イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

この記事では、新興国投資とは直接関係ありませんが、イタリアの財政問題のニュースについて特に時系列でまとめていきます。

新興国に投資をしていて政治がらいでマーケットが一緒に総崩れという話はよくある事で、その時他国でどうなっていたかというサンプルにすぐたどり着けることは有益だと感じています。

新興国に投資をする際につきものの政治問題についての考察の一助になれば幸いです。

基本的に、新しく起きたものが上に来るように記述していきます!

2019年9月

財政赤字目標を引き下げ

2019年9月30日、イタリア政府は2020年のGDP比の財政赤字目標を2.2%に設定し、従来の見通しの2.1%から引き上げました。

2019年9月に発足した新政権は20年の付加価値税の引き上げ回避を目指しており、財務体質の改善を求めるEUとの対立がなかなか収まらなそうです。

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2019年見通しの2.04%からも悪化します。

イタリア政府は10月15日までに2020年の予算案をEUに提出し、執行機関の欧州委が予算案を審議します。

もし財政健全化への対応が不十分と判断すれば、イタリア政府に修正を求める可能性があり、その際また論戦が繰り広げられる可能性があります。

政府が発表した定量目標

新たな試算による財政赤字のGDP比は、

  • 2021年:1.8%
  • 2022年:1.4%

成長率は、

  • 2019年:0.1%(4月の見通しであった0.2%から下方修正)
  • 2020年は0.6%(従来は0.8%)

イタリア元首相が民主党を離党し新党を結成、コンテ政権に打撃

2019年9月17日、レンツィ元首相が連立与党をつくる民主党を離脱し、新党を結成すると発表しました。

週内にも30人規模の政党を発足させる見通しです。

こうした動きを通じて政界での存在感を高める狙いでしょう。

注意

新たに発足したコンテ政権を支持していくとも表明していますが、今後の火種になる可能性もありそうです。

民主党内ではジンガレッティ書記長とレンツィ氏の意見が食い違い、分裂を引き起こしつつあったとの事ですが、かつて党首を務めたレンツィ氏を支持する議員は今でも多く、今回の方法をとったものと思われます。

与党の分裂は、コンテ政権にとっては打撃です。

コンテ政権は五つ星運動と民主党の連立ですが、ギリギリ過半数を握っている状況です。

つまり、政権運営にはレンツィ氏が率いる新党の協力が欠かせないのです

コンテ首相は早速受難の状況です。

新政権、財政赤字目標を引き下げ、再びEUとの摩擦強まる恐れ

イタリア新政権が2020年の財政赤字目標の対GDP比率を2.3%前後に引き上げる意向であることが分かりました。

新たに発足した政権は、前連立政権と比べて反ユーロ色が薄れると思われましたが、上記のようではEUとの摩擦が再び高まる恐れがあります。

MEMO

2019年の財政赤字の対GDP比率については、前政権時に当初の2.4%から2.04%に引き下げることで合意し、現時点で2020年の目標は2.1%となっています。

ただ、現実には、現行の政策に変更がないとの仮定の下では、2020年の財政赤字の対GDP比率は1.6%に低下する見通しです。

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なぜですか??

国債利回り急落や、前政権が導入した早期退職や貧困化対策などの利用が想定より低調だったことが背景にあるようです。

ここから景気浮揚のために更なる財政出動を行うという事なのかもしれませんが、油断は禁物でしょう。

コンテ首相、対EU融和を表明

2019年9月9日、再任されたイタリアのコンテ首相は議会下院で所信表明演説に臨みました。

そこで、

EUと融和的関係を築き、EUのルールの枠内でイタリア人の利益を追求する

と述べました。

これまでの対立路線から、対話や協調を重視する方針への転換です。

財政赤字をGDP比で「3%以下」にするというEUの財政ルールについては

成長に向け改善する必要がある

と指摘するなど、成長実現のために一定の歳出拡大が必要になる可能性を示唆しました。

新コンテ内閣誕生

2019年9月5日、イタリア首相に再指名されたジュセッペ・コンテ氏(55)が大統領府で宣誓式に臨み首相に就任しました。

これで約1カ月続いた政局混迷はひとまず収束した形です。

前回の内閣では「同盟」が反EUであった事もあり、EUとたびたび衝突していましたが、今回は、経済財務相や欧州関係担当相を親EUの立場を取る民主党から起用しました。

第二次コンテ内閣

  • 閣僚は21人、五つ星から10人、民主党から9人。
  • 五つ星を率いるディマイオ氏は外相に就任。
  • 少数政党の中道左派「自由と平等」からも1人選出。
  • 副首相ポストはなし。

五つ星の党員が新政権を支持、週内に新政権誕生

五つ星運動の支持者がオンライン投票を通じて、新しいコンテ新政権の誕生を承認しました。

五つ星の党員はこれまで政敵だった民主党との連立政権を80%弱の賛成多数で支持しました。

これを受けてコンテ首相はマッタレッラ大統領に主要閣僚名簿と新政権の政策を速やかに提出する意向です。

新政権は週内に発足し、下院では週末に、上院では来週信任の投票が行われる見通しです。

財政赤字の対GDP比率、来年は今年よりも良化??

