BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)

この記事では、BREXITの動向について、2019年4月~12月の動きを時系列でまとめていきます。

最新の状況は、

【最新】BREXIT(ブレグジット)の影響の経緯とまとめ

をご確認ください。

2019年4月以前は↓をご確認ください。

参考 BREXIT、2018年11月~3月メイ首相の戦いAmazon.com

BREXITがいわゆる「無秩序」に行われると、その影響は世界経済全体に及ぶことが懸念されています。もちろん新興国もどんなにファンダメンタルズがよかろうと、急落を余儀なくされるでしょう。

そこでBREXITの経緯と動向を深く理解するために専用の記事を作りました。

基本的に、新しく起きたものが上に来るように記述していきます!

BREXITと民間企業への影響については↓

BREXITと民間企業への影響

BREXITとイギリスポンドの動きについては↓

BREXITとイギリスポンドの動き2019

欧州議会選挙についての概要は↓

BREXIT関連 欧州議会選挙とは

保守党党首選挙についてのまとめは↓

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

【2019年5月】BREXIT関連 メイ首相後任決定プロセスとそれ以降

2019年12月

2020年末までに貿易協定が締結されない確率は25%?

ある金融機関が、移行期間の期限である2020年12月末までに合意が得られない確率は25%であるとの見方を示しました。

この数値について同金融機関は「不快なほど高い」としています。

ジョンソン英首相が移行期間を2020年以降に延長しない方針を示したことで、貿易協定が締結されないまま離脱するリスクが再燃しています。

ポンド売りは強まり、17-18日の下落率は約2%と、2日間の下落率としては2018年2月以降で最大となってしまいました。

ただ、新たな貿易協定が締結される可能性の方が高いとし、確率は50%と従来想定の30%から引き上げてもいます。

移行期間が2021年に延長される確率は40%から20%に引き下げました。

離脱法案の概要可決、1月末の離脱に向け着々

2019年12月20日、議会下院はEU離脱条件などを盛り込んだ離脱関連法案の概要部分について採決し、与党などの賛成多数で可決しました。

1月末の離脱に大きく前進しました。

政府は年明け以降、数日にわたる法案の詳細な審議を経て2020年1月9日をめどに下院を通過させたい考えのようです。

20日の議会では法案の概要の是非を判断する採決が行われ、これを突破すれば法案の大規模な修正が行われる可能性は低くなると言われています。

政権の思惑通りの関連法案の下院通過の可能性は高くなったという事です。

移行期間の延長はしない意向で合意なき離脱のリスク再び

イギリス政府は、現在の経済的関係を維持する「移行期間」を延長せず、予定通り2020年12月末に終える条項を追加する見通しのようです。

移行期間終了までにEUとの交渉がまとまらなければ、合意なき離脱と同じ状況になるリスクがあります。

離脱後は貿易ルールなどの急変による混乱を防ぐため、EUの貿易や関税のルールが適用される移行期間に入りますが、これは原則20年12月末で終了する事となっています。

ただ、交渉をしっかりやるために合意があれば最長2年間延長できる事になっています。

invstem.com

保守党は政権公約で移行期間を「延長しない」と明記していました。

これは、移行期間中の11カ月間で、FTA交渉を終結させなければいけない事を意味します。

通常はFTA交渉は数年かかります。

英政府は延長を認めない法律を制定してEUから妥協を引き出す狙いとみられますが、EUと何も取り決めのない「合意なき離脱」の状態に陥るリスクも高まります。

20日までに離脱法案を再提出

2019年12月16日、政府は20日に離脱法案を議会に提出し、クリスマスまでに採決の手続きを開始する考えを表明しました。

もちろん離脱法案は可決されるでしょう。

離脱後のFTA交渉に早くも注目

選挙で保守党が大勝しましたが、注目はEUとのFTA交渉に移っています。

FTA交渉が注目される理由

交渉を短期間でまとめられなければ、経済が大混乱するリスクが残っているためです。

英国は離脱後、EUとの経済関係は現状維持しながら完全離脱に備える「移行期間」に入りますが、この期間中は経済面でEUにほぼ残留する状態と同じです。

ただこの移行期間はが20年12月末まで11カ月間と短く設定されており、この間にFTAで合意できなければ、急に関税などが発生し、合意なき離脱と同様の混乱に陥いる可能性があります。

常のFTA交渉は数年かかります。

EU高官も

「20年末までに英・EUのFTAで包括的な合意に至るのは非現実的だ」

と指摘しています。

移行期間は交渉の進捗次第では22年末まで延ばせるルールになっていますが、保守党は政権公約で「延長しない」と明記しました。

保守党が移行期間延長をしたくない理由

移行期間中はEU域外とFTAを発効できず、EU予算への拠出金を負担する必要もあるなど、イギリスの主権がEUに縛られ続けるとして、党内の強硬離脱派を中心に移行期間の延長には抵抗が強かったのです。

延長の是非は20年の6月末までに判断することになっており、20年春に政治が再び混乱する恐れもあります。

ジョンソン首相の目論見

ジョンソン氏は今後の交渉で大半の品物の関税をゼロにするEU・カナダ間のFTAに近い合意をめざしていると言われている一方、競争政策や雇用、税制などの面ではEU域内よりも経済界に有利な国内制度への衣替えを目指しています。

EU側は

「イギリスとEUは公平な競争条件を維持する必要がある」

とけん制しており、すでにFTA交渉は難航の兆しが表れています。

保守党が過半数を確保、1月末の離脱が現実味

2019年12月13日、開票を終え、保守党が過半数を獲得しました。これで2020年1月末の離脱が前に進みそうです。

ジョンソン氏は「1月31日までに欧州連合(EU)から必ず離脱する」と勝利宣言し、公約だった2020年1月末の離脱へ準備を加速させる姿勢を強調しました。

獲得議席

  • 保守党は獲得議席を365と解散前から67上積みし、サッチャー政権下の1987年以来の歴史的な大勝
  • 労働党は203と40減の惨敗、コービン党首は辞意を表明
  • スコットランド民族党(SNP)は48(13増)
  • 自由民主党は11(10減)。

次はEUとのFTA交渉が注目の的となります。

ジョンソン首相、EUとのFTA締結は2020年末までに必ずできる

2019年12月5日、ジョンソン首相はEUとのFTA締結が2020年末までに必ずできると述べました。

ジョンソン首相は2020年1月末までにBERXITし、2020年12月末までの移行期間を延長しない方針ですが、新たな貿易協定を締結するには時間が足りないとの指摘が出ています。

首相は、

「われわれと協定を結ぶことは非常に彼ら(EU)の利益になる。間違いなく締結するだろう」

と語りました。

2020年に1月末にBREXITが実現した場合どうなるか

世論調査の予測通り保守党が総選挙で過半数を獲得すれば、新しい離脱協定案の速やかな議会通過を目指し、来年1月の離脱を行います。その後は離脱移行期間となりますが。。。

2020年1月末のブレグジットが実現すると、離脱移行期間に突入し、EUとの長期的な関係を築くための交渉を行う事となります。

現行ルールではこの移行期間を2022年12月末まで延長することが可能ですが、保守党は公約で絶対に来年末で移行期間を終えると表明しました。

しかし関係者は、それが思い通りにならない可能性もそれなりにあると言います。

従来の自由貿易協定を巡る交渉も何度も中断を挟みながら、数年を要して締結されてきたものが少なくありません。

イギリスとEUも例外ではないはずです。

仮に「必要最小限」とみなすような自由貿易協定の締結を目指そうとしても、イギリスとEUは公平な競争確保という問題で意見の食い違いが表面化する可能性が相応にあると思われます。

イギリスも2020年内に自由貿易協定をまとめたいなら、いくつかの大きな譲歩が必要になると思われます。

それは、関税や輸出入枠のない貿易協定の代償として、EUのルールに従い、EUU司法裁判所の役割を引き続き尊重する、といったBREXIT強硬派が嫌がりそうなものである可能性が高そうです。

2019年11月 総選挙モード

アイルランドの格付けが上昇

S&Pは、ブレグジットの影響にもかかわらずアイルランドのソブリン格付けを「A+/A-1」から「AAー/A-1+」に引き上げたと発表しました。

格付け見通しは「安定的」としました。

イギリスの「合意なき離脱」の可能性を含む外的リスクにもかかわらず、アイルランド経済の競争力が今後も維持され、海外の投資家にとって魅力的な投資先であり続けると予想されることを理由に挙げました。

S&Pは

「合意なき離脱や法人税収急減のような外的ショックのリスクを緩和する十分な財政バッファーを政府は蓄積している」

と分析しています。

保守党、マニフェストを公表

2019年11月24日、保守党はマニフェストを公表し、離脱協定案の関連法案審議を12月中に再開し、2020年1月末までに議会の承認を経て離脱を実現させると宣言しました。

離脱後の緩和措置として現在のイギリス・EUの経済関係が続く「移行期間」についても、2020年末以降に「延長しない」と明記しました。

注意

仮に2020年1月末にEUと合意して離脱できても、2020年末までの移行期間中にEUとの間で新たな自由貿易協定がまとまらないと、突然関税などが発生する「合意なき離脱」に至ってしまう恐れがあります。

これを避けるため、今の離脱案では移行期間を22年末まで延長できることになっているのです。

2019年11月5日、下院解散

2019年11月5日、イギリス下院は解散し、総選挙を行います。

この2019年12月に投開票される選挙に特化した記事を作成しました。

選挙状況はそちらをご確認ください。

【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯

2019年10月 10月末の離脱はかなわずも総選挙実施が決定

与党が過半数を取った場合、野党が過半数を取った場合

選挙モードに突入したイギリスですが、保守党が過半数を確保すれば、1月末までの離脱が現実味を帯び、野党が過半数となればジョンソン氏主導の離脱の阻止を訴える事になりますが、その先はよく分かりません。

ジョンソン首相は20年末までの移行期間中にEUとの新たなFTA締結など残る懸案の解決に邁進するでしょう。

一方で野党ですが、過半数をとっても、それは野党全体で過半数となる可能性が高く、EUとの離脱協定案はいったん棚上げにしたとしても、その後の対応策は野党間で温度差があり、再び混迷する可能性があります。

一転して総選挙法案を可決

2019年10月29日、イギリス議会下院は総選挙を12月12日に前倒しで行う特例法案を一転賛成多数で可決しました。

保守党の狙い

保守党は総選挙で過半数の議席を回復したうえで、EU離脱を確実にしたい考えです。

この選挙は離脱を有権者に問う事実上の「再国民投票」という位置付けになりそうです。

イギリス、3回目の総選挙提案を否決も、まだ攻防は続く

2019年10月28日、イギリス下院はジョンソン首相が出していた「12月12日総選挙」の提案を否決しました。

ジョンソン首相の次の手

ジョンソン首相は総選挙のための新たな法案を別途提出する方針で、年内の離脱実現に向けた攻防はなお続くと見られます。

ジョンソン首相の総選挙の提案が否決されるのは9月4日、10日に続き3回目です。

総選挙には、3分の2以上の賛成が必要ですが、賛成は299にとどまり、反対は70。

つまり、多くが棄権したという事です。

野党の動向

労働党は引き続き総選挙に消極的ですが、野党第2、3党のスコットランド民族党と自由民主党が12月9日の総選挙を提案し始めているようです。

「EUが1月31日までの離脱延期を決めた場合に、12月9日に総選挙を行う」という内容で、選挙まで離脱を実現させないことが条件になっています。

報道によれば、ジョンソン氏の解散提案を否決されれば、野党の「12月9日案」を支持する可能性があるとの事です。

今回限りの特例法としての提案となると、過半数の賛成で足りるので、実現のハードルが低くなります。

保守党と野党第2、3党が連携すれば過半数に達するため、ジョンソン氏が早期の離脱実現を諦めて野党案に乗れば、12月選挙の可能性は濃くなります。

EU、新たな期限を2020年1月31日にする事で合意

2019年10月28日、EUは10月31日としていた離脱期限を最長で2020年1月31日まで3カ月延期することで合意しました。

イギリスに時間の猶予を与え、「合意なき離脱」の回避を優先しました。

EUは新たな期限を2020年1月末とするよう提案

2019年10月28日、EUは新たな離脱期限を来年1月31日とすることで話を進めようとしているようです。

新しい提案によれば、双方が離脱合意案を早期に批准できれば期限前の離脱も可能です。

その一方で、離脱協定案の再交渉は認めず、イギリスは新たな期限までの間、EU加盟国としての責務を完全に果たすよう義務付けられる予定です。

EU、延期期間の判断を持ち越し

2019年10月25日、EUは離脱日延期では合意したものの、延期期間の判断は週明けに持ち越しました。

可能性として一番高いのは

イギリスが申請した通り2020年1月末を軸に調整していると見られています。

ただ、フランスがより短期の期間、例えば2週間といった案を主張するなど延期幅で溝が残っているようです。

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ジョンソン英首相が提案した12月の総選挙をめぐる28日の採決を見極めたいようです。

短くする理由としてはイギリス側に離脱案を早期承認するよう圧力をかけたいから、といった所でしょうか。

決まるタイミング

10月28日や29日に再び会合を持つ可能性があり、そこで決まるかもしれません。

ジョンソン首相、12月12日の総選挙を提案

2019年10月24日、ジョンソン首相は10月末の期限通りのEU離脱が難しくなったと判断し、事態打開のため議会下院を解散し、12月12日投票で総選挙を実施する意向を表明しました。

動議を近日中に提出し、10月28日に採決する見通しです。

野党の反応

最大野党・労働党のコービン党首は早期の総選挙になお慎重で、動議が通るかどうかは不透明のようです。

つまり、ジョンソン氏が下院の総議員の3分の2の賛成を集められるかどうかは見通せないという事です。

もしこの動議が可決されれば、議会が解散される11月6日までの間、離脱合意案を議会で成立させるチャンスが出てきます。

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その場合、投票日を待たずに離脱となります。

コービン労働党党首は10月25日に予定されるEU側の離脱延長期間を巡る決定を待ち、総選挙を支持するかどうか決めると述べています。

因みに、他の野党は総選挙実施に反対を唱えているようです。

EUは延期容認を検討

10月末のBREXITが難しくなったことを受けて、EUは離脱期限の延期を容認する方向で調整に入りました。

EUが延期を容認する理由

「合意なき離脱」はEU側も避けたいためです。

ただ、EU加盟国は延期の幅や、延期を認める条件を付けるかなどを水面下で議論しているようです。

25日ごろの決定がなされるものと見込まれているようです。

ジョンソン首相、総選挙へ改めて決意

イギリス下院が離脱協定法案の短期間での審議・採決を求める政府の提案を否決した事で、ジョンソン首相が総選挙の準備に動く可能性が高まったとの観測が出ています。

ただ、、与党保守党が世論調査でリードしているとはいえ、メイ前首相の時の様にふたを開けてみると保守党の支持率がどんどん下がっていき、敗北を喫するという事もあり得るので、どうなるか全く割りません。

10月の離脱はほぼ不可能に

2019年10月22日、イギリス議会は新しい離脱協定案を速やかに成立させる計画を阻止し、これで10月末に離脱する可能性はなくなりました。

首相官邸も短期の離脱延期に同意する可能性を排除しない立場を示しました。

EUは今後離脱延期を認める場合、どの程度の延期を提案するか決定することになります。

具体的に何が起きたのか

首相が離脱計画を実現するために必要な関連法「離脱協定法案」を短期で審議する提案について、下院は反対322、賛成308の反対多数で否決しました。関連法案が短期で可決されないので、離脱協定案の採決も見送られるのです。

