ここでは、スポット記事としてBREXIT(イギリスEU離脱)の保守党党首選挙についてまとめていきます。
BREXITの経緯をまとめた記事は主にEUや政府とイギリス議会のやり取りについてまとめてきましたが、ここではメイ首相の後任を決める、保守党党首選についてだけフォーカスして追っていきます。
2019年7月23日にジョンソン氏が保守党党首となり、イギリス首相に就任しました。就任以降のジョンソン氏の動向等はこの記事内では取り上げていません。
BERXITに関連する記事は↓
ジョンソン氏の公約
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- 教育分野への歳出拡大
- 輸送分野への投資拡大
- 大手ハイテク企業(FAANGなど)の収益に課税する方策を模索
- 超高速インターネットへの投資拡大
- 法人減税
- 合意なき離脱を行う準備(但し、若干あやふやな所があります)
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ジョンソン氏のこれまで
ジョンソン氏はその風貌が少し変わっていて、異端児の様な所があるかもしれません。
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元々は新聞社で働いていましたが、政治家に転身。
2008年と12年に労働党が強いロンドンで市長選を2回勝ち抜き、存在感を高めました。このため、低迷する保守党の「選挙の顔」への期待が高まっていったのです。
一方で失言や不祥事、女性スキャンダルも多いのが特徴です。
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そういった奔放さが、ウケているのかもしれませんが、何かやらかして足を引っ張られてしまう可能性も大いにあります。
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ハント外相の公約
- 議会承認を得られる見通しがたたない場合、10月初旬に合意なき離脱を決定
- 法人税を現行の19%から12.5%に引き下げ
- 社会福祉への歳出拡大
- 教育分野への歳出を拡大
- 国内の漁業と農業を保護するために60億ポンド予算を確保
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ハント外相とジョンソン氏の公約はかなり似通っている印象ですが、BREXITに対する強硬度で、いわゆる保守党の強硬派たちはどちらに票を入れるのか決めるのでしょうか。。。
両者とも合意なき離脱を支持しています。また、離脱協定からバックストップを削除すべきだと主張している点でも共通しています。
2019年7月
ジョンソン氏当選後、保守党の支持率急上昇
最新の世論調査によると、ジョンソン氏が新たな党首に就任してから保守党の支持率が急上昇しているようです。
保守党の支持率は31%で、これは前回調査から+6%。労働党の支持率は21%で、こちらは前回調査から2%ポイントの上昇です。
この支持率上昇を受けて、ジョンソン首相が早期の解散総選挙に打って出る可能性があるとの観測が出てきています。
ジョンソン氏が当選、合意なき離脱の可能性高まる
2019年7月23日、ジョンソン前外相が保守党の新党首に当選し、そのまま新しい首相に就任する事となりました。
ジョンソン氏は演説でBREXITを10月31日に実現すると改めて明言しました。
しかし、EUとの再協議の見通しは立たず、経済に混乱をもたらす「合意なき離脱」のリスクが高まっています。そうなった際のポンド安はもちろん、世界のマーケットへの影響が気になります。
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保守党員は約16万人。決選投票でこれらの党員がジョンソン氏かハント氏を選びました。
ジョンソン氏は9万2153票、ハント外相は4万6656票だったので、ジョンソン氏はハント氏に2倍近い差をつけて勝利しました。
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ジョンソン氏の優位揺るがず
党首選の決選投票の結果発表が23日午前に迫ってきました。
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世論調査では国民的に人気があるジョンソン前外相が圧倒的優位に立っています。
しかし、合意なき離脱も辞さないジョンソン氏の方針に党内の反発は広がっていて、発足当初から波乱が予想されています。
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政権運営見据え、現実的なやり方に変わりつつあるジョンソン氏
既報の通り、ジョンソン氏は、合意なき離脱について、これまでずっと強硬な主張をし続けていた所を軌道修正するなど少しずつ自身の言動を変え始めています。
