

ただ批准の採決が行われる時期については、民主党のペロシ下院議長次第となりそうです。

アメリカ、鉄鋼とアルミの追加関税撤廃に合意

2019年5月17日、アメリカはカナダ、メキシコに課す鉄鋼とアルミニウムの追加関税を撤廃することで両国と合意したと発表しました。

既報の通り、カナダとメキシコは新NAFTAの批准を進める条件として関税の解除を求めていました。

今回これが前進した事で今後は各国議会の承認作業に焦点が移っていくものと思われます。

鉄鋼・アルミへの関税維持ならUSMCAの批准難しい??

2019年5月15日、カナダのフリーランド外相は、アメリカが鉄鋼とアルミニウムに対する関税措置を維持している限り、新NAFTAの批准には大きな問題があるとの認識を示しました。

同じ態度をメキシコも表明しており、アメリカは対応を迫られるかもしれません。

2019年4月

新NAFTAの経済押し上げ効果

2019年4月18日に発表された米国際貿易委員会のデータによれば、新NAFTA(USMCA)は、自動車部品セクターを中心に米経済を緩やかに押し上げるが、米国の自動車生産を減少させる可能性があるとの分析結果を発表しました。

USMCAが完全に施行されてから6年後、アメリカのGDPはNAFTAのベースラインと比較して、年率0.35%(685億ドル)押し上げられるほか、17万人の雇用創出や輸出増加が実現する見通しとの事です。

まずはアメリカ議会でしっかり批准していくのが最優先ですが、このデータがその後押しになると良いでしょう。

新NAFTA、年内の成立困難

USMCAは、各国の批准手続きが難航し、年内の成立が困難になりつつあるようです。

アメリカは2020年に大統領選、カナダは2019年10月に総選挙が予定されていて、協定批准の大幅な遅れで、新NAFTAの内容が選挙の争点に浮上し、政治に翻弄されることになりそうです。

アメリカでは民主党が過半数を握る下院が協定を承認していません。

トランプ大統領と共和党はこれにいら立ちを強めていて、新協定の成立がないままNAFTAを破棄すると議会に揺さぶりをかけたりもしています。

2019年3月

批准に各国、問題あり

親NAFTAの批准について国内政治上の問題が出てきています。

アメリカの問題

  • ねじれ議会
  • 下院で主導権握る民主党が合意内容の修正を求める
  • 鉄鋼・アルミ関税への対応

カナダの問題

  • 10月の総選挙で妥協姿勢見せたくない
  • 首相のスキャンダルで与党の支持率低下
  • 審議時間自体が短い

メキシコの問題

  • 批准に必要な労働法案の審議に時間

アメリカの下院議長はペロシ氏といって、トランプ大統領の政敵です。ペロシ氏がどのような対応をするかはまだ分かりません。

アメリカ議会は8月に閉会しますが、それまでに批准できなければ新NAFTAの批准は、2020年の大統領選挙までに間に合わない可能性が高くなります。

2019年2月

アメリカで新NAFTA批准遅れる可能性

アメリカの民主党議員で下院議長のナンシー・ペロシ氏は、アメリカが2018年カナダおよびメキシコと合意した新NAFTA協定に新たな条項を追加したい考えのようです。

それはメキシコが環境保護策を強化し、労働組合を自由に立ち上げることができるようにするというもの。

トランプ氏は早く批准したい意向なわけですが、貿易政策を巡ってトランプ大統領と民主党はぶつかり合っており、もしかしたらそれが影響して新NAFTAの批准が遅れてしまう可能性があります。

