トルコの金融政策の経緯とまとめ

ここではトルコの金融政策について記していきます。

トルコの金融政策は かなり政治に翻弄されている所があります。独裁制に近い権力を持っているエルドアン氏に遠慮してしまうのです。

しかし、トルコは高金利通貨国として、リスクが高い事は分かっているものの、日本人にとってはトルコは旅行先でもかなり人気でなじみのある国でもあるので、興味が出てしまう通貨であることは確かです。

トルコの金融政策とそれに関連するマーケットの動きを中心にここでは記述していきます。

トルコに関する本ブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う 基礎から学ぶ4つのポイント

トルコの政治と外交についてのまとめ記事は↓

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコ・リラの動きについては↓

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ2019

2020年7月

株の空売りを当面禁止

2020年7月6日にイスタンブール取引所が、大手金融機関6社に対して株式の空売りを禁止すると発表しました。

期間は1カ月もしくは3カ月です。

6月23日にMSCIは取引規制の強化などを理由にトルコ株をMSCIエマージング・マーケット・インデックスから除外する可能性があるとの声明を出していて、海外投資家がトルコ株を敬遠する動きが懸念されていました。

ここからトルコ株が急落する事を懸念した当局による政策でしょう。

2020年6月

政策金利を予想外に8.25%据え置き

2020年6月25日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を年8.25%で据え置くと決めました。

据え置きは10会合ぶりで、据え置きはウイサル総裁が昨年7月に就任して以降で初めてとなります。

2019年7月から9会合連続で利下げしていました。

足元のインフレ率(年11%)を大きく下回り、実質金利はすでにマイナスであるため、据え置きは当然といえば当然ですがトルコの場合はそんな簡単に語れるものではありません。

市場は総じて利下げを予想しており、発表後に通貨リラは上昇しました。

消費者物価指数は上昇が加速

2020年6月3日に発表された5月の消費者物価指数は前年同月比11.39%でした。

市場予想は10.87%でしたので予想を上回り、また前月(4 月)の10.94%からも伸びが加速しました 。

元々、利下げが難しい通貨ではありますが、更なる通貨安を伴わない追加利下げはより困難な状況かもしれません。

2020年5月

0.5%の利下げ

2020年5月21日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を0.5%下げ、8.25%としました。

利下げは9会合連続です。

今回は市場の予想通りの下げ幅でした。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済悪化があるとはいえ、拙速な利下げで通貨リラは年初から対ドルで1割超下落しています。

リラ防衛のため、金融監督当局は外国市場でのリラ取引や金融機関の情報発信の制限に動きますが、外国からの資金流入を細らせる懸念は拭えません。

中央銀行はインフレは短期的に若干高まる可能性があるものの下期には需要面からのデフレ効果が優勢になるとの見通しを示し、利下げを正当化しました。

カタールとの通貨スワップ規模を3倍に

2020年5月20日、トルコ中央銀行はカタールとの通貨スワップ協定の規模をこれまでの50億ドルから150億ドルに拡大したと発表しました。

スワップ協定への期待で、リラ相場は足元で持ち直しているようですが、カタールリヤルは市場でドルと自由に交換できず、効果には限界も指摘されています。

日本、イギリス、中国などにスワップ通じた支援を要請

トルコ政府は通貨リラの急落に備え、日本やイギリス、中国、カタールに通貨スワップを通じた支援を呼び掛けているようです。

先週、トルコリラが最安値を更新し外貨準備が減っている事で、多くの投資家がトルコリラの行く末を心配しています。

多額の債務を抱えるトルコがこのまま危険状態を放置していると、2018年のようなトルコショックがまた起こるかもしれません。

アナリストらは、トルコが数百億ドル相当の資金を確保できない場合、2018年のトルコショックと同様の事態が起こる恐れがあると考えています。

トルコ高官によれば、トルコ政府は各国との協議で手ごたえを感じているようです。

ただ、新型コロナウイルス危機で各国の政府と中銀が異例の対応を迫られる中、合意にどこまで近づいているかは分かりません。

4月のインフレ率は前月から伸びが鈍化更なる利下げ?

2020年5月4日発表の4月消費者物価指数は前年同月比+10.94%と前月から伸びが鈍化しました。

コア指数も同+9.93%と市場予想に反して伸びが鈍化しており、追加利下げを後押しする結果となりました。

ただこれ以上の利下げは更なるリラ安を招く恐れもあり注意が必要です。

2020年4月

年末のインフレ率見通しを下方修正

2020年4月30日にトルコ中央銀行が四半期に1度のインフレ報告書を発表しました。

2020年末のインフレ見通しが前回の前年比+8.2%から+7.4%に下方修正されました。

これでさらなる利下げを正当化することになりますが、もちろんトルコリラの更なる下落が懸念されます。

外貨準備不測の懸念高まる

2020年4月下旬現在、トルコの外貨準備高がゼロ近くになっている可能性が指摘され、懸念が高まっています。

4月17 日時点で259 億ドルに留まっており、その後も中央銀行は通貨安を抑えるべく通貨スワップを実施していますので、4月下旬における外貨準備高はゼロ近くになっている可能性もあります。

