イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

この記事では、新興国投資とは直接関係ありませんが、イタリアの財政問題のニュースについて特に時系列でまとめていきます。

新興国に投資をしていて政治がらいでマーケットが一緒に総崩れという話はよくある事で、その時他国でどうなっていたかというサンプルにすぐたどり着けることは有益だと感じています。

新興国に投資をする際につきものの政治問題についての考察の一助になれば幸いです。

基本的に、新しく起きたものが上に来るように記述していきます!

南欧諸国(イタリアやスペイン)の財政問題とその原因

イタリア経済は 2019 年後半から減速が見られていましたが、そこにコロナ禍が加わった事で、大きく落ち込みました。

イタリア政府は経済をサポートするために、COVID19 関連財政措置として GDP 比で4.5%、政府保証による流動性支援措置を同 40%まで行う事としたのです。

こうした財政拡張策に経済の落ち込みによる税収減も加わり、2020 年の財政赤字は GDP 比 10%を超えてしまい、政府債務残高は同 156%にまで達する事となったのです。

ユーロ全体の信任問題にもつながる事からECBも積極的に支援します。

イタリア政府が2021年4月25日発表した復興計画の規模は総額2221億ユーロとなりましたが、約9割をEUの復興基金でまかなう形で行われました。

この補助によって、2021~26年まで6年間にわたって投資し、GDPを3.6ポイント押し上げる事が期待されていました。

実際に、2021年6月においては、中銀が2021年度の成長予想が5%近くになると予想しています。

新型コロナウイルス感染状況の改善と第1・四半期GDPの上方改定がその理由となっていました。

その後も2021年10月にはS&Pグローバルが、イタリアの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げたりもしており、ここまでは順調でした。

成長促進に向けた政府の改革姿勢が経済を後押しするというのも指摘としてありました。

この時、S&Pは声明で2021年と22年は投資主導で力強く回復すると予測しており、GDPが予想よりも1年早く2019年の水準を上回ると見ていました。

執筆中

2022年にかけてのイタリア債やスペイン債の動き

【2022年初頭から6月末までのイタリア10年金利の動き(出所:TradingView)】

【2022年初頭から6月末までのスペイン10年金利の動き(出所:TradingView)】

©Trading View

上記グラフからわかる通り、2022年3月ごろから両国の10年金利はずっと上昇を続けていました。

2021年の1年間、イタリア債券に投資をしていたら?

2021年の1年間のイタリアの10年国債の推移を見てみましょう。

【2021年のイタリア10年国債の利回りの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

やはり、2021年にイタリア国債に投資をしていても、うまく儲ける事は出来なかったと思われます。

イタリア債券に投資をするための投資信託はあるか

現状、日本においては気軽に投資信託を使っていた李の債券に投資をすることは難しいようです。

イタリア株式に投資をする投資信託はありましたが、これも決して純資産が大きいものではありません。

ユーロ建ての社債ファンドのようなものはいくつかあり、ここにイタリア系の会社の再建が入っている可能性は大いにありますが、イタリアに特化はしていません。

過去の経緯から、今後の投資戦略を考える

過去の経緯を網羅的にご一読いただく場合は以下をご覧ください。

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2022年10月

初の女性首相で第二次大戦以降最も右派の政権が誕生

イタリアの首相に指名された右派「イタリアの同胞(FDI)」党首のメローニ氏は10月22日、内閣メンバーとともに宣誓し、同国初の女性首相に就任しました。

右派「同盟」とベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」との連合によって、第2次世界大戦以降で最も右派的な連立政権が誕生しました。

2022年8月

10年金利が低下

8月1日の欧州債市場でイタリア国債は上昇しました。

10年債利回りは一時、5月以降で初めて3%を下回りました。

EUから約2000億ユーロに上る資金を確保するために必要な約束を次期政権が果たさないとの懸念が緩和したことが背景です。

【直近3か月のイタリア10年国債利回りの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

2022年7月

イタリア政局混迷で欧州債券に警戒

イタリアのドラギ首相の辞任表明を受けて同国の長期金利が急上昇し、ドイツ国債と南欧債のスプレッド(利回り差)が拡大しています。

ECBが7月21日に11年ぶりの利上げを決め、同時に決定した金利上昇を抑える施策が力不足との見方も浮上した事も影響しています。

【7月21日前後のイタリアの10年金利(上)及びドイツの10年金利(下)の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

