トルコの金融政策の経緯とまとめ

ここではトルコの金融政策について記していきます。

トルコの金融政策は かなり政治に翻弄されている所があります。独裁制に近い権力を持っているエルドアン氏に遠慮してしまうのです。

しかし、トルコは高金利通貨国として、リスクが高い事は分かっているものの、日本人にとってはトルコは旅行先でもかなり人気でなじみのある国でもあるので、興味が出てしまう通貨であることは確かです。

トルコの金融政策とそれに関連するマーケットの動きを中心にここでは記述していきます。

トルコの金融政策はかなり政治に左右される

トルコの金融政策を考えるうえで大切なのが、政治的な意思決定に大きく左右されるという経緯です。

特にトルコリラへ投資を行う個人投資家が注意しなければならないのが、エルドアン大統領の金融政策へのアプローチの仕方でしょう。

エルドアン大統領は大統領就任以来、自らの権力基盤強化に執心してきました。

国民からの支持を何とか取り付けて自身の権力基盤を安泰にするため、トルコに多いイスラム教徒が嫌がる利子という考え方を否定している可能性もあります。

エルドアン大統領の金融政策への考え方

有名なところですが、そもそも「利子」や「金利」というものを嫌っており、インフレを抑えるために金利を引き上げるという考え方も否定しています。

むしろ、インフレは金利を引き下げることで抑える事が出来るという、現代の金融理論とは真反対の考えを持っています。

エルドアン大統領は、インフレに対して利下げで対応するというやり方について、海外の金融マーケットから批判を受けている事を知っており、金融政策や経済政策について演説するときは、頻繁に自説を繰り返し主張しています。

トルコの中央銀行総裁、財務大臣の更迭でトルコリラは急落

上記の通り、エルドアン大統領は金融政策に対して独自のアプローチを持っている人です。

元々は金融政策に対して中央銀行に一因する姿勢を見せていたものの、大統領となってより独裁色を強めてからは、金融政策に介入するようになってきました。

具体的には、エルドアン氏の主張に相いれない中央銀行や経済省庁の大臣を更迭し、代わりに自分の言う事を聞く人を任命する、というやり方です。

直近で、金融マーケットを驚かせたのが2021年3月のアーバル総裁の更迭とカブジュオール氏の新総裁就任でした。

【アーバル総裁更迭前後のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

©Trading View

アーバル総裁は金融市場からの信任も厚く、現代金融理論に則った政策を運営していました。このため、アーバル総裁の時はトルコリラはかなり安定的に推移したのです。

しかし、インフレを利上げによって乗り越える至極まっとうな政策をエルドアン大統領は嫌い、急に更迭してしまったのです。

カブジュオール氏が総裁となってからは、高いインフレ率にもかかわらず、金利据え置きか引き下げがなされるようになり、高いインフレ率とともに、トルコリラへの信任が下がってしまい、大幅なリラ安となってしまいます。

そしてリラ安が輸入物価高騰を招き、更にインフレ率を高めてしまうという悪循環となってしまったのです。

【2021年のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

2021年の無理な利下げを開始して以降、トルコリラが急激に落ちていくのが上記グラフで表れています。

トルコ中央銀行が採ってきた行動

トルコ中央銀行は、2021年以降、エルドアン大統領の意向を気にした金融政策を採ってきました。

それまでは金融政策を熟知した専門家集団が国の経済状況を鑑みて適切に金融政策を決定してきたのですが、それが既述のような形になってしまいました。

ただ、もちろん中央銀行の中には良識を持った人がいて何とか目の前の悪性インフレを抑え込もうとしています。

預金保護政策やリラ買い介入という事ですが、どれも必要な金融政策を採れないがための代替であり、厳しい状況です。

トルコ中央銀行の職員たちは・・・

一方で、まだまだ中央銀行の職員たちは何とか正常な金融政策を踏襲して、マーケットとの対話を続けたいと考えている節もあります。

エルドアン大統領の金利を嫌う体質を何とか掻いくぐり、正常な金融政策にしようという努力が所々で垣間見えるのです。

この意味では、トップの政治家が変わるとトルコの金融政策はすぐに正常なものに戻る土壌を残しています。

トルコの金融政策の過去の推移を知ることで今後の対策を練る

トルコの金融政策及びトルコリラの今後はどうなるか

政治の動向にかなり左右され、それによってトルコリラの動きも変わるでしょうし、また金融政策も少なからず影響を受けるでしょう。

トルコに投資をする際は、既述の通り政治家の信条によって、普通の金融理論では考えられないような事も起きうることを理解しておく必要があります。

過去の経緯を網羅的にご覧頂く場合は以下をご参考ください。kindle unlimitedで無料でご覧いただけます。

トルコに関する本ブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う 基礎から学ぶ4つのポイント

トルコの政治と外交についてのまとめ記事は↓

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコ・リラの動きについては↓

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ2019

2024年3月

引き締め措置強化

トルコ中央銀行が銀行の融資や外貨需要の抑制に動いています。
こうした政策の背景にはリラの下落やインフレがあります。
中銀は3月6日、引き締め強化のため、融資の月次伸び率限度を2%に引き下げました。
従来はそれぞれ2.5%と3%でした。

2024年2月

金利据え置き

トルコ中央銀行は2月22日の金融政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポ金利を年45%と9会合ぶりに据え置くと決めました。

中銀は毎月のインフレ基調が大幅かつ継続的に低下するまで、現在の政策金利の水準を保つと明記しています。

足元のインフレ率は前年同月比で約65%となっていますが、中銀は2024年後半には鈍化し、年末に36%まで低下すると予想しています。

エルカン総裁が辞任

トルコ中央銀行のエルカン総裁が辞任することが明らかになりました。

エルカン氏は昨年6月、エルドアン大統領に総裁に起用されましたが、今回の交代劇はじゃっかん様相が異なるものの、任期半ばで退場する総裁はエルカン氏で5人連続となってしまいました。

カラハン氏はNY連銀で金融政策アドバイザーを務めた経験があるほか、昨年7月からエルカン総裁の下で副総裁を務めていた人物です。

就任会見では、物価の安定を達成するまで現状の金融引き締めを維持する旨の発表を行っており、エルカン前総裁と同様、正統派の金融政策を維持する考えを表明しています。

今後どういった影響があるか注視する必要がありますが、すぐに市場が動揺したという事はありません。

ただ、政治的な要因で再び混乱が来ないことを祈るばかりです。

2024年1月

利上げ終了

トルコ中央銀行は1月25日、主要政策金利の1週間物レポ金利を2.5%引き上げ、年45%にすると決めました。

利上げは8会合連続となりますが、中銀はインフレ抑制の道筋を付けたとして、利上げを終了する方針を示しました。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

2023年12月

政策金利を2.5%引き上げ

トルコ中央銀行は12月21日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を2.5%引き上げ、年42.5%としました。

