アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

この記事では、現在のアルゼンチンの通貨危機に関する経緯とまとめを記したいと思います。

新興国通貨や新興国株への投資で気を付けなければいけないのは通貨危機。新興国ならどの通貨も潜在的なリスクは先進国よりは高め。

こういった危機がどういう時に起きるのか、また起きた後どうやって復活していくのかを見ていくためにこの記事を書いています。

新興国への投資を行う上で重要な知見をこの記事でまとめていきたいと思います。

主に新しいイベントが上に来るように、順次更新していきます!

2018年以降の経緯を網羅的にご覧いただきたい場合は以下をご参考ください。

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アルゼンチンペソ 通貨危機の概要まとめ

アルゼンチンペソ・日本円の為替チャート

【直近5年間のアルゼンチンペソー日本円のチャート(出所:TradingView)】


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かなりアルゼンチンペソが下落しているのが分かると思います。2015年より前の水準にしっかり戻れるでしょうか。。。

アルゼンチンペソ急落 アメリカなど先進国の金融政策が影響

2018年4月から始まるアルゼンチンペソの急落・通貨危機は、アメリカなど先進国の金融政策の変更によって引き起こされたものと言えます。

具体的には、アメリカを中心とした先進国が利上げをしたために、資金の逆流が発生し、アルゼンチンにあった資金が急激に先進国に戻り、結果としてペソが急落したのです。

その意味では、1997年から始まったアジア通貨危機と本質的には同じと見ることが出来ます。

アルゼンチンのファンダメンタルズも悪い

ただ、そうは言っても全ての新興国が通貨危機に陥っているわけではありません。

では、なぜアルゼンチンだけこんなに通貨が急落したのでしょうか。

1つはアルゼンチンは国際経済・金融の世界で、長年、典型的な問題児といわれ続けて来ました。

経常収支の赤字、財政赤字、高インフレ、これまでの歴史

アルゼンチンは、慢性的に経常赤字・財政赤字が大きく、インフレ率も高い国です。

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つまり、経済のファンダメンタルズが弱いのです。

これまでも国として7回、デフォルト(債務不履行)を起こしています。

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何度も同じことを繰り返しており、これが問題児と呼ばれる所以です。

通貨急落を受けた、アルゼンチンの金融政策

詳細は、以下に記している経緯をご覧頂きたいと思いますが、2018年4月の通貨急落を受けて、アルゼンチン当局は主に以下の事を行いました。

  • 金利を大幅に引き上げ
  • IMFに支援を要請(緊急融資を依頼)
  • 日次で政策金利を変更

これによって、少しずつですが通貨のボラティリティを下げていくという手法を取っていきました。

2019年10月の選挙で改革派のマクリ氏が敗北

こうした危機対応を主導していたのがマクリ大統領(当時)でした。

しかし、その経済政策は国民に不人気で、2019年10月の選挙でポピュリズム政策を掲げるフェルナンデス氏に敗北しました。

政治によって新興国通貨は翻弄されます。

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トルコがいい例ですよね。

よく見ておかなければなりません。

フェルナンデス大統領の就任時の主要政策(2019年12月)

2019年12月10日に、左派のアルベルト・フェルナンデス大統領が就任しました。

就任演説ではポピュリズム色が目立った政策で、マーケットは警戒を強めています。

実際、同日の株価指数は5%近く下落してしまいました。

以下が、同大統領の掲げる主な政策です。

債務問題

国の経済成長が戻るまで返済は行わないとしています。

貧困層支援

低い利率で融資が出来るような特別なシステムを構築

若年層支援

補助金を使って、雇用を保証

インフラ事業

道路の補修、公的な建物を補修、低所得者向けの住宅を建築

2021年6月

成長率が2.6%に鈍化

アルゼンチンの成長率が鈍化しています。

23日発表した1~3月期の実質成長率は前の四半期比2.6%でした。

2四半期連続で前四半期の実績を下回りました。

5月中旬から6月上旬にかけ、新型コロナウイルスの感染の第2波に見舞われたことで4月以降の景気も伸び悩んでいるようです。

実質成長率は20年の7~9月期が13.2%、10~12月期は4.4%だったのできれいに下落しています。

新型コロナ感染の第1波後に建設業や製造業が上向いたものの、ホテルや飲食店が振るわず、5月までの14カ月で1万1800件のホテルや飲食店が経営破綻したそうです。

10度目のデフォルトは回避

アルゼンチン政府は22日、5月末が期限で不払いだった日米欧などで構成するパリクラブに対する債務について、2022年3月末まで交渉を継続することで合意したと発表しました。

