トルコ・リラの動き、経緯とまとめ

ここではトルコへの投資でも特にトルコリラの動きについてフォーカスして記述していきます。

トルコリラはエルドアン大統領の言動など政治的な影響を受けて乱高下するのが最近の動きです。このため、単純なテクニカルチャートでは上手い具合に投資成果を上げるのは難しいでしょう。トルコの政治と経済政策といったものにも注意を払っておくと一喜一憂せず長期的にこの通貨を付き合うことが出来るかもしれません。

これまでの経緯は以下をご参考ください。

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トルコのまとめブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う 基礎から学ぶ4つのポイント

トルコの政治的な動きについてのまとめは↓

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコの経済・財政政策についてのまとめは↓

トルコの経済・財政問題と政策についてのまとめ2019

トルコ・リラのチャート

まずトルコリラの5年チャートです。(出所:TradingView)


2021年5月

足下のリラ安の要因は

5月に入ってから、基本的にリラは安い状況です。

これは、投資家の間で年後半の利下げへの懸念が影響しているとの見方もあるようです。

ただし、これも若干根拠が薄いかもしれません。

トルコリラ安が続けば、輸入物価の上昇を通じてインフレが続き、利下げ時期も後ずれする可能性が高まるからです。

もし、今のリラ安が利下げ懸念に対するものであるならば、長続きはしないでしょう。

漠然と、リラを今買う理由がないからという事であれば、ダラダラとこの水準のままという事かもしれません。

2021年4月

4月19日の週はリラが複数回下落

4月19日の週は複数の要因でリラが下げました。

まず外貨準備の使途をめぐる懸念が再燃したことやエルドアン大統領が商務相の交代を発表したことを受け、4月21日にリラ円で言うと1%強下落しました。

さらに翌日 22日には、対米関係悪化の懸念が増大し、リラ円は1.5%下落しました。

ちなみに、その懸念とはバイデン米大統領が4月24日のアルメニア人追悼記念日に合わせて、第1次世界大戦中にオスマン帝国で起こったアルメニア人虐殺を「ジェノサイド」と認定する声明を出す見通しだと伝わり、両国の関係悪化につながるとの懸念です。

リラ相場は中銀による政策運営の不透明感を理由に調整圧力を強めているわけですが、対米関係の悪化懸念が新たな重石になるかもしれません。

金融政策決定会合でタカ派薄れリラ下落

トルコ中央銀行は4月15日、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年19%で据え置きましたが、タカ派色が薄れリラは下落しました。

新しい総裁の下での、初の金融政策決定会合でしたが、通貨リラの下落で利下げを断念しました。

カブジュオール氏はエルドアン大統領と同じく、「金利を下げればインフレ率は低下する」という主張をしています。

就任後に利下げ観測が広がると、対ドルでリラが急落し、その火消しに追われました。

その後もリラ安傾向は続いていて、4月に入って以降は1ドル=8リラ台前半で推移していました。

中銀が声明で、この日の決定について「引き締め姿勢を維持した」と述べるにとどめ、必要に応じて追加的な引き締めを行うとのタカ派的な文言を取り除いたためリラは下落しました。

