トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコへの投資をされている方は重々ご承知の通りですが、トルコを見る際に政治がどうなっているかを見る事は極めて重要です。

特に対米関係は重要で、2018年のトルコショックも対米関係の悪化が招いたものと言って過言ではありません。

この中では、トルコの政治・外交についてまとめていき、トルコ投資のタイミングを計る一つのご参考にして頂ければ幸いです。

2019年12月

ロシアとトルコ、ミサイル防衛システムの追加契約について進捗

 ロシアとトルコは、ロシア製ミサイル防衛システムを追加でトルコに納入する契約について作業を進めている模様です。

アメリカは制裁を検討していると報道されていますが、構わず進めているという事でしょうか。

アメリカ、対トルコへの制裁を検討

2019年12月3日、トランプ大統領はトルコのロシア製ミサイルの購入を巡って、同国への制裁措置を検討していると明らかにしました。

トランプ氏は

「周知の通りトルコは当初、アメリカ製の地対空ミサイル『パトリオット』を購入したがっていたものの、オバマ前政権はトルコの購入を認めず、トルコが他のミサイルを購入する段になって慌てて動きだす始末だった」

と語りました。

制裁を検討するとしながらも、エルドアン大統領よりのコメントの様な気がしますが。。。

ロシアプーチン大統領がトルコを訪問

ロシアのプーチン大統領は2020年1月8日にトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談する計画であることが分かりました。

ロシアは、同国産のガスをトルコと欧州南部に輸送するパイプライン「トルコストリーム」の稼働を目指しており、その話し合いが行われる予定のほか、同国のミサイルに関するオプション行使についても色々進展があるのかもしれません。

アメリカがどう反応するかが注目でしょう。

2019年11月

新たなロシア製ミサイルシステム導入の契約??

ロシアとトルコは、ロシア製ミサイル防衛システムをトルコに供与する新たな契約を2020年前半にとりまとめに動くかもしれません。

現在の契約において、トルコは新たなS400部隊や、その一部部品をトルコで製造することが出来るというオプションが含まれていて、この行使についてロシア、トルコ間で活発に協議を行っているようです。

もしオプションを行使すると、2020年前半に新たな契約書を取り交わす事になる可能性があります。

もちろん、アメリカは強く反発するでしょう。

ロシア製ミサイルシステムの破棄はない、と言明

2019年11月19日、エルドアン大統領はトランプ大統領と先週会談した際、ロシア製ミサイルシステムについて、アメリカの要求に応じて破棄することはないと言明したと明らかにしました。

アメリカはトルコが当該ミサイルシステムを破棄しない場合はトルコに制裁を科す可能性があると警告していますが、まだ制裁の発動には至っていません。

エルドアン大統領、EUによる制裁を批判

2019年11月12日、エルドアン大統領はEUが対トルコ制裁を決めたことを批判、交渉を打ち切り、拘束中のIS戦闘員を欧州に送還する可能性があると表明しました。

エルドアン大統領はワシントン訪問に先立ち、EUの決定を批判した上で、トルコは国際法に基づき自国の権利を行使していると主張しました。
トルコとEUの雪解けには多くの課題が残っています。

ロシア製ミサイル問題、亀裂回避を優先

2019年11月13日、トランプ大統領とエルドアン大統領は首脳会談し、ロシア製ミサイル問題について、で協議を続けることで一致しました。

要するに問題を先送りしたという事です。

決定的な亀裂の回避を優先したという事ですが、アメリカ議会の対トルコ強硬論が勢いを増しており、首脳間の「相性」だけで行う外交にも難しさが出てきています。

EU、トルコに制裁措置導入を決定

2019年11月11日、EUはトルコがキプロスの排他的経済水域内にある巨大ガス田を採掘しているのは違法として制裁措置を導入することを決めました。

トルコは欧州出身の過激派組織「イスラム国」の戦闘員を出身国へ送還する構えで、EUとトルコの緊張が高まっています。

トルコ側の主張

トルコはキプロスを国として承認しておらず、ガス田は自国などの権益と主張しています。

EUは採掘をやめるようトルコに言っていましたが、トルコは応じず、対立が激しくなっていました。

制裁の内容

制裁は主に関係者の域内への渡航禁止と資産凍結の2つのようです。

ただ、子の制裁をいつから始めるかなど具体的な日程は定めませんでした。

EUもこれ以上の対立は望んでおらず、トルコ側の歩み寄りに期待しているのでしょう。

トルコ、欧米出身のIS戦闘員を各国に送還

2019年11月11日、トルコが拘束してきた「イスラム国」の戦闘員のうち欧米出身者を各国に送還し始めました。

送還する目的

トルコによるシリアへの軍事侵攻、キプロス沖のガス田採掘、ロシア製ミサイル購入を批判する欧米の譲歩を引き出す狙いがあると見られます。

この送還は、送還される側にとると、治安悪化の原因になるため、嫌なものです。

実際、欧米は受け入れに消極的で、送還を強行すれば混乱が広がりそうです。

エルドアン大統領の支持率が回復

2019年11月5日に公表された世論調査によると、エルドアン大統領の支持率が10月に上昇したようです。

不支持率は逆に9.3ポイント低下し、最低の33.7%となりました。
ただ、メディアは政権に忖度するようになっているのえ、なるべく政権側の都合のいいように報道している可能性があります。

2019年10月

アメリカの国防長官がトルコを非難

2019年10月24日、アメリカのエスパー国防長官はトルコについて「責任ある同盟国」へ戻るよう訴えました。

エスパー氏は同日、トルコのアカル国防相と会談し、こうした考えを伝えたとみられます。

トランプ大統領はエルドアン大統領が好きですが、他のアメリカ政府高官はなかなか同じような感じではないようです。

もしトランプ大統領が来年大統領選挙に敗北した場合、アメリカの対トルコ政策はまた厳しくなる可能性があります。

アメリカ、トルコへの制裁を解除

2019年10月23日、トランプ大統領はトルコへの経済制裁を解除しました。

制裁解除した背景

トルコ政府が今朝、シリアでの戦闘を停止し、停戦を恒久化すると伝えてきた事と、NATOの同盟国であるトルコとの関係の正常化を急ぎたいこと、地域の安定を優先したいこと、等でしょう。

しかし、この合意が破られれば再び制裁措置に動く可能性も示しました。

シリア問題でロシアが存在感

シリア問題でロシアが存在感を発揮しているようです。

2019年10月22日、エルドアン大統領とプーチン大統領は、シリア内に「安全地帯」を設置することで合意したようです。

トルコはアメリカと合意した通り、120時間の停戦に基づいて、現在シリアで軍事作戦を行っていません。

トルコは、アメリカがクルド人組織を説得し、現地時間10月22日午後10時までに国境付近120キロメートルの地帯から撤退させることを期待していました。

一方、アメリカのペンス副大統領は、クルド人武装組織の司令官から書簡で、合意した地帯から撤退したとの通知を受けたと明らかにしています。

ペンス氏はこれで合意内容が履行されたと見なしているという事ですが、トルコは納得していなかったのです。

そこで出てきたのがロシアです。

トルコとロシアの合意内容

現地時間2019年10月23日に、ロシア軍警察とシリアの国境警備隊がシリア北部に入り、クルド人組織の退去を始めます。人員と武器などの移動に約6日間かかるとしています。その後、トルコ国境から10キロ圏内の地域をトルコとロシア軍が共同で警備し、トルコにとどまるシリア難民の帰還を両国が取り組むという事です。

シリアとトルコの国境沿い地帯はアメリカ軍がクルド人勢力の協力を得て警備してきましたが、今後はこれに代わって、ロシアを後ろ盾とするシリアのアサド政権軍が再び勢力を得ることになるわけです。

トルコの軍事作戦はリラの動き次第?