これで10度目のデフォルトは回避した事になりますが、もちろん完全にデフォルトのリスクがなくなったわけではありません。

5月末に期限だった約24億ドルの支払いについて、アルゼンチン政府は年利9%という負担が重く、見直しが必要だと主張し、返済を拒否していました。この債務については、60日間の利払い猶予期間中となっていました。

今回、交渉再開と引き換えにアルゼンチン政府は一部債務の返済再開を受け入れました。

パリクラブはアルゼンチンが先進国への債務返済を拒否しながら、中国への返済を優先していることを問題視していました。

パリクラブはアルゼンチン政府に対し、同国にとって最大の債権者であるIMFとの450億ドル規模にのぼる債務再編交渉での合意を求めています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてIMFは柔軟化の兆しを見せているものの、まだ隔たりは大きく、合意できるかは不透明な状況です。

更に、選挙が近づき、政権内ではフェルナンデス副大統領を中心に「強硬論」が幅を利かせる動きも出ているようです。

交渉はまだまだどうなるか分かりません。

主要債権国への債務支払わず、減免を要求

アルゼンチン政府は日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)への債務を期限の5月31日までに支払わなかったようです。

今後、60日間の利払い猶予期間(グレースピリオド)中の交渉で債務減免の合意を狙います。

不払いは既定路線で、グレースピリオド中の債務再編交渉で債務減免で合意できるかどうかが焦点となります。

アルゼンチン政府は既にドイツやフランスなど欧州諸国から支援について前向きな反応を得ているようです。

2021年5月

21年インフレ率は若干上昇

5月7日に発表されたアルゼンチン中央銀行の月例アナリスト調査によると、2021年のインフレ率の予想中央値が前月の46%から47.3%に上昇しました。

また今年のGDPの予想中央値は6.4%増と、前月の6.6%からやや縮小しました。

12月時点のペソの対ドル名目相場平均の予想は1ドル=112.64ペソ、22年末までに159.09ペソになると予想されています。

4月のインフレ率は前月比3.8%前後との見方が中心的でした。

2021年4月

アルゼンチン、政府内部で論争?

IMFの高官は4月8日、アルゼンチンの連立政権はIMFとの交渉や経済政策を巡って内部で対立しているようだと述べました。

450億ドルの借り換えに向けIMFと交渉を進めているアルゼンチンについて、新たな合意の鍵となる持続可能な借り入れに向けた経済政策に大きな不透明感があると指摘しました。

アルゼンチンは新型コロナウイルス流行で長期にわたるリセッションが悪化する中、2018年のIMFとの合意に置き換わる新たな合意と返済の先送りを求めています。

交渉は今年6月までの合意が目標とされていましたが、アルゼンチン政権内で反対の動きが出たことから停滞しています。

多くの投資家は、10月の中間選挙の後にならなければ合意を得られないと見込んでいるようです。

アルゼンチンとIMFの交渉、また難航

アルゼンチンの450億ドル相当の債務返済計画がIMFとの間で6月までに決着する可能性は低いとグスマン経済相が明らかにしました。

グスマン氏は従来の返済プログラムの条件変更には、米国や中国、ドイツ、日本、フランスといった各国の支持が必要になるだろうと語っています。

アルゼンチン政府は、2021年9月ー24年に必要な450億ドルのIMFへの支払いを履行できないという事です。

2021年3月

IMFからSDRで43億ドル超を調達

アルゼンチン政府は3月24日、IMFから43億5400万ドルを調達すると発表しました。

特別引き出し権(SDR)を活用します。

債務問題の抜本的な解決には遠いものの、当面の債務返済や外貨準備高の補充に活用される見通しです。

SDRは危機時などにドルやユーロなどを引き出せる権利の事です。

アルゼンチンは、パリクラブ(主要債権国会議)に対する24億ドルの支払いが5月末に控えているほか、外貨準備高の減少も問題となっていましたが、今回のSDR活用で、当面のデフォルトの懸念は遠ざかったと言えます。