一時0.9%安の1ドル=8.1568リラとなりました。

声明を受け、リラは一時、ドルに対して前日比で約1%下落しました。

エネルギーなどを輸入に頼るトルコでは、通貨安はインフレに直結します。

このまま行けば消費者物価の前年同月比でみて、足元で16%台のインフレ率は総裁交代に伴うリラ安で4~5月に一段と高まるとみられています。

トルコリラが2週間ぶりの上昇

4月1日、トルコ・リラは約2週間ぶりの大幅高となりました。

トルコ中央銀行のカブジュオール新総裁が前任者のタカ派的な政策から逸脱しない姿勢を示唆したからです。

この日、カブチオル氏は国内投資家向けの初の会合で引き締め気味の政策スタンスに言及しました。

この発言を受け、リラは対ドルで一時、1.7%上昇しました。

同総裁はインフレ目標は引き続き有効で、高いインフレ期待には引き締め方向の政策で対処する必要があるとの見解を示しました。

さらに、5%のインフレ目標へのコミットメントを強調し、中銀はリラの信頼を回復する決意だと述べました。

ただ、この総裁の変心は歓迎出来るものの付和雷同感は否めない上、仮に引き締めに動けば更迭されるリスクもあります。

外貨準備高の少なさにも引き続き注意を払う必要があると考えられます。

2021年3月

カブジュオール新総裁の引き締め発言でリラ下落は

トルコ中央銀行のカブジュオール新総裁が、引き締め気味の金融政策を約束し、7日続落中だったリラはこの発言で下げを縮めました。

エルドアン大統領、金融市場はトルコ経済の実情を反映しておらず

エルドアン大統領は3月24日、金融市場がここ数日、不安定になっていることについて、トルコ経済の実情を反映していないと指摘しました。

海外投資家はトルコへの信頼を維持すべきとし、外貨や金を抱え込んでいる国民は金融商品に投資し経済や生産を支えるべきだと述べました。

エルドアン大統領が先週末、突然中銀総裁を解任したことを受け、通貨リラや株が下落し金利が上昇しています。

リラはこの日、1ドル=8リラ台を付け、19日以降の下落率は約10%となりました。

エルドアン大統領は

「財政規律や自由市場経済へのコミットによって、われわれがあらゆるショックに耐性があることは証明済みだ」

と述べ、トルコ経済は投資、生産、雇用、輸出によって回復するとの見方を示しました。

2018年の再来の可能性

今回の中銀の中銀総裁更迭で、2018年の通貨危機時と同じような事が起きると予想している人が増えています。

トルコは経常赤字を埋めるため海外からの資金を必要としていますが、今回の更迭で資金流入を難しくするでしょう。

エルドアン大統領が主流の経済政策に同調したと考えていたリラ強気派は、落胆しています。

リラのロングポジション解消を急ぐトレーダーらが流動性を求める中で、リラを1週間借り入れるコストは3月22日に急上昇しました。

中銀総裁更迭前は、リラ上昇を見込みロングポジションを積み上げていました。

エルドアン大統領が事実上中央銀行を支配している限り、二度とリラに強気にはならないと言う投資家もいます。

翌日物スワップ金利が急騰

トルコの株式や債券から外国人投資家が撤退を進める中で、トルコ・リラの市場に巨大なボトルネックが生じています。

銀行がスワップを通じて外国人投資家に貸し出せる額をトルコ政府が厳しく制限していることも、資金逼迫の理由でし。

この規則は、危機のさなかにリラをショートする投資家のコストを法外な水準に押し上げる目的で2018年の通貨危機後に導入されましたが、ヘッジをかけたリラ建てポジションを持つ投資家のトレーディングを難しくもしています。

