ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

このブログは、

  • 依然高い利回りであるブラジルレアルに投資をしてみたいが、どういう所に気を付けたら良いのか分からない人、または
  • 既に投資をしているがここ最近のブラジルレアルの不調さを不安に思っていて、色々と調べている方

向けに書いている投資ブログです。

ここ最近低い水準で推移するブラジルレアル。利回りの高さからとても魅力的ですし、見通しを考えるとき、ここまで落ちているのだからもうそろそろ上がるのでは、と思ってしまいます。

筆者はバリュー平均法でブラジルに2016年から投資をしている個人投資家です。含み損を抱えている状況ですが、投資は継続しています。

ずっと投資し続けています。以下に書いてある通り、この国のポテンシャルを考えれば長期で見れば上がる可能性が高いと思っているからです。

このブログはブラジルの基本情報のみならず、最近ブラジルとブラジルレアルで何が起こっているか網羅的に知りたい人に向けて書いているものです。

ブラジルレアル、ブラジル株式のチャート

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まずはチャートを見てみましょう。

左上の「BRLJPY」がレアルー円、「USDBRL」がドルーレアル、「JZY0」ブラジル株式の代表的指数であるボベスパです。

クリックする事でご覧いただけます。

期間:直近5年(出所:TradingView)


2014年は1レアル=50円位だったことも考えると、かなりレアル安になっています。

レアルは2020年5月下旬以降急反発

ブラジル・レアルは、年初から5月13日までに対米ドルで32%下落したものの、そこから6月上旬までに20%程度上昇しました。

要因

反発の要因として、

  1. 世界的な投資家心理の改善
  2. 国内の政治的不透明感の後退
  3. 実需の資金フローの改善

などがあげられそうです。

ブラジルでは引き続き新型コロナウイルス問題の収束の目処は立っておらず、投資家を不安にさせています。

しかし、相対的な経済の弱さは貿易収支を改善させ、また、渡航制限の継続もブラジルのサービス収支にとっては好材料となります。

単に新型コロナウイルスの新規感染者数が多いことや経済の弱さが通貨安に直結するとは限らないと言えそうです。

2020年5月にはボルソナロ大統領の汚職疑惑で最安値を更新

2020年5月12日、レアルが対ドルで前日比1.1%安の1ドル=5.88レアルで取引を終え、ブラジル市場の終値で最安値を更新しました。

対円では1レアル=18.01円程度でこちらも最安値です。

ボルソナロ大統領が家族のために警察人事に介入した証拠が出たと地元メディアで報じられ、通貨安が進みました。

新型コロナウイルスによる1日の死者数も過去最多を記録し、政治や経済の混乱が嫌気されています。

レアル投資家にとって受難の状況が続きます。

今後のレアル相場については、当局の通貨安けん制姿勢が下支え要因となるとみられる一方で、大統領を巡る政治動向がマイナス方向に働きそうです。

大統領の言動を巡る政局の混迷は、国内で急拡大するコロナ禍への政策対応の妨げになるだけでなく、構造改革の進展にも悪影響を及ぼすと懸念されます。

ここに加えて上記の汚職疑惑が続きます。

まずはコロナ感染者の拡大がどこまで進むのかに注目する事になりそうです。

感染拡大が進めば、結局その影響が多方面に出て最安値更新が続く可能性があります。

2020年5月時点での水準は、レアルの実質実効為替レートの過去10年平均に対し約30%以上割安な水準にあるとのレポートもあり、時間分散をきかせて仕込むのもありです

3月と4月も最安値を複数回更新

世界的な大暴落が起きた3月6日以降、ブラジルにも大きな影響が及びました。

サウジアラビアとロシアの減産協議が3月6日に不調に終わると、レアルは大きく下落し、6日だけで下落率は9%程度に達しました。

その後、何度もレアルは史上最安値を更新し、もはや底が見えない状況になりつつあります。

ただ、こういった所で時間分散をきかせて少しずつ拾っていくというのが長期的な成功の秘訣です。

史上最安値については記事の下の方で言及していますのでご参考ください。

2020年4月以降もコロナウイルスが引き続き重しに

ブラジルレアルは4月に入ってもコロナウイルスの直接・間接的な要因でなかなか上値が重そうです。

中国での新型肺炎流行による景気減速懸念を受けて2020年初頭からレアル相場には下落圧力が掛かっていましたが、そこにコロナウイルスの間接要因であるOPECプラスの協調減産瓦解による原油市況の低迷が重なり、レアルはかなり厳しい状況となっていました。

足下も基本構造は変わっていません。

OPECプラスによる協調減産期待から底打ちしているものの、既に企業マインドは過去最低となっており、新型肺炎流行に伴う景気悪化や、財政悪化懸念はレアル相場にとって大きな重しです。

コロナウイルス蔓延に対する経済対策

支援策の総額は7500億レアル

2020年3月26日、ボルソナロ政権のパウロ・ゲデス経済相が政府の景気支援策は中銀・公的銀行による資金支援策も含めると総額7,500億レアル(GDP比10%、約15兆円)に達するとの見通しを示しました。

既に政府が計画済の新型コロナウイルス関連の支援策は、総額3,876億レアル(約7.8兆円)という規模になっています。

これには、経済弱者対策や雇用維持対策、医療支援策、州・地方政府への財政支援などの幅広い政策が含まれています。

2020年7月、ボルソナロ大統領自身もコロナに感染

2020年7月7日、ボルソナロ大統領は新型コロナウイルスの検査を受けて陽性反応が出たと発表しました。

ボルソナロ氏はこれまで新型コロナを「ただの風邪」だと主張し、都市封鎖を批判したり、マスクを着用せずに支持者や閣僚と接触していました。

同大統領は、感染が分かった後も、調子は普通だと述べ、重症ではないとアピールしました。

当面、テレワークで職務を継続するという事です。

重症化して国政が混乱しない事が望まれます。

2020年6月には大半の商業施設で営業再開

ブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっていないものの、政府は過去数週間、徐々に規制措置を緩和しています。