GDP成長率、3年連続マイナス

アルゼンチンが3月23日に発表した2020年のGDPは前年比9.9%減でした。

マイナス成長は3年連続です。

新型コロナウイルスの感染拡大に加え、通貨安やインフレが響きました。

新型コロナ対策として経済活動の制限を長期にわたり実施したため、家計消費が13.1%の大幅減となりました。

アルゼンチンはブラジルなど周辺国に比べ経済活動を厳しく制限したものの、新型コロナの感染拡大を止めることができず、経済は大きな痛手を負ってしまいました。

2020年10~12月期のGDPは前年同期比4.3%減で、周辺国に比べて回復が遅れている状況です。

通貨安とインフレも重荷です。

フェルナンデス政権は資本規制によりドルの購入を制限していますが、市民が手持ちのペソを外貨に替える動きは止まっていません。

輸入物価の上昇を受けて、物価上昇率は年率40%前後で推移しています。

5月の返済を巡って債務交渉開始

アルゼンチン政府が再び債務再編交渉に乗り出します。

5月に24億ドルの返済期限が迫っており、返済にはIMFとの交渉で合意する必要があります。

ここに加えて追加融資も要求しています。

アルゼンチンのグスマン経済相は3月15日、アルゼンチンの債務問題は過去にIMFが巨額融資をした影響が大きく、貸し手に非があるという従来の主張を繰り返しました。

2月末時点のアルゼンチンの政府債務額は3349億ドルです。

2019年12月に発足したフェルナンデス政権は返済負担の軽減を求め、20年8月に米欧の金融機関と約45%の債務減免で合意しており、国際機関や主要先進国の債務にも同様の措置を求めています。

今回焦点となっているのは日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)に対する24億ドルの支払いで、5月末に支払期限を迎えます。

現在、アルゼンチンは新型コロナの感染拡大を理由に債務返済を中断しています。

従来の契約に従った金利負担は年9%で、グスマン氏は金利は持続可能な水準ではないと不平を述べています。

パリクラブは債務再編交渉の条件として、アルゼンチンの最大債権者であるIMFとの合意を挙げており、IMFとの合意は必須です。

グスマン氏は3月23日にもワシントンを訪れ、IMFのゲオルギエバ専務理事との会談に臨む予定です。

ここで交渉が決裂して24億ドルの返済ができなかった場合、2カ月の猶予期間を経て、同国として10度目のデフォルトとなります。

交渉を複雑にするのが、アルゼンチンがIMFに返済猶予を求めると同時に、追加融資を要求している点です。

新型コロナの影響でアルゼンチン経済は大きく傷んでおり、外貨準備高は減少している状況です。

資本規制で通貨安を食い止めている状況で、IMFを含む国際機関からの融資抜きでは何もできない状況になっています。

ゲオルギエバ氏は2月に、支援そのものには前向きな姿勢を示したものの、返済猶予や元本の削減については態度を明らかにしていません。

フェルナンデス氏は19年10月の大統領選で圧勝し、新政権を発足させたものの、今の所目立った成果をあげられていません。

むしろ、新型コロナの封じ込めに失敗して感染者数が増加した上、インフレによる経済の低迷も深刻になっています。

足元ではワクチンを閣僚や高官が秘密裏に接種していたことが明らかになり、不支持率が支持率を上回る状況となっているのです。

大統領選で国民のIMFに対する悪感情をあおった手前、債務再編交渉での譲歩はさらなる支持離れにもつながりかねません。

IMFとの新しい合意を急がず

アルゼンチンのフェルナンデス大統領は3月1日、IMFからの新たな支援に関し、性急な合意は望まないとの意向を示しました。

IMFとの交渉をめぐっては、5月に設定された合意目標の達成は困難との懸念が広がっています。

フェルナンデス大統領は議会演説で、政府は前政権とIMFの合意について調査を行うため法的措置も取り得ると述べました。

同大統領は先に、この合意によりアルゼンチンの債務水準が高まったとも批判していました。

2020年11月

コロナワクチンやアメリカ大統領選挙が終わっても軟調なペソ

2020年11月中旬ごろからこぞって新興国通貨高・ドル安が進み、相場のマーケットオンが進みましたが、アルゼンチンペソは弱いままです。

まず、新興国通貨高とドル安となった背景ですが、

  1. 米大統領選挙を通過したことで、各国の金融市場でリスク選好とみられる動きが強まったこと、
  2. バイデン氏の次期大統領就任が確実となったことで、民主党主導で財政支出が拡大するとの見方が高まっていること
  3. 米ドル安が進行すれば、新興国の米ドル建て対外債務の実質的な軽減が見込まれること

