ここでは、中国の習近平が重視する中国製造2025政策の中で、その中心的存在ともなるファーウェイにいて、特にまとめていきます。
2018年以降のファーウェイ、ZTE、中国製造2025について網羅的にご覧頂けます。kindle unlimitedで無料でご覧いただけます。
ファーウェイは中国とその製造業を象徴するメーカーです。
華為の動きを知る事で、中国製造2025と米中貿易摩擦、また中国投資への理解が深まれば幸いです。
「中国製造2025」に関する各社レポートの一覧は↓をご参考!
別途、一帯一路政策やZTE問題も併せてご参考ください!
米中貿易摩擦についての経緯とまとめは↓をご参考!
習近平の政策全体についての記事は↓
アメリカがファーウェイ(華為、HUAWEI)を嫌がる理由
アメリカは華為が国家安全保障への脅威になると考えています。
同社が5Gハードウエアやソフトウエアに、検出不能な侵入経路を組み込み、中国政府が米企業や政府の通信を監視してサイバー攻撃を仕掛けることが可能になるなどと懸念しているのです。
これについて華為側は、中国企業に打撃を与えるための政治的な見せかけの議論だと主張してきました。
しかし、アメリカはその主張を退け、ZTEやファーウェイといった中国系ハイテク企業に対して様々な措置を取り、その力を削ごうとしてきました。
ファーウェイ(華為)問題は米中の覇権競争の一つ
ファーウェイ(華為)を巡る一連の動きは純粋な経済的なものというよりは安全保障や覇権をめぐる米中の戦いの一端を象徴するものです。
invstem.com
しかし、これらの動きが経済や投資活動に確実に影響する事は確かです。
5G関連の特許は中国(ファーウェイ)が世界一?
ある中国専門誌によると、次世代高速通信である「5G」関連特許について、ファーウェイが占める割合は29%となっていて、世界トップです。
- ファーウェイ:29%
- エリクソン:22%
- サムスン:20%
少なくとも、5G関連の技術で中国がトップレベルの力を持っている事はある程度本当のようです。
invstem.com
例えば5G通信に欠かせない基地局機器の開発は、エリクソンやノキアなどがファーウェイと競合していますが、ファーウェイが5Gの多くの特許を握る中、ライバル企業は製品開発でファーウェイに支払う特許使用料が増えてしまう可能性があります。
ファーウェイとは違う技術で開発する方法もありますが、その時はコストと時間がかかります。
やはり5Gで多くの特許を握るファーウェイが現在までのところ、競争優位な立場にあるとみられるのです。
ヨーロッパにおけるファーウェイ(華為)製品に対する対応の仕方
invstem.com
中国は経済協力をてこに東欧諸国と関係強化
中国はインフラ整備などの経済支援をテコに東欧諸国と良好な関係を築いてきました。
2012年以降は東欧16カ国との枠組みを設け、経済協力について協議しています。
ファーウェイやZTE製品は他社よりもかなり価格が安い
アメリカは中国が欧州の政策に影響を及ぼそうとしていると警戒しています。
実利的に中国製が有利な所もあります。
ファーウェイの製品は競合メーカーより2~3割安いとされていて、財政の制約がある中でインフラ整備を進めたい東欧諸国に魅力となっているのです。
ヨーロッパ各国のファーウェイ、ZTE製品に対する対応方法
- ドイツ:禁止まではいかず、厳格に管理
- フランス:何らかの措置が必要になる
- チェコ:政権内で規制のレベル感について議論中
- ポーランド:安全性、安全保障対応は絶対に必要
- スロバキア:ファーウェイが安全保障上問題になるとの情報は今の所ない
2024年10月
AI半導体の新製品
ファーウェイが、AI半導体の新製品を投入するようです。
AI半導体は米エヌビディアが市場を独占しているわけですが、米政府による輸出規制で中国には性能の劣る製品しか入らなくなっています。
代替を求める需要があるとみています。
2024年8月
2024年6月期、スマホ事業が好調
ファーウェイは8月29日、2024年1〜6月期の売上高が前年同期比34%増の4175億元(約8兆5000億円)だったと発表しました。
スマートフォンや自動車の事業の好調により前年同期の増収率(3%)を大幅に上回りました。
米政府による制裁の影響で一時失速したものの、回復してきたと言えそうです。
長安汽車系がファーウェイの車事業に出資
ファーウェイは8月20日、同社の自動車事業の独立に向けて設立した新会社に、国有自動車大手の重慶長安汽車系の企業が10%出資すると発表しました。
出資額は115億元(約2400億円)となる予定です。
EV向けの開発などで連携を深める予定で、ファーウェイは他の提携先企業にも資本参加を促すようです。
なお、新会社の企業価値は1152億元(2兆3000億円)であるとの報道も出ました。
ファーウェイは非上場企業なので、一部門である自動車事業の企業価値が明らかになるのは初めてとなります。
北京汽車と高級EVセダン
ファーウェイと国有自動車大手の北京汽車集団はEVの高級セダンを発売しました。
高度な運転支援システムが特徴となっており、価格は40万元(約800万円)前後です。
高級車の市場を狙っています。
2024年7月
ドイツが5Gネットワークから中国製品を排除
ドイツ政府と通信事業各社が中国製部品を国内の5G移動通信システムから今後5年間で排除していく方針を固めました。
安全保障上の懸念が背景にあるわけですが、通信大手はまずファーウェイやZTEなどが製造した部品などを2026年までに5Gデータセンターのコアネットワークから排除していきます。
2024年6月
ファーウェイOS搭載のスマホが9億台に
ファーウェイは6月26日、中国で開幕している通信見本市で高速通信などの最新技術を披露しました。
同社は独自の生成AIやOSも改良し、OSは中国で米アップルを上回る規模で普及しており、その台数は9億台になっています。
米政府の規制が続くなか、国内需要を取り込み再成長を狙っています。
米財団がファーウェイと関係強化
アメリカのワシントンに本部を置くオプティカ財団が米中対決の中でも中国との関係を強化しようとしています。
エリザベス・ローガンCEOが昨年11月に中国を訪問した際、SNSなどで訪中を広く告知していました。
しかし、ファーウェイ訪問については触れていませんでした。
最近、オプティカ財団の内部告発によって、同財団がファーウェイとの提携強化を検討していることが分かっています。
ローガン氏による秘密裏の本社訪問もその中で指摘されているようです。
折り畳みスマホで初の首位
2024年1~3月期の折り畳みスマートフォンの世界出荷台数で、ファーウェイのシェアが前年同期比21ポイント高い35%となり初の首位となりました。
中国で2023年秋以降に発売した5G相当の性能の機種がけん引したようです。
2024年5月
EV向け超高速充電器普及の取り組み
