【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

ここでは原油関連のスポット記事として、ホルムズ海峡沖で起きたタンカー襲撃問題についてまとめていきます。

対イランでアメリカが制裁措置を取っている事によって、イランの暴発が懸念されています。

イランが非常事態に陥り、ホルムズ海峡が安全に航行できないとなると、原油価格の上昇と、更には原油供給が行われない事による、サプライチェーンの停滞といったかなりまずい状況も想定されます。

ここではイランや原油価格の状況をフォローしていきます。

アメリカとイランの応酬

invstem.com

アメリカとイランのつばぜり合いが中東での地政学リスクを高めています。まずは、直近の経緯を簡単に振り返ります

0
2018.5
アメリカ、イランとの核合意を一方的に離脱
1
2019.5.2
イラン産原油の禁輸で、アメリカが適用除外を撤廃
2
2019.6.20
イランがアメリカの無人偵察機を撃墜
3
2019.6.21
 イラン攻撃に一旦GOサインを出したが、直後に撤回した事をトランプ大統領が発表
4
2019.6.24
 アメリカ、イランの最高指導者ハメイニ師を制裁対象に
5
2019.7.1
 核合意を超えるウラン貯蔵量に達した事をイランが発表
6
2019.7.7
ウラン濃縮度を合意超過レベルに引き上げる事をイランが発表
7
2019.7
 イランがホルムズ海峡でイギリスのタンカーを拿捕
8
2019.9.4
 イラン、ホルムズ海峡で拿捕したイギリスタンカーの乗組員を解放
9
2019.7
イランが 核合意の義務を停止する新たな措置として、ウラン濃縮活動の加速に必要な遠心分離機の開発を開始すると発表
10
2019.12
アメリカがイランの軍司令官を殺害
11
2020.1
イランが核合意を放棄
12
2020.1
イランがアメリカに報復攻撃

この問題のポイント

  • トランプ大統領は大統領選挙を意識し、イランの核保有は避けたいシナリオ
  • アメリカは核開発に関する新たな枠組み作りに意欲
  • アメリカもイランも戦争は避けたい
  • イランは合意そのものを壊す意図はなく、違反を繰り返して協力国を増やしたい
  • アメリカとイランで対話のチャネルが細っており、相互理解が不足して偶発的に事態が悪化するリスクも

INSTEX(貿易取引支援機関)の可能性

アメリカは、核合意からの離脱でイランへの経済制裁を再開たわけですが、このままではまずいと思った英独仏は2019年1月、イランとの貿易を継続するため、「貿易取引支援機関(INSTEX)」なるものを創設しました。

イランもINSTEXに期待を寄せていましたが、アメリカが対イランで経済制裁する中で、なかなか稼働しませんでした。

2019年6月28日に欧州が、イランにINSTEXの準備完了を報告したものの、取引が人道物資に限られるなど、原油取引の再開にめどが立つものではなかったため、イランはまだ不十分との評価を下したのです。

やはり、アメリカなしのスキームではなかなか上手くいかないのが現状と言わざるを得ないのだと思います。

アメリカの大統領選挙の影響

2020年に大統領選挙を控えるトランプ米大統領にとって、イランとの戦争は再選に影響する可能性のあるもので、、トランプ大統領にとってリスクが高すぎる「ディール」です。

従って、アメリカとイランの対立がすぐに沸点に達して軍事衝突になる可能性は低いのではないかと考えられています。

INSTEXを通じたイラン救済もなかなか上手くいかない事を考えると、最終的にイランとアメリカが再交渉のテーブルにつき、話し合うというのが決着点になると思われます。

しかし、そこに至るまでそれなりに時間がかかる可能性が高いと思われます。

WTI原油価格のチャート(直近3か月)



(出所)TradingView

2020年3月

イラン、アメリカに制裁解除を求める

イランではコロナウイルス感染者が2万人を超え、ロウハニ大統領が対立するアメリカに対し、経済制裁の解除を求めています。

イランでは政府の初期対応が遅れたうえ、3月半ばからイラン暦の新年休みとなって人々の移動が加速し、感染が拡大する懸念があります。

イラン最高指導者のハメネイ師は、感染拡大の背後にアメリカの陰謀がある可能性があると指摘し、アメリカに責任をなすりつけようとしていますが、民衆はかえって政府への疑念を強めているようです。

状況は深刻で、イランは3月中旬、IMFに50億ドルの支援を要請しています。

アメリカの強い影響下にあるIMFに支援を求めるのは異例です。

ロウハニ大統領は23日、イラン経済の悪化を食い止めるため、原油の輸出妨害や銀行送金の禁止をなくすようトランプ政権に求めました。

イラン国内の封鎖策については、保守強硬派の聖職者が強く反対したようです。

イラン暦の新年には多くのイラン人が親戚の家を訪問する為、大移動が発生します。

実際今年も保健当局の警告にもかかわらず少なくとも300万人が感染地域をおとずれたようです。

新型コロナウイルスの対応を巡っては、初期のすばやい対応と政府への信頼、対策の実行力が最も大切です。

アメリカに対する批判に終始してきたイラン指導部の対応力が試されています。

アメリカ軍が親イラン武装組織を攻撃

2020年3月12日、アメリカがイラン傘下にあるとされるイラクの武装組織を攻撃しました。

イラクで前日に米軍駐留基地を狙った攻撃があり、アメリカ兵2人が死亡したことに報復した形です。

対立が再燃する恐れがありますが、両国とも新型コロナウイルスへの対応に専念する必要に迫られており、どうなるかはまだ分かりません。

イラクによれば3人のイラク兵が死亡し4人が負傷したとの事です。

イラン外務省は13日、

「トランプ氏は、危険な行動に出る前にイラクへの違法な駐留をやめるべきだ」

とコメントしています。

再びイランとアメリカの関係が緊張

アメリカとイランの緊張が再び高まり、注視が必要かもしれません。

2020年3月11日に、イラク内の米軍などが駐留する基地に多数のロケット弾が撃ち込まれました。

これで少なくともアメリカ人2人とイギリス人1人が死亡したようです。

親イランのイスラム教シーア派武装勢力の犯行の可能性が指摘されています。

トランプ大統領はアメリカ人がイランや親イラン勢力によって殺害された場合、イランに対して軍事行動に出ると警告してきました。

今回の攻撃の背後にイランがいたとなると両国の対立が再び深まりかねません。

2020年2月

孤立深まるイラン、国内の閉塞感かなり強い

イランの孤立が日に日に深まっているように見受けられ、問題の解決がなかなか見通せません。

制裁を科すアメリカと対立するだけでなく、合意維持に努めてきた欧州との間にも亀裂が入り、経済の苦境と政治の孤立は深まっています。

イラン革命防衛隊の士官ら保守強硬派の支持者が反米、反イスラエルの革命スローガンを繰り返し、存在感を示す中、対外関係を重視する保守穏健派だとされるロウハニ大統領も演説でアメリカの圧力には屈しないと強調しました。