などが挙げられます。

しかし、アルゼンチンペソは、9月に同国政府が対外債務再編を行ったことで債務不履行から脱却したにもかかわらず、同国に対する市場の信頼回復が進んでいないとみられ、他の新興国通貨の上昇から置き去りにされるかたちとなっています。

政策金利を引き上げ

2020年11月12日、アルゼンチン中央銀行は政策金利のLELIQ金利を36%から38%に引き上げました。

インフレ加速を受けた措置で、物価抑制のほか、ペソ建ての国内貯蓄を促進する狙いがあります。

中銀は翌日物と7日物のリバースレポ金利も引き上げました。

10月の前月比物価上昇率は3.8%と、今年最も高い伸びを記録しました。

新型コロナウイルス対応の封鎖措置の段階的な緩和が背景にあります。

2020年10月

富裕層の海外逃避が急増

アルゼンチン政府が富裕層への課税を強化する一方、ウルグアイでは新規移住者への税優遇措置を打ち出したことを受けて、アルゼンチンからウルグアイに移住する富裕層が増えているようです。

富裕層にとって最大の不満は、多くの人が厳しすぎると受け止めている税制です。

アルゼンチン議会は間もなく、純資産300万ドル(約3億1000万円)以上の国民を対象とする時限的な「連帯」税導入について審議入りする予定です。

政府関係者らは最大40億ドルの税収が見込めると話しています。

すでに昨年12月、既存の富裕税が2.25%に引き上げられ、全世界でスペインに次ぐ高税率になっていますが、更にここから増税となる可能性があるわけです。

野党議員は新たな連帯税は新政権への信用をさらに損なうだけだと指摘しています。

すでに新政権は穀物輸出の最大手企業を国有化する計画に失敗したほか、突如として通信料金の凍結措置を打ち出すなどしており、社会が混乱しています。

政情不安と経済危機のせいで外国企業がアルゼンチンから逃げ出しているさなかに、現政権は緊急事態だからと言って恣意的な税を導入していると野党議員は批判します。

富裕層の資産への課税については、既存の税の徴収効率化と慢性的な脱税の摘発のほうがはるかに税収を増やせると多くのエコノミストが指摘するなど、効果を疑問視する見方が広がっています。

しかし、アルゼンチン富裕層の大半は新税について公然と批判することには慎重です。

その理由はアルゼンチンの経済状況にあります。

アルゼンチン経済は10年前から低迷を続け、景気後退の3年目にあります。

そこに新型コロナウイルス危機の影響が重なり、状況の悪化が深刻です。

与党議員は、コロナウイルスが経済に大打撃をもたらし、国民の4割超が貧困状態にある状況で、アルゼンチンに富裕税が必要であることに疑問の余地がないと主張しています。

アルゼンチンの総税収はGDP比28.4%に相当しており、OECD平均の34.3%を大きく下回っています。

一方で、民間部門で働く人は総人口4500万人のうち800万人にとどまり、公務員や年金生活者、補助金受給者など2000万人以上が国のお金に依存しているのです。

そうしたなかで多くの個人と民間企業の税負担が「完全に重すぎる水準」になっていると指摘している人も多くいます。

世界銀行によれば、アルゼンチンは世界で最も税負担が重い国であるばかりか、富裕層に対する税率もすでに最高水準になっています。

国際金融協会(IIF)のエコノミストは、財政の観点からみて新税がゲームチェンジャーにはならず、逆にアルゼンチンの政策の方向性に対する疑問に輪をかけることになると指摘しています。