2020年6月9日、ブラジル・ショッピングセンター協会は国内の大型商業施設577カ所のうち、半数以上が営業時間を短縮してすでに再開したと発表しました。

営業を再開したのは133都市の298施設です。

多くの州都が経済活動再開に向けて準備を行っているため、今後数日内に一段と再開する店舗数が増加するとみられるという事です。

隔離政策に対する批判も

ブラジルは中南米で最も感染が深刻で、サンパウロ州やリオデジャネイロ州など多くの州は外出自粛令を出し感染防止に動いています。

大多数の国民は隔離政策を支持しているようですが、ボルソナロ大統領は経済活動を優先すべきだと主張し、支持者が呼応した形で抗議活動も広がっています

特に個人事業主を中心に、十分な所得補償がないなどを理由に反対論が根強く、社会の分断が深まっています。

ボルソナロ大統領は一貫して隔離政策に反対する立場で、抗議活動をあおっているとの批判も強く、議会でも問題視されているようです。

当然、議会で少数派になっているボルソナロ氏が、これ以上議会で敵を増やすと今後の改革推進が怪しくなってきてしまいます。

ブラジルの通貨、ブラジルレアル

  2020年のブラジルレアルの見通しは・・・

新型コロナウイルスの影響がどこまで及ぶのか、ボルソナロ新政権の改革の進捗、米中貿易合意に伴うブラジル輸出の影響でしょうか。

新型コロナウイルスの影響がなかなか収束しない中、世界同時株安マーケットクラッシュが起きてブラジルレアルも恐ろしいほど売られています。

2020年3月におけるマーケットはもはや投げ売りに近い状況でしたので、こういった時は冷静になって丁寧に下値を拾っていくべきでしょう。

ボルソナロ大統領の改革については手始めとなる年金改革は2019年10月に成立しました。

次は財政や税制改革です。内容は下の方に記していますので、そちらもご参考ください。

上記についても憲法改正が必要なものがあり、議会対策など、政治的なポイントがいくつもあって、それいかんによってブラジルレアルは大きく揺れ動く事でしょう。

今回のコロナウイルスの様に、内政のみならず外部要因でも脆弱な動きをする場合がありますから、引き続き外部要因にも注意しておくべきです。

注意
財政改革の成否如何で乱高下するかもしれない事を考えれば、単純にブラジルの成長期待というだけで投資すると短期では大きなリターンを得れない可能性も高いかもしれません。

やはりオススメはじっくり腰を据えて一定程度の金利収入を確保しつつ気長に押し目買いをしながらリターンを積んでいくといった所が正攻法ではないでしょうか。

仕込むタイミングは政治的な情勢をしっかり見据えておくことが大切でしょう。

ブラジルレアルの今後の見通しというテーマで記事を別途作っていますので、そちらもご参考ください。

【2020年7月】中長期的に見れば買って良いブラジルレアルの現状と今後の見込み

米中貿易摩擦第一段階合意の余波でレアル安に?

2020年1月、ブラジルの通貨レアル相場は頭打ちする対照的な展開をみせていますが、これは米中貿易摩擦の合意第一弾が影響していると思われます。

ブラジルは米中摩擦の背後で中国向け輸出を拡大させていましたが、今回はその逆回転といった所でしょうか。

米中合意に伴う中国の米国産農産品輸入拡大の「しわ寄せ」がブラジル経済にとってはマイナスとなり、それが嫌気されてレアルが売られる、といったものです。

ここ最近はインフレ率も底入れして追加緩和余地が限られる一方、政府は通貨安を容認する姿勢を示すなど相場の上値は重い状況です。

こうした中では、構造改革の進捗が引き続き試されるかもしれません。

2019年後半、株は上昇したのにレアルが売られた理由

年金改革以降、株は最高値を更新した一方、レアルは対ドルで最低値を記録するなど弱くなっています。背景には政治的な要因がありそうです。

2019年10月以降、年金改革成立を受けて、税制など企業業績面でプラスに繋がるさらなる構造改革が前進するとの期待が高まり株価は最高値を更新しました。

しかし、レアル相場は対照的に上値が重く、対ドルで過去最低値を記録したりしました。

この背景には、

  • 与党PSL内での派閥抗争が激化するなどの動きが表面化したこと
  • 収監されていたルラ元大統領が釈放され『反ボルソナロ』派の結集を呼び掛け、政界再編を目指す動きを活発化させたこと
  • 中南米諸国での反政府デモの動きが伝播し政治的に不安定な状況が続くのではないかという懸念があったこと
  • アメリカがブラジルに対して鉄鋼の関税引き上げを表明したこと

がありそうです。

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レアル投資家は、株投資家と比べて少し慎重になっていたという所でしょうか。

こうした低い所で少しずつ拾っていくのが長期投資の王道です。

ブラジルレアルの長期的な見通しは?ブラジルレアルの底は?