これは、首相就任後の政権運営も視野に入れているからでしょう。
例えば、ジョンソン氏が合意なき離脱を実行して、野党が内閣不信任案を提出した場合、10人程度の保守党議員が造反して不信任案が可決される可能性が高いと思われます。
もちろんジョンソン氏はそれを避けたいので、そうした造反が出ないように強硬離脱派の印象を和らげて党内の反発をかわす、といった事を考えているのです。
一方でハント氏は支持率でジョンソン氏になかなか追いつけないので、強硬派たちの牙城を崩そうと、あえて強硬的な主張を繰り返し始めています。
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2019年6月
ジョンソン氏、改めて10月31日までの離脱実行を表明
ジョンソン前外相はブレグジットについて、遅くとも10月31日までに離脱することを目指す考えをあらためて示しました。
ジョンソン氏は10月31日の離脱期限について、先のテレビ討論会で「大いに実行可能」と発言し、期限までの離脱を巡る同氏の姿勢に不透明感が生じていましたが、それを払しょくした形です。。
第五回まで終わり、ジョンソン氏とハント氏で決選投票へ
第五回まで絞り込み選挙は終わり、最後は新旧の外務大臣対決となりました。
この後は約16万人の保守党員による投票が行われ、新党首は7月22日の週に発表される予定です。
名前 | 第5回 | 第4回 | 第3回 | 第2回 | 第1回 | 強硬派or
穏健派 |
|
1 | ジョンソン氏 | 160 | 157 | 143 | 126 | 114 | 強硬派 |
2 | ハント外相 | 77 | 59 | 54 | 46 | 43 | 穏健派 |
3 | ゴーブ環境大臣 | 75 | 61 | 51 | 41 | 37 | 強硬派 |
4 | ジャビド内相 | 第4回で脱落 | 34 | 38 | 33 | 23 | 穏健派 |
5 | スチュワート国際開発相 | 第3回で脱落 | 27 | 37 | 17 | 穏健派 | |
6 | ラーブ前EU離脱大臣 | 第2回で脱落 | 30 | 27 | 強硬派 |
第三回投票、引き続きジョンソン氏首位
2019年6月19日、党首選の第3回投票が行われ、ジョンソン前外相が143票を獲得し首位で通過しました。
その一方、スチュワート国際開発相は脱落しました。
以下が結果です。
順位 | 名前 | 第三回 | 第二回 | 第一回得票数 | 強硬派or穏健派 |
1 | ジョンソン氏 | 143 | 126 | 114 | 強硬派 |
2 | ハント外相 | 54 | 46 | 43 | 穏健派 |
3 | ゴーブ環境大臣 | 51 | 41 | 37 | 強硬派 |
4 | ジャビド内相 | 38 | 33 | 23 | 穏健派 |
5 | スチュワート国際開発担当大臣 | 27 | 37 | 17 | 穏健派 |
7 | ラーブ前EU離脱大臣 | 第二回で脱落 | 30 | 27 | 強硬派 |
第二回投票でもジョンソン氏首位
2019年6月18日、第2回投票が行われ、最有力候補のジョンソン前外相が126票を獲得して再び首位に立ちました。
今回の投票でラーブ前EU離脱担当大臣が脱落しました。
順位 | 名前 | 第二回 | 第一回得票数 | 強硬派or穏健派 |
1 | ジョンソン氏 | 126 | 114 | 強硬派 |
2 | ハント外相 | 46 | 43 | 穏健派 |
3 | ゴーブ環境大臣 | 41 | 37 | 強硬派 |
4 | スチュワート国際開発担当大臣 | 37 | 17 | 穏健派 |
5 | ジャビド内相 | 33 | 23 | 穏健派 |
6 | ラーブ前EU離脱大臣 | 30 | 27 | 強硬派 |
脱落のレッドサム前下院院内総務がジョンソン前外相を支持
2019年6月18日、アンドレア・レッドサム前下院院内総務が最有力候補と目されるボリス・ジョンソン前外相を支持すると表明しました。
ハンコック氏に続いてジョンソン氏支持を表明した形です。
ハンコック氏離脱、ジョンソン氏を支持へ
ハンコック保健・社会福祉相は党首選からの撤退を表明し、自身はボリス・ジョンソン前外相を支持すると表明しました。
初回投票、ジョンソン氏が圧倒
2019年6月13日、保守党の下院議員による1回目の投票が行われ、ジョンソン氏が大差で首位を取りました。
今回の投票で生き残った人たちの順位等は以下の通りです。
順位 | 名前 | 得票数 | 強硬派or穏健派 |
1 | ジョンソン氏 | 114 | 強硬派 |
2 | ハント外相 | 43 | 穏健派 |
3 | ゴーブ環境大臣 | 37 | 強硬派 |
4 | ラーブ前EU離脱大臣 | 27 | 強硬派 |
5 | ジャビド内相 | 23 | 穏健派 |
6 | ハンコック保健大臣 | 20 | 穏健派 |
7 | スチュワート国際開発大臣 | 19 | 穏健派 |
ここからどの様に合従連衡が起こるか要注目です。
ジョンソン氏、主張に軟化の兆し??