南欧諸国の景気減速が懸念され、金融市場の波乱要因として意識されつつあるようです。

7月21日の欧州債券市場では南欧債の軟調さが目立ちました。

長期金利の指標となる10年物国債をみると、イタリアが一時3.7%台と前日から0.2%上昇し、ドイツ国債とのスプレッドは2.2%台と2022年6月14日の水準まで広がりました。

ドラギ首相、再び辞表提出し受理される

ドラギ首相は7月21日、マッタレッラ大統領に再び辞表を提出し、受理されました。

大統領は同日、議会の解散を表明し、秋にも前倒し総選挙が実施される予定です。

ドラギ氏は新政権発足まで暫定政権を率います。

これを受けてイタリアの長期金利は上昇しています。

【7月21日までのイタリア10年金利の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

ドラギ首相、辞任を表明

ドラギ首相は、7月14日にマッタレッラ大統領に辞意を伝えると表明しました。

連立政権の一角を占める「五つ星運動」が経済政策に関する上院での信任投票を棄権しており、元々首相は同党が棄権すれば辞任する考えを示していたのです。

このニュースが伝わると、イタリア債先物とユーロが下落しました。

【14日前後のイタリア10年金利の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

これまでの金利の下落からすると、そこまで大きなインパクトではありません。

やはり、受理されず慰留されたことが大きいのでしょう。

ただ、金融市場では政局の先行きを懸念し、国債などへの売り圧力が強まっているのは確かです。

マッタレッラ大統領は辞表受理を拒否、議会での解決をドラギ氏に指示しており、同氏は7月20日に議会で状況を説明し、内閣の信任を問う投票が実施される見通しです。

2022年6月

南欧の国債利回りが急上昇し、ECBが買い支え

イタリアやスペインの国債が下落し、ECBが買い支えしています。

6月15日朝方の欧州市場で、イタリアの10年物国債の利回りが一時4%を割り込みました。

【2022年1月~6月末のイタリア 10年金利の推移】(出所:TradingView)

©Trading view

その前日には4.2%と2013年10月以来、8年8カ月ぶりの高水準を付けていました。

ひとまず利回り上昇にブレーキがかかったわけですが、下支え策は力不足との見方も多く、波乱への懸念がくすぶっています。

ECBの利上げ見通しを受けてユーロ圏各国の利回りは差が顕著になりました。

ドイツ国債も1.7%と8年5カ月ぶりの水準ですが、南欧諸国を中心に急ピッチで利回りが上昇したのです。

市場からも最大のリスクはイタリアを中心とした債務持続性を巡る懸念の再燃だとして不安視する声が出ています。

一般的な中央銀行と異なり欧州各国の景気や物価に広く配慮が必要なため、ECBは政策運営で難しいかじ取りを迫られます。

急速な市場環境の変化が金融機関の経営に悪影響を及ぼす恐れもあり、インフレ抑制だけでなく金融システムの安定にも目配りが必要です。

2021年10月

S&P、イタリアの格付け見通しを上方修正へ

S&Pグローバルは22日、イタリアの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げました。

成長促進に向けた政府の改革姿勢が経済を後押しすると指摘しました。

S&Pは声明で2021年と22年は投資主導で力強く回復すると予測しており、GDPが予想よりも1年早く2019年の水準を上回ると見ているようです。

2021年7月

中銀、2021年5.1%成長と予想

イタリア銀行は16日に公表した四半期経済報告で、同国の成長率について、今年5.1%、2022年に4.4%となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年に記録したマイナス8.9%から持続的に回復するとの見通しを示しました。

また、第2・四半期のGDPは前期比1%以上増加したと予想しました。

2021年6月

中銀、今年度の成長予想を5%近くになると予想

イタリア銀行は11日、今年のGDP成長率予測を引き上げ、5%近くになるとの見通しを示しました。

新型コロナウイルス感染状況の改善と第1・四半期GDPの上方改定を理由に挙げました。

この水準はイタリア政府が4月に公表した最新予測の4.5%を上回っています。

2021年4月

EUコロナ復興基金で経済を立て直し

イタリア政府が4月25日発表した復興計画の規模は総額2221億ユーロとなりました。

環境やデジタルに重点投資するのが柱で、約9割をEUの復興基金でまかなう予定です。

その復興基金ですが、EUは今夏にも、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を立て直すための資金分配を始める方針です。

