トルコ・リラの動き、経緯とまとめ

ここではトルコへの投資でも特にトルコリラの動きについてフォーカスして記述していきます。

トルコリラはエルドアン大統領の言動など政治的な影響を受けて乱高下するのが最近の動きです。このため、単純なテクニカルチャートでは上手い具合に投資成果を上げるのは難しいでしょう。トルコの政治と経済政策といったものにも注意を払っておくと一喜一憂せず長期的にこの通貨を付き合うことが出来るかもしれません。

これまでの経緯は以下をご参考ください。

kindle unlimitedであれば無料でご覧いただけます。

トルコのまとめブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う 基礎から学ぶ4つのポイント

トルコの政治的な動きについてのまとめは↓

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコの経済・財政政策についてのまとめは↓

トルコの経済・財政問題と政策についてのまとめ2019

トルコ・リラのチャート

まずトルコリラの5年チャートです。(出所:TradingView)


2021年2月

様々な要因から5%程度リラ下落

2月の最終週、トルコ・リラは円や米ドルに対して5%前後の下落しました。

資源価格の上昇や米長期金利の上昇などを背景に、元々リラ高にも一服感が見え始めていました。

そうした中、エルドアン大統領の娘婿であるアルバイラク前財務相が閣僚に復帰するとの憶測が飛び交ったことやエルドアン大統領が議会で将来的な利下げへの決意を示したことで、リラ売り圧力が強まったようです。

更にその後、米長期金利の上昇が加速して世界的にリスクオフへの見方が強くなったことから、リラは主要通貨に対して下げ幅を拡大しました。

2021年、リラは好調なスタート

トルコ・リラは今年好調なスタートを切ったようです。

今後数カ月は一段高となるものの上昇ペースは鈍化するとみている一部の懐疑派も味方に引き入れつつあるようです。

エルドアン大統領が経済政策チームを刷新した昨年11月前半以降、トルコ・リラは対ドルで23%上昇し、世界の通貨中で上げが目立っています。

投資家の間では経済立て直しのため、正統的なアプローチが採用されるとの楽観的な見方が広がっています。

トルコリラのアナリストはリラ高の流れはすぐには終わらないとみています。

リラは年末までに1ドル=6.5リラと、現行水準から7%上昇すると予想しています。

トルコの外貨準備高減少でエルドアン大統領が金融政策への介入を今のところは思いとどまるとの見方が背景にあります。

最近の利上げやインフレ率が2桁台にとどまるとの見通しもこうした強気な見方を後押ししています。

外貨準備積立の方針でリラ高にブレーキ

トルコ中銀のアーバル総裁が外貨準備の積み増しを開始すると発言し、リラ高にブレーキをかけるかもしれません。

実際にこの報道の後、一時リラ安に振れる場面もありました。

中銀は為替レートに影響を与えないように実施すると発言し、それによって買い戻されました。

ただ、外貨準備の積み増しはリラ売りをして外貨を買うという事ですから、リラ安を回避するにしても、リラ買い圧力を吸収することになり、これまでのようなリラ高は続かなくなってしまうかもしれません。

持ち直しつつあるリラ、但し油断は禁物

トルコリラの対ドル相場が急回復しています。

2月2日には一時、1ドル=7.0リラ台に達し、2020年11月に記録した過去最安値から2割高となりました。

エルドアン大統領も、中銀の現実路線を足元では容認しているもようです。

中銀はインフレ率を2023年までに年5%へ引き下げる計画で、アーバル氏はエルドアン政権あての2月1日付の公開書簡で、それまでは引き締め策を断固として維持すべきだと明言しました。

前中銀総裁のウイサル氏はリラ安局面でも景気優先の緩和姿勢を維持し、一時は政策金利がインフレ率を下回っていました。

リラには強い押し下げ圧力がかかり、リラ買いで何とか支えようとしていましたが、外貨準備はそれに伴って一年間で半減し、市場ではトルコ経済全体の先行きに関する不安が強まっていたのです。

今後の注目点は、中銀がどこまで独立性を維持できるかでしょう。

エルドアン大統領はインフレ時こそ金利を下げるべきとの持論を持っています。

次回の大統領選は2023年までに実行される予定で、その前に景気が上向かなければ、エルドアン氏から中銀への利下げ圧力が再び高まる可能性があります。

引き続き政治に翻弄され続けるリラとなるでしょう。

2021年1月

ギリシャとの関係改善期待から上昇

1月25日、東地中海での領有権をめぐって対立しているギリシャと5年ぶりに諮問会議が実施され、トルコ・リラは、ギリシャとの関係改善から上昇しました。

これに加えて、トルコ中銀の政策スタンスなどについても好感し、上昇しました。

引き続き利上げの効果が持続

トルコ・リラは引き続き強い状況です。

昨年11⽉と12⽉に政策⾦利を計6.75%ポイント引き上げた効果が継続している模様です。

海外投資家によるトルコ⾦融市場への資⾦流⼊が続いていることに加え、これまで外貨への資⾦シフトを進めてきた国内の個⼈や企業がその動きを弱めているとの観測も出ています。