イタリアの財政赤字の対GDP比率は2020年は1.6%と、今年の推計値である1.9%から低下する見通しのようです。

2020年の比率の予測は、政策に変化はないという前提付きで、販売税の引き上げが含まれた形です。

ただ、新政権樹立を協議している五つ星運動と民主党はともに引き上げは発効前に阻止するとの姿勢を示していて、本当にそうなると、上記数値より悪いものとなりそうです。

まもなく新政権樹立

間もなく新たな連立政権が発足する見通しとなりました。

五つ星運動との連立から手を引いて解散総選挙に持ち込もうとした「同盟」のサルビーニ党首による画策は失敗に終わりました。

ただ、連立合意を最終的に成立させるためにはまだたくさんのハードルがありそうです。

元々仲が悪かった五つ星運動と民主党を満足させる組閣と政策をまとめる必要があります。

仮に組閣が上手くいっても、新連立政権は多難が待ち構えそうです。

結束の維持にはコンテ首相の強い求心力が必要となるでしょう。

イタリアの問題は全く片付いていない状態で、弱い連立政権がどこまで出来るのかは分かりません。

実際、多くの投資家が心配しているでしょう。

2019年8月 連立内閣崩壊も、同盟を排除した新政権樹立

コンテ首相が続投し五つ星と民主党が連立政権を樹立

2019年8月29日、マッタレッラ大統領はコンテ首相を次期首相候補に再指名し、組閣を要請しました。

8月中旬に辞表を提出したコンテ氏ですが、ただちに組閣に着手します。

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ポイントは何でしょうか??

もちろん人事です。

移民政策を統括する内相、EUとの財政交渉にあたる経済・財務相が特に注目です。

連立内閣を作る五つ星と民主党で駆け引きが激しくなるでしょう。

内相についてのポイント

内相については、「同盟」のサルビーニ党首が勤めてきました。

同氏は移民を乗せた救助船の入港を拒否するなど移民排斥を実行するなどしてきました。

一方で、人権保護を重視する民主党は反移民政策の廃止を強く訴えていて、民主党は内相や副首相のポストを要求するとみられています。

経済・財務相のポイント

秋に向け2020年の予算編成作業が本格化しますが、イタリアは10月に予算案をEUに提出する必要があります。

イタリアの公的債務のGDP比率は約132%とEUルール(60%以内)を大きく逸脱している状況です。

同盟がかたくなだったりしたわけですが、これがどう変わるかが注目です。

これらが順調に進めば、「五つ星運動」と「民主党」による連立政権が発足し、第2次コンテ内閣が発足します。

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両党の争っているポイントは何でしょうか??
両党の政策の違い

五つ星と民主党は環境保護や低所得者層への支援などでは一致しています。

しかし、議員定数の削減については意見の隔たりがあります。

五つ星は現在の945から600に削減する案を公約にしていますが、民主党は難色を示しています。

このほか、インフラ投資を巡ってもまだ意見の隔たりが大きく、どうなるか分かりません。

連立交渉は妥結したわけではありません。

大詰めで衝突する可能性もあります。

仮に組閣に失敗すれば、大統領が議会を解散し、総選挙になる可能性もまだ残っています。

加えて、組閣できたとしても新政権が長く続く保証はなく、早期の総選挙の可能性は依然残るわけです。

その場合、世論調査でリードしているサルビーニ氏が政権を担う可能性が高く、再びEUとの財政闘争が始まり禁輸市場の混乱が起こる可能性があります。

イタリア10年債、初の1%割れ

2019年8月28日、イタリアの長期金利が節目の1%を割り込み、過去最低を記録しました。

【直近5日間のイタリア国債10年物の金利推移(出所:TradingView)】

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要因は何でしょうか??

金利低下の背景には、解散・総選挙がひとまず回避されるとの期待と、ECBが近く量的緩和の再開を決めるとの観測が主な要因のようです。

10年物国債利回りは一時0.98%程度と前日比約0.16%低下し、超長期債(30年債)も利回りが前日比0.18%ほど低い2.02%台まで下がる場面がありました。

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リスクが高まると国債が買われる、という事とは反対ですね。。。

新連立政権でコンテ首相が続投、金融市場はひと段落

マッタレッラ大統領はコンテ首相に新政権樹立をまとめるよう指示するようです。

「五つ星運動」と中道左派の民主党の間で一進一退となっていた連立協議が決着した為です。

右派政党「同盟」のサルビーニ副首相が引き起こした混乱で、イタリア政府は機能不全となっていましたが、一旦は安定を取り戻す事になりそうです。

新しい連立政権は企業寄りの方針を公言しており、2020年予算を巡るEUとの激しい衝突も回避できるとも見て、金融市場は一息ついています。

極右政党同盟の支持率急落

最新の世論調査で、同盟の支持率が前回の38.0%から31.3%に急落しました。

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なぜでしょうか

同盟のサルビーニ党首はこれまで、公約の反移民政策を実行し高い支持率を維持していましたが、8月9日に内閣不信任案を突然提出し、連立政権崩壊の引き金を引くと風向きが変わってしまったようです。

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解散総選挙を急いだ言動が完全に逆効果になってしまったという事でしょうか