イタリア政府も資金を受け取る条件である復興計画づくりを急いでいます。

2021~26年まで6年間にわたって投資し、GDPを3.6ポイント押し上げるとみています。

政府債務が第一次世界大戦後の最悪を更新

イタリアの債務は今年、第一次大戦直後の高水準を更新します。

GDP比の政府債務は1920年に記録して以降、達したことがなかった159.5%を上回る見通しです。

ドラギ内閣は4月15日、今年の経済成長率を4.1%とする見通しを承認しました。

経済刺激策やその他の措置を織り込む場合、成長率は4.5%が目標になります。

今年の財政赤字はGDP比11.8%に増大し、政府債務は同159.8%に達する見込みです。

2020年第4四半期の財政赤字がGDP比5.2%の赤字

イタリア統計局は4月2日、2020年第4・四半期の財政収支がGDP比5.2%の赤字だったと発表しました。

2019年第4・四半期は同1.9%の黒字でした。

2020年通年の赤字はGDP比9.5%。

2020年第4・四半期は、感染拡大を受け歳入が減少する一方で歳出が急増してしまいました。

政府は今年の財政赤字をGDP比8.8%と昨年より若干改善を予想しています。

しかし、政府筋は景気支援策の追加支出を反映し、今月中に赤字比率が上方修正されるとの見通しを示しました。

2021年3月

2021年のGDP予想は下方修正

イタリアのドラギ政権は来月発表する最新のGDP見通しで2021年の成長率を4.1%増とする予定です。

コンテ前政権の見通しだった6%増から大幅に引き下げる見込みです。

一方、2022年は4.3%増と、コンテ前政権の目標であった3.8%増から上方改定する見通しです。

政府は見通しに関して協議を続けており、公表前に変わる可能性もあります。

また、この見通しは政策が現状のままであることを想定していて、イタリア政権が来月公表する予定の追加刺激策の効果を勘案していません。

このため、最終的な成長目標はもっと野心的な内容となる可能性があります。

さらにEUの基金から2000億ユーロ超を調達する計画であり、これもイタリアの経済回復を助けるでしょう。

イタリア発のグリーンボンドの需要が活況

イタリアの2045年償還のグリーンボンドへの需要が活況です。

銀行を通じた買い注文は800億ユーロを上回りました。

募集額は85億ユーロ。

昨年のドイツ初のグリーンボンドへの注文の2倍以上でした。

欧州各国は新型コロナウイルス禍からの環境に配慮した経済回復を目指し、グリーンボンド市場に着目しています。

2021年2月

ドラギ首相、期待先行で危うさ

ドラギ首相が率いる新政権が2月18日、正式に始動しました。

親EUの姿勢を押し出し、新型コロナウイルス対策と環境政策を軸とした経済振興に取り組む予定です。

ECB前総裁として債務危機を克服した「ドラギ・マジック」に期待が高まりますが、左派から右派までが同居する多党連立には危うさもあります。

ドラギ首相、抜本的改革を約束

ドラギ新首相は2月17日、先週末の就任後初めて議会で演説し、新型コロナウイルス危機後の再建に向けて抜本的な改革を実行すると表明しました。

ドラギ氏は自身に課せられた責務は

「あらゆる手段を用いて(新型コロナの)流行に立ち向かい、国民の命を守ることだ。いま結束は選択肢ではなく義務だ。しかしこれはわれわれ全てを結び付けるもの、すなわちイタリアへの愛に導かれた義務だ」