2020年12月

ゴールドマン、リラの予想を2か月連続で引き上げ

ゴールドマンは、トルコ・リラの予想を2カ月連続で引き上げました。

ただ、トルコ中央銀行の外貨準備積み増し方針でリラの上昇は限定されるだろうとしています。

ゴールドマンのストラテジストは顧客向けリポートで、アーバル中銀総裁が表明した方針を受けて、名目で年率約15%の利子率と広範なドル安環境を考慮すると、市場は政策当局者を信じる可能性が高いと指摘しています。

利上げ後は再び一進一退?

予想以上の利上げで上昇したリラですが、今後は引き続き注意が必要な展開です。

中銀の物価抑制姿勢が強固である点や、11月以降トルコ株式や債券市場へ海外資金が流入傾向にある点はリラの上昇要因です。

しかし、対米関係が不安定になっている事や、その他外交問題を抱えている事もあって一本調子にリラ上昇という事にはなりづらいでしょう。

また、12月16日に中銀が公表した「2021年の金融・為替政策」では、物価の安定とともに外貨準備の強化を表明しました。

外貨準備の不足が懸念されるトルコでは金融市場の安定のため必要な政策でしょうが、リラの上値を抑制する面があることには注意が必要でしょう。

予想を超える利上げでリラは一段高

12月24日の金融政策決定会合で予想を超える利上げがあり、リラは一段高となりました。

利上げ幅は2%と、市場予想の1.5%を超えた利上げとなりました。

これを受けて先週から上昇してきたトルコリラは一段高となっています。

利上げを見込んで徐々に上昇

トルコ・リラは 、12月の利上げを織り込んで金融政策決定会合の一週間前から他の通貨に対して上昇しています。

マーケットの利上げ予想幅は1.5%です。

市場の期待に新しい中央銀行が応えられるかがポイントです。

一進一退のトルコリラ

金融当局トップの後退で底入れしたトルコリラですが、その後の動きは鈍い状況です。

足下では新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しており、政府は行動制限を再強化する事態に追い込まれるなど景気の下振れが懸念されています。

また、外国人投資家は当局に期待を寄せる一方で、国民の政府に対する不信感は根強く、これが海外からの資金流入の効果を相殺しているようです。

さらに、外交上の苦境もトルコリラにとっては逆風です。

EU や米国が相次いで経済制裁を科す姿勢をみせるなどの関係悪化が懸念です。

バイデン氏の米大統領就任後に対米関係が一段と悪化する可能性もあり、リラ相場は当面厳しい状況が続くのかもしれません。

足下では証券投資が回復基調

金融政策の方針が変わった事もあり、海外からの株式投資や債券投資が復調しているようです。

ここ最近株式や債券への投資は買い越し基調に転じています。

この背景には 、 新型コロナウイルスのワクチン開発期待で新興国資産全般に買い戻しの動きが出ていることや、トルコ自身の大幅な利上げでトルコ国債の利回りが高くなったことがあると思われます。

ただ、観光ビジネスからの収入が激減して経常赤字となっており、これがリラ売り圧力につながっている状況は変わらず、これを元に戻すためには、やはりコロナウイルスの収束と共に観光ビジネスの復調に期待しなくてはならないかもしれません。

2020年11月

方向感の定まらない状況

トルコリラが方向の定まらない状態になっています。

中央銀行の大幅利上げや政府による経済改革の約束を好感した外国人投資家による買いと、慎重な姿勢を崩さずに金やドルをため込んでいる国内投資家の売りが交錯している事が要因です。

大幅利上げの翌週はリラが5%程度下落しています。

国内の投資家や企業が、割安と見た外貨を25億ドル購入したためです。

大手企業が増加する対外債務の返済に充てるために外貨調達に動いた可能性があるとの事です。

4.75%の利上げでリラは2.5%上昇

2020年11月19日、政策金利が4.75%引き上げられたことを受けてリラは一時2.5%上昇しました。

7日に就任したアーバル新総裁の下で大幅な利上げに踏み切ったことで、トルコの金融政策が正常化するとの期待が高まり、通貨リラは買われました。

リラの対ドル相場は発表後、前日比で一時2.5%上昇しています。

トルコリラの安値更新は終わったか?