一方、五つ星の支持率は20.8%と前回の17.5%から上昇し、民主党も22.4%から24.6%に伸びました。

上記二党が組むと一番支持率的にはやりやすいのかもしれませんが、既報の通り連立協議は難航しており、実現は難しそうです。

連立協議が難航、11月の総選挙の可能性が高まる

五つ星運動と中道左派の民主党の連立協議が難航しているようです。

このまま行くと早期総選挙に向かう可能性があります。

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両党は長年のライバル政党とされますから、なかなか難しいと言われていました。

8月27日の長時間にわたる協議では、首相など重要ポスト人事が争点となったようですが、五つ星は民主党がコンテ首相の続投に正式に同意しないかぎり協議を再開しないと表明しました。

一方の民主党は、五つ星のディマイオ党首が副首相兼内相のポストに固執したことが協議が行き詰った理由だと批判しています。

マッタレッラ大統領は28日午後に五つ星および民主党の党首と会談するまでに連立の成否を明確にするよう求めてます。

そこでまとまらなければ、議会を解散し、早ければ10月にも総選挙が行われる可能性もあります。

27日から再度各党に大統領が状況をヒアリングし決定

2019年8月22日、マッタレッラ大統領は政党間の協議に時間的猶予を与え、来週27日に改めて各党から意見を聞く意向を明らかにしました。

こうした中、同盟のサルビーニ党首はマッタレッラ大統領との協議後、五つ星が同盟の政策に対してより理解をするならば連立復活の検討をするかもしれないと述べています。

大統領、極右外しを模索

2019年8月21日、マッタレッラ大統領は新政権樹立に向け各党との協議に入りました。

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金融市場の動きはどうなってるのでしょうか??

金融市場は財政規律を維持する新政権誕生への期待から落ち着いているようですが、長引けば当然ユーロ安やイタリア国債の金利急騰などにもつながるかもしれません。

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大統領はどう動くのでしょうか。。。

大統領派現在の議会で多数派を形成する余地を探ると言われています。

選択肢の一つが五つ星と野党民主党との連立と言われています。

レンツィ元首相は「五つ星と民主党の連携が極右外しの唯一の策だと語っています。

ただ、両党は伝統的にライバル関係にあり、実現は難しいとの声もあります。

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例えば、議員定数削減や政治改革を巡って両党間の隔たりは大きいと言われています。

いずれにせよ、大統領の判断に注目が集まります。

同盟のサルビーニ党首、500億ユーロの財政刺激策が必要と主張

2019年8月20日、「同盟」のサルビーニ党首は財政刺激策を講じるために、来年に500億ユーロ規模の予算が必要だと主張しました。

イタリアは、EUの財政ルールを順守するため、来年から付加価値税を引き上げ、230億ユーロの歳入を確保することで欧州委員会と合意していますが、同党首はそれの撤回だけでなく大幅な減税が必要と主張しています。

コンテ首相、辞任を表明 イタリア政局は混乱必至

2019年8月20日、コンテ首相が辞意を表明しました。

2018年6月に誕生したこの連立政権は、結局同盟と五つ星が主導権を争い、優先する経済政策の食い違いを埋めきれず、瓦解しました。

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イタリア政局が流動化するのは避けられない状況です。

コンテ首相は政権危機の引き金となった同盟を率いるサルビーニ副首相について個人と党の利益しか考えておらず無責任であると強く非難しました。

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この先はどうなるでしょうか?

マッタレッラ大統領がコンテ氏の辞表を受理すれば、21日から各党と新政権樹立に向けた協議を始めるとみられます。

大統領は議会の解散権を持っていて、各党との協議が不調の場合、解散総選挙を実施する事になるでしょう。

コンテ首相は、マッタレッラ大統領が新たな連立を模索し、安定を取り戻せると確信できた場合は、首相にとどまる可能性もあるようです。

【2019年8月20日~21日のイタリア国債10年の利回り推移(出所:TradingView)】

イタリア10年債利回りは8月20日、一時1.31%と、2016年以来の低水準となりました。

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ユーロ全体への影響などがどうなるか見極めたい所です。

内閣不信任案の採決は見送り

2019年8月13日、議会上院は「同盟」が提出した内閣不信任案の採決をひとまず見送ると決めました。

同盟の連立相手の左派「五つ星運動」が野党民主党と組んで不信任案に反対する構えをみせたためです。

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もし総選挙となれば同盟が躍進するのは確実なため、五つ星や民主党は早急な総選挙を回避したかったのでしょう。

ただ、問題は解決していません。

足下、同盟は大型減税の実施を主張する一方で、五つ星は2020年に実施予定の消費税引き上げを回避するための代替措置が優先と訴えます。

景気刺激策を巡る意見のかい離がかなり大きく、2020年の予算編成作業は難しいでしょう。

注意

もたもたしていると、厳しいイタリア経済の復活がさらに遅れ、それはユーロ全体の問題にも広がります。

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ドイツ経済も良くありませんし。。。

こうした中、新たな与党の枠組みを探る動きも出ており、政治的な駆け引きが激しくなるかもしれません。

同盟が内閣不信任案提出

2019年8月9日、同盟が内閣不信任案を上院に提出し、コンテ首相に早期の解散総選挙を要求しました。

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20日までに採決される見通しです。

五つ星のディマイオ党首も「準備はできている」と話すなど、総選挙への機運が一気に高まっています。

同盟と五つ星による連立政権

  • 2018年6月に発足
  • 支持基盤は同盟が企業が集積する豊かな北部
  • 五つ星は経済的に厳しい南部
  • 目玉政策は、同盟が小規模事業者向けの大型減税、五つ星は貧困層への最低所得保障拡充