トルコの対シリア軍事作戦は、トルコリラの動きにも影響を受けるかもしれません。

リラは現在、シリア北部情勢を巡り再び売り圧力を受けており、当局がリラ買い介入をしていると思われます。

しかし、西側諸国が制裁を強化すれば通貨防衛のための外貨準備が足りなくなり、経済は更に悪化し、エルドアン大統領は軍事作戦を継続する事が難しくなるでしょう。

MEMO

トルコの外貨準備は360億ドル程度で、リラの防衛を続けるにはぎりぎりの水準です。

トルコの外貨準備はかなり乏しいので、ひとたび売り圧力にさらされれば、再び暴落する事は簡単でしょう。

トルコ、クルド人勢力に国境付近からの撤退を要求

2019年10月22日、トルコはシリア北部のクルド人武装勢力に対して国境付近から撤退するよう要求し、無視すれば攻撃の標的にすると警告しました。

ただ、より広範囲に及ぶ「安全地帯」からの撤退よりは要求範囲を縮小させた形です。

期限は現地時間22日午後10時までとしました。

「安全地帯」を巡る認識でアメリカとトルコに隔たり

シリア停戦合意の解釈をめぐり、アメリカ国とトルコの隔たりが表面化しているようです。

シリアに設ける安全地帯に対する認識が違っているようです。

トルコは国境沿いのほぼ全域を想定しますが、アメリカは一部に限定されると主張しています。

合意後もトルコと敵対しているクルド人勢力の攻撃は続いていて、混乱が収まるかは不透明です。

トルコが120時間の停戦を受け入れ

2019年10月17日、エルドアン大統領とアメリカのペンス副大統領が会談し、トルコ軍の作戦を120時間停止することで合意しました。

どの様な事が話し合われたか

  • トルコ軍が作戦を停止している120時間に、アメリカ軍はクルドの武装組織の撤退を支援する。
  • クルド勢力が撤退後に完全な停戦を受け入れることにエルドアン氏は同意。
  • トルコが停戦すれば、アメリカはトルコに対する新たな制裁は実施しない。
  • トルコが求める「安全地帯」の設置について平和的に実現するよう協力することで一致。

といった所です。

120時間以内にクルド人武装組織の撤退の支援を行うという事ですが、ここの達成基準が報道ではよく分かりません。玉虫色という事でしょうか。。。

トランプ大統領が親書の内容を公表

2019年10月16日、トランプ大統領がシリア侵攻を開始したトルコのエルドアン大統領に対する親書の内容を公表しました。

そこでは、

「強がってはいけない。バカなことはしないように」

と自制を求めたようです。

トランプ氏はシリアからの米軍撤退を表明し、それがトルコに侵攻のきっかけを与えたとの批判を受けています。

親書公表はこうした批判を受けての対応と思われます。

アメリカ、トルコに副大統領を派遣しシリア侵攻の即時停止を求める

2019年10月16日、ペンス米副大統領はトルコに向けて出発し、シリア侵攻の即時停止を促します。

具体的な方策

アメリカは経済制裁で圧力を強め、トルコに戦闘激化を思いとどまらせる戦略のようです。

しかし、トルコが軍事攻撃を行う理由であるクルド人勢力の脅威を取り除く代替案をアメリカが示せる可能性は低いと思われ、難航しそうです。

ペンス副大統領はエルドアン大統領と会談し、トルコ製鉄鋼の関税を倍増させるなどの制裁をトルコが侵攻をやめるまで続ける方針を伝えて、軍事作戦の停止を促します。

また、アメリカ国内では、金融やエネルギー部門への追加制裁を視野に入れたトルコ制裁法案が議会に提出される予定です。

アメリカ下院議長、超党派のトルコ制裁を支持

2019年10月14日、アメリカ共和党のリンゼー・グラハム上院議員は民主党のペロシ下院議長と協議し、ペロシ議長がトルコ政府に対する超党派の制裁を支持したことを明らかにしました。

グラハム議員はトランプ氏支持派のようですが、トランプ大統領によるシリアからの米軍撤退決定を繰り返し非難していました。

トランプ大統領は、エルドアン大統領と懇意ですがシリア侵攻については徐々に外堀を埋められています。

アメリカ、トルコに経済制裁

2019年10月14日、トランプ大統領はシリア侵攻を始めたトルコに経済制裁を科すと表明しました。

どういった制裁でしょうか

人権侵害に関与した政府関係者を制裁対象に指定し、トルコ製の鉄鋼に課す追加関税を倍増させる方針です。シリア内戦で発生した難民の強制送還に関与した人物にも制裁を科し、鉄鋼への追加関税は現在の25%から50%に引き上げます。

トルコ経済に打撃を与える対抗措置を発動して、シリア情勢をさらに緊迫させないようする狙いですが、どこまで効果があるかはまだ分かりません。

また、トルコ経済にどこまでダメージを与えるのか、まだそこまで明らかになっていません。

EUがトルコへの武器輸出を制限

2019年10月14日、EUはトルコへの武器輸出を制限することで合意しました。

背景はもちろんトルコのシリア侵攻です。

ただ、禁輸措置に踏み切ることは避けました。

加えて同会合で、トルコがキプロス沖で進める石油・ガス掘削を巡り、経済制裁を策定する方針でも一致しました。

アメリカの政府高官が相次いでトルコへの制裁を言及

2019年10月11日、アメリカのエスパー米国防長官は、トルコの軍事行動について「大変失望した」と語り、ムニューシン財務長官も、トルコ制裁の「強力な権限」が財務省に付与されると明らかにしました。

財務省がトルコに課す制裁とはどんなものでしょうか。

トルコ政府に関わる全ての個人に制裁を科せるようになるという事です。経済制裁をちらつかせてトルコに戦闘激化を自制するよう促す狙いがあります。

これとは別に、共和党議員からもトルコ制裁の提案がなされています。

その提案はエルドアン大統領らトルコ高官の資産を標的にしているほか、ビザ発給の制限、トルコとの軍事関連取引や同国のエネルギー生産支援に携わった者への制裁を盛り込んでいるという事です。