利上げは7会合連続となります。

ついに声明で近く利上げを終了する考えを示し、今後は打ち止めの時期が焦点となりそうです。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

2023年11月

政策金利が40%に

トルコ中央銀行は11月23日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を5%引き上げ、年40%にすると決めました。

利上げ幅は過去2回と同じ5%ポイントですが、市場予想は2.5%ポイントであったため、ややサプライズの利上げとなりました。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

中銀はインフレを緩和するために必要な金利水準に近づいたとして、ようやく利上げサイクルが完了する旨のコメントを出しています。

2023年10月

5%の利上げ

トルコ中央銀行は10月26日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を5%引き上げ、年35%にすると決めました。

利上げは5会合連続となり、前回と同様の利上げ水準となります。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

高インフレのため実質金利はマイナスの状態が続いていることに加えて、イスラエルとハマスの衝突も金融市場の新たな波乱要因となっています。

利上げ幅は大半の予想通りでしたが、この決定発表後、トルコの銀行株は上げを拡大したものの、通貨リラはほぼ変わらない水準でした。

2023年9月

5%利上げ

トルコ中央銀行は9月21日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を5%引き上げ、年30%にすると決めました。

これで利上げは6月以降、4会合連続となります。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

中銀は

インフレ期待を安定化させ、可能な限り早期にインフレ沈静化させるため、金融引き締めを継続することを決定した

という旨の説明をしています。

また、7月と8月のインフレ率が予想を上回ったことについて、内需の強さやサービス価格の粘着性、原油価格の上昇、インフレ期待の高まりがインフレ見通しの更なる上振れリスクになるとして警戒しているようです。

エルドアン大統領が利上げを容認

エルドアン氏が9月6日、従来の主張とは異なる金融政策に関する見解を述べました。

彼は、引き締め的な金融政策により、我々はインフレ率を再び1桁台に下げ、経常収支を改善させるだろうという趣旨の発言をしました。

これは従来の金利を下げれば、インフレ率は低下するという見解とは真逆です。

結局、これまでの主張はただの選挙対策であったことが本人の発言から証明されたわけですが、大統領のお墨付きをもらったトルコ中銀は追加利上げを実施しやすくなるかもしれません。

ただ、大統領のこういった形での金融政策への支持・批判がコロコロと選挙のたびに変わると、まともな投資家は投資するのに及び腰になるでしょう。

2023年8月

為替変動から保護される預金を通常預金へ移管

トルコ中銀は8月20日、為替変動からリラ建て定期預金を保護する制度を利用した預金を通常のリラ建て預金へ移管するよう促す措置を発表しました。

通常のリラ建て預金の割合が少ないと市中銀行は国債の追加保有を強いられます。

いずれにしても財政負担の軽減につながるため、ファンダメンタルズの観点からは前向きでしょう。

市場予想を超える利上げ

トルコ中央銀行は24日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を7.5%引き上げ、年25%としました。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

足元のインフレ加速を受け、市場予想を上回る利上げに踏み切りました。

トルコリラはこれに大きく反応し、24日、トルコ・リラが対ドルで一時7%も上昇しました。

【直近1年のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

また、JPモルガンのアナリストは、年末まで政策決定会合ごとに250bpの利上げが行われると予想し、年末の予想を30%から35%に引き上げています。

さらに、年末のインフレ率見通しについては従来の57%から62%に上方修正しています。

2023年7月

年末のインフレ予想は58%

トルコ中央銀行のエルカン総裁は7月27日、足元で38%のインフレが加速し、2023年末時点で58%になるとの見通しを示しました。

金融政策の引き締めを継続し、高インフレに対応する決意を示し、本格的な安定は25年以降になるとの見方を示しました。

2.5%の利上げ

トルコ中央銀行は7月20日、金融政策決定会合を開き、主要金利の1週間物レポ金利を2.5%引き上げました。

これで政策金利は年17.5%となりました。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

市場予想の18.5%を下回りましたが、発表後のトルコ・リラ(対米ドル)の反応は限定的でした。

恐らく為替介入があったのだと思われます。

【金融政策決定会合前後のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

トルコは5月の選挙後、従来の低金利路線から引き締めに転換し、利上げは2会合連続となります。

しかし、引き続き実質金利はなおマイナスで、金融政策正常化への道は険しいと言えます。

中銀が金売り

トルコの中央銀行が経済有事の「金(ゴールド)」売りに動いているようです。

ある調査によると、トルコの中央銀行は5月まで3カ月連続で計158.9トンを売却したようです。

これは2022年通年で購入した147.6トンを上回る規模です。

2023年6月

ミクロ・マクロプルーデンス政策を修正

トルコ中銀は6月25日、既存のミクロ・マクロプルーデンス政策を段階的に簡素化する方針を示しました。

トルコの市中銀行は、預金に占めるリラの割合に応じて保有しなければならない有価証券の比率が定められているのですが、これを緩和することになるわけです。

ただ、これをすると、国債利回りに上昇圧力が加わることが想定され、それがトルコリラ安に拍車をかける可能性もありますので、金融市場の混乱を避けるために徐々に正常化させる方針のようです。

6.5%の利上げ

トルコ中央銀行は6月22日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利を年8.5%から15%に引き上げました。

通貨リラ安やインフレに対応するため、6月に就任したエルカン新総裁の下でこれまでの緩和方針を転換しました。

利上げは2年3カ月ぶりとなります。

久しぶりの利上げですが、金融市場は不十分としてリラ売りが広がりました。

通貨リラは発表後、対ドルで一時、前日比4%超下落しました。

エコノミストらの平均予想金利は21%で、ゴールドマン・サックスはインフレ率を考慮した実質金利をプラスにするのに必要な40%を予想していました。

トルコ中銀が国内エコノミストらに実施した調査でも平均17%台の予想で、これと比べるとまだまだ低い水準です。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

新しい経済チームで政策が通常状態へ?