今後、議会の解散権を持つマッタレッラ大統領がどの様に動くかがキーです。

不信任案が可決された場合

マッタレッラ大統領は、まず過半数を得られる他の連立の組み合わせがあるかを模索すると見られます。

それが無ければ8月中にも解散に踏み切る可能性があり、そうなると解散から70日以内に総選挙をする規定があるため、早ければ10月に総選挙が行われます。

一方で、大統領が政治家以外の人物を起用した実務者内閣を選ぶ可能性もあり、その場合、総選挙は20年春以降となる可能性が高くなります。

因みに、最新の世論調査で同盟の支持率が過去最高の約38%と、五つ星(約17%)に差を付けています。

このまま行くと、サルビーニ氏が新たな首相となるでしょう。

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不信任案が否決された場合はどうなるでしょうか??
不信任案が否決された場合

不信任案が否決されても、もはや今のままで政権を維持する事は難しそうであり、コンテ首相は大規模な内閣改造を迫られるでしょう。

与党、内部分裂間近??

イタリアの与党内の不協和音が大きくなってきています。

2019年8月8日、サルビーニ副首相は連立政権がもはや議会で過半数の支持を得ていないと述べて、解散総選挙の「速やかな」実施を呼び掛けました。

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与党の一翼を担う「同盟」を率いるサルビーニ氏は、反エスタブリッシュメントを掲げる政党「五つ星運動」との連立を解消する意向を表明したのです。

これに対して五つ星のディマイオ副首相は、選挙を行う用意はあるものの、議員定数を大幅に削減する法案の最終承認を優先すべきだと述べています。

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何が今回のトリガーになっているのでしょうか。

連立与党は景気浮揚策として進めようとした高速鉄道計画を巡り激しく対立してきました。

推進派の「同盟」に対して五つ星が抵抗し、計画を阻止する動議を上院議会に提出するなど異例の事態となったのです。

「同盟」は財政規律を軽視し、EUとの約束も破って構わないと言ってきた典型的なポピュリスト政党です。

しかし、支持率で見ると同盟は圧倒的に有利で、今解散総選挙をすれば「同盟」を軸とした政権が出来る事が確実視されています。

減税などを行う場合、財政赤字目標を達成するのは無理

2019年8月6日、サルビーニ副首相は公約している投資や減税をするには、政府が掲げている2020年の財政赤字をGDP比で2%未満に抑え込むことは不可能であると述べました。

その上で、EUとは協議をするものの、EUの定める規定が「聖域」ではないと強調しました。

2019年7月 EUが制裁を先送り

イタリア中央銀行の2019年成長予想、政府見通しより低め

2019年7月12日、 イタリア中央銀行は四半期経済報告を公表し、2019年の経済成長率が0.1%にとどまるとの見通しを示しました。

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これは政府の公式見通しの0.2%を下回っています。

ただ、2020年は0.8%、2021年は1.0%になるとの見通しも出しています。

EU、制裁先送りを正式に決定

2019年7月3日、EUの欧州委員会が、イタリアに対する制裁手続きを正式に先送りしました。

既報の通りの伊政府による2019年の財政健全化に向けた対応をひとまず評価した形です。

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想定通りの状況です。

2019年度予算案を修正、EU制裁回避へ

イタリア政府は7月1日、税収増などを理由に2019年の予算を修正し、財政赤字見通しを引き下げました。

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もちろんEUの制裁を避ける狙いからです。

この修正予算案はイタリア議会での審議が求められます。

EUの欧州委員会は元々7月2日の会合で制裁入りを勧告するかどうかを決める予定でしたが、EU首脳会議が延長されたため、先送りされています。

これもあり、今年の夏にイタリアへの制裁が行われることはないだろうとマーケットは考えているようです。

イタリアがEUからの制裁回避できるとの観測で同国債が買われる

イタリアがEUからの制裁を回避できるとして、イタリア国債が買われています。

7月1日、イタリア10年債利回りは2%を下回りました。

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これは2018年5月以降で初めてです。

欧州委員会がイタリアに対する「過剰財政赤字是正手続き」の決定を今夏は見送るとの見通しが背景にあります。

2019年6月 EUとイタリア、制裁を巡って攻防

イタリア政府、制裁回避の為52億ユーロの改善案を提示か

イタリア政府がEUの制裁を回避するため、2019年の予算について、52億ユーロの改善案を示す方針であるとの報道がありました。

内訳は、

  • 約20億ユーロ:支出の削減見込み額
  • 32億ユーロ:予想よりも多くなる見込みの歳入

との事です。

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イタリア政府はこれにより、赤字を削減することを提案するという事ですが、歳入がなぜ予想より多くなるのかよく分かりませんね。。。

イタリア政府、第二の通貨を創設??