トルコ・リラ安の日々は終わったのか?市場関係者は転換したようにみえる当局の金融政策スタンスが本物かを見極めようとしています。

リラは11月11日、対ドルで4%余り上昇し、トルコ中央銀行が大方の利上げ予想に反して政策金利の据え置きを発表した先月22日の水準に値を戻しました。

エルドアン大統領が新たな中銀総裁と財務相への支持を表明し、来週の金融政策委員会で利上げが実施されるとの見方が強まったためです。

ただ、中銀は少なくとも300ベーシスポイントの利上げを行う必要があると言われており、それを下回るとリラが急落する可能性もまだあります。

エルドアン大統領が利上げ容認?

2020年11月11日、エルドアン大統領が金利引き上げを容認するような発言をしました。

エルドアン大統領は物価安定のために中銀の利上げを容認するともとれる発言をしたことなどから 、 トルコリラは上昇しました。

アメリカの大統領選も、トルコに対して強硬姿勢のバイデン氏になるという事で、色々な面で軌道修正を試みているのかもしれません。

アルバイラク財務大臣辞任でリラが急反発

2020年11月9日、トルコリラが対ドルで急反発しました。

リラ安を容認する発言をしていたアルバイラク財務相が11月8日に辞意を表明し、政策変更の兆候だとの観測が浮上したためです。

アルバイラク氏の辞意表明を受け、9日の外国為替市場では朝方からリラが買われました。

その後、中銀のアーバル新総裁が「物価安定のため、あらゆる手段を使う」と表明しました。

市場は同氏が早期の利上げを示唆したと受け止め、リラ買いが更に進みましだ。

11月9日のリラは一時、前週末より6%以上高い1ドル=8.0リラに達しました。

アルバイラク氏はリラ安を「輸出競争力を高める」と評価していました。

一方で11月7日未明には、当時のウイサル中銀総裁が大統領令で更迭されました。

新総裁には前財務相のアーバル氏が就きました。

アーバル氏はアルバイラク氏の政策に批判的で、不仲説が流れており、これがアルバイラク氏の辞任表明と関係があるのかもしれません。

身構えるトレーダー

トルコ・リラのトレーダーらは、トルコの金融に大きな混乱を招きかねないウイサル中央銀行総裁の更迭とアルバイラク財務相の辞任を受けて、どう動くか考えているようです。

ウイサル氏の後任にはアーバル前財務相が就くが、金融政策が一段とタカ派的方向に向かわない限り、リラが下げ止まる可能性は低いと多くのトレーダーは考えています。

アメリカ大統領選でのバイデン氏の勝利もリラに有利に働きそうにありません。

新政権下でアメリカとトルコとの関係が冷え込むのではないかとトレーダーは懸念しています。

中銀総裁を更迭

2020年11月7日、トルコ中央銀行のウイサル総裁がエルドアン大統領によって更迭されました。

法律違反の可能性がある総裁更迭は1年4カ月ぶりの2回目で、同中銀の独立性への疑念は一段と深まりました。

これを受けて、トルコリラは11月6日に一時過去最安値となる1ドル=8.58リラを付けました。

最終的には1ドル=8.5445リラで取引を終了しましたが、リラは今年、対ドルで30%下落しています。

史上最安値を更新し続ける通貨リラへのさらなる下落圧力となる可能性があります。

ウイサル氏を解任する大統領令は、7日未明に公表された官報で明らかになりました。
理由は明確に示されていません。
後任のナジ・アーバル新総裁(52)は財務省出身で2015~18年に財務相を務め、直近では大統領府で予算案作成を担当していた人物です。
中銀での業務経験はないですが、エルドアン氏と関係が近いとされています。

