フィリピンの金融政策の経緯とまとめ

この記事ではフィリピンの金融政策に的を絞って記述していきます。

フィリピン株式やフィリピンペソへの投資を検討している方にとって同国の金融政策や中央銀行の動きを知る一つのツールとしてお使い下さい。

時系列で上から最新の情報をアップしていきます。

2021年11月

政策金利を据え置きもインフレも意識

フィリピン中央銀行は18日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を過去最低の2.00%に据え置きました。

来年のインフレリスクに言及したものの、制御可能な状況との認識で、持続的な経済回復に向け支援し続けます。

据え置きは8会合連続となり、予想通りの結果です。

翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%と2.5%に据え置きました。

中銀は、持続的回復を確実にするため政策支援を優先する方針を示す一方、インフレに対するリスクを意識しており、二次的影響には対処する用意があるとしています。

2021年9月

コロナの影響もあり、政策金利を据え置き

フィリピン中央銀行は23日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り過去最低の2.0%に据え置きました。

インフレ圧力が高まっているものの、新型コロナウイルス流行の余波を受けている経済の支援を優先します。

据え置きは7会合連続となりますがほぼ想定通りです。

翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%と2.5%に据え置きました。

ジョクノ中銀総裁は、インフレ圧力はまだ制御可能で、成長の見通しが不確実なことから現行の金融政策は適切と説明しました。

因みに、インフレ率は中銀の目標レンジ(2ー4%)を上回っている状況です。

総裁は、回復できるか否かはより機動的な政策措置にかかっていると述べました。

フィリピン経済は、7月から9月半ばまで続いた厳格なロックダウンのため、また見通しが不透明になっています。

政府は8月、2021年の成長率目標を6.0ー7.0%から4.0ー5.0%に引き下げものの、これも依然不透明な状況です。

2021年8月

景気への懸念あるものの、金利据え置き

12日開催の金融政策決定委員会では、金利据え置きであったものの、景気の下振れリスクへの言及がなされるなど、ハト派のスタンスが強まりました。

政策金利である翌日物借入金利を過去最低水準の年2%で据え置きです。

据え置きは6会合連続です。

インフレ率は引き続き高い状況で、景気への懸念は強いものの、さらなる利下げは見送りました。

2021年6月

金利据え置き

フィリピン中央銀行は24日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利を過去最低水準の年2%で据え置くと決めました。

据え置きは5会合連続です。

経済活動は低調だがインフレ率が政府目標を上回る水準が続いており、利下げは見送りました。

5月のインフレ率は4.5%で、1月以降4%以上の上昇が続いています。

食品などの価格が高騰しており、政府のインフレ目標(2~4%)の上限を上回って推移している状況です。

フィリピン中銀の予想では世界的な原油価格の高騰などの影響を受けて、2021年のインフレ率は4%になるとしています。

フィリピン経済はまだ停滞している状況です。

新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて移動や行動を制限したことが影響しています。

ジョクノ総裁も新型コロナのワクチン接種計画を加速させて市場の信頼感と経済回復を後押しするとコメントしています。

また、副総裁も景気回復が一段と弱い可能性への備えとして、追加利下げの余地があると発言したことも注目されました。

追加利下げも視野

フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、年2%で据え置いている政策金利について、さらなる利下げも視野に入れていると語りました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、同国の経済成長は低調です。

景気回復にはワクチンの接種ペースを速めることが不可欠だとして、政府の接種計画に期待を寄せました。

2021年3月

政策金利据え置き

フィリピン中央銀行は3月25日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り2.0%に据え置きました。

物価は上昇傾向にあるものの、国内経済は新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う行動規制で打撃を受けており、緩和的な政策を維持しました。

据え置きはこれで3回連続です。

翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%、2.5%に据え置きました。

2021年2月

政策金利2%で据え置き

フィリピン中央銀行は2月11日の金融政策決定会合で、政策金利の翌日物借入金利を過去最低水準の年2.0%で据え置きました。

据え置きは2会合連続となります。

食品価格の上昇で1月のインフレ率が2年ぶりの高い水準となり、景気刺激のための利下げを見送りました。

1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇し、政府のインフレ目標(2~4%)の上限を超えており、、利下げ余地は乏しくなっていました。