イタリアでユーロに次ぐ事実上の「第2の通貨」を発行する構想が浮上しているようです。

イタリア政府が少額債券を発行し、民間企業への未払い金や市民への税還付などにあてる案なのですが、市中で流通すれば事実上の通貨とみなされる可能性が高く、EUのルールに違反します。

EUは、こうしたイタリアの対応がユーロの信頼を傷つけかねないとして懸念を強めています。

ただ、イタリア政府内からも異論が出ているし、そもそもこれが実現されるには新たな法整備などが必要なので、すぐに実現する事はないと思われます。

EU、イタリアが対応策取らなければ7月にも制裁手続き入り

EU高官は、制裁手続きに入る前に必要な修正案がイタリアから出てこない場合は、7月中にも制裁手続きに入ることになると警告し、イタリアに対応を迫りました。

首相、与党にEUへの譲歩を迫る

イタリアのコンテ首相は、イタリアの与党がEUに譲歩しなければ、市場の動揺を招き、国内貯蓄をリスクにさらす可能性があると警告しました。

首相はまた、連立与党の「同盟」と「五つ星運動」が予算を巡って対立している問題で、合意の意向がなければ辞任するとの考えを改めて示しました。

この状況で首相が辞任となってしまうといよいよ大混乱です。

EUが制裁手続きを検討

2019年6月5日、欧州委員会はイタリアの財政状況がEUの基準を逸脱しているとして、制裁手続き入りが「正当化される」との報告書を公表しました。

これを受けたEU各国の協議で、夏前にも対イタリアの制裁が発動される可能性があります。

「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」と呼ばれるこの制裁措置が発動されると、財政をEUの監視下に置けるようになります。

2019年5月 財政を巡るEUとの攻防、再び

国債利回り上昇、政治不安定化とEUからの勧告を背景に

2019年5月30日にイタリア政府が実施した国債入札は、5年債と10年債の利回りが前回入札から上昇しました。

連立政権の運営に関する懸念、EUからの是正措置勧告に関する懸念が背景と思われます。

ただ、落札額は予定額上限の60億ユーロに達しました。

イタリアとEUの財政を巡る対立が再び

EUの欧州委員会はイタリアの過剰財政赤字を巡って勧告を出すことを検討しているようです。理屈上は35億ユーロの課徴金につながる可能性があります。

今回の措置はEUの定期的な財政監視プロセスの一環ですが、イタリアの財政についてイタリアとEUで再び対立が起きそうです。

イタリアとEU間の対立は2018年においてもたびたび市場を混乱させてきたわけですが、同じことがまた起きるかもしれません。

イタリア政府内で財政赤字に対する意見が割れる

イタリアのディマイオ副首相は、自身が党首を務める「五つ星運動」が公的債務を増やす予算案に反対すると表明しました。

五つ星運動と連立を組む「同盟」の党首を務めるサルビーニ副首相は先に、EUの財政規律に違反しても良いと発言しており、これとは反対の立場をとったものです。

ディマイオ副首相は、加えて2020年実施予定の売上税増税を回避する意向も改めて示しました。

2019年5月、財政赤字が3.5%に。EUとの対立と政権内対立を懸念

EUが2019年5月7日に発表した経済見通しによれば、イタリアのGDP比財政赤字は2019年で2.5%、20年に3.5%となり、EUとの合意を守れないことになりそうです。

これは元々そうなる確率が高いと言われていたものですが、改めて示された形です。

今回の数値はあくまで政策変更がない場合を想定した予測です。

このため、EUは2020年に増税を通じて財政再建をイタリアに促す予定ですが、イタリアのポピュリスト政権はそれに反発するものと思われます。

財政運営を巡ってEUとイタリアと再び対立する事で、再びEUが制裁を準備する可能性もありますし、そもそもイタリア政権内でも連立政権内に不協和音が出始めていて、EUとの対立とイタリア政治の機能不全によって金融市場で混乱が起きる可能性があります。

2019年4月 嵐の前の静けさ?

2019年4月、イタリア再びEUと対立の公算

イタリア政府は2018年12月にEUと合意した財政赤字削減策を後退させる方針を表明しました。

思うように経済成長率が伸びず、また国有資産の売却も予定通り進まなかった事からこうなったようです。

この結果、財政運営を巡ってイタリアとEUが再び対立するのは確実で、金融市場の火種になる可能性があります。

ただ、すぐにどうのこうのという事もないかもしれません。ブレクジットや欧州議会選、ヨーロッパの景気低迷が目下の課題として、EU首脳の頭の中をほぼ占有しているからです。

ただ、この問題が消えるわけではないので、いつこれに注目が集まってマーケットが動揺するかは分かりません。

イタリアの債務問題、秋にも再燃か

イタリアの債務を巡る問題がまた浮上してきそうです。

2019年4月9日、イタリア政府は2019年の経済成長率が想定していた1%よりもずっと低くなり、ゼロに近いプラスにとどまると表明しました。

これについては、大体皆難しいのではと思っていましたが、やはりこうなりました。

この通りの経済成長だと財政赤字の対GDPは2.4%に高まり、EUに約束した2%程度は達成できません。

ただ、イタリアにとって幸いなことに、足下はブレグジット問題や5月下旬の欧州議会選、ユーロ圏全般の景気低迷に関心が集中している状況であり、今年はイタリア政府がEUから厳しい要求を突きつけられるような事にはならない可能性があります。

ただ、それでも政府が来年の予算案を提示する今年の秋には再び脚光を浴びる事になるでしょう。どの様になるかは、他の問題の解決度合い、といった所でしょうか。

2019年4月、成長鈍化でイタリアは一部支出できず?