3月23日のリラは1%安の1ドル=7.8808リラにとどまり、8%下落した前日から安定の兆しが見られました。

ただ、アナリストの多くはリラ売りが終わったとはみていません。

機関投資家は、年末までにリラがさらに12%下落すると予測いていますし、コメルツ銀行は1ドル=10リラに達すると見込んでいます。

中銀更迭でトルコリラは一時15%下落

トルコ通貨リラの対ドル相場が22日、急落しました。

中央銀行総裁として引き締め政策を続けてきたアーバル氏をエルドアン大統領が更迭したことで、通貨防衛が緩むとの観測が広がった為です。

エルドアン氏は金融緩和で景気を浮揚させ、支持率を高める構えです。

しかし、通貨安で物価が上がれば、市民生活は悪化しかねず、市場の動揺が広がる可能性もあります。

リラは対ドルで一時、前週末比15%前後下落しました。

この下落幅は2018年8月にトランプ米前政権との関係悪化でリラが急落した「トルコショック」以来の大幅な下落率です。

すぐにエルバン財務相は、中銀が早期に利下げへ転じるわけではないと釈明しましたが、動揺は広がっています。

2%の利上げでリラは2%上昇

トルコ中銀は3月18日、主要政策金利の1週間物レポ金利を2%引き上げ、年19%にすると決めました。

利上げ幅は市場予想の倍です。

中銀は物価上昇と通貨リラ相場の下落に先手を打つために「前倒し」的に対応したと表明しました。

この決定はマーケットの中銀への信頼をより強めたと思われます。

もちろん通貨リラは発表後、対ドルで前日比2%超と大きく上昇しました。

トルコではインフレが加速しており、足元の消費者物価指数は15%超に達しています。

これまでも中銀は2020年の後半から年末までに計6.75%の利上げを行っています。

通貨リラは今年2月中旬以降、再び下落に転じ、それが国内物価の上昇を促進しています。

米長期金利上昇でリラが3%下落

米長期金利の上昇などを受け、トルコ・リラは3月8日に円や米ドルに対して3%近く下落しました。

しかし、翌日以降は、米長期金利の上昇が一服したことに加え、来週の金融政策決定会合で1.00%ポイントの利上げが決定されるとの見方が有力となり、リラは前週末比プラス圏まで浮上しました。

消費者物価が上振れで、利上げ予想が台頭

3月上旬のトルコリラ市場は、消費者物価指数が上振れたことで追加利上げを予想する人が増え始めたようです。

現状、トルコリラは世界的な市場センチメントに左右されやすい状況にあり、特に米長期金利の動向が注目されます。

ただ、今週発表された消費者物価指数が、総合が前年同月比+15.6%、コアが同+16.2%となり、いずれも市場予想を上回って前月から加速しました。

この結果、マーケットは再来週の金融政策決定会合で利上げするかもしれないとの予想をし始めているようです。

その期待が大きくなるとリラが支えられるかもしれません。

米長期金利上昇を警戒

トルコリラを含めた新興国通貨は2月の最終週に昨年9月後半以来で最大の下げに見舞われました。

トルコリラやブラジルレアルは1週間のインプライド・ ボラティリティーが各国・地域通貨で最も高く、一部のアナリストは更なる下落も警告しており、注意が必要です。

2021年2月

引き続き外部要因に振られやすそうなリラ

中銀がタカ派姿勢になった事や、国際金融市場の活況も追い風にリラ相場は大きく底入れしていますが、引き続きボラタイルな動きとなりやすい状況は続いています。

足下では物価高が続いている上、原油相場の底入れを勘案すれば金融引き締めが景気の足かせとなる状況は続いています。

また、コロナによる行動制限も景気の重石となり得ます。

加えて対外関係も全方位で悪化懸念があり、それらを考えると今後もリラ相場は市場環境に左右されやすく、上下双方に振れる展開が続く可能性が高いと思われます。

様々な要因から5%程度リラ下落

2月の最終週、トルコ・リラは円や米ドルに対して5%前後の下落しました。

資源価格の上昇や米長期金利の上昇などを背景に、元々リラ高にも一服感が見え始めていました。

そうした中、エルドアン大統領の娘婿であるアルバイラク前財務相が閣僚に復帰するとの憶測が飛び交ったことやエルドアン大統領が議会で将来的な利下げへの決意を示したことで、リラ売り圧力が強まったようです。