中銀のウイサル総裁は公式の場で外貨準備高の縮小を認めており、不測の事態に備えてアメリカやイギリスに通貨スワップ協定の締結協議を進めていたりするようです。

普通こういう時に力になるのはIMFですが、エルドアン大統領のIMF嫌いによって、あまり期待できません。

トルコの状況は厳しくなることが予想され、中国がここぞとばかりに手を差し伸べる事態も考えられ、そうなると事態は更に政治性を帯びて厄介になります。

1%の利下げで8.75%

2020年4月22日、トルコ中央銀行は政策金利を1%引き下げ、8.75%とする事を発表しました。

新型コロナウイルスの経済への影響を緩和する事が表向きの理由ですが、実質金利はかなり低く合理的な理由はあまりなさそうです。

通貨リラの急落しているにもかかわらず1年弱で8回目の利下げに踏み切る形となりました。

エコノミストの大半は0.5ポイント利下げを予想していました。

インフレ調整後の金利ではトルコはいまや世界で最も低い水準で、緩和サイクルの中でリラへの売り圧力が強まっています。

2020年3月

1%の利下げでついに金利は1ケタ台に

2020年3月17日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利を1%引き下げて9.75%としました。

元々19日に予定されていた決定会合を急きょ前倒して実施しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済の停滞に対応したとのスタンスです。

これで利下げは7会合連続で、リラは対ドルで一時、前日比1%近く下落しました。

足元では輸入物価を押し上げるリラ安が進んでいるものの、原油価格などの下落で、年末のインフレ率はこれまでの予想から下ぶれる可能性が高まったと判断したようです。

2020年2月

インフレ高いなか、0.5%の利下げ

2020年2月19日、トルコ中央銀行は主要な政策金利である1週間物レポ金利を年11.25%から0.5%引き下げ、10.75%にすると決定しました。

エルドアン大統領の金利を1桁にするという意向に沿った形です。

新型肺炎による新興国通貨売りや、シリア情勢などの政治問題を巡る警戒感から通貨リラの下落圧力は高まっていて、理屈の通った利下げとは言えないでしょう。

これで利下げは6会合連続です。
エコノミスト予想には幅があったようですが、中央値は0.5ポイントの利下げで、最大0.75%の利下げを予想する人もいたようですし、据え置き予想もありました。
マーケットでは、1桁台の政策金利が実現するまで、据え置きを挟むことがあっても利下げが続くとの見方が支配的のようです。
中銀は声明で、物価上昇の鈍化などを理由として挙げていますが、そもそも中銀の公式なインフレ目標は5%ですし、インフレ率は1月に12.15%です。
金利は既に足元のインフレ率(12%)を下回っているので、拙速な利下げはリラ相場をさらに押し下げる可能性があります。
実際に、リラは発表後、対ドルで一時、前日比0.3%超下落しました。

中銀はインフレの道筋は年末時点のインフレ見通しとおおむね一致していると主張し、最新のインフレ報告で年末時点のインフレ率は8.2%に低下するとの見通しを示しています。

インフレ、予想以上に加速

トルコのインフレ率は、2カ月連続で予想以上に加速したようです。

トルコ中央銀行が5会合連続で積極的に金融緩和を進めたため実質金利のマイナスはさらに拡大し、日本と同程度になりました。

2020年2月3日に発表された統計によると、1月のインフレ率は12.2%と、12月の11.8%から上昇しました。

トルコ中銀は、これまでエルドアン大統領に忖度して1桁台の金利という目標に向けて利下げを進めてきたわけですが、この動きが拙速だったのではないかとの疑問が生じています。

同総裁はデータに基づいて次の動きをとるとコメントしており、今月後半の中銀政策会合でどうなるか注目されます。

2020年1月

アルバイラク財務大臣、金融政策への介入批判に反論

トルコのアルバイラク財務相は、政府又はエルドアン大統領が中央銀行の金融政策に介入しているという批判に対して反論しました。

同大臣は

「対話を密にして経済成長や金融の安定を達成するのは良いことで、批判は当たらない」

と主張しました。

現在、主要な政策金利である1週間物レポ金利は11.25%と、直近のインフレ率12%を下回っていますが、

「国債利回りは低下しており、海外投資家の強い関心がある事の表れ」

と反論しました。

政府の為替介入は継続

2020年1月、アルバイラク財務大臣はリラ相場安定のため、国営銀行を通じた為替介入を継続する考えを示唆しました。

当局が3行ある国営銀などを通じてリラを買い支えているとの指摘について、

「中銀、国営銀、民間銀が積極的な市場参加者となって、協調して金融の安定化に取り組んでいる。今後もこれが継続される」

として、介入の継続を示唆しました。

0.75%の利下げして11.25%へ 政権からの圧力?