2019年1月

カナダ、新NAFTA協定案を今年前半に議会承認得たい考え

カナダの貿易を担当している大臣が、新NAFTAについえt2019年前半にも議会承認を取りつけたい考えを示しました。

新NAFTAはカナダにとって「可能な範囲で最善」と表現し、議会の速やかな承認に期待感を示しました。

2018年12月

カナダ、メキシコは中国とのFTA締結を検討

カナダとメキシコが中国とのFTAの検討を始めています。

対米貿易への依存から抜け出すため巨大な中国市場を狙うようです。

中国と対立するアメリカは、新NAFTAに中国とのFTA締結をけん制する条項を加えていますがどうなるのでしょうか。

カナダのトルドー首相は2018年11月中旬、シンガポールで中国の李克強と会談し、停滞していたFTA協議の再開で一致しました。

トルドー首相はNAFTA再交渉を通じて、米国リスクを改めて認識、中国との貿易拡大に意欲を示したようです。

メキシコも対中FTAに前向きです。ロペスオブラドール政権のセアデNAFTA交渉官は月、4年の任期中に交渉を始めたい意向を表明しています。

チリなどほかの中南米諸国が中国とのFTAで恩恵を受けていて、メキシコにも利益になると期待しているのです。

アメリカはメキシコやカナダに強い態度で接した分、こういった所でしっぺ返しを食らってしまう可能性があります。

トランプ大統領、NAFTA離脱通知で議会に圧力

2018年12月1日、トランプ大統領は現行のNAFTAからの離脱を米議会に近く通知すると表明しました。

通知後6カ月で正式に離脱する決まりで、トランプ氏は期限を区切り、米議会に新協定の早期批准を迫る狙いがあるようです。

トランプ氏は議会の与野党が新協定で合意できなければ「新協定か、NAFTAが発効した1994年より前の貿易ルールに戻るか、選択を迫られる」と話しました。

既に新しいNAFTAにアメリカは署名していますが、これについての賛否をアメリカ議会が今後決める事になっています。

2018年11月

2018年11月27日 新NAFTAの批准、遅れる可能性

アメリカの議会で新NAFTAの批准手続きが長引く可能性が出てきたようです。

先の中間選挙で下院の過半数を奪還した民主党から修正を求める声が出始めた為です。民主の支持基盤である労働組合や環境団体は新協定の内容が不十分として修正を求めているのです。

共和党には年内に現行の議会で早期決着を探る動きもあるようですが、ハードルは高そうです。

アメリカ、カナダ、メキシコの政府はG20首脳会議にあわせて、新協定「USMCA」に署名する予定で、その後、各国議会の批准手続きを経て新協定は発効する予定です。

2018年10月

2018年10月下旬 エンジン域内生産義務化という内容が発覚

新NAFTA(USMCA)の中で、現地生産する自動車について、エンジンや変速機といった主要部品を3カ国で生産するように義務付けていることが分かりました。

当該三国への影響というよりは、日本や欧州の自動車メーカーが、色々と新たな設備投資や調達先の変更を迫られる可能性がありそうです。

対象になるのはエンジンや変速機のほかサスペンション、電気自動車などに使う充電池など7つの部品とのこと。

このうち1つでも域外で生産したものを使うとその車種は域内生産車と認められず、3カ国の間で関税ゼロで輸出入ができなくなるようです。

かなり保護主義的な色彩の強い貿易協定となってしまっているようです。

これと同じような事がどんどん世界中に広まっていく事を危惧します。

2018年10月1日 NAFTA交渉 現地9月30日に合意

現地時間の2018年9月30日深夜、NAFTA再交渉をめぐり、米国とカナダが合意に達したとの報道がなされました。

新協定の名称は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)で、11月末までに3か国首脳が署名する予定です。

トランプ大統領はこの成果を早速自賛。しかし、もうはやただの『NAFTA2.0』でトランプ氏がずっと言ってきた「革命」からは程遠いといった評価も聞かれます。

今後内容について吟味がなされ、しっかりとした評価が下されることになるでしょう。

NAFTAについての最新のレポートも沢山出ています。

↓で一覧を素早く簡単に探すことが出来ます。

NAFTA交渉のレポート一覧

2018年9月30日 アメリカとカナダ、妥結近いか??

日本時間で既に10月入りした段階で、アメリカとカナダの政府関係者が語ったところによると、現地時間の9月30日にNAFTA再交渉の妥結がなされるとの報道がありました。

いよいよ大詰めといった所でしょうか。

2018年9月

2018年9月29日 米加交渉 なお模索中

アメリカとカナダの両政府は2018年29~30日にビデオ会議での話し合いを予定するなど、合意するための交渉をなお続けています。

カナダは乳製品の市場開放で譲歩する一方で、アメリカが廃止を主張する貿易紛争解決制度の維持と、自動車への高関税を課す措置を発動しないという確約を求めているようです

トランプ大統領は、「カナダとも合意できると思うが、合意しなくても構わない」と強気のコメントを出しているものの、本音はもちろん違います。

NAFTA見直しはトランプ氏の選挙公約。交渉が決着すれば11月の中間選挙に向けて支持層への大きなアピール材料になるのは確実。

実際に交渉責任者であるライトハイザー代表は2018年9月27日、与野党議員からカナダも含めて妥結するようハッパをかけられたようです。

選挙は印象論の世界なので、もはや内容というよりどういう良い印象を与えられるかが重要です。

2018年9月26日 トランプ大統領トルドー首相との面談拒否?