メキシコ同様、民間を軽視した左派政権で、なかなか景気浮揚は難しいのでしょう。

通貨ペソの下落止まらず

通貨ペソの下落が止まらず、政府も四苦八苦しています。

資本流出が進む中、中央銀行は外貨購入の制限など資本規制を相次ぎ強化していますが、逆に市民がドルを求める動きを後押しし、ペソは実勢レートで公定レートの半値以下となってしまいました。

アルゼンチンでは現在、外貨の購入が制限されています。

10月8日時点の政府の定める公定レートは1ドル=77.09ペソとなっていますが、闇市場ではペソの価値下落が止まらず、同日の実勢レートでは1ドル=155ペソと、既に公定レートの半値以下で取引されている状況です。

不利なレートにもかかわらず、市民が競うように手持ちのペソをドルに変えるのは資本規制の強化が止まらない中、自国通貨への不信感が高まっているためです。

中央銀行は何とか資本流出を止めようとあらゆる手を使っていますが、逆に市民の不安をあおる形となっています。

今後、大豆など穀物の輸出が本格化すれば外貨準備高は回復するとみられていますが、なかなk市場心理の改善にはつながっていません。

政府が進めている債務再編交渉の先行きが見通せないことも不安要素です。

10月6日からIMFと債務の返済見直しについての交渉を開始しています。

フェルナンデス大統領は、既に米欧の機関投資家と合意したような債務の大幅削減の再現を期待しています。

しかし、一方でアルゼンチンの厳しい経済状況を理由にIMFに対し追加支援も要請しています。

つまり、債務減免と追加融資を同時並行で進めようとしているわけで、早期妥結は難しいでしょう。

IMFは通貨安を止めるためには財政と経常の「双子の赤字」を改善する必要があるとして、財政支出の削減など、国民に痛みを伴う改革を要求しています。

フェルナンデス氏は

「債務問題は貸し手であるIMFに責任がある」

と主張して2019年の大統領選で当選した経緯があるため、表向きには公的支出の削減を拒否しています。

今後、市場の不安を取り除くために安易な妥協をすれば、支持者や与党内の急進左派勢力からの反発を招き、政治不安を招くリスクもありそうです。

かなり長い時間、投資家は事態を見守る事となるでしょう。

IMF、すぐに歳出削減を求める事はしない

2020年10月6日、IMFのゲオルギエワ専務理事はアルゼンチン政府が求める新たな支援プログラムを巡る協議について、直ちに歳出削減を求めることはないと述べました。

アルゼンチンの前政権はIMFからの借り入れに基づく合意を順守するためリセッション下で歳出削減を行わなければなりませんでした。

今は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、IMFとしてそうした緊縮財政をすぐに求めることはないと説明したわけです。

同氏は協議の行方を見守るとした上で、

「成長に向けた中期目標を明確にするため、アルゼンチンの手助けとなることを望む」

と語りました。

IMFの交渉担当者は同日、アルゼンチン入りしています。

大豆の輸出関税を一部引き下げ

2020年10月1日、アルゼンチン政府は主要輸出品の大豆にかけている輸出関税を33%から30%に引き下げたと発表しました。

輸出促進のための一時的な措置で、2021年1月には33%に戻す予定です。

鉱物や工業品の輸出関税も大豆と同時に引き下げました。

アルゼンチンは外貨準備減と通貨安で経常収支が悪化しており、輸出を促進する事で事態を改善したいと考えています。

アルゼンチンのグスマン経済相は、輸出振興の鍵となる分野の発展を促進すると述べました。

景気が低迷する同国では9月以降、通貨ペソ安が進んでいます。

中央銀行が保有する実質的な外貨準備は、公表値を下回っていたことが明らかになりました。

そのうえ、政府が資本規制を強めたため、市民が闇市場で手持ちのペソを売りドルを買う動きが活発になっていたのです。。

来週IMF代表団がアルゼンチンを訪問

2020年10月1日、グスマン経済相はIMFの代表団が来週、アルゼンチンに到着すると明らかにしました。

アルゼンチンはIMFと新たな金融支援プログラムを交渉したいと考えています。

アルゼンチンが2018年にIMFと合意した570億ドル規模の金融支援は経済危機を回避できず、同国は今年デフォルトに陥りました。

アルゼンチンは、この合意に代わる新たな支援をIMFから取り付ける必要があるとしています。

2020年9月以前

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