更にその後、米長期金利の上昇が加速して世界的にリスクオフへの見方が強くなったことから、リラは主要通貨に対して下げ幅を拡大しました。

2021年、リラは好調なスタート

トルコ・リラは今年好調なスタートを切ったようです。

今後数カ月は一段高となるものの上昇ペースは鈍化するとみている一部の懐疑派も味方に引き入れつつあるようです。

エルドアン大統領が経済政策チームを刷新した昨年11月前半以降、トルコ・リラは対ドルで23%上昇し、世界の通貨中で上げが目立っています。

投資家の間では経済立て直しのため、正統的なアプローチが採用されるとの楽観的な見方が広がっています。

トルコリラのアナリストはリラ高の流れはすぐには終わらないとみています。

リラは年末までに1ドル=6.5リラと、現行水準から7%上昇すると予想しています。

トルコの外貨準備高減少でエルドアン大統領が金融政策への介入を今のところは思いとどまるとの見方が背景にあります。

最近の利上げやインフレ率が2桁台にとどまるとの見通しもこうした強気な見方を後押ししています。

外貨準備積立の方針でリラ高にブレーキ

トルコ中銀のアーバル総裁が外貨準備の積み増しを開始すると発言し、リラ高にブレーキをかけるかもしれません。

実際にこの報道の後、一時リラ安に振れる場面もありました。

中銀は為替レートに影響を与えないように実施すると発言し、それによって買い戻されました。

ただ、外貨準備の積み増しはリラ売りをして外貨を買うという事ですから、リラ安を回避するにしても、リラ買い圧力を吸収することになり、これまでのようなリラ高は続かなくなってしまうかもしれません。

持ち直しつつあるリラ、但し油断は禁物

トルコリラの対ドル相場が急回復しています。

2月2日には一時、1ドル=7.0リラ台に達し、2020年11月に記録した過去最安値から2割高となりました。

エルドアン大統領も、中銀の現実路線を足元では容認しているもようです。

中銀はインフレ率を2023年までに年5%へ引き下げる計画で、アーバル氏はエルドアン政権あての2月1日付の公開書簡で、それまでは引き締め策を断固として維持すべきだと明言しました。

前中銀総裁のウイサル氏はリラ安局面でも景気優先の緩和姿勢を維持し、一時は政策金利がインフレ率を下回っていました。

リラには強い押し下げ圧力がかかり、リラ買いで何とか支えようとしていましたが、外貨準備はそれに伴って一年間で半減し、市場ではトルコ経済全体の先行きに関する不安が強まっていたのです。

今後の注目点は、中銀がどこまで独立性を維持できるかでしょう。

エルドアン大統領はインフレ時こそ金利を下げるべきとの持論を持っています。

次回の大統領選は2023年までに実行される予定で、その前に景気が上向かなければ、エルドアン氏から中銀への利下げ圧力が再び高まる可能性があります。

引き続き政治に翻弄され続けるリラとなるでしょう。

2021年1月

ギリシャとの関係改善期待から上昇

1月25日、東地中海での領有権をめぐって対立しているギリシャと5年ぶりに諮問会議が実施され、トルコ・リラは、ギリシャとの関係改善から上昇しました。

これに加えて、トルコ中銀の政策スタンスなどについても好感し、上昇しました。

引き続き利上げの効果が持続

トルコ・リラは引き続き強い状況です。

昨年11⽉と12⽉に政策⾦利を計6.75%ポイント引き上げた効果が継続している模様です。

海外投資家によるトルコ⾦融市場への資⾦流⼊が続いていることに加え、これまで外貨への資⾦シフトを進めてきた国内の個⼈や企業がその動きを弱めているとの観測も出ています。

2020年12月

ゴールドマン、リラの予想を2か月連続で引き上げ

ゴールドマンは、トルコ・リラの予想を2カ月連続で引き上げました。

ただ、トルコ中央銀行の外貨準備積み増し方針でリラの上昇は限定されるだろうとしています。

ゴールドマンのストラテジストは顧客向けリポートで、アーバル中銀総裁が表明した方針を受けて、名目で年率約15%の利子率と広範なドル安環境を考慮すると、市場は政策当局者を信じる可能性が高いと指摘しています。

利上げ後は再び一進一退?