今後の見通しを考える場合、まずは直近の最下限はどこなのかを知っておく必要があります。

それは、

2020年5月12日 1米ドル=5.88レアル
2020年5月12日 対円で1レアル=18.0円で史上最安値を更新

の二つですが、最安値を更新したばかりであまり意味がないですね。。。

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こういう時は冷静になって下値を丁寧に拾っていくというのが個人的なおススメです。

世界的な大暴落が起きた2020年3月9日、ブラジルにも大きな影響が及びました。

その後何度も最安値を更新しており、もはや底が見えない状況になりつつあります。

マーケットがとにかく投げ売りの状況となっており、感情的になっています。

こういう時こそ落ち着いて丁寧に下値を拾っていきたい所です。

ブラジルレアルの今後の見通し

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繰り返しになりますが。。。

今後の見通しを考える場合、まずは直近の最下限はどこなのかを知っておく必要があります。

それは、

2020年5月12日 1米ドル=5.88レアル
2020年5月12日 対円で1レアル=18.0円で史上最安値を更新

の二つでしょうか。

2020年5月時点では、

1米ドル=5.8レアル台
1レアル=18円台

となっています。

既に最安値を更新しているので、どこまで下がるか見守るしかありません。。。

当面コロナウィルスに伴う報道に左右されそうですが、それゆえ、その問題が収束すればいくつかの点で以下の点で回復する見込みがあります。

まず、レアルの割安感が挙げられます。

レアルはこれまでの下落で割安感が強まっており、レアルは実質実効為替レートの過去10年平均に対し約30%割安な水準にあるとのレポートもあります。

また、比較的余裕のある外貨準備も味方になるでしょう。

ブラジルの外貨準備高は2020年3月現在で約3,300億米ドルとなっていて、必要となれば為替介入に活用することが可能です。

既に年初来からの下落率は10%に達し、感情的になっているマーケットの時こそ買い場です。

ただ、感情的に投げ売りされている所もあるのではないかと思いますので、冷静になって仕込んでいくのもありかと思います。

ビッグマック指数(≒購買力平価)で考えた場合のBRL

もう一つ、通貨が割安か否かを考える時のツールであるビッグマック指数と実際のレートを検討してみましょう。

ビッグマック指数の説明等は↓をご参考ください。

割安な新興国通貨はどれだ??購買力平価(ビッグマック指数)で考える簡単チェック

日本のビッグマックは390円、ブラジルでは17.5ブラジルレアル(2020年2月現在)。

1BRL 22.28円(2020年2月末時点)

が購買力平価説を基にした簡易的なブラジルレアル・円の為替レートになります。

こうした所からすると今の為替レートは高めになっているという事ですね。

ブラジルレアルの急落・暴落の可能性は?

2018年7月のトルコショックの様に、極端なレアル安になる可能性はあるのか。

もちろん可能性はあります。

まずは政治の混迷です。

何度も繰り返しになってしまいますが、ボルソナロ政権がしっかりと政治改革を遂行できるか。

注意
例えば、汚職疑惑などで国会が空転したりすると、前政権や前々政権の様に遅々として物事が進まず、そのままレアルも下降といった事になりかねません。

もう一つは、やはりグローバル経済の低迷です。

貿易摩擦問題や、その他世界政治に絡む問題でリスクオフになったりすると新興国通貨はまず売られてしまいます。

例えば、2019年8月などには、なんとなくブラジルの内政(改革の進展など)などよりも米中摩擦の激化やアルゼンチンペソの急落といった外部要因でブラジル経済が危ぶまれる感じが強くなっていました。

もっともこれはどの新興国通貨にも言える事であり、ブラジルレアル特有の問題ではありません。

ブラジルレアル安の理由、政治の混乱

2015年に史上最安値を更新した背景として、政治の混乱がありました。

現在も大統領選挙は混とんとしているので、政治不安につながるともっと大きな下落圧力につながる可能性があります。

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当時ブラジルレアルが回復したのは、ルセフ前大統領が辞職し、テメル大統領代行の大統領昇格となった後、政治機能の回復が見られたためです。
MEMO
2019年においてお政治が重要テーマであることは変わりありません。まずは年金改革の行方を見守る所からです。

ボルソナロ氏の政治リスク

ボルソナロ政権の改革を進める上で国民からの支持は欠かせませんが、ボルソナロ氏がめちゃくちゃクリーンな政治家なのか、というと必ずしもそうとは言い切れません。

実際に、不支持率が支持率を上回る状況が続くなど、決して好調というわけではありません。

特に与党内では大統領の息子達が幅を利かせたり、身内重用も目立っていて、こうした行動が支持率低下に拍車をかける可能性があります。

ブラジルの大統領は、スキャンダルで常に世間から見放され、下野する事が多かったこともあり、この問題に継続的に注意していく必要があると思われます。

コロナウイルス対策を巡って議会と対立

コロナ感染対策を巡り、ボルソナロ大統領と議会や州が対立しています。

ボルソナロ大統領は都市封鎖など経済活動の制限に反対する一方、州政府や一部閣僚(マンデッタ保健相)は経済活動の制限を求めており、対立が激しくなっています。

こういった政治の対立がブラジル財政懸念を悪化させる恐れもあります。

新型コロナウイルス対策として、財政支出が拡大するのはしょうがありません。

ただ、事態が落ち着いた後、再び財政改革に戻れるかは、ボルソナロ政権と議会の関係が良好でない後ダメでしょう。

そうすると、ブラジルレアルが更に軟調になる可能性があります。

ブラジルの保健大臣が再び辞任

2020年5月15日、ブラジルのタイシ保健相が辞任を表明しました。

新型コロナウイルス危機が始まってから保健相の退任は2人目です。

中南米で最も深刻なコロナウイルス感染状況となる中、ブラジルの危機対応を巡る混乱は一層深まる可能性があり、目が離せません。

政治的な混乱を嫌気して外国人投資家は逃避

2020年6月現在、株式・債券市場の外国人投資家が政治的混乱を嫌気して資金を引き揚げ続けています。

外国人投資家は2月から5月までの4カ月間にブラジルの株式市場から118億ドルの資金を、2月から4月にかけては債券市場から187億ドルをそれぞれ引き揚げたようです。