ファーウェイは4月開催の北京国際自動車ショーに合わせて、BYDなど中国のEVメーカーと「超急速充電器」の普及へ連盟を発足すると発表しました。
EVの利便性を高めるため、数分で充電が済むネットワークの構築をめざすとしています。
中国には現在、街中に約300万台の充電器があるらしいのですが、超急速充電器はまだ一部にとどまっています。
これまでは充電器メーカーや車メーカーなどがバラバラに開発し、独自に設置してきたため、一致団結して普及を促進するとのことです。
新しいOSを投入
ファーウェイは2024年内にスマートフォンなど向けの新しいOSを投入します。
従来はアンドロイドをベースにしていましたが、すべて自社で開発したものに切り替えます。
米政府の規制をかわし、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の需要を取り込めるようにするのが狙いです。
ファーウェイへの半導体供給、輸出許可取り消し
アメリカ政府はインテルやクアルコムなどがファーウェイに半導体を供給するための輸出許可を取り消しました。
今回の措置はファーウェイのノートパソコンや携帯電話向けの半導体供給を制限するでしょう。
まだ、対象企業は明らかになっていません。
中国商務省は5月8日、今回の半導体の輸出許可の取り消しに断固として反対するとのコメントを出しています。
また、中国企業の権益を守るため必要な措置をとるとも表明しました。
2024年4月
上海に半導体研究施設を計画
ファーウェイは上海に大規模な半導体装置の研究開発拠点を設ける計画です。
もちろん、米国による半導体関連の輸出規制に対抗した動きです。
報道によると露光装置を含む最新の半導体の製造に必要な装置を研究開発するようです。
現在、ファーウェイはオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングやニコン、キヤノンなどが高いシェアを持つ露光装置などが入手しにくくなっており、これを挽回するための措置でしょう。
新型スマートフォンを発表
ファーウェイは4月18日、新型スマートフォン「Pura70」シリーズを発売しました。
望遠や手ぶれ補正など高度な写真撮影の機能が特長です。
米政府による輸出規制を受け落ち込んでいたシェアの回復に弾みをつける製品となるか、見ものです。
自動運転車のラインアップを拡充
ファーウェイは自動運転機能を備えたEVの品ぞろえの幅を広げようとしています。
コストを抑え機能を絞ったシステムを、メーカーと共同運営するブランドの車に搭載します。
中国スマートフォン大手のシャオミもEVに参入し競争が激しくなるなか、自社の強みを前面に出して生き残りをかけます。
2024年3月
2023年12月期の決算を発表
ファーウェイが3月29日発表した2023年12月期の決算は、純利益が前の期比2.4倍の869億元(約1兆8200億円)でした。
増益は2期ぶりです。スマートフォン会社の売却益を計上したほか、5G関連の事業が好調だったようです。
売上高は10%増の7041億元で、増収は2期連続です。
事業別では、通信網の整備などICTインフラ事業が2%増の3619億元となり、5G基地局の設置などが増加した事が背景のようです。
2024年2月
自動車事業も堅調
ファーウェイと中堅車メーカーのセレス・グループが共同開発した新型車が中国で大ヒットしているようです。
ファーウェイのブランド力によって消費者の注目を獲得しており、セレスは株式市場で評価が高まって、時価総額は2022年末比で7割増えています。
販売台数が伸びているのは、ファーウェイとセレスが共同運営するブランド「AITO(アイト)」の「M7」という車です。
SUVで、価格は約25万元(約520万円)からとなっています。
プラグインハイブリッド車で、23年9月にモデルチェンジしました。
通信会社へAIを提供
ファーウェイは2月26日、通信会社向けにAIの基盤となる大規模言語モデルを開発したと発表しました。
業界初としており、通信網の運用や通信障害への対応を効率化できるとのことです。
主要事業である通信会社向けのインフラやサービスの提供の強化につなげる狙いです。
2024年1月
EV充電網を整備
ファーウェイは2024年中に中国でEVの急速充電器を10万基設置します。
テスラが中国で展開する装置に比べて単純計算で最大2.4倍の能力を持っているとされ、10分ほどで充電を完了するとのことです。
中国車メーカーによる急速充電対応のEV販売をインフラ面から支えます。
前期9%の増収
ファーウェイは、2023年12月期の売上高が7000億元(約14兆円)超になる見通しだと明らかにしました。
前の期比で約9%の増収となります。
米政府からの制裁が続き、先端チップなどの重要技術へのアクセスが制限されくなかでも、通信会社向けなどの情報通信インフラ事業を中心に堅調だったと言えます。
2023年12月
EV連合着々と
ファーウェイがEVの分野で連合作りを順調に進めています。
自動車メーカーのブランドの開発や販売に協力し、自動運転などのシステムや部品の供給を広げて稼ぐ狙いです。
中堅規模を中心とする中国の車メーカーを束ねた「EV連合」を着々と形にし、台風の目になりつつあります。
2023年11月
EV業界進出拡大
ファーウェイが収益の柱拡大のため、EVへの進出拡大を行っています。
先端半導体へのアクセスを遮断され、西側諸国が5Gネットワーク機器の使用を禁止している状況を踏まえ、EVで事業多角化を図っているようです。
複数のパートナー企業と組むファーウェイの戦略は、急速に再編が進む中国EV市場における一つのキーとなっています。
こうした中、ファーウェイは自動車関連事業を分離して新会社を設立することも発表しています。
自動車大手の重慶長安汽車から新会社への出資を受け入れ、EV事業での連携も深めます。
ファーウェイは他の自動車メーカーにも新会社への資本参加を呼びかけており、車事業の強化につなげる狙いがあります。
2023年10月
ファーウェイの1-9月は増収
10月27日、ファーウェイの2023年1~9月期の売上高が前年同期比2.4%増の4566億元(約9兆4000億円)だったことが分かりました。
クラウドやエネルギー関連など法人向け事業が堅調で、自動車関連も伸びたようです。
ファーウェイ向け半導体、ASMLの装置を使っていたことが判明
中国のSMICがファーウェイに供給した半導体は、オランダ半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの装置を使って製造されたことが分かりました。
そのプロセッサーの製造には、ヨーロッパのハイテク企業、ASMLによる深紫外線露光装置のほかにも複数の企業の技術が用いられたようです。
中国による半導体生産技術の進歩を止めるうえで、ASMLに対する輸出規制が遅過ぎた可能性が示唆されました。
2023年9月
監視カメラ向け半導体を出荷
