2019年5月10日
トルコ中銀が一時的な通貨防衛策
2019年5月9日、中央銀行は通貨リラの下落に歯止めをかけるため、金融引き締め策を発表しました。
銀行への資金供給の一部を停止し、利上げに近い効果を狙ったものです。
背景は最大都市イスタンブール市長選のやり直しの決定で、先行き不透明感から外国為替市場でリラが強烈に売られた事です。
トルコの政治状況については↓をご確認ください。
通貨安が物価高につながるのを防ぐため、通貨防衛に動いたわけです。
フィリピン中央銀行が利下げし4.5%に、成長鈍化で
2019年5月9日、フィリピン中央銀行は政策金利である翌日物借入金利を.25ポイント引き下げ4.5%としました。インフレと経済成長の鈍化に対応した形です。
思惑より高くなっているインフレ率と、政治的な要因はあるとはいえ、成長率が下がっている現状を見ての判断と思われます。
アメリカ、予定通り対中関税引き上げを実施
アメリカはアメリカの東部時間5月10日午前0時1分、予定通り2千億ドル(約22兆円)分の中国製品に課す制裁関税を現在の10%から25%に引き上げました。
中国も報復措置を取る予定です。
一方、米中両政府は5月9日から開いている閣僚級協議は10日午前も続けることで合意しています。
ブラジル中央銀行、インフレ率に少しだけ懸念
2019年5月の金融政策決定会合の声明文の中で、インフレ率への表現が若干変更となっていました。
前回(3月21日)は「適切または居心地が良い」という表現でしたが、今回は「適切」とだけ表現し、「居心地が良い」という表現はしていません。
また、ブラジル中銀の19年インフレ率見通しを見ると、前回は4.1%と予想していた所が、今回は4.3%に引き上げられています。
これは、ブラジルレアルの想定レートが変わった事によるものです。
ブラジル中銀は2019年の想定為替レートについて前回の1ドル=3.70レアルから3.75としているのです。
ただ、利上げするほどのレベルではありませんので、劇的な変化がない限り、中央銀行が利上げに踏み切る事はあまりないと思われます。
フィリピンの1-3月成長率は5.6%で前期より減速、予想値よりも下振れ
2019年5月9日、2019年1~3月期のGDP成長率が前年同期比5.6%であったことが発表されました。
これは市場予想の6.1%を下回り、18年10~12月期の6.3%増から減速した数値となります。
背景としては2019年度予算の成立が4月末にずれ込み、インフラ整備に遅れが出たこと等が挙げられます。政府は、2019年度予算が予定したとおりに執行できていれば、6.6%成長になっていたとの見方を示しています。
因みに、GDPの約7割を占める個人消費の伸び率は6.3%と前年同期から0.7ポイント拡大し、持ち直しています。
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2019年5月現在のトルコリラ投資に関する問題点をまとめたスポット記事を作成しました。
【2019年5月】トルコ及びトルコ・リラへの投資に関する問題点
米中閣僚級会合、不調に終われば関税引き上げで世界経済に懸念
米中両国関係が関税引き上げで緊張する中5月9日からワシントンで米中閣僚級協議が開始となりました。
この協議が不調に終わり関税拡大を実行に移せば、貿易戦争は激化し、世界経済の重荷となってしまう可能性があります。
欧州議会選の前にEU離脱法案採決の可能性
2019年5月9日、メイ首相がEU離脱法案の2週間以内の議会採決を目指して動いているとの報道がありました。
首相官邸と労働党は、EU離脱の共同案策定に向けた協議の進展を示唆する声明を発表したのです。
保守党のブレイディ氏は、首相の今後の進退について話し合うため、首相と保守党執行部が近く会談することを明らかにし、その背景には、メイ首相が数日以内に離脱協定法案を上程し、しかもその可決に自信を持っているから、との見解を披露しました。
その上で法案採決が欧州議会選の前に行われる可能性があるとコメントしました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
トランプ大統領、協議再開控え新たな追加関税措置にも着手
2019年5月9日、トランプ大統領は9日から始まる米中協議の再開に向けて、新たに3250億ドル相当の中国製品に追加関税を発動する手続きを始めたことを明らかにしました。
アメリカ、チャイナモバイルの参入を却下
2019年5月9日、アメリカの連邦通信委員会は中国国有通信最大手のチャイナモバイルのアメリカ参入を認めない方針を正式決定しました。
安全保障上のリスクを考慮したものです。
ファーウェイとあわせて、中国の通信業界全体への警戒を強めているアメリカですので、予想通りといった所なのでしょうか。
2019年5月9日
ブラジル、政策金利6.5%で据え置き、9会合連続
2019年5月8日、ブラジル中央銀行は政策金利を年6.5%に据え置くと発表しました。これで据え置きは9会合連続となります。また、これは市場の予想通りです。
足元のインフレ率は、適切な水準にあるとのコメントを中央銀行は発しています。
足下ではブラジル経済は弱さが懸念されていて、その意味では利下げしても良いかもしれませんが、財政改革の行方などが不透明で通貨レアルは弱含んでいます。むやみやたらな利下げは出来ません。今の水準が長引くかもしれません。
対中関税引き上げは、合意内容の深刻な後退のため??