アメリカ、トルコの軍事行動をけん制

2019年10月10日、トランプ大統領はトルコの軍事行動をけん制しました。

トランプ大統領は、

「ルールに基づいて行動しなければ制裁を通じてトルコに金融面でとても激しい打撃を与える。注視している!」

とツイッターに書き込みました。

アメリカ議会ではシリア進軍についてトランプ氏の責任を問う声が目立っていてち、トルコに強硬姿勢を示して批判をかわす狙いがありそうです。

国務省は、トルコが戦闘で少数民族を迫害したり、民間人を含む無差別な空爆をしたりすれば制裁を科すと説明しました。

トランプ氏はトルコとシリアのクルド人勢力の仲裁にも意欲を示しています。ただ、明確な見通しはまだないようです。

国内目線の軍事作戦が泥沼化すればリラの暴落も

今回のトルコの軍事行動の狙いは、侵攻した地域を「安全地帯」にして、トルコからシリア難民を移し、難民排除の機運が高まるトルコ国内の有権者の支持を取り付ける、というものです。

ただ、トルコが構想する国境に沿ったシリア側の「安全地帯」は、長さ約480キロ、幅が30キロに及んでいて、これら全域の制圧を目指すとなると戦闘が長期化する可能性が高くなります。

また、トルコが仮に「安全地帯」を越えてシリア領に深く侵攻すると、事態の泥沼化もありえます。

場合によってはトルコとシリアの国家間対立に発展する可能性があり、トルコリラのはまたの暴落が襲う可能性があります。

トルコがシリアのクルド人勢力への攻撃を開始

2019年10月9日、トルコ軍がシリア北東部を掌握するクルド人勢力への軍事作戦を開始しました。リラもこれを受けて下落しています。

トルコが軍事作戦を今後どの程度拡大するかは不明ですが、大規模な戦闘に発展して地域が不安定化する懸念が強まっています。

アメリカの反応はどうでしょうか。

トランプ大統領は、トルコの今回の軍事行動を支持しないとすぐに表明しました。

ただ、攻撃停止は明確に求めず、報復措置にも触れませんでした。

戦闘地域での民間人保護や「イスラム国」(IS)の扱いについてトルコが責任を負う事を指摘した上で、アメリカは関与しない方針を強調しました。

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トランプ大統領はエルドアン大統領との電話会談で、今回の軍事行動を妨げない方針を伝えていましたしね。

ただ、トランプ大統領がシリアからの米軍撤収を表明してからわずか数日後の軍事作戦開始となったことで、これまでアメリカに協力してきたクルド人勢力を見捨てたという批判が強まる恐れがあります。

invstem.com

アメリカの大統領選挙にも影響するでしょうか

トルコ寄りになるトランプ大統領

トランプ米大統領はトルコを「重要な貿易相手国」と称賛し、シリア侵攻への道を開いた先日に続いて、トルコ寄りの姿勢を鮮明にしました。

また、トルコのエルドアン大統領が11月に訪米する予定だとアメリカ政府が明らかにしました。

トランプ大統領のトルコに対する姿勢は、多くの共和党議員と一線を画しています。

共和党議員らはトルコの軍事行動を批判しています。

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この問題が大統領選にも影響するかもしれません。

アメリカ、トルコのシリアにおける軍事行動をけん制

2019年10月7日、トランプ大統領はトルコが計画するシリアでの軍事行動に行き過ぎがあった場合、トルコ経済を壊滅させると警告しました。

10月6日、トランプ大統領はエルドアン大統領と電話会談をしています。

アメリカは、トルコは長く計画してきた安全地帯設置に向けた軍事作戦を近く行うが、アメリカは関与も支援もしないと表明しています。

シリアに展開する米軍部隊は、同国北東部から撤収を開始しています。

米軍撤収を受け、トルコは国境を接するシリア北部に計画する「安全地帯」設置に向けて少数派民族クルド人勢力を排除する軍事作戦を行う見通しです。

アメリカにとってみると、これまでシリア北部でイスラム国と戦うクルド人勢力を支援してきた事もあり、撤収は大きな方針変更となります。

トランプ大統領は、上記の様な事を受けて、トルコが行きすぎた行動をすればトルコ経済を「壊滅させる」とけん制しました。

一方で、同地域からのアメリカの撤退も肯定しています。

言論弾圧下で広がる新興メディア

政府による言論統制が強まる中、インターネットを中心に新たなメディアが存在感を発揮しつつあるようです。

大手を離れた著名記者らがブログ等を使って情報発信をしているのです。

そのほかにも2019年4月には欧米大手メディアが共同でトルコ語のニュース番組配信を始めたりしています。

トルコのメディア環境が厳しくなった要因は何でしょうか。

2016年7月に軍の一部が起こしたクーデター未遂事件が直接のきっかけでした。

エルドアン政権は非常事態宣言を出し、メディアの閉鎖や接収に乗りだし、これまで閉鎖されたメディアは150社以上に上るという事です。

最近は摘発の範囲が対テロや反政権に限らなくなり、政権批判が鳴りを潜めてしまいました。

今では、殆どの既存メディアが政権寄りの報道に徹しているとみられていますが、こうしたメディアは国民の支持を失っているという意見もあります。

2019年6月時点の日刊紙発行部数は最大手のサバハ(26万部)が前年比12%減、ヒュリエット(23万部)が同20%減など、神離れだけでは説明がつかないレベルで減少しています。

そこに現れたのがブログや動画を使ったニュース配信だったのです。

ただ、これは基本的に無収入。どこまで続けられるか分かりません。

ただ、自由な報道は民主主義の根幹。多くの外国人はこうした活動を応援しているでしょう。

2019年9月

トルコ、難民の国外流出を黙認し、欧米に圧力

トルコがシリアなどからの難民の国外流出を事実上、黙認する姿勢をとっています。

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何が背景と考えられるでしょうか??

難民問題でなかなかアメリカからの支援が得られない事と、東地中海で発見された巨大な天然ガス田の権益を巡り、欧州に譲歩を促す狙いがあるようです。

MEMO

トルコ海上保安当局によると、同国から不法な出国を試みた難民は2019年8月だけで、前年同月の5倍超の8430人に達したという事です。

8月にはギリシャ全体で約1万人の難民を受け入れているとされ、その大半はトルコ経由だとみられています。

エルドアン大統領は、

国境を開かざるを得ない。支援がなければトルコだけで持ちこたえる事はできない」

と述べて、難民の出国を黙認する可能性を示唆しています。

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エルドアン大統領は何を求めているのでしょうか??