ファーウェイが、高性能半導体の内製化を進めているとの見方が広がっています。
8月末に発売したスマートフォンの新機種に独自開発の半導体を搭載したとされるほか、監視カメラに使う半導体の出荷も始めたとのことです。
米政府の警戒は一段と強まりそうです。
7ナノ半導体搭載の見方
ファーウェイが米国の制裁下で半導体の技術開発を進め、制裁を克服しつつあるかもしれません。
8月以降に発売したスマートフォンの新機種で、回路線幅が7ナノメートルの高性能な半導体を実用化したとみられます。
ただ量産化などに課題が残っているようで、米国が一段の制裁に踏み込む可能性も出ています。
アメリカがファーウェイの新型スマホの半導体を検証
米政府はファーウェイの新型スマートフォンの検証を行っています。
2019年から強化してきた米国の半導体技術の禁輸で、5Gを搭載した高性能スマホは事実上生産が難しくなっていましたが、ファーウェイは自社開発半導体を搭載して対応しているようです。
新型スマートフォン「Mate60プロ」には、以前のモデルよりも中国製チップ部品が多く使われているようで、半導体分野での躍進がうかがえます。
サウジにデータセンターを開設
ファーウェイは9月4日、サウジアラビアにクラウドデータセンターを開設しました。
中東と北アフリカにおいて、オンラインサービスの拡大を目指します。
このクラウドデータセンターは、ファーウェイが世界で展開するクラウドデータセンターとして30番目となるものです。
サウジの政府関連サービスを支援したり、アラビア語のAIアプリに対応します。
ファーウェイ最新スマホに国産7ナノ先端半導体
ファーウェイの最新スマホである「Mate 60 Pro」を動かす半導体が話題になっています。
最新のスマホを動かしている半導体はSMICが中国で生産した回路線幅7ナノメートルの先端製品を採用しているようです。
米国の対中対策をくぐり抜ける中国政府の取り組みに進展があったことを示唆しています。
2023年8月
中国半導体株が上昇
8月30日の株式市場で中国の半導体株が大幅に上昇しました。
ファーウェイが新型スマートフォンを発売したのですが、投資家がこのスマホが5Gに対応したチップを使用している可能性があると推測しており、これが中国半導体にとっての良いニュースであるという見方が広がったとのことです。
ファーウェイが制裁回避の工場建設
米国半導体工業会が、ファーウェイの制裁回避の工場建設を進めていると主張しています。
ファーウェイは中国各地に他の企業名で建設半導体生産施設を秘密裏に建設し、米国の制裁を回避しようとしているとのことです。
ファーウェイ、増収決算
ファーウェイは8月11日、2023年1〜6月期の売上高が前年同期比3%増の3109億元(約6兆2000億円)だったと発表しました。
スマートフォン関連事業の落ち込みが止まっており、クラウドなどが堅調だった事で増収となったようです。
スマホは高価格帯の製品が売れ始めているようです。
新事業として注力する自動車関連の売上高は10億元とのことです。
なお、自動車関連事業に累計で約30億ドルを投じ、研究開発部門に約7000人が従事しています。
2023年7月
特許料の基準を公開
ファーウェイは7月13日、同社が保有する通信関連の特許の使用料の基準を公開しました。
例えばWi-Fi機器は1台0.5ドル、スマートフォンは1台最大2.5ドルが使用料となります。
同社は日本を含む各国で特許使用料の交渉を広げており、基準を示して理解を求めていくようです。
生成AIの大規模モデル刷新
ファーウェイが生成AI関連事業を強化しています。
7月7日、生成AIの基盤となる「大規模言語モデル」を刷新し、幅広い産業に提供を進めていくと発表しました。
ファーウェイが強みとする通信やクラウドなどの関連技術にAIを組み合わせ、法人向け事業のテコ入れにつなげる思惑です。
2023年4月
1%の増収なるも、先行きは不透明
ファーウェイは4月28日、2023年1〜3月期の売上が前年同期比0.8%増の1321億元(約2兆6000億円)だったと発表しました。
2022年12月期に2期ぶりの増収だったのに続き、2023年もある程度安定した滑り出しです。
しかし、アメリカからの制裁は引き続き行われており、また更なる強化も検討中とのことなので、先行きは不透明です。
基幹システムを自社製に変更
ファーウェイは4月20日、社内に自社製の統合基幹業務システムを導入したことを明らかにしました。
以前はアメリカのオラクル製システムを利用していたとのことですが、アメリカ政府の制裁でサービスを受けられなくなり、今回の措置に至ったようです。
ファーウェイの輸出規制、罰金3億ドル
アメリカ政府は19日、ファーウェイへの輸出規制に違反したとして、ハードディスク駆動装置大手の米シーゲイト・テクノロジーに3億ドルの罰金を科すと発表しました。
米国外で生産した製品の輸出にも厳しく取り締まる姿勢を示した形です。
輸出規制違反に関する行政処分の罰金額としては過去最大です。
2023年3月
新型スマホを発表し、事業継続をアピール
ファーウェイは3月23日、3種類の新しいスマートフォンを24日から順次発売すると発表しました。
カメラや電池の性能を高めた機種や、折り畳み式などがラインナップにあがります。
引き続きアメリカの制裁に苦しんでいますが、新製品の投入で事業の継続をアピールします。
アメリカの対中強硬策一段と
バイデン米政権は中国への強硬策を一段と強める姿勢です。
ファーウェイへの半導体などの輸出を全面的に禁じる措置を検討しているのがその一つです。
半導体を米国内で生産する企業への巨額補助金は、受給の条件として10年間、中国への関連投資を禁じます。
ドイツがファーウェイ製機器の使用を禁止することを検討
ドイツ政府が、ファーウェイとZTE製の機器を5Gシステムに組み込むことを禁止することを検討しているようです。
3月6日の報道ですが、この案にはネットワークにすでに組み込まれている機器も対象に含まれる可能性があるようです。
2023年2月
脱スマホに苦しむ
ファーウェイが米国の新たな圧力に直面しているようです。
米政府が高性能の半導体に限って禁じていたファーウェイへの輸出を、汎用品にも広げる全面禁輸措置の検討を示唆したため事が背景です。
これまでファーウェイはスマートフォン事業を大幅縮小する一方、クラウドなど他事業への注力で売上高の減少を食い止めようとしてきました。
こうした経営戦略の転換が軌道に乗り始めていたものの、今回のアメリカの決定によって先行きが再び厳しいものとなる可能性があります。
2023年1月
アメリカ、ファーウェイ製品を全面禁輸に
バイデン米政権がファーウェイへの輸出を全面的に禁じる検討を始めたようです。
これまでは原則禁輸のルールがあったものの、汎用品の輸出など例外を認めていました。
全面的に禁輸となれば、取引を継続している様々な企業に影響が及ぶでしょう。
2022年12月
半導体への投資を減速
中国が半導体産業への投資を減速させています。
