2019年4月29日更新!
このブログは、
- 相場に左右されずに
- 気長に忍耐強く
新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。
特に、
- これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
- 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方
を想定しています。
筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。
ずっと投資し続けています。
このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2019年3月に更新した箇所をひとまとめにしている記事です。
各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。
【この記事は複数ページあります】
2019年4月29日
欧州議会選はBREXITを巡る代理国民投票の様相に
BREXIT問題の混迷が続くなか、欧州議会選を巡って早期の離脱を訴える政党とEU残留を主張する政党がぶつかり、二大政党である保守、労働の二党の存在感が若干薄れている状況となっています。
この選挙が、EU離脱の是非を問い直す「プロキシー(代理)国民投票」との表現も出始めているようです。
現在のイギリス・EUの合意では、イギリス議会が5月22日までにメイ首相の離脱案を承認すれば、イギリスが欧州議会選に参加する必要はなくなります。
しかし、現段階ではそのメドはたっておらず、欧州議会選挙に参加する事になります。
欧州議会選挙とは何か??は↓をご参照ください。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
新しい記事を投稿
BREXIT関連記事として、欧州議会選挙に関するスポット記事を投稿しました。
日本、自動車関連で4.5兆円をアメリカに投資
トランプ大統領は、ウィスコンシン州で開いた集会で、2019年4月26日に行われた日米首脳会談において、安倍晋三首相が自動車新工場のためアメリカに400億ドル(約4兆5000億円)を投資することに同意したと述べました。
トランプ大統領は来年の大統領選挙を見据えて貿易交渉についての成果をとにかく全面アピールしています。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
アメリカの1-3月の成長率、3.2%に加速
2019年4月26日に発表されたアメリカの2019年1~3月期のGDP速報値は前期比年率換算で3.2%増えました。
これは2018年10~12月期の2.2%増から加速し、市場予測(2.0%程度)も大きく上回る数値です。
輸出が伸びたほか、在庫の積み増しも成長率の押し上げにつながりました。ただ、自動車販売や住宅投資は下落し、産業によって状況はまちまちのようです。
一帯一路、確実に影響圏を拡大
一帯一路は確実にその影響圏を伸ばしているようです。
中国が発表した資料に拠れば、2019年4月現在で、
- これまでに150超の国・団体と覚書を締結
- 直接投資額は900億ドル(約10兆円)超
- 関連融資額は4400億ドル
- 一帯一路周辺国との貿易額は2018年に約1.3兆ドル
今後は5G通信網も一帯一路周辺国で中国製を普及させ、地域支配を強化していく予定です。
2019年4月、一帯一路はひとまず軌道修正か??
中国は各国からの批判を受けて一帯一路の軌道修正に動き始めた感じがあります。
習近平国家主席は4月26日の関連会議で
- 相手国の財政の持続可能性に配慮する
- インフラ建設でも国際ルールを順守する
と約束し、ひとまず低姿勢を演出しました。
2019年4月27日
アメリカ政府はイラン産原油輸入に関する段階的措置は検討せず
2019年4月26日、アメリカ政府は中国がイランから輸入している原油について、段階的な縮小期間も短期的な免除も検討していないと述べまそた。
アメリカの法律によれば、短期的な免除を含む段階的な縮小期間の措置が認められる可能性がありますが、それが現時点では検討されていないというものです。
日米貿易交渉、5月のトランプ大統領訪日前にも合意??
2019年4月26日、トランプ米大統領は日米貿易交渉について5月の訪日前に合意に達する可能性があるとの認識を示しました。
実際問題として日本がアメリカの農産品に課す関税、アメリカ国が日本車に課す関税、そして為替問題など、一部分野で隔たりが残されていることも浮き彫りとなっており、このコメントがどういう背景で行われたのかはよく分かりません。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
アルゼンチンのマクリ大統領の再選は厳しいか??