ブラジルから国外へ流出した資金は、大半の新興国からの流出を大きく上回っています。

新興国全体としては、3月にほぼ830億ドルの資金流出に見舞われたものの、投資家が先進国で得られるより大きなリターンを求めたことから、4月と5月には計230億ドル近い資金が戻ってきて、一部には資金の流れに反転もみられます。

一方でブラジル人はブラジルに楽観的です。

外国人投資家は株式・債券市場から大量の資金を引き揚げたものの、ブラジル人投資家がほぼ同じ額を市場につぎ込んだと見られます。

外国人投資家の資金がいつ戻ってくるかが、ブラジル資産の戻りを試すポイントになりそうです。

年金改革の次は?? 行政・財政改革案の概要を発表

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では、年金改革の次は何が来るのでしょうか

2019年11月5日、ブラジル政府は行政・財政改革案の概要を発表しました。

概要

  • 公務員の給与に代表される硬直化した予算の仕組みを改め、財政を立て直すこと
  • 国から地方自治体への税の配分の仕方の見直し

等です。

10月に成立させた年金改革法案に続く重要課題として、2020年の成立を目指します。

課題

この改革は市場からの評価は相当高いですが、実現には憲法改正が必要で、かなりの抵抗も予想されるため、一筋縄ではいかないでしょう。

ブラジルでは公務員給与や教育関係予算など支出が固定化していて、歳出削減の余地が乏しい問問題がありました。

これを新たな改革案では労働時間と給与を削減できるようにして、柔軟性を持たせます。

政府案が実現した場合、初年度に247億8000万レアル(約6750億円)の予算削減効果が見込めるという事です。

税収の配分も見直します。

予算不足でインフラや治安の維持に苦労する州が多い中、公共政策を地方分権型に移行させて構造を抜本的に変えるという事です。

注意

上記提案の実現には憲法改正が必要で、上下院で議席の5分の3の協力を得る必要があります。年金改革と同様に、時間がかかるでしょうし、どうやって議会を説得していくかという問題が立ちはだかります。

懸念されるアマゾン森林火災問題、長引けば経済の重荷に

2019年8月に発生したアマゾンの森林火災が拡大するなか、ブラジルとヨーロッパの対立が改善しません。

そもそもの対立点

ボルソナロ大統領は経済成長のために森林開発を進めたい一方で、ヨーロッパはアマゾンを保護すべきだと主張している事です。

ヨーロッパがかなり深い懸念を示している事に、ボルソナロ大統領は内政干渉だと強く反発しています。

このまま行くとどんなリスクがあるのか

ヨーロッパとの関係悪化がさらに進むと、経済成長の足かせとなるリスクも出てくると思われます。

ボルソナロ氏は「アマゾンはブラジル国民のものだ」と繰り返し訴え、ヨーロッパ、特にフランスのマクロン氏を念頭に「植民地主義を思い起こさせる」などと発言したりして、少し感情的な様相も帯びています。

ブラジル政府は、今が焼き畑の時期にあたり、火災は例年並みだと主張しています。

ブラジル国立宇宙研究所によれば、今年のアマゾン地域での火災発生件数は直近のピークだった2010年の6割程度との事です。

注目を浴びる理由

国際的な関心が集まるのはボルソナロ氏の姿勢に原因がありそうです。

ボルソナロ氏は地球温暖化に懐疑的で、環境保護より経済開発を優先しています。

ボルソナロ氏の環境問題に関する言動

  • 2018年の大統領選ではアマゾンの土地売買や農地開発を容易にする規制緩和を行うと公約
  • 政権発足後、道路を舗装し、農牧地や鉱山の開発を後押し
  • 違法伐採を監視する政府機関の予算を削減
  • それまで違法だった金の違法採掘を合法化し、国が管理する方針も提示
  • 上記の行動から、政権が森林開発を容認したと受け止められ、違法伐採や焼き畑が急増

ブラジルは南部に産業が集中していて、森林が広がる北部は貧しい事で知られます。

歴代政権は、この格差を分配によって解決しようとしてきましたが、ボルソナロ氏はそれを経済振興によって成し遂げようとしているのです。

ただ、このままボルソナロ氏が強硬姿勢を続けると経済にも悪影響を及ぼしかねません。

すでに欧米の衣料・靴メーカーがブラジル製素材の発注を停止する方針を発表しました。

EUと、ブラジルを含む南米4カ国のFTAも見直しの検討が公然と言われる等、成長戦略の根幹とするFTA網の拡大にも黄信号がともり始めています。

最初はなんてことないと思っていたアマゾン森林火災問題は、意外に政権を大きく揺らしそうです。

コロナの影響でアマゾンの伐採が加速

コロナ禍以降、アマゾン熱帯雨林で森林伐採が加速しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により警備が手薄となり、伐採面積は前年同期を3割超えるペースで広がっているようです。