ただ、これより先の採決では、離脱合意の一般原則が承認されました。

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離脱合意案が下院で承認されたのはこれが初めてです。

ジョンソン首相は

「われわれは下院が同意したこの離脱合意案でEUを離脱するだろう」

と述べています。

10月末の離脱が無くなり、総選挙が実施される可能性が出てきました。

また、離脱合意の一般原則が承認されたことで、合意なき離脱の可能性も低くなったと思われます。

イギリス議会、再び新離脱案の採決を却下

2019年10月21日、ジョンソン首相は新離脱協定案の採決を再び議会に求めましたが、下院のバーコウ議長は同日中の審議や採決を却下しました。

2019年10月19日の議会で離脱案の施行に必要な関連法案が成立するまで採決を先送りする修正動議を可決しており、政治状況が変わらない中では離脱案を先に採決できないと判断した模様です。

政権の次の動きは

議長の判断を受けて、イギリス政府は10月22日にも関連法案の本格審議に入り、早期成立させたうえで、離脱案の承認に持ち込む戦略に転換する予定です。

イギリス、離脱延期の申請

2019年10月19日、イギリスのジョンソン首相はEUに対し10月末からの離脱延期を申請しました。

新たな離脱案の採決が同日の議会下院で見送られたことを受け、9月に成立した離脱延期法に従って書簡を送りました。

ただ書簡には首相の署名がなく、延期は自身の意図に反するものだとにじませました。

これを受けて、EUでは加盟国間で協議を始め、対応策を検討する事となります。

EU側はいら立ち

新協定案の採決がイギリス議会で見送られたことを受けて、EU側では警戒が広がると共にいら立ちが募ってきているようです。

EU側では政府と議会の足並みがそろわず、いつまでたっても態度を決められないイギリスへのいら立ちが強まっています。

2019年10月19日までに離脱案の承認を得られなかったことで、ジョンソン首相には離脱延期をEUに申請する義務が生じていますが、同首相はあくまで10月末の離脱を目指す考えで、どうなるか分からなくなっています。

10月21日の英議会採決は行われず

新しい離脱協定案について10月21日の議会採決が行わわれない事が決まりました。

ジョンソン首相はこの日の可決を目指していましたが、採決の機会が認められませんでした。

ジョンソン首相の反応は

ジョンソン首相は10月31日までに、離脱を強行する方針を繰り返し示していて、新協定案に基づく離脱に必要な関連法案を22日から議会で審議し、24日には成立させたい考えを明らかにしました。

しかし、3日間という審議時間の短さに野党議員から反発の声が上がっています。

下院で新離脱協定案の採決行われず

2019年10月19日、イギリス議会下院は新たなEU離脱案の採決を先送りしました。

先送りされた背景

離脱関連法が成立するまで採決を保留するという、超党派議員団の修正動議が先に可決されたためです。

これで離脱期限を10月末から延期するようにEUに求める法的義務がイギリス政府に生じました。

10月末離脱の行方はより不透明になりました。

関連法案が可決しない限り、離脱法案の採決は保留

2019年10月19日、新離脱案の実施に必要な関連法案が議会で可決するまで離脱案の承認を保留するという内容の法案が可決されました。

この法案は9月に保守党を追放されたレトウィン議員らが提出したもので、同じく保守党を追われたハモンド前財務相など穏健離脱派やEU残留派の野党幹部なども名を連ね、にわかに支持が広がりました。

この法案の目的

レトウィン氏らの説明によれば、「合意なき離脱の可能性を完全に消すため」との事です。

新しい離脱案が議会で承認されたとしても、もし関連法案の審議が遅れ、10月末の成立が間に合わなければその時点で「合意なき離脱」になる可能性は残ってしまいます。

そのリスクを回避するためとの説明です。

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ただ、少しでも離脱を遅らせて離脱の撤回やジョンソン政権へのダメージを狙う戦略との見方も強いようです。

新協定案はイギリス経済にマイナス?

新しい離脱協定が発効すると、メイ前首相の案に比べてEUとの経済障壁は高まり、イギリスはより貧しくなるのではないかと言われています。

マーケットでは、今回の協定案は、合意なき離脱よりはましなものの相当厳しいブレグジットになるという認識が広がり始めているようです。

ある試算によると、EUとの貿易障壁が高まれば、残留した場合に比べて英経済の成長率は低くなり、障壁が高ければ高いほど悪影響は大きくなる見通しです。

具体的な数値だと・・・

残留の場合に比べ英国民1人当たりの所得は中期的に6%、年間2000ポンド相当減少するという鋳込みがあります。

メイ前首相案の場合には所得減少率は5%未満にとどまり、「合意なき離脱」になると8%超減少すると見込まれています。

仏マクロン大統領、離脱延期は認めない姿勢

2019年10月18日、フランスのマクロン大統領は、離脱の新たな延期が認められるべきではなく、10月31日の期限は守られるべきと語り、離脱延期申請を認めない姿勢を表明しました。

イギリス議会に対し新しい協定案を承認するよう強く求め、離脱を一瞬たりとも遅らせるべきではないと言明しました。

19日の採決も危うい可能性?

与党・保守党を追放された議員らと野党議員が手を組み、採決を1週間以上遅らせようとする動きに支持が拡大しつつあるようです。

元保守党のオリバー・レトウィン議員と労働党ヒラリー・ベン議員は、協定案の施行法が成立するまで同案の採決を待つという修正案を提出しました。

修正案が可決されれば、首相は協定案を採決にかけることができなくなり、法によりEU離脱延期を要請せざるを得ない状況に追い込まれます。

議会承認に向けて首相が奔走

BREXITは再び英議会で承認できるかどうかに焦点が移りました。ジョンソン政権にとって情勢は厳しいようですが、首相はなりふり構わず支持取り付けに奔走しています。

メイ前首相も英議会の承認で躓きました。

ジョンソン首相は議会での承認に「自信を持っている」と語りますが、かつて離脱案の支持をかたくなに拒否した自身が、今度は支持をお願いする立場になるというのは皮肉です。

新合意案が議会で否決されるとどうなるか

新しいBREXIT合意案について、19日の英議会で新離脱案が否定されれば、「離脱延期」の是非が議論の中心になるとみられますが、離脱延期申請になる可能性が高いと言われています。

2019年9月に成立した離脱延期法の規定では10月19日までに議会が新離脱案を承認しない場合、ジョンソン氏はEUへの延期申請をしなければなりません。

ジョンソン氏がその法律を無視するという可能性もありますが、最高裁に長期の国会閉会を「違法」と判断されたばかりという事もあり、無視という行為を行うと再度の法廷闘争が避けられません。

議会での承認失敗なら「延期申請は避けられない」との見方も強くなっているようです。

イギリス与野党から異論噴出

新しい合意案について、イギリス国内で早くも与野党から異論が噴出し、先行きは予断を許さない状況になっています。

北アイルランドを地盤とする閣外与党の民主統一党は、イギリス・EUの合意後すぐに

「このままでは新離脱案を支持できない」

とコメントを出しました。

民主統一党が新たな合意案を支持しない理由は

同党は国境問題の対応策を導入する前に、その是非を北アイルランド議会が判断できる仕組みを求めていましたが、今回の合意案では、導入後4年ごとに制度の維持を同議会に問う仕組みにとどまったため、受け入れられない、としているのです。

民主統一党の支持がない事の影響は

10議席のDUPの支持を得られなければ、議会承認は絶望的となると思われます。

イギリス議会下院(定数650)では与党が実質的な過半数を20議席以上割り込んでいる状況です。

もともと野党からの造反がなければ新離脱案は承認されない中、閣外与党の同党が反対に回ると絶望的です。

イギリスとEUが合意

2019年10月17日、欧州委員会のユンケル委員長は、イギリスとEUが新たな合意に達したと明らかにしました。

ユンケル委員長は

「意思があるところに合意がある。われわれはそれを達成した。これはEUと英国にとり、公平でバランスのとれた合意で、解決策を見つけるというわれわれの決意の証である。わたしはこの合意の承認を勧告する」

と述べました。

ジョンソン首相がこだわってきた「安全策」の取り扱いは

新たな協定案では安全策を削除し、2020年末までの移行期間が終了すれば、EUの関税同盟から北アイルランドを含めた英全土が離脱する方針を盛り込みました。

ただアイルランド島の国境付近での税関業務を省略できるよう、北アイルランドに限って関税手続きをEU基準に合わせる方向です。

バックストップ条項(安全策)

メイ首相時の離脱協定案では、北アイルランドに限って食品などの規制をEUのルールに合わせるという特別暫定措置を講じています。

当面は税関や検疫の必要をなくしたうえで、物理的な国境の復活を避ける具体策が見つかった段階で、こうした安全策を廃止する、というもの。

ジョンソン首相は同日、「素晴らしい」合意をEUととりまとめたと表明し、議員に対し19日の下院での特別審議で合意を承認するよう呼び掛けました。

議会は承認するのか

保守党に閣外協力する北アイルランド民主統一党は、ブレグジットに関する同党のスタンスは変わらず、ジョンソン首相とEUが提案している合意案を支持しない可能性があると述べています。

イギリス国内の承認は大丈夫か?

既報の通り、イギリスとEUが暫定合意に近づけたとして、英議会で可決に必要な票を確保できるかという事が次の問題として浮上しています。

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カギとなる数字を整理しましょう。

目標の数値は

320です。ジョンソン首相が下院で合意案を可決させるには、320人の議員の支持が必要になります。

ほぼ確実に離脱案に賛成する数は

260前後と見られます。メイ前首相の離脱案は保守党議員279人が賛成票を投じました。この大半はジョンソン首相の案も支持すると見られるわけですが、ジョンソン首相は合意なき離脱を阻止する法案に賛成した議員らを党から追放していますので、この分を差し引いた数値が260前後というわけです。

ジョンソン首相が上積みに必要な票数は61となるわけです。

議会承認において大切な存在は

北アイルランド民主統一党や労働党の一部BREXIT賛成議員でしょう。どこまでジョンソン首相が彼らを説得できるかは分かりません。

暫定的な合意に近づいた?

イギリスとEUは離脱を巡る交渉で暫定的な合意に近づいたとの報道がありました。

英議会の承認を得る必要がありますが、週内に開かれるEU首脳会議で承認される可能性があります。

トゥスクEU大統領も

「合意の基本的な土台は準備が整った。理論上は明日、合意を承認することができる」

と述べています。

invstem.com

ただ、悲観的な意見もあります。

保守党政権を閣外協力で支えてきた北アイルランド民主統一党が合意案に抵抗しており、ジョンソン首相が進めている合意案を諦めなくてはならないのでは?との観測も出ています。

土壇場で離脱合意も

2019年10月15日、BREXITを巡る交渉はヤマ場を迎えています。

17-18日に開かれるEU首脳会議での承認を目指し、新たな離脱協定案を巡り11時間に及ぶ協議を行ったという事です。

関係者からは、新たな離脱協定文書で合意に近づいているとの声が聞かれる一方、バルニエEU首席交渉官はEU首脳会議での承認には15日中の合意が必要との認識を示しているなど、実際に合意にこぎ着けられるかは分かりません。

懸案のアイルランド問題は

ジョンソン首相は、南北アイルランド間で税関検査を回避する一方、北アイルランドが関税を代行徴収するという妥協案を提示したとみられているようです。

北アイルランド以外のイギリスから流入した物品が北アイルランドにとどまる場合、輸入業者は関税の納付義務を免除されます。

北アイルランドを経由してアイルランドに流入する場合、北アイルランドが代行徴収した関税はアイルランドが受け取る形です。

ジョンソン首相、早くも選挙公約の骨子を披露

2019年10月14日、ジョンソン首相は政府の施政方針演説を通じ、目指す政策を明確にしました。離脱延期か「合意ある」離脱がなされれば、数週間以内に総選挙実施が決まると見込まれており、政策の実施は選挙で勝利することが前提になっています。

この施政方針演説で、BREXIT後は内政問題に注力すると約束しました。

現状、ジョンソン首相は下院で過半数を持たず、議論の分かれる法案を与党単独で成立させることができません。

このため首相は早期総選挙を模索しており、この施政方針は選挙公約の骨格になると考えられます。

ただ、野党は首相が離脱延期か、EUと離脱案で合意するまで、早期総選挙には応じない構えです。

離脱に向け、「なすべきこと多い」

2019年10月13日、イギリスとEUはともに合意の達成に向けて、なおすべきことが多いとの認識を示し、前途多難であることを示唆しました。

イギリスとEUは週末も合意なき離脱を回避するために集中的に討議しており、イギリス政府は建設的だったと評価しています。

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14日も引き続き協議します。

EU交渉担当、「交渉に進展」とコメント

EUのバルニエ氏とイギリスのバークレイ離脱担当相が11日に会談しましたが、そこでバルニエ氏は会談後に法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があったと、EU27カ国の代表に説明したそうです。

どの様な進展があったのでしょうか。

具体的には不明ですが、バルニエ氏によると、イギリスから関税と地方政府の同意の両方について譲歩があったと説明したという事です。

考えられるものとしては、

  • イギリスが北アイルランドを離脱させるという主張を取り下げ、いわゆる関税パートナーシップを提案した可能性
  • 北アイルランド議会に地位の決定権を付与するとした案を後退させた可能性

があるかもしれません。

イギリス・EU間で週末に集中協議

EUとイギリスの離脱担当者が2019年10月11日に会談し、週末にかけて離脱条件を集中的に協議することで一致したようです。

この協議で打開点を探り、合意なき離脱を回避できるようしたい考えです。

週末に実務者らで協議を続け、10月15日のEU総務理事会では閣僚間で議論します。

そのお上で10月17~18日のEU首脳会議にのぞむ予定です。

合意なき離脱の場合、10月から臨戦態勢に

合意なき離脱となる場合、その影響は10月21日から出始める事になるでしょう。

ブレグジットの期日は10月31日ですが、17日のEU首脳会議で合意できない場合、ジョンソン首相は19日までに離脱延期を要請することが義務付けられています。

一方、ジョンソン首相の新提案もウケは良くなく、このままでは受け入れられそうにありません。

すると、ジョンソン氏が19日までに離脱延期を要請するのを拒否して、合意なき離脱が現実的なシナリオとなった場合、その後最初の営業日となる21日に市場や投資家がこうした状況に反応する事となります。

そうなった場合、21日に株価や債券価格、ポンド相場が大荒れとなると考えられます。

ジョンソン首相が取りうる策とは

いよいろ期限が迫っているBREXITですが、ジョンソン首相は合意なき離脱に引き続き強気です。どの様な策があるのでしょうか。

19日までに議会が合意を受け入れない限り、ジョンソン首相は離脱期限の延期要請を義務づけられています。

しかし一部のメディアでは、この送付を回避するためにいくつかの方策があるとしてます。

  1. 離脱延期法の効力を巡って法廷闘争を行うこと
  2. 離脱延期を余儀なくされた場合、EU予算の承認を拒否したり
  3. EU側が受け入れられない人物を欧州委員に指名する

上記は決して成功確率が高いわけではないですが、ジョンソン首相として、あくまで合意なき離脱も辞さない姿勢を示すことが交渉上有利と思われます。

EU、週内にも新提案受け入れ可否を判断

EUは週内にもイギリス政府の新提案を受け入れるかどうかを判断するようです。しかし慎重意見が目立ち、双方は破談も視野に入れ始めています。

やはりいるランド国境問題に関する税関などの課題を十分に解消できていない事が大きいと見られます。

ただ、既報の通りジョンソン首相は、合意できなければ延長を申請する方針であることを裁判所に提出しています。

それでも合意なき離脱、という事が騒がれる背景という所がいまいち不透明です。

イギリス政府、離脱条件で合意する事は不可能?