今年アルゼンチンの大統領選挙が行われる予定ですが、最新の世論調査によれば、2回目の決選投票で反市場派で左派のフェルナンデス氏がマクリ氏に勝つ可能性が高いとの事です。
これによってアルゼンチンペソを巡る先行きは不透明性が高まったと言えます。
ただその一方で、フェルナンデス氏はまだ出馬を正式表明していない状況でもある為、情勢はまだ推測の域を出ておらず予断は出来ません。
イギリスの企業は景気に最も悲観的
イギリスの採用雇用連盟が2019年4月24日に公表したデータによると、英企業は同国の景気について、BREXITの是非を問う国民投票以降で最も悲観的となったようです。
具体的には雇用と投資の見通しについて、悲観している企業の数が楽観している企業を上回りました。これは、国民投票が行われた2016年6月に調査が始まって以降で2度目です。
アメリカが一部分野で譲歩の可能性
アメリカが医薬品のデータ保護期間について中国側の提案に譲歩する可能性があるとの報道がありました。
中国側の提案は、アメリカ製バイオ医薬品の中国におけるデータ保護期間を8年と、アメリカ国内での12年より短くする内容との事で、これが認められれば医薬品業界の反発を招く恐れがあります。
因みに、USMCA(新NAFTA)では同期間を10年としており、その水準までにはなるかもしれません。
トランプ大統領がOPECに増産するよう圧力
2019年4月26日、トランプ大統領は、「OPECに電話をかけ、原油価格を引き下げるように伝えた」と語りました。
イラン産原油の禁輸措置が5月初めに始まるのを踏まえ、サウジやUAEに増産を促したとみられます。
これもあって上昇基調だった原油価格は一時急落しました。
原油高で新興国通貨は軟調
原油価格の上昇で一部の新興国通貨が軟調になっています。
石油製品の純輸入国が多く、原油高による物価上昇の加速や経常赤字の拡大懸念が強まっているためです。
4月の米国によるイラン産原油全面禁輸の発表で一段と原油高が進めば、アメリカの利上げ停止以降、新興国通貨に戻っていた資金の流れが逆流する可能性もあります。
例えば、インドとトルコはイラン産原油の大口輸入国なので、イラン産原油禁輸は影響が大きいと思われます。
ただ、イラン産原油を輸入していない新興国の通貨も売られているようです。
フィリピンペソは約1週間ぶりに1ドル=52ペソ台まで下落しました。背景としては原油高で輸入額が増えて、経常赤字が拡大するとの懸念がある為です。
トランプ大統領が、習近平氏の訪米を示唆
2019年4月25日、トランプ大統領は習近平国家主席が近くホワイトハウスに来るとの認識を示しました。
米中貿易協議の最終合意に向けた動きの可能性があります。
日米貿易交渉で為替条項の綱引きは長期化
日米は貿易交渉の中で為替の議論をするか否かも含めて協議を続ける方針となりそうです。
ただ、為替の協議は物品よりも後になるとの見通しです。ただ、先延ばしするだけで今後の日米交渉で大きなポイントとして引き続き残るでしょう。
TPP12では、為替に関する表現を協定の前文に織り込み、通貨安競争を回避する努力が謳われました。
しかし、今アメリカが参考にするのはUSMCA(新NAFTA)で、そこには為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制すると記されており、TPPよりも金融政策で手足を縛られてしまう可能性があります。日本はそれは避けたいと思う所でしょう。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
日本も与党幹事長が一帯一路フォーラムへ参加
中国を訪問中の自民党の二階幹事長が一帯一路に関する国際会議に出席します。
経済団体の会長や農業団体の会長も同行し、民間の協力も後押しします。
日本政府自体は米中対立や中国の覇権主義への懸念から一帯一路に距離を取っているので、二階氏が与党の立場として協力姿勢を示すものです。
2019年4月26日
2019年4月25日、利下げ予想でリラ急落
ここ最近下がり続けるトルコリラですが4月25日、そこから更に急落しました。
この日、金融政策決定会合を開いたトルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利(年24%)を据え置きましたが、声明文で今後の追加利上げに消極的なメッセージを発したのです。
マーケットでは利下げ観測が強まり、対ドルで一時、前日比1.8%下げて年初来安値を更新しました。
リラはずっと下落基調で年初から対ドルで約10%下げている状況です。通貨防衛のためには高金利が必要ですが、エルドアン氏がそれに反対しています。
ただ、リラ安になっているのは自身の行動から来ている所も多分にあると思うのですが。。。
アルゼンチンペソが通貨最安値を更新
2019年4月25日、ペソが対ドルで前日比2.6%下落し、1ドル=45.04ペソで取引を終え、過去最安値を更新しました。
この10月に控える大統領選では反市場的な左派勢力が優位で、現在のマクリ政権が進めてきた改革路線の後退懸念が広がっている事が背景と思われます。
ペソも政治に翻弄されるフェーズに入っています。
イギリス、欧州議会選に参加へ
これまでメイ英首相が回避したがっていた欧州議会選にイギリスは参加せざるを得ないようです。
既報の、EUとの離脱協定を国内法化する法案提出はすぐには出来ず、結果、5月下旬の欧州議会選への参加が不可避となりそうです。
欧州議会選に参加すると、メイ首相の保守党が敗北を喫する可能性が高く、自身の責任問題にも発展する恐れもあるだけに、メイ首相としては避けたかったのです。
この状況下では、新たに選出された欧州議会がスタートする6月30日までに法案を成立させることが、次の目標となります。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
アメリカに借りのあるサウジ、原油増産協力は不可避??