2019年4月6日、イタリアの経済成長率が予想を下回る中、同国が今年予定している公的支出の一部を凍結せざるを得ない可能性があるとの報道がありました。

欧州委員会は2月に示した経済見通しで、イタリアの今年の成長率をわずか0.2%と予想。

欧州委員会の高官は、国内外の要因による見通しの悪化に伴い、イタリアの予想成長率は「一段と鈍化」する可能性があるとし、懸念を持っているようです。

欧州委は5月7日に新たな経済見通しを公表する予定です。

2019年3月

イタリア大統領と習近平が一帯一路で議論 財政危機への備え?

2019年3月、習近平はイタリアを訪問し、マッタレッラ大統領と会談しました。

会談後の共同記者会見で習氏は「インフラや港湾などの分野で協力を深めたい」と述べ、イタリアとの連携強化に意欲を示しました。

習近平はコンテ伊首相とも会い、一帯一路で協力する覚書を交わす見通しです。

イタリアは財政危機に瀕し、いざとなったら中国に支援を仰げるような形にしておきたいのかもしれません。

2019年2月 イタリア国債に記録的需要

イタリアの国債、30年債が再び記録的需要

イタリアは2019年で2度目となるイタリア国債の売り出しで80億ユーロ(約9988億円)を発行しました。

3週間前の国債発行でも過去最高の注文が集まり、投資意欲に衰えはほとんど見られないようです。

今回は410億ユーロを超える注文が殺到しました。

これは3週間前の国債発行の時を上回る需要です。

条件は、2049年9月償還で、スプレッドは18bpsを上回る水準で当初の目標から最大4bps縮小しました。

欧州委員会はイタリアの成長予想を1.2%から0.2%へ引き下げ

2019年2月7日、欧州委はイタリアの19年の成長見通しを従来の1.2%から0.2%へ引き下げました。

これはイタリアの中央銀行よりも厳しい見通しです。

ただ同国の主要経済団体である伊産業総連盟も19年の成長率は「ゼロをわずかに上回る水準」と悲観的になっていて、ますます政府が掲げている目標が無謀な感じになってきました。

2019年1月 イタリアの成長、思うようにいかず

イタリアの景気後退は広範に

イタリアは2018年10-12月GDPがマイナス成長となり、景気後退入りした事は前の所で言及済みですが、2019年2月5に発表されたイタリアの1月のサービス業購買担当者指数(PMI)は49.7と、12月の50.5から低下し、景気後退が広範囲に広がっている事が示されました。

同指数は50が活動の拡大と縮小の境目で、企業は人員削減を強いられており、内需の軟化と輸出受注の減少をその要因に挙げました。

低迷はこれまで製造業と輸出が中心でしたが、同国経済の景気が一段と悪化しつつある状況が示唆されたわけです。

イタリア政府がEUに約束した数字は2019年度で1.0%の成長・・・

政府はEUとの対話の中で2019年の成長率が1.0%になると言っているわけですが、今後どうなってくのでしょうか。

イタリアのGDP、2018年第4四半期もマイナス成長

イタリアの2018年10ー12月のGDP成長率が前期に続いてマイナス成長となりました。前期比で0.2%減です。景気後退に入ったと見られます。

要因としては政治混乱と借り入れコスト上昇、財政懸念です。

政府はEUとの予算を巡る協議で成長率について自信を見せていましたが、リセッション入りは政府の拡張的な2019年予算への市場の懐疑を深めそうです。

2019年1月15日 イタリア国債に4.4兆円の買い注文 過去最大の需要

イタリアは今年最初の国債発行で、2035年償還債(発行額100億ユーロ)に対して355億ユーロ(約4兆4000億円)余りという記録的な需要を集めたようです。

財務体質に懸念があったイタリアに対し、投資家の見方が変わったことを示唆しています。

今回発行する国債の利回りは、指標銘柄を0.18%上回る水準に設定する見通しで、当初想定していたレンジよりも0.04%低いものです。

イタリア政府は通年で約2500億ユーロの調達を計画していますが、良いスタートになったと言えるでしょう。

2018年12月

2018年12月29日 イタリア下院議会が予算案を可決

2018年12月29日、イタリア下院議会は2019年予算案を可決しました。

ベーシックインカムなどを盛り込んだバラマキ型の予算が成立しました。

これで、一先ずEUとの衝突の激化は回避し、ひと段落しましたが、財政悪化懸念はくすぶったままです。今後もどうなるか注意深くしておいた方が良いでしょう。

イタリア議会予算局は政府の成長目標を「妥当」

2018年12月27日、イタリア議会予算局は、2019年の経済成長率見通しについて、下方修正の可能性を認めながらも、政府の1.0%は妥当との見解を示しました。

2019年予算案について、イタリア政府は既に欧州委員会と合意していますが、同年の成長率見通しを1.5%から1.0%に引き下げることが合意事項の一つとなっていました。