エルドアン氏は、シリア北東部に難民帰還のための安全地帯を作る事を求めています。

トルコとの国境に沿うような形でアメリカと共同で設け、トルコがここに難民を移す、というアイデアです。

だが安全地帯の設置は遅れています。

アメリカは、シリア北東部に展開するクルド人部隊を友軍と位置づけており、同部隊を敵視するトルコとの間で折り合いがつかないのです。

エルドアン氏は欧州にも不満を持っています。

2016年、トルコとヨーロッパはトルコ経由でヨーロッパに流入する難民の対策についてEUと合意しました。

トルコが難民を引き受けるかわりにEUが必要な資金を負担する、という内容です。

しかし、トルコ側によれば、EUは負担すべき60億ユーロの半分しか拠出しておらず、またEUへのトルコ国民のビザなし渡航についても未実現のままだというのです。

トルコからしたら、EUに騙されたという事でしょう。

EUの対応

欧州委員会は、60億ユーロの内、残りもまもなく支払うと表明しました。

ヨーロッパが最近受け入れた約100万人の難民らのうち、8割以上がトルコ経由でギリシャ入りした人たちです。

もし、トルコが協力を放棄すれば、ヨーロッパは難民流入で再び揺らぎかねません。

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実はここにはトルコ国内の事情も絡みます。

最近の不況で、エルドアン氏の支持基盤の低所得層を中心に「職を奪われる」などとして難民の国外退去を求める世論が盛り上がっているのです。

ここに加えて、東地中海のガス田についても問題を抱えています。

トルコはこのガス田が、自国の権益下にあると主張しますが、EUは加盟国キプロスの排他的経済水域(EEZ)内だと指摘しています。

アメリカ、ヨーロッパと様々な問題を抱えるトルコは、引き続き多くの政治問題が絡み、それがトルコリラ等に大きく影響してくるでしょう。

元重鎮の与党政治家が離党して新党を結成

2019年9月13日、トルコのダウトオール元首相は13日、与党・公正発展党(AKP)を離党し、新党を結成すると表明しました。

ダウトオール氏はかねてから強権的なエルドアン大統領の手法に批判的でした。

AKPからは2019年7月にババジャン元副首相も離党していて、党の元重鎮が離反する動きが続いています。

MEMO

ダウトオール氏は2014~16年に首相を務めた大物政治家ですがが、大統領権限を拡大しようとするエルドアン氏と対立し、最終的に辞任しました。

AKPは、イスタンブール市長選で不正を主張があったとごねて一旦敗北を帳消しにしたものの、再選挙でも更なる敗北を喫し、エルドアン氏の求心力低下が指摘されています。

トルコで政治の動きが慌ただしくなってくるかもしれませんが、マーケットがどの様に反応するかはまだ分かりません。

アメリカのパトリオットミサイル購入の検討

2019年9月13日、エルドアン大統領はアメリカ製ミサイルシステム「パトリオット」の購入を巡り、トランプ大統領と今月協議したことを明らかにしました。

さらに、ロシア製ミサイル防衛システム購入によって悪化している対米関係を、自身とトランプ大統領との個人的な絆によって改善させることが出来ると述べました。

アメリカ財務省がトルコのハルクバンクに課す罰金の可能性に対しては、それを回避することが可能だとし、トランプ大統領との「特別な信頼関係」を強調しました。

アメリカとの貿易を4倍にする目標を設定

2019年9月7日、トルコはアメリカと協議し、両国間の取引拡大に向け、貿易障壁を撤廃するよう要請しました。

ミサイル防衛システム問題がくすぶる中、トルコとアメリカは二国間の貿易額を現行の4倍の年1000億ドルに増やすという目標を設定しました。

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両国の貿易障壁とは何でしょうか??

アメリカ政府が2019年5月に行った、トルコを一般特恵関税制度対象国からの除外を指しています。

ただ、アメリカは当該制度からの除外についてトルコの経済発展の水準を踏まえれば適切な措置だとしています。

エルドアン大統領、核保有を示唆する発言

2019年9月4日、エルドアン大統領が将来の核保有の可能性を示唆しました。

これまでトルコは本格的な核兵器開発を進めてきませんでした。

そうした中、今回エルドアン氏がこのような発言をした真意は分かりませんが、本当にそうなると中東のパワーバランスを変化させるもので、また海外資金が逃避する要因にもなってしまいます。

今回の発言が与党の支持層へのリップサービスなのか、または国際社会を意識し周到に準備されたものかどうか、まだ分かりません。

わざと政治的な課題をたくさん作って、外交カードにするといった事もあるかもしれません。

2019年8月

シリアと非難合戦

2019年8月19日、トルコはシリア軍からトルコ軍が空爆を受け、死傷者が出たと非難する声明を出しました。

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トルコは、シリアの反体制派を支援しています。

一方シリア政府もトルコ軍が国際法に反して武器や弾薬を積んで越境したと応じています。

トルコの対外問題は、次から次へと出てくる感じです。

エルドアン大統領、ミサイル問題で対米関係が悪化するという懸念を一蹴

2019年8月6日、エルドアン大統領はトランプ大統領が、今回のロシア製ミサイル問題導入で両国関係を悪化させるような行動には出ないと信じていると述べました。

この問題についてはアメリカ議会が強硬な対応を迫る一方で、トランプ大統領はまあ明確な方針を打ち出していません。

エルドアン大統領は、今回の決定は安全保障のために行ったものであり、その様な状況に追い込んだのは、ほかならぬ同盟国だと述べて自身と自国の正当性を改めて主張しました。

2019年7月

トランプ大統領、「トルコを非難しない」

2019年7月26日、トランプ大統領はトルコのロシア製のミサイルシステム購入について「非難しない」と述べました。

議会はトルコに対して制裁を強く求めていますが、どうなっていくか注視する必要があります。

トルコ、ロシア製ミサイルシステム第二弾の投入も計画

トルコがロシアのミサイルシステムの第1弾の搬入作業を完了し、現在第2弾を計画中だとの報道がありました。

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なんか、やりたい報道な様な感じなっていますが。。。

アメリカ政府はF35の開発計画へのトルコの関与を停止させ、制裁発動も示唆しましたがトルコはこれを無視しています。

アメリカとトルコはこの問題で協議を続けていると明らかにしましたが、トルコはアメリカがやがて翻意すると考えているようです。

トルコとロシアが共同でS400を生産?