元々イランの世論はそこまで大きく反米に振れていたわけではなく、反政府と反米を往復した感じになっていると言われています。

2020年1月3日のソレイマニ司令官を殺害事件の後でさえ、ウクライナの旅客機撃墜を巡って、市民らは政府を批判したりしています。

とにかく社会の閉塞感が強く、不満を持た世論が暴発するリスクもあります。

IMFによるとイランの19年の実質成長率はマイナス9.4%で、インフレ率は31%、失業率は16%に達しています。

この経済状況を何とかしないと国内政治の安定化を求めるあまり、対外強硬のリスクが高まってしまいます。

EU、紛争解決メカニズムの推進を棚上げ

EUは、イランをけん制するねらいで英独仏が発動した「紛争解決メカニズム(DRM)」の手続きを棚上げする方針のようです。

2020年2月3日、4日にイランを訪問したボレル外交安全保障上級代表がロウハニ大統領らに伝えました。

理由

国連の対イラン制裁につながる動きがイランの暴走を招きかねないためです。

一方で、米イランの対立をめぐる危機打開の具体策はみえず、手詰まりに陥っているのも事実です。

ボレル氏は

「国連の安全保障理事会に制裁再開の判断をすぐにしてもらう事は避ける」

と述べました。

DRMの発動はイラン核合意を崩壊に導くのではなく、あくまでもこれを守ることが主眼であるとの考えを強調しました。

2020年1月

イラン、核拡散防止条約からの撤退も

2020年1月20日、イランは欧州各国が核合意違反問題を国連で持ち出すならば核拡散防止条約からの脱退も検討すると言明しました。

既報の通り、イギリスとフランス、ドイツはイラン核合意で定められている紛争解決メカニズムの発動を表明しました。

これはイランの問題が国連安保理に持ち込まれる可能性を意味しています。

イランのザリフ外相は「欧州各国がその様な受け入れがたい行動を続けるなら、核拡散防止条約から脱退する」

と述べました。

イラン、IAEAとの関係も見直す可能性

イランのラリジャニ国会議長は、英独仏が「紛争解決手続き」を発動したことを受けて、そうした措置に直面すれば国際原子力機関との協力関係を見直すと警告しました。

イギリス、フランス、ドイツが取った行動は、イランの核合意違反を正式に非難するもので、最終的にはイランに対する国連制裁再開につながる可能性もあります。

イランのハメネイ師、アメリカと対話しない

2020年1月17日、イランの最高指導者ハメネイ師は8年ぶりに金曜礼拝の演説に立ち、アメリカとは対話しないと語り、反米での国民の結束を呼びかけました。

イランでは、軍がウクライナ機を誤って撃墜したことに民衆の反発が高まっています。

ハメネイ師は撃墜について不幸で悲しい出来事と話した一方で、撃墜を政治的に利用している敵がいるとして、政府の対応を非難する抗議デモの参加者を間接的に批判しました。

アメリカ、対イラン制裁で90日間の猶予を設定

2020年1月16日、アメリカ財務省は前週発動したイランに対する追加の経済制裁を巡り、特定業種での取引の段階的な縮小に向け90日間の猶予期間を設けると発表しました。

猶予期間は4月9日までで、建設業、鉱業、製造業、繊維業での取引が対象となります。

ただ制裁対象業種への新規参入は制裁の対象になるとしました。

イラン、核合意前のウラン濃縮度を超えた水準にあることに言及

2020年1月16日、イランのロウハニ大統領は、イラン核合意で制限されているウランの濃縮量について、合意が成立した2015年よりも増えていると話しました。

貯蔵量や濃縮レベルの具体的な数値には触れませんでしたが、濃縮活動の大幅な制限超過が確認されれば、イラン核合意の完全な崩壊が一層現実味を増します。

イランの国際的な孤立が深まり暴発するリスクも増えています。

ヨーロッパとイランの亀裂が深まる

これまで核合意の維持に向けて一定の協力をしてきた欧州とイランの亀裂が深まっています。

英独仏は国連制裁の再開に道を開く手続きに着手し、イギリスは一転、イランとの新たな取り決めを目指すトランプ米大統領に同調する姿勢を示しています。

このままだとウクライナ機撃墜で批判されるイランの孤立が一段と深まる可能性があります。

英仏独がDRM手続きを発動

2020年1月14日、イギリス、フランス、ドイツの3カ国は国連の対イラン制裁の再開に道を開く「紛争解決メカニズム(DRM)」という手続きを発動したと発表しました。