森林開発を促す法改正も進みつつあって、FTA締結で合意した欧州を中心に反発が出ています。

去年からずっと話題になっているこのテーマは、中長期的にブラジルの経済政策にも影響を与えるかもしれません。

ブラジルの金利

2020年6月時点の政策金利 2.25%

2019年7月に約1年4カ月ぶりの利下げをして以降、ブラジルの金融政策は緩和局面と言えるでしょう。

2020年6月、0.75%の利下げ

2020年6月17日、ブラジル中央銀行は政策金利を0.75%引き下げ、過去最低の年2.25%としました。

新型コロナウイルスの感染拡大で経済の苦境が続く中、金融政策で景気を刺激します。

0.75%の下げ幅は前回会合に続く水準で、利下げは8会合連続です。歴史的に高金利国のブラジルとしては過去に例のない低金利となります。

中銀は声明で

「普通ではない、強い金融刺激策が推奨される」

と今回の利下げの目的を説明しました。

また、中央銀行は景気支援に向けた追加緩和策の余地が幾分あると指摘し、今年のインフレ率が目標を大幅に下回る水準で推移し、来年も目標を下回る見通しであることを踏まえて、今後数カ月に追加緩和を実施する可能性を示唆しました。

中央銀行は2020年、2021年のインフレ見通しを、それぞれ2.0%、3.2%としています。一方で、中銀のインフレ誘導目標(中央値)は、2020年が4.00%、2021年が3.75%と、インフレ見通しを大幅に上回っています。

この追加利下げの余地についてのコメントについては、追加利下げがあったとしても0.25%ポイントの小幅なものにとどまると思われますが、今回で利下げサイクルの終了を見込んでいた市場参加者にとってはややサプライズの内容だったと思われます。

2020年末政策金利予想は2%

2020年5月現在の、年末時点の政策金利の予想は、2%台前半です。

また、今年のインフレ見通しも一段と下方修正されました。

元々は4.25%で利下げ打ち止めと考えられていたが・・・

ブラジル中銀のインフレ率のシナリオは、20年は3.5%、21年は3.8%です。

前提は為替レートは1ドル=4.25レアルが続く、というもので2020年3月時点では4.3レアルを超えていますので、想定を超えたレアル安です。

政策金利は4.25%から21年末には6%に引き上げるとしていました

別のシナリオでは、為替の前提は同じですが、政策金利を4.5%に維持するケースが示されています。

この場合のインフレ率は20年は3.5%で先のシナリオと同じですが、21年は3.8%になるとの試算を示しています。

どちらにしても、ブラジル中銀のインフレ目標である4.25%±1.5%を満たしています。

足元のインフレ率を見ると12月は前年比で4.3%となっており、既にブラジル中銀の見通しを上回っています。

中銀は政策金利の水準について、以前から緩和的水準(中立金利を下回る)と述べていました。

このため、インフレを考えるなら一段の利下げはないでしょう。

しかしコロナウイルスと米中貿易合意に伴うブラジルの対中輸出の影響が大きいと、景気後退懸念が更に強まり、利下げをもう一段するという可能性もありました。

利下げ局面終了後は量的緩和の行方に注目

コロナウイルス対策のための利下げ一巡後は、量的緩和策導入の行方に注目が集まりそうです。

次回の利下げは小幅になると中銀は言っていますが、マーケットでは0.75%の利下げとなるとの予想もあり、そうなると2.25%という金利になります。

本当にそれで終わるかどうかは分かりませんが、いずれにせよ金利引き下げの余地は少しずつなくなってきています。

利下げ一巡後は、国債および社債の買い入れなど含む量的緩和策導入の行方に注目が集まりそうです。

ブラジルの政策金利の推移は↓

【最新】ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~

ブラジルの金融政策-インフレターゲット

ブラジルの中央銀行は、インフレターゲットなる考え方を導入しています。

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これは、国の物価上昇をこれくらいにするように金融政策の舵を取る、といったようなこと。

これまで高いインフレ率に悩まされてきたブラジルはこうする事でなるべく安定した物価を維持しようと躍起なわけです。

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因みに、2019年は4.25%許容範囲±1.5%です。

日本もこれに倣ってインフレターゲットの様な事を黒田総裁から始めていますが、デフレに悩む日本とは逆です。

2022年からのインフレ目標、中央値を4.25%から3.5%に変更

2019年6月下旬、国家通貨審議会が開かれました。

ここで2022年のインフレ目標を3.5%(許容範囲±1.5% ) とすることが発表されました。

これまでと違って、そこまでインフレに悩まなく良くなった状況となっているようです。

貿易摩擦問題

2019年12月20日、アメリカのトランプ大統領はボルソナロ大統領に対し、ブラジルからの鉄鋼・アルミニウム輸入への追加関税の発動を見送ると伝えました。

背景

トランプ氏は12月2日、ブラジルとアルゼンチンが自国通貨の操作で米国の農家の利益を損なっていると主張し、両国から輸入する鉄鋼・アルミへの追加関税を直ちに発動させると表明していました。

しかし、トランプ大統領は2019年12月20日、ボルソナロ大統領と電話での貿易協議を行い、その中で同関税を賦課する事を見送ると伝えたようです。

一瞬、ブラジルの新たな課題として認識されかけ始めましたが、何とか杞憂に終わったようです。

元々のアメリカの主張

ブラジルが自国通貨を切り下げてアメリカの輸出品が不利を受けていると主張しています。

確かに、レアルは2019年初から12月までの間に対ドルで1割安い水準で推移し、11月下旬に最安値を更新しています。

ただ、これはどちらかと言うと選挙対策の色合いもあるかもしれません。

保護主義的な政策を打ち出して、業績悪化に苦しむ鉄鋼メーカーや、中国との貿易戦争で打撃を受ける農家にアピールする、というものです。

これを受けて、ボルソナロ大統領は同じ日に

「私はこれは報復ではないとみており、私はトランプ氏にアルミ価格への関税で罰することのないように話す」

とコメントしています。

アメリカにおいて鉄鋼の輸入相手国のうちブラジルはカナダに次いで2番目に大きく、19年1~9月期の輸入量は前年同期比1割増えたという事です。

ブラジル株の現状

ブラジルレアルの代表的指数ボベスパはページ最上部のチャートと合わせてご覧ください。

低金利下で株式への資金流入が続く

2020年6月現在、ブラジル中銀による積極的な利下げを受けて、低水準の国債利回りが長期化する観測が増し、高い投資リターンを求めて株式型ファンドへの資金流入が続いています。