と述べ、政治家と市民の結束を訴えました。

ドラギ氏が首相就任を正式に受託

ドラギ氏が2月12日、次期イタリア首相への就任を正式に受諾しました。

新型コロナウイルス対策と低迷する経済の立て直し、欧州統合に向けた前進を優先課題に新内閣を率います。

財務相にはイタリア中銀当局者のダニエレ・フランコ氏を起用しました。

ドラギ氏は各政党指導者らと複数回の協議を経て、極右政党「イタリアの同胞」を除く全ての主要政党から幅広い支持を取り付けました。

ドラギ氏の首相就任が前進

イタリアの次期首相にドラギ氏が就任する可能性が高まりました。

最大与党の左派「五つ星運動」が11日、党員投票で同氏への支持を決めたためです。

ドラギ氏は近くマッタレッラ大統領に閣僚名簿を提出し、新政権が発足します。

五つ星運動、オンライン投票実施へ

イタリア最大政党の左派「五つ星運動」は2月8日、ドラギ氏を首相とする新内閣を支持するかどうかについて、オンライン投票を実施すると発表しました。

投票は2月10日に実施され、24時間受付をするという事です。

ドラギ氏、組閣着手

ドラギ氏の多数派工作の成否は、最大与党の左派や、野党の右派勢力の協力を得られるかがカギになりそうです。

交渉のハードルは高く、失敗すれば総選挙の可能性も浮上してきます。

マッタレッラ大統領は2月3日、ドラギ氏と会談し、次期首相候補として組閣を要請しました。

会談後、ドラギ氏は

「今は困難な時期。新型コロナウイルスの大流行を克服し、国を再出発させることが我々の挑戦になる」

と表明し、各党に団結を呼びかけました。

2月4日から協議を本格化させるとみられます。

ドラギ氏の首相就任報道でイタリア国債上昇

2月3日の欧州債市場でイタリア国債が上昇しました。

要因はドラギ前ECB総裁がイタリアの次期首相候補との報道です。

10年債の利回りは7ベーシスポイント低下し0.57%と、今年付けた過去最低の0.5%に近づきました。

イタリア債とドイツ国債の利回り格差は心理的な節目となる100ベーシスポイントに向けて低下しています。

これは2016年以来の最小です。

ドラギ氏を次期首相に指名

マッタレッラ大統領は2月3日、次期首相候補にECBのドラギ前総裁を指名し、組閣作業を要請しました。

ただ、新政権樹立に向けた各党との調整は容易ではなく、多数派の支持を得られるかは不透明です。

ドラギ氏は大統領と会談し、この要請を受け入れています。

実務者型の政権が誕生すれば、当面の総選挙回避と改革進展への期待が高まるかもしれません。

2021年1月

コンテ首相が辞任し、新たな連立政権を樹立

コンテ首相が近く辞任し、過半数の支持を得られる新政権の樹立を目指すとの報道がありました。

既報の通り、コンテ首相は早ければ1月26日にも国家元首に辞表を提出し、中道派と「責任ある」議員を巻き込んだ新たな連立政権の樹立を目指す可能性があると報じました。

コンテ首相に辞任圧力

コンテ首相に対し、連立与党内から戦略的な辞任を求める圧力が強まっているようです。

週内に上院で行われる採決で首相の敗北が予想されており、その敗北前に自ら辞任することで同氏を首班とする新たな連立政権を樹立できる可能性が高まるとみられています。

コンテ首相が辞任すれば、マッタレッラ大統領は新内閣の組閣をコンテ氏に要請するだろうという事です。

首相は1月25日中にも辞任を決定する可能性があります。

ムーディーズ、イタリアの格下げの可能性

ムーディーズは1月22日、イタリアがEUのリソースを活用して経済成長の可能性を高めることができなければ、これが同国の信用格付けの引き下げ圧力につながる公算が大きいと発表しました。

ムーディーズは、イタリアで早期に選挙が実施されることはないだろうと指摘しましたが、弱体化したコンテ内閣については、EUの協力があってもなかなかうまい経済政策を打つことが出来ないと評価しました。

コンテ政権信任される

イタリアの議会上院は1月19日、コンテ内閣の信任投票を実施し、賛成多数で可決しました。

コンテ首相は、ひとまず政権崩壊の危機を脱しました。

ただ、上院は与党が過半数に達しておらず、首相は少数政党との協力を模索する事になります。

投票結果は賛成156、反対140、棄権16。下院も1月18日に賛成多数で可決していました。

レンツィ氏が連立を離脱

イタリアの連立与党を構成する少数政党「イタリア・ビバ」を率いるレンツィ元首相は1月13日、連立からの離脱を表明しました。

コンテ首相率いる政権は同党抜きでは議会で過半数を維持するのが難しく、多数派工作が焦点になります。

イタリア政局の不透明感が高まっています。

コンテ首相は内閣信任投票に臨むか、自ら首相を辞任するかを決断することになると思われます。

イタリア・ビバに代わる無所属議員が新たに連立に参加する可能性もありますが、それでは大統領が安定政権と見做さない可能性があります。

内閣総辞職の場合もすぐに解散・総選挙となるのではなく、まずは安定政権が樹立可能な首相候補と連立の組み合わせを模索する可能性が高いと思われます。

政争やまぬイタリア

連立政権の方針に不満を持つレンツィ元首相が率いる小政党が連立離脱の可能性を示唆しており、崩壊の危機に瀕しています。

連立離脱の場合も、右派ポピュリストの政権奪取につながる解散・総選挙は回避されると思われます。

一方で、レンツィ氏の要求を受け入れる場合、左派寄りポピュリスト色が残る五つ星運動の連立政権内での影響力が弱まるものの、欧州復興基金の計画策定に党派間の争いが持ち込まれる恐れがあり、注意が必要です。