ウイサル氏は就任した2019年7月以降、金利を「悪だ」と断じるエルドアン氏の意向に従って20年5月までに計15.75%の利下げを実行してきました。

その結果リラは下落が止まらず、追い込まれた中銀は2020年9月、2年ぶりの利上げに踏み切りました。

エルドアン氏はウイサル氏の金融引き締めに不満を抱いたと思われます。

アーバル氏は19日に総裁として初めての金融政策決定会合に臨みます。

能吏として知られるが、エルドアン氏の意向をくみながら市場とうまく対話できるかは分かりません。

利上げが期待できないとみられればリラ売りは加速する可能性がかなり高いでしょう。

今回の交代劇はトルコ中銀の独立性への信認をさらに傷つけてしまいました。

トルコの中銀法は総裁の立場を保障しています。

エルドアン氏は2018年の政令で任免権は大統領にあると定めましたが、憲法は法律が政令に優越すると定めています。

2020年10月

トルコリラが5日連続で最安値を更新

トルコリラは2020年10月30日まで5日連続で対ドルの最安値を更新し、1週間で約5%下げました。

トルコと米欧との亀裂が広がる中、対トルコ制裁に反対してきたトランプ大統領の再選が確実視されていない点も市場の懸念を招いています。

リラは週初の26日に1ドル=8リラの心理的節目を割り込むと、そのまま8.3リラ台後半まで下落しました。

10月30日午後、西部イズミル沖のエーゲ海で地震が起きた後も下げ続けています。

これで年初からの下落率は約3割になってしまいました。

足元の経済指標も良くありません。

10月30日発表された1~9月の貿易赤字は378億ドル(約4兆円)で、前年同期比8割増えました。

外貨獲得源の観光収入は7割減となり、リラ下支えのために外貨売りを繰り返した結果、中央銀行の外貨準備は昨年末から半減しており、国際収支危機への懸念が高まっています。

リラ安で金需要が激増

通貨安が進行するトルコで金への資金逃避が顕著になっています。

通貨リラは経常赤字や地政学リスクを背景に対ドルで年初から約3割下落し、連日最安値を付けています。

インフレによる資産の目減りを防ごうと中間層が金買いに走っているのです。

民間だけでなく、米ドル決済からの締め出しを恐れるトルコ中銀も金の備蓄を急いでいます。

2020年8月の貿易統計でトルコの金輸入量は37.6トンと前月比で74%増えました。

2018年1月以来約2年半ぶりの高水準です。

金の国際価格は8月に1トロイオンス2000ドル台を突破し史上最高値を更新しています。

リラ安が進むトルコでは現地通貨建て金価格はドル建てを上回って上昇したにもかかわらず金輸入は増加が続き、1~8月では前年同時期の2倍超の174トンとなったようです。

資産運用の手段が豊富な富裕層に対して、トルコの中間層は伝統的に金を買うことで通貨安に対抗し、資産を防衛してきた歴史があります。

毎月、給料の一定額を金に換える人も多いようです。

トルコ国内で保有される金の備蓄は最大約5千トンとみられ、ドイツ中銀の保有量(3362トン)を大きく上回るとされています。

中央銀行、インフレ予測引き上げ

トルコ中央銀行は年末のインフレ見通しを3ポイント超引き上げました。

同中銀の金利決定は予想外の結果が相次いだが、政策対応や外国との対立によって下落した通貨リラを押し上げることはできていません。

2020年10月28日、ウイサル総裁は、2020年最後の四半期インフレ報告書を公表し、年末時点の消費者物価上昇率は12.1%を見込んでいると述べました。

従来予想は同8.9%でした。

同総裁によれば、トルコ中銀はインフレが改善するまで金融政策の引き締めを維持する方針です。

総裁は、リラ下落は物価安定へのリスクだと警告しました。

今週に入り心理的に重要な節目である1ドル=8リラを割り込んだリラは、10月28日も下げ止まらず、総裁発言中も下げ幅を拡大しました。

リラが過去最安値を更新

2020年10月26日、トルコリラは1ドル=8リラ台の大台を割って対ドルの最安値を更新しました。

ロシア製ミサイルの試射に反発するアメリカに対してエルドアン大統領が25日、「制裁するなら早くすればよい」などと挑発したことが嫌気されました。

リラは一時、1.3%安の1ドル=8.0667リラとなった。前週まで週ベースで9週間続落し1999年以来の長期下落となっています。

2019年末からの下落率は26%に達しており、主要な新興国通貨の中で下げ幅は最大となっています。

トルコ債券市場は2021年に好転?