2020年1-4月の株式型ファンドへの純資金流入額が年率換算値で1,383億レアル(約2.8兆円)へ拡大するなど、ブラジル株式への投資需要が高まっているようです。

ただ、これもコロナウイルスの感染拡大状況を見ながらの動きになると思われ、感染拡大をどうやって抑え込めるかという点への注目は引き続き高いでしょう。

コロナウイルス相場時のブラジル株式市場の状況

2020年3月のブラジル株式市場は他国の株式相場と同様大きく売られています。具体的な状況はどうなっているでしょうか。

急落を主導する大きな要因は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大懸念による世界経済の不透明感です。

これを嫌気した海外投資家の資金流出がブラジル株式を軟調にしていると考えられます。

2020年のブラジル株式市場における海外投資家の累積資金流出額は、既に約1兆円を超えています

これは既にリーマン・ショック時を上回るレベルなのです。

割安感が少しずつ出ている?

ブラジル資産に割安感も生まれつつあります。

どこまで景気後退があるのか慎重に見極めなければなりませんが、少なくとも現時点でのブラジル株式の12カ月先予想PERは、10倍台と、2019年5月以来の低水準まで低下しています。

新型コロナウイルスの影響の度合いが徐々に分かってくる中で、相場環境が安定化する過程では、ブラジル株式が見直される可能性もあると思われます。

2020年3月9日の大暴落

2020年3月9日の週でブラジルの主要株価指数ボベスパは大暴落し、1年7か月分の上昇が一気に無くなりました。

背景

他国同様、新型コロナウイルスの懸念深刻化による売りが殺到したためです。

3月12日の取引時間中では、2度にわたりすべての株式売買を中断する措置(サーキットブレーカー)が発動されました。

これで前週末比からの下落幅は約26%となり、1年7カ月分の上昇分が帳消しとなりました。

【ボベスパの推移(2019年12月15日~2020年3月13日)出所:TradingView】
今週同措置が発動したのは3日目です。
地元メディアによると、1日に2度の発動は2008年の金融危機時でも実施されておらず、1日の下落率としては22年ぶりの大きさだという事です。

ブラジル債券への投資は?

ブラジルへの投資で最もポピュラーなのはブラジル国債などの債券投資でしょう。

これ以外にも例えば公的機関(例えば世界銀行)などが、ブラジルレアル建ての債券を発行したりしていますが、大体同じくらいの利回りになっています。

短期金利が6.5%程度という事で、高い利回りを求めている人には引き続き魅力のある投資先ではありますが、今投資をするのは、やはりブラジルレアルの為替益狙いという性格もかなり持つことになるでしょう。

為替は全ての要因が複雑に絡み合って、価格形成がなされます。すべてを把握するのは不可能ですが、大まかな所だけでもポイントを押さえて投資する事が重要です。

因みに、ブラジル債券への投資は証券会社で買うことが出来ますし、売買タイミングを縛られたくないなら投資信託が一番良いでしょう。

ブラジルの大統領と選挙

ブラジルの2018年大統領選挙は紆余曲折ありました。

ボルソナロ大統領がどの様な人間かを知る為に大統領選挙の戦い方を知る事は良い材料となるでしょう。

参考図書として大統領選挙の経緯をまとめたものをご紹介します。

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2019年1月 ボルソナロ氏が新しい大統領に就任

2019年1月1日、ジャイル・ボルソナロ新大統領(63)が就任し、就任演説を行いました。

低迷する経済を構造改革路線で立て直すと強調し、外交では米トランプ政権と接近し、キューバやベネズエラなど反米諸国と対立する姿勢を鮮明にしました。

ボルソナロ氏は首都ブラジリアの議会で宣誓し、経済について「政府は収入以上に支出しない」と述べて財政再建に意欲をみせるとともに、市場開放や自由貿易などの重要性も強調しました。

また、「官僚主義を排除し、生産者や労働者から負担を取り除く」と述べ、構造改革にも意欲を燃やしました。

これらについて、いずれも投資家にとってはとても良い響きですがどこまで実現させるのかが最も重要です。

2018年大統領選挙

ブラジルの大統領選挙について他候補の動きや状況等をより細かくまとめた書籍があります。

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2018年ブラジルの大統領選挙のまとめ

BRICSの一国 ブラジルの経済・産業

経済は南米トップ、世界トップ10に入る規模

ブラジルのGDPは2兆ドルを超え世界トップ10に入る経済大国で名実ともに南米トップの国です。経済規模だけでいうならばカナダより大きく、イタリアと同じくらいになっています。

2020年1-3月のGDPは▲1.5%

1~3月期の実質経済成長率は前期比1.5%減で、5四半期ぶりのマイナス成長となりました。

国内経済への直接的な影響は限定的でしたが、輸出低迷に引きずられる形で製造業・サービス業ともふるいませんでした。

回復途上にあった家計消費も低迷していて、新型コロナの影響が出始めています。

家計消費は13四半期ぶりにマイナスです。

輸出が前期比0.9%減とマイナスに転落して、国内経済に波及しました。
ブラジルは15~16年のマイナス成長から回復途上にあった所が、新型コロナで冷や水を浴びせられました。