2020年11月

予想外の利下げで政策金利は過去最低の2.0%

2020年11月19日、フィリピン中央銀行は大方の予想に反して主要政策金利の翌日物リバースレポ金利を2.25%から過去最低の2.0%に引き下げました。

一連の台風による被害や新型コロナウイルスの感染拡大により経済への圧力が高まっています。

利下げは今年5回目で、翌日物預金金利も1.5%へ、翌日物貸出金利は2.5%へそれぞれ引き下げました。

マーケット関係者の大半はこれまでの緩和の効果を見極めるために現状を維持するとみていたため、予想外の展開です。

フィリピン中銀の今年の利下げ幅は合わせて200bpとなりました。

中銀は物価見通しについて、国内の活動が鈍いことから2022年まで目標とする2ー4%の範囲にとどまると予想しています。

中銀は今年のインフレ率予想を2.3%から2.4%へ引き上げる一方、2021年は2.8%から2.7%へ引き下げました。

2022年も3%から2.9%へ下方修正しました。

2020年10月

金利は据え置き

2020年10月1日、金融政策決定委員会が開かれ 、予想通りに政策金利が据え置かれました 。

インフレ見通しが下方修正され 、 緩和的な金融政策の長期化を後押しました。

また、政府が中銀に要請していた5400 億ペソ(GDP 比2.9%)の財政支援は決定しました。

財政ファイナンスに踏み切るわけです。

足下の金融市場では世界的なカネ余りも重なりペソ相場は堅調ですが、外出制限長期化に伴う景気の不透明感は株価の重石となっています。

このまま双子の赤字を抱えるなかでの財政支援を受けて、当面の金融市場は不安定な展開が続くかもしれません。

2020年8月

5会合ぶりの金利据え置き

2020年8月20日、フィリピン中央銀行は金融政策決定委員会で政策金利の翌日物借入金利を年2.25%で据え置くと決めました。

今年に入り累計で1.75%利下げしており、5会合ぶりに据え置きました。

新型コロナウイルスの影響で停滞した経済活動が再開しつつあることから、追加の緩和は見送りました。

ジョクノ総裁はオンライン会見で金利を据え置いた理由について、

  • コロナ対策のための都市封鎖が緩和され、経済活動に回復の兆しが見られること
  • インフレ率が政府目標(2~4%)の下限近くで推移していること

を挙げました。

フィリピンはコロナ禍による景気悪化を受け、結果、中央銀行は4会合連続で利下げを実施しました。

現在の金利は過去最低の水準にあります。

中銀は2020年のインフレ率見通しを2.3%から2.6%へ、2021年は2.6%から3%へ引き上げました。

依然として目標とする2-4%の範囲にとどまっています。

中銀はまた、不動産融資の規制を緩和し、金融機関の総融資残高に占める上限を20%から25%に引き上げると発表しました。

これで1兆2千億ペソ(約2兆6千億円)の流動性が増えるという事です。

フィリピンの4~6月期の経済成長率は前年同期比16.5%減の大幅なマイナスでした。

今回の政策で不動産市場を活性化し、低迷する経済の底上げにつなげる狙いがあるようです。

2020年6月

予想外の大幅利下げで政策金利は2.25%

2020年6月25日、フィリピン中央銀行は金融政策委員会で政策金利(翌日物借入金利)を年0.5%引き下げ、過去最低の2.25%に改めると決めました。

利下げは4会合連続となります。

2022年までのインフレ率が政府目標の2~4%の下限近くで推移するとの見通しも利下げ判断を後押ししたようです。

通貨ペソが堅調なことを背景に、予想を上回る大幅利下げで、30年余りで最悪のマイナス成長に直面する経済を支える狙いがあるのだと思われます。

市場関係者の予想の大勢は据え置き、または利下げしたとしても0.25%の幅でした。

今後の金融政策

今回の会合後に公表された声明文では、先行きの物価や経済について、

  1. 基本シナリオでは2022 年までインフレ目標の下限近傍で推移
  2. 新型肺炎の感染拡大による国内・外景気への悪影響に伴う下振れリスクを警戒
  3. フィリピン経済についても新型肺炎感染対策の影響で減速感を強めている
  4. 仮に経済活動が再開されても景気動向は不均衡な状況が続く
  5. 経済活動の強化や金融環境の下支えを図ることが重要