イランが核合意から逸脱する動きを進めているためです。

もちろんイランは反発するでしょう。

DRMとは

DRMは核合意の当事国が違反の存在を認めた場合の解決手段です。

当事国の外相級の協議などでまとまらない場合は、国連安保理に通知します。

安保理での協議次第では制裁の再開もあり得る、というものです。

イランは、ヨーロッパが核合意で約束した経済利益を提供すれば、合意順守に戻る姿勢をみせていますが、どうなるでしょうか。

イラン、国内情勢が不安定に

イランがウクライナ機を誤爆したことに抗議する市民らのデモが止まらず、混とんとしているようです。

アメリカによる軍司令官の殺害の追悼一色だった雰囲気が一転して、デモの矛先は最高指導者ハメネイ師にも向かっているようです。

アメリカの制裁による経済不振への不満も強く、アメリカとの全面衝突の危機は回避したものの、イランは国内の不安定化に苦慮しています。

こうしたイランの市民デモが終わらないのは、投票行動を通じた政治の変化が望めないからという背景もあります。

例えば、イランは2月に国会議員選を控えていますが、現職議員290人のうち90人について選挙への出馬資格を認めないと発表しています。

理由は明かされていませんが、社会や経済の開放を支持しているからと見られます。

反米で固まっているかの様に見えるイランですが、足下がふらついています。

イラン、ウクライナ機誤爆を認める 偶発的衝突リスクが実際の懸念に

2020年1月11日、イランは1月8日に発生したウクライナ国際航空機の墜落について、軍が誤って撃墜したと一転認めました。

一転誤爆を認めたのは、回収したフライトレコーダーなど明白な証拠が存在し、押し切るのが難しくなった事があります。

このまま旅客機側の技術的トラブルとの主張を続けてアメリカ以外の国も敵に回して孤立するのはまずいと思ったのでしょう。

ただ、これまでの虚偽説明に国際社会の不信は強まっていて、イラン指導部に大きな打撃となる可能性もまだあります。

アメリカ、イランに追加の制裁

2020年1月10日、アメリカはイランに新たな制裁を科しました。

イランの金属や同国指導部の一部が対象に含まれます。

具体的内容

今回の制裁はイランの鉄鋼業界や同国の高官8人に加え、建設や製造、繊維、鉱業など他のセクターも標的としています。

偶発的衝突リスクは消えず

取り会えず真正面からの衝突を避けたアメリカとイランですが、引き続きイランによるアメリカへの挑発は続くものと思われ、偶発的な衝突リスクは残りそうです。

今後イランは米軍への直接攻撃を避けて、影響下にある民兵組織などを通じた間接的な挑発等を続けてくると見られています。

つまり、両国が偶発的に衝突するリスクは消えていない状況で、イラン発の中東の混乱は長期化が避けられそうにありません。

アメリカ、軍事力行使は回避

2020年1月8日、トランプ大統領は演説で、イランがイラクの米軍駐留拠点を攻撃したことの報復措置としてイランに追加の経済制裁を科すと表明しました。

トランプ大統領は軍事力を誇示しつつも「使うことを望んでいない」と語り、報復攻撃に慎重な立場をにじませました。

ただ、マーケットはこれを好感し、リスクオフが和らいでいます。

アメリカが戦争を回避した理由

戦争の長期化という「時間のコスト」が民主主義国家・米国に不利に作用し、政権が揺らぐ可能性があったためと考えられます。

もし戦争となれば、アメリカ軍が通常兵器で敵対国の本国を攻撃する一方で、イランは米軍の足元でゲリラ戦を展開する事になるでしょう。

決着は容易にはつかず、ベトナム戦争のように長期化し泥沼の再来もありえます。

今年、大統領選挙を控えたトランプ大統領にとって、国民から不評を買うような泥沼戦争は回避したかったと考えられます。

イランの報復でアルゴリズム取引が発動

イランによる対米報復のニュースは通貨を自動的に売買するアルゴリズムを発動させ、一部の通貨トレーダーはこれに振り回されたようです。

アルゴリズムには「イラン」や「攻撃」などのキーワードを検出するプログラムが組まれていたと見られ、今回の報復に関するニュースが出るとすぐに反応したものと思われます。

これにより、円買いドル売りの大量注文が出されたという事です。

ドルをショート(売り持ち)にしていた多くのトレーダーは、ドルがアルゴ主導で107円65銭まで下げを加速した過程で買いを強いられ、ドル・ロングになってしまったという事です。

イラン、意図的に米軍被害を回避?

イランが戦争拡大を回避するために、意図的に米軍被害を避けた可能性があります。

イランのアメリカへの報復としてイラクの米軍基地に行ったミサイル攻撃について、米欧の政府筋はイランが意図的に犠牲者を出さなかったとの見方を示しました。

アメリカ国防総省の元高官は

「アメリカはイラクを通じてイランからの事前通告を受けたため、防衛措置をとることができた」

と明かしています。

イランにとってアメリカとの戦争は非現実的である一方、イラン国民に対しては対米強行姿勢を貫く必要性があり練られた作戦であると考えられます。

実際にイランは攻撃後もスイスなどを介してアメリカに正面衝突をする意図はないとのメッセージを送ったとみられます。

イランがアメリカに報復

2020年1月7日、アメリカ防総省はイラクにある米軍基地がイランから十数発の弾道ミサイルの砲撃を受けたと発表しました。

イランのアメリカに対する報復です。

1月8日の東京株式市場では日経平均は一時、前日比600円以上の下落となりました。

リスク回避の動きが鮮明となり円高・ドル安、原油と金の価格は急伸しています。

アメリカとイラン、対話のチャネルがない中偶発的衝突リスクが高まる

対話のチャネルがないアメリカとイランが、我慢の限界点を互いに見誤り、偶発的に衝突するリスクが高まっています。

2019年12月27日にイランが支援するとされる武装勢力がアメリカの民間人1人を死亡させ、米兵4人を負傷させたことが今回の始まりでした。

トランプ氏はアメリカ人の死傷者が出たとの報告を受けて、すぐにソレイマニ司令官の殺害を指示したとされています。

アメリカに死傷者が出たか否かがトランプ大統領にとっての大切な一線だったようですが、イランはそれを結果的には見誤ったようです。

実際、トランプ大統領は2019年6月にイランがアメリカの無人機を撃墜した際には、イランへの空爆を実行直前に中止しています。

無人機撃墜でアメリカ側に死傷者はなく、釣り合わないと判断したためと言われています。

一方、イラン側からすると、カリスマ的な英雄だったソレイマニ氏の殺害は一線を越えた暴挙と映った可能性があります。

両国がどこが妥結ポイントなのか分からないまま、事態が泥沼化していく事が懸念されます。

アメリカ、イラクへの制裁を示唆

2020年1月5日、トランプ大統領はイランへの大規模な報復を警告するとともに、制裁を科す可能性に言及しました。

具体的な内容

アメリカ軍がイラクからの撤退を強いられ、イラクが軍事基地の建設費用を補償しなければ、同国に厳しい制裁を科す、というものです。

トランプ大統領は中東に軍を派遣したことがアメリカにとって最悪の決定だったと述べた上で、アメリカはイラクでの軍事基地建設に巨額を費やしたと指摘しました。

その費用を回収するまでは退くに退けないという事でしょうか。。。

イランが核合意を放棄

2020年1月5日、イラン政府は欧米などと結んだ核合意の制限を破り、ウランの濃縮活動を無制限に進めると宣言しました。

中東の安定を支えていた核合意が崩れれば、イスラエルからサウジアラビアまで核開発ドミノを招くおそれがあり、そうなれば地域の緊張は高まります。

米イランの対立激化で仲介役のヨーロッパも正直あまり役に立ちそうにありません。

2020年初っ端から大きなヤマ場です。

具体的な行動

これまでウランの濃縮度の上限は核合意では3.67%でしたが、イランはこれを4.5%まで引き上げていました。今回、濃縮度の数値には言及しませんでしたが、核合意前に実施していた20%まで引き上げる可能性が高まっています。