2019年の経済成長率

2020年3月4日に発表された2019年のGDPは前年比で1.1%増でした。

伸び率は17~18年の1.3%から微減となりました。

理由

隣国アルゼンチンの景気低迷や中国でのアフリカ豚熱(ASF)のまん延で、経済をけん引してきた輸出が減少に転じた為です。

政府は20年に2%台の成長を目指していますが、新型コロナウイルスの影響もあり、達成は微妙な感じになっています。

輸出がマイナスとなるのは5年ぶりで、最大の貿易相手である中国への飼料用大豆の輸出が大きく落ち込んだのが響きました。

IMFは2020年の成長予想を▲5.3%と予想

2020年4月14日発表のIMF世界経済見通しでは、2020年のブラジルの成長率が▲5.3%になると見込まれています。

もちろん前回から大幅に下方修正されたものです。

また、2021年は+2.9%にとどまり、新型コロナウイルス問題が終息しても景気回復は緩やかになるとの見方が示されています。

直近の調査ではマイナス6.5%成長、中銀調査

2020年6月8日、ブラジル中央銀行が発表した週間市場調査によると、2020年のGDP成長率見通しは平均マイナス6.5%となり、17週連続で悪化しました。

前週の調査ではマイナス6.25%と予想されていました。

今回の数値は、政府見通しのマイナス4.7%をほぼ2%ポイント下回った数値です。

中央銀行は2020年第4四半期から回復と予想

 2020年4月18日、ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁はブラジル経済が2020年第4四半期から回復しはじめるとの予想を示しました。

総裁はインタビューで

「第4・四半期には改善するだろう。問題は第3四半期にどの程度影響があるかだ」

と述べました。

ブラジルの感染者数は中南米最大ですが、ボルソナロ大統領は新型コロナの深刻さを繰り返し否定し、経済被害はウイルスより多くの人を殺すとして、隔離政策を批判しています。

こうした政治の混乱が回復を遅らす懸念もあります。

フィッチが見通しをネガティブに(2020年5月)

2020年5月5日、フィッチはブラジルの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。

フィッチはブラジル経済が今年4%のマイナス成長に陥ると予想しており、リスクは依然下向きとしました。

また、財政状況の急速な悪化や政治リスクの高まりも指摘しました。

2020年の財政赤字は対GDP比13%に拡大すると予想しています。因みにこれはブラジルと同じ「BB」格付け国の中央値(同6.8%)のおよそ2倍だそうです。

景気浮揚のための歳出増をどこまで許すか

2019年後半現在、ブラジルの景気は厳しい状況なわけですが、これに対するボルソナロ大統領の対応が注目されます。

ボルソナロ大統領は大統領選挙時に財政再建を公約の一つの柱としていた事から、他のポピュリズム政権と違ってのべつ幕無しの歳出増は出来ません。

ただ、景気低迷に伴う歳入鈍化を受けて、財政状況はひっ迫度合いを増している状況でもあります。

そこで大統領としても景気浮揚で税収アップを図るべく、政権の経済チームに対して歳出の伸びを前年のインフレ率以下に抑えることを定めた歳出上限法の見直しを指示したようです。

ただ、この法律改正には議会承認が必要です。

議会は同法及び経常歳出に向けた国債発行の禁止、プライマリーバランスの達成を財政政策の柱とみる傾向があり、なかなか実現が難しそうな情勢です。

心配なのは、仮にそれが可決してしまった時にマーケットがどう反応するかということ。

実現すれば金融市場では財政健全化に向けたストッパーが外れたと見る可能性もあり、そうなると年金改革でレアルが上昇する事を我慢して見守っていた投資家を裏切る事になる可能性もあります。

ブラジルの人口

人口も多く、その数は約2億人です。しかし、人口が多いので一人当たりのGDPになると8700ドル(2017年)ほどと、世界でも70番目くらいの位置です。出生率は1.8程度で新興国の中では少し低めかもしれません。

ブラジルの農業

ブラジルの第一次産業のGDPに占める割合は約5%です。

広大な国土、温暖な気候、多くの水資源を有しているため世界有数の農業生産国となっています。

現在の耕地は約8,000万ヘクタールあると言われており、更に耕地利用が可能な土地も数多くあるため、海外から注目されています。

有名な生産品はやまりコーヒー豆。これは世界第一位です。

他にもさとうきび、オレンジも世界第1位です。大豆、たばこ、牛肉、鶏肉なども盛んに生産されており、いずれも世界第2位、とうもろこしは世界第3位の生産量をほこります。

因みに、NAFTA交渉の影響で、メキシコへのトウモロコシ輸出が急増しています。

資源国としてのブラジル、中国の影響も注意

鉱工業の分野では、南米の生産の約60%を占めています。ブラジルは、資源が豊富な国で、特に鉄鉱石には強みがあり、産出量は世界第2位と、輸出余力もかなりあります。

ちなみに、鉄鉱石の輸出を担っているのがヴァーレという会社で世界4大鉱物メジャーの一つになっています。

この鉄鉱石の一大消費地は中国ですので、その価格は中国の需要が変動要因の一つとなります。

中国は産業合理化を行う為、過剰な設備の廃棄を行っており、鉄鋼生産量が減少傾向にあります。

中国の政策もブラジル投資を考えるとき重要です。中国に関するブログは以下をご参考にしてください。

中国のブログ

鉄鋼の大きな輸出先であるアメリカの保護貿易政策の件については、ブラジルは適用除外の扱いを受けています。

ブラジルは石油の産出もしています。

ペトロブラスという会社が海底油田の探索に成功し、自給のみならず輸出も行えるようになりました。

科学技術の発展にも注力

ブラジルは、南米で最も発達した工業国でもあります。

ブラジルの工業分野は、自動車、鉄鋼、コンピュータ、航空機など多岐にわたります。これらブラジルの科学技術の発展は、外資の導入を誘致することに成功したと言われています。