2020年1月16日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を0.75%引き下げ、11.25%としました。

利下げは5会合連続となります。

景気浮揚を狙ってのことですが、実質金利はほぼゼロかマイナスになっていて、通貨リラの下落リスクが高まる可能性があります。

エルドアン大統領の利下げ要求と市場の反動リスクの間でバランスを取ったといった所でしょうか。

中銀は

「インフレ見通しに影響する全ての要素を考慮し、節度ある利下げを決定した。現時点で、現行の金融政策姿勢は予想されるインフレ低下のトレンドに矛盾していない」

として、改善を続けているとの認識を示しています。

足元の2019年12月の消費者物価指数は12%で、一時25%に達した2018年と比べると落ち着いている事は確かです。

ただ、引き続き気になるのはエルドアン大統領の独創的な金融政策理論です。

5会合連続となる利下げには、政権の圧力が働いているとの見方が強いです。

もしそうした政権への「忖度」が続くようであれば、再び金融市場からトルコリラへの強烈な逆風が吹き荒れる事でしょう。

2019年12月

次の金融政策決定会合は難しい判断?

次回の金融政策決定会合で、中央銀行は難しい判断となるかもしれません。

エルドアン大統領は2020年中に金利を一けたにすると宣言しています。

その一方で、懸念点があります。

  1. 2019年12月の利下げで実質金利は他の新興国に比べて低水準となり、これ以上金利を引き下げるとリラ売りが加速する可能性がある。
  2. 中央銀行は来年末時点のインフレ見通しを 5.3~11.1%としているものの、予定通りそうなるかは分からない。
  3. 政治問題、特に対米関係などに端を発するリラ安がいつ起こっても不思議ではない。

等です。

こうしたなかで、中銀にとってはエルドアン大統領にとて悲願である政策金利の一桁台突入を前に難しい政策対応を迫られることは避けられません。

仮に対立が表面化する事態となれば、前任者同様にウイサル総裁が更迭されるリスクも出て来ます。

2%の利下げを行い、政策金利は12%

2019年12月12日、トルコ中央銀行は主要な政策金利である1週間物レポ金利を2%引き下げ、12%としました。

これで利下げは4会合連続となります。

中銀は

「インフレ見通しは改善を続けている」

と述べています。

2018年夏の通貨危機後、24%に達した政策金利は、4会合で計12%引き下げられました。

エコノミスト予想には幅がありましたが、大勢の予想は1.5ポイント利下げでした。

これ以上の利下げの可能性

ドラスティックに下げる可能性は低いと思われます。

現状、政策金利から物価変動の影響を除いた実質金利は2%程度まで下がっていて、これ以上の利下げはリラ売りにつながりインフレを再燃させるリスクもあるためです。

中銀は2020年、19年は8回だった金融政策決定会合を12回に増やす予定です。

エルドアン大統領、2020年に1ケタ台のインフレ率と金利に

2019年12月9日、エルドアン大統領は2020年に1桁台の金利とインフレ率を達成すると表明しました。

これにより投資拡大への道が開かれるとの見方を示しています。

政策金利は現在14%ですから4%超の利下げを行う必要があります。

次回の金融政策決定会合は12月12日ですが、マーケットでは1.5%の追加利下げが見込まれています。

11月のインフレ率は10.6%

2019年11月のインフレ率が発表となり、前年同月比10.6%でした。

20%台だった1年前からは改善しています。

これに伴って、7~9月期のGDPも前年同期比0.9%増と、1年ぶりにプラス成長に転じています。

2019年10月

中央銀行総裁、利下げ余地狭まると発言

2019年10月31日、トルコ中央銀行のウイサル総裁は過去数カ月間の10%に及ぶ利下げで、利下げ余地が狭まったという認識を示しました。

総裁は、
「現状にたどり着くまで、かなりの緩和余地を使ったことを強調したい。主要な物価動向は著しく改善しており、これが中銀の決定につながった根本要因だ」
とコメントしました。

ただ、インフレ率が落ち着けば、それをもってエルドアン大統領が更なる利下げを要求してくる可能性相応にあるでしょう。

インフレ率見通しを大幅に引き下げ

2019年10月31日、トルコ中央銀行は年末のインフレ率見通しを従来の13.9%から12%に引き下げました。

中央銀行の見解

食品価格の値上がりが予想以上に鈍化しているほか、通貨リラの安定を理由に挙げています。

消費者物価の伸びは漸進的に減速し、2020年末には8.2%まで下がると予測されています。

中銀総裁によると、今年の食品価格インフレ率は10%と、従来予想の15%から下方修正されました。

更なる利下げの為の地ならしという事でしょうか。

トルコ、2.5%の利下げ

2019年10月24日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を2.5%引き下げ、14%としました。

利下げはこれで3会合連続となります。

利下げの背景

  • インフレ見通しの改善
  • シリア北部への軍事作戦がアメリカ、ロシアとの合意で沈静化したこと
  • アメリカからの経済制裁も解除されたこと

立て続けに利下げをする事の通貨への影響

今の所大きな問題は起きていないものの、引き続きかなり警戒をする必要があるでしょう。

それにもかかわらず利下げするのは