アメリカ・ヨーロッパ(EU)の貿易摩擦問題についてのまとめと経緯

ここではアメリカとヨーロッパの貿易摩擦問題についてフォローしていきます。直接新興国への投資と関連するわけではありませんが、世界経済に及ぼす影響が大きいのでこのブログでも触れる事にしました。

2019年10月

WTOがアメリカの対ヨーロッパ報復関税を承認し、18日に実施

2019年10月2日、WTOがアメリカのEUに対する年最大75億ドル(約8千億円)相当の報復関税を承認しました。これを受けて、アメリカはEUに対する報復関税を10月18日にも発動する方針を表明しました。

EUも報復を検討中で、米欧の貿易摩擦は一段と激しくなりそうです。

WTOはアメリカとEUを仲裁する形で、対抗措置の上限額を決めました。

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WTOの仲裁で決めた金額としては過去最高となります。

アメリカは年約105億ドルの報復関税の承認を求めていましたが、上記の額になったという事です。

対象は??

  • 航空機に10%を
  • ワイン、ウイスキー、チーズなど農産品や工業品に25%を

それぞれ上乗せします。

2019年9月

アメリカの対EU報復関税の対象は可変

アメリカの対EU報復関税の対象品目が可変なようです。目的はよりEUの産業に打撃を与えるため。

アメリカ側は製品リストを固定せず、貿易を巡る不確実な状況をつくり出し、できるだけ多くのEU産業に打撃を与えることを目指し、対象品目を定期的に変更する事を検討しているようです。

WTOがアメリカのエアバスへの関税賦課を承認

航空機への補助金を巡る欧米の貿易摩擦について、WTOがアメリカによる欧州製品への関税賦課を承認したようです。

報復関税の規模は80億ドルと報道されています。

この判断は9月30日の週に公表される見込みですが、EU側も報復措置を取る可能性が高いでしょう。

欧米は15年前から、それぞれがエアバスおよびボーイングに対する補助金について不当であると主張しあい、相互に関税措置を準備してきました。

アメリカ、フランス産品への関税発動の可能性、排除せず

アメリカはフランスの「デジタル課税」計画への報復として、ワインなどの仏産品に対する輸入関税発動につなげる可能性を排除しない事を示しました。

2019年8月にフランスで開催されたG7の際にはそうした事態は回避されるとの見方が強まっていたのですが、ここにきてそれが覆った形です。

もちろん、なかなか進まない欧米の貿易摩擦問題に関するジャブのような所かもしれません。

2019年7月

アメリカ、フランスへの揺さぶりで事態打開を企図

アメリカがフランスが導入したIT企業へのデジタルサービス税への報復関税をちらつかせていますが、これは1年以上にらみ合いが続く欧米間の通商協議打開に向けた揺さぶりとみられています。

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フランスに揺さぶりをかけて交渉打開へつなげたい考えのようです。

ただ、こうした行動で感情のもつれが出て欧米の対立が激化すれば、世界経済へのさらなる重荷となる可能性が大きくなってしまいます。

こうした対応については、アメリカ議会もトランプ政権の強硬姿勢を支持しています。実際、与野党幹部は2019年6月にフランス人やフランス企業への税金を2倍に引き上げるよう財務省に提案しています。

注意

米仏の対立激化はイラン問題にも影響を与えかねません。

EUの対米報復関税、従来の2倍弱に

2019年7月23日、EUはアメリカがEUの自動車・同部品への追加関税を実施した場合、アメリカ製品350億ユーロ相当に報復関税を課すことを明らかにしました。

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報復関税の対象規模はこれまで200億ユーロ相当だったので、一気に2倍弱の規模となったわけですね。

EU高官は2倍弱の新たな数字になった事について、最近の貿易統計を反映したにすぎないと説明しています。

この上で改めて、EUとしてこうした報復関税を行使する必要がないことが望ましいと付け加えました。

EU、アメリカの関税に備えるべき

ドイツ政府関係者で、アメリカのUSTRやホワイトハウススタッフと話をしたというピーター・バイエル氏は、アメリカの対EU関税が今後数カ月間に発動となる可能性があり、EU各国はそれに備える必要があるとの見方を示しました。