マーケットでは、2019年5月のアメリカの関税引き上げ表明が交渉戦術の一環ではないかとの見方も浮上していますが、関係筋によると、そうではないとの事です。
中国による合意文書案の深刻な後退を含む修正がその理由らしく、政府関係者によると、
- 中国政府が、米中貿易交渉の合意文書案の全7章に修正を加え、5月3日にアメリカに提示
- 当該修正は、これまでの交渉を白紙に戻すような内容
- 例えば、知的財産・企業秘密の保護、技術の強制移転、競争政策、金融サービス市場へのアクセス、為替操作など、アメリカが強い不満を示していた問題について、法律を改正するとの約束を撤回
- 中国の劉鶴副首相はアメリカに対し、行政上・規制上の変更を通じてアメリカの不満を解消すると伝えたものの、アメリカ側は拒否
といった背景があるようです。
インドネシアの2019年1-3月期のGDPは5.1%に鈍化
インドネシア政府は1-3月期の実質GDPが前年比+5.1%と前期の+5.2%より鈍化したと発表しました。
家計消費がけん引役となる一方、設備投資や外需の弱さが足かせとなったようです。
ジョコ大統領の再選が決まり、どの様な経済政策をこれから行っていくか注目されます。
対中関税引き上げを正式に通知、中国も報復措置
アメリカは2019年5月8日、2千億ドル分の中国製品に対する制裁関税を5月10日に現在の10%から25%に引き上げると官報で正式に通知しました。
中国は5月8日夜に報復措置を取る旨を表明しています。具体的にはアメリカ製品600億ドル分への追加関税を引き上げるとみられます。
メイ降ろしは不発に終わる
2019年5月7日、メイ首相は保守党の党首不信任手続きを所管する1922年委員会と面会し、8日までに離脱協定の批准ができない場合、退陣に向けた工程表を明らかにすることを求められました。
しかし、批准が出来ない状態で再び8日に同委員会と面会したメイ首相は、退陣離脱協定を批准した後に退陣するとの従来の主張を繰り返し、その面会において退陣に向けた具体的工程表を提示する事はなかったようです。
つまり保守党議員によるメイ降ろしは、今回は不発に終わった、という事でしょう。
ただ、5月15日に改めて同委員会幹部と面会する予定で、今後の進退について話し合いが行われる可能性があります。
メイ首相が自ら退陣時期を明らかにしない場合は、2019年12月より前に党首不信任手続きを解禁する党則変更が改めて協議される可能性もあります。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
ジョコ大統領勝利も、政権運営は前途多難
インドネシアの大統領選で現職のジョコ大統領が再選する事で決着がつきましたが、政権は前途多難で苦しむ事も多いかもしれません。
ポイントとしては、
- 両陣営とも「バラ撒き」色が強く、ジョコ大統領の公約実現にもかなりの歳出増が見込まれること
- 歳出増が見込まれる割に、それが力強い成長にはつながらない可能性が高いこと
- 副大統領には宗教指導者が就任し、外資誘致などの政策へのマイナスの影響があると見込まれること
現実主義と言われたジョコ大統領が、どこまで政権公約を維持しつつ、リアリスティックな政策を実施するのか、インドネシア投資家としては注目していく必要があるでしょう。
中国勢の米スタートアップへの投資、2018年が過去最高に
ある調査会社によれば、中国勢によるアメリカのスタートアップ企業への投資額は2018年に36億ドルと過去最高に達したようです。
これまでの最高額は2015年の28億ドル。投資件数は300件超から約270件に減少したので一件当たりの評価額が大きくなった、という事でしょう。
ただ、米中貿易戦争や知的財産の喚起で2019年の投資額は下振れしそうです。
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