2019年10月8日、イギリス政府高官が英・EUが離脱条件で合意することは基本的に不可能だと語ったようです。

2019年10月8日、ジョンソン首相と電話会談したドイツのメルケル首相は新提案での合意は

「まったくもって有り得そうにない」

とジョンソン氏に伝えたようです。

このためジョンソン政権は、「合意なき離脱」を断行する姿勢を示したものとみられます。

離脱準備を手掛けるゴーブ大臣は

「経済界は合意なき離脱の準備をする必要がある」

と述べています。

イギリス、合意なき離脱に備えて関税を見直し

イギリス政府は、合意なき離脱に備えて、賦課する関税を見直しました。

従来の計画では国内産業の競争力が損なわれる恐れがあるとして、業界関係者が懸念を表明していました。

どの様な内容でしょうか。

  1. 陸運業を支援するためトラックの輸入関税は10%へと軽減
  2. バイオエタノールの関税は引き上げ
  3. 衣料品には新たな関税が導入

合意なき離脱となればEUにとってイギリスは非加盟国と同様の輸入関税の対象となるため、EU加盟国との競争で不利にならないようイギリス政府も独自の関税を適用するわけです。

EU、一週間以内に修正案の提示を求める

2019年10月4日、イギリス側の最終提案に対して、EU側は条件を満たしていないとして1週間以内の修正を求めたもようです。

イギリス国内では、新たな離脱合意案が議会で最終的に可決される可能性も出てきていますが、EUが賛成しなければ意味がありません。

EUが賛成しずらい要因はどういったものがあるでしょうか。

以下の様なポイントが考えられます。

  1. 物理施設なしに国境を管理する技術が未熟であり、密輸を防ぐ方法が不透明であること
  2. 北アイルランドに単一市場残留の拒否権を与え、合意の継続が不安定であること
  3. 万が一の事態に備えた代替案がないこと

といった所です。

EU担当者はアイルランドの取り扱いについて合意の条件には程遠いと語っており、予断を許しません。

ジョンソン首相、離脱延期法を順守

ジョンソン首相が、10月19日までにBREXITの合意ができなければ、月末に迫る離脱期限の延期をEU側に要請する意向であることが、政府がスコットランド上級裁判所に提出した文書で明らかになりました。

ジョンソン首相は

「離脱延期に同意するくらいなら野垂れ死にした方がましだ」

と話すなど、延期法の順守に繰り返し抵抗してきており、どの様な対応をするか注目されていました。

ジョンソン首相、腹案を用意?

ジョンソン首相の新提案の受け入れがEU側は依然困難とみられる中、ジョンソン首相には腹案があるとの報道がありました。

ジョンソン首相は争点となっているアイルランド国境の「バックストップ」措置受け入れを、明確な期限を設ける事で受け入れる、というもののようです。

もちろん、EUはこの案を正式には検討していませんが、過去EU内部で予備的な選択肢として議論されたことがあったようです。

しかし、アイルランドに受け入れるよう説得することが依然としてかなりの困難と見られています。

EU側は新提案に納得せず

2019年10月3日、EUのトゥスク大統領は、今回の離脱新提案について改善が必要との認識を表明しました。実務担当者も受け入れが難しい旨のコメントをしています。

EU側の実務関係者も新提案は依然として受け入れ可能ではなく、イギリス側の大幅な譲歩がない限り10月末までに合意できる可能性はほとんどないと述べています。

EU側の基本シナリオは、もはや再延期にかなり寄っているようです。

ジョンソン首相の新提案、離脱強硬派なども支持

ジョンソン首相の離脱新提案について、メイ前政権の案には反対した与党・保守党の強硬離脱派や閣外協力する民主統一党は新提案の支持を表明しました。

10月17~18日のEU首脳会議で新たな離脱案で合意できれば、英議会の承認を経て離脱が決まる段取りになっていますが、労働党からも数十人が支持に回る意向とされ、10月末の円滑な離脱に一歩近づきました。

問題はEUが受け入れるかです。

ジョンソン首相、議会閉会を女王に再び要請

ジョンソン相は新たな政策方針を打ち立てるため、議会を8日から数日間閉会することをエリザベス女王に要請します。

10月末の離脱期日の直前まで議会を閉会させたジョンソン首相の措置を違法とする判決が出ましたが、それでも政府は、施政方針を示す女王の演説まで議会を閉会する必要があるとして、より短い期間の閉会を要請するという事です。

イギリス、新しい離脱条件を提示

2019年10月2日、イギリス政府は離脱条件の新提案を正式にEUに示し、遅くとも2022年には、イギリス全土がEUとの関税同盟から抜けるという方針です。

現在の離脱協定案では離脱条件で両者が合意できた場合、2020年末まで激変緩和のための「移行期間」を設けることができるとしています。

離脱後の英・EUの新通商協定など経済分野の交渉がまとまらなければ、この期間を22年まで延長する事もできます。

今回の新提案では移行期間の終了時点で関税同盟から離脱すると明記しました。

新提案には英領北アイルランドにイギリスとEUのどちらのルールに準拠するかを最終判断させる項目も入っていて、同地域のリスクを増やす可能性も否定できないため、EUにとって受け入れやすい内容とはなっていないとされています。

アイルランド問題

アイルランド問題はとにかく離脱協議の中で一番難し問題とされています。

背景は1998年の和平合意までの約30年間、この地域で約3500人が犠牲となる紛争があった事があります。

この紛争はアイルランド統一を目指すカトリック系とイギリスの統治を望むプロテスタント系が対立した為起きました。

和平合意以降は国境がなくなり自由にヒトやモノが往来する事で、平和が維持されてきました。

イギリスとEUは、同じような紛争時代には戻りたくありません。

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その為、メイ首相時代には離脱後も厳しい国境管理は避ける方針で合意したわけです。

ただ、国境管理を甘くすると、EUとの関税同盟に残り続けないと現実問題としてやっていけないという課題が残りました。

こうして、メイ首相はイギリスがEU関税同盟に残る可能性がある条項を盛りこみました。

しかしその場合、イギリスはEU域外と独自に自由貿易協定などを結べなくなり、EU離脱の大きなメリットを失う懸念がありました。

ジョンソン首相は、新提案の具体像に言及していませんが、国境近くで通関手続きなどをする必要はなくなるとしており、それはつまり、北アイルランドだけ農産品などの基準をEUルールで回し、関税はイギリス全土がEUルールから抜ける、という事になるのです。

北アイルランドがEUルールに従い続けるかどうかは、北アイルランド自身が4年ごとに判断するとしています。

ジョンソン氏は

「EUとの亀裂を埋めるための誠実な試みだ」

と、EUの歩み寄りを促す考えを強調しました。

ジョンソン首相は、合意なき離脱に至れば「政治の失敗」だと述べつつ、この提案をEUが拒否する場合は合意なき離脱に進む考えを示唆しています。

欧州委員会のユンケル委員長は、この提案には「問題点」があり、さらなる作業が必要だと語りました。

EU側がバックストップの時限措置について議論

EU加盟各国の政府は、BREXITで争点となっているバックストップメカニズムについて、時限措置とする可能性を議論したようです。

もし、実現するなら、イギリスに大きな譲歩を行うことになります。

バックストップ条項

離脱協定案では、北アイルランドに限って食品などの規制をEUのルールに合わせるという特別暫定措置を講じています。

当面は税関や検疫の必要をなくしたうえで、物理的な国境の復活を避ける具体策が見つかった段階で、こうした安全策を廃止する、というもの。

EUはこれまで長い間、バックストップの期限設定は問題外だとし、可能性を否定してきました。

しかし、合意なき離脱を避けるためにも何らかの譲歩が必要だとの話が出てきているのかもしれません。

今回の議論の中で、イギリスが英領北アイルランドをEUの関税同盟にとどめるバックストップを受け入れる場合に限り、期限を設ける提案をする、といった事が話し合われたようです。

問題は、こうした期限設定には北アイルランド議会の意向も重要になってくるという事です。

また、期限設定の譲歩はアイルランド政府の容認も必要となりますが、アイルランドのバラッカー首相がこれを受け入れる可能性は低いとの見方が多いようです。

ジョンソン氏、離脱新提案をEU側に送付

ジョンソン首相は、BREXITに関する最終提案を10月2日にEU側に送り、EU側が応じない場合は、合意なき離脱を強行すると警告する方針のようです。

交渉の争点は 「バックストップ(安全策)」を協定案から削除することでしょうか。

ただ、EU当局者は今回の新提案が交渉の打開につながるかどうかについて懐疑的な見方を示しているようです。

合意なき離脱阻止のため、首相交代を一部議員が画策

合意なき離脱を阻止しようと決意している議員らが、首相を追い落とす作戦を練っているようです。女王が首相を解任できるという難解な憲法上のトリックを利用する案のようです。

このアイデアは、
  • ジョンソン首相が10月19日にEUに対して離脱延期を要請する書簡の送付を拒否した場合、1日の間に首相を交代させるため下院が女王に上奏します
  • この手続きはビクトリア時代に使われた手続きだが、最近でも政府にEU離脱計画の詳細を開示させるために用いられた実績があります
  • この手続きはまた、女王に次の首相を議員から指名し、組閣を指示するよう請願する際にも使用することが可能との事です。

最近、法治主義を避けるためのトリッキーな方法ばかりが取りざたされているイギリス議会ですが、これこそこの国の苦境を表していると言えそうです。

2019年9月 手足を縛られ始めるジョンソン首相

EUのジョンソン首相への信頼が落ち始める

EUはジョンソン首相が10月31日の期限までに離脱合意を本気で成立させようとしていないと思い始めているようです。

EU当局者は、ジョンソン首相の反対派議員に対する挑発的な言い回しが障害になっているとみていて、10月末までの離脱合意が無理と考え始めているようです。

ジョンソン首相、総選挙へ不信任案の提出を迫るも不発

2019年9月25日、ジョンソン首相は再開した議会に出席し、野党に対して、早期に総選挙を戦い政権を奪還するか、政府の邪魔をせずにBREXITを見守るかの二者択一を迫りました。

これに対して野党トップらは挑発には乗らず、ジョンソン首相が合意なき離脱を排除した場合にのみ総選挙に同意すると述べました。

労働党、煮え切らない党内状況

議会再開という「敵失」を手にした労働党ですが、追い風を生かし切れていないようです。

むしろ保守党以上に党内に深刻な亀裂を抱えているようなのです。

亀裂というのは、「離脱」か「残留」か、というものです。

現時点では労働党はジョンソン首相が呼びかける早期の解散・総選挙を拒否しています。

しかし、いつまでも引き延ばせないとも考えています。

その時に重要なのは選挙で離脱を掲げるのか残留なのか、という事でしょうが、党執行部は決め切れていないのです。

総選挙になれば離脱支持層の多い地方で議席を稼がないと第1党にはなれないわけですが、労働党の国会議員は残留派が優勢です。

しかし、離脱派を気にして煮え切らない態度を続ければ、結局残留派の人からも見放されます。

労働党の悩みはなかなか解消しなさそうです。

議会再開も、保守党・労働党共に党内がゴタゴタ

2019年9月25日、最高裁が議会閉会を「違法」と判断したのを受け、英議会は与野党の論戦を再開しました。

ただ、保守党も労働党も党内でゴタゴタが目立っています。

保守党ではジョンソン氏の強硬路線に反発が広がり、労働党もEU離脱を巡る党内の亀裂が深く、混乱しています。

結局、行き詰まりの打開へ再び総選挙にらみの状況が強くなってきているようです。

イギリス最高裁、議会閉会は違憲の判決で攻防激しくなる

2019年9月24日、イギリス最高裁判所はジョンソン首相が10日から約1カ月にわたる議会閉会を決めたことについて「違法」との判決を下しました。

政府が長期閉会の理由を明確に示していないと指摘し、EU離脱前の重要な時期に審議の機会を奪ったと断じました。

この判決でジョンソン氏は一段と追い込まれた形になります。

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今後どうなるのでしょうか??

9月25日から議会は再開されます。

労働党は議会でジョンソン政権への追及を強めるとみられ、政権側との攻防が、再び幕を開ける事になります。

ジョンソン氏はいったん議会を再開した後、数日後に議会を再び閉会するのではとの噂もあります。

野党が求める辞任に応じるかは分かりませんが、総選挙をにらんだ駆け引きが激しくなるかもしれません。

イギリス案にEUは難色?

イギリス側の草案について、EU側が難色を示しているという報道がありました。

やはり、争点は「バックストップ(安全策)」条項。

バックストップ条項

離脱協定案では、北アイルランドに限って食品などの規制をEUのルールに合わせるという特別暫定措置を講じています。

当面は税関や検疫の必要をなくしたうえで、物理的な国境の復活を避ける具体策が見つかった段階で、こうした安全策を廃止する、というもの。

報道では、イギリスの草案は、

  • 物理的な国境の設置は不可避
  • アイルランド全体の経済や南北協力の保護が困難
  • EU単一市場やアイルランドの立場の維持が不可能

といった観点で、バックストップの代替にはなり得えないとEU側は考えているようです。

自由民主党の支持率が労働党を超える

最新世論調査によると、労働党より自由民主党の支持率が高かったようです。

調査では、自由民主党の支持率が前週から4ポイント上昇の23%だったのに対し、労働党支持率は同2ポイント低下の21%だったという事です。

BREXIT反対派が労働党から自由民主党に流れているという事でしょうか。

ユンケル委員長、イギリスと合意する事も可能

2019年9月19日、欧州委員会のユンケル委員長は離脱協定案を巡りイギリスとの合意が可能との考えを示しました。

ジョンソン首相も同じ日、EU離脱協定案を巡る交渉で「一定の進展があった」と言明しています。

合意なき離脱ならイギリスのダメージはユーロ圏の数倍

ECB政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、合意なき離脱の場合、イギリス経済に及ぼす打撃はユーロ圏をはるかに上回る規模だとの見方を示しました。

同氏によるとイギリスの経済は最大8ポイント縮小する公算で、ユーロ圏が感じる縮小は英国と比較すると小幅で、イギリス対比で10ー30%程度との事です。

加えて、そうした負の影響が偏って広がる可能性にも言及し、特にアイルランドは最も苦境に立たされる可能性があるとしました。

ジョンソン首相、最高裁が違憲判決出しても休会継続する可能性

イギリスの最高裁が議会閉会を違法と判断しても、ジョンソン首相が議会を引き続き休会とする可能性があることが、裁判所に提出された文書で明らかになりました。

それによると、首相の弁護団は、最高裁が下す判断の文言次第では議会の休会を維持する事が可能と主張しているもようです。

英最高裁は9月16日の週、ジョンソン首相が10月中旬まで議会を閉会した決定が違法かどうか審理を行う事にしています。

ブレクジット党のファラージ党首、離脱時期が延期になるとの見通し

ブレグジット党のファラージ党首が、BREXITが議会に拒否され、再び延期に追い込まれるとの見方を示しました。

どういう趣旨で語ったのかはよく分かりません。

選挙で戦上手と言われた同氏の選挙戦略の一つかもしれません。

自由民主党、ジョンソン首相との対決姿勢を鮮明に

2019年9月17日、野党自由民主党のスウィンソン党首は演説で

「BREXITを阻止することが第一の課題だ」

と述べ、ジョンソン政権との対決姿勢を強める考えを示しました。

労働党との選挙協力に関しては消極的な姿勢です。

自民党の下院での議席は、定数650のうち18で第5党です。

しかし、直近ではEU残留派を中心に支持を集めていて、5月の欧州議会選でもイギリスの第2党に躍り出ています。

次回の総選挙でももしかしたら台風の目になるかもしれません。

ジョンソン首相、法令遵守しつつも離脱期限の延長申請はせず

2019年9月16日、ジョンソン首相はルクセンブルクを訪問し、欧州委員会のユンケル委員長と昼食を取りながらBREXITを巡り協議しました。

現在、EU側は「バックストップ(安全策)」を巡り、イギリス側からの代替策を待っていると強調しました。

ジョンソン首相は離脱協議の加速の必要性を示しつつも、法律を遵守しながら、しかし離脱期限の延長を要請しない意向を改めて鮮明にしました。

欧州委は会談後の声明で、メイ前首相とEUが合意している離脱協定案に沿い、合法的な解決策を提示することがイギリス側の責任だという認識を改めて示しました。

ジョンソン首相、ハンガリーを説得して離脱を実現?