サウジアラビアの皇太子がトルコ人記者殺害に関与した疑いで、トランプ大統領がサウジアラビアを擁護した事は記憶に新しいですが、今般のイラン制裁による原油価格への悪影響を緩和する上で、トランプ氏が「お返し」を求めるのは可能性としてかなり高いでしょう。
イラン産原油の輸出が全面的に止まると、トランプ氏は来年の大統領選に向けて、国内のガソリン価格を抑え続けていくのが難しくなります。
2018年と違って、原油市場はもはや大幅な供給過剰状態ではありません。そこでアメリカはサウジアラビアに増産というお返しを求めるはずです。
もっとも増産すれば原油価格は下がり、サウジは財政均衡化を達成しにくくなります。また、トランプ氏の要求に応じると、生産能力の限界近くにある他のOPEC加盟国を悩ますことにもなってしまい、サウジアラビアとしては立ち回りが大変になります。
日米交渉妥結は夏の参院選後、2020年の大統領選挙前のどこか
2019年4月26日、日米両政府は首脳会談を行い、貿易交渉のペースを速める事を確認するものと思われます。
日本側は2019年6月下旬に予定する首脳会談で一定の方向性で一致し、夏の参院選後に大筋での合意をめざすというシナリオを想定しています。
ただ、2020年秋の大統領選の前に成果を得たいと思っているであろうトランプ政権に配慮する必要もあり、スピードを重視しつつ参院選への影響を最小限にとどめるべく動いているようです。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
5月2日の地方選挙がブレクジットの影響で重大イベントに
ブレクジット関連で、いつもは殆ど注目される事のないイギリス国内の地方選挙がブレグジットの先行きを占う重要な政治イベントとして急浮上しています。
現在選挙モードが高まるイギリス国内で、野党・労働党はまず今回の地方選挙で勝ち、勢いに乗って欧州議会選に臨む戦略を描きます。
一方、与党・保守党は負け幅をできるだけ小さくし、欧州議会選へ少しでもいい流れを作っておきたいと考えます。
ただ、この保守党の不人気ぶりが、どこまでイギリスの内政に影響するかは分かりません。
現在イギリスでは下院の解散・総選挙がとりざたされるものの、保守党が地方選で負ければ解散風は弱まるかもしれません。保守党議員が落選を恐れる為です。これは欧州議会選でも一緒で保守党が惨敗すれば総選挙はさらに遠のくとも思われます。
結局こうなればああなる、といった予想は立てにくいわけですが、それが一番マーケットの嫌がるものなわけです。。。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
近く米中首脳会談開催か
2019年4月25日、米中貿易協議の決着に向けて、トランプ大統領が習近平氏をホワイトハウスに招き、首脳会談を開きたいとの意向を示しました。
今後の予定としては、まず4月30日にUSTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長官が訪中し、その翌週に中国の劉鶴副首相らが訪米し、最終決着をめざした詰めの協議が開かれる予定となっています。
貿易交渉と為替条項問題については溝
2019年4月25日、麻生財務相は日米財務相会談で貿易政策と為替政策をリンクさせる事には反対である立場をアメリカ側に伝えたと明らかにしました。
一方で、報道によるとムニューシン財務長官は為替条項について交渉に応じるよう麻生大臣に伝えたとの事で、こちらは引き続き溝がある状態です。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
中国企業の業績は完全回復せず
中国企業の業績回復はまだ道半ばのようです。
某メディアの集計によれば上場1500社の2019年1~3月期は純利益が前年同期比5%減で、さすがに2桁減益が確実な18年10~12月期からやや持ち直しましたが、景気対策などで恩恵を受けたのはやはり公共投資に関連する銘柄だけだったようです。
財務内容の悪化も懸念されるところです。
2018年12月期決算を発表した企業の負債を調査してみると前年比で12%も増えているそうです。
中でも国有ゼネコンの中国建築が18%増となるなど国有企業が借金をテコに投資や公共事業を進め、景気を下支えする構図が浮かんでいます。
色々な所が指摘している通り、中国の構造改革が置き去りにされて目先の景気浮揚だけに注力しているといつか大きなマイナスに見舞われてしまいます。
ファーウェイ製品、イギリスは全面禁止はせず