ウランは一定水準を超えると加速度的に濃縮度が上がる構造になっていて、20%まで濃縮度を高めれば兵器級の90%にいたるプロセスの大半を終えたことになります。

アメリカ、イランが報復すれば更なる報復を行うと警告

2020年1月4日、トランプ大統領はイランが報復をした場合は「イラン関連の52カ所を標的にとても迅速かつ激しく攻撃する」とツイッターに書き込みました。

イランの政府関係者が報復の方法について、アメリカCNNに「軍事施設に対する軍事的な対応になる」と述べたこと等に対するリアクションと思われます。

アメリカ軍がイラン革命防衛隊司令官を攻撃、同司令官は死亡

2020年1月2日、イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官がバグダッドでアメリカ軍から攻撃を受けて死亡したとの報道がありました。

もしこれが事実であればイランが猛反発するのは確実で、緊張が一気に高まる事になるでしょう。

大きな動きの第一歩となる可能性があります。

2019年12月

イラン、対米対策の新予算案

2019年12月8日、イランのロウハニ大統領は新年度予算案を国会に提出し、「制裁に対する抵抗のための予算だ」と述べました。

石油輸出収入は今年度より7割減少すると予想しました。

予算規模は約4兆3600億円。

日量50万バレル程度の輸出を見込んでいると考えられます。因みに制裁前のイランの輸出は日量250万バレルを超えていました。

物価高騰への不満が高まっていることに配慮して、公務員給与を平均で15%引き上げることを盛り込む一方、税収を13%引き上げる方針を示しました。

アメリカとイラン、拘束していた相手国市民をお互い釈放

2019年12月7日、アメリカとイランは身柄を拘束していた相手国の市民を相互に釈放しました。

長年敵対している両国はトランプ大統領就任後、特に関係が悪化しており今回の動きは異例と言えます。

何か大きな動きに向けたマイルストーンかもしれません。

2019年11月

IAEA、イランによるウラン濃縮活動の拡大を確認

2019年11月11日に発表されたIAEAの四半期報告書で、イランがウラン濃縮活動を開始したと確認した上で、低濃縮ウラン貯蔵量が引き続き拡大したと明らかにしました。

イランは2019年7月初旬以降、濃縮ウランの貯蔵量とウラン濃縮度に関しても、核合意で定められた上限を相次いで破っていて、ウラン濃縮の禁止規定も違反している状況です。

核合意の下で限定的なウラン濃縮活動が認められている中部ナタンズの施設では、合意違反である高性能の遠心分離機も稼働しています。

イランで二番目に大きな油田が発見

2019年11月11日、イランのザンギャネ石油相は同国で発見された新たな油田がイランで2番目の規模を持つと語りました。

この油田の推定埋蔵量は530億バレルで、この地区では2016年に探査が始まり、これまでに310億バレルの埋蔵が発見されていましたが、今回220億バレルが新たに発見された格好です。

この発見がイランとアメリカの対立に直接影響する事はないかもしれませんが、いくら新しい油田が発見されても、輸出する先がなければ国は潤いません。

イラン、IAEAとも対立

2019年11月7日、IAEAは特別理事会を開き、イランがIAEAの査察官の活動を妨げたとされる問題を協議しました。

各国から非難が相次いだようですが、イランは否定しました。

同じ日にイランはウラン濃縮も再開しており、国際社会からの批判が一段と強まる可能性があります。

イランは先週、イラン国内の核関連施設でIAEAの女性査察官の立ち入りを拒否しました。

IAEAはイランがこの査察官の同国からの出国を遅延させたことも確認しています。

アメリカは特別理事会でイランを強く非難し、EUも深い懸念を表明しました。

IAEAによる査察は崩壊しつつあるイラン核合意の重要な柱であるため、非協力的な態度が続けば問題は更に悪い状況へと発展してしまいます。

イラン、核合意違反第4弾を発表

2019年11月5日、イランのロウハニ大統領は核合意の義務停止の「第4弾」を発表しました。

具体的な内容

中部フォルドゥの施設にある遠心分離機を再稼働させ、ウラン濃縮の能力を拡大する、というものです。

兵器級に近い濃縮レベル20%への引き上げといった強硬策は見送りました。

引き続きイランの妥結に向けた意思は消えておらず、合意からの逸脱を小出しで進める事によって、米抜きでの合意維持をめざす欧州に圧力を加える狙いです。

アメリカ、新たな制裁対象を発表

2019年11月4日、アメリカはイランの最高指導者ハメネイ師の側近ら9人と同国の国軍参謀本部を制裁対象に追加すると発表しました。

この日は、50人超の米国人が人質となったイランの米国大使館占拠事件から40年を迎える節目のタイミングです。

2019年10月

サウジ、予定通り石油施設を復旧

2019年10月3日、サウジアラビアは、攻撃された石油施設の石油生産量が攻撃前の水準に回復したと明らかにしました。

計画通りの復旧で、同国の供給体制の盤石さを強調しました。

ロシア、イランがサウジを攻撃したという証拠ない

2019年10月2日、ロシアのプーチン大統領はサウジアラビアの石油施設に対する攻撃の責任がイランにあるとの証拠がないという認識を示しました。

プーチン氏は、攻撃発生後にフランスがイランと米国の首脳会談を設定しようとしたが、イラン側が米国の制裁解除を望んだため失敗に終わったと指摘し、その上で

「われわれは石油施設攻撃は非難するが、イランを責めることには反対する。なぜなら証拠がないからだ」

と語りました。

また、イランが攻撃に関係ないと外交ルートを通じて伝えてきたことも明らかにしました。

イラン、フランスの仲介案は受け入れ可能

2019年10月2日、イランのロウハニ大統領はマクロン仏大統領がイランとアメリカに提示した仲介案はおおむね受け入れられるとの見方を示しました。これを契機にもしかしたら両国の話し合いが始まるかもしれません。

invstem.com

ただ、ロウハニ氏は提案の一部は変更の必要があるとも指摘しています。

計画ではイランが核兵器開発をしないことや、湾岸地域および航路の安全支援を求める一方で、アメリカ政府には全ての制裁解除のみが求められているだけである為、イラン産原油の速やかな輸出再開も認められるべきとしています。