ジョンソン首相がEU首脳会議で、離脱延期申請を拒否するようハンガリーを説得しようとしているようです。

合意なき離脱を回避するには10月17、18日に開かれるEU首脳会議で、イギリス以外の加盟27カ国が期限延長を全会一致で承認する必要があります。

これを各国はおおむね支持する意向のようですが、ハンガリーだけ少し違う立場の様なのです。

ハンガリーのオルバン首相は、難民支援を犯罪とする国内法や民主主義の制限を巡りEUと対立していて、ジョンソン氏がオルバン氏を説得に動く可能性が取りざたされています。

ハンガリーのある大臣は、

「(EU首脳会議でどの様に権利行使するかは)、わが国の意思で決定を行う。複数のEUの大国は早くこの問題を終わらせたいと望んでいると考えている。そして、この問題で鍵を握るのは、わが国の決定では恐らくないだろう」

と述べています。

ジョンソン首相、10月の離脱を諦めていない姿勢を強調

ジョンソン首相は9月16日に、欧州委員会のユンケル委員長らと会談する予定です。

ジョンソン氏は、

「われわれは合意にこぎ着けようと賢明に取り組んでいる。合意に向けたたたき台は存在する」

と述べ、10月末の離脱を諦めていない姿勢を強調しました。

加えて、

「私は慎重ながらも楽観的だ」

とも述べ、自信を見せました。

北アイルランドの地域政党、一部EUルールを受け入れる方針を発表

閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党が、BREXIT後も北アイルランドがいくつかのEU規制に従う案を受け入れる方針であるとの報道がありました。

BREXITで最大の障害となっている 「バックストップ」の代替案になるとしていでます。

報道によると、当該政党はアイリッシュ海における検査への反対を取り下げる意向を示しており、EU側はその見返りとして、北アイルランドがEUの関税同盟にとどまるべきだとする主張を撤回する必要があるという事です。

裁判所、合意なき離脱問題を「司法の領域を超える政治的問題」

2019年9月12日、イギリスのベルファストの高等法院は「合意なき離脱」が1998年の北アイルランド和平合意に違反するとした訴えについて、政治的な問題であり司法の領域を超えるとして退けました。

この訴えは人権活動家のレイモンド・マッコード氏らが起こしたもので、ジョンソン首相のBREXIT戦略に対抗する訴訟の1つでした。

ジョンソン首相が今後取りうる策

2019年9月上旬現在、10月31日のBREXITは可能性として遠のいているように見えます。

しかし、ジョンソン首相は表向きには10月末の離脱を諦めていません。

では次にジョンソン氏が打てるのはどんな手なのでしょうか。

新しい合意をEUと締結する

ジョンソン氏は、10月17-18日に開催されるEU首脳会議でEU側が新たな離脱案を提示するよう働き掛けると表明しています。

もしそこでこれまでと異なってしかもジョンソン首相が納得できる条件が出てくるなら、そして議会がそれを承認するなら、10月末に離脱が可能になります。

ただ、なかなか現実はそうはならないでしょう。

離脱延期法を無視

内閣は離脱延期法を尊重する意向を示していますが、ジョンソン氏は期限延期を明確に否定しているため、この法案を無視するというやり方をするかもしれません。

そうなるとこの問題は法廷闘争に発展するでしょう。

しかし、前例もなく、結果がどうなるか、また結論が出るまでどれほど時間がかかるか、分かりません。

見通しがつかない事を嫌うマーケットはネガティブな方向に一直線となる可能性があります。

2通の書簡送付

離脱延期法は、ジョンソン氏がEUに送るべき書簡の正確な文言を規定していますが、異なる見解を記した2通目の書簡を送る事を禁じているわけではありません。

しかし、2通の書簡送付となれば、これも法廷闘争に発展する可能性があります。

つまり、二通目の書簡が合法なのか、という論点です。

EU加盟国に延期拒否を促す

離脱延期についてはイギリス以外のすべての加盟国の賛成が必要です。

それを逆手に取り、EUが離脱延期を拒否する様に加盟国に働きかける、という選択肢です。

ただ、延期要請を拒否して合意なき離脱の責任をあえてかぶろうとする加盟国はいないでしょう。

ただ、イギリス議会の更なる混乱を避けるため、条件を付けて承認するという可能性は大いにあります。

英国の要請と異なる延期期間が提案されてもおかしくありません。

スコットランド上級裁判所、ジョンソン政権の議会閉会は違法

2019年9月11日、スコットランドの上級裁判所はジョンソン首相が9月10日から1カ月にわたる議会閉会を決めたことについて「違法」との判断を示しました。

上級裁はBREXITを実現するために反対派の意見を封じる目的があったとみなしたという事です。

この司法の判断は政権にとってダメージがあるかもしれません。

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政府はどう対応するのでしょうか??

政権側はこの判断に対して最高裁に上訴する方針を表明しました。

最高裁は17日に審理を行う予定です。

invstem.com

最高裁も同じ判断をしたらどうなるのでしょうか??

最高裁も同じ判断をすれば10日に閉じた議会が再開される可能もあります。

その際は再び混乱が起きそうです。

合意なき離脱による最悪シナリオを記した文書を公表

2019年9月11日、イギリス政府は合意なき離脱によって想定される最悪の事態を記した文書を正式に公表しました。

これはジョンソン首相が就任してから9日が経過した2019年8月2日付で作られたもので、8月18日に英紙サンデー・タイムズが内容を報道したものです。

その後議会からの公表要請がありイギリス政府が応じたものです。

合意なき離脱後の完全な形の最悪シナリオとしてはこれが直近のものとなります。

合意なき離脱によって・・・
  • 大型トラックが国境を越えるのに最大1日半~2日半遅れる可能性
  • 特に英仏海峡の物流などが相当滞る
  • 医薬品や生鮮食品の供給が不足する
  • 特に離脱初日は、医薬品の供給量が通常の40%に落ち込む可能性
  • 上記を受けて英国全土に買い占めや抗議活動などが発生
  • それらが様々な混乱を再創出していく
  • 国民や企業の合意なき離脱への意識はまだ低い。特に中小企業の準備が大企業に比べて遅れている
  • 金融面では国境を越えたサービスの一部が中断するリスク

等が書かれているようです。

解散総選挙の動議、再び否決

2019年9月10日、下院はジョンソン首相が提出した早期総選挙の動議を再び否決しました。

MEMO

早期総選挙の承認には下院(650議席)の2/3の434票の賛成が必要ですが、賛成票は293票にとどまりました。

ジョンソン氏は議会で、

政府は離脱協定案の交渉を推し進める一方で、合意なき離脱にも備える。

10月17日のEU首脳会議にも出席し、国益にかなう合意にこぎつけるため努力する。

と言明しました。

ジョンソン氏が10月31日の離脱に向け、次にどんな手を打ってくるのか注目です。

合意なき離脱となった場合の詳細な対応策の公表を政府に義務付ける議案が可決

2019年9月9日、議会は合意なき離脱となった場合の詳細な対応策について政府に公表を義務付ける動議を賛成多数で可決しました。

因みに、この動議は長期の議会休会を決定するに至ったやりとりや文書の公表も求めています。

動議は与党・保守党に所属していたがジョンソン首相により除名されたドミニク・グリーブ議員が提出したものです。

賛成は311、反対は302でした。

イングランド銀行理事、国内金融機関にBREXIT対応をさせているとコメント

2019年9月9日、イングランド銀行のブラジエ理事(金融安定担当)がメディアに対し、イングランド銀行はBREXITに伴ういかなるショックにも対応できるよう、国内金融機関に備えさせていると述べました。

また、来年初めに予定されているイングランド銀行総裁の交代に際しても、中銀としての政策運営は揺るがないと述べました。

現イングランド銀行総裁のカーニー氏は2020年1月末に退任予定で、後任はジャビド財務相によって選ばれる予定です。

解散・総選挙を求める二度目の動議を採決

2019年9月9日、議会下院はジョンソン首相が提案する解散・総選挙を求める2回目の動議を採決する予定です。

一度この動議は否決されたわけですが再度のチャレンジです。

ただ、野党の同意は得られておらず、採決で解散が決まるメドは立っていません。

因みに、首相官邸は解散動議の採決結果にかかわらず、同日の議事終了後から10月13日まで議会を閉会すると表明しました。

離脱延期法案が正式に成立

2019年9月9日、BREXITの時期を10月末から延期する法律が正式に成立しました。

ジョンソン首相は10月のEU首脳会議で離脱協定で合意したいとの意向を示す一方で、合意なき離脱を阻止しようとする議会の動きには屈しない姿勢を示しました。

アイルランドを訪問したジョンソン首相は、

議会で何が起ころうと、絶対屈しない。国民がわれわれに望んでいるのは、合意をとりまとめ、10月末に離脱することだと思う

という趣旨のコメントをしました。

ジョンソン首相、合法的に離脱延期を阻止する計画を進める

2019年9月8日、ジョンソン首相が今次離脱延期を、合法的に阻止する計画を進めているとの報道がありました。

現状

EUと合意した離脱協定案が10月19日までに英議会で承認されなければ、政府はEUに2020年1月末までの離脱延期を申請しなければなりません。

報道によると、ジョンソン氏はこうした議会の動きを阻止するために8日、会合を開いたようです。

検討中の計画ではジョンソン氏が10月31日以降の延期をイギリス政府が望まないことを明記した書簡を、EU基本条約第50条の延長要請とともに送付するという事です。

ジョンソン首相、10月末の離脱方針変更せず

ラッド大臣が辞任・保守党を離党して混乱しているジョンソン政権ですが、10月末の離脱方針に変更はないようです。

2019年9月8日、ジャビド財務相とラーブ外相は離脱延期法案が成立してもEU離脱計画には変わりがないと述べました。

ラッド雇用・保険相が辞任

2019年9月7日、ラッド雇用・年金相は閣僚を辞任し、与党保守党からも離れると表明しました。

ジョンソン首相にとって大きな打撃となるものでしょう。

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理由は何でしょうか??

ジョンソン首相が合意確保に向け十分に努力していない事や、離脱延期法案の議会採決で造反した保守党議員21人の除名した事を引き合いに出し、

「このような政治的破壊行為は支持できない」

としています。

同大臣はジョンソン首相のチームの重鎮の1人で、欧州との関係を重視する穏健離脱派の一人でした。

今回の辞任と離党により、首相への圧力は強まることになりそうです。

上院で離脱延長法案承認でも、くすぶる離脱解散

2019年9月6日、上院で離脱延長法案が承認され、週明けに成立する見通しとなりました。

しかし解散風がやまず、混乱が続いています。

既報の通り、ジョンソン首相は週明けに解散動議を再び議会に諮るつもりです。

労働党もどうやって戦っていくのか一枚岩になれていないようで、流動的で目先の党利党略で動いている感じになっています。

議会解散を再提案か

ジョンソン首相の攻め手が少しずつ狭まっている状況ですが、なおジョンソン首相派10月末の離脱を諦めていません。

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どのような作戦が考えられるでしょうか??

議会解散の再提案が最も現実的なものでしょう。

保守党の支持率は好調で、今解散総選挙をすれば単独過半数を奪還できるとの予測がある為です。

離脱期限の延期法案では「議会が合意なき離脱を承認した場合」はEUに延期を要請する必要はありません。

保守党が過半数を握って、合意なき離脱を議会で承認する、という形にするのです。

9月5日、保守党のリースモグ下院院内総務は、ジョンソン氏が週明けの9日に議会に解散を再提案すると表明しました。

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今回否決されたのに、もう一度やって勝算はあるのでしょうか。。。

野党内には延期法案成立後であれば解散に応じるべきだとの声も多いようで、延期法案が成立後に再度決議を取れば通る可能性もあるのです。

まだどうなるか分かりません。

離脱延期法案可決、解散総選挙案は否決

2019年9月4日、下院はEUからの離脱延期を政府に求める法案を賛成多数で可決しました。

野党が提出した法案内容

10月19日までに新たな離脱案が英議会の承認を得られない場合、政府は2020年1月31日までの離脱延期をEUに要請する、という内容が核になっています。

最大野党・労働党が主導し、審議入りに賛同して9月3日に与党・保守党を除名されたハモンド前財務相ら約20人も賛成しました。

これに対してジョンソン首相は国民の信を問うため総選挙を提案しましたが、これに野党が応じず解散動議は否決されました。

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今後はどうなりますか??

野党側は法案を上院でも速やかに可決し、9日の週の議会閉会までの成立をめざします。

この法案が発効すれば、ジョンソン氏が「合意なき離脱」に突き進む選択肢は一旦無くなります。

保守党は大量除名の結果、下院の過半数を大きく割り込んでいて、政権基盤のさらなる弱体化が避けられません

ジョンソン氏はEUと協議するとしても、議会での基盤の弱さを見透かされ、なかなか交渉もうまくいかないでしょう。

かなり混とんとした状況です。

離脱延期を求める動議の審議入りを可決

2019年9月3日、下院は離脱延期を要請する法案の審議入り動議を可決しました。

ジョンソン首相が敗北した形です。

328対301で可決され、4日にも採決が行われる可能性があります。

ジョンソン首相は法案が下院で可決された場合、前倒し総選挙の実施を目指す意向を示しました。

但し、既報の通り、解散するためには議会の2/3の賛成が必要で、その数が集まるかどうかは分かりません。

イギリス議会が再開、事態は混とん

2019年9月3日に英議会が再開しました。

野党は来年1月末までの離脱延期を要請する法案を提出する予定です。

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少し詳細に見ていきましょう。
野党が提出した法案内容

10月19日までに新たな離脱案が英議会の承認を得られない場合、政府は2020年1月31日までの離脱延期をEUに要請する、という内容が核になっています。

野党側は、この法案の審議入りをさせるための動議を提出しました。

一方、10月末の離脱にこだわるジョンソン氏は同法案の審議入りに過半数が賛成した時点で解散総選挙を提案する方針のようです。

しかし、ジョンソン氏の一存で総選挙になるかは分かりません。

イギリスでは解散には下院の3分の2以上の賛成か、内閣不信任案の可決が必要になっています。

労働党ではコービン党首が早期の解散総選挙を求める一方、「離脱延期法案の成立後に選挙すべきだ」とジョンソン氏の解散の求めに反対する向きもあり、下院の3分の2以上の賛成が得られるかは不透明です。

仮に、解散総選挙になった場合には、10月14日が投票日になる見通しです。

保守党、下院で過半数を失う

2019年9月3日、保守党の議員1人がジョンソン氏の離脱方針に反発して野党の自由民主党に移りました。

このため保守党と閣外協力の政党を合わせた議席数は下院で過半数を割ってしまいました。

ここに加えて、与党内には多くのEU残留派や「合意なき離脱」に反対する勢力がいるので、延期法案の採決では政府・与党側がかなり不利な状況です。

2019年4月にもメイ首相(当時)にEUへの離脱延期の申請を義務付ける法案が提出され、この時は法案が僅差で可決され、現状の10月末までの延期につながったという経緯があります。

合意なき離脱を阻止する法案が通過すれば、総選挙も

2019年9月2日、ジョンソン首相は記者会見を行い、数週間以内に総選挙を実施する可能性を示唆しました。

労働党が提出する予定の「合意なき離脱を阻止する法案」への対応をを巡っての一つの選択肢です。

同首相は声明の中で、選挙は望まないと述べた上で、今週議会で「合意なき離脱を阻止する法案」が通過すれば、緊急総選挙に持ち込む可能性を示唆しました。

その上で、首相は離脱延期をEUに要請する事はないと改めて表明しました。

ジョンソン氏、与党内反対勢力を締め付け

ジョンソン首相が与党内の反対勢力への締め付けを強めているようです。

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具体的にどういった内容でしょうか??