イギリス政府はファーウェイに適用される国内規制を強化しますが、同社製品の全面禁止には至らない公算です。
今回の措置は、中国の情報機関がスパイ活動のためにファーウェイのシステムを利用する恐れがあるとの懸念に対応したものです。国による監視が強化される見通しで、同国通信網の中核部分でファーウェイ製品の使用を制限する可能性があります。
2019年4月25日
アメリカの主要指数が最高値を更新
2019年4月23日のアメリカの株式市場でS&P500やナスダックで過去最高値が更新されました。
S&P500は2018年9月以来、ナスダック総合指数は同年8月以来の最高値更新となります。
背景としては、世界的大企業の1-3月決算が市場予想を上回ったことにありそうです。これによって企業業績の先行きに対する期待が高まったのです。
ダウ平均はは、航空機製造大手のボーイングが今年3月に大幅に下落したことなどにより上記二つの指数のように最高値更新にはなっていませんがやはり過去最高値に近い水準でやり取りされています。
ブラジルの年金法案は、下院憲法司法委員会を通過
既報の通り、2019年4月17日に予定されていた下院憲法司法委員会での年金改革法案に関する票決は一週間延期され、23日となっていましたが、23日の夜に同委員会で票決が行われ通過したとの事です。
詳報は追記します。
メイ首相、新たな戦術
メイ首相がBREXITに向けて新たな戦術を打ち出しました。
それは、これまで3度否決された協定案を再提出するのではなく、離脱協定を国内法として法制化するための法案を提出する、というものです。
反対勢力が修正を通じてこの法案に要望を反映させることを想定しているという事です。
ただ、この法案を出すか出さないか、また出すとしていつ出すのかという事について閣内でコンセンサスは取れていない模様です。恐らく、最大野党労働党との協議の状況を見て、この法案を提出するかどうか判断するのでしょう。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
新しい記事を投稿
ブレクジットとイギリスポンドの動きについてフォーカスした記事を投稿しました。
トルコの前首相がエルドアン大統領に反旗??
与党AKPに所属するダウトオール前首相が、突如エルドアン政権及び与党AKPを批判する声明を発表し、動揺が広がっているようです。
ダウトオール氏は元々、2014年にエルドアン氏の後任のAKP党首となり、また首相にも就任していた大物です。
しかし、エルドアン氏が導入したいと切望した実権型大統領制には反対で、それが理由で最終的に2016 年に突如首相を辞任にしています。
その後は2018年の大統領選でエルドアン氏が再選したことで独裁色の強い『エルドアン政権』が誕生しました。
しかし、
- トルコ・ショック
- 高すぎるインフレ率
- 終わらない景気減速
- 2019年3月の統一地方選でのAKP敗北
等を理由に足下の政権基盤が揺らいでいます。
こうした中、元々実力者であったダウトオール氏が政権及び与党に対して公然と批判しているわけですから、今後何か影響していくかもしれません。
アメリカ、日米貿易交渉について楽観
アメリカの政府高官が、日米貿易交渉に関して「日本は貿易交渉について非常に協力的だ」と述べました。
ワシントンで開く貿易交渉や首脳会談を前に「協議は全速力で進んでいる」と語り、楽観的な見通しを示した形です。
アメリカ側から協力的と評されることが日本にとって本当に良いのかは分かりませんが、少なくとも協議が長引き先行きが全く見通せないといった状況ではなさそうです。
ただ、かなり不利な条件を日本側が飲ませられてしまう場合、日本側はその発表を遅らせる方針があるなどの報道もあったりしますので、急なネガティブサプライズがないわけではありません。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
中国、一帯一路に対する「債務の罠」批判に反論
中国は4月25日から開催されるいわゆる一帯一路サミットに際して、多くの国から懸念が噴出している債務のワナに対する反論を行う予定です。
今回の一帯一路フォーラムには、約5000人の外国政府関係者、企業代表団が出席するとみられていますが、彼らの前で着工済のプロジェクトに関する進捗報告も行う予定で、一連のプロジェクトが「債務危機」をもたらしたことを否定するつもりです。
この批判をうまくかわせないと、この中国の覇権国家への道を創る壮大なプロジェクトは画餅に陥ってしまうでしょう。
2019年4月24日
イラン原油の禁輸が米中協議に与える影響