2019年9月

原油相場がイラン大統領の発言で乱高下

2019年9月27日のニューヨーク市場で、原油相場が乱高下しました。背景はイラン問題です。

イランのロウハニ大統領が

「アメリカが、交渉することと引き換えに全ての制裁を解除すると提案した」

と述べたと通信社が伝え、マーケットは緊張緩和の思惑から売りが殺到しました。

WTI原油先物は一時、前日比3%安の1バレル54.75ドルまで下落したのです。

しかし、その後、トランプ米大統領がこれを否定。

その結果、原油相場は56ドル台前半と前日終値近くまで値を戻しました。

【両首脳の発言前後のWTIの動き(出所:TradingView)】

イランの孤立が深まる

国連での外交攻勢や他国の仲介努力もむなしく、イランの孤立が深まってきているようです。

イランのロウハニ大統領の国連演説もこれまでの主張を繰り返し強硬な立場を崩しませんでした。

日本や欧州の仲介外交も不発に終わる見通しで、もしかしたらイランを巡るこの状況は長期化するかもしれません。

サウジの石油施設の回復、想定より早く

2019年9月25日、サウジアラムコの生産量が想定より早く日量1100万バレルの水準を回復したという報道がありました。

9月14日に2カ所の石油施設が攻撃を受けたことによって同国の生産量全体の半分超にあたる570万バレル分が停止していました。

攻撃を受けて生産が停止していた東部アブカイクの生産量は490万バレル、クライスの施設は130万バレルに達しているとの報道もあり、これが事実なら攻撃前の水準を上回っています。

核合意を超える合意の為には、アメリカの資金拠出必要

2019年9月25日、イランのロウハニ大統領は国連総会の一般討論演説で、2015年の核合意の範囲を超える合意には、アメリカによる一段の資金拠出が必要との見解を示しました。

また、国連総会の合間にトランプ大統領と会談する可能性を否定し、対話をする前にまず制裁解除が必要との立場を変えませんでした。

ヨーロッパもイラン包囲網に追随

2019年9月23日、サウジアラビアの石油施設攻撃について、英独仏の3カ国首脳がイランの責任を認め、批判する声明を出しました。

アメリカが離脱したイラン核合意を重視してきたヨーロッパもこれ以上の挑発は許さないとの姿勢に転じた格好です。

invstem.com

なぜヨーロッパは心変わりしたのでしょうか??

ヨーロッパの変化にはサウジ攻撃への危機感がありそうです。

今回の攻撃でサウジの原油生産の半分以上が停止し、原油価格は一時急上昇しました。

これを受けて、ヨーロッパも今回の一件が従来の挑発とは次元が異なったと映ったようです。

核合意の維持が困難になれば、中東情勢は更に不安定になりかねません。

イラン、イギリスタンカーを解放、融和をアピール?

2019年9月23日、イラン当局は7月にホルムズ海峡で拿捕したイギリスの石油タンカーを解放したと発表しました。

この事件をきっかけに、世界の原油輸送の要であるペルシャ湾の安全についての懸念が高まっていた中、開催中の国連総会で、国際社会に融和的な姿勢をアピールする狙いがあると思われます。

トランプ大統領、

2019年9月22日、トランプ大統領は開催中の国連総会に合わせて、イランのロウハニ大統領との会談について、「予定はない」としたものの、

「選択肢から完全には排除しない」

とも語りました。

アメリカはサウジアラビアの石油施設攻撃にイランが関与していると非難していますが、対話にも意欲を示し続けています。

イラン、国連で独自のペルシャ湾安保案を披露

2019年9月22日、イランのロウハニ大統領は、国連総会に出席する機会に、周辺国と協力してペルシャ湾の安全保障を確立するための独自の提案を行う考えを示しました。

無策と批判されない為の口実、といった所でしょうか??

対イラン制裁、アメリカ側の限界が露呈??

2019年9月20日、アメリカ財務省は不正な資金取引に関わったとして、イランの中央銀行や国家開発基金を経済制裁の対象に指定したと発表しました。

しかし、この発表は実際には殆ど効果がないと見られます。

MEMO

アメリカは2018年11月にイラン中銀と外国金融機関の取引を原則禁じる措置を講じ、同中銀は事実上の制裁対象になっていました。

今回の制裁指定にはアメリカの金融機関との取引を禁じる効果がありますが、取引自体がほとんどないとみられています。

トランプ大統領は軍事行動に慎重な姿勢を崩さず、イランを国際社会から孤立させるという外交的手段で事態を打開させようと考えているのでしょう。

アメリカの対イラン制裁の限界が露呈し、イランもアメリカの足下を見て交渉してくるでしょうから、引き続きどうやって解決していくのかの具体的なロードマップは見えにくいままです。

対イラン制裁は軍事ではなく経済的措置?

2019年9月18日、トランプ大統領はイランに対する経済措置を48時間以内に発表すると述べました。

トランプ氏はツイッターでムニューシン財務長官にイラン制裁の大幅な強化を命じたと明らかにしました。

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軍事的措置はどうでしょうか??

アメリカ軍のダンフォード統合参謀本部議長は

「米軍は軍事面での検討を進めている」

と話しています。

一方のトランプ大統領。

トランプ米大統領は衝動的行動で知られますが、今回の件については慎重な態度を見せ、関与が疑われるイランへの軍事攻撃を控えています。

来年の再選を目指し、軍事オプションは避けたいようです。

トランプ大統領は大統領就任から3カ月弱の2017年、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとしてわずか2日間の猶予を置いただけで軍事攻撃に踏み切っているだけに、今回は慎重な姿勢が際立っているようです。

イランの最高指導者、アメリカとの対話を拒否

2019年9月17日、イランの最高指導者であるハメネイ師は、

「イランは政府のどのレベルにおいても米国とは対話しない」

と述べて、トランプ政権が模索するロウハニ大統領との首脳会談を認めない考えを示しました。

イラン国内はサウジへの攻撃がイランに原因があるとアメリカから批判されたことで、一段と対米強硬に傾いています。

また、大統領選挙を目前に控えたトランプ政権の手詰まりも見透かして、挑発を増やしています。

イラン内でも対米強硬派と国際協調派に分かれていて、今は強硬派が勢力を増しているという事でしょうか。。。

アメリカ、イランとの対話排除しないものの戦闘準備も

2019年9月16日、トランプ大統領は、サウジアラビアの石油施設への攻撃にイランが関与した可能性が高いと指摘したうえで対話という選択肢もまだ残されていると語りました。