新財務相と中央銀行の新総裁によって各種経済・金融政策が予測可能な合理的なものに変化する可能性が出てきました。

6月中旬時点で金融政策の枠組みに関する指針は欠けていますが、エルドアン大統領は、新しい経済チームに政策変更の自由度を与えることを明らかにしています。

これによって、伝統的な金融政策に回帰し、為替相場の調整を容認し、国内金利を安定させる水準にまで政策金利を引き上げるのではないかとの期待が上がっています。

金融機関の間では、オーソドックスな政策当局者が現行の預金金利水準である40%まで金利を引き上げる可能性があるとしています。

その上で、為替相場とインフレ期待が安定すれば金利は速やかに引き下げられ、年末までに25%にまで下がる可能性も指摘しています。

ただ、エルドアン氏は金利低下がインフレを収めるといった独自の理論を維持しています。

これまで何度も同じようなシーンを見てきただけに、まだ外国人投資家としては慎重になっておく必要があります。

新財務大臣の金融政策に注目

5月の大統領選で続投を決めたエルドアン大統領は、新内閣の財務相にシムシェキ元経済担当副首相を起用しました。

シムシェキ氏は正統派の政策担当者として金融市場の評価が高い人物です。

エルドアン氏が掲げる特異な経済・金融政策の転換を示唆していることから、マーケットは期待していますが、これまでのようにエルドアン氏の意に沿わないと更迭される可能性もあります。

投資家としてはまだ様子見をする必要がありそうです。

2023年5月

政策金利据え置き

トルコ中央銀行は5月25日、政策金利を据え置くと発表しました。

これで3か月連続の据え置きです。

もちろん5月28日に行われる大統領選挙の決選投票を控え、あまり目立った動きができないことと、通貨リラの安定を維持するということがその目的と思われます。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

2023年4月

野党候補、金融政策を正常化させると表明

5月14日に投開票する大統領選の6野党統一候補、ケマル・クルチダルオール氏(74)が金融政策について語りました。

インフレ抑制などのために、金融・財政政策を正統派に戻すとして、経済の安定化に取り組むようです。

経済政策の転換は景気後退を招く可能性がありますが、クルチダルオール氏はこれを現政権がまいた地雷と呼んでおり、痛みを最小限にするためにも、金融市場との対話を積極的に行い、信頼を早期に得ることが必要と話しています。

また、国際的な評価の高い人材を要職に起用する考えも示唆しています。

クルチダルオール氏は今後5年で計3000億ドル(約40兆円)の投資を呼び込む計画を練っています。

海外直接投資(FDI)が年間100億ドル程度の現状と比べると野心的な目標ですが、頻繁な規制の変更や不透明な運用を念頭に普遍的な法の支配の原則がないことが問題と指摘しており、投資環境を整備すれば実現は可能だと主張しました。

大統領選を控え、金利据え置き

トルコ中央銀行は4月27日、政策金利を据え置きました。

大統領選挙前の最後の会合で、市場に配慮した形です。

今後の金融政策は、5月の大統領選挙の結果に大きく左右されそうです。

もし、エルドアン氏から、中銀の独立性を取り戻すと主張しているクルチダルオール氏に大統領が代われば、利上げへの転換が見込まれるため、政策金利も一気に上がりそうです。

脱ドルへ措置

トルコ中央銀行は4月7日、ドルへの依存を減らす措置を採り始めています。

中銀は預金総額に占めるリラ預金の比率が60%未満の銀行に対して、外為預金に追加で5%の準備金を適用し、外貨からリラへの預金転換目標を改めて導入します。

また、リラ建て国債の利回りを抑えるための方法で、リラ預金が預金総額の50ー60%を占めるときに銀行が維持しなければならない証券の比率を、従来の2%から7%にします。

2023年3月

金利据え置き

トルコ中央銀行は3月23日、政策金利を据え置くことを決定しました。

リラ安や、先月の大地震の影響が少しずつ和らぐ中で中銀は利下げを見送りました。

同中銀は2月に0.5ポイント利下げを決定した際、利下げ後の金利が適切であると説明していましたが、今回のこの据え置きはこれに一致したものです。

2023年2月

震災の影響から利下げ

トルコ中央銀行は2月23日の金融政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポ金利を0.5%引き下げて年8.5%にすると発表しました。

利下げは2022年11月以来ですが、今回はトルコ南部で発生した地震による景気下支えという側面があるでしょう。

【2018年以降の政策金利の推移(出所:TradingView)】

この震災では死者数が同国だけで4万人を超え、国内経済にも被害が広がっています。

高インフレが続くなか、利下げで景気下支えを優先します。

【直近1年のトルコリラの推移(出所:TradingView)】

2023年1月

トルコリラのヘッジに制限を検討

トルコ中央銀行が新たなリラ安抑制政策を検討しているようです。

金融機関の為替デリバティブ販売を制限するというもので、企業の間で強まるドル需要を抑える狙いがありそうです。

金融機関が行う先渡取引に担保保有を義務づけるといった新たなルールを設ける事をトルコ中銀は考えているようです。

新たなリラ化政策を発表

1月26日にトルコ中銀が新たなリラ化政策を発表しました。

民間部門に対して外貨からリラへの資金移動を促すものですが、今回は企業が稼いだ外貨をトルコ中銀に売却し、一定の条件を満たせばその担保として両替額の2%分の支援を受けることができる、という内容のものが発表されました。

金利据え置き

トルコ中央銀行は1月19日、主要政策金利の1週間物レポ金利を年9%で据え置きました。

据え置きは2022年12月に続き2会合連続ですが、前回会合でそれまで続けていた利下げを完了したとして、当面の据え置きを予告していたため、市場の予想通りです。

【2018年以降の政策金利の推移(出所:TradingView)】

2022年12月

金利据え置き

トルコ中央銀行は12月22日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年9%で据え置くと決めました。

11月の会合で、利下げを完了を宣言しており、その路線を維持しました。

一方で、政府当局は最低賃金を1年前の2倍にすると決めました。

消費者物価指数は11月の前年同月比+84.4%から伸び率が鈍化していくと見込まれますが、インフレ目標(5%)の達成は見通せません。

トルコでは来年、大統領選と総選挙が予定されるなど「政治の季節」が近付いており、足もとの景気の不透明感を少しでも払しょくするため、エルドアン大統領は何でもありの手法を採ってくる可能性があります。

2022年11月

金利引き下げ9%へ

トルコ中央銀行は11月24日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年10.5%から9%に下げると決めました。

これでついにエルドアン大統領が求めていた1桁台の金利が実現し、利下げをいったん停止することも表明しました。

【直近5年のトルコの政策金利の推移(出所:TradingView)】

高インフレが続く中での利下げは4会合連続ですが、中銀は、経済指標が7月以降、成長減速を示しているとの認識を示し、利下げを正当化しています。

【発表直後のトルコリラの推移(出所:TradingView)】

そのうえで政策金利は適正な水準になったと考えており、利下げサイクルを終えると表明しました。

2022年10月

インフレ予想を引き上げ

トルコ中央銀行は10月27日、今年末時点のインフレ率見通しを従来予想から約5ポイント引き上げました。

エネルギーやその他輸入品のコスト上昇が影響しているという事です。

カブジュオール総裁は年末のインフレ率を65.2%と予測、7月時点で示した60.4%から上方修正しました。

来年は22.3%への減速が見込まれています。

リラ化戦略を拡大

10月21日、民間部門に対して外貨からリラへの資金移動を促す『リラ化戦略(Liraization Strategy)』の追加策を発表しました。

1,000万リラ相当以上、あるいは総資産または年間利益の5%以上の外貨資産を有する企業に対して、新規のリラ建て融資を停止すると発表しました。

【10月21日前後のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

これは今年6月24日に発表された政策の適用対象を広げるもので、当時はリラ高につながりましたが、今回の発表を受けた市場の反応は限定的でした。

予想を上回る大幅利下げ

トルコ中央銀行は10月20日、3会合連続で政策金利を引き下げました。

利下げ幅は予想以上で、来月も同様に大幅な利下げを実施し、その後、エルドアン大統領が求める緩和サイクルを停止すると確約しています。

トルコのインフレ率は前年比で83%超と、中銀が目標とする5%を約17倍上回っていますが、それでも金融政策委員会は1週間物レポ金利を1.5ポイント引き下げ、10.5%としました。