アメリカがイラン原油の禁輸措置について例外措置を延長しない事となりました。
これが米中貿易協議に何か影響を与えるのか考えました。
実は中国はイランからかなり多くの原油を輸入しています。
4月のイラン産原油輸入量は平均日量75万バレル前後。これはイラン産原油の総輸出量の約半分です。
中国は輸入量を2月:50万バレル、3月:60万バレルと徐々に増やしていました。
この行為には二つの解釈が可能です。
- 5月以降輸入できなくなる可能性に備え、在庫を積み増した
- アメリカの制裁に従わない方針だというサイン
中国は禁輸措置の順守を、アメリカとの貿易協議の道具に使う可能性が大いにあり得ます。
イランからの原油輸入の全面停止に応じるなら、アメリカに他の分野で譲歩を要求すると予想できます。
BREXIT、労働党との交渉は厳しい状況か
メイ首相と労働党との協議は難航しているようです。
労働党が出している最低条件は関税同盟への残留。しかし、これは首相にとって受け入れ難いものです。
労働党で交渉経緯を知る関係者によれば、2019年4月下旬現在で、何一つ政府と合意できる状況にはないと言明しています。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
イラン産原油禁輸の影響でリラ売り
アメリカの対イラン制裁強化を受けた原油価格の上昇で、トルコリラは22日に一時、6カ月ぶりの安値水準となる1ドル=5.85リラまで下落しました。
トルコはイラン産原油の大口輸入国で、アメリカがイラン産原油禁輸の適用除外措置を受けていた国の一つでした。
2019年5月でこの除外措置撤廃が決まり、原油価格が上昇する中で貿易収支の悪化が想起されて売られました。
メイ首相降ろし、ルール変更して実現??
保守党の支持率が、10月末までの離脱延期を固めた4月10~11日のEU首脳会議を境に急落し、このままでは5月以降の選挙を戦えないと考える保守党員たちが、メイ首相降ろしで活発に動いているようです。
ただ、保守党のルールでは1年に一回までしか党首の不信任投票が出来ません。
前回は2018年12月で、メイ党首の続投が決まったため、本来なら2019年の12月までこの投票はできないようになっているのです。今、保守党の反メイ派の議員がそのルール自体を変更しようとしているわけです。
このクーデターについては、まだまだメイ首相の方針へ理解を示す議員も多い事から実現は不透明です。
しかし、実際問題として党勢が回復せずに、地方選や欧州議会選で保守党の惨敗が続くと、その時はメイ首相が引責辞任せざるを得ないというシナリオもあり、クーデターが未遂に終わっても引き続き状況は厳しいままです。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
トルコのミサイル問題はトランプ大統領次第?
トルコのロシア製ミサイル防衛システム導入を巡って、アメリカから制裁を科されるか否かは、トランプ大統領の介入如何の状況になりつつあるようです。
もっとも、これを決めるのはアメリカ議会であって、大統領ではありません。
そしてそのアメリカ議会は本件について、トルコに批判的です。このため、いくらトランプ大統領が色々言っても覆せる余地は乏しそうです。
トルコ高官は、トランプ大統領が議会より前向きな姿勢で、何らかの措置が採られる可能性が確実にあると言っていますが、希望的観測も入っているかもしれません。
アルゼンチン、食料品などの価格統制開始
2019年4月22日、アルゼンチン政府は生活必需品約60品目を対象にした価格統制策を開始しました。
10月の大統領選を前にインフレへの取り組みを国民にアピールする狙いがあると言われています。
ただ、統制策はアングラマーケットの拡大を後押しする事にもなりかねず、別の問題を指摘する人も大勢います。
政府によれば、今回の要請に対して大半の企業は協力を表明したという事です。。地方自治体にはガス・電気、公共交通などの値上げ停止も要請しています。
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ベトナム株に特化した記事を投稿しました。
2019年4月23日
イラン原油禁輸措置の例外撤廃
掲題に関する記事が多数出ています。一覧でチェックしたい場合は↓をクリック
供給懸念からNY原油は半年ぶりの高値
2019年4月22日のWTIは半年ぶりの高値となりました。
アメリカ政府のイラン産原油の禁輸と例外措置の撤廃を22日に発表した事がきっかけとなり、供給への懸念から買いが膨らんだのです。
ただ、供給懸念は他にもあります。