近く野党が提出する予定の「合意なき離脱を阻止する法案」に賛成した保守党議員を党から除名し、次期総選挙で公認しないというものです。

合意なき離脱を阻止する法案
  • 最大野党・労働党が9月3日からの議会で提出予定の法案。
  • 合意なき離脱の回避を首相に義務付ける内容。
  • 議会が開会している最中の短期成立を目指す。
  • ハモンド前財務相ら保守党内の反ジョンソン勢力はこの法案への賛成を示唆し、成立する可能性も。

与党側は野党勢力を実質的に1議席しか上回っていない状況なので、与党内で造反が出ればこの法案は可決してしまいます。

一方で、ジョンソン氏が僅かな人数でも反対派を保守党から追放すれば、自ら内閣不信任案が可決される素地を作ることにもなり、ジョンソン首相としては難しい決断です。

2019年8月

労働党、合意なき離脱阻止に向け動く

2019年8月29日、労働党のコービン党首は合意なき離脱を阻止するため、9月3日以降に議会で緊急審議の実施を目指すと表明しました。

9月3日に議会が再開次第、合意なき離脱阻止に向けたプロセスに着手する予定です。

また、ジョンソン政権に対する不信任決議案が可決され、総選挙が実施される可能性も高まっています。

どういった状況になるか注視が必要です。ポンドの動きも激しくなるかもしれません。

議会閉会承認で合意なき離脱の可能性が高まる

2019年8月28日、エリザベス女王は議会を9月9日の週から10月13日まで約1カ月間にわたり閉会とする政府案を承認しました。

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そうすると何が起きるでしょうか

議会再開から10月末の離脱期限まで2週間強と短く、「合意なき離脱」に反対する議員が立法などで抵抗する余地が大きく限られることになります。

イギリス議会は来週の9月3日に再開しますが、今回の件で9日の週に再び閉会となり、女王の施政方針演説が設定された10月14日まで開かれない予定です。

因みに直後の10月17~18日には、BREXITが大きな議題となるEU首脳会議が予定されています。

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狙いは何でしょうか

狙いはもちろん10月末の離脱期限までの議会の審議時間を大幅に短縮する事で、合意なき離脱阻止をもくろむ議会の動きを封じ込める事です。

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今後の流れを整理しておきましょう。
9月3日
 議会が再開
9月3日~9月9日の週
 もしかしたら野党が内閣不信任案を提出するかもしれない
9月9日の週~10月14日
 議会は閉会。内閣不信任案含め、法案提出は出来ない。
10月14日~17日
 14日以降議会が再開し、EU首脳会議までに野党が不信任案を出す可能性
10月17日、18日
 EU首脳会議
10月31日
 離脱期限

野党、離脱延期申請を義務付ける法案などあらゆる措置を模索

2019年8月27日、労働党など野党は合意なき離脱を回避するため、ジョンソン首相に離脱延期申請を義務付ける法案の可決を目指すと表明しました。

英議会は今年、当時のメイ首相に離脱延期の申請を義務付ける法案を可決しましたが、野党勢力は今回も同様の法案可決を目指しています。

労働党のコービン党首はメディアに対して、合意なき離脱を阻止するため「あらゆる必要な措置」を講じるとも表明しています。

ジョンソン首相、EUとの交渉再開の芽が出ているとの認識??

ジョンソン首相は独仏と会談し、EUと交渉を再開できる芽が出てきているとみているようです。

イギリス政府高官によれば、メルケル、マクロン両首脳は既存の離脱協定案とバックストップ条項の保持の必要性について、幾分トーンダウンした感じで話をしたという事です。

ただ、時間はあまりないため、大きな期待を寄せるほどの事ではないかもしれません。

ジョンソン首相、合意なき離脱の回避はEU次第

2019年8月26日、ジョンソン首相はG7の会見で合意なき離脱を回避できるかは、EU側の妥協次第であることを改めて語りました。

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特に主張に変化はないわけですね

G7サミットの期間中にトゥスクEU大統領と初めて会談しましたが、互いの立場の説明に終始して進展はなかったようです。

ジョンソン首相、再交渉開始が容易でないと認める

ジョンソン首相は、EUに再交渉に応じるよう説得するのは容易ではないと認めました。

独仏首脳を訪問した後で、これまでの発言から大きくトーンダウンさせた形です。

ただ、その先にあるのは合意なき離脱なので、より合意なき離脱への可能性が高まったという事でしょうか。

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逆に淡い期待を抱かせないという意味で、マーケットへの覚悟を迫ったような発言なのかもしれませんね。

フランス、バックストップについて妥協余地残すものの引き続き厳しい

2019年8月22日、イギリスのジョンソン首相とフランスのマクロン大統領が会談し、その中でマクロン氏が離脱協定案を10月31日の期日までに再交渉する十分な時間はないと断言しました。

同大統領は離脱協定案の争点となっているアイルランド国境問題の解決策 「バックストップ」については、イギリスによる代替策模索に妥協の余地を示したものの、いかなる代替策もEUの単一市場とアイルランド島の安定を尊重した内容でなくてはならないと言明しました。

ドイツ、バックストップに関する解決策の提示をイギリスに要求

2019年8月21日、BREXITを巡りドイツのメルケル首相がアイルランド国境問題の解決策をイギリス側が提示すべきと言及し、30日以内にイギリス側から提示することで折り合ったようです。

ただ、国境問題への妙案が短期間で見つかる保証はなく、10月末の期限が迫る「合意なき離脱」を回避する道筋は見えないままです。

バックストップ条項

離脱協定案では、北アイルランドに限って食品などの規制をEUのルールに合わせるという特別暫定措置を講じています。

当面は税関や検疫の必要をなくしたうえで、物理的な国境の復活を避ける具体策が見つかった段階で、こうした安全策を廃止する、というもの。

合意なき離脱時の影響に関する政府文書が漏洩

イギリスの報道機関が合意なき離脱の影響予測に関する首相府の内部文書を公表しました。

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取得先は不明です。

その中では、

  • 生鮮食品の価格上昇
  • 医薬品の不足
  • 税関検査の混乱

などが指摘されています。

これをうけてゴーヴ大臣(合意なき離脱への対応担当)は、当該文書は前政権時に作成されたもので、誇張されて書かれているとコメントしています。

ただ、2018年のイングランド銀行の試算では、GDPが最大で8%程度マイナスとなる可能性があると指摘していて、文書に書かれてある事がそこまで非現実的なものとも言えなさそうです。

EU大統領、再交渉を拒否

2019年8月20日、EUはジョンソン英首相が求める再交渉に応じない姿勢を鮮明にしました。

注目されるバックストップ(安全策)を巡り、イギリスが「現実的な代替策」を提示していない為です。

ジョンソン首相は前日、EUにバックストップの削除を改めて要求すると共に、その代わりに離脱後の移行期間中に代替策を導入するとの合意を盛り込むことを提案していました。

EU27カ国は、現状バックストップ削除に反対する構えで一致しているようで、それが本当なら、ジョンソン首相は合意なき離脱に突っ走る事になるのでしょうか。

労働党は内閣不信任案を提出し、総選挙実施に持っていきたい方針

労働党のコービン党首は、「合意なき離脱」を防ぐため、早期に内閣不信任案を提出する方針を固めました。

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EUが注視しているという、反BREXITの人たちの動きの一つでしょう。

その方針の中では、不信任案の可決後に、与野党の反ジョンソン勢力を集めた「暫定内閣」を結成し、EUに離脱延期を申し入れたうえで総選挙を実施する計画も示しました。

注意

労働党の一部にもこの案に反対している人もいるので、どこまで実効性があるのか分かりません。

もし総選挙となった場合、労働党はEU残留の是非に関する選択肢を含め、2度目の国民投票を実施する予定です。

議会は9月3日に再開します。

もし、不信任案が可決された場合、議会は14日以内に新政権の樹立を目指す必要があります。

それができないなら、総選挙が10月31日の離脱期限後に実施される可能性があります。

EUは一定期間イギリスの議員の動きを注視

EUは一定期間の間、離脱反対派の英議員らの戦略を見守るようです。

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合意なき離脱に反対する議員らはジョンソン首相を阻止する方法を模索している為です。

EUはこれを見定めたあと、9月の英議会再開後に場合によっては交渉を行うかもしれないとの事です。

ポイントは9月9日と言われています。

これは7月に可決された「北アイルランド法案」修正案に基づいて、北アイルランドの自治回復に向けた進展状況を政府が9月4日に説明し、その5日後に議会で審議することが義務付けられているためです。

反対派議員はこの機を捉えて合意なき離脱阻止を図る公算があるようです。

EUは上記を見て、反対派議員らの行動を見極め、交渉戦略を考えようとしているのでしょう。

下院議長、BREXIT強硬の為の議会休会阻止に対抗

2019年8月13日、下院のバーコウ議長はBREXITを強行するための議会休会を阻止する意向を示しました。

報道によれば、バーコウ議長はBREXIT実現のための議会の迂回または休会については、あらゆる試みに対抗していくと述べたとの事です。

54%が10月31日の離脱強行を支持

最新の世論調査によると、英国民の過半数が10月31日に必ず離脱するべきだと回答しました。

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議会を休会してでも離脱すべきとの考えについて、54%が支持、46%が不支持と回答したとの事です。

引き続き拮抗していますが、BREXIT疲れなのか早く離脱してくれ、という事でしょうか。

EUはどこまで協定案修正に応じられるのか。。。

2019年8月7日、EUはイギリスとの話し合いについて、引き続き電話や対面で協議する用意があると述べました。

このコメントの前に、イギリス政府高官は、EUが再交渉に応じれば積極的に合意を目指す用意があると発言しており、合意なき離脱がジョンソン英首相の基本シナリオだとの見方を否定していましたが、これに呼応するものだと思われます。

英ガーディアン紙は・・・

欧州外交筋の話によれば、ジョンソン首相は、合意なき離脱をBREXITの柱に据えていて、離脱協定案を再交渉する意志はない、との趣旨の記事を掲載していました。

非欧州との関係強化を企図

ジョンソン新政権が、非欧州との関係強化に力を入れています。

対イラン問題では、アメリカ主導の有志連合に参加すると表明しています。

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メイ首相の時は独仏と並んでアメリカに一定の距離を置いていました。

10月末のBREXITを見据え、「非欧州」との関係強化を狙っていると思われます。

BREXIT担当相、離脱協定案の修正が必要との認識を改めて表明

2019年8月4日、イギリスのバークレイEU離脱担当相は、現在EUと合意している離脱協定案では英議会で承認されないとし、離脱協議の条件変更が必要との認識をEU高官に表明しました。

EUはこれに対して、これまでと同様修正には応じない姿勢を示しています。

イングランド銀行総裁の最近のコメント

イングランド銀行総裁のカーニー総裁はここ最近の金融政策決定会合もあったため、発言する機会が多くなっています。

そうしたコメントを一部まとめてみました。

イングランド銀行総裁の最近の発言
  • 現段階において合意なき離脱について「相当な可能性」がある。
  • 合意なき離脱となれば、一部の主要産業で採算が取れなくなる可能性。
  • 合意なき離脱の経済においては、対欧州との輸出入でゲームのルールが根本的に変わり、これまで効率的だった一部の産業が不採算となり、非経済的になる
  • 自動車、輸送、食品、化学産業が最も大きな課題に直面する

中央銀行、成長率予想を下方修正

2019年8月1日、イングランド銀行は政策金利据え置きを発表するとともに、BREXITによって先が見通せない状態だと説明しました。

合意なき離脱となった場合の新たな分析も特にありません。

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10月31日の離脱を明言するジョンソン首相の就任後、イングランド銀行が公に見解を示したのはこれが初めてです。

合意なき離脱については、そうなればポンドが下落してインフレが加速、成長が鈍化するだろうとの従来見通しを繰り返しただけに終始しました。

成長率見通しについては、BREXITの衝撃を政府が防ぐという仮定の下、2019年と2020年の成長率見通しを1.3%とし、5月時の1.5%、1.6%からそれぞれ下方修正しました

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加えて、2020年第1・四半期にマイナス成長となる可能性を30%としています。

合意なき離脱に備えて追加予算21億ポンド

2019年7月31日、イギリス政府は「合意なき離脱」への備えとして、新たに21億ポンド(約2780億円)の追加予算を確保すると発表しました。

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これに伴って、合意なき離脱準備のための予算総額は63億ポンドになりました。

ジョンソン首相は政権樹立後、合意なき離脱の準備を整えるよう政府部局に指示してきました。

2019年7月 ジョンソン首相誕生で合意なき離脱の可能性高まる

ジョンソン首相、期限前の対EUとの交渉、全くない可能性も

2019年7月30日、ジョンソン首相はアイルランド首相との会談で、10月31日の期限前にEUとの再交渉が一切行わなれない可能性を示唆し、合意なき離脱となるかはEU次第だとコメントしました。

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合意なき離脱となった場合の責任をEUに押し付けようとしているのでしょうか。。。

ジョンソン首相はイギリスは是が非でも10月31日にEUから離脱することを改めて強調しています。

EUのリアクションが待たれます。

イギリス政府、合意なき離脱の準備加速

イギリス政府は、EUとの交渉不可能な事態に備えて合意なき離脱への備えを加速しているようです。

ジョンソン新首相が合意なき離脱に向けた準備の責任者に指名したゴーブ前環境相は、EUからより良い離脱条件を引き出すため「徹底的に取り組む」意向を示し、その上でダメな場合は合意なき離脱の為にしっかりと準備すると語りました。

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この時、大きなポイントの一つがバックストップ条項でしょう。
バックストップ条項

アイルランド(EU加盟国)とイギリスの北アイルランドの間に、物理的な壁を作るなどの厳格な国境管理をしない措置のこと。

2019年7月27日、ジョンソン首相は「バックストップ」条項を離脱協定案から外す必要があるとの立場をあらためて示しています。

EU側の反応は、、、

欧州委員会のユンケル委員長は、ジョンソン首相の就任後に行った電話会談で、バックストップ条項を含む離脱協定案の再交渉を求めるジョンソン氏の要求を拒み、既にイギリス議会が3度にわたり否決した同案こそ「最善かつ唯一の可能な合意だ」と主張しています。

少しずつ、合意なき離脱に向けた雰囲気が所与のものになりつつあるのでしょうか。

ジョンソン首相とユンケル委員長が電話会談

2019年7月25日、ジョンソン新首相がユンケル欧州委員長と電話会談しました。

そこで、合意なき離脱を回避するためにアイルランドとの国境問題に関するバックストップ(安全策)を撤廃する必要があると伝えたようです。

バックストップ条項

アイルランド(EU加盟国)とイギリスの北アイルランドの間に、物理的な壁を作るなどの厳格な国境管理をしない措置のこと。

ジョンソン首相はユンケル委員長に対し、メイ前英首相がEUと合意した協定案では英議会を通過することはないとも伝えたようです。

ジョンソン内閣の閣僚、10月末離脱実行の為の顔ぶれ

ジョンソン首相は内閣人事を行い、EUとの関係を重視する穏健派をほぼ一掃し、決選投票の相手だったハント前外相を支持した主力議員も入閣させませんでした。

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「挙党一致」よりも強硬離脱を支持する議員を集める「純化路線」を選択したわけです。