トルコ政府が国際市場で起債したことで、企業の借り入れにも拍車が掛かる可能性が高そうです。これを受けてトルコ債券マーケットが2021年に好転する可能性があります。

JPモルガンは

「投資家は経済がより安定すると見ており、来年にはトルコの債券市場に対する関心が高まる可能性がある。」

と語りました。

通貨リラが2年余り前に急落して以来、トルコ企業は内部留保の積み上げや債務返済を図り、レバレッジの解消や債務削減に重点を置いてきました。

トルコ企業の一部は外貨建て債務の返済に苦慮しており、多額の融資再編を招いている状況です。

市場センチメントを好転させるためには、当局が地政学的リスクの高まりを抑え、リラ安圧力につながっている2桁台のインフレ率を抑制し得る政策を実施する必要があります。

リラが過去最安値を更新している中、トルコの債券・株式市場からは大量の資金流出が起きており、これをいかに食い止めるか、引き続き注目されます。

政策金利据え置きで一時2%下落

2020年10月の金融政策決定会合で、政策金利が据え置かれたことをきっかけに、リラが急落しました。

利上げを予想していた人が多く、ネガティブサプライズとなった可能性があります。

中銀の発表を受けてリラは下落し、ドルに対して一時2.1%安の1ドル=7.9797リラとなり、過去最安値を更新しました。

引き続き軟調なリラ

2020年10月8日に史上最安値となる1米ドル=7.94リラに下落した後も7.9リラ台で推移しており、昨年末からの下落率は10月中旬時点で25%近くに達しています。

下落の背景には、

  1. ギリシャやEUとの東地中海の海底資源問題を巡る対立
  2. 外貨準備高の急減
  3. マイナス金利下でのトルコリラの通貨価値が下がる懸念

等があるでしょう。

トルコ中央銀行は国営銀行を通じてリラを買い支えていますが、トルコの金を除く外貨準備高は10月9日時点で411億米ドルと2019年末からほぼ半減しています。

為替介入で外貨準備高の減少が続くとの見方が更なるリラ安を招く結果となっているようです。

下落の構造はあまり変わっていません。

リラが連日最安値更新

トルコ政府がロシア製ミサイルのテストを開始したり、アメリカ大統領選挙でバイデン氏が優勢である事等から、トルコは連日最安値を更新しています。

ミサイル問題については、アメリカから制裁を受ける懸念が高まり、 リラの下落要因となりました。

更に米大統領選においては 、トルコに強硬的な姿勢を示すとみられるバイデン氏が優勢との見方が強まった事で、こちらもリラを下落させる事となりました。

この結果、連日で円や米ドルに対して史上最安値を更新し、2020年10月8日に、一時1ドル=7.95リラ、1リラ=13.3円と史上最安値を記録しました。

インフレ率は予想に反して鈍化するもリラ買いは続かず

2020年10月5日、9月の消費者物価指数が発表され、前年同月比11.75%と市場予想や前月よりも鈍化したものの、継続的なリラ買いにはつながりませんでした。

トルコ ・ リラは発表直後に対米ドルで一時的に上昇しましたが、インフレ懸念は拭えず 、リラ買いは長続きしませんでした。

2020年9月

2年ぶりの利上げでリラは一時2%高

トルコ中央銀行が9月24日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを8.25%から10.25%に引き上げた事で、リラが上昇しました。