予想以上の利上げで上昇したリラですが、今後は引き続き注意が必要な展開です。

中銀の物価抑制姿勢が強固である点や、11月以降トルコ株式や債券市場へ海外資金が流入傾向にある点はリラの上昇要因です。

しかし、対米関係が不安定になっている事や、その他外交問題を抱えている事もあって一本調子にリラ上昇という事にはなりづらいでしょう。

また、12月16日に中銀が公表した「2021年の金融・為替政策」では、物価の安定とともに外貨準備の強化を表明しました。

外貨準備の不足が懸念されるトルコでは金融市場の安定のため必要な政策でしょうが、リラの上値を抑制する面があることには注意が必要でしょう。

予想を超える利上げでリラは一段高

12月24日の金融政策決定会合で予想を超える利上げがあり、リラは一段高となりました。

利上げ幅は2%と、市場予想の1.5%を超えた利上げとなりました。

これを受けて先週から上昇してきたトルコリラは一段高となっています。

利上げを見込んで徐々に上昇

トルコ・リラは 、12月の利上げを織り込んで金融政策決定会合の一週間前から他の通貨に対して上昇しています。

マーケットの利上げ予想幅は1.5%です。

市場の期待に新しい中央銀行が応えられるかがポイントです。

一進一退のトルコリラ

金融当局トップの後退で底入れしたトルコリラですが、その後の動きは鈍い状況です。

足下では新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しており、政府は行動制限を再強化する事態に追い込まれるなど景気の下振れが懸念されています。

また、外国人投資家は当局に期待を寄せる一方で、国民の政府に対する不信感は根強く、これが海外からの資金流入の効果を相殺しているようです。

さらに、外交上の苦境もトルコリラにとっては逆風です。

EU や米国が相次いで経済制裁を科す姿勢をみせるなどの関係悪化が懸念です。

バイデン氏の米大統領就任後に対米関係が一段と悪化する可能性もあり、リラ相場は当面厳しい状況が続くのかもしれません。

足下では証券投資が回復基調

金融政策の方針が変わった事もあり、海外からの株式投資や債券投資が復調しているようです。

ここ最近株式や債券への投資は買い越し基調に転じています。

この背景には 、 新型コロナウイルスのワクチン開発期待で新興国資産全般に買い戻しの動きが出ていることや、トルコ自身の大幅な利上げでトルコ国債の利回りが高くなったことがあると思われます。

ただ、観光ビジネスからの収入が激減して経常赤字となっており、これがリラ売り圧力につながっている状況は変わらず、これを元に戻すためには、やはりコロナウイルスの収束と共に観光ビジネスの復調に期待しなくてはならないかもしれません。

2020年11月

方向感の定まらない状況

トルコリラが方向の定まらない状態になっています。

中央銀行の大幅利上げや政府による経済改革の約束を好感した外国人投資家による買いと、慎重な姿勢を崩さずに金やドルをため込んでいる国内投資家の売りが交錯している事が要因です。

大幅利上げの翌週はリラが5%程度下落しています。

国内の投資家や企業が、割安と見た外貨を25億ドル購入したためです。

大手企業が増加する対外債務の返済に充てるために外貨調達に動いた可能性があるとの事です。

4.75%の利上げでリラは2.5%上昇

2020年11月19日、政策金利が4.75%引き上げられたことを受けてリラは一時2.5%上昇しました。

7日に就任したアーバル新総裁の下で大幅な利上げに踏み切ったことで、トルコの金融政策が正常化するとの期待が高まり、通貨リラは買われました。

リラの対ドル相場は発表後、前日比で一時2.5%上昇しています。

トルコリラの安値更新は終わったか?

トルコ・リラ安の日々は終わったのか?市場関係者は転換したようにみえる当局の金融政策スタンスが本物かを見極めようとしています。

リラは11月11日、対ドルで4%余り上昇し、トルコ中央銀行が大方の利上げ予想に反して政策金利の据え置きを発表した先月22日の水準に値を戻しました。

エルドアン大統領が新たな中銀総裁と財務相への支持を表明し、来週の金融政策委員会で利上げが実施されるとの見方が強まったためです。

ただ、中銀は少なくとも300ベーシスポイントの利上げを行う必要があると言われており、それを下回るとリラが急落する可能性もまだあります。

エルドアン大統領が利上げ容認?