- 産油国のベネズエラもアメリカの制裁と停電で原油生産が急減していること
- 中国の経済政策から景気が回復し需要増が見込まれること
といった所です。
新しい記事を投稿
インド株式に関する記事を投稿しました。
アメリカのイラン原油禁輸措置、トルコは従わない方針
2019年4月22日、トルコのチャブシオール外相は、アメリカの決定が地域の平和や安定につながらず、イラン国民を傷つけるとツイッターに書き込み、アメリカの禁輸措置に従わない考えを示しました。
今後これがトルコとアメリカの関係にどの様に影響していくか見ていく必要があります。
ブラジルの年金改革の審議スピードがマーケットの期待を裏切る状況
マーケットが注目している年金改革の行方ですが、2019年4月4月17日に予定されていた、下院憲法司法委員会での票決が一週間延期され、23日となるなど、マーケットはボルソナロ大統領が掲げる改革の実効性に少しずつ不安を覚え始めているようです。
同委員会で年金改革の審議が開始されてから、既に1カ月以上が経過しており、当初マーケットが想定していたスピード感よりも遅めの速度となっています。
審議が進展していないこと自体が徐々にブラジルレアルや株式マーケットの重石となりつつあり、ボルソナロ氏の正念場と言えそうです。
メイ首相、難局続く
メイ首相への辞任圧力が強まっていますが、引き続きメイ首相自身はBREXITを完遂させるまで辞任する意向はないと言われています。
一方でメイ首相を取り巻く環境はかなり厳しいものとなっています。
- 引き続き保守党強硬派の説得は困難続き
- その一方で最近の世論調査で保守党全体の支持率が急低下
- 労働党への更なる譲歩で打開する事は保守党瓦解の恐れ
- また労働党の支持率自体も保守党を逆転し、労働党にとって保守党政権の延命につながる与野党協議はあまりインセンティブがない⇒保守党に妥協はしない
- 5月2日、イギリスの統一地方選挙や欧州議会選挙の世論調査で強硬なBREXITを求める新党・ブレグジット党が大幅に躍進している
考えるファクターが多いため、どうしようもありませんが、こういった政治的な事は動くときに一気に前進しますので、頭の片隅に現状についての認識を持っておくと良いかもしれません。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
初めて四半期の業績を公開
2019年4月22日、ファーウェイは2019年1~3月期決算を発表しました。
売上高は前年同期比39%増の1797億元(約3兆円)でした。
- アメリカ以外でスマホの販売が好調
- 5G通信用の基地局の出荷も増加
等が要因で、全体を通じてもアメリカ以外は好調です。
注目は、決算の数値もさることながら、四半期の業績開示。
ファーウェイは非上場なので、これまで四半期の業績を開示しませんでした。つまり、今回が初となるわけです。
やはりアメリカから厳しい目を向けられ、それが影響して世界中からネガティブな目で見られることを気にしての事でしょう。
四半期の業績開示で経営の透明性をアピールする狙いがあるとみられます。
イタリア再びEUと対立の公算
イタリア政府は2018年12月にEUと合意した財政赤字削減策を後退させる方針を表明しました。
思うように経済成長率が伸びず、また国有資産の売却も予定通り進まなかった事からこうなったようです。
この結果、財政運営を巡ってイタリアとEUが再び対立するのは確実で、金融市場の火種になる可能性があります。
ただ、すぐにどうのこうのという事もないかもしれません。ブレクジットや欧州議会選、ヨーロッパの景気低迷が目下の課題として、EU首脳の頭の中をほぼ占有しているからです。
ただ、この問題が消えるわけではないので、いつこれに注目が集まってマーケットが動揺するかは分かりません。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
2019年4月22日
メイ首相が6月末までに辞任させられる可能性
英保守党議員委員会のブレイディ委員長はメイ首相に対し、6月末までの首相辞任を迫る方針であるという事が報じられています。
辞任しない場合は党の指導部規則を変更して退陣させると伝える考えのようです。ここ最近の労働党との交渉で保守党議員らのフラストレーションが頂点に達しているのかもしれません。
もしメイ首相が退陣となると、EUとの交渉もまた暗雲が立ち込める可能性があります。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
イラン原油の全面禁輸措置にトルコは従うか??