【直近5年のトルコの政策金利の推移(出所:TradingView)】

この様な利下げの割に、為替介入をしている事もあり、トルコリラは安定した動きです。

【直近3か月のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

インフレ率は加速

10月3日発表の9月消費者物価指数は前年同月比+83%と、8月の+80%から伸びが加速しました。

ただ、来年の総選挙に向けて景気を重視するエルドアン大統領からトルコ中銀への利下げ圧力が和らぐ可能性は低いでしょう。

【直近5年のトルコのインフレ率の推移(出所:TradingView)】

2022年9月

エルドアン氏、年末までに金利を1ケタ台に

9月28日にエルドアン大統領は、トルコ中銀が来月以降も政策金利を引き下げ、年末までに1桁台にすることを望むと発言しました。

現在の政策金利は12%で、年内は残り3回の金融政策決定会合が予定されているため、仮に毎会合で1%の利下げが決定されれば、政策金利は9%になり、大統領の望み通りとなります。

高インフレや世界的な潮流に逆らう利下げが、再び金融市場にどう受け止められるのか、注意が必要です。

サプライズの利下げ

トルコ中央銀行は9月22日の金融政策決定会合で主要政策金利の1週間物レポ金利を1%引き下げ、年12%に改めると決めました。

利下げは8月から2会合連続となります。

【直近5年のトルコの政策金利の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

通貨リラは発表直後にもちろん売られました。

背景には2023年半ばに予定される大統領選・議会選に向け、支持率の回復を目指すエルドアン大統領の思惑があるとみられますが、効果は不透明です。

【直近1か月のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

安定推移しつつお少しずつリラ安になっており、今回の利下げでまた一高いリラ安が進んだことが分かります。

声明文の内容はおおむね前回と同じで、「経済の先行指標は7-9月期に景気回復のモメンタムが失われていることを示唆」と述べていますが、その理由として新たに「外需の減速」が追加されました。

その上で前回と同じく「地政学リスクが高まり、世界的な経済成長の不確実性が高まる中、生産活動や雇用の拡大を保つために、緩和的な金融環境を維持することが重要」と利下げ決定に至った背景を説明しています。

2022年8月

エルドアン氏、利上げの必要性ない

エルドアン大統領は8月22日、トルコ中央銀行は利上げを実施する必要はなく、投資や雇用、生産、輸出押し上げに向けた取り組みや経常収支の黒字化達成に注力する必要があると述べました。

トルコ中銀は先週、政策金利を1%ポイント引き下げ、13%としています。

インフレ率が80%近くに達する中での利下げは全く予想外で、金融市場に衝撃が走りましたが、エルドアン氏には目先の支持率しか見えていないようです。

エルドアン大統領は80%近辺の水準にあるインフレについては、非常に高い水準で、嘆かわしいという見方を示しました。

輸出頼みの利下げ

トルコの金融政策は通貨リラの対ドル相場下落を誘導し、輸出産業を支援するやり方ですが、これはかなりの独自路線です。

主要国や新興国が相次ぎ利上げに踏み切るなか、異例の「逆張り」だといえます。

再選を目指すエルドアン大統領の意向を強く映していますが、インフレの加速は確実で、有権者の不満は高まりかねません。

エルドアン氏がにらむのは23年半ばまでに実施される大統領・議会の同日選での勝利です。

金融緩和で経済を好転させ、再選を実現する戦略を描いているようですが、常識外れの低金利でリラの信用が失墜すれば貸出金利はかえって上昇する可能性だってあります。

原油や天然ガスは輸入頼みで、通貨下落は物価高に直結しており、国民の不満も高まる可能性があります。

インフレ率85%で利下げ

トルコ中央銀行は18日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%から13%に引き下げると決めました。

利下げは2021年12月以来8会合ぶりですが、足元のインフレ率は80%近いが景気減速を懸念したとみられます。

ただ、トルコ・リラが最安値付近で取引され、インフレ率が24年ぶりの高水準となっている同国の利下げは予想外で、市場に衝撃が走りました。

もちろんリラは急落し、発表後に対ドルで一時、前日比1%超下落し、1ドル=18リラ台の年初来安値を付けました。

【利下げ発表時のUSDTRYの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

リラが大きく下げた後、一旦は買戻しがあったようですが、引き続き弱い状況です。

2022年7月

政策金利据え置き

トルコ中央銀行は7月21日、金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは7会合連続ですが、足元のインフレ率は80%近い状態です。

米FRBなど主要国中銀のタカ派傾斜は経済のファンダメンタルズが脆弱な新興国で資金流出を招くなか、双子の赤字に高インフレ、外貨準備の過小を理由にトルコ・リラは調整が続いています。

インフレが加速するなか、リラ安による輸入物価の押し上げがインフレを一段と加速させる懸念も高まっていますが、エルドアン大統領が景気を冷やしかねない金融引き締めに反対しており、異例の暴走状態が続いています。

もっとも市場は据え置きを予想しており、発表後の通貨リラ相場に大きな変動はありませんでした。

【据え置き決定前後のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

ここ最近は高インフレで金利据え置きでも、リラ相場は反応しなくなっていますが、少しずつリラ安が続いています。

2022年6月

政策金利を据え置き

トルコ中央銀行は6月23日、政策金利を6カ月連続で据え置きました。

エルドアン大統領は利下げ再開をあからさまに求めていますが、インフレ急騰や通貨リラの一段安に直面する中で政策金利の変更を見送りました。

声明⽂において、⽬先の利下げを⽰唆する⽂⾔は⾒当たらず、6⽉6⽇のエルドアン⼤統領が発言した、利下げ継続宣言のようなものはありませんでした。

このため、金融市場で浮上していた利下げ再開の思惑は一旦鎮まりました。

政策委はインフレ加速の要因として、地政学を理由とした供給ショックやエネルギー価格の上昇を挙げ、必要に応じてマクロプルーデンス政策を追加すると表明しています。

また、これまでに講じた措置により、ディスインフレのプロセスが始まると予測するとの見解を示しました。

【据え置き決定前後のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

©Trading View

国債CDS、19年ぶりの水準に

トルコ国債の向こう5年間のデフォルトリスクに備えるコストが急上昇、約20年ぶりの高水準に迫っています。

トルコ国債の保証コストを示すCDSのスプレッドは6月13日、841bpsに上昇しました。

2008年の世界金融危機や、現在大統領のエルドアン氏が首相に就任した2003年当時の水準を上回る水準です。

通貨リラの一段安や同国政府が頼る非従来型の金融政策を投資家が懸念していることを示唆してます。

S&P、資本規制のリスクを言及

S&Pグローバルは6月8日のオンライン説明会でトルコについて、通貨リラや金融市場への圧力がさらに強まる場合に、同国が追加の資本規制を導入するリスクが高まっていると指摘しました。