2020年12月

2021年のGDP成長率を+3.5%に下方修正

イタリア中央銀行は、12月11日に発表した予測で、来年のGDP伸び率予想を4.8%から3.5%に下方修正しました。

また、今年末の経済は新型コロナウイルス感染第2波で弱い状況になるとの予想を示しました。

中銀は、

「第4四半期のGDPは減少、2021年初めは引き続き弱く、来年半ばに顕著に強くなると予想される」

としました。

2020年10月

第3四半期のGDPは予想外に上昇

イタリア国家統計局が発表した第3・四半期のGDP速報値は前期比16.1%増で、市場予想の11.2%増を大幅に上回りました。

第2・四半期の前期比13%減、第1・四半期の同5.5%減から急回復しました。

ただ、前年比では4.7%減でした。

政府は第4・四半期も回復が継続するとみているものの、新型コロナウイルス感染拡大の第2波で新たな外出規制が敷かれたことから、達成は危ぶまれているようです。

債務の対GDP比目標、2021年は低下へ

2020年10月1日、イタリアのグアルティエリ経済・財務相は公的債務の対GDP比率の2021年目標は155.8%と、20年目標の158.0%から低下する見通しを示しました。

財政赤字の対タイGDP比率の21年目標は7%と、4月時の5.7%から上昇する見込みです。

景気回復に向けた追加支出を反映しているという事です。

2021年の財政拡大政策は総額400億ユーロ(469億3000万ドル)が見込まれ、これにはEUの復興基金からの補助金約150億ユーロが含まれるとしました。

新たな目標は経済財政文書で正式に発表され、来週内閣で承認される予定です。

2020年8月

第3四半期は堅調な回復を想定

2020年8月21日、グアルティエーリ経済財務相はイタリアの経済について第3四半期が堅調な回復を達成できるとの見方を示しました。

イタリア経済は新型コロナウイルスに直面する中で、予想以上に持ちこたえていると評価し、第3・四半期には堅調な回復が期待できるとしました。

同氏は最近の国内経済指標が一貫して予想を上回っており、「ポジティブサプライズ」の条件が整っていると指摘し、GDPが直近の政府予想の8%縮小を大きく下回ることがないまま年末を迎える可能性があると語りました。