新型コロナウイルス感染の急拡大が国内経済や財政を圧迫している事が背景で、特に効果が薄い一方で、汚職や米国による制裁を招いてコストもかかっていた半導体産業への補助金を減らす方向で考えているようです。
OPPOと5G特許を相互利用
ファーウェイは中国スマートフォン大手のOPPOと、5Gなどの特許について利用を相互に認める契約を結んだようです。
12月9日に発表されました。
ファーウェイによると、同様の契約は韓国サムスン電子など世界の約20社とも締結済みという事です。
スマートウォッチに注力
スマートウオッチの日本市場で、ファーウェイが攻勢を強めていまする。
アップルと比べると値ごろ感のある商品で品ぞろえを充実させ、新型コロナウイルス下の健康意識の高まりで成長した市場を取り込むことが狙いです。
スマートフォン用の先端半導体が入手しにくい中で、日本ではスマートウオッチに軸足を移しつつあるようです。
2022年11月
ファーウェイ、中国の半導体企業を支援
ファーウェイが、同国半導体サプライチェーンの再構築に動き出しています。
地方政府が出資する企業を技術面などで支援し、国内での安定調達につなげようとしていると思われます。
米国の対中制裁が強まっており、習近平指導部が目指す自給率70%への道のりが険しくなっており、ファーウェイのこうした動きの背景になっていると思われます。
ファーウェイはこれまで中国の半導体分野をけん引してきた経緯があり、米国の制裁へもいち早く対応してきました。
こうしたノウハウを他の企業に注ぎ込めるかが、ポイントです。
アメリカ、大手IT5社の輸入・販売を禁止
米連邦通信委員会(FCC)は11月25日、ファーウェイやZTEなどの中国IT大手5社について米国での輸入・販売を禁じたと発表しました。
米政府は先端半導体の中国への輸出を制限したばかりで、ハイテク製品を巡る米中分断が一段と進むことになりました。
ファーウェイとZTEに加え、ハイクビジョンとダーファ・テクノロジー、ハイテラが対象になります。
2022年10月
1-9月期は減収減益
ファーウェイの、1-9月期は減収でまた、大きく減益となりました。
10月27日発表された2022年1~9月期の売上高は前年同期比2.2%減の4458億元(約9兆円)でした。減収率は1~6月期(6%)から改善しましたが、純利益は272億元(約5500億円)と、前年同期の465億元から約40%減少し、利益率も6.1%と、前年同期の2桁台から急低下しました。
米政府の制裁を受けてスマートフォン関連は厳しい状況が続く一方、5Gやクラウドなどの関連サービスは好調のようです。
7-9月の売上高は6%増の1442億元になったと、報道がなされています。
FCC、ファーウェイとZTEの機器の新規販売を禁止
米連邦通信委員会(FCC)が、安全保障上の理由でファーウェイとZTEの通信機器の新規販売認可を禁止する方針のようです。
FCCのローゼンウォーセル委員長は先週、認可禁止案を自身以外の3人の委員に提示して最終承認を求めました。
両社は認可が得られなければ米国内で新たな通信機器を販売できなくなります。
米制裁回避に半導体スタートアップを活用?
米政府が国家安全保障への脅威としてファーウェイをブラックリストに先に掲載されましたが、同社はこうした規制を迂回する方法を確保した可能性があります。
ファーウェイは同社が本拠とする広東省深圳市のスタートアップ、PXWに支援を提供し、PXWは外国のサプライヤーからも含め、半導体製造工場のための半導体製造装置を発注しています。
PXWを運営しているのはファーウェイの元幹部で、ファーウェイはPXWの製品の全てではないものの、大部分を購入する見通しのようです。
PXWの運営がうまく軌道に乗れば、軍事的・経済的脅威と見なす企業への半導体の流れを途絶しようとする米政府の取り組みに対し、ファーウェイはPXWを経由することで実質的に迂回することが可能になると考えられます。
2022年9月
新たな旗艦スマホを発表
ファーウェイは9月6日、新たな旗艦スマホ「Mate50」シリーズを9月21日に発売すると発表しました。
米政府の輸出規制に伴う半導体の調達難で、高速通信規格「5G」に対応していないものですが、中国版GPS「北斗」に初めて対応し、5Gに代わる技術として売り込む予定です。
2022年8月
今後は利益重視へ舵
ファーウェイ創業者の任正非氏は、世界経済が長期的な後退期に入る中では規模追求から利益とキャッシュフロー確保へと焦点を切り替えなければならないとの考えを表明しました。
8月22日の報道です。
同氏は世界経済がこれからの10年は下降し続けると警告し、戦争や、米国による他国への「経済制裁継続」やコロナ禍によって、向こう3-4年は世界どこを取っても懸念が続くと指摘しました。
これによってファーウェイの業績も不安定になるという事のようです。
ファーウェイの上半期、純利益が半減
ファーウェイ)が8月12日発表した上期決算は純利益が52%減少しました。
米政府の制裁に加え、厳しい経済情勢で顧客の需要が低迷した事が要因です。
売上高は前年比5.9%減の3016億元(447億3000万ドル)で、第1・四半期が大幅な減収となったようです。
局面打開に向け、エネルギーなど20分野に「軍団」と呼ぶ専門部隊を設立し、法人需要の開拓を急いでいますが、スマホの穴を埋めるにはなお時間がかかりそうです。
2022年7月
宇宙ステーションの開発を加速化
中国が宇宙ステーション関連のプロジェクトを急ピッチで進めています。
7月24日、中国は宇宙実験施設「問天」を搭載したロケットの打ち上げに成功しました。
これは中国が打ち上げた宇宙船や施設で最も重く大きいという事です。
中国が独自に建設している宇宙ステーションにドッキングし、年内の基地完成をめざして建設を加速します。
中国は米国に対抗できる「宇宙強国」をめざしており、独自の宇宙ステーションはその柱です。
今回打ち上げた「問天」をすでに宇宙に飛ばしている別の宇宙ステーションと連結した後、さらに10月には物理などの研究に使う実験施設を打ち上げて再び連結。
滞在中の宇宙飛行士が年内にT字型の宇宙ステーションを完成させて、2023年から本格的に運用する予定です。
習国家主席は今年秋に開かれる5年に1度の共産党大会で異例の3期目となる長期政権を続けることを視野に入れるとされていますが、宇宙ステーションの建設加速によって国威発揚も狙っているようです。
中国の宇宙開発は人民解放軍と深いつながりがあり、実験施設を含めた宇宙ステーションやロケットは国有の軍系企業が手掛けるほか、宇宙飛行士は空軍パイロット出身になっています。
2022年6月
CASEで特許利用許可
ファーウェイは6月8日、自社の通信関連の特許が毎年800万台程度のコネクテッドカーで利用されていると明らかにしました。
同様の特許はスマートフォンでも過去5年間で20億台以上に利用されたという事で、自社の技術力と外部への貢献をアピールする狙いがありそうです。