一方でアメリカは戦闘準備も進めている事を明かし、イランをけん制しました。

今後ポンペオ国務長官がサウジを訪れて対応策を協議する予定との事です。

アメリカとイランの関係は後退する可能性高い

サウジへのドローン攻撃はイランとアメリカの対話への雰囲気を壊す可能性があると言えるでしょう。

実行犯とされているのは、イランが支援するイエメンの反体制武装勢力フーシだからです。

これが本当なら、アメリカとイランの関係の一段の悪化につながる可能性があり、当然、国連総会の場で検討されていたアメリカとイランの首脳会談も暗雲が立ち込めるでしょう。

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またサウジとイランの関係悪化もあるでしょう。

攻撃に反発するサウジは、イエメンのフーシ支配地域への空爆を一段と強化する可能性があり、イランとサウジの関係もさらに険悪になりそうです。

一方で、トランプ氏は強硬派のボルトン大統領補佐官を解任していて、イランに秋波を送る姿勢をみせていました。

どうなるか注目する必要があります。

サウジへのドローン攻撃、アメリカはイランが黒幕との見解

2019年9月16日トランプ大統領はサウジアラビアの石油施設に対する攻撃について、イランが背後にいる公算が大きいとの見方を示しました。

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サウジアラビアへのドローン攻撃の詳細はこちらをご参考ください
原油・資源関連ニュースのまとめ2019

ただ実際に誰が攻撃を行ったのかについては調査が進められていて、直ちに対応することはないようです。

イラン、アメリカが制裁を緩和すれば原油生産を最大化

2019年9月14日、イランはアメリカが制裁を解除すれば、原油生産の最大化政策を導入するとの意向を示しました。

イランのザンギャネ石油相は

「アメリカによるイラン石油産業への制裁が緩和された際には、生産最大化がイラン石油省の政策になる」

と語っています。

アメリカは2018年から、イランとの核合意から離脱し、対イラン制裁を再開しました。

イランから石油を輸入する国々にも制裁を科すとしたため、イランの石油輸出は80%以上減少しています。

アメリカ、イラン制裁の緩和を示唆??

2019年9月11日、トランプ大統領は対イラン制裁を緩和する可能性を示唆しました。

イランがウラン濃縮に着手することは非常に危険だ。イランは財政面で苦境に立たされていて、制裁は厳しくなる一方だ。イランはアメリカと合意することを望んでいるだろう。

とけん制も加えました。

強硬派のボルトン補佐官も政権を去り、少し柔和な外交姿勢に変わる可能性もあります。

アメリカ、前提条件なしの首脳会談の可能性を示唆

2019年9月10日、アメリカのポンペオ国務長官は、トランプ大統領が9月に開催される国連総会で前提条件なしにイランのロウハニ大統領と会談する可能性があると語りました。

米イラン会談の可能性についての質問に対し、

「大統領には前提条件なしで会談する用意がある」

と応じたのです。

そうなった場合、ボルトン補佐官もいなくなり、一気に物事が前に進む可能性があります。

核合意の義務を停止する新たな措置として、遠心分離機の開発を開始

2019年9月4日、ロウハニ大統領は核合意の義務を停止する第3弾の措置として、ウラン濃縮活動の加速に必要な遠心分離機の開発を開始すると発表し、その一方で、核合意存続に向けた欧州の対応期限を2カ月延長するとしました。

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現実的に遠心分離機の開発そのものは影響が大きいものでしょうか??

遠心分離機の開発自体は現実には影響が小さいと思われます。

核爆弾製造に近づく濃縮レベルの大幅な引き上げは見送っていて、国際協調の余地を残した形です。

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もう少し詳細に教えて下さい

イランは今回の第3弾で濃縮度を合意前と同じ20%に引き上げることを選択肢として示していました。

この20%に引き上げ、という事を実現すると核兵器を作れるようになるまでの工程の半分以上を終えた事になるのです。

これは「ブレークアウトタイム」(核爆弾1個を製造する為に必要な時間)を大きく縮めることになりかねず大問題となります。

イランはこうなる事は避けたわけです。

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イランがそこまで強硬手段に出なかった理由は何でしょうか??

元々イランは他国との争いをしたいわけではありませんので、なるべく妥協に持っていきたいわけです。

ただ、それにはきっかけが必要で、その一つがフランスのマクロン大統領が提案したイランへの150億ドルの金融支援でした。

だが、仏がイラン向けに150億ドルの信用枠を設定するには、アメリカがこの措置を制裁適用から除外する必要があります。

今の所、アメリカは明確な態度を示していません。

今後どうなるかを注目する必要があります。

トンらプ大統領、国連総会でイランとの会談も示唆

2019年9月4日、トランプ大統領はニューヨークで今月行われる国連総会にて、イランのロウハニ大統領と会談する可能性に含みを残しました。

その一方で、制裁を緩和する考えはないと明言しています。

各国、いかに自分たちの立場を変えず相手と話し合いをし妥結を図るか、策を練っているような感じです。

2019年8月

アメリカ、イランとの接点を模索

2019年8月27日、トランプ政権がイエメンの内戦でイランが支援する武装勢力フーシとの直接対話を準備しているという報道がありました。

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なぜそれが注目されるのでしょうか??

フーシの背後にいるイランと間接的に対話する糸口として意識している可能性がある為です。

アメリカはイランとの対立が深まるなか、対話の糸口を何とかつかみたいという事でしょう。

アメリカとイランの緊張緩和は、日本も仲介役を担っているものの、直接対話のハードルは依然として高いままです。

オバマ前政権まで存在した非公式の対話ルートもその多くが失われたとみられていて、互いの意図の読み違いが偶発的な軍事衝突につながるリスクが意識され続けています。

アメリカ、イラン外相を制裁対象に加える

2019年7月31日、アメリカはイランのザリフ外相を制裁対象に追加しました。

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これはかなり挑発的な対応で、外交的解決の可能性を狭める可能性があります。
今回の制裁の意義

今回の制裁は象徴的な意味合いが強く、ザリフ外相は引き続き公務でニューヨークの国連本部を訪れることができます。アメリカ国内の資産へのアクセスは阻止されますが、ザリフ外相はアメリカに資産を持っていないので影響は全くないと思われます。

2019年7月 アメリカとイラン双方譲らず

ハメネイ師、いかなる状況でもアメリカと交渉せず

イラン最高指導者ハメネイ師の側近が、イランはアメリカといかなる状況でも交渉するつもりはなく、戦争となればイランの周辺にある米軍基地がすぐに標的になると警告しました。