ロシアのミサイル衛システム「S400」を巡り、一部部品の共同生産の可能性をロシアとトルコが協議しているようです。

トルコはアメリカが制裁などをしないと高をくくっているのでしょうか。

アメリカ議会の態度が硬化し、トランプ大統領に更に強い姿勢でトルコ制裁を求める可能性もあります。

アメリカが制裁課せば、トルコは報復

2019年7月22日、トルコのチャブシオール外相はミサイル問題でアメリカが制裁を科せばトルコも報復すると述べました。

また、アメリカがそうした行動を取るとは見込んでいないとも付け加えました。

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安全保障の問題は退くに退けない所もあり、見通しがつかないので難しい問題です

ロシアがトルコに武器輸出攻勢

ロシアがNATO弱体化を狙って、トルコに武器輸出攻勢を掛けています。

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ミサイルシステムの輸出に続き、戦闘機も売却する方針を示したのです。

トルコの対応いかんでは、また新たな火種となる可能性があります。

トランプ大統領、トルコ制裁を逡巡

トルコがロシア製ミサイルを搬入開始した事を受けて、アメリカのボルトン大統領補佐官やポンペオ国務長官が制裁を進言したようです。

しかし、トランプ氏はトルコのエルドアン大統領との個人的関係を維持するために難色を示したとの事です。

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トランプ氏はエルドアン氏のような強権的な指導者を好むとされます。
MEMO

トルコに制裁を科せば同国とロシアの軍事協力がさらに強まると懸念しているとの見方もあります。

アメリカ、F35の生産からトルコ企業を排除

アメリカ政府は、最新鋭ステルス戦闘機F35の運用や生産について、トルコを関与させることが「不可能になった」と発表しました。

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F35は多国間生産体制を採っていますが、そこからトルコ企業を排除するという事です。

これは、トルコがロシア製ミサイルシステムの搬入を開始したことへの対抗措置です。

ただ、アメリカとトルコの軍事協力は継続するとも強調していて、アメリカ側としてもトルコとの関係悪化を最小限にとどめたいという姿勢をのぞかせました。

トルコはこの発表を受けて、アメリカを批判する声明を発表しています。

トランプ大統領、対トルコの対応未だ検討中??

トルコがロシア製ミサイルの搬入を開始しましたが、トランプ大統領過去の経緯に言及し、「状況はとても複雑だ」と語って、F35の取り扱いを決めかねている様子をうかがわせました。

アメリカの国務省は、S400導入に伴うトルコに対する制裁に関して「トランプ氏とポンペオ国務長官が話し合って決める」と述べるにとどめています。トランプ氏は少しトルコの立場に同情しているようにもうかがえます。

ポイント

アメリカ議会ではトルコに厳しい制裁を科すべきだとの意見が大勢を占めています。

EU、キプロス沖のガス田問題でトルコに対抗措置

巨大なガス田を巡り、キプロスの排他的経済水域内にもかかわらずトルコが採掘活動に着手した問題について、EUは外相理事会で対抗措置を決めました。

トルコとの航空協定交渉や政府間のハイレベルの対話を当面停止します。

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そもそも、トルコはキプロスを国として承認しておらず、ガス田は自国などの権益だと主張しているのです。

ガス田があるとされる地域はそれぞれが採掘活動を進めていて、対立が激しくなっているため、EUは対抗措置を打ち出すことで加盟国のキプロスを支援していきます。

すぐにトルコリラに大きな影響を与えるのかは分かりませんが、アメリカのみならずEUとも大きな対立を抱え、自国の主張ばかり続けていると、経済的な苦境から抜け出すタイミングを回り回って後ずれする可能性があります。

ロシア製ミサイル、アメリカの警告を無視して搬入開始

2019年7月12日、トルコはロシア製ミサイルシステムの搬入が始まったと発表しました。

アメリカの警告を無視したトルコの導入強行で、両国の亀裂が深まりそうです。

ロシア製ミサイルS400とは

S400は性能や価格でアメリカのパトリオットをしのぐとされ、中国が既に配備しています。

サウジアラビア、イラクなども検討中と言われます。トルコの運用が始まれば他国に導入が広がり、色々な所で対米関係の亀裂が深まりそうです。インドも同様に検討しており対米関係の悪化も気になる所です。

アメリカ、トルコに対してキプロス沖のガス採掘活動の中止を要請

2019年7月9日、アメリカはトルコに対し、キプロス沖でのガス掘削活動を中止するよう要請しました。

キプロスはこの前日、トルコの石油・ガス掘削船がキプロス北東部の沿岸に接近し、錨を下ろしたことに猛抗議していました。

アメリカは挑発的な行為が地域の緊張を高めるとし、トルコに対して当該活動の中止を要請し、加えて全当事者に自制を促す旨を表明しました。

トルコとキプロスは、天然ガスの埋蔵量が豊富とされる地中海東部の領有権を巡り、争っています。

元副首相が与党を離党し、新党を結成か

2019年7月8日、トルコのババジャン元副首相がエルドアン大統領の与党・公正発展党(AKP)を離党したと明らかにしました。

ババジャン元副首相とは

ギュル前大統領と同様に与党AKP創設メンバーの一人。エルドアン氏が首相在任時 の政権下で『改革派閣僚』として経済相や外相、副首相を務め、国際金融市場からの信認も厚い政治家でした。

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同氏は、この数年間、多くの分野で党(エルドアン氏)の方針と自身の価値観との間に『深刻な相違』があった事が、今回の離党につながったと、しています。

ババジャン氏はAKP政権を長年支えてきた幹部で、相応のインパクトがあるはずです。

この後、同氏は同じくAKP重鎮のギュル前大統領とともに新党結成を計画していると伝えられています。

ポイント
このイベントがどれほど与党やエルドアン政権に影響を与えるのか分かりませんが、もしかしたら一つの試金石となるかもしれません。

中央銀行総裁のチェティンカヤ氏が解任

エルドアン大統領は、中央銀行のチェティンカヤ総裁を解任しました。

後任にはウイサル副総裁が昇格します。

チェティンカヤ氏は2016年4月に中銀総裁に指名されました。

2018年8月のトルコ・リラ急落時においては金融引き締めのペースが遅過ぎるとして批判される一方で、エルドアン大統領への忖度もしなければならず、かなり厳しい立場だったでしょう。

同氏は2019年9月に政策金利を6.25%引き上げて24%とし、それ以降は金利をその水準に据え置いてきました。

ただ、独創的な金融理論を持つエルドアン大統領は、金利が高止まりしているとして頻繁に中央銀行を批判してきました。

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エルドアン大統領は、金利を引き下げればインフレが落ち着くという主張をしています
注意
エルドアン大統領としては、早めに利下げして、ロシアミサイル問題にかかるアメリカからの制裁にあっても経済へのダメージが少ないようにしたいのかもしれません。

アメリカがトルコに制裁したらどうなるか

エルドアン大統領は、ロシアのミサイルシステムを導入してもアメリカは制裁してこないと自信を示しつつ、それが空振りに終わる可能性が高い事は既報の通りです。

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では、アメリカがトルコに制裁を科したらどうなるのでしょうか??