高速通信規格「5G」と現行の通信規格「4G」の分野でファーウェイが持つ特許について、多くの自動車やスマホが利用の許可を取得していると明らかにしました。
世界知的所有権機関(WIPO)によると、ファーウェイは企業別の国際特許出願件数で2021年まで5年連続で首位を占めています。
ファーウェイは産学連携にも注力しています。
2021年には大学や研究機関などとの産学連携に27億元(約540億円)以上を投じています。
2022年5月
新型データセンター開発
ファーウェイは5月26日、従来より工期を半分程度に短縮できる新しいデータセンターを開発したと発表しました。
工法を見直したことで設置面積も大幅に減らし運用効率も高めたという事です。
自社のクラウドサービスに活用するほか、金融機関や政府機関からの受注もねらいます。
データセンターの設備やIT機器をセットにした「モジュール」と呼ぶ構造物を建設現場で組み合わせる工法により施工の期間を短縮した。サーバーなどを置くラックが1000台のデータセンターの場合、従来は18カ月以上かかったが6~9カ月程度に短くできるとしている。設置面積も4割減らせる。人工知能(AI)を活用し故障などへの対応や保守管理も効率化できる。
ファーウェイはアメリカからの制裁後、デジタルや脱炭素関連のビジネスに注力しており、中国内では貴州省など5地域で大規模なデータセンターを自前で運営しています。
中東や南米など中国外でも顧客向けに展開しています。
中国ではデータ通信量が急速に増えており、アリババ集団などのネット大手はデータセンターの建設を急いでいます。
中国政府も西部を中心にデータセンターを整備する政策を打ち出しており、ファーウェイはこれも追い風にしたい考えです。
カナダ、5G機器からファーウェイ等を排除
カナダ政府は5月19日、ファーウェイZTEを5Gの通信網から排除する方針を明らかにしました。
安全保障上の懸念が理由です。
「ファイブアイズ」の枠組みで機密情報を共有する米英などと足並みをそろえます。
2社の5G製品を既に使用している企業に対しては、2024年6月までに機器の撤去を求めます。また、4G製品についても2027年末までの撤去を義務付けます。
2022年4月
1-3月は14%の減収
ファーウェイは4月28日、2022年1~3月期の売上高が前年同期比14%減の1310億元(約2兆6000億円)だったと発表しました。
米政府による制裁で、半導体などの調達が厳しく制限されていることが響きました。
全体的な経営結果は予想通りで消費者向け事業は大きな影響を受けたものの、ICTインフラ事業は安定した成長を実現したと、会社側は説明しています。
研究開発費で高いレベル
ファーウェイほど収益の多くを研究開発費に充てている企業はほとんどないかもしれません。
新たな技術の開発は同社に深刻な影響をもたしている米政府の貿易・投資制裁措置に対抗するためです。
ファーウェイの研究開発費はこの5年間でほぼ倍増し、2021年には221億ドルと、米国を除けば世界のどの企業よりも多い状況です。
ファーウェイは売上高の22.4%を研究開発費に充てています。アマゾンやグーグルの親会社アルファベットのほぼ2倍、アップルの3倍を超える割合です。
EVを次の柱とすべく急ピッチ
ファーウェイが次の柱にしようともくろむのがEV部品で、その準備を進めています。
中国は2009年に世界最大の新車市場となりましたが、エンジンなどの基幹技術では日本や欧米の部品メーカーに頼っていました。
しかし、エンジンがいらず部品点数も少ないEVが自動車産業の競争の土俵を変えました。
テスラが中国で広げる調達網がEV部品の急速な産業集積を後押ししていると言えます。
上海工場で使う部品の9割以上は国内調達とされており、地場サプライヤーがテスラとの取引を契機として急成長を遂げています。
地元政府が手厚い支援でテスラを誘致したわけですが、中国政府は『中国版テスラ』を生み出せるサプライチェーン(供給網)の育成を狙っていると言われています。
中国企業の豊富な資金力も産業集積の原動力となっています。
ファーウェイで言うと、コネクテッドカーで採用される無線通信やAIの技術で、注目されることが多いようです。
自動運転の分野ではソフトとセンサーを組み合わせて提供しており、独自に開発したOS(ハーモニー)やスマートパネルで構成するデジタルコックピットなども手掛けているようです。
2022年3月
最高益を記録
ファーウェイが3月28日発表した2021年12月期決算は、純利益が前の期比76%増の1137億元(約2兆2000億円)で最高益を記録しました。
米国の制裁などにより売上高は6368億元と29%減りましたが、低価格帯スマートフォン事業の売却益などにより最高益となりました。
決算説明会で、今後はデジタル化、スマート化、低炭素化への投資を増やし、長期的な競争力を構築するとの説明がありました。
2022年2月
デジタル電力部門の本社建設など6.3億ドル投資
ファーウェイは6億3252万ドルを投じて、デジタル電力部門の新本社と研究開発センターを建設する予定です。
米政府の圧力が強まる中、事業を多角化する戦略の一環です。
ファーウェイ・デジタルパワーは昨年6月に登記されました。
ビッグデータ、トラフィック、エネルギー消費時代の課題に立ち向かうことが目標で、スマートデータセンターといったソリューションを提供し、通信・通信塔事業者が「グリーン効率」を達成することを支援するとしています。
1月には華潤電力と提携し、太陽光パネルのビッグデータプラットフォーム、エネルギー貯蔵システム、スマート発電所などクリーンエネルギー事業を開発することでも合意しており、多角化のための動きを着実に進めています。
2022年1月
フォルクスワーゲンと提携検討
フォルクスワーゲン(VW)とファーウェイが自動運転技術の開発を念頭に提携を検討しているようです。
1月11日、そのような報道がありました。
VWの中国法人とファーウェイが合弁会社を設立し、技術開発に共同で取り組むとの見方が出ています。
VWは中国販売をてこ入れし、ファーウェイも技術の提供先を広げ、関連事業を伸ばす狙いとみられます。
VWは傘下の独アウディが自動運転の技術開発でファーウェイと提携済みです。
さらに、ファーウェイは21年7月、車を無線接続できるようにする通信規格「4G」のサービス提供に不可欠な標準必須特許(SEP)などのライセンス契約をVWグループの部品メーカーと結んだと発表しています。
VWとファーウェイが合弁会社を設立すれば、関係は一段と深まります。
アメリカでの特許取得ランキングが上昇
ファーウェイは米国での特許取得件数で、昨年の順位をさらに上げたことが分かりました。
世界のイノベーションにおいて中国企業が占める割合は一段と拡大しています。
ファーウェイが昨年取得した米国の特許は2770件で5位と、前年の9位からランキングを上げました。
トップは変わらずIBMでした。
2021年12月