議会予算局は改訂前の予算案については、非現実的で楽観的としていましたが、今回は慎重ながらも承認する姿勢を表明した形となりました。

コンテ首相、拡張的な経済目標は堅持

コンテ首相は政府が拡張的な経済目標を追求し続ける方針と、当該連立政権が5年の任期を全うする意向である事を改めて表明しました。

同首相はメディアのインタビューの中で、「予算案は明らかに拡張的であり、EUとの交渉後でも基本方針は堅持されている」と語りました。

加えて、EUとの交渉が長引いたせいで、予算案の議会提出が遅れてしまったとしました。

EUの承認を受けてイタリアの国債利回りは急低下 銀行株急上昇

2018年12月19日の欧州債券市場でイタリア国債が買われ、長期金利が大きく低下しました。

10年物国債利回りは一時2.7%台後半と前日より0.2%近くも下げていて、9月中旬以来約3カ月ぶりの低水準に戻りました。

もちろんその背景はEU欧州委員会が予算案修正を承認したためです。

イタリア最大手銀ウニクレディト等、イタリア国債を多く保有している金融機関の株価も大幅に上昇しました。

2018年12月19日 EUがイタリアの予算を承認

2018年12月19日、EUの欧州委員会はイタリア側が再提出した2019年の修正予算案を承認しました。

既述の記事の通りですが、当初案より財政赤字幅を縮小させたのを評価し、EU財政ルールに違反しているとして検討していたイタリアへの年内の制裁手続き入りは見送ります。

ただ、今後も引き続き監視は続けるとしており、対立の火種がなくなったわけではありません。

イタリアにとっては、フランスの動乱が良い方向に作用した格好です。

イタリア側は修正予算案で、目玉政策の年金受給開始年齢の引き下げや、最低所得保障などの大枠は維持するものの、実行時期を遅らせたり、規模を縮小させたりする譲歩案を提示してきました。

また、甘いと批判され続けた2019年の経済成長率見通しも当初の1.5%から1.0%へ引き下げました。

これで、EU側もフランスの事もあるので事態を早めに収束させるべく、財政ルールを一時的に緩和する例外規定の適用を容認したのです。

2018年12月18日 EU・イタリア間で非公式合意?

イタリアとEUとの話し合いの中で予算に関する実務的合意が成立し、2018年12月19日に正式発表される見通しとの報道がありました。

欧州委の会合後、EU側が協議の結果について説明する予定との事です。

イタリア政府はEUが制裁にかかる手続きを開始しないようにする為、2019年予算計画を約40億ユーロ圧縮し、財政赤字目標を当初のGDP比2.4%から2.04%に引き下げました。

欧州委は当初の予算計画がEUの財政基準に違反するとして制裁手続き入りを勧告していましたが、フランスの事もあり、どの様な判断がなされるか注目されています。

EUは対イタリアで難しい局面 フランスのケースを受けて

EUが財政規律を巡って対立が続くイタリアへの対応に苦慮しています。

制裁をちらつかせながら2019年予算案の見直しを迫ってきたEUに対し、イタリアは2018年12月12日、財政赤字幅を縮小する一方、バラマキ色の強い政策は維持する妥協案を示しました。

フランスがデモ沈静化のためにEU財政ルールに違反する可能性が高まるなかで、ダブルスタンダードをなるべく取りたくないEUが、困難な立場に追い込まれています。

足下で、フランス政府はデモの沈静化を図る為、最低賃金の引き上げや年金生活者への増税の一部廃止など財政拡大を伴う支援策を発表していますが、これによって2019年予算案の財政赤字が3%を超え、EUの財政ルールに違反する懸念が強まっています。

イタリアはこれをチャンスとばかりに、EUに強気の姿勢で臨みつつあります。

2018年12月 イタリア、「フランスの様にならない為に予算の裁量必要」

イタリアはEUに対し、2019年度予算案への要求が厳し過ぎれば社会の安定が脅かされ得ると警告し、フランスのデモのような事態も起こり得ると指摘しました。

invstem.com

ある意味脅しですね。

EUはイタリアの19年度予算案の財政赤字目標がGDP比2.4%である点について、財政規律ルールに反しているため制裁を科すと説明してきましたが、コンテ首相はイタリア予算案の一段の裁量を求める見込みです。

フランスのデモを使ってEUに脅しをかけて、事が通ってしまうと同じような事をする国が今後も出てくるような。。。

2018年12月 イタリア、財政問題で強硬姿勢を改める用意あり??

サルビーニ、ディマイオ両副首相が、財政赤字目標に関する強硬姿勢を緩和させるかもしれません。

元々、両副首相は2019年の赤字目標について、当初案の2.4%に固執する姿勢を示していましたが、コンテ首相が両者を、GDPの1.9-2%という赤字目標で説得しつつあるとの事です。

同時に、投資マージンをより大きく見積もる交渉が進められているようです。

2018年11月

2018年7-9月期はマイナス成長 政権の成長計画はどうなるか??

2018年11月30日に発表された2018年7-9月期GDP改定値は前期比でマイナスとなりました。

現政権が描く成長計画が順調には進まない可能性が示された形です。

内需と投資の減速がその主因です。

現政権のサルビーニ副首相は、前政権に責任があるとして、「2019年には雇用増や減税に基づく予算案で成長軌道に戻る」と強気の見通しを示しましたが、内心は焦っているでしょう。

EUとの交渉含め世界経済に与える影響には要注視です。

2018年11月 政府内の対立が解決の足かせ??