S&Pが今年4月にリラへの格付けを引き下げたのも追加の資本規制への懸念が背景だったと説明しました。

リラは現在、年初来の下落率が22%に達しており、昨年末ごろのような通貨危機の再燃への懸念が強まっている状況です。

エルドアン氏、利下げ継続を明言

トルコのエルドアン大統領は6月6日、激しいインフレ高進に見舞われる中でも利下げを継続する方針を明確に示しました。

大統領は現政府が利上げすることはない、引き続き利下げしていくと明言しました。

この発言を受けて通貨リラはドルに対して下げ幅を拡大しました。

一時0.9%安の1ドル=16.6リラ付近まで下落しました。

リラは年初からドルに対して19.8%下落しており、新興国通貨の中で最悪のパフォーマンスレベルとなっています。

このエルドアン大統領の発言を受けて、市場ではトルコ中銀が利下げを再開するとの思惑が浮上しているようです。

同行は将来のインフレ率鈍化を見込んで、昨年9月から12月にかけて政策金利(1週間物レポ金利)を19%から14%に引き下げたわけですが、通貨リラの暴落により、逆にインフレ率は急加速してしまいました。

その後は政策金利を据え置き、通貨の安定を重視する姿勢に移行していました。

早期の利下げ再開を市場参加者に意識されることはリラ安圧力の高まりを誘発し、それがむしろ利下げを難しくするため、トルコ中銀は利上げも利下げもしない(できない)状況が続く可能性が高いと考えられます。

【発言前後のUSD-TRYの動き(出所:TradingView)】

©Trading View

2022年5月

エルドアン氏、独自の金融理論を繰り返す

トルコのエルドアン大統領は5月26日、インフレへの対処法として金利を引き上げることに強い反対を唱えました。

消費者物価とリラに圧力がかかっているにもかかわらず、前日にはトルコ中央銀行が超緩和的な金融政策の維持を決めていました。

エルドアン氏はイスタンブールで指標金利とインフレの関連性を押し付けようとしてくる人々は無学か売国奴かだと主張し、ロンドンやニューヨークから世界を見ることにしか能のない人々のむやみな話に注意を向ける必要はないと主張しました。

ただ、2018年以降のトルコ政府の経済政策が市民にとって生活費の上昇という形で、重い代償を強いたことは認めました。

同国のインフレ率は今や70%と、中銀が公式に目標とする水準を14倍上回っている状況です。

政策金利、据え置き

トルコ中央銀行は5月26日の金融政策決定会合で、主要政策金利を14%に据え置くことを決めました。

据え置きは5会合連続となります。

中銀は、強力な対策が講じられ、物価の上昇は鈍化する見通しだと強調しています。

ただ高インフレと通貨リラの下落は続いているのが現実です。

リラはこのところ1ドル=16リラ台に達し、年始から2割近く下落しました。

4月の消費者物価指数は、前年同月比で69.97%上昇しており、文字通り非常事態です。

昨年後半の連続利下げに伴う通貨暴落はいったん落ち着いているものの、外貨準備不足の懸念が強まり、リラ安が進んでいます。

2022年4月

年末のインフレ率予測を上方修正

トルコ中央銀行は年末のインフレ率予測を42.8%と、今年1月時点の23.2%から上方修正しました。

エネルギーの輸入コスト上昇と通貨リラの下落が背景です。

中央銀行は、インフレ率が来年末までに12.9%、2024年には8.3%前後に減速すると見込んでいるようです。

ちなみに、同国の公式インフレ目標は5%です。

金利を据え置き

トルコ中央銀行は4月14日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは4会合連続です。

足元のCPI上昇率は前年同月比61%にも達しており、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰し、じきに70%を超えると予想されているにもかかわらず、政策金利の据え置きを決めました。

金融緩和による景気浮揚を優先する政権の意向に沿った形です。

中銀は、恒久的で強力なリラ化(liraization)を推進するために金融政策枠組みの包括的な見直しを続けるとしており、利上げでインフレを抑制しようとの意志は感じられません

2022年3月

高インフレ下でも金利据え置き

トルコ中央銀行は3月17日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは3会合連続です。

ウクライナ情勢を受けてインフレがさらに加速する可能性があり、市場では利上げに踏み切るとの観測もありましたが、やはりだめでした。

通貨リラの対ドル相場は金利据え置きの発表後、一時は前日比1%を超えて下がっています。

トルコではインフレが収まりません。

リラ安やロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー値上がりで、トルコのインフレ率は54%を超えていますが、エルドアン大統領は利上げを嫌い、トルコは世界の動きに逆行しています。

2月下旬にロシアがウクライナ侵攻を始めたことで、大半を輸入に頼る石油・天然ガスの価格が上昇し、インフレ圧力はさらに高まっています。

2022年2月

金利引き上げ以外のインフレ抑制策を検討

トルコがインフレに伴う家計負担の軽減に乗り出しています。

食料品の付加価値税を引き下げたほか、小売業者にさらなる値下げを促しています。

急激な物価上昇から国内ではデモが起きており、政府はインフレの長期化に危機感を募らせています。

ただ対策として一般的な利上げには否定的であるため、効果は見通せません。

エルドアン氏は

「少なくとも14%の値下げが行われると期待している」

と無責任なことを言っています。

政府は対策として14日に主要な食料品の付加価値税を8%から1%に下げ、その後、大手スーパーに当局が立ち入り、値札をみて価格が引き下がったかどうかをチェックしているようです。

政府はこれとは別に、小売業者にさらに7%の値下げを要求しています。

このほか、欲しい商品を最安値で扱う店舗を検索できるスマートフォン用アプリを政府自ら開発し、近く導入する計画です。

一部世帯では電気代の軽減も検討しているようです。

利上げ以外でのインフレ対策に、どこまで効果があるかは不透明です。

卸売物価指数(PPI)上昇率は94%にも及んでおり、小売業者にとってはとんでもない迷惑でしょう。

政策金利を据え置き

トルコ中央銀行は17日、金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは2会合連続です。

足元では消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比49%に達するほどインフレが加速していますが、中銀に影響力を行使するエルドアン大統領は経済成長を優先し、利上げを繰り返し否定しています。