2021年12月期は初の減収となる見込み
ファーウェイは12月31日、2021年12月期の売上高が前期比29%減の6340億元(約11兆4千億円)程度になる見込みだと明らかにしました。
通年で減収となるのは直近10年間で初めてです。
米政府による規制の影響で、スマートフォンの出荷が大きく落ち込んだことが響きました。
Wi-Fiの特許のライセンス契約を広げる
ファーウェイは、Wi-Fiの特許のライセンス契約を広げます。
このほど日本の無線通信機器大手バッファローと、最新規格「Wi-Fi6」のサービス提供に欠かせない標準必須特許(SEP)について使用を許可する契約を結ぶことで合意しました。
Wi-Fi6は従来規格の「Wi-Fi5」に比べ通信速度が高まるほか、同時に多数の端末を接続しやすくなるなどの利点があります。
バッファローはすでにWi-Fi6に対応するルーターなどの機器を発売済みですが、ライセンス契約の締結によってバッファローの製品の競争力が一段と高まると期待されています。
ファーウェイはこれまでWi-Fi6と従来のWi-Fiの両方を対象とするライセンス契約を多くの企業と結んでいますが、Wi-Fi6に焦点を当てた契約を結ぶのはバッファローが中国外で初めてという事です。
ファーウェイは特許使用料を得てさらなる研究開発に生かす狙いがあります。
ファーウェイはWi-Fi6のSEPで122件の特許群を保有しており、米半導体大手クアルコム(123件)に次いで多くなっています。
運動分野の研究開発を強化
ファーウェイは、運動や健康分野の研究開発を強化します。
このほど中国で3カ所目となる専用の研究拠点を南部の広東省東莞市に開きました。
様々な運動種目での身体のデータを測定し、スマートウオッチなどの製品改良につなげ販売拡大を目指します。
研究開発の強化によりスマートウオッチなどの事業を伸ばし、スマホの落ち込みを補う狙いがありそうです。
2021年11月
ファーウェイ、ZTE排除法案に署名
バイデン米大統領は11日、米安全保障に対する脅威と見なされる企業が米規制当局から新たな機器ライセンスを取得できないようにする法案に署名しました。
ファーウェイやZTEなどが対象となります。
米連邦通信委員会(FCC)の「対象機器・サービスリスト」に掲載されている企業に対し、新たな機器ライセンスの審査や発行を行うことが禁止されます。
元ファーウェイのオナー、欧州でスマホ販売
中国のスマートフォンブランド「オナー」は欧州で新型モデル「50」を発売しました。
ファーウェイから2020年11月に独立したブランドで、独立後に海外でスマホの新機種を発売するのは初めてです。
今後はアジアや中南米などを含む40カ国・地域を超える市場に販売を広げる計画です。
人材育成に5000万ドル
ファーウェイは今後5年間で、アジア太平洋地域のデジタル人材の育成に5000万ドルを投じると発表しました。
まずは2022年から2年間、東南アジアの若者に研修プログラムを提供する予定です。
将来のデジタル分野の担い手を育てます。
3日、ASEAN基金と覚書を結びました。
域内で選抜された15~30歳の若者をデジタル人材として育成します。
初年度は200人にオンライン研修を提供し、2年目はファーウェイでのインターンシップに20人を受け入れる計画です。
研修費用はファーウェイの全額負担。
ファーウェイは東南アジアではタイ、インドネシア、マレーシア、カンボジアに「ファーウェイASEANアカデミー」を開設し、人材開発に取り組んでいます。
リウ社長はこのアカデミーの進出地域をさらに広げ、今後5年間で合計8カ所に増やす計画を打ち出しています。
ASEAN側もこの動きに期待を示しています。
サーバー事業の売却を検討
ファーウェイが、サーバー事業の売却に向け交渉を進めているようです。
米政府による制裁措置でインテルからx86プロセッサーを確保するのが難しくなっているためです。
ファーウェイは中国政府の支援を受ける買い手を含めたコンソーシアムに同社のx86サーバー事業を売却する予定です。
2021年10月
1-9月は32%の減収
ファーウェイは29日、2021年1~9月期の売上高が前年同期比32.1%減の4558億元(約8兆1000億円)だったと発表しました。
米政府による規制の影響で、スマートフォンの出荷が減りました。
足元ではEV販売などでてこ入れを進めますが、スマホ事業の落ち込みを補うには時間がかかりそうです。
減収率は1~6月期の29.4%から広がりました。
米政府が20年9月に輸出規制を強めて以降、ファーウェイはスマホに使う高性能な半導体の調達難が続いています。
アメリカ、614億ドル分の輸出許可
ファーウェイを巡り、米政府が614億ドル分の製品に同社への輸出許可を与えていたことが25日わかりました。
半導体やその製造装置で技術水準が高くない製品を認めたようです。
日本企業の製品も含まれました。
議会の対中強硬派は不満を募らせ、対中輸出規制の強化を訴えています。
ファーウェイ独自OSのスマホが1億5千万台突破
ファーウェイは22日、独自に開発したOSハーモニーを搭載した機器の数が1億5千万台を超えたと発表しました。
スマートフォンやタブレットなどへの搭載が増えた事が背景です。
搭載機器数は2021年末に2億台に達する見込みという事です。
ファーウェイはあらゆるモノがネットにつながるIoT用のOSとしてハーモニーを開発し、21年6月に提供を始めた第2版でスマホのOSとしても使えるようにしました。
今後は様々な機器を連動させて一段と使いやすくした第3版を提供するほか、ハーモニー用に開発したプログラミング言語も将来発表する計画です。
ファーウェイは従来は自社のスマホに米グーグルのOS「アンドロイド」を搭載していました。
ただ米政府が19年に打ち出した輸出規制でグーグルとの取引が原則打ち切られ、アンドロイドと連動して使う地図やメールなどのグーグルの主要アプリをスマホの新機種に搭載できなくなってしまいました。
このため独自OSであるハーモニーの自社製品への搭載を広げており、外部企業にも採用を呼びかけているのです。
2021年9月
副会長が中国へ帰国
カナダで拘束された中国の通信機器大手、ファーウェイのCFOを巡り、米司法省は24日、中国帰国を容認することで同氏と合意しました。
司法取引が成立し、米中対立の懸案が一つ解消します。
カナダメディアによると、孟氏は即日釈放され、バンクーバーの空港から出国し中国に向かいました。
米検察との合意の下で、同CFOは米国の対イラン制裁に反する形でイランとのファーウェイ事業についてHSBCを欺いたことを認めました。
CFOは合意条件を守れば新たな訴追を免れ、現在の起訴は2022年12月までに取り下げられる可能性があります。
孟氏は虚偽報告の事実関係を認めましたが、無罪を主張しています。
6Gへの投資を加速
ファーウェイは次世代通信規格「6G」の研究を加速しています。