メイ前首相の状況を見てそうしたのかもしれませんが、国内のさらなる分断を招くリスクもあります。

ジョンソン首相は2019年7月25日、初閣議を開いた後、議会下院で政権の基本方針を演説しました。

そこで、10月31日の離脱を確約し、全ての新閣僚がこの締め切りを約束した事を明言しました。

ジョンソン首相、10月末の離脱を改めて強調

2019年7月24日、ジョンソン首相は首相就任後の演説で、BREXITについて、10月末に離脱する事を改めて表明し、EUが交渉を拒否すれば「合意なき離脱」に向かうと警告しました。

これ以外の論点については、

  • アイルランド国境問題については解決策があること
  • 合意なき離脱派不本意であるものの、それが起きても大丈夫な様に準備を加速させること

等とコメントしています。

ジョンソン首相誕生、この後のスケジュール

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この後のスケジュールを簡単に確認します。
8月1日
下院補欠選挙

ここで敗北すると与党の過半数割れが目前となります 

8~9月
EUとの交渉

どこまでEUから妥協を引き出せるかがポイントですが、前途多難です 

10月17、18日
EU首脳会議

イギリスとEUの協議の山場です。イギリス議会がまた紛糾する可能性も 

10月31日
離脱期限

穏健な離脱か、合意なき離脱か、離脱再延期か 

11月以降
離脱再延期の場合、、、

離脱再延期なら総選挙か国民再投票か 

次期首相にジョンソン氏、合意なき離脱の可能性高まる

2019年7月23日、ジョンソン前外相が保守党の新党首に当選し、そのまま新しい首相に就任する事となりました。

ジョンソン氏は演説でBREXITを10月31日に実現すると改めて明言しました。

注意

しかし、EUとの再協議の見通しは立たず、経済に混乱をもたらす「合意なき離脱」のリスクが高まっています。そうなった際のポンド安はもちろん、世界のマーケットへの影響が気になります。

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ここで得票データを見ます。
得票データ

保守党員は約16万人。決選投票でこれらの党員がジョンソン氏かハント氏を選びました。

ジョンソン氏は9万2153票、ハント外相は4万6656票だったので、ジョンソン氏はハント氏に2倍近い差をつけて勝利しました。

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ここからが正念場です

ジョンソン政権が10月末までにEUを円滑に離脱するには、議会で過半数の賛成を得られる離脱協定案をまとめ直す必要があります。

ジョンソン氏はまずはEUと再交渉に臨み、与党内に反対が強いアイルランドの国境問題等でEUから譲歩を引き出したい考えです。

2019年7月25日追記

主な閣僚の顔ぶれとしては、外相で事実上の副首相はドミニク・ラーブ前EU離脱担当相、財務相にサジド・ジャビド内相、内相にはプリティ・パテル氏が就任するようです。

元々、ジョンソン氏は閣僚ポストに同国の政治史上最も多くのマイノリティーを起用するとみられていて、女性閣僚も増えるとみられています。

EU、合意なきBREXITにアイルランド支援を検討

2019年7月22日、EUは合意なき離脱となった場合、アイルランドに経済的打撃が及ぶことを想定し、数十億ポンド規模の支援措置を準備する予定であるとの報道がありました。

貿易が混乱に陥った場合、アイルランド政府のためにEUが必要な額を支援するというものです。

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ただ、具体的な規模は明らかになっていません。

ダンカン閣外相が辞任、合意なき離脱に反対で

イギリスのダンカン外務担当閣外相が7月22日辞任しました。

閣外相とは

内閣の外にあり、内閣を構成せず閣議に参加しない大臣のことを指します。大臣のなかでも中央省庁の長たる Secretary of State は20名程度で、閣外大臣はMinister of State と呼ばれ、下級の大臣です。両者を合わせると100人を超えます。

子の辞任はジョンソン氏の「合意なき離脱」も辞さない姿勢に対する与党・保守党内の強い反発を象徴するものです。

強硬派からは人気のあるジョンソン氏ですが、保守党には同じくらい穏健派もいるのです。

ジョンソン氏、EUとのFTA締結で事態打開を提唱

次期首相の最有力候補であるジョンソン前外相は、EUと合意した離脱協定で懸案となっている部分を盛り込まないFTAをEUと結ぶことで、事態の打開ができるとの考えを示しました。

10月31日にEUから離脱した後、FTAについて交渉し、必要な解決策を見つけることが可能との考えを示したものです。

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この提案がどこまで現実的なものなのかはこの時点では分かりません。

EUが合意なき離脱の延期をジョンソン氏に申し入れる用意

EUが英次期首相の最有力候補であるジョンソン氏に対して、合意なき離脱の先延ばしを提案する準備を進めているようです。

報道によると、ジョンソン氏が10月31日での合意なき離脱を推し進める場合に備えて、EUが対策を協議しているほか、イギリスがBREXITにおいて財政的責任を受け入れるなら、EUは再交渉に応じる意向を示すという事です。

ジョンソン氏はEUとの交渉という選択肢を残しながらも、合意なき離脱に向けた姿勢を維持するものと思われています。

ハモンド財務大臣、ジョンソン氏が次期首相なら辞任

ハモンド財務相は、次期首相にジョンソン前外相が決定するなら自分は24日に辞任すると述べました。

合意なき離脱への反対がその理由です。

MEMO

ハモンド氏によれば、ジョンソン氏は10月31日の合意なき離脱を容認する心構えをしておくことが自身の政権メンバーに求められると述べたという事です。

ハモンド氏のほか、ガーク司法相もジョンソン氏が勝利した場合に政権を去る考えを表明しています。

合意なき離脱を巡る攻防

上記タイトルにフォーカスしたスポット記事を作りましたのでご参考ください。

【2019年7月】BREXIT関連、合意なき離脱を巡る攻防

10月31日に合意なき離脱がある場合、システム対応にリスク

欧州金融市場協会のレポートによれば、10月31日に合意なき離脱となった場合、その日が週半ばに当たるため銀行が十分なシステム対応を行えず、市場に混乱を引き起こす可能性があるとの事です。。

ジョンソン氏、ハント氏ともに「バックストップ」条項は受け付けず

イギリスの次期首相候補であるボリス・ジョンソン氏とジェレミー・ハント外相は、7月15日の討論会で、メイ首相の離脱協定案に盛り込まれた「バックストップ」条項について、期限が設定されても受け入れない意向を示しました。

バックストップ条項

アイルランド(EU加盟国)とイギリスの北アイルランドの間に、物理的な壁を作るなどの厳格な国境管理をしない措置のこと。

invstem.com

EUが反発するのは必至です。メイ首相も何度もトライしてダメだったわけですし

保守党ジョンソン氏の最後の手は停会か

2019年7月中旬、目下保守党の党首選が熱を帯びてきていますが、支持率で圧倒的に有利に立っているのがジョンソン氏です。

ジョンソン氏のBREXITに関する方針は、今の所10月31日の期限までにイギリスをEUから離脱させる、というものです。

合意なき離脱もいとわない姿勢です。

invstem.com

前よりもその姿勢は少し柔和になっているような気もしますが。。。

ここで一部の人が懸念している事があります。

それは議会の「停会」です。

現状、議員の大多数は合意なき離脱に反対しているため、なかなかこれを突破する事が出来ません。

そこで、議会を停会させるのです。そうすれば理屈上は合意なき離脱が可能となるわけです。

ただ、これは法廷闘争に持ち込まれる可能性もあるし、やり方が非民主的だとして国民の理解も得られない可能性があります。

イギリス議会、議会休会中に合意なき離脱が行われないようにする法案を僅差で可決

2019年7月9日、イギリス下院は、無理やり議会を休会させてイギリスをEUから「合意なき離脱」させる事態を阻止する法案を賛成多数で可決しました。

具体的には、9月から12月の間の議会の開会を義務付ける、というものです。

invstem.com

この法案は賛成294、反対293とわずか1票差で承認されました。

与党保守党の次期党首の最有力候補であるジョンソン前外相は、この法案の可決後、引き続き議会を休会させてBREXITを遂行する手段も選択肢の一つであることを示唆しています。

ムーディーズ、合意なき離脱の場合はイギリスが格下げ圧力にさらされるとの認識

格付け会社のムーディーズは、合意なき離脱となればイギリスが格下げの圧力にさらされるとの見解を示しました。

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現在ムーディーズはイギリスの長期債務格付けを上から3番目の「Aa2(ダブルA相当)」に置いています。

ムーディーズはEU離脱が穏健にいったとしても成長の下押し要因になるとみていて、更に合意なき離脱となれば、ポンド下落で輸入物価高となり、個人消費が弱まるなど、景気を更に冷やすことになると考えています。

保守党党首選、決選投票の両候補が合意なき離脱も辞さず

保守党で党首選決選投票を争うジョンソン前外相とハント外相は、保守党内の離脱強硬派と穏健派の両方の支持を得ることを目指している中で、両者ともEUとの交渉が不調に終わった場合には、合意なき離脱をする用意があるとあらためて表明しました。

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ハント外相も、保守党党首になる為には強硬派を取り込まなくてはならず、そうなると合意なき離脱も辞さないという姿勢を見せなければダメだと判断したのでしょう。

2019年6月 次期首相選びはジョンソン氏が優勢

保守党選挙支持率一位のジョンソン氏、姿勢軟化??

保守党党首選挙で支持率一位のジョンソン前英外相のBREXITに関するスタンスが変わり始めているようです。

合意なき離脱について、「百万に一つ」しかないと述べ、姿勢を軟化させたのです。

invstem.com

しかし、直前まで、どんなことがあろうと10月31日に離脱すると約束していました。。。

合意なき離脱をしない覚悟があるのであれば、それは市場にとっても国民にとっても経済的な意味でとても良い事ではありますが、またメイ首相と同じように袋小路になって迷走といった事態も懸念されます。

イングランド銀行、海外マネー逃避を懸念

イングランド銀行のメンバーであるアニル・カシャップ氏は、BREXITが決まった国民投票以降にイギリスが海外マネーへの依存度を強めていると指摘し、こうした海外マネーが突如としてイギリスから流出するリスクに懸念を示しました。

イギリスは大規模な経常赤字を抱えていますが、同氏は経常赤字自体は必ずしも懸念材料ではないものの、どのように資金を得ているかについて自身は懸念を強めていると述べました。

EU、合意なき離脱に向けた準備を呼びかける

2019年6月12日、欧州委員会はイギリスが合意なき離脱をする可能性が非常に高いとして緊急対応策を更新し、EU加盟国、企業、市民に対し、経済的な悪影響に備えるよう伝えました。

メイ首相辞任後の動き

メイ氏が保守党の党首を辞任しました。

これから保守党党首選挙が本格化しますが、今後のスケジュールや見込まれるシナリオについて簡単におさらいします。

  • 6月20日までに議員投票で、現在10名程度いる候補を2名に絞り込む
  • その後、一般党員による郵送投票を行い、7月22日の週までに最終的な勝者を選出
  • ブレグジット党への対抗という観点からも、強硬離脱派が当選しやすい環境となっているが、合意なき離脱を阻止しようとする議会と新首相の対立が予想され、行き詰まって議会の解散・総選挙が行われる可能性が相応にある。

2019年6月7日、メイ氏保守党党首を正式に辞任

2019年6月7日、メイ首相が保守党の党首を辞任する意向を正式に通知しました。

これを受けて、保守党党首争いが本格化するわけですが、党首への立候補者は週明け10日に確定します。

メイ氏は後継者が決まるまで、首相職にとどまる予定です。

保守党の支持離れ続く

最新ンお世論調査で、いま総選挙が行われた場合、保守党が、少なくとも過去100年間で初めて、上位2党に入れず3位に転落する見通しであることが分かりました。

BREXITを巡る事態の混乱にいらだつ国民の声、という事なのでしょうか。

そういった政党の党首がBREXITの行方を決めるというのもまた問題ですが、他の政党にその能力があるのかも疑問で、とにかくイギリス政治は混迷真っただ中です。

2019年5月 メイ首相が退任を表明

EU、イギリスと再交渉せずと改めて表明

2019年5月28日、EUのユンケル欧州委員長はブレグジットについて改めて再交渉はしない旨を述べました。

メイ首相の後任候補が、相次いで再交渉の必要性を主張していることに反発した形です。

欧州議会選で、二大政党は苦戦、ブレグジット党躍進

5月23日実施のイギリスにおける欧州議会選挙では、ブレグジット党と、EU残留や2回目の国民投票を掲げる自由民主党が躍進しました。

この一方で既存の二大政党は存在感が乏しく、特に保守党は歴史的な惨敗となってしまいました。

保守党に対する国民の支持がない中で、その保守党の党首が掲げる方針が国の方針となってしまう所が、また難しい所です。

世論と政治が違う方向を向き、バラバラになってしまいかねません。

保守党党首選挙について

保守党の党首選挙についてのみ追う記事を作成しました。

これ以降、保守党党首選挙に関する情報のアップデートは以下の記事で行います。

【2019年5-6月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙

合意なき離脱を巡る情勢、保守党の2/3は合意なき離脱を支持

次期首相は保守党の党員12万人から選ばれるわけですが、最近の世論調査によると、党員の3分の2は合意なき離脱を望んでいるようです。

一方で保守党以外もいれた全体で見ると、議員の過半数は合意なき離脱に反対している状況です。

合意なき離脱を進めたい保守党リーダーと阻止したい議員の攻防は続きます。

ジョンソン氏、合意なき離脱への準備進める

次期保守党党首の選挙戦に立候補しているジョンソン前外相は、自身が次期首相になれば合意なき離脱を準備しつつ、アイルランド国境問題を巡る「バックストップ条項」をEUと再交渉すると発言し、その再交渉をEUが拒めば、合意なき離脱に踏み切るとコメントしました。

ここにきて、一気に合意なき離脱への可能性が高まっていると見る関係者は多いと思われます。

メイ首相の後任と今後の考えられるシナリオについて

上記タイトルのスポット記事を投稿しています。

ご参考ください。

【2019年5月】BREXIT関連 メイ首相後任決定プロセスとそれ以降

メイ首相が退任を表明、6月7日に

2019年5月24日、メイ首相派6月7日に保守党の党首を辞任する考えを表明し、後任が決まり次第、首相の座も降りると発表しました。

これについてのレポートは↓から一覧がご覧いただけます。

メイ首相退任に関するレポート一覧

メイ首相が退任表明か、イギリスメディア

メイ首相が5月24日に辞任を表明する見通しとの報道がありました。当該メディアは情報源は明らかにしていません。

報道によればメイ氏は後任が選出されるまで首相職にとどまる予定との事です。

もしこれが本当だとすると、後任を巡ってまたマーケットが騒々しくなる可能性があります。

欧州議会選でブレグジット党が一歩抜き出る

イギリスでは、23日から始まる欧州議会選が離脱派と残留派の代理国民投票の様になっています。

その中で支持率で一位となっているのが、早期の離脱を唯一の公約とするブレグジット党です。

BREXIT対応にいら立つイギリス人を大いにひき付けているようです。

ブレグジット党の躍進を引っ張るのがファラージ党首です。圧倒的な人気なのです。

巧みな演説と、早期離脱がイギリス人を幸せにするというシンプルなメッセージが、イギリス人の心に響きます。

同氏は元々欧州懐疑派の保守党員だったようですが、1992年にメージャー政権がEU創設を定めるマーストリヒト条約に署名すると、それに反発して離党しました。

その後、英国独立党(UKIP)を創設し、前回の2014年の欧州議会選では、UKIPをイギリスの中で1位に押し上げる剛腕ぶりを発揮しました。

その後UKIPを離党しますが、今年に入ってブレグジット党を立ち上げたのです。

感情とナショナリズムい訴えて支持を得ようとするのはどこも同じなようです。

メイ首相に辞任の圧力

離脱協定合意に向け新しいアイデアを披露したメイ首相ですが、逆に退任圧力が強まっていそうな感じになっています。

  • 英下院のアンドレア・レッドソム院内総務が、EU離脱に対する政府の姿勢は支持できないとして辞任
  • 1922年委員会の幹部議員が、メイ首相に対する新たな信任投票を可能にする党の規則変更を試みる
  • 6月第1週に予定する法案採決の中止を保守党議員らが首相に強く迫る予定

といった報道がなされています。

もしかしたらメイ首相の辞任は近いかもしれません。となるとまた一波乱ありそうです。

メイ首相の新提案も突破口とならず??