リラの対ドルレートは、発表後に約7.71リラから7.56リラまで上昇し、約1カ月ぶりの高値を付けました。

ただ、政策金利は年率11.77%のインフレ率を下回ったままで、リラを預金する場合、実質金利はマイナスのままとなっています。

マーケット関係者は利上げ決定を「大胆」だとして歓迎し、2018年の通貨危機から「教訓を得た可能性がある」と指摘しています。

「競争的な通貨戦略」でリラ安

2020年9月9日、アルバイラク財務相は輸出主導型の経済をめざすために 、「 競争的な」通貨戦略を採用すると発表しました。

具体的内容は明かされませんでしたが、要するに通貨安を容認する姿勢だと受け止められ 、リラ売り圧力が強まる場面がありました。

高インフレ率収まらず、リラは最安値

トルコのインフレ率の高止まりが続いています。

2020年9月3日発表の8月消費者物価指数は前年同月比+11.77%と7月からほぼ横ばいでしたが、コア指数は+11.03%と7月の10.25%から加速しました。

インフレ率が鎮静化する兆しはみられません。

同指標の発表後に通貨安圧力が強まり、トルコ・リラ(対米ドル)は過去数週間にわたってサポートされていた7.4リラの節目を突破し、過去最安値を更新しました。

2020年8月

連日の最安値を更新

リラが対ドルで連日の最安値を記録しています。

トルコリラは17~18日、対ドルで史上最安値を更新し、一時1ドル=7.4リラ台に迫り、2019年末からの下落率は20%近くに達しました。

通貨危機の再燃を懸念する金融市場では20日の金融政策決定会合で、中央銀行の利上げを期待する声が強いようですが、エルドアン大統領は反対しています。

国営銀行を通じて間接的に為替介入する中銀の限界も近づいています。

外貨準備高(金を除く)は8月7日時点で460億ドルとなっており、19年末から4割超も減りました。

政策金利が8.25%と足元のインフレ率(12%)を大きく下回る実質的なマイナス金利状態で、リラには下落圧力が継続的に働いています。

マーケット関係者からは通貨を安定させるためには5%前後の利上げが必要との声が上がっています。

しかし、トルコ国内では20日の会合で中銀は利上げを見送るとの見方が大勢のようです。

理由は景気刺激を優先するエルドアン氏が利上げに反対しているからです。

金利が下がれば物価も下がるという独自の考えを持つエルドアン氏は8月10日に、

「金利がさらに下がることを望む」

と中銀に圧力をかけています。

エルドアン氏は2019年7月、利下げ要求に従わないことを理由に当時の中銀総裁を更迭した経緯があります。

後任として副総裁から起用されたウイサル現総裁は就任以降、20年5月まで9会合連続、計15.75%もの利下げを実施してきました。

大統領の意向をむげにできない中銀は「裏口」の金融引き締めに乗り出していますが、焼け石に水なのかもしれません。

8月7日には1週間物レポ金利を使った市中銀行への資金供給を停止して、より金利の高い後期流動性貸出金利(11.25%)などに誘導しています。またし、景気浮揚のため国営銀などに促していた、政策金利を大きく下回る水準での個人・企業向け融資の金利も引き上げさせました。

ただ、中銀は18年夏の通貨危機「トルコショック」の前も同様の引き締め策で解決を試み、失敗した経緯があります。

利上げの判断が遅れるほど傷口を広げ、最終的にはより大幅な利上げを余儀なくされる可能性があります。

銀行に融資促進を求めた規制を緩和するも、リラは最安値更新

トルコが通貨リラの安定を図るため、銀行に融資促進を求めた規制の緩和に動きました。

2020年8月10日、融資拡大を促す指標の資産比率を民間銀行は従来の100%から95%に、イスラム銀行は80%から75%に引き下げます。

資産比率規制は今年に入り、金融機関に融資や国債購入の拡大、中央銀行とのスワップ取引を促すために導入されていました。

ただ、これに対する通貨マーケットの反応はあまりなく、リラは対ドルで一時7.4084リラと最安値を更新しました。

止まらない通貨下落

トルコは通貨リラの下落を食い止めようと、流動性措置を段階的に縮小すると発表しましたが、リラ売りは止まりません。

8月6日に発表された流動性措置の段階的な縮小は、利上げという強力な措置を回避するための代替策だと受け止められています。

ただ、利上げに踏み切るとなれば、エルドアン大統領の利下げ推進に反します。

しかし、今回の様な小手先の対応では事態の打開は見込めず、やはり適切な利上げを行うしか市場は納得しないと見られています。

トルコ当局、国際的な投資銀行へのリラ取引制限を一部免除

トルコ当局は国際的な投資銀行を対象に、通貨リラのスワップ取引制限を一部免除する方向で計画をまとめているようです。

トルコは7月に、国際的な開発銀行に対してリラ・スワップ取引へのアクセス制限を緩和していました。

トルコの銀行監督当局は近く、国際的な投資銀行にリラ・スワップ取引を許可する可能性があります。

当局は7月下旬、開発銀行を対象にイスタンブール証券取引所の通貨スワップ市場を通じたリラ購入や、レポまたはリバースレポ取引の実行、トルコ国内銀行とのリラ預金業務を認めました。

これらはトルコ資産への投資や同国企業への信用供与が前提条件となっていました。

リラ建て融資における欧州復興開発銀行や国際金融公社の比率が上昇する公算が大きいと思われます。

中銀、流動性措置の縮小を発表

2020年8月6日、トルコ中央銀行は新型コロナウイルスのパンデミック下で経済を支えるためにとった流動性措置を、徐々に巻き戻していくと発表しました。

目下、トルコ・リラが対ドルで過去最安値を付けており、何かしらの対策が必要とされていました。

トルコ中銀は

「市場の価格動向を注意深く監視している。8月初めの時点で経済活動は正常化しつつあるため、対象を絞った追加的な流動性ファシリティーは段階的に縮小する」

と説明しました。

リラは8月6日、トルコリラは対ドルで一時3.4%下落し、5月に記録した従来の最安値を割り込みました。

トルコの国営銀行は特定の対ドル水準でリラを買い支えようとすることをやめたようです。

中銀は加えて

「価格の安定と金融安定の目的に沿って、市場の過剰な変動性を抑えるためにあらゆる利用可能な手段を活用する」

と表明しました。

トルコリラが対ドルで過去最安値を更新

2020年8月6日、トルコリラの相場が一時1ドル=7.3リラまで下がり、対ドルで5月上旬に記録した過去最安値を更新しました。

前日比の下落率は3%を超え、対ドルの下落率は19年末から18%に達しました。

当局は国営銀行を通じてリラを買い支えてきましたが、原資の外貨準備が減り続けており、原資の外貨準備が減り続けている状況で、防衛の目安の相場水準を切り下げたとの観測が市場に広がった結果となりました。