インフレ調整後の実質利回りは35%近いマイナスとなっている状態です。

金をリラに替える事を奨励

2月11日、ネバティ財務相が⾦(ゴールド)をリラに替えることを奨励する政策を発表しました。

リラは当局に実質的にコントロールされているため、市場の評価を測るためには実際の⾦の動きを⾒る必要があります。

ウクライナ情勢が緊迫化しているとは⾔え⾦価格は堅調に推移しており、同政策が⾦市場に与える影響は⼩さいと思われます。

財務大臣、高インフレでも利上げせず

トルコのネバーティ財務相は2日、通貨リラ安定のために市場が求める中央銀行の利上げは「あり得ない」との認識を示しました。

国民のリラ保有を促す保証付き定期預金などの施策で為替相場は小康状態にあり、引き続き低金利による成長を目指すとしました。

しかしインフレは加速しており、リラ相場が下落に転じた際に傷が広がるリスクは増しています。

ネバーティ氏は政策金利について、低金利で生産や輸出を拡大し、中長期的な為替相場と物価の安定を図るのが新たなトルコ型成長モデルだと主張しています。

海外資金の流入に頼り、慢性的な経常赤字となっている状況を構造的に変えたいとしています。

トルコの1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比48.69%となっています。

本来は利上げによって沈静化を目指す局面ですが、トルコ中銀は21年9~12月に連続で利下げを実施し、政策金利はこの間に5ポイント低い14%となりました。

こうした中で金利低下でリラ安が加速し、それが輸入価格を押し上げて物価が上昇する悪循環に陥っています。

為替介入については、中銀が報告する直接介入以外に、公式の報告がない国営銀行経由の間接介入を行っていたことも認めました。

為替介入を続けた結果、外貨準備高は通貨スワップなどによる外貨借入分を除くと実質的にマイナスになっているとの指摘については、否定せずスワップを含む総額で考えるべきとの主張をしました。

足元のトルコ経済はリラ安による輸出がけん引しています。

2月2日発表された22年1月の輸出額は単月で過去最高を更新しています。

ネバーティ氏は21年のGDP成長率が10~11%、22年は5%程度になるとの見通しを示しましたが、トルコはエネルギーや中間財を輸入に依存するため、うまくいかない可能性も高いでしょう。

2022年1月

インフレ報告書を公表

27日にトルコ中銀が四半期に1度のインフレ報告書を公表し、トルコリラの安定の重要性を強調しました。

消費者物価指数は直近12月の前年同月比+36.1%から、2022年末に+23.2%、2023年末に+8.2%、2024年末に+5.0%へ鈍化するとの見通しが示されました。

カブジェオール総裁は記者会見で、中銀の独立性に関する質問に、政策はデータに基づき決定すると述べています。

注目ポイントは、物価安定のためにはリラの安定が重要であることを強調した所です。

短期・中期・長期で実施する全ての政策の焦点は、持続可能な物価安定のために、金融システムにおける『Liraization(リラの割合増加)』を確実にすることだなどと述べており、今後も利上げ以外の方法でリラ買いを促し、リラの安定に努めることが期待されます。

金利据え置き

トルコ中央銀行は20日、政策金利を据え置き、利下げサイクルを停止しました。

同国はエルドアン大統領の意向に沿って実施した連続利下げで、インフレ率が記録的な水準に達していました。

金融政策委員会は1週間物レポ金利を14%としました。

これは予想通りの結果です。

トルコのインフレ率は昨年12月に前年同月比で36.1%と、約19年ぶりの高い伸びを記録しました。

UAEと通貨スワップ協定

トルコとアラブ首長国連邦の中央銀行は19日、現地通貨で約50億ドル相当の通貨スワップ協定を結んだと発表しました。

期間は3年で延長される可能性もあるとしています。

それぞれの声明によると、規模は640億リラと180億ディルハム。

中銀は通貨リラを支えるために直接、間接の為替介入を繰り返し、外貨準備高枯渇への不安がさらなる通貨安を呼ぶ悪循環に陥っています。

中国やカタールなどとの通貨スワップや市中銀行の預金準備を除く実質の外貨準備高はマイナスと指摘されています。

UAEとの協定は、外貨準備を積み増して市場の信頼を得るのが狙いとみられます。

ただ、UAEの通貨ディルハムはドルやユーロなどのハードカレンシー(国際通貨)ではないため、効果は限定的だとの指摘もあります。

リラ安定化に向けた措置に取り組んでいると発言

エルドアン大統領は通貨リラのボラティリティー低下に満足しているとした上で、トルコ政府はリラへの関心拡大に向けた措置に取り組んでいると述べました。

リラは昨年、対ドルで44%急落しましたが、今月に入りおおむね安定的に推移しています。

18日時点のリラは1.6%安の1ドル=13.65リラです。エルドアン大統領の発言後に下げ幅をやや拡大しました。

エルドアン氏、インフレを早期に収めると表明

エルドアン大統領は12日、インフレ率が12月は36%を超えたことを受け、できるだけ早期に物価を引き下げると表明しました。

ただエコノミストは、トルコの物価は上昇し続け、通貨リラ相場に一段の圧力がかかるとの見方を示しています。

エルドアン氏は、インフレ急伸はトルコ経済の実態を反映していないとして、政府の措置により「不当な」物価上昇の重しは近く緩和すると述べました。

ゴールドマン・サックスは、トルコのインフレ率は1月に40%を超え、その後は50%を上回る水準にさらに上昇し、2022年を通して高止まりすると予想しています。

トルコ当局はインフレ抑制に向け一段の措置を導入し、その後は金融政策を最終的に転換させる可能性があるとの見方を示しています。

預金保護策を企業にも拡大

トルコは、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する預金保護策について、企業の外貨預金口座と金預金口座も対象にする事としました。

1月11日に明らかになりました。

2021年末時点で企業の口座にあるドル、ユーロ、ポンド、金を半年から1年の期間でリラ建て預金にすれば預金保護制度の対象になるという事です。

12月に発表された預金保護策は、リラ建ての定期預金が満期を迎えた際、預入時に設定された利息と元本が為替変動のために外貨換算でマイナスになれば補塡する制度です。

2021年12月

借り入れコストが急上昇

トルコで借り入れコストが急上昇しています。

利下げを推し進めるエルドアン大統領の取り組みが裏目に出始めました。

トルコ中央銀行が9月に利下げを開始して以来、10年物トルコ国債利回りは7ポイント余り上昇し、29日には過去最高の24.9%に達しました。

政策金利である1週間物レポ金利を10ポイント以上上回り、上乗せ幅は過去最大となっています。

トルコ中銀の純外貨準備が2002年以降で最少

 トルコ中央銀行の12月24日時点の純外貨準備が86億3000万ドルと前週の121億6000万ドルから減少し、2002年以来の低水準を付けていたことが分かりました。