CEOが社内で「6Gの成長余地は大きい」と述べ、特許の取得を進めるよう指示しました。
スマートフォンなどの主力事業に米政府の規制による打撃が広がるなか、先端技術への注力で生き残りを図ります。
ファーウェイへの制裁を続ける方針
バイデン米大統領が商務次官に指名したアラン・エステベズ氏は21日、議会上院で開かれた指名公聴会でファーウェイへの制裁を続ける方針を示しました。
同社を安全保障上の脅威と断じ、中国への強硬姿勢を貫きました。
事実上の禁輸対象企業を並べた「エンティティー・リスト(EL)」を巡り、事態が変わらない限り、ファーウェイをELから外す理由はないと述べました。
スマホ事業減収が4兆円程度
ファーウェイのエリック・シュー氏は24日、米政府による輸出規制の影響についてスマホ事業の減収について述べました。
2021年にスマートフォン事業は少なくとも300億~400億ドルの減収になるとの見通しを明らかにしました。
ファーウェイの20年の売上高は1367億ドルでした。
このうちスマホ事業が約500億ドルを占めています。
20年11月に低価格ブランド「オナー」を売却したことなどが響き、21年のスマホ事業は6~8割の減収になる見込みです。
同氏は、当面は生き残ることが課題だと述べました。
足元は5Gやクラウドサービス、AI関連など新規事業に注力していますが、今後10年かかっても、スマホ事業の売上高の落ち込みを補うのは難しいとの予測を示しています。
2021年8月
ファーウェイのスマホ、中国製部品が急増
ファーウェイのスマートフォンで同国製部品の採用が急増しています。
5G対応の最新スマホを分解したところ、中国製の比率が金額ベースで約6割と旧モデルから倍増していました。
米国の制裁が続く中、複数の部品を国産に切り替えたようです。
中核半導体の一部はなお米国製の在庫に頼っていますが、今後のモデルでは機能の高度化で後れを取りそうです。
中国IT、寄付する動きが拡大
中国では大手テクノロジー企業の間に稼いだ利益を寄附する動きが広がり始めています。
直近では電子商取引サイト運営の会社が、国内の農家と農村部を支援するため上場後初めて確保した純利益の全額を寄付すると発表しました。
時価総額で中国1位のテンセントは先週、社会責任プログラムに割り当てる資金を150億ドル程度に倍増すると表明しています。
どれも政府から目を付けられない為の方策かもしれません。
元ファーウェイのスマホが躍進
ファーウェイから独立したスマートフォンのブランド「オナー」が反転攻勢に出ているようです。
米政府の輸出規制の影響をかわす狙いで、ファーウェイはオナーを売却して、同社は2020年11月に中国地方政府の傘下企業に生まれ変わりました。
独立後に下落した国内シェアは新機種の積極投入などで今春以降、急回復しています。
ただ米国で警戒論が強まり、再び規制の対象になる可能性もあります。
中国政府関連のプロジェクトが増加
ファーウェイの中国依存が強まっています。
足元では5Gなどの通信機器だけでなく、関連するシステムもセットで売り込む手法が目立っていますが、一番わかりやすいのがスマートシティーです。
2020年末時点で、40カ国の700以上の都市で関連事業を手掛けているという事です。
ファーウェイの攻勢の背景には中国の一帯一路があるでしょう。
ファーウェイは中国政府とは関係なく事業を展開しているとしていますが、一帯一路の沿線に含まれるアフリカや中東などで進むスマートシティーなどのプロジェクトは、中国政府系の融資が供与され、ファーウェイも参画しやすくなっています。
こうした動きはファーウェイの経営指標にも表れつつあります。
10年代前半には売上高の国外比率が7割に迫っていましたが、徐々に低下っし、20年12月期は34%まで下がる一方、中国依存度は約7割まで高まりました。
19年以降の米政府による規制の影響に加え、スマートフォンや成長が続く5Gで中国市場への依存が加速している面があると思われます。
EVに活路を求める
ファーウェイは、中国のEVブランドに自動運転技術などを提供すると発表しました。
お披露目された車には各種センサーやソフトウエア、車載ディスプレーなど100種類以上のファーウェイ製品が搭載されていました。
ファーウェイのスマートカー部門の研究人員は5千人を超え、このうち自動運転の関係者が4割の2千人超を占めるという事です。
2021年以降、ファーウェイは自動運転関連を含め、車分野の研究開発に毎年10億ドル(約1100億円)を投じる計画です。
自動運転は米国や中国で各社がしのぎを削る分野ですが、多くの経営資源を割いて競争を勝ち抜く構えです。
ファーウェイが研究開発費を大幅に引き上げ
ファーウェイは、米中対立のあおりで半導体などの調達を厳しく制限されるなか、足元の研究開発費を10年前の約9倍まで引き上げました。
米制裁の影響で主力のスマートフォン事業は世界上位5社の圏外に転落しましたが、R&Dの力を高めてAIや自動車関連など新分野を育成し、事業モデルの大転換をもくろみます。
4-6月期は四半期最大の減収
ファーウェイの4-6月は、同社の国外通信機器・スマートフォン事業に米国の禁輸措置が打撃を与え始めてから最大の四半期減収となりました。
ファーウェイの4-6月売上高は38%減の1682億元(約2兆8500億円)となりました。
同社が公表した1-6月(上期)業績から算出されたものです。
1-3月(第1四半期)は17%減、昨年10-12月(第4四半期)は11%減となりました。
なお、2021年1~6月期の売上高は前年同期比29.4%減の3204億元(約5兆4000億円)でした。
米政府による輸出規制が響き、スマートフォン関連事業が低迷しています。
クラウドサービスなど新事業の育成を急ぐものの、当面は業績低下が避けられない見通しです。
東南アジアのスタートアップ支援に1億ドル
ファーウェイは3日、東南アジアのスタートアップ支援に今後3年間で1億ドルを投じると発表しました。
最大1000社に自社のクラウドサービスを提供し、製品開発や事業運営などに役立ててもらいます。
現地のスタートアップと連携しクラウドの普及につなげる狙いがあります。
2021年7月
新旗艦スマホ発表ながら5G未対応
ファーウェイは29日、新しい旗艦スマホ「P50」を8月中旬から中国で順次発売すると発表しました。
しかし、5Gには対応せず、一世代前の「4G」の技術を使ったものです。
米政府による規制で半導体の調達を厳しく制限されるなか、5Gに必要な部品の確保が難しい状況を反映しているとみられます。
先端投資へ積極展開
ファーウェイは、2021年は少なくとも8千人の新卒者を採用するほか、研究開発費を大幅に増やすとして、積極的な展開を志向しています。
通常の研究開発費に加え、この2年に数十億ドルを投入すると考えているようです。
2019年5月、米国はファーウェイを安全保障上の脅威と位置づけ、米国の技術利用を制限しました。
さらに米国の技術を含む製品のファーウェイへの供給を事前の許可がない限り禁じました。