その場合、実体経済への直接的な影響は限定的とみられます。

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既にかなり悪いですしね。。。

但し、格付機関が格下げを検討するのではないかと言われていて、実際にそうなってしまうと、マーケットにとって歓迎する話題ではないので、場合によっては再びリラ相場の大幅下落に繋がるかもしれません。

注意
この意味で、今、トルコリラを仕込むべきではない、または、仕込むとしても小さい額をチョロチョロとやっていくのが良いと思います。

トルコ、アメリカがF35引き渡しを拒否すれば強奪すると発言

エルドアン大統領は、ロシア製ミサイルシステム問題を巡り、アメリカが最新鋭ステルス戦闘機「F35」のトルコへの引き渡しを拒否すれば、「強奪」になると非難しました。

エルドアン大統領は、G20後、アメリカの対トルコ制裁はないとの考えを表明しましたが、アメリカの政府高官らは、トルコ制裁はありうると話し、F35関連プログラムから除外する方針に変わりないとしました。

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エルドアン大統領の言っていた事を額面通り受け取っていた人はあまりいないと思いますが、やはり想定通りの感じになりつつありますね

2019年6月 イスタンブール市長選、再び与党敗北

イスタンブール市長選で勝利のイマモール氏、次期大統領候補か

トルコの最大野党である共和人民党(CHP)のイマモール氏がイスタンブール市長選のやり直し選挙で勝利した事で、同氏の知名度は一気に上がり、エルドアン大統領の有力な対抗馬として注目され始めています。

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エルドアン氏もイスタンブール市長を経て大統領に就いたという経緯があります。

もっとも、イマモール氏は次の大統領選出馬の憶測を否定し、市長としての5年の任期に集中すると述べていますし、CHPの幹部も同氏の大統領選出馬は党の計画にはないと述べています。

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でも、そういった対応を取るのは当たり前ですね。市長が決まったばかりなのに次期大統領選挙の話を当人がし始めるような事があったら、それこそ有権者のひんしゅくを買います

G20で両首脳が会談

2019年6月29日、トランプ大統領とエルドアン大統領が会談しました。

改めてトランプ大統領はトルコのロシア製ミサイルシステムの配備について懸念を表明しました。

その上で、トルコが配備を強行した場合には制裁を課すことを検討していると述べました。

ただ、トランプ氏はオバマ前政権が米国製ミサイルシステムのトルコへの供与に応じなかった経緯に触れて、トルコ側に同情的な考えも示しました。

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一方のエルドアン大統領はどういったリアクションだったのでしょうか。

エルドアン大統領は記者会見で、アメリカからの経済制裁は回避できるとの自信をなぜか見せました。自信の背景はよく分かりません。

注意
もしアメリカが制裁に踏み切れば、2019年度版のトルコショックが起きる可能性もあります。

ロシア製ミサイルの配備は7月、準備万端

ロシアの国営武器輸出企業は、トルコのロシア製ミサイルシステム導入について、7月の納入について「99%準備が整った」と述べました。

エルドアン大統領も同様の発言をしていて、ミサイルシステム配備は最終段階です。

求心力低下を防ぎたいエルドアン氏、外交で強硬策も

既報の通り、イスタンブール市長選で自身が率いる与党候補が大敗した事で、エルドアン氏の求心力低下が指摘されています。

これを最も恐れているのはほかならぬエルドアン氏でしょう。

とすると、この求心力低下を防ぎたい同氏からすると、外交などで強硬策を繰り出して、国民感情をあおるというのが常とう手段になってきます。

G20でアメリカと首脳会談をする予定で、マーケットも何とかアメリカとの対立を回避する様に期待をしているわけですが、あえてアメリカとけんかして、求心力低下に歯止めをかけようとパフォーマンスをするかもしれません。

そうなると、ここ数週間調子のよいトルコリラもあっという間に元の状態に戻るでしょう。

キプロス沖を巡ってキプロスやEUと対立

2019年6月、トルコはキプロス沖合の海域で天然ガス開発事業を行うため、2隻目の掘削船を出航させました。

キプロスはこの海域を自国の排他的経済水域と主張していて、天然ガスの埋蔵量が豊富とされるこの海域の主権を巡り、両国の対立が激化する恐れがあります。

ギリシャとキプロスの強い求めでEUは、問題となっている領海で掘削作業を中止しなければ、何らかの措置を講じるとトルコに警告しています。

アメリカと外交問題を抱える中で、EUとも一戦交えるのはしんどい所ですが、これがどの様に波及するか少し注意しておいても良いかもしれません。

イスタンブール市長選、与党が再び敗北

2019年6月23日、イスタンブール市長選が行われ、エルドアン大統領の与党候補が敗北しました。

【イマモール氏とユルドュルム元大統領の得票差】

前回 13,000票差
今回 800,000票差

与党側は3月の選挙で敗北した後、手続きの不正などを主張して再選挙に持ち込んだので、エルドアン大統領の威信をかけた戦いだったわけですが、敗北しました。

むしろ得票差は大接戦だった前回から大幅に広がった形で、全くもって不正のため破れたという事ではありませんでした。

市長選はエルドアン氏への信任投票の位置づけでもあり、エルドアン政権に大きな打撃となるでしょう。

結果は、開票率99.4%の時点で、

イマモール氏(世俗派、共和人民党) 54%
ユルドゥルム元首相(与党・公正発展党候補) 45%

となっています。

世俗派が親イスラム政党からイスタンブール市長職を奪回するのは、エルドアン氏が同市長となった1994年以来、四半世紀ぶりとなります。

今後のエルドアン大統領の施政と、トルコリラの反応について注視したい所です。

アメリカ、トルコがロシア製ミサイルシステム購入すれば制裁の可能性高い

2019年6月20日、アメリカの政府高官はトルコがロシア製ミサイルシステムを購入した場合、制裁を科す可能性が非常に高いと述べました。

トルコのエルドアン大統領は同日、アメリカが制裁を発動した場合は報復すると表明しました。

こうした形で制裁しあうと、もちろんリラはまた下落する可能性が高いでしょう。

イスタンブール市長選、再選挙でも野党優勢

イスタンブールの市長選が混戦となっているようです。

今回の選挙はやり直し選挙。

3月の選挙について与党側の申し立てで6月23日に再投票となった経緯があります。

与党候補が再び敗れればエルドアン政権への打撃は大きいですが、世論調査では野党候補がリードしており、与党は死に物狂いです。

ただ、エルドアン氏は敗北の可能性を意識してか、今回はあまり前面に出ていません。

同氏は当初、イスタンブールの全39区でスピーチをするなどと報じられていましたが、今はどうなるのか分からない状態です。

ポスターもほとんどが候補のユルドゥルム氏単独となっていて、与党幹部は「今回負けても、それはユルドゥルム氏自身の負けだ」と語りました。

トルコ、アメリカがミサイル問題で制裁なら対抗措置

2019年6月14日、トルコのチャブシオール外相はミサイル問題を巡って、アメリカがトルコに制裁を科した場合は対抗措置を講じると述べました。

この外相発言を受け、トルコリラは対ドルで5.93リラに下落し、2週間ぶりの低水準をつけました。

トルコ、アメリカの下院決議に反論

2019年6月11日、ロシア製ミサイル防衛システムの導入計画を巡り、アメリカ下院が非難する決議案を可決したことについて、トルコ外務省が受け入れられない脅威だとの見解を示しました。