2019年4月22日の報道によれば、5月2日でアメリカのイラン原油全面禁輸の特例措置が切れるとの事で、これにトルコがアメリカの要請に従うか注目です。
もし無視してアメリカの制裁対象になると、イラン産原油を輸入した企業や取引を仲介した金融機関が米ドルを取り扱えなくなったり、アメリカ国内の資産が差し押さえられたりします。
その一方、ドルを取り扱わない金融機関やアメリカでビジネスをしていない企業は制裁の対象外でイランとの取引を継続できます。
いずれにせよ、今再び対米関係がぎくしゃくしているトルコにとって、これにどこまで従うかは重要です。従わずにアメリカから制裁を受ければ、ただでさえおぼつかないトルコ経済に再び強い負の負荷がかかります。
2019年4月、イラン原油を全面禁輸?
2019年4月22日、トランプ政権がイラン産原油の輸入を各国に認める特例措置を2019年5月2日で打ち切る方針だとの報道がありました。
これは日本や中国、インド、トルコなど8カ国・地域が対象になるものです。
もしイラン産の輸入を継続すればアメリカの制裁対象となるため各国は調達を手控える事になるでしょう。
そしてこれは原油価格の上昇につながる可能性があります。
アメリカ側の理屈は、イランからの供給減はサウジアラビアやアラブ首長国連邦の増産で補える、というもの。
元々アメリカは2018年11月にイランの石油部門を経済制裁の対象に加え、原油輸入をゼロにするよう各国に求めました。しかし、それを急にやると原油高と世界啓示への悪影響が懸念されたため、日本など8カ国・地域に制裁を適用せず輸入継続を認めていました。
ただ、制裁の適用除外は180日ごとに見直すルールがあり、5月2日がその期限にあたるわけです。
この措置に伴う原油市場の動向に要注目です。
議会選挙もジョコ陣営が60%確保
大統領選挙と同時に行われた国民議会議員選挙でも、ジョコ氏が率いる闘争民主党が約20%の票を得て第一党となる見込みです。
連立政権を組む他の与党と合わせて過半数の議席を確保する見込みで、得票率は陣営全体で約60%です。
これによりジョコ政権は、議会の後ろ盾も得た事となり、ひとまず大きな障害なく政策を推進する期待が持たれます。
中国共産党は国内景気に比較的楽観的な見方
中国共産党政治局は2019年第一四半期GDPは予想より良かったとの認識を示したものの、引き続き難しい内外情勢に直面しているとし、過度な景気回復への期待をけん制しました。
政治局は、
- 第1四半期の中国経済は全般的に安定し、予想を上回った
- 外部の経済環境は引き続き厳しく、国内経済に下押し圧力がある
- 辛抱強く事態にあたっていく必要がある
- 景気循環的要因と共により構造的、制度的なものも存在
- 財政政策はより積極的かつ効率的にすべきだとする一方、金融政策は穏健で、引き締めと緩和の適正なバランスを取る必要
原油市場は今後もアメリカの動向に左右される??