同氏は、トランプ政権がEUとの対話に引き続き前向きであるものの、航空機補助金や欧州車の輸入を巡り関税や制裁を発動する構えのようだと指摘しました。

EU高官、エアバスとボーイング問題で報復しあう可能性を示唆

EU高官が、欧米間でボーイングとエアバスへの違法な補助金に対し報復関税を賦課し合う可能性が相応にある事を認めました。

こうした報復関税などのやり合いをしつつも、交渉を通じた決着を目指すのが望ましいとの考えをあらためて示しています。

同高官は、EUもアメリカも共に協定違反をしており、お互いに措置を講じることが認められるが、本来なら制裁の発動を控え『話し合おう』と言うべきだとしました。

EU、航空機補助金問題についてアメリカと交渉可能の姿勢を示唆

EUはアメリカが2019年7月1日に公表した関税リストに対して、EUは、公平で前提条件なしの交渉であればアメリカと話し合う事に前向きだと話しました。

ただ、上記関税リスト問題については、WTOが裁定すべきで、その裁定によって認められればEUは直ちに報復措置を取る準備をしているとしました。

MEMO
WTOははEUがエアバスに支給する補助金とアメリカがボーイングに支給する補助金について、どちらも不当との最終判断を下しています。

アメリカとEUは相互に関税措置を準備していますが、アメリカが先にWTOに112億ドル分の品目に関税を課す対抗措置を申請している状況です。

アメリカ、対EUの報復関税の対象リストを拡大

トランプ政権が高関税をテコに貿易相手国に譲歩を迫る戦略を加速しています。

2019年7月1日にEUに対する報復関税の対象を広げると発表しました。

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中国への追加関税は棚上げしたものの、代わりにEUに強硬に出るといった所でしょうか。

USTRは、EUがエアバスに出す補助金が不当だとし、最大100%の関税を課す89品目の「第2弾」リストを公開しました。

4月に示した210億ドル(約2兆3千億円)分の「第1弾」から、さらに40億ドル分を積み増します。

注意
一旦産業界から意見を募る手続きがあるため、第2弾がすぐに実行されるわけではありませんが、実際に発動すればEUも対抗措置を取る構えですから、米中に匹敵する貿易戦争になる可能性さえあります。

2019年5月 米中貿易摩擦の後は欧米か

2019年4月現在の欧米の経済対立ポイント

2019年4月現在におけるアメリカとヨーロッパの貿易・経済問題は以下の通りです。

  • 自動車:アメリカが欧州車向けに高関税の脅し
  • 農産品:アメリカがヨーロッパに対して協議を要求するも、ヨーロッパは拒否
  • 航空機:補助金を巡りお互いに関税をかけあう
  • 鉄鋼:アメリカが追加関税を導入中

米中貿易協議が落ち着けば、今度はヨーロッパ側にその矛先が向かうのか、はたまた日米交渉に向かうのか、まだ分かりません。

EU、自動車輸出規制に断固反対

2019年5月27日、EUはアメリカが言っている自動車関連の輸出制限に断固反対の姿勢を示しました。

貿易を巡り欧米間の緊張が高まるリスクが改めて浮き彫りになっています。

米中貿易戦争のみでなくヨーロッパの対米自動車輸出を巡る摩擦も大きな不確定要素となります。もちろん自動車輸出規制は日本も同じです。

2019年4月 具体的なリスト発表

EU、アメリカへの報復関税2兆円、軟着陸図りたい

アメリカのEU製品向け関税へのEUからの対抗策が2019年4月17日に発表されました。

アメリカ側が実際に関税をかければ、米工業品や農産品など幅広い分野の米製品200億ドル相当に関税を課す内容です。既報の102億ユーロ以上の規模です。

制裁関税の品目リストには

  • トラクター
  • 航空機
  • ヘリコプター
  • ゲーム機
  • ハンドバッグ
  • スーツケース
  • 魚類
  • チーズ
  • フルーツ他

など幅広い製品が並びます。

ただ、あくまで対話を通じ貿易戦争の激化を避け、軟着陸を探りたい姿勢です。

2019年4月15日、EUが対米交渉の体制を構築、農産品は交渉せず

2019年4月15日、EU加盟国は欧州委員会にアメリカとの通商交渉に関する権限を与えることで合意しました。

これでEU側の交渉体制がようやく整った形です。

EUは近く交渉を始めたい意向ですが、欧州委の権限にはアメリカが強い関心を示す農産品は含まれていません。つまりEU側は農産品について交渉するつもりがないという事なわけで、アメリカの反発は確実でしょう。