6月10日日に可決された決議案は、トルコに当該ミサイル防衛システムの購入中止を要請し、購入が完了した場合は制裁実施を求める内容となっています。

トルコ外務省はこれを受け、決議案で示された「不当」で「根拠のない」主張とコメントし、「相互信頼の高まりにつながらない決定、脅威や制裁に関する文言、人為的な期限の設定は受け入れられない」としました。

今後のトルコの政治イベント

2019年6月中旬時点でトルコ投資に関して注目すべきスケジュールは以下のものでしょう。

  • 2019年6月23日:イスタンブール市長選やり直し
  • 6月26日〜27日):アメリカとトルコの国防⻑官がNATOの会合でミサイル問題について議論
  • 6月末:G20でアメリカとトルコの首脳会談

これまでは、大きなイベントでトルコリラが乱高下する事はなさそうですが、上記イベントがきっかけで何かビッグな動きがある可能性もあります。

アメリカ、F35関連計画からトルコを除外

2019年6月7日、アメリカは改めてトルコのロシア製ミサイルシステムの導入がNATOの関係に亀裂を与える可能性があると警告した上で、アメリカの最新鋭ステルス戦闘機F35関連計画からトルコを除外する方針を表明しました。

ただ、同時にトルコはまだS400に関する方針を変更できるとも伝えています。

トルコリラはこの日、対ドルで1.5%下げています。

ロシア製ミサイルシステムの導入の推進を改めて表明

2019年6月4日、エルドアン大統領はロシア製ミサイル防衛システムの購入計画を推進する意向を改めて表明しました。

また、アメリカから提案を受けている地対空ミサイルシステムについては、ロシアの提案ほど良くないとの認識を示しました。

2019年5月 イスタンブール市長選のやり直し決定、リラ暴落

G20でアメリカと首脳会談

2019年5月29日、エルドアン大統領とアメリカのトランプ大統領が電話協議し、G20の合間に会談することで一致しました。

アメリカとトルコは目下ロシア製ミサイルの導入を巡ってもめています。

エルドアン氏は電話会議の中でトランプ氏に作業グループ設置を繰り返し呼び掛けたとの事です。

ホワイトハウスによれば、

  • 貿易拡大に向けた意思共有
  • トルコ鉄鋼製品に対する関税引き下げ方針
  • ロシア製ミサイル問題
  • G20開催中の協議継続

などについて話し合ったとしています。

アメリカとトルコが首脳会談の可能性

2019年5月23日、アメリカとトルコの首脳が近くトルコで、又はG20の合間に会談する可能性があるとの報道がありました。

一連のミサイル問題で事務レベルで何らかの進展や良い兆候があった可能性があります。

エルドアン大統領、ロシアとミサイルシステムの共同生産開始を発表

2019年5月18日、エルドアン大統領はロシアと新ミサイル防衛システムの共同生産を進める考えを明らかにしました。

加えてアメリカが反発しているロシア製のミサイルの導入も改めて意欲を示しました。

トルコのロシアとの軍事関係深化はアメリカとの溝を広げそうです。

エルドアン氏はアメリカの懸念と制裁に対し、技術的な問題は調査済みとして、安全保障情報の漏洩などの懸念を否定しました。

さらにタイミングは別として、いずれF35を受け取れる見通しも示しました。

この発言はマーケットにとって決してポジティブではないでしょう。どこまで悪影響が起きるのか、トルコ投資家は見ておく必要があると思われます。

ロシア製ミサイル導入に関する検証チームをアメリカと立ち上げか?

2019年5月15日、トルコのチャブシオール外相はロシア製ミサイルを購入について、アメリカと共同調査を行う作業グループを立ち上げる方向で協議していると述べました。

但し、ロシア製ミサイルの受け取りは先送りしないとしています。

このロシア製ミサイル問題が起きてからトルコとアメリカの関係は緊張しています。

アメリカやNATO諸国は、西側の戦闘機特性がロシアのレーダーシステムに読み込まれ、ロシア製兵器に対する抑止が効かなくなる可能性を心配しているのです。

トルコ側はそれが杞憂だと主張すると共に、どのようなリスクがあるのか検証する作業グループの設置を求めています。

ロシア製ミサイル購入の再検討又は延期報道で、リラは一瞬持ち直し

2019年5月中旬、トルコがロシアからのミサイルシステム購入を見直すとの報道があり、一瞬トルコリラが戻りました。すぐに当局は否定したものの、その後延期を検討しているとの報道も出ており、まだ詳細ははっきりしない段階です。

しかし、マーケットとしては対米関係の悪化を防ぐことが出来るロシア製ミサイル購入の延期が良い報道であるという事が改めて示されました。

イスタンブール市長選挙のやり直しはエルドアン氏にとっても博打

イスタンブール市長選のやり直しを巡っては、トルコの政治体制への不信の増幅とそれと連動したトルコリラの売りで大きく損失を増やしてしまった個人投資家も多いと思われます。

ただ、このやり直し選挙はエルドアン氏にとっても大きなリスクが伴っていますし、また投資家にとっても新たなリスクとなる可能性があります。

同氏はイスタンブールを特に重視し、メディアを使って今回の選挙の勝利を期していました。にもかかわらずの敗北で、長期政権の退潮と受け止めている関係者が多くなっているはずです。

そんな中での再選挙。与党AKPは死に物狂いで逆転を試みると思われますが、今回の当選を取り消されたイマモール氏への同情票が増える可能性もあります。

もし再選挙をして再び敗北すれば、エルドアン氏の求心力はさらに弱まるでしょう。

そうするとトルコの混乱する経済に輪をかけて政治の混乱という状況になるわけで、トルコリラの一層の下落があるかもしれません。

イスタンブール選挙のやり直しでリラは大幅安

2019年5月6日、トルコの最高選挙管理委員会は3月に実施されたイスタンブールの市長選結果を無効とし、6月23日にやり直し選挙を実施すると発表しました。

イスタンブール市長選では最大野党・共和人民党のイマモール候補がエルドアン大統領率いる与党・公正発展党候補のユルドゥルム元首相に僅差で歴史的勝利を収めていました。

その後、与党が異議を申し立て、再選挙を求めていたものです。

マーケットはこの動きをそのまま受け取ってはいないでしょう。

エルドアン氏にとって都合の悪い事は全部無しにされてしまうといった独裁制をすぐに想起させ、トルコリラは大幅安になっています。

トルコはイラン産原油の輸入継続を示唆

2019年5月2日、トルコのチャブシオール外相が、短期間で原油の輸入先を変えるのは不可能である旨のコメントをしイラン産の輸入を続ける考えを示唆しました。

チャブシオール氏はイラン以外の国からの輸入を増やすには精製所を改修する必要があると説明し、物理的に対応する事が困難である趣旨のコメントをしました。

実際にトルコの原油輸入に占めるイラン産の割合は2018年においては5割近くに達し、国内の精製所も硫黄分が比較的多いとされるイラン産原油に対応した設備が多いとみられます。