尚、イタリアの第2・四半期のGDP速報値は前期比12.4%減でした。

10月半ばまでにEUに復興計画を提示

2020年8月19日、コンテ首相はEUの復興支援を巡り、取り組むべき投資・改革の事業を特定して10月半ばまでに復興計画をEUに示す事を明らかにしました。

コンテ首相は、学校や大学、研究への投資を行い、この機会を活用して行政と司法の効率性も改善すると述べています。

2020年7月

250億ユーロの景気対策を承認

2020年7月22日、イタリア議会は250億ユーロの景気刺激策を承認しました。

EUの復興基金も約3割が振り向けられる予定です。

財政悪化を最小限に食い止めつつどこまで出来るかが、ポイントです。

今回の追加対策で再生赤字のGDP比率は12%程度まで上昇する見通しです。

200億ユーロの追加刺激策で財政状況は悪化

2020年7月13日、イタリア政府が減税策や雇用支援などを含む総額200億ユーロの追加刺激策を準備していることが分かりました。

追加策によりイタリアの財政赤字の対GDP比率は11.6%近辺と、4月時点の10.4%から上昇すると見られています。

2019年の比率は1.6%と12年ぶり水準に低下していました。

政府は年初時点で今年の比率を2.2%にすることを目指していましたが、新型コロナウイルス感染拡大への対策で赤字は膨らんでいます。

政府はこれまでに家計と企業に対し750億ユーロの支援を表明しています。

今は良いですが、通常状態に戻ったとき、これがどう捉えられるのか少し懸念があります。

自動車、観光産業支援を検討

2020年7月4日、コンテ首相は新型コロナウイルス流行に大きな打撃を受けている自動車および観光業界の投資促進に向け、財政措置を検討している事を明らかにしました。

首相は労働組合総連合主催の会議で、現行の税制優遇策について、環境に優しい未来のデジタル技術への投資を優遇する形に見直す必要があると語りました。

財源の問題はやはりいつもついてまわります。

2020年6月

2020年の財政赤字予想が更に拡大

イタリア政府は2020年の財政赤字のGDP比率予想を従来の10.4%から11.6%前後に引き上げる見通しのようです。

政府高官によると、政府は新型コロナウイルス流行の悪影響を和らげるための新たな景気刺激策を用意しており、財政悪化が確実な状況です。

200億ユーロの財政出動による刺激策は7月に承認されるとみられます。

イタリア、コロナウイルスで新たな対策を検討

イタリア政府が150ー200億ユーロ規模の新たな新型コロナウイルス対策を検討しているようです。

これにより財政赤字の対GDP比が11%を超えるそうです。

対策案では追加の借り入れを伴い、公的債務の対GDP比は157%と現行想定の155.7%を上回るという事です。

政府関係者は、一時解雇された労働者の収入補填やロックダウン措置によって税収が減少した地方自治体を支援するための資金を増やす必要がある、と述べました。

ECBのイタリア国債購入額は511億ユーロ

2020年6月2日公表のデータによれば、ECBは4ー5月に511億ユーロのイタリア国債を購入したようです。

同期間のイタリア国債発行額は新規で490億ユーロで、ECBはこれを上回る額のイタリア国債を購入した事になります。

2020年5月

EUが約90兆円の景気刺激策でイタリアは10兆円弱の助成

欧州委員会は新型コロナウイルス対策で債務が膨らむイタリアなどを支えるため、前例のない景気刺激策を提案しました。

報道によると7500億ユーロ規模のパッケージから、イタリアは緊急助成金として820億ユーロ、低金利融資で最大910億ユーロを受け取るようです。

パッケージはEU加盟27カ国全ての承認が必要となるものです。

EU、対コロナウイルス対策で60兆円共通債務

2020年5月18日、メルケル独首相とマクロン仏大統領はテレビ会議で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた欧州経済の復興のため、5000億ユーロ規模の基金を設立することで合意しました。

EU全体で借金をしてイタリアなどへの補助金に回す仕組みで、EUが債券市場から資金を調達し、被害の多い国や分野に回していきます。

ドイツがこれまでの反対を取り下げ、共通債務の枠組みを支持したのは、コロナ宇井売る問題を前に揺らぐ欧州の結束を取り戻す狙いがありそうです。

EUは4月に雇用維持や企業の資金繰り支援を中心とした5400億ユーロの経済支援をまとめていましたが、低利融資などが中心で、新型コロナの被害が深刻なイタリアなどの支援には不十分との指摘がありました。

5月末の選挙は9月に先送り

5月末に6州で地方選挙が行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で9月以降に先送りされる事となりました。

支持率が低迷し、劣勢が伝えられていた与党にとって時間的猶予が与えられたわけです。

ロックダウン解除により景気が上向き与党が地方選挙で議席を維持すると、政権への国民の信任が得られたとして、EUと良好な関係を築いている連立政権の継続がより堅くなります。

DBRS、イタリアの格付けを「安定的」から「ネガティブ」に

2020年5月8日、格付け会社のDBRSモーニングスターはイタリアの格付けトレンドを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。

新型コロナウイルスが経済に及ぼす影響を巡って不確実性が高まっているとの見方を示しました。

格付けはジャンク等級から3つ上の「BBB(ハイ)」に据え置いています。

同社は「前例のないショックで政府が大規模な経済支援策を打ち出す中、コストが財政のバランスシートに重くのしかかっている」と述べました。

2020年の公的債務の対GDP比率は戦後最悪になる予想

2020年5月6日、EUの執行機関である欧州委員会は、イタリアの公的債務の対GDP比率(2020年)が158.9%と、戦後最悪の水準に上昇するとの見通しを示しました。

イタリア政府は4月末の時点で、今年の比率は155.7%に上昇するとの見方を示していましたが、欧州委の予想はこれを上回りました。

2019年の比率は134.8%と、EU加盟国の中で2番目に高い数値でした。

欧州委員会は、イタリアの成長率が、1ー6月はマイナス18%、通年では9.5%のマイナス成長になると予想しました。

因みにユーロ圏全体(2020年)は平均7.7%のマイナス成長が予想されています。

2020年4月以前

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(English edition is below)

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Shayne Aubry

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