日本も多くの企業が現地法人を設立したり、工場を持ったりしています。

今後も経済発展するための素地は既に持っていると言えるでしょう。

ブラジルのインフラ劣化に伴う経済への悪影響

2018年以降、とにかくブラジルで橋やダムなどインフラのトラブルが頻発しています。

これによって物流も滞り、商品市況に影響を与えかねない事態が相次いでいます。

2019年4月には北部パラ州の橋が崩落し、大豆の輸出港につながる主要道路が閉鎖されました。

2018年にはトラック運転手のストライキで鶏肉、19年1月にはダム鉱山の決壊で鉄鉱石の輸出が滞り、国際相場を押し上げました。

資源や食料で世界経済に欠かせないブラジルですが、インフラのもろさからくる物流機能不全というリスクが浮き彫りになっています。

ブラジルが世界シェアの約2割を誇る鉄鉱石でも、同様のインフラ崩壊にからむ国際相場への悪影響が出ています。

2019年1月に資源大手ヴァーレが保有する鉱山ダムが決壊し、行方不明者を含め300人超の犠牲者が出たのです。

同社は事故を受け複数の鉱山の稼働を停止し、輸出見通しを急減させたことで、鉄鉱石相場を押し上げました。

国連はブラジル政府に対し、物流インフラの改善を求めてきましたが、歴代政権は無視してきました。

背景には予算不足という根本的な問題が横たわっています。

特に最大のネックは、50代から受給資格を得ることができる年金制度です。

労働争議により、インフラが機能しなくなるという問題もあります。

2018年5月には燃料費の値上げに抗議するトラック運転手らのストライキにより、1週間以上にわたり物流網が停止し大きな社会混乱を引き起こしました。

ブラジルの政治

大統領制で議会は二院制

ブラジルは大統領制です。大統領および副大統領の任期は4年で、3選は憲法で禁止されています。

議会は上院(元老院、定数81)・下院(代議院、定数513)の二院制を敷いています。

現在の大統領や直前の大統領については「ブラジルの大統領」で記述しておりますのでご参考にしてください。

ボルソナロ氏の政治リスク

ボルソナロ政権の改革を進める上で国民からの支持は欠かせませんが、ボルソナロ氏がめちゃくちゃクリーンな政治家なのか、というと必ずしもそうとは言い切れません。

実際に、不支持率が支持率を上回る状況が続くなど、決して好調というわけではありません。

ただ、ボルソナロ大統領は年金制度改革を含めた財政再建を行うなど、過去のブラジル大統領と比べ市場からの評価・期待は高い事はある程度確かです。

そのため大統領が支持を落とすことは市場の不安材料とみなされる可能性があり注意が必要と言えます。

ブラジル政治は少数政党が乱立し、連立での政権運営が行われているため、ボルソナロ大統領の立場はそこまで強いわけではありません。

それでもやっていられるのは国民からの支持があるからです。

これを失うと大統領の求心力が失われ、さらなる改革期待の後退や最悪の場合は政権交代の可能性もあるかもしれません。

特に与党内では大統領の息子達が幅を利かせたり、身内重用も目立っていて、こうした行動が支持率低下に拍車をかける可能性があります。

ブラジルの大統領は、スキャンダルで常に世間から見放され、下野する事が多かったこともあり、この問題に継続的に注意していく必要があると思われます。

コロナウイルスを巡る対応でボルソナロ大統領と州政府が対立

新型コロナの感染拡大を受け、ブラジルでは州政府レベルでの都市封鎖が行われています。

しかし、ボルソナロ大統領は経済活動の混乱を嫌気し都市封鎖に反対しており、州政府と対立しているのです。

ブラジル国民は州政府による感染防止策を支持しており、ボルソナロ大統領への抗議活動が行われています。

これが原因で上記の様に国民からの支持が失われると、再び政治で混乱するブラジルに後戻りです。

相次ぐ閣僚の辞任で大統領の求心力低下を懸念

2020年4月、マンデッタ保健相とモロ法務・公安相がボルソナロ大統領との対立を理由に辞任しました。

マンデッタ氏はコロナウイルス対策の対立、モロ氏は法務大臣として適切に職務が遂行できていないという理由からです。

マンデッタ氏のコロナウイルス対策は国民や州政府、議会からも支持されており、また、モロ氏はその汚職追及の姿勢が国民から高い評価を受けていた為、どちらもボルソナロ大統領にとって大きな痛手となるはずです。

今後の求心力の低下で改革が停滞する事が懸念されます。

おすすめのブラジル投信は?

個人的にお勧めするのは、やはり外資系の運用会社の商品か、国内の運用会社でもしっかりとした海外のブラジル運用に強い運用会社に外部委託している商品です。

信託報酬が若干高くなる傾向にありますが、信託報酬の高さばかり気にして、肝心のリサーチ体制やパフォーマンスを置き去りにしてはいけません。

パフォーマンスは1年などの短期ではなく、なるべく長めのもののほうがパフォーマンスの差がしっかり出ます。参考にできると思います。

また、純資産が最低でも10億円はあるものが良いと思います。

あまりに純資産が小さいファンドは、運用会社も入ってくる信託報酬が多くないので繰り上げ償還(途中でファンドの運用をやめてしまうこと)をする可能性が高くなってくる為です。

加えて個人的に重視しているのはレポートの充実です。

投資する前も投資した後も質の高いレポートがたくさん出ている事は大切ですね。

特にしっかりと相場観を記している所は重宝するものです。

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6 COMMENTS

Kimora Marina

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