イタリアの予算案を巡って、EUとの攻防が続く中、伊国内ではもう一つの「対立」が話題になりつつあります。

ディ・マイオ氏とサルビーニ氏の両副首相です。

事実上、政権をけん引する2人のリーダーは政策や考え方の違いから不協和音が絶えないようです。そしてそんな不仲の2人の間で調整に苦心するのが、コンテ首相というわけです。

反EUの一点をよりどころにして結束する伊政権の基盤はもろく、解散総選挙の噂も聞こえ始めているようです。

サルビーニ氏は相手を挑発する派手なパフォーマンスや、メディアへの露出を追い風に、「同盟」の支持率を30%近くにまでもっていっています。

一方、ディ・マイオ氏率いる与党第1党の五つ星の支持率は下降傾向です。これに危機感を抱く同氏は存在感を発揮しようと試行錯誤するが、政治経験の浅さもあって効果的な手は打てていません。

豊かな北部を地盤とする「同盟」と、経済的に苦しい南部を地盤とする五つ星は利害が一致しにくく、「連携は困難」といわれてきましたが、その通りになりつつあります。

目先はEUとの予算案の本格交渉や、2019年5月の欧州議会選挙を控え、伊政府としての団結力を示したい所なわけですが、コンテ首相、サルビーニ副首相、ディ・マイオ副首相の3氏のトライアングルの関係は極めて不安定で、より一層の混乱を来す可能性を秘めています。

欧州委員会はイタリアの妥協案を一蹴

2018年11月28日、EUの執行機関である欧州委員会はイタリアの2019年予算案について「大幅な財政赤字の削減が必要だ」との考えを示し、イタリアの妥協案を一蹴しました。

報道によると、伊政府はEUの制裁手続き入りを回避するため、財政赤字目標を最終的にGDP比で2.2%程度に下げる妥協案を検討中でしたが、欧州委員会はEU本部で開いた記者会見で「不十分だ」と一蹴したとの事です。

イタリアの政権内でも不協和音が出つつあるようですし、どういった状況になるか要注視です。

2018年11月26日 イタリア、財政問題でEUに歩み寄り??

イタリアのサルビーニ副首相は2019年財政赤字目標の見直しに寛容な姿勢を示唆し、EUとの関係改善をほのめかすような言動を取りました。

同副首相はGDP比2.4%の赤字目標は変更不能かとの質問について「誰もこれに固執していないと思う。国を成長させる予算であれば、2.2%でも2.6%であってもよいだろう」と発言。

右派政党「同盟」の書記長も務めるサルビーニ副首相はこれまで、財政赤字と成長の目標を堅持し、EUと対立してきていましたが、この発言でイタリアがEUと歩み寄る可能性が出てきたとの報道になっています。

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同盟は反EUとされてきましたので、この方針転換はポジティブです。

既述のように、EUとの対立激化でイタリア国債は激しい売り圧力にさらされており、それが最終的に国民への負担増につながる可能性が大いにあり、極右政党も何とかしないと考えているのでしょう。

2018年11月下旬 イタリアの銀行株の空売りが増加

2018年11月に入ってから、イタリアの銀行に対する投資家の空売りポジションが膨らんでいます。

当然背景にあるのは、イタリアの銀行の厳しい収益見通しや、同国政府の来年予算案を巡るEUとの対立激化に伴う経済の先行き不安です。

イタリアの銀行の時価総額は2018年5月以降で計400億ユーロが消失しました。

EUとの対立で国債利回りが5年ぶりの高水準に迫り、銀行の保有する国債の価値が目減りするとともに、財務基盤の弱い一部の銀行は資本不足に陥るリスクが高まりつつあります。

この状況を受けて、イタリア銀行(中央銀行)も半期に一度の金融安定報告書の中で、イタリア国債利回りの上昇で民間部門の富が損なわれているほか、金融部門が阻害され、企業の借り入れコストが増大するなどの影響が出ていると警告しています。

イタリア、極右政党が過半数握ればユーロ圏離脱も

イタリア連立政権の一翼を担う極右政党「同盟」のクラウディオ・ボルギ氏は、同政党が次回選挙で過半数を獲得すればイタリアはユーロ圏から離脱すると述べました。

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同盟は反EU、五つ星は親EUと言われていますよね。

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現状、この発言だけでどうのこうのと判断する必要は皆無ですが、BREXITと言い、ユーロやEUは様々な懸案を抱えており、ちょっとした事で大きく事態が動く可能性を秘めているような気がします。

イタリア、EUとの対立長期化か

2018年11月13日、イタリアはEUが求めていた2019年予算案の修正を拒否して、EUとの対決路線を堅持しました。

EUは制裁をちらつかせて方針転換を迫る方針ですが、「反EU」で支持拡大を目指すポピュリズム政権にはどこ吹く風で、対立は長引きそうな勢いです。

このままだとイタリアの金融不安が再燃するリスクも意識され始めています。

当然ヨーロッパ発の金融不安はグローバルに影響を及ぼし、新興国への影響も起こるでしょう。

イタリアの予算案は2018年6月に誕生した五つ星運動と、極右「同盟」の連立政権の選挙公約実現を最優先する内容で、一言で言うとバラマキです。

最低所得保障の導入などによって財政赤字はGDP比で2.4%になり、前の民主党政権がEUに約束した0.8%の約3倍に膨らむ事となります。

懸念はイタリアの金融システム。

このままイタリアの国債の金利が高くなると、イタリア国債を持っているイタリアの金融機関は大きな損失を抱える事となり、収益が悪化します。

そうなるとイタリアの信用不安のみならずグローバルな信用不安につながりかねません。

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