としました。

ジョクノ総裁、次回会合での金利据え置きを示唆

ジョクノ総裁は6月月初、次回の金融政策決定会合において、金利据え置きを示唆するコメントをしました。

同総裁はコロナウイルス感染拡大による経済への負の影響を警戒すると同時に、プラスの実質金利(≒名目金利-インフレ率)が望ましいと述べました。

フィリピンの5月の消費者物価指数は前年同月比で2.1%と前年同月の3.2%から低下しており、フィリピンの実質金利はゼロに近づいている状況です。

足元のインフレ率の低下は過去の原油価格下落の影響が大きいとも考えられますが、原油価格は既に底打ちが見られます。

つまり、実質金利をプラスにする為にはこれ以上の利下げはあったとしても小幅にとどまる事が予想されます。

2020年4月

更なる利下げに含み

2020年4月24日、中央銀行のジョグノ総裁は緊急会見をし、更なる金融緩和を示唆しました。

同総裁はインフレ率が目標を下回る可能性に言及した上で、引き続き十分な政策余地があるとの認識を示しました。

今後も一段の金融緩和の可能性を示唆したものと受け止められています。

0.5%の緊急利下げ

2020年4月16日、フィリピン中央銀行は臨時の金融政策委員会を開き、政策金利の翌日物借入金利を0.5%下げて2.75%にすると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済の大幅減速が避けられず、異例の緊急利下げで経済を下支えする姿勢を明確にしました。

12日に中銀総裁が利下げする用意があるとコメントしてから4日後の利下げとなりました。

中央銀行総裁、追加利下げの用意があるとコメント

2020年4月12日、フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は今般の景気低迷への対応として、3%を下回る水準に政策金利を引き下げる用意があることを明らかにしました。

総裁は

「政策金利が3.0%だった2018年に戻るだけでは十分ではない。大幅な景気減速が予想されることから、より大規模な利下げが必要だ」

とコメントしました。

仮に3%は過去最低の金利水準です。

2020年3月

0.5%の利下げで政策金利は3.25%

2020年3月19日、フィリピン中央銀行は政策金利の翌日物リバースレポ金利を50bp引き下げ、3.25%としました。

今回の利下げは市場予想(0.25%)を上回る大幅な利下げでした。

これで2018年の利上げ局面以降で、5度目の利下げとなります。

中銀のジョクノ総裁は、銀行への流動性供給や融資拡大に向けた一連の対策も発表し、中央銀行としてコロナ対策に積極的な姿勢を内外にアピールしました。

中銀は、預金準備率の引き下げやターム物預金ファシリティー入札の停止など、景気支援のために「金融政策手段を総動員」する用意があると表明していました。

中銀は、今年のインフレ率予測を3.0%から2.2%に修正すると共に、今年と来年の目標レンジは2-4%となっています。

来年のインフレ率予測も2.9%から2.4%に修正しました。

2020年2月

0.25%利下げして3.75%に

2020年2月6日、フィリピン中央銀行は政策金利である翌日物借入金利を年4.0%から3.75%に引き下げました。

利下げは3会合ぶりです。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が中国を中心に拡大しており、経済成長を押し下げる可能性があるとして、金融緩和で景気を下支えする意図でしょう。

経済成長を下支えするため、さらに金融政策を緩和する用意があるとも表明しています。

ジョクノ総裁は

「新型肺炎の影響で経済活動や市場心理が冷え込む可能性があり、観光業や出稼ぎ労働者からの海外送金が影響を受けて2020年のGDPが0.3%押し下げられるだろう」

との趣旨のコメントをしています。

2019年11月

年内の利下げはない?