EUの対アメリカ報復関税の具体案

EUはアメリカへの報復関税としてハンドバッグやヘリコプターなど幅広いアメリカ製品102億ユーロ相当に対する追加関税を検討しているようです。

アメリカ政府のボーイング補助金への対抗措置となります。

EUの執行機関である欧州委員会はブリュッセルで4月12日、加盟各国政府の通商担当者らに今回の報復計画を説明したようです。

2019年4月、アメリカが110億ドル相当のヨーロッパ製品に関税、EUも報復措置検討

2019年4月9日、アメリカはEUから輸入する110億ドルの物品に対し関税を導入することを明らかにしました。

欧米はエアバスおよびボーイングに対する補助金について互いに不当だと主張し、長期にわたって対立していました。

WTOはこれまで、ボーイングとエアバスへの補助金がともに不当と判断していましたが、こんな中、アメリカが2019年4月8日に、EUによるエアバスへの補助金に対する報復措置として関税を課すEU製品の暫定リストを公表、大型商用機やその部品のほか、乳製品やワインを盛り込んだのです。

これを受け、EUも対抗措置の準備に着手しているようです。具体的には、ボーイングへの補助金を巡り、米製品を対象に報復関税を課す方向で準備しているという事です。

2019年3月 感情的な対立にも

ファーウェイ(華為、HUAWEI)製品を排除せず。欧米の対立の種となるか

欧州委員会は2019年3月26日、ファーウェイの製品を5G網の選定から排除しない旨の決定をしました。

これによって米欧の溝が更に深くなっていくかもしれません。

アメリカはこれまで、同社製品の全面排除を同盟各国等に強く要求していました。

米政府は同社製品の採用は同盟国間の軍事協力に影響するとけん制しており、通商問題などで対立する米欧の新たな火種となりそうです。

既に、ヨーロッパ各国は以下の様な動きをしています。

  • ドイツ:特定の企業を排除しない方針
  • イタリア:ファーウェイとの連携に前向きな姿勢
  • ポルトガル:5Gを巡って大手通信会社がファーウェイとの覚書に署名

ただ、引き続きEU内で中国製品を使う事のセキュリティー上の懸念はまだかなりあり、どうなるかは分かりません。

アメリカ・ヨーロッパ間の通商対立、再び深まる

アメリカとヨーロッパの通商対立が再び深まっているようです。

最大の争点は2018年7月の米EU首脳会談で合意が見送られた農産品の扱いです。

トランプ大統領は欧州車への追加関税で脅しをかけますが、EUは報復措置でけん制しています。

交渉を始める前から互いに不信感を募らせているのです。

遺伝子組み換え作物などに懸念を示すヨーロッパにとって、アメリカの農産品の輸入はとても重大です。

欧州委員会が交渉を始めるには加盟国の承認が要るのですが、農業大国であるフランスなどは慎重姿勢です。

トランプ氏としても次期大統領選に向けて農産品の輸出拡大を実績に掲げたい所ですが、今の所実績は挙げられておらず、いら立ち始めています。

そういった事もあり、棚上げで合意した自動車関税について2019年2月中旬に「交渉で合意できなければヨーロッパ製の車に関税を課す」と改めて警告したのです。

これに対し、EUは既述の通りキャタピラーなど米国の象徴的な製品を標的とした報復関税で対抗する構えをみせました。

2019年2月 欧米間で舌戦

欧州委員会、キャタピラーなどを報復関税の標的に

アメリカがEUからの自動車輸入に関税を課した場合、EUはキャタピラーややゼロックス、サムソナイト・インターナショナルといったアメリカ企業の製品に報復関税を課す方針だとの報道がありました。

欧州委員会は、アメリカからの追加関税が発動された場合に備え、報復措置のリスト作成を開始していると説明しています。

アメリカ、EUとの貿易・通商合意に達さなければ関税課すと表明

2019年2月20日、トランプ大統領はEUと通商合意に達することができなければEUからの自動車輸入に関税を課すとあらためて表明し、米欧関係が緊張する中で圧力を強めました。

トランプ大統領は、自動車・同部品輸入がアメリカの国家安全保障に及ぼす影響に関する報告書を受理し、これを利用して欧州の譲歩を引き出そうとしているようです。

トランプ大統領は、「取引できなければ、関税を課すだろう」と発言し、「われわれは取引をしようとしている。EUは取引相手として非常に手ごわい」と語りました。

2018年7月に米欧首脳は新たに貿易を巡る協議を始めることで合意しました。

トランプ大統領は交渉が続いている間は新たな関税を課さないと約束し、それ以来、「休戦」を守ってきました。

2019年1月以前

EU(欧州委員会)、アメリカが関税を課すなら200億ユーロに相当する報復関税をかける用意ある

2019年1月、欧州委員会はアメリカがEUからの自動車・同部品輸入に追加関税を発動した場合、200億ユーロ(約2兆5000億円)相当のアメリカ製品に報復関税を課す用意があると発表しました。

ただ欧州委は報復関税の対象となるアメリカ製品について、具体名は挙げていません。

2018年7月 アメリカとヨーロッパ、新たな貿易協議を始める事で合意

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