中銀は通貨リラ相場防衛に向け、今月に入り外国為替市場に対する直接介入を5回実施したと発表しています。

12月17日以降は介入実施の発表はありませんが、準備高が一段と目減りしたことは政府・中銀が一段のリラ防衛を行った可能性があることを示しています。

来年はインフレ抑止よりもリラ預金奨励に注力

トルコ中央銀行は来年、リラ預金の奨励を優先課題とする方針です。

トルコでは実際のインフレ率が20%超えているものの、中銀は2022年に向け準備した金融・外国政策文書で中期的なインフレ率目標を5%に維持することを明らかにしました。

昨年の文書で当時のアーバル総裁が目指していた引き締め政策は放棄しています。

トルコ中銀、リラ預金促す措置

トルコ中央銀行は銀行が外貨からリラに転換して中銀に預けた法定準備預金の一部について、通常より高めの14%の金利を支払うようです。

外貨建ての同預金については年1.5%の金利を課します。

外貨の準備預金の10%を来年1月21日までに、20%を3月18日までにそれぞれリラに転換した銀行は2022年末まで新たな金利を免除されるようです。

通貨スワップ協定を新たに締結予定

トルコ中銀がアゼルバイジャンとアラブ首長国連邦(UAE)の中銀と進めている通貨スワップ協定を巡る交渉は進展しており、年内に1カ国との合意が成立する可能性が高いようです。

トルコはリラ急落やインフレの進行に見舞われており、外貨を必要としています。

為替介入で枯渇した外貨準備を強化する狙いがあると思われます。

水面下で中銀がリラ買い介入

エルドアン大統領が通貨リラを支える計画を公表した今週初め、同国の対外純資産は59億ドル減少しました。

当局が水面下で外国為替市場への介入を行った可能性を示しています。

政府は介入を否定していますが、対外純資産の急激な落ち込みは、2年余り前にも行われたオペレーションと同様の裏口介入が実施されたことを示唆しています。

当時は国営金融機関がリラを支えるためにドルを売っていました。

預金保護政策で実質的なドルペッグ制へ

エルドアン大統領は20日、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する新たな預金保護策の実施を表明しました。

リラ安に苦しむ家計部門の支援に向けて、リラ建預金に対して為替変動による損失を政府が補填するというものです。

つまり実質的なトルコリラのドルペッグ制で、政府がこうしてリラの価値に底を設けることは、投資家の利益を損なう利上げを実行しながらそれを公にしていないことになると、専門家は批判しています。

リラの下落とインフレに歯止めをかけるのが目的で、リラは対ドルで一転急騰しましたが、財政負担が増すため、持続性は疑問です。

この政策はトルコ経済にわずかに残された明るい材料である財政を圧迫します。

誤った政策の代償を公的財政で穴埋めする傾向は、トルコでますます強まっています。

利上げはしていないと主張するがために、この財政が犠牲になってしまったわけです。

また、本来お互いに独立するべき財政政策と金融政策が、双方の政策が絡み合っている点も危険です。

21日の財務省声明によると、リラ建ての定期預金が満期を迎えた際、預入時に設定された利息と元本が為替変動のために外貨換算でマイナスになれば補填されるようです。

対象は個人の定期預金(3カ月もの~12カ月もの)です。

演説の直前に一時前週末比10%超安い1ドル=18リラ台の史上最安値を付けたリラはその後、13リラ台に急騰しました。

どうやら国営銀行がリラ買いに参加してリラ高を演出したもようですが、21日もリラ買いの動きは続き、一時11リラ台を付けました。

20日の最安値からの上昇幅は50%を超えました。

政策金利を1%引き下げ

トルコ中央銀行は16日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを1%ポイント引き下げて14%とすることを決め、来月には利下げを一時停止することを示唆しました。

1%ポイントの利下げは市場予想通りです。

通貨リラが史上最低水準に急落後も、エルドアン大統領下で異例の政策を続けました。

他国が金融引き締めに向かっているのに対し、トルコ中銀は金融緩和を進めています。

利下げは4会合連続で、インフレはさらに加速するとみられます。

政府は最低賃金を50%引き上げるなどの財政出動で市民の不満を和らげる方針ですが、効果を危ぶむ声も上がっています。

中銀は1週間物レポレートが19%だった9月に始まった利下げの効果を今後数カ月間監視すると説明していますが、具体的な説明はありませんでした。

トルコ中銀はこの間に5%の利下げをしており、リラの記録的な急落を背景にインフレ率は21%を超えています。

トルコの実質利回りが大幅なマイナスになっている中で、エコノミストはこの政策を無謀と広く批判しています。

新しい財務大臣、金利を上げない決意を表明

トルコは金利を引き上げない決意だとネバティ新財務相が13日述べました。

トルコ中央銀行の政策決定に圧力を加えているエルドアン大統領の方針に沿った発言です。

同中銀は16日の会合で、政策金利を再び引き下げると見込まれています。

インフレ率が20%に上昇する中での金融政策緩和を受け、通貨リラは対ドルで繰り返し最安値を更新している状況です。

インフレ率が加速

トルコのインフレ率は11月に3年ぶりの高水準に上昇し、前月からの伸び加速は6カ月連続となりました。

トルコ・リラが下落し、消費者物価の見通しは不透明性が続いています。

3日の発表によれば、11月の消費者物価指数は前年同月比で21.31%上昇と、前月の19.89%上昇から加速しました。

前月比のインフレ率は3.51%と、市場予想中央値の3%も上回りました。

カブジュオール総裁、来年の利下げ停止を示唆

トルコ中央銀行のカブジェオール総裁が2日、来年1月以降は積極的な金融緩和を休止する考えを示したことが分かりました。

国内投資家との月次電話会議で同総裁は、12月に追加利下げを実施する余地は限られていると述べたという事です。

ある参加者は、12月に小幅な利下げを行うのを最後に、2022年に向けてはしばらく様子を見るという印象を受けたと語りました。

財務大臣を更迭

12月2日、エルドアン大統領は財務相を交代させる人事を発表しました。

これまで、財務大臣はエルドアン大統領の一連の経済政策に異を唱えていたと言われています。

イエスマンを後任としたことで、自分の思い通りにしやすい状況を作りました。

リラ相場に調整圧力が掛かることは不可避ななか、政策運営はいよいよ八方塞がりとなる可能性があります。

前日のエルドアン氏発言を受けて、中銀が為替介入

1⽇にはトルコ中銀が外貨売り・リラ買いの為替介⼊を実施しました。

エルドアン氏の発言がまたリラを下落させたことを受けての措置です。

この介入によってリラが反発する場⾯もみられましたが、外貨準備が潤沢ではないトルコが為替介⼊によりリラを⽀えるにも限界があると市場では受け⽌められ、リラの上昇は⼀時的に
終わりました。

ただ、トルコ中央銀行がリラ急落に歯止めをかけようと約10億ドルを費やして為替介入に動いたことは、エルドアン大統領の経済改革計画に政策担当者がますます不安を募らせていることの表れでしょう。