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まずは経済制裁の解除が先だと言いたいのでしょうが。。。

またホルムズ海峡を通過する石油タンカーは、国籍にかかわらずすべて航行できるか、あるいは海峡が封鎖され航行できないかのいずれかだとしました。

また、UAEが和平協議のためイランに使節団を派遣したことも明らかにしました。

イランは対立望まずと言明するも、「紛争起きれば収束不能」と警告

2019年7月22日、イランのザリフ外相はイランは対立を望んでいないと言明し、一度紛争が引き起こされれば終結は不可能になる、と警告しました。

MEMO

イラン側は7月19日、イギリスのタンカーをホルムズ海峡で拿捕しています。これは、イギリスが7月初めに、EUの制裁に違反したとみられるイランのタンカーをイギリス領ジブラルタル沖で拿捕したことへの報復措置の可能性があると言われています。

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もっとも、イランは国際規則を順守するために当該タンカーを拿捕したとして、イギリスによるイランタンカー拿捕の報復ではないと説明しています。

イランによるイギリスのタンカー拿捕の影響は??

イラン革命防衛隊がイギリスのタンカーを拿捕しました。

これがどういう影響を与えるか注視する必要がありそうです。

場合によってはイギリスとの対立が深まり、イラン核合意の維持をめぐるヨーロッパ勢の態度を硬化させる可能性があるからです。

また、イランのこうした度重なる挑発的行為がアメリカのさらなる態度硬化を招く恐れもあります。

想定される最悪のシナリオ

こうした度重なる挑発的行為が続いていたずらに緊張状況が高まり、偶発的な軍事衝突から紛争がぼっ発すること。

イランは2018年5月にアメリカが一方的に離脱した後も、英仏独やロシア、中国と結んだ核合意の義務を守ってきました。

にもかかわらず、こうした挑発を行うのは、アメリカの強力な制裁でイラン経済が疲弊するなか、危機の演出でEUからの支援を引き出す狙いがあると思われます。

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実際、ヨーロッパはアメリカ抜きでも核合意を維持しようと努力を続けてきました。

しかし、今回のイランによる英タンカー拿捕は、ヨーロッパにとって許容しがたいものであると考えられます。

「航行の自由」への妨げは、原油や物流輸送にとってきわめて重要なホルムズ海峡で民間船舶の航行をリスクにさらす事だからです。

誰も戦争を望んでいませんが、今回の一件で偶発的な衝突が起きるリスクは高まり、事態をより困難な状況にしてしまった可能性があります。

イランのドローン撃墜で原油価格は1%強下落

2019年7月19日、原油先物価格は1%超上昇しました。

アメリカ軍によるイランの無人偵察機撃墜がその要因です。

【報道直後のWTIの推移(出所:TradingView)】

アメリカがイランのドローンを撃墜

2019年7月18日、トランプ大統領は中東のホルムズ海峡で米軍がイランのドローンを撃墜したことを明らかにしました。

アメリカ側の警告をイランが無視した事による防御的な対応だと主張しています。

イランが反発して中東情勢の緊張が一段と高まる恐れがあります。

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トランプ大統領はイランとの対話で進展があったと言っていた矢先でしたが、、、

アメリカとイランで現状評価が食い違い

2019年7月16日、イラン最高指導者のハメネイ師は核合意の履行停止を継続する方針を示した一方、トランプ大統領はイラン情勢で「大きな進展」がみられると述べ、双方の主張の食い違いが鮮明になっています。

何かしら水面下で行われている証拠でしょうが、どの様な形で収束するかは引き続き分かりません。

アメリカとイランの緊張緩和期待で原油先物3%安

2019年7月16日、原油先物はトランプ米大統領がイランとの関係に進展があったと発言したことで、中東を巡る緊張が緩和するとの思惑が広がり、3%を超す下げとなりました。

【当該発言前後のWTI原油価格推移(出所:TradingView)】

イラン、アメリカが制裁解除すれば協議

2019年7月14日、イランのロウハニ大統領はアメリカが対イラン制裁を解除し、昨年離脱した核合意に復帰するのなら、アメリカと協議する用意があると表明しました。

アメリカは、イランとの協議についてオープンな姿勢を示していますが、イランはアメリカの核合意離脱前と同程度の原油輸出が可能になることが協議の前提条件という認識です。

核合意の当事国であるフランス、英国、ドイツの3カ国は、全ての合意当事国による対話の再開を呼び掛ける共同声明を発表しています。

アメリカのリアクションが待たれますが、制裁強化になるのでしょうか。

アメリカ、近く大幅な制裁強化と表明

2019年7月10日、トランプ大統領はイランの核合意違反について、近く同国に追加制裁を加えると表明しました。

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この表明はトランプ氏のツイッター上で行われました。

イラン、ウランの濃縮度を制限超に引き上げ開始

2019年7月7日、イランは2015年の核合意で定められたウランの濃縮度を制限の3.67%から引き上げる作業を開始したと発表しました。

ウラン貯蔵量の上限超過に続いてもう一つ核合意から逸脱した事になります。

MEMO
但し、現状程度の違反であれば、ウラン濃度を薄めることで、すぐに規定水準にもどるようです。つまり、少なくともイランには、今現時点で核武装を強化する意図はないと考えられます

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一方で、外交や政治は「シンボル」が大切で、レベル感や多寡でなく「違反なのかそうじゃないのか」というゼロか1かみたいなところがあるのも事実です。

イランは、状況が改善されなければ60日後に逸脱範囲をさらに広げるとも警告しました。

アメリカの反発は必至で、緊迫は一段と高まりそうです。

イラン、ヨーロッパに揺さぶり

アメリカからの精査圧力を受けるイランがヨーロッパに揺さぶりをかけています。

イランがヨーロッパに突きつけた状況改善の期限が7日に迫ってきています。

イランは低濃縮ウランの貯蔵量上限の超過にとどまらず、更なる合意違反として濃縮度の引き上げなど、より重大な義務の履行停止に踏み切る構えのようです。

合意当事国の英仏独を揺さぶって、自国に有利な譲歩を引き出す狙いです。

アメリカはこうしたイランの戦術を強く非難しており、情勢は一段と緊迫しそうです。

7月上旬においては、イランの緊迫が原油価格を引き上げるほどには至っていませんが、それは状況次第でしょう。

中国がイラン産原油を迂回して確保??