これで、ファーウェイはかなり追い詰められました。
この制裁はバイデン政権でも緩む気配がありません。
そこでファーウェイは、スマートフォンなどの既存事業から、新たな事業分野の強化に乗り出しているわけです。
BMWが本拠を置くドイツ・ミュンヘンでは、無線・自動車用半導体を開発するチームの採用を進めています。
ミュンヘンには光コンピューター、量子コンピューターの研究所があります。
量子コンピューターは、米国のIBM、インテル、グーグルなど世界のIT大手の主戦場となっています。
問題は、新事業がスマホや通信機器への打撃を埋め合わせられるかどうかです。
ファーウェイは、中国以外では急速にシェアを落としつつあります。
あるデータによれば、欧州で市場の90%以上を失い、エリクソンが40社以上の5G契約を結びました。
ロシアと東南アジアの一部を除いて、あらゆる場所で攻撃を受けているのが現状です。
2021年6月
ファーウェイなどの通信機器の認証を禁止
アメリカは17日、安全保障上のリスクとみなすファーウェイなど中国企業5社の通信機器の認証を禁じる方針を決めました。
政府の補助金を受け取っていない通信会社も5社の製品を使えなくなり、抜け道もふさぎます。
中国のハイテク企業への締め付けがさらに強まります。
サイバーセキュリティの技術拠点を中国に開設
ファーウェイは9日、サイバーセキュリティーの技術拠点を開きました。
自社の技術を外部に紹介したり、製品の安全性を検証したりする施設です。
同様の拠点はこれまで欧州などの複数地域で運営していましたが、中国内では初めてになります。
取引先などに開放し、セキュリティー関連の取り組みをアピールする狙いがあります。
制裁下でも半導体製造を維持
ファーウェイが半導体の独自開発を継続しているようです。
米国による制裁強化のため半導体チップの製造委託先を失いましたが、開発子会社のリストラは行わず、事業を維持しています。
米中摩擦で戦略物資として改めて脚光を浴びる半導体への執念を見せています。
ファーウェイは子会社で自社製スマートフォンなどの頭脳に当たる半導体を開発してきました。
その会社であるハイシリコンは半導体の開発に集中し、チップの製造は外部に委託するファブレスの事業形態をとっています。
独自OSを販売開始
ファーウェイは2日、独自開発したOSでスマートフォン版の運用を同日から始めたと発表しました。
タブレットなど約100種類の発売済みの端末でも使えるようにし、対象を順次広げる予定です。
スマホやスマートウオッチ、家電など様々な製品を連携させる使い方を提案し、利用拡大を目指します。
2021年5月
イタリアでファーウェイの5G機器の仕様を一部承認
ボーダフォン・グループのイタリア法人は、5G通信網にファーウェイの機器を使用することが条件付きで認められたようです。
イタリア政府が、技術的な不具合を修正するためのファーウェイによる遠隔操作の制限や、極めて高いセキュリティー基準といった一連の規定を課した上で、5月20日に承認したという事です。
イタリアはEU諸国の中でも中国への依存を高めようとしていた国だったので、今回の様な措置になったのかもしれません。
独自OSを6月に発表
ファーウェイは、スマートフォンに搭載するOS「ハーモニー」を6月2日にリリースすると発表しました。
米国の制裁で打撃を受けたスマホ事業の立て直しを図ります。
独自OSの投入によってアンドロイドへの依存から脱却できるようになります。
米制裁でファーウェイはスマホの新機種でグーグルの技術サポートを受けられなくなったほか、開発者向けサービスをまとめた「グーグル・モバイル・サービシズ」にもアクセスできなくなっており、スマホ事業が大きなダメージを受けていました。
ファーウェイの任正非CEOは今週、米国の制裁で影響を受けない事業分野にシフトするため、思い切ってソフトウエアで世界を主導しようと従業員向けメモで呼び掛けたそうです。
エリクソン、中国の報復をリスク要因として認識
エリクソンは5月24日、中国で5G関連の商機を失う可能性があるとの見通しを発表しました。
スウェーデン政府がファーウェイの排除を決めたことを受け、中国が報復に出る懸念があるためです。
スウェーデン経済や産業界にも悪影響を及ぼすリスクがあると指摘しました。
スマートカー分野で事業を拡大
ファーウェイは、スマートカー分野で、自動車大手の重慶長安汽車との提携を拡大し、車載半導体の設計・開発でも協力するようです。
両社は昨年11月、スマートカー分野で提携すると発表しましたが、数カ月前から非公式に半導体分野でも協力しているという事です。
半導体を開発する合弁事業を近く設立する可能性もありそうです。
6月に新証拠を提出予定
カナダで勾留されているファーウェイのCFOの弁護団は6月、新たな証拠文書を提出する予定のようです。
文書は孟氏の弁護団がHSBCから入手したようです。
詳細な内容は明らかにされていませんが、弁護団は引き渡しの根拠を覆すものだと主張しています。
2021年4月
スマホ出荷台数が5位に下落
ファーウェイのスマホの出荷台数が、2021年1-3月期で7割減り、直近数年間で初めてシェア5位圏外に転落しました。
ファーウェイの出荷台数は1500万台だったという事です。因みに20年1~3月期は4860万台でした。
2021年1~3月期のスマートフォン出荷台数が前年同期比25.5%増の3億4550万台でむしろ大きく増加しています。
2021年1-3月期、16%減収
ファーウェイは4月28日、2021年1~3月期の売上高が前年同期比16.5%減の1522億元(約2兆6000億円)だったと発表しました。
米政府が19年から同社に対する輸出規制を段階的に強めているなか、主力のスマートフォン事業に打撃が広がっています。
20年10~12月期も売上高が約1割減っており、2四半期連続の減収となりました。
半導体などの調達が難しい事や、低価格スマホブランド「HONOR(オナー)」を売却した影響が大きいと思われます。
オナーの出荷台数は年7000万台規模とされ、ファーウェイ全体の3~4割を占めていました。
残る中高価格帯のスマホ事業も半導体不足で生産が落ち込んでいます。
アメリカへの依存が低い分野に活路
ファーウェイは4月12日、米制裁で高精度の半導体の調達が困難になっていることを理由に、先端加工技術への依存度が低い事業分野への投資を拡大する方針を示しました。
米政府の許可なく米企業から技術や部品などを調達できない「エンティティリスト」から、バイデン政権下で除外されることは期待していないと述べました。
ファーウェイは、自動運転車の部品への投資を拡大する方針を示し、インテリジェント運転事業への投資額が今年、10億ドルを超えると説明しました。
5G事業については、予想を超えるペースで世界的に展開していると述べました。
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