2019年5月22日、メイ首相は自らの離脱案が承認されれば、その案の是非を問う再国民投票を実施するかどうかを諮ると改めて議会に説明しました。

しかし、EU残留を嫌う強硬離脱派は猛反発し、EU残留派も「今までの案と大差はない」などと批判していて、新提案が突破口になる兆しは見えていません。

メイ首相の狙いは、再国民投票やEUとの関係を維持した離脱を求める野党からの賛成票の取り込みにあるわけですが、メイ首相の案を認めることが条件になっている点がネックとなっています。

JPモルガン、合意なき離脱の確率を25%に引き上げ

2019年5月21日、JPモルガンは合意なき離脱となる予想確率を従来の15%から25%へ引き上げました。

メイ首相の後任として強硬離脱派のジョンソン前外相が次期首相になる確率が高まり、それに応じた結果という事です。

現時点では、総選挙の実施を伴う2019年末への離脱延期が中心シナリオのようですが、より不透明さが増していると指摘しています。

夏までの離脱は厳しい情勢、メイ首相の求心力も限界に

与野党協議が決裂した影響もあり、メイ英首相が描いてきた2019年夏までの離脱は難しい情勢です。

5月23日に投票が始まる欧州議会選で、どれだけ保守党が票を伸ばせるかが一つのポイントとなりますが、地方選でも大敗しているメイ氏は求心力を失っており、欧州議会選でも保守党が大きく議席を減らせば退陣圧力が一段と強まる可能性があります。

欧州議会選でブレクジット党が支持率トップに

2019年5月23日の欧州議会選を前に実施された世論調査によれば、ブレグジット党の支持率が保守党と労働党を引き離し、トップの座を維持しました。

ご参考:欧州議会選挙とは

ブレクジット党:34%となる中、労働党:20%、保守党:12%となりました。

2度目の国民投票を呼び掛けるEU残留派の自由民主党の支持率は15%となり、保守党の支持率を上回りました。

与野党協議が決裂

2019年5月17日、メイ政権と労働党による与野党協議が決裂しました。

労働党のコービン党首がメイ首相に協議終結を書簡で通告しました。

メイ首相は「合意なき離脱」を回避するために労働党の協力を得て離脱協定案の議会承認をめざしていたわけですが、これがとん挫した形で、事態は再び混迷の様相を呈しています。

メイ首相の後任候補の顔ぶれについて

メイ首相の主な後任候補についてのスポット記事は↓からご確認ください。

【2019年5月】BREXIT関連、主なメイ首相の後任候補の顔ぶれ

メイ首相が6月に退陣スケジュール策定を表明

2019年5月16日、メイ首相が6月に退陣スケジュールを策定する意向であるとの報道がありました。

保守党の現職議員で構成する議員委員会(1922年委員会)のブレイディ委員長が表明したものです。

メイ首相の後任候補として、ジョンソン前外相が同日、保守党党首選に出馬する意向を表明しました。

BREXIT推進派、6月提出予定の離脱協定法案に反対を表明

与党のBREXIT推進派議員らはメイ首相の離脱協定案について、6月の採決で否決に持ち込む方針を表明しました。

ある議員は何度やっても同じだと述べ、今回も否決に持ち込める自信を窺わせました。

メイ首相、離脱協定法案を6月中に議会提出

2019年5月14日、メイ首相は離脱合意案の代わりとなる「EU離脱協定法案」を6月3日の週に議会に提出すると約束しました。

労働党との超党派協議は妥結に至っていません。

しかし、保守党も労働党も先の地方選挙で離脱プロセスへの取り組み方について有権者から批判を受けていて、世論を汲んで下院議員らが離脱協定法案に賛成すると首相は期待しているようです。

ブレクジット党の支持率が伸び、メイ首相への圧力強まる

最新の世論調査でナイジェル・ファラージュ氏率いる「ブレグジット党」の支持率が上昇しており、先の地方選挙での大敗もあり、与党内からもメイ首相に戦略を変更するよう求める声が出ています。

メイ政権を取り巻く環境としては

  • 労働党との協議は不調
  • 離脱期限が10月まで延期されたことで、保守党の支持率は急落
  • 5月23日の欧州議会選を控えブレグジット党の支持率は34%。労働党は21%、保守党は11%
  • 地方選挙での大敗を受けてソフトブレグジットという戦略の変更を求める声が相次ぐ
という状況です。

メイ首相への圧力は強まっていくばかりです。

政治宣言案の修正をEUと協議?

2019年5月12日、イギリス政府は将来の関税取り決めに関する「政治宣言案」修正について、そもそもその実現可能性があるのかを含めてEUと協議する表明しました。

政治宣言は離脱合意案の中の一部分です。

政治宣言案についてはEU側は修正の余地があるとしていますが、イギリスの労働党幹部は、そもそも2回目の国民投票に応じない限り、この案に同党の議員が賛成する事はないと警告しました。

欧州議会選の前にEU離脱法案採決の可能性

2019年5月9日、メイ首相がEU離脱法案の2週間以内の議会採決を目指して動いているとの報道がありました。

首相官邸と労働党は、EU離脱の共同案策定に向けた協議の進展を示唆する声明を発表したのです。

保守党のブレイディ氏は、首相の今後の進退について話し合うため、首相と保守党執行部が近く会談することを明らかにし、その背景には、メイ首相が数日以内に離脱協定法案を上程し、しかもその可決に自信を持っているから、との見解を披露しました。

その上で法案採決が欧州議会選の前に行われる可能性があるとコメントしました。

メイ降ろしは不発に終わる

2019年5月7日、メイ首相は保守党の党首不信任手続きを所管する1922年委員会と面会し、8日までに離脱協定の批准ができない場合、退陣に向けた工程表を明らかにすることを求められました。

しかし、批准が出来ない状態で再び8日に同委員会と面会したメイ首相は、退陣離脱協定を批准した後に退陣するとの従来の主張を繰り返し、その面会において退陣に向けた具体的工程表を提示する事はなかったようです。

つまり保守党議員によるメイ降ろしは、今回は不発に終わった、という事でしょう。

ただ、5月15日に改めて同委員会幹部と面会する予定で、今後の進退について話し合いが行われる可能性があります。

メイ首相が自ら退陣時期を明らかにしない場合は、2019年12月より前に党首不信任手続きを解禁する党則変更が改めて協議される可能性もあります。

メイ首相、労働党との妥結図る為、関税同盟の様な条項を準備??

メイ政権は労働党との離脱案を巡る妥結をする為、EUとの国境を往来する物品の検査を行わない関税同盟のようなルールを「EU離脱協定法案」に書き込む準備をしているようです。

もちろん、これは労働党のリクエストに少しでも応える為のものですが、どこまで労働党を納得させられるかは未知数です。

また、こうした動きを嫌って政権内のフォックス国際貿易相など離脱推進派の閣僚や与党幹部が辞任を選んで、政権内の混乱を生み出す可能性もあります。

ブレグジット党、国政への影響を強めたい考え

早期のブレクジットを目指すイギリスの新党「ブレグジット党」が次期総選挙に候補者を擁立すると表明しました。

同党は欧州議会選にもすでに出馬を表明しており、そこでの議席獲得を足がかりにして、イギリスの国政にも影響を及ぼしたい考えのようです。

そしてこのブレクジット党の支持は、離脱協議の混迷を受けものすごい勢いで急伸しています。

ブレクジット党は、単一市場・関税同盟からの完全撤退を掲げ、次期総選挙では650全ての小選挙区で候補者を擁立したい考えです。

イギリス、欧州議会選に参加へ

イギリスは、2019年5月に行われる欧州議会選挙へ参加する予定です。

5月下旬の議会選挙までに離脱の道筋がつけられない為で、メイ政権の目標は既に、欧州議会の新会期が始まる7月2日までに離脱を完了させる事に変化しています。

イギリス議会が夏季休会に入るまでには何とかしたいと考えているでしょう。

欧州議会選挙とは?⇒BREXIT関連 欧州議会選挙とは

統一地方選挙は二大政党が敗北し、親EU派の政党が大幅増

2019年5月2日の統一地方選挙で、メイ首相率いる保守党と最大野党の労働党がともに議席数を大きく減らしたようです。

一方で、親EU派で国民投票の再実施を訴えている自由民主党が大きく躍進しました。

保守党のブレグジット対応について有権者が不満を募らせていることは分かっていましたが、一方で政府の立場に対する労働党の対応にも有権者は不満を感じている事が今回の投票結果で分かりました。

いずれにせよメイ首相の責任問題がどうなるかが重要で、5月23日に予定されている欧州議会選でも保守党が大敗すれば、首相への退陣圧力は一段と強まるでしょう。

メイ首相、労働党と最後の交渉を来週に

メイ首相はBREXIT計画について党派を超えた合意を結ぼうと、労働党と最後の会合を来週開くことを計画しているようです。

具体的な日程としては5月7日か8日が予定されているようです。

2019年4月 メイ首相打開策見えず、辞任圧力も

欧州議会選はBREXITを巡る代理国民投票の様相に

BREXIT問題の混迷が続くなか、欧州議会選を巡って早期の離脱を訴える政党とEU残留を主張する政党がぶつかり、二大政党である保守、労働の二党の存在感が若干薄れている状況となっています。

この選挙が、EU離脱の是非を問い直す「プロキシー(代理)国民投票」との表現も出始めているようです。

現在のイギリス・EUの合意では、イギリス議会が5月22日までにメイ首相の離脱案を承認すれば、イギリスが欧州議会選に参加する必要はなくなります。

しかし、現段階ではそのメドはたっておらず、欧州議会選挙に参加する事になります。

欧州議会選挙とは何か??は↓をご参照ください。

BREXIT関連 欧州議会選挙とは

5月2日の地方選挙がブレクジットの影響で重大イベントに

ブレクジット関連で、いつもは殆ど注目される事のないイギリス国内の地方選挙がブレグジットの先行きを占う重要な政治イベントとして急浮上しています。

現在選挙モードが高まるイギリス国内で、野党・労働党はまず今回の地方選挙で勝ち、勢いに乗って欧州議会選に臨む戦略を描きます。

一方、与党・保守党は負け幅をできるだけ小さくし、欧州議会選へ少しでもいい流れを作っておきたいと考えます。

ただ、この保守党の不人気ぶりが、どこまでイギリスの内政に影響するかは分かりません。

現在イギリスでは下院の解散・総選挙がとりざたされるものの、保守党が地方選で負ければ解散風は弱まるかもしれません。保守党議員が落選を恐れる為です。これは欧州議会選でも一緒で保守党が惨敗すれば総選挙はさらに遠のくとも思われます。

結局こうなればああなる、といった予想は立てにくいわけですが、それが一番マーケットの嫌がるものなわけです。。。

イギリス、欧州議会選に参加へ

これまでメイ英首相が回避したがっていた欧州議会選にイギリスは参加せざるを得ないようです。

既報の、EUとの離脱協定を国内法化する法案提出はすぐには出来ず、結果、5月下旬の欧州議会選への参加が不可避となりそうです。

欧州議会選に参加すると、メイ首相の保守党が敗北を喫する可能性が高く、自身の責任問題にも発展する恐れもあるだけに、メイ首相としては避けたかったのです。

この状況下では、新たに選出された欧州議会がスタートする6月30日までに法案を成立させることが、次の目標となります。

メイ首相、新たな戦術

メイ首相がBREXITに向けて新たな戦術を打ち出しました。

それは、これまで3度否決された協定案を再提出するのではなく、離脱協定を国内法として法制化するための法案を提出する、というものです。

反対勢力が修正を通じてこの法案に要望を反映させることを想定しているという事です。

ただ、この法案を出すか出さないか、また出すとしていつ出すのかという事について閣内でコンセンサスは取れていない模様です。恐らく、最大野党労働党との協議の状況を見て、この法案を提出するかどうか判断するのでしょう。

メイ首相降ろし、ルール変更して実現??

保守党の支持率が、10月末までの離脱延期を固めた4月10~11日のEU首脳会議を境に急落し、このままでは5月以降の選挙を戦えないと考える保守党員たちが、メイ首相降ろしで活発に動いているようです。

ただ、保守党のルールでは1年に一回までしか党首の不信任投票が出来ません。

前回は2018年12月で、メイ党首の続投が決まったため、本来なら2019年の12月までこの投票はできないようになっているのです。今、保守党の反メイ派の議員がそのルール自体を変更しようとしているわけです。

このクーデターについては、まだまだメイ首相の方針へ理解を示す議員も多い事から実現は不透明です。

しかし、実際問題として党勢が回復せずに、地方選や欧州議会選で保守党の惨敗が続くと、その時はメイ首相が引責辞任せざるを得ないというシナリオもあり、クーデターが未遂に終わっても引き続き状況は厳しいままです。

労働党との交渉は厳しい状況か

メイ首相と労働党との協議は難航しているようです。

労働党が出している最低条件は関税同盟への残留。しかし、これは首相にとって受け入れ難いものです。

労働党で交渉経緯を知る関係者によれば、2019年4月下旬現在で、何一つ政府と合意できる状況にはないと言明しています。

メイ首相、難局続く

メイ首相への辞任圧力が強まっていますが、引き続きメイ首相自身はBREXITを完遂させるまで辞任する意向はないと言われています。

一方でメイ首相を取り巻く環境はかなり厳しいものとなっています。

  • 引き続き保守党強硬派の説得は困難続き
  • その一方で最近の世論調査で保守党全体の支持率が急低下
  • 労働党への更なる譲歩で打開する事は保守党瓦解の恐れ
  • また労働党の支持率自体も保守党を逆転し、労働党にとって保守党政権の延命につながる与野党協議はあまりインセンティブがない⇒保守党に妥協はしない
  • 5月2日、イギリスの統一地方選挙や欧州議会選挙の世論調査で強硬なBREXITを求める新党・ブレグジット党が大幅に躍進している

考えるファクターが多いため、どうしようもありませんが、こういった政治的な事は動くときに一気に前進しますので、頭の片隅に現状についての認識を持っておくと良いかもしれません。

メイ首相が6月末までに辞任させられる可能性

英保守党議員委員会のブレイディ委員長はメイ首相に対し、6月末までの首相辞任を迫る方針であるという事が報じられています。

辞任しない場合は党の指導部規則を変更して退陣させると伝える考えのようです。ここ最近の労働党との交渉で保守党議員らのフラストレーションが頂点に達しているのかもしれません。

もしメイ首相が退陣となると、EUとの交渉もまた暗雲が立ち込める可能性があります。

3回目の延期シナリオが早くもささやかれ始める

10月31日に再設定されたばかりの離脱時期ですが、早くもそれを延期するというシナリオがEUの中から聞こえ始めているようです。

EUはこれ以上離脱条件は譲れないので、できるのは延期だけだという認識です。

しかしイギリスの中でまとまれるのか。この様な宙ぶらりんの状況に慣れつつあるので、マーケットが一気に動くときが怖いです。

メイ首相、労働党との妥協に動く??実現すればよりソフトなBREXITに

メイ英首相がBREXIT後の関税同盟残留を巡り最大野党である労働党と妥協案の策定に取り組むことを示唆しました。

これが実現すれば、一段とソフトな離脱に道が開かれます。

ただ、10月末まで離脱時期を延期したのみならず労働党との協議をほのめかしたことで保守党強硬派の猛反発は必至です。

労働党との協議がうまくいけばいいのかもしれませんが、そうでなくなると目も当てられなくなります。

首相は労働党との協議により、下院で過半数の支持を得て5月22日までの離脱が可能になる合意案を策定でしたいようです。その日までに離脱できれば、欧州議会選挙に参加しなくて済むからです。

4月11日の合意のポイント

2019年4月11日のEUとイギリスの間の合意点は以下の通りです。

  • 離脱時期を10月末まで再延期する。
  • 進捗は2019年6月に点検する。
  • 5月の欧州議会選にイギリスは参加。不参加なら6月1日に離脱する
  • 離脱まで、イギリスはEUの重大な意思決定に参加しない。
  • 離脱協定案は再交渉不可。
  • イギリスは離脱撤回の権利を持つ。

最後の離脱撤回の権利というのが少し切ない響きというか、リベラルな人たちの救いの手的な感じに聞こえてきます。

2019年4月11日、イギリスの離脱延期を承認、10月30日が新たな期限?