中国が「瀬取り」や第三国を経由した迂回輸入でイラン産原油を獲得しているという疑惑が浮上しているようです。

イラン産原油の禁輸以降、中国の輸入は公式統計上は激減していますが、非公式ルートで一部取引が続いている可能性があります。

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米制裁に反対する中国がイランを側面支援しているとの見方もあるようです。

アメリカのイランへの対応方法

アメリカが対イランで様々な追加制裁を検討しているようです。

言われているのは、従来の経済制裁に加え、核関連施設へのサイバー攻撃。

イランのウラン濃縮施設をサイバー攻撃し、イランの核開発能力を奪うというものという事です。

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また、突発的な有事に備え、2019年6月末にステルス戦闘機F22をカタールの空軍基地に配備したりもしています。

英独仏は核合意の維持を目指してイランに自制を働きかけています。

しかし、イランは経済制裁によって困窮し、核合意の義務を果たす負担だけが大きくなったと主張しています。

このまま行くと、核合意定めた以上の濃縮ウランを製造する可能性を示唆していて、その場合最悪のケースとしては、アメリカによる軍事攻撃の可能性が出て来ます。

イランが核合意違反、アメリカは「火遊び」と批判

イランが低濃縮ウラン貯蔵量が核合意で定めた上限を超えたとIAEAが発表しました。

これをを受けて、トランプ大統領はイランが「火遊びをしている」と批判しました。

MEMO
国際原子力機関は2019年7月1日、イランの低濃縮ウラン貯蔵量が2015年の核合意で定められた上限を超えたと明らかにし、イラン側も同日、同様の事を発表しました。

2019年6月 アメリカが対イラン制裁科す

ハメネイ師、アメリカとの交渉の可能性を一蹴する

イランの最高指導者ハメネイ師が対米交渉の可能性を一蹴しました。

ハメネイ師は、アメリカと交渉しても、またアメリカはイランを裏切って悲惨な状態に追いやる、との考えを表明しました。

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イラン問題は解決へのロードマップがなかなか描けなさそうですね。。。

イラン、対米不信根深く

イランのロウハニ大統領は、アメリカの新たな制裁について、トランプ政権が真剣には交渉を望んでいないことを示すものだと語り、対米不信の大きさを垣間見せました。

ロウハニ大統領は、アメリカが交渉を望んでいるというのはうそだと指摘し、最高指導者ハメネイ師を標的とした制裁も、「異常」と表現しました。

対イラン制裁、アメリカ内部の政治的やり取りが影響も

アメリカが今回の対イラン制裁でハメネイ師もその対象とする異例の措置に踏み込んだ背景には、アメリカ政府・与党内の強硬派と慎重派のパワーバランスの調整、そしてトランプ氏自身のメンツが強く関係していた事が分かりました。

ただ、こうした硬軟入り混じった手法にイランは猛反発していて、対立が長引く可能性が指摘されています。

与党内でもオバマ前大統領と同様にトランプ氏も弱腰だとの批判が出ています。

オバマ氏は対シリアでも結局軍事行動に踏み切らず、トランプ氏はこうしたオバマ氏の判断を痛烈に批判してきた経緯があります。

このため、軍事行動に及ばないギリギリの範囲でイランに強硬措置をとる必要に迫られたのでしょう。

アメリカ、ハメネイ師らを制裁対象に

アメリカはイランへの追加制裁として、最高指導者ハメネイ師やジャバド・ザリフ外相などによる金融商品へのアクセスを絶ち、アメリカでの資産を凍結します。

アメリカは圧力を強めて交渉のテーブルに着くよう迫る方針ですが、緊張はさらに高まっていく可能性が高いと思われます。

6月24日、アメリカが対イラン制裁を科す

2019年6月22日、トランプ大統領は24日にイランへ大規模な追加制裁を科すと表明しました。

イランへの空爆を見送ったものの圧力は緩めません。

今後の軍事攻撃の可能性は排除しないと述べる一方で、対話にも意欲をみせています。

制裁の具体的な内容は不明だが、イランが石油輸出などで稼いだ資金を核開発に活用できないよう資金源を断つような中身になる可能性が指摘されています。

制裁内容に如何によっては、、また原油市場で大きな動きが出る可能性もあります。

6月20日、NY原油、今年最大の上昇、イラン問題で

2019年6月20日のWTI期近物が前日より2.89ドル高い1バレル56.55ドルで取引を終えました。

上昇幅は今年最大です。

背景はイランによるアメリカ無人偵察機の撃墜です。

イラン問題以外にもアメリカの利下げ期待を背景にアメリカ株が大きく上昇してしており、それにつられた形で原油相場が押し上げられているというのもあります。

イランがアメリカ無人偵察機を撃墜

2019年6月20日、イラン革命防衛隊は南部ホルムズガン州に侵入してきたアメリカの無人偵察機を撃墜したと発表しました。

米軍報道官も撃墜されたことは認めましたが、イランが主張する領空侵犯はしていないと反発しています。

この問題がエスカレートする事を心配しています。

アメリカ、外向的手段で解決を志向

アメリカのポンペオ国務長官はタンカー攻撃にイランが関与したとのアメリカ政府の見解を前提に、イランが起こしたとする様々な証拠が他にもあると指摘した上で、外交およびその他のあらゆる措置を講じると表明しました。

今後は国際社会と連携してこの問題に継続的に取り組むとしています。

サウジアラビア、原油供給にコミット

サウジアラビアは、ホルムズ海峡の石油タンカー攻撃を非難した上で、石油供給を着実に実施していくと表明しました。

この上でサウジのエネルギー省および国営石油会社サウジアラムコはテロ行為への備えを強化し、国際市場への石油供給におけるサウジの義務を再確認したという事です。

アメリカ、タンカー攻撃はイランの責任と断定

ホルムズ海峡で石油タンカー2隻が攻撃されたことについて、アメリカ政府はイランに責任があると断定しました。もちろんイランは自国の関与を否定しています。

タンカー攻撃で原油価格急伸

2019年6月13日、石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くでタンカーが攻撃され、動揺が広がっています。今回の攻撃の情報を受けて原油相場は即座に4%ほど上昇しました。

今後もこの様な事態が続くとアジア製造業のサプライチェーンを機能不全にしかねず、危機が世界に広がる可能性があります。

今回のタンカー攻撃は、イラン犯人説やイランを敵視する勢力が引き起こした説など、様々な臆測が飛び交っていますが、いずれにせよこういった事件が誤解や過剰反応をまねく危険は大きく注意が必要です。

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