2019年6月12日、ジョンソン前外相は演説の中で合意なき離脱は望んでいないと述べました。
少しずつ現実的な物言いに変わり始めています。ただ、引き続き合意の有無にかかからず10月末でEUを離脱することが重要だと強調しました。
ただ、この主張に対して、メイ首相と似ているとして早くも懐疑的な声が上がっています。
議会対策は引き続き大問題、争点化すれば強硬派も盤石にあらず
新たな保守党党首直面するのが、引き続き意見が割れる英議会をどうまとめるかでしょう。
議会の過半数の支持を得ずに自説を押し通せば、メイ氏と同じになります。
場合によっては新内閣がいきなり不信任案を突きつけられる展開もあり得ます。
支持率一位のジョンソン前外相もその具体策は示していません。
BREXITの実現には原則議会の承認が必要であり、ジョンソン氏が声高に言うような合意なき離脱も、議会の中では過半数に届かないでしょう。
となるとどうなるかと言うと、
合意なき離脱を試みる⇒議会で承認されない⇒総選挙⇒保守党の大敗
といったシナリオがかなり可能性として高くなってきます。
もし議会対策が党首選の主要な論点になると、ジョンソン氏の勝利も少しおぼつかなくなるかもしれません。
候補者締め切りとなり党首選本格スタート、立候補者10名
2019年6月10日、立候補の受け付けを締め切り10人が正式に名乗りを上げました。
6月13日に同党の下院議員313人による初回の投票を実施し、7月22日の週に新首相となる党首を選出する予定です。
ブレグジット強硬派は、
- ジョンソン前外相
- ラーブ前EU離脱担当相
- マクベイ前雇用・年金相
- レッドソム前下院院内総務
となり、穏健離脱派からは
- ハント外相
- ゴーブ環境相
- ジャビド内相
- ハンコック保健相
- スチュワート国際開発相
- ハーパー議員
でしょう。
立候補者の数から言うと穏健派の方が多いですね。
クレバリー氏が選挙戦から脱落
ジェームズ・クレバリー議員が選挙戦から離脱したようです。
クレバリー氏は、EU離脱担当閣外相で、早期にEUを離脱して他の懸案に取り掛かるべきとと主張していました。
クレバリー氏は、2015年に議員に初当選しましたが、経験の浅さから自分の当選確率は低いとして、今回は選挙戦から身を引いたようです。
フォックス国際貿易担当大臣、ハント外相を支持
2019年6月4日、フォックス国際貿易相は保守党党首選挙でハント外相を支持する事を表明しました。
BREXITについては「合意なき離脱を可能な限り避けるためあらゆる努力をするというメッセージをEUに伝える必要があり、ハント外相はそれを理解している」と語りました。
ジョンソン氏、合意なくても10月31日に離脱と改めて表明
2019年6月3日、次期首相の有力候補であるジョンソン氏は、合意ありなしに関わらず10月31日にEUを離脱する事を表明し、保守党の党首選に向けた選挙活動を本格的に開始しました。
今の所、ジョンソン氏が後任党首として有力視されています。
イギリス保守党の支持離れ続く
最新の世論調査で、いま総選挙が行われた場合、保守党が、少なくとも過去100年間で初めて、上位2党に入れず3位に転落する見通しであることが分かりました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~)
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