2020年11月11日、エルドアン大統領が金利引き上げを容認するような発言をしました。

エルドアン大統領は物価安定のために中銀の利上げを容認するともとれる発言をしたことなどから 、 トルコリラは上昇しました。

アメリカの大統領選も、トルコに対して強硬姿勢のバイデン氏になるという事で、色々な面で軌道修正を試みているのかもしれません。

アルバイラク財務大臣辞任でリラが急反発

2020年11月9日、トルコリラが対ドルで急反発しました。

リラ安を容認する発言をしていたアルバイラク財務相が11月8日に辞意を表明し、政策変更の兆候だとの観測が浮上したためです。

アルバイラク氏の辞意表明を受け、9日の外国為替市場では朝方からリラが買われました。

その後、中銀のアーバル新総裁が「物価安定のため、あらゆる手段を使う」と表明しました。

市場は同氏が早期の利上げを示唆したと受け止め、リラ買いが更に進みましだ。

11月9日のリラは一時、前週末より6%以上高い1ドル=8.0リラに達しました。

アルバイラク氏はリラ安を「輸出競争力を高める」と評価していました。

一方で11月7日未明には、当時のウイサル中銀総裁が大統領令で更迭されました。

新総裁には前財務相のアーバル氏が就きました。

アーバル氏はアルバイラク氏の政策に批判的で、不仲説が流れており、これがアルバイラク氏の辞任表明と関係があるのかもしれません。

身構えるトレーダー

トルコ・リラのトレーダーらは、トルコの金融に大きな混乱を招きかねないウイサル中央銀行総裁の更迭とアルバイラク財務相の辞任を受けて、どう動くか考えているようです。

ウイサル氏の後任にはアーバル前財務相が就くが、金融政策が一段とタカ派的方向に向かわない限り、リラが下げ止まる可能性は低いと多くのトレーダーは考えています。

アメリカ大統領選でのバイデン氏の勝利もリラに有利に働きそうにありません。

新政権下でアメリカとトルコとの関係が冷え込むのではないかとトレーダーは懸念しています。

中銀総裁を更迭

2020年11月7日、トルコ中央銀行のウイサル総裁がエルドアン大統領によって更迭されました。

法律違反の可能性がある総裁更迭は1年4カ月ぶりの2回目で、同中銀の独立性への疑念は一段と深まりました。

これを受けて、トルコリラは11月6日に一時過去最安値となる1ドル=8.58リラを付けました。

最終的には1ドル=8.5445リラで取引を終了しましたが、リラは今年、対ドルで30%下落しています。

史上最安値を更新し続ける通貨リラへのさらなる下落圧力となる可能性があります。

ウイサル氏を解任する大統領令は、7日未明に公表された官報で明らかになりました。
理由は明確に示されていません。
後任のナジ・アーバル新総裁(52)は財務省出身で2015~18年に財務相を務め、直近では大統領府で予算案作成を担当していた人物です。
中銀での業務経験はないですが、エルドアン氏と関係が近いとされています。

ウイサル氏は就任した2019年7月以降、金利を「悪だ」と断じるエルドアン氏の意向に従って20年5月までに計15.75%の利下げを実行してきました。

その結果リラは下落が止まらず、追い込まれた中銀は2020年9月、2年ぶりの利上げに踏み切りました。

エルドアン氏はウイサル氏の金融引き締めに不満を抱いたと思われます。

アーバル氏は19日に総裁として初めての金融政策決定会合に臨みます。

能吏として知られるが、エルドアン氏の意向をくみながら市場とうまく対話できるかは分かりません。

利上げが期待できないとみられればリラ売りは加速する可能性がかなり高いでしょう。

今回の交代劇はトルコ中銀の独立性への信認をさらに傷つけてしまいました。

トルコの中銀法は総裁の立場を保障しています。

エルドアン氏は2018年の政令で任免権は大統領にあると定めましたが、憲法は法律が政令に優越すると定めています。

2020年10月以前

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