アメリカ側のリアクションがどうなるか見ていく必要があります。

アメリカの対イラン制裁について交渉

トルコはロシアからの武器購入を巡ってアメリカと協議のさなかにあるわけですが、これと並行してイラン産原油の禁輸をトルコに要求するとみられます。

トルコはすでにイラン産への依存を徐々に落としてきました。

2018年5月に輸入全体の51%を占めたイラン産の割合は2019年1月に17%に下がりました。

トルコはイラクやアフリカ産原油への切り替えを急いでいて、足元でイラン産の輸入量は日量6万バレル程度とみられます。

その意味では、イラン産原油の輸入が無くなっても当初ほどの悪影響はないかもしれません。

ただ、トルコとしてはアメリカの対イラン制裁へ同調する事を最大のカードとして交渉に臨んでいるはずです。

2019年4月 ロシア製ミサイル購入問題、どうなるか

2019年4月、トルコの前首相がエルドアン大統領に反旗??

与党AKPに所属するダウトオール前首相が、突如エルドアン政権及び与党AKPを批判する声明を発表し、動揺が広がっているようです。

ダウトオール氏は元々、2014年にエルドアン氏の後任のAKP党首となり、また首相にも就任していた大物です。

しかし、エルドアン氏が導入したいと切望した実権型大統領制には反対で、それが理由で最終的に2016 年に突如首相を辞任にしています。

その後は2018年の大統領選でエルドアン氏が再選したことで独裁色の強い『エルドアン政権』が誕生しました。

しかし、

  • トルコ・ショック
  • 高すぎるインフレ率
  • 終わらない景気減速
  • 2019年3月の統一地方選でのAKP敗北

等を理由に足下の政権基盤が揺らいでいます。

こうした中、元々実力者であったダウトオール氏が政権及び与党に対して公然と批判しているわけですから、今後何か影響していくかもしれません。

ミサイル問題はトランプ大統領次第?

トルコのロシア製ミサイル防衛システム導入を巡って、アメリカから制裁を科されるか否かは、トランプ大統領の介入如何の状況になりつつあるようです。

もっとも、これを決めるのはアメリカ議会であって、大統領ではありません。

そしてそのアメリカ議会は本件について、トルコに批判的です。このため、いくらトランプ大統領が色々言っても覆せる余地は乏しそうです。

トルコ高官は、トランプ大統領が議会より前向きな姿勢で、何らかの措置が採られる可能性が確実にあると言っていますが、希望的観測も入っているかもしれません。

アメリカのイラン原油禁輸措置、トルコは従わない方針

2019年4月22日、トルコのチャブシオール外相は、アメリカの決定が地域の平和や安定につながらず、イラン国民を傷つけるとツイッターに書き込み、アメリカの禁輸措置に従わない考えを示しました。

今後これがトルコとアメリカの関係にどの様に影響していくか見ていく必要があります。

イラン原油の全面禁輸措置にトルコは従うか??

2019年4月22日の報道によれば、5月2日でアメリカのイラン原油全面禁輸の特例措置が切れるとの事で、これにトルコがアメリカの要請に従うか注目です。

もし無視してアメリカの制裁対象になると、イラン産原油を輸入した企業や取引を仲介した金融機関が米ドルを取り扱えなくなったり、アメリカ国内の資産が差し押さえられたりします。

その一方、ドルを取り扱わない金融機関やアメリカでビジネスをしていない企業は制裁の対象外でイランとの取引を継続できます。

いずれにせよ、今再び対米関係がぎくしゃくしているトルコにとって、これにどこまで従うかは重要です。従わずにアメリカから制裁を受ければ、ただでさえおぼつかないトルコ経済に再び強い負の負荷がかかります。

ロシア製ミサイルについてアメリカと協議?

2019年4月16日、アルバイラク財務相が「ロシアからの対空ミサイルシステム調達に関してトランプ米大統領と協議する」との発言がなされたとの報道がありました。

これらが本当ならば少なくとも対米関係では改善の余地が残されていると考えられるためポジティブに受け止めることが出来そうです。実際にトルコリラはこの発言を受けて若干ですが上昇しました。

トルコ、アメリカはトルコに制裁しないと希望的観測

2019年4月15日、トルコのアカル国防相は、トルコはアメリカの敵国ではなく、NATOへのコミットも引き続き変わらないため、トルコがロシアからミサイル防衛システムを調達しても、アメリカの制裁対象にはならないとの見方を示しました。

やはり、トルコの希望的観測の様な気もしますが、アメリカのリアクションを見極める必要があります。

ロシア製ミサイル購入による米制裁、トルコショックの二の舞にも

ロシア製ミサイル導入はアメリカの制裁の対象になる可能性があります。

アメリカとの関係はトルコリラに投資をする上でかなり重要。

2018年8月には、アメリカ人牧師の拘束を巡る米国との対立で、通貨リラが対ドルで前日比約2割下落し、「トルコショック」を招きました。

以来、トルコ経済はリラ安がもたらす物価高に苦しみ続けています。

リラ相場は2019年3月下旬にも、外貨準備の急減をきっかけに大幅下落していて、不安定さを露呈したばかりです。

ここで対米関係の悪化はトルコショックの二の舞いとなりかねず、かなり懸念されます。

2019年4月8日、トルコがロシア製ミサイルの導入

2019年4月8日、エルドアン大統領はプーチン大統領と会談し、貿易拡大など経済関係を強化することで一致しました。

このほか、

  • 内戦が続くシリア情勢の安定に向けた連携、
  • アメリカが撤回を求めるロシア製ミサイル防衛システムをトルコが導入する計画

についても協議した模様です。

トルコの対ロ接近は米欧が懸念しており、NATOの亀裂拡大だけでなくトルコの対米関係悪化でマーケットへの悪影響が懸念されます。

アメリカ2019年4月1認知、アメリカ最新鋭ステルス戦闘機「F35」の生産からトルコ企業を排除したり、同機の引き渡しを凍結したりする構えも示して、圧力を強めました。

この対立の背景には、エルドアン政権の強権化や、欧米との関係が悪化していることもあります。

トルコがロシアへの接近を強めれば、国際秩序にも影響しかねず、もちろんマーケットにも悪影響を及ぼしトルコリラの下落も避けられないでしょう。

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