EUのトゥスク大統領が、英国を除くEU27カ国の首脳がイギリスの離脱延期で合意したと明らかにしました。

延期の期間には言及しませんでしたが、各国首脳らが10月末までの延期で合意したとの報道があります。

アメリカは合意なき離脱に備え

2019年4月9日、アメリカのムニューシン財務長官は、トランプ政権としてイギリスの合意なき離脱に備えていると明らかにしました。

アメリカ議会で「現時点で合意なき離脱を現実的な結果とみて、準備する必要がある」と述べました。

その上で市場や貿易の混乱に備え、各規制当局と取り組んでいると説明しています。

延期時期が一年延長された場合のイギリスへの政治的影響

EUのトゥスク大統領は、イギリスのメイ首相からの短期の離脱再延期の要請を拒否し、「短い延期と臨時首脳会議を繰り返し、崖っぷちの新たな期限が生じるリスク」を避けるため、EU離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用期間を1年を限度に必要なだけ延長する「柔軟な離脱延期案」を検討するようEU首脳らに求めているようです。

そうなると離脱時期は2019年12月か2020年4月が新たな離脱時期となる可能性が高くなると言われています。

このケースにおいてイギリス国内では何が起こるでしょうか。

「合意なき離脱」のリスクが回避され、長期の離脱延期が確定した場合、与党保守党内の離脱強硬派が強く反発する可能性が指摘されています。

メイ首相降ろしが本格化する可能性が高まります。

また、EUとイギリスとで離脱合意が成立しない場合、リスボン条約50条の適用を議会主導で無効にし、離脱を撤回する、というやり方についても取りざたされています。

その場合は、メイ政権はもはや主導権を握ることはなく、議会と議長が今後の進め方を決めることになる可能性があります。

国民再投票熱も帯び、総選挙するという可能性も高まりイギリス政治はかなり混迷するかもしれません。

EU、離脱延期認めるも条件に腐心

EUは2019年4月10日に首脳会議を開き、メイ首相が離脱案を議会可決に持ち込めるよう、再び離脱期限の延期を認める見通しです。

メイ氏は4月9日、独仏を相次ぎ訪問し、BREXITについて協議しました。

メイ首相はこれまで、離脱期限を6月30日まで延期するよう要請する意向を示していますがEUは一年程度の延期を提案するとの報道が出ています。

ただ、その際BREXITがスムーズに行くように、また何度も延期されないようにどの様な条件をイギリスに課すか各国間の調整に腐心しているようです。

離脱延期を巡ってメイ首相に英議会との協議を義務付け

2019年4月8日、英議会はEU離脱を巡りメイ首相が求めている6月末までの離脱期限延期案を審議、場合によっては変更する権限を議員に付与する法案を承認しました。

既にメイ首相は離脱期限を6月30日に延期することを申し入れています。

しかし、議員らは現状の期限である4月12日に合意なき離脱が起きた場合の追加的な法的保証を求め、メイ首相がEU本部に向かう前の4月9日に、閣僚が離脱案について議会に諮ることを義務付ける法案を作成したわけです。

この法案の成立は、議会で扱う議題を政府が専ら管理してきた長い慣習を覆すものであり、メイ政権にとってはかなり厳しいものです。

イギリス政府は同法案は十分な審議を経ておらず、危険な先例になると警告を発し、離脱推進派の議員も法案に強く反対していました。

EUは離脱期限を6月30日から2020年4月1日のどこかで検討?

EU側からイギリスに提案する離脱期限が、2019年6月30日から20年4月1日の間のどこかになる可能性が現時点では高いという報道がありました。

これにはイギリスの欧州議会選挙への参加が条件となりますが、EU内でもフランスを中心とするグループはBREXITでEUとの関係に混乱を生じさせることがないよう確実を期す追加条件を求めているという事です。

イギリスの与野党折り合えず

メイ英首相が事態打開のために新たに始めた最大野党・労働党との協議は双方の主張の隔たりが大きく、また、首相自身の求心力低下もあって成果が出ていないようです。

メイ首相は4月10日の首脳会議でBREXITの時期を6月30日まで再延期するようEUに要請する予定です。

しかし、再延期のためにはEU各国を説得する今後の具体的な計画が欠かせないわけです。

その為にも与野党で何とかコンセンサスを築けたらと思っていたわけですが引き続き難航しているようです。

EU側もBREXITに疲弊

当初3月29日だったイギリスのEU離脱は、現状2019年4月12日に延期されていますが、それさえもまた延期されかねない状況になっています。

ただ、それにはEU27カ国が全会一致で承認する必要があり、EU関係者には先行きが見通せず疲弊感が漂っているようです。

欧州委員会のユンケル委員長も「EUの忍耐は限界に近付いている」と語っています。

4月10日の緊急首脳会合でもどこまでイギリスに寛容になれるか試されるところです。

これまでイギリスの内政状況がクローズアップされましたが、イギリス国内がかりにまとまってもEU側で色々と問題が起こって停滞するといった事も十分あるでしょう。

野党との協議も困難、議会の承認見通せず

2019年4月6日、メイ首相は離脱協定案を早期に議会で可決させるのが難しいとの見解を示しました。

与野党協議が難航している現状もにじませ、場合によっては野党に対して妥協する必要性があるかもしれないとほのめかしたりしています。

メイ首相は10日の臨時EU首脳会議で、新たな離脱方針とともに6月30日までの離脱の再延期を要請する予定ですが、具体的な離脱方針を示せない可能性が出てきています。

メイ首相は声明で「近い将来に協定案を成立できる兆候はない」と指摘し、与党内の強硬離脱派との話し合いも不調であることを認めると共に、労働党との与野党協議を通じて議会の承認を急ぐ考えを改めて強調しました。

6月末までの延期理由は労働党党首との協議のため

既報の通り、メイ首相派EUに対して4月12日の期日を6月30日まで延期する様に申請しました。

この理由ですが、メイ首相派EU大統領への書簡の中で、コービン労働党党首と協議しているため、としているとの事です。

メイ首相は「このプロセスがうまくいっていない事に、いら立ちを覚える」と記し、「イギリス政府の決意に変わりはない」と表明しています。

メイ氏はこれまで拒絶し続けてきた2度目の国民投票といった案についても、前向きになりつつあると言われていますが、コービン氏との協議に進展の兆しはあまり見えないという報道もあります。

メイ首相、6月末まで離脱再延期をEUに申請

2019年4月5日、メイ首相は5日EUのトゥスク大統領に書簡を送り、EUからの離脱の期限をいまの「4月12日」から、「6月30日」まで再延期するようにEUへ申請しました。

これまで拒んできた5月下旬の欧州議会選への参加にも含みを残しました。

EUは10日の臨時首脳会議で再延期を議論する予定ですが、繰り返される引き延ばしについて早くもEU加盟国から反発の声が上がっていますし、イギリス国内でも強硬派から反発があがりそうです。

EU、離脱案承認が延期の条件

2019年4月3日、EUのユンケル欧州委員長は、イギリス英議会が12日までに離脱協定案を承認しない限り延期に応じない考えを示しました。

メイ首相は離脱延期を実行して何とか事態他界を図りたいと考えますが、EU側では協議進展に疑念の声が強い状況です。

EUは将来の通商関係の協議には柔軟さを示す一方で、イギリス議会に協定案承認を強硬に迫ります。

EUはイギリスの離脱延期を何度も認めない

あるEU高官が、イギリスのEU離脱の2週間延期をEUが何度も認める事はないと述べました。

同氏はEUがイギリス政府に対して既に十分に譲歩したとの認識をにじませ、現在の難局を打開するため、メイ首相と野党・労働党のコービン党首との合意に期待をしていると述べました。

EUはイギリスの離脱が長期的に延期されると予想か

2019年4月3日現在、EUはイギリスの長期的な離脱延期が最も可能性の高いシナリオであると見ているようです。ただ、EUもイギリスも長期延期は望んでいません。

メイ首相は野党・労働党のコービン党首に協力を呼び掛け、イギリス政府は欧州議会選挙に参加する事態に備え準備を始めると示唆しました。

EU関係者はこの発言がイギリスの合意なき離脱のリスクを著しく後退させたと考えられるとし、EU各国にとっては前向きなものであると評価しました。

一方、イギリス議会が4月12日までに離脱協定案を承認する可能性については低いとEUは考えていて、このため長期の離脱延期となる可能性が高いと考えているわけです。

2019年4月3日、EU離脱延期を法的に義務付け

イギリス議会下院は4月3日、離脱延期についてEUに申請する法案を可決しました。

上院の可決を経て成立すればメイ首相は申請を法的に義務付けられます。

これは関税の復活などで経済的に混乱を招く「合意なき離脱」の回避に向けた策の一つですが、EUがこれを承認するかどうかは不透明です。

EUに離脱再延期を要請

2019年4月2日、メイ首相はEUに対し離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにしました。

また、議会の膠着状態からの脱却に向け野党・労働党のコービン党首と協議する意向も示しました。

メイ首相は、

  • 離脱交渉期間の一段の延長が必要になること
  • 延長はできる限り短いもので、離脱協定案が可決された時点で延長は終了すること
  • こうした延長は、秩序立った離脱を確実にすることが目的であること

といった趣旨の内容をコメントしました。

与党・保守党内からは反発の声が早速上がっています。

メイ首相側と議会の攻防続く

2019年4月1日に行われた議員提案の4案はすべてが否決された、というのは既報の通りですが、議会側はEUとの関税同盟の残留など賛否が拮抗した案があったため、3度目の投票を実施したい考えのようです。

一方、首相側は自らの案の4度目の採決を諦めていません。

4月10日には臨時EU首脳会議が開かれる予定で、すべての加盟国を納得させる案を示せなければ、4月12日に「合意なき離脱」となるおそれがあります。

今注目されていたのは、否決されたものの、その差がだった3票差であった「EUの関税同盟への恒久的な残留案」です。

最大野党・労働党のコービン党首は「首相案を3度も採決しているなら、代替案ももう一度投票できるはずだ」と、3日にも人気投票を再々実施したい考えを示しました。

しかし、関税同盟残留の場合はEU域外と競争力のあるFTAを結べなくなるなど、離脱の大きなメリットが消えてしまいます。

メイ首相側はこれを材料に、強硬離脱派へ「議員提案が多数を占めてEU離脱を骨抜きにされるより自らの案の方がマシだ」と最後の翻意を迫る算段です。

もっとも、議員提案に法的拘束力はなく、仮に過半数を得てもメイ首相側が白旗をあげる保証はありません。

4月12日の離脱期限までわずかの状況で、引き続き自説にこだわり続けるイギリス政府と議会に、周辺国もかなり危機感を抱いています。

4月2日、閣僚間で関税同盟残留受け入れのコンセンサス出来つつあるか?

既報の通り、離脱派の閣僚が、EUに妥協的な姿勢をメイ首相が取った場合、すぐに辞任するといった事が取りざたされていますが、別の報道では、メイ首相の離脱案が4月4日に行われるとみられる投票で否決された場合、関税同盟への残留を「やむを得ず」受け入れる事で閣僚間のコンセンサスが形成されつつあるとの事です。

EUとの関税同盟に残留する案は否決されましたがその差は3票差でした。

過半数の保守党議員、ソフト離脱より合意なき離脱を支持

与党保守党の過半数に相当する170人の議員と政権メンバーらは首相宛ての書簡で、ソフトな離脱を受け入れるより「合意なき離脱」を推進するよう求め、更に5月22日までに辞任するよう首相に要求しました。

一方、ガーク司法相は3月31日、「合意がないまま離脱することが責任ある行動とは思えない」と発言し、ラッド英雇用・年金相とクラーク民間企業相も、合意なき離脱を支持するよりは辞任する構えのようです。

多くの保守党議員はメイ首相の下で解散・総選挙に突入した場合、保守党が壊滅的な敗北を喫すると懸念している状況です。

閣僚、メイ首相がEUに妥協すれば辞任??

離脱派の閣僚が以下の様な事があった場合にはすぐに辞任すると示し合わせているようです。

  • メイ英首相が、EUとの関税同盟への残留案を受け入れる
  • 5月の欧州議会選挙に参加する

その閣僚らは3月31日の閣僚会合で、辞職の警告をメイ首相に伝えました。

BREXITは長期延期となる可能性も

ある金融機関のレポートで、BREXITの期限が相当伸びると論じられました。

メイ英首相の離脱協定案が3月末の議会で否決されたことによって、離脱プロセスが長期化し、よりソフトな離脱に向かう可能性が高まっていると論じています。

そのレポートでは離脱プロセスがいまや3カ月以内の短い離脱延期ではなく、1年以上の延期になる方向へ傾いていると指摘しました。

加えて、延期が長くなればなるほど、結局は離脱しない公算が大きくなると述べ、①国民投票の再実施、②またはイギリスの一方的な離脱撤回により、2016年に下したEU離脱決定が覆される可能性が膨らんでいる、としました。

この金融機関によると、「離脱しない」確率はこれまでの35%から40%に上昇したとの事です。

また、最終的に離脱協定案の修正版がイギリス議会の承認を得る確率は50%から45%に低下したものの、3つの選択肢の中では依然として最も可能性の高いシナリオとしており、合意なき離脱は、確率15%とされています。

離脱代替案「プランB」、再び拒否

イギリスの下院は2019年4月1日、メイ首相の離脱合意案に代わる4つの案について、拘束力のない投票を再度実施しました。

この投票の結果、いずれの代案も反対が賛成を上回りました。

ただ「EUとの関税同盟への残留」案はわずか3票の僅差で、前回の投票よりも差は縮小しました。

残りの「再国民投票」案と「EU単一市場への残留」案、「合意なき離脱」まで2日以内となった段階で「確認投票」を議会に義務付ける「緊急ブレーキ」案も反対多数となりました。

新しい離脱期限である4月12日が迫る中で、引き続き混とんとしており、首相が危機対応を話し合うため2日に招集する閣議は、なんと5時間に及ぶ異例の長さを予定しています。

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