トランプ大統領は、今週行われた国連総会中、カナダのトルドー首相から受けた個別会談の要請を拒否していたことを明らかにしました。

恐らく、アメリカにとって何の進展もないだろうと考えたのでしょう。もしくは脅しの一種なのか。

一方、カナダはそもそもそんな要請はしていないとのコメントを発表しています。

首脳同士でうまく意思疎通が出来なくなっているのでしょうか。この感じだと9月中の合意も難しいのでしょうかね、、、

2018年9月25日 9月内の合意もまだ見通せず

2018年9月中の決着をめざしてアメリカがカナダのトルドー政権への圧力を強めています。

NAFTA離脱や自動車関税の発動をほのめかしながら、農業で譲歩を引き出そうとしているようですが、カナダ政府は慎重な姿勢を崩していません。

9月中の合意もどうなるか分かりません。

交渉では自動車が改めて争点となっているようです。

アメリカは、乗用車輸入が一定量を超えた場合にのみ高関税を課すという数量規制を導入したいとの考えですが、カナダは導入しても発動しないという確約を求めているようです。

トランプ大統領にとっても、NAFTAの条件見直しを完遂した上で中間選挙に臨みたいでしょう。とするとなるべく早く妥結したいはず。

中国との二正面作戦でアメリカ政府は相当しんどいでしょうね。

2018年9月21日 メキシコ 米加交渉が不調ならカナダとの二国間合意も模索?

ロペスオブラドール氏は2018年9月21日、アメリカとカナダでのNAFTA協議がまとまらなかった場合には、アメリカとは別にカナダとも新たに2国間での貿易協定を結ぶ方針を明らかにしました。

NAFTAが3カ国の協定でなくなってもアメリカ、カナダ双方との関係を維持したい考えのようです。


2018年9月20日 米加お互い「柔軟に対応して」と言い合う

NAFTA再交渉を巡るアメリカとカナダの閣僚協議が2018年9月19日に報道通り再開しました。

両国は毎週、断続的に協議を開いていますが乳製品や農業の所で妥協点を見いだせていません。

2018年9月末の期限が近づく中、アメリカの共和党の幹部は「期限を変えることはない」と強調し、早期の妥結をカナダ政府に求めています。

一方でカナダのトルドー首相も、「カナダにとって良い内容で妥結することに関心があり、アメリカの柔軟な対応に期待している」という趣旨の発言を9月19日にしてます。

引き続きどうなるか注視する必要がありそうですね。

2018年9月19日 米加の交渉再開

カナダのフリーランド外相は18日夕にワシントン入りし、19日に米通商代表部代表と協議を再開する予定です。

2018年9月30日までに協定の文書をまとめるためには、数日以内の大筋合意が必要です。

また、メキシコ新大統領の就任前に新たな協定を結ぶには9月30日が期限となります。

アメリカの共和党はカナダに対して、交渉について時間切れが迫っていると警告しています。

アメリカは対中制裁の第三弾を表明するなど、中国との貿易戦争も同時に行っており、カナダとの交渉を長引かせたくはないと考えていると思いますが、それがどこまでアメリカ側の妥協につながるかは分かりません。

2018年9月17日 カナダは乳製品保護堅持を改めて表明

2018年9月17日、カナダ政府は乳製品を保護する国内システムを守るとの姿勢を改めて表明しました。

恐らくこれは、アメリカがカナダに対して乳製品の分野での譲歩を要請する中で、あるカナダ当局者が、『カナダ政府は米国に対し一段の市場開放を提供する可能性がある』との見方を示した事を意識したコメントでしょう。

乳製品を扱うカナダの業者から懸念が表明され、それに配慮したコメントなのだと考えられます。

2018年9月13日 トルドー首相、交渉期限について言葉を濁す

カナダのトルドー首相は2018年9月13日、アメリカとの協議について早期妥結を目指すと改めて表明しました。


アメリカがメキシコとの合意内容を公表する2018年9月末が交渉期限とされていますが、トルドー氏は「これまで様々な期限が設けられてきた」と述べ、2018年9月末を最終期限とみているかどうかは明言を避けました。