トルコは政策金利がインフレ率を下回る実質マイナスの状態で、リラが売られやすい状況です。

新型コロナウイルスの影響でトルコ経済も悪化しており、予断を許しません。

中銀の外貨準備(金を除く)は足元で509億ドル(約5兆3000億円)で、2019年末に比べ37%減っています

リラは対ユーロでも6日に一時、過去最安値を更新しました。

エネルギーを除く輸入の決済はユーロ建てが多く、足元で12%のインフレの加速につながる可能性が高まっています。

オフショアでリラの決済できず、節目の1ドル=7リラを突破

2020年8月4日、複数の国際的な金融機関で、トルコの銀行を相手方としたトルコ・リラのポジションを決済することができなかったようです。

オフショア市場でのリラの流動性を制限する政策の結果のようです。

オフショアの投資家がリラを借り入れるコストが一時1050%も急騰したため、外国銀行はリラの支払いを履行できませんでした。

経緯は、

  1. 8月4日にトルコ・リラのオフショア市場において、国営銀行による大量のドル売りの決済もあり、リラが不足して翌日物スワップ金利が1,000%を超える水準まで急騰
  2. 上記は国内の金融機関が海外とのスワップ取引を制限した事も一因。
  3. スワップ金利(リラを借り入れるコスト)の急騰したことでリラを空売りしていた投資家がポジションの縮小を余儀なくされ、リラ高が進行。
  4. しかし、翌5日にスワップ金利が急低下するとリラ売りが進み、節目の7リラを突破。6日には対米ドルで最安値を更新。

今回のような決済不能は以前にもあり、トルコ当局は一時的に国内銀行がシティグループとUBSグループ、BNPパリバと取引することを禁じていました。

当局はリラ売りを防ぐために外国人投資家が国内銀行からリラを借り入れることを禁止していて、トルコ中央銀行からの資金供給も利用できません。

このためリラが必要な際は、供給が限定的なオフショア市場で借り入れるしかないわけです。

こうした事もあり、8月5日は節目の1ドル=7リラを割り込んでいます

2020年7月

トルコ政府、リラ防衛に懸命

トルコ政府が通貨リラ防衛に懸命です。

中央銀行が市中銀行から預かる外貨まで流用して買い支えているとみられています。

背景には新型コロナウイルスによる景気の落ち込みで政権が揺らぎかねないという危機感があるようです。

リラの対ドル相場は足元で1ドル=6.85リラ前後と年初より約13%下がっています。

6月中旬からはこの水準で安定していますが、これはトルコ中銀が国営銀行を通じ、市場で買い支えているからと言われています。

もちろん、トルコ中銀にそういった指示を与えているのは政府です。

買い支えの原資は中銀の外貨準備です。

金を除く純外貨準備は7月10日時点で496億ドル(約5兆3千億円)と2019年末から4割も減りました。

2020年6月から7月にかけてh、外貨準備高の減少ペースが大きく鈍化したにもかかわらず、リラはほぼ横ばいとなっています。

この不思議な状況については、外貨準備高のさらなる減少を回避すべく、中央銀行が市中銀行から預かる外貨を用いて、国営銀行を通じた間接的なリラの買い支えを行なっているとの見方が市場では有力です。

トルコがリラ防衛に使った外貨は19年以降で約1千億ドルとされており、これは同国のGDPのほぼ8分の1にあたる規模です。

こうしたやり方が長続きしない事は目に見えています。

エルドアン氏はリラが暴落しても自分の政治基盤が脅かされないように世界遺産をモスク化したりしていますが、抜本的な解決にはならず、しっかりとした経済的な改革が必要でしょう。