既報の通り、現在の原油市場は2018年下半期の供給過剰による価格下落がひと段落し、減産によって価格が上昇・安定している状況にあります。
しかし、この状況がずっと続くかというとそうでない可能性の方が現状は高いでしょう。
2019年内の需給は、アメリカに新設されるパイプラインの稼働時期次第となりそうです。
アメリカの原油輸出が大幅に増加するならば、OPECプラスは減産から市場シェアの拡大へと戦術の転換を迫られる可能性が高いと思われます。
そうなると、原油市場が再び供給過剰に陥るという事も考えられます。この場合、原油価格は1バレル=50ドル台にまで、再び下落する可能性も大いにあるでしょう。
OPECプラスが今年下半期の減産延長に係る決定を6月以降に先送りしたことは、OPEC加盟国がアメリカの産油量に注目している事の裏返しです。
原油に投資をしている方は引き続きアメリカの産油量又はパイプライン稼働状況に注目する必要がありそうです。
2019年4月20日
トランプ大統領の興味のある分野での成果を急ぐ姿勢
4月15日と16日の日米協議で、アメリカ側が来年の大統領選をにらむトランプ米大統領の関心分野での成果を優先する状況が浮き彫りとなりました。
農業と自動車に従事する有権者は大票田の中西部の州に多数います。
2016年の大統領選におけるトランプ氏勝利の原動力にもなった州で、大統領選の行方を左右すると言われています。
トランプ氏としては彼らをつなぎ留めておくためにも上記二分野での成果を急ぐのです。
日本政府もこうしたアメリカ側の、というよりトランプ大統領側の思惑に応えようとしています。それは、そうする事で日本側の懸案事項をできるだけ先送りしたいとの狙いがある為です。
アメリカは今回の交渉でも、直前に為替条項の導入をちらつかせて圧力をかけてきましたが、事実上の先送りとなりました。
為替や薬価、サービス分野に協議対象が広がれば、安全保障をアメリカに依拠している日本は押し切られかねないとの懸念が根強くあるのです。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯
新興国に5年で120兆円の資金流入、今後はその流出に懸念
ある調査会社によるとこの5年間で新興国に流れた海外の投資マネーは1.1兆ドル(約120兆円)に上るようです。
一つ注目されているのがパッシブファンドの資金です。
これは新興国全体といったテーマに基づき、国の規模等に応じて資金を投下していくものです。
多くの機関投資家や個人がETF等を通じてこのパッシブファンドに投資をしていて、これらが新興国に流れ込んでいる状況です。
IMFによれば「新興国債券」を対象としたパッシブマネーは8000億ドルと過去10年で4倍に膨らんだとの事です。
問題はこの資金がいつ逆回転するかということ。
世界景気の減速や株安が起これば、一気にそうした資金は流出する可能性があります。
しかも「新興国全体」という戦略でもあるため、個々の新興国の景気とは無関係に一斉に所かまわず流出に見舞われてしまう可能性があるのです。
急激な資金流出は通貨安によるインフレや企業の資金繰り懸念にもつながります。利上げで資金流出を食いとめようとしても、景気を冷やしかねません。
この問題は処方箋もないので放置するしかないのかもしれませんが、世界全体の資金の流れもよく理解しておく必要があります。
アメリカの中国系ハイテク企業の排除あらわ
アメリカが安全保障上の懸念を理由に、中国企業への締め付けを強化しています。
ファーウェイに続き、チャイナモバイルの参入を認めない異例の方針も示されました。チャイナモバイルは中国政府が直接管理する国有企業で、10億人を超える契約者の個人データを抱え、中国政府と一体で事業運営がなされていると言われています。
アメリカはこうした企業のスパイ活動やサイバー攻撃を警戒し、政府主導で対中包囲網を築いています。
今回の決定は米連邦通信委員会(FCC)と呼ばれるところです。健全な競争環境を重視するFCCが、安全保障を理由に外資参入を拒否するのは初めての事です。
中国からの報復も考えられ、米中双方の報復合戦に発展すれば、米中貿易戦争と相まって更なる混乱となる可能性があります。
2019年4月19日
インドネシア大統領選挙に関するレポートと記事多数
インドネシア大統領選挙に関するレポートが多数出ています。
以下のリンクからレポート一覧をご覧頂く事が出います。
ジョコ氏の再選、金融市場はひとまず歓迎
金融市場においてはジョコ・ウィ氏の再選が確実となったことを受けて、現状政策が続くとの思惑から通貨、国債、株式が上昇する『トリプル高』となり、金融市場からはひとまず好感されているようです。
但し、インドネシアが直面する経常赤字と財政赤字の双子の赤字はもちろん解消されておらず、バラマキ的な政策をエサに得票率を上げたジョコ大統領にとって、当然帳尻合わせで頭を悩ませることになるでしょう。
一歩間違えばすぐに海外資金は国外へ逃避してしまいます。引き続き細かくウォッチしていく必要があるでしょう。
新NAFTAの経済押し上げ効果
2019年4月18日に発表された米国際貿易委員会のデータによれば、新NAFTA(USMCA)は、自動車部品セクターを中心に米経済を緩やかに押し上げるが、米国の自動車生産を減少させる可能性があるとの分析結果を発表しました。
USMCAが完全に施行されてから6年後、アメリカのGDPはNAFTAのベースラインと比較して、年率0.35%(685億ドル)押し上げられるほか、17万人の雇用創出や輸出増加が実現する見通しとの事です。
まずはアメリカ議会でしっかり批准していくのが最優先ですが、このデータがその後押しになると良いでしょう。
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