フィリピン中央銀行は、年内の利下げに否定的な見解を示していますが、2019年11月7日のGDPの発表で、その可能性がより高くなったようです。

フィリピンの2019年第三四半期のGDPは内容が良いわけではありませんが、3四半期ぶりの6%台回復などから、まずは様子見という事になりそうです。

フィリピン中央銀行は、これまで金融緩和を立て続けに行ってきた事もあり、年内の利下げはあまりなさそうです。

2019年9月

預金準備率を1ポイント引き下げる

2019年9月27日、フィリピン中央銀行は27日、市中銀行の預金準備率を1ポイント引き下げました。

この前日には利下げを実施しているので、中銀の積極的な緩和策が示された形です。

今回の措置で大手銀行の預金準備率は11月上旬から15%となる予定です。

政策金利を0.25%引き下げて4.0%に

2019年9月26日、フィリピン中央銀行は0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利を4.0%としました。

インフレ圧力が抑られている中で、金融緩和を継続するとの姿勢を継続しました。

この利上げはほぼ予想通りの結果でした。

東南アジア各国では19日のインドネシアも利下げしており、米中貿易戦争の長期化で景気の先行きに不透明感が増す中、金融緩和でテコ入れを急ぐ国が増えています。

2019年8月

0.25%の利下げを決定

2019年8月8日、フィリピン中央銀行は政策金利を0.25ポイント下げて4.25%としました。

経済成長とインフレが鈍化したことを受け、金融緩和を再開した形ですが、元々0.5%ほど利下げするのではないかという声もありましたので、そこからは小さめの利下げとなりました。

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8月上旬の相場状況だとそうなるでしょう。。。

ただ、インフレ見通しに照らせばまだ引き下げ余地がある、として追加の利下げも示唆しています。

フィリピン中銀は5月に0.25%利下げしていましたが、6月は金利を据え置いていました。

年内に0.5%程度の利下げを想定

2019年8月5日、フィリピン中央銀行のジョグノ総裁は、年内に0.5ポイント程度の政策金利引き下げを想定しており、そのタイミングは今後発表される経済統計次第だと述べました。

ジョグノ総裁は、インフレ統計やGDP、米中貿易摩擦の状況を注視して最終的な判断を行うと述べています。

2019年6月

政策金利は4.5%で据え置き

2019年6月20日、中央銀行は金融政策委員会を開き、政策金利である翌日物借入金利を4.5%に据え置くことを決めました。

据え置きは2会合ぶりとなります。

5月末の中央銀行総裁のインタビューでも追加利下げの発言があったりしたので、市場の一部では利下げを予想していましたが、見送りました。

2019年5月

中銀総裁、追加利下げも視野に

フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、5月30日のメディアのインタビューで、金利水準はまだ高いとして追加利下げの可能性を示唆しました。

既に物価上昇が政府目標の2~4%の範囲に収まって落ち着いたと説明し、経済成長率の伸び悩みに対応する構えをみせました。

預金準備率引き下げで景気刺激狙う

2019年5月16日、フィリピン中央銀行が市中銀行の預金残高から強制的に預かる比率を示す預金準備率を現在の18%から16%に引き下げると発表しました。

この措置によって1900億ペソ(約4千億円)の流動性が供給されるとしていて、経済を刺激する狙いがあります。

長らくフィリピンは預金準備率を20%の高い水準に設定していましたが、2017年に中期的に1桁台に引き下げる方針を表明し、2018年前半に2回引き下げ18%としていました。

その後、物価上昇を受けて政策金利を引き上げたため、預金準備率は据え置かれていました。

フィリピン中央銀行が利下げし4.5%に、成長鈍化で

2019年5月9日、フィリピン中央銀行は政策金利である翌日物借入金利を.25ポイント引き下げ4.5%としました。インフレと経済成長の鈍化に対応した形です。

今回の利下げはマーケットが完全に予想したものではありませんでした。

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