経常赤字や高インフレといった、トルコの脆弱性が注目されるようになれば、リラ売り圧力が高まることも考えられ、中央銀行や政府の今後の対応が注目されます。

買い支えでリラ動かず

ここの所、トルコ・リラは対米ドルでほとんど変動していません。

当局による介入でリラを買い支えている模様ですが、もちろんサステナブルではなく、根本的な所での解決が望まれます。

2020年6月

予想外の据え置きでリラが上昇

2020年6月25日、トルコ中央銀行が主要な政策金利の1週間物レポ金利を年8.25%で据え置くと予想外に決めた事を受け、リラは上昇しています。

6月25日の外国為替市場で通貨リラの対ドル相場は一時、前日より0.3%上昇しました。

5月下旬に記録した1ドル=7.2リラ台の過去最安値から回復し、足下では1ドル=6.8リラ台で推移しています。

国営銀行などが買い支えているとみられます。

2020年5月

利下げが予想通りでリラは堅調に推移

2020年5月21日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を0.5%下げ、8.25%としましたが、利下げでも市場の予想通りでリラは堅調に推移しました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済悪化があるとはいえ、拙速な利下げで通貨リラは年初から対ドルで1割超下落しています。

マーケットがトルコ当局に合わせてきているのでしょうか。これまで市場予想を上回る利下げ幅を決定することが多かっただけに、発表後のリラは底堅く推移しているようです。

日本、イギリス、中国などにスワップ通じた支援を要請

トルコ政府は通貨リラの急落に備え、日本やイギリス、中国、カタールに通貨スワップを通じた支援を呼び掛けているようです。

先週、トルコリラが最安値を更新し外貨準備が減っている事で、多くの投資家がトルコリラの行く末を心配しています。

多額の債務を抱えるトルコがこのまま危険状態を放置していると、2018年のようなトルコショックがまた起こるかもしれません。

アナリストらは、トルコが数百億ドル相当の資金を確保できない場合、2018年のトルコショックと同様の事態が起こる恐れがあると考えています。

トルコ高官によれば、トルコ政府は各国との協議で手ごたえを感じているようです。

ただ、新型コロナウイルス危機で各国の政府と中銀が異例の対応を迫られる中、合意にどこまで近づいているかは分かりません。

最安値を更新

2020年5月7日、リラの対ドル相場が一時前日比0.9%安の1ドル=7.2リラ台に下落し2018年の通貨危機「トルコショック」時の最安値を下回りました。

リラを買い支えようとする中央銀行の外貨準備は急減しており、トルコはアメリカなど主要中銀との通貨スワップ協定の締結を目指していますが上手くいくかは分かりません。

対米関係でも対欧州でも決して外交的に上手くいっているわけではないので、マーケットも懸念しているでしょう。

年初からのリラの下落率は5月時点で18%に達しています。

やはり節目となる1ドル=7リラの心理的節目を突破すると一気に下落が加速しました。

5月6日にはアルバイラク財務相が投資家らとの電話会議で2020年のプラス成長見通しなどを語りましたが、リラ売りは止まりませんでした。信用されてないという事でしょうか。

市場操作を巡る規制を強化した事も一因

同日、トルコの銀行監督当局は、金融市場で操作的と見なされる取引の範囲を拡大しています。

通貨リラが対ドルで最安値を更新する一つの要因となったと思われます。

銀行調整監視機構の新たな規制によれば、「誤解を招く価格」をもたらしたり、資産価格を「異常もしくは不自然な」水準に維持する結果となった銀行取引は今後、操作的とみなされるようです。

トルコでは今年2月にインサイダー取引や市場操作に関する罰則を強化し、刑期を延長する法律が成立しましたが、今回はこれを補完するものです。

今回は外為や金利を含む広範な資産が新たな規制の適用対象となるようです。

加えて低い流動性を利用した取引や、CDS取引でも特に急激な価格変動を利用したものを今回のリストに加えたようです。

2020年4月

止まらないリラ安

トルコは新型コロナの感染者数が中東で最多に達し、景気回復シナリオも暗転する中、通貨リラは2018年の通貨危機以来の最安値圏で推移しています。

【トルコリラー日本円の推移(2020年1月10日~4月23日)出所:TradingView】

外貨準備もリラの買い支えを大量に行った事で1カ月で3割も減ったようです。

2月末に770億ドルだった中銀の外貨準備高(金を除く)は、4月10日時点で560億ドルに落ち込んだようです。

止まらないリラ安の中、景気刺激のためという事で中央銀行は4月22日に追加の利下げを決めました。

金融緩和の推進は資金流出を加速させる恐れがあります。

利下げに加え、中銀は3月から市場を通じた国債の買い取りも急拡大させています。

金融緩和や政府の財政拡張は一段のリラ安を招く可能性がありますが、選択の余地がないというのが実情のようです。

しばらくは様子見をしておく必要がありそうですが、時間分散をしっかりしつつ仕込んでおいても良いでしょう。

2020年3月以前

以下をご参考ください。

kindle unlimitedであれば無料でご覧いただけます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です