変にコミットしたくないのは当然なので、当たり前と言えば当たり前ですが、依然予断を許さない状況なのでしょう。

2018年9月12日 メキシコ、場合によってはアメリカとの二国間合意も

メキシコ政府は、カナダとアメリカが合意できると予想しているとしながらも、両国が合意できなかった場合、メキシコはアメリカとの二国間貿易協定を締結する用意も整えておく必要があるとの考えを示しました。

なぜこのタイミングでこうした発言が出てきたのか分かりませんが、メキシコとしては市場関係者の不安を和らげるためにもこうした発言を敢えてしたのかもしれません。

2018年9月11日 カナダ、乳製品分野で妥協?

カナダは国内酪農市場への限定的アクセスを米国側に認める用意があるとの趣旨の発言をしました。

ある関係者は「一定分野で譲歩が必要なことは分かっている」と語っていて、それが乳製品などの分野を示すものだと考えられています。

トランプ大統領は同日、「カナダとの交渉は順調だ」との発言をしています。

妥結内容が少しずつ輪郭を持ち始めているのかもしれません。

2018年9月7日 トランプ氏、カナダに警告

トランプ大統領はNAFTAの再交渉について、合意に至らなければカナダ製自動車に20%の関税を賦課すると警告し、カナダに早く合意するように促した。

トランプ大統領は、「カナダなど一部の国では、自動車関税は国の破滅を意味する。これはそれほどに大きい。一国の破滅だ」と述べ、なかなか新しい条件に合意しないカナダに圧力をかけました。

2018年9月7日 交渉は月末まで持ち越す可能性も

米国とカナダは7日も二国間協議を継続しました。

カナダは「非常に良い進展が見られている」とコメントしたものの、協議が月末まで継続する可能性もあると言っている当局者もいることが明らかになりました。


最も大きな問題となっているのが、カナダの乳製品の市場開放を巡る問題のようです。

トランプ大統領は同じ日に、「カナダに対する態度は強硬過ぎるとの見方もあるが、カナダは長年にわたりアメリカを搾取してきた。カナダはアメリカを公平に扱う必要がある」と述べています。

まだ交渉は長く続くのかもしれません。

2018年9月6日 3項目で合意に至らず持ち越し

米国とカナダの二国間協議は6日も続けられた模様ですが、乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至っていないようです。

米国側の関係者は、双方が意見の隔たりを埋められるか、あるいはトランプ米大統領がメキシコとの二国間合意を推進するのかはなお不透明だとの見方を示しています。

2018年9月5日 数日内にアメリカとカナダが合意?

トランプ大統領は2018年9月5日、カナダとの交渉が数日中に妥結する可能性があると述べました。

カナダの交渉担当者お、アメリカとの交渉が建設的であるとコメントしています。

2018年9月 カナダ国内でトルドー首相に対して批判噴出

2018年8月下旬にアメリカとメキシコはNAFTAの再交渉を二国間で進め妥結しました。

一方のカナダはその後すぐに再交渉のテーブルにつきましたが、まだ合意に至っていません。

この様な展開に、カナダではマスコミによるトルドー叩きが始まったようです。トルドー首相はこれまでも、外交にナイーブで世界の指導者たちの手玉に取られていると批判されてきました。

アメリカとメキシコ貿易協定について、カナダは危機感を覚えているのです。

当該合意の草案に、自動車部品の域内調達率の引き上げなどカナダが反対してきた条項がが含まれているとか、そういった事のみならず、自国を除く二カ国で勝手にまとめ上げた合意に、カナダは従うだけという事になるかもしれない、というのが屈辱すぎるのです。

もちろんカナダも、焦っているだけではありません。しっかりと現実を見て対策を打っています。


NAFTAの新しい合意案への批准はトランプ大統領だけで決められるものではありません。連邦議会の承認が必要なのです。

トルドー首相のチームはもちろんそれを分かっていて、しっかりとロビー活動や工作活動をしています。

議会承認には相当長い時間がかかるので、交渉の最終期限である8/31が過ぎても、そこまで焦ってはいないのです。

いずれにせよ、アメリカとカナダの交渉がどの様になるかはメキシコへの投資をしている投資家にとっても重要です。しっかりと見守りたいところです。

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