大統領が利下げを求める中でも、中銀が行動をとることに積極的だという兆しがトルコで初めて見られたのです

投資家も、金融当局がどこまで危機のさらなる深刻化を阻止できるのか注目しています。

ただ、1日の介入に対してリラ相場の反応が薄かったことを踏まえると、投資家の信頼感は低いようです。

リラ下落はトルコが工業大国に生まれ変わり、高金利に引かれて国外から流入する短期資金への依存から脱却するためのコストとして、エルドアン氏の目には映っているのかもしれません。

しかし、その壮大な設計図を狂わせる問題が積み上がり始めており、このままでは済まないでしょう。

リラ急落はトルコの中流層に大打撃を与え、投資家をいらだたせ、大統領への不満を高めてしまいました。

2023年の次回選挙までにエルドアン氏が経済を立て直すのはほぼ不可能だろうと、多くのアナリストらは指摘しています。

エルドアン氏はリラ安が質の高い製品の輸出拡大に寄与すると主張していますが、これまでも安いリラだったのに結局工業輸出国への変貌はなりませんでした。

早く常識的な政策に戻る勇気を持つ必要があるでしょう。

2021年11月

エルドアン氏、選挙まで更に金利が下がっていくと発言

新型コロナウイルスのオミクロン株への懸念で市場センチメントが悪化している中、30⽇にエルドアン⼤統領が、2023年の選挙までに⾦利は⼤幅に低下するだろうと発⾔しました。

短期的な外国資金への依存から脱却し、国内生産と輸出で繁栄する経済への転換を主張しています。

自らの政治生命を賭け、金利引き下げで落ち込んだ支持率の回復を図ろうとしてるのです。

更に、より安価な資金によって製造業は押し上げられ、雇用が創出され、現行は政府目標(5%)の4倍程度の伸びとなっているインフレ率も鈍化し、通貨も最終的には上昇すると語りました。

「ホットマネー」や、すぐに引き揚げられ得る投資に翻弄されるとして、トルコは資本の呼び込みを目指さないとも述べました。

トルコ中銀は12月にも利下げ停止を検討する意向を明らかにしており、こうした大統領の姿勢は中銀を難しい立場に置くでしょう。

当然このコメントを受けて、翌日トルコ・リラは急落しました。

エルドアン氏、低金利維持を再強調

エルドアン大統領は26日、トルコ国民が高金利によって苦しめられることは許されないとし、低金利を維持する姿勢を改めて示しました。

これを受け、トルコの通貨リラは4%下落しました。

エルドアン大統領は低金利を実現させ、生産、雇用、経済黒字を重視した新たな経済政策にコミットしていると表明しました。

加えてIMFや世界銀行から支援を受けるという考えにも反対すると改めて述べました。

リラ急落で影響が続々

急激な通貨安に見舞われているトルコで混乱が広がっています。

23日に一時、対ドルで前日比15%超下落すると、リラ安に伴う物価の高騰を見込んだオンライン販売など一部の商取引が停止しました。

大都市では反政府デモも起きています。

デモの参加者は数十~数百人程度と小規模なものが多いようですが、反体制派の拘束などが相次ぐ近年のトルコで明確に反政府を掲げるデモは異例です。

デモの背景にあるのは急激な通貨安への危機感です。

通貨リラは23日、対ドルで一時、前日比15%安の1ドル=13リラ台半ばまで下落しました。

年初からの下落幅は4割を超え、11月以降だけでも3割近くリラ安が進んでいます。

1日の最大下落幅は2018年の通貨危機「トルコショック」時を超えました

トルコリラが急反発

24日の外国為替市場でトルコ・リラが急反発、対ドルで一時5%超値上がりしました。

20年余りで最長の連続下落に歯止めがかかりそうな勢いです。

大きな要因は単純な押し目買いといった所でしょうか。

エルドアン大統領は経済成長および雇用創出を目指して利下げを支持していますが、物価上昇に対する懸念を招き、リラ相場は大きく変動している状況です。

信用リスクは高まらず、中銀は様子見の可能性

トルコリラを巡っては、市場では、いずれ利上げせざるを得ない状況になることを織り込んで国債利回りが上昇していますが、信用リスクが過去の危機時に比べて上昇していないことはトルコ中銀が利上げする必要性を削いでいるとも言えます。

リラが安定化するためには、インフレが落ち着くか、市場の圧力に屈してトルコ中銀が利上げする必要がありそうですが、すぐにトルコ中銀が動く気配は見られず、少し時間がかかるかもしれません。。

エルドアン氏が利下げを称賛しリラが大暴落

22日、エルドアン氏が高インフレ下の中の利下げを称賛し、トルコ・リラが暴落しました。

エルドアン大統領が22日夜、競争力のある為替レートが「雇用や投資を拡大する」などと発言しました。

当局が通貨安を容認し、緩和的な金融政策を続けるとの受け止めが広がり、リラに売りが殺到しました。

11月に入ってから、歯止めのきかないリラ安に対し、市場の一部ではトルコが早晩、緩和的な金融政策の転換を迫られるとの見方もありました。

しかし、エルドアン氏は22日の演説で、トルコ経済を攻撃する外国勢力などの陰謀があると示唆した上で、中銀の利下げを称賛し、引き締めを主張するエコノミストらを西側の従属者などと批判したのです。

3か月連続の利下げ

トルコ中央銀行は18日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を16%から15%に下げました。

世界の中銀が引き締めに動くなかでの金融緩和により、通貨リラは下落が止まりません。

利下げは9月から3カ月連続で、合計の下げ幅は4%となりました。

中銀は声明で12月の次回決定会合まで現在の緩和姿勢が続く可能性も示唆しました。

18日のリラ相場は一時、対ドルで前日比3%下落し、年初からの下落幅は3割を超えました。

エルドアン氏、金利引き下げを示唆

エルドアン大統領は17日、与党の会合で「金利と闘う」などと演説し、政策金利の引き下げを示唆しました。

トルコ中央銀行は18日に金融政策決定会合を控えており、通貨リラは一時対ドルで前日比3%下落、史上最安値を更新しました。

演説では、金利が原因でインフレがその結果だとする自説を繰り返し、金利を否定するイスラム教の教えにも言及しました。

エルドアン氏の発言はさらなるインフレにつながる恐れがある事は言うまでもありません。

中銀は9~10月に計3%の利下げを行い、市場はさらに続けるとみています。

リラは9月以降だけで2割下落しました。

輸入に頼るエネルギーなどを中心に、足元のインフレ率は20%近い状況です。

エルドアン氏はこの日、中銀は独立していることを主張しましたが、同氏は過去2年の間に総裁を3度更迭するなど中銀の金融政策に公然と介入しており、一連の発言は中銀への利下げ圧力だとの受け止めが広がっています。

2021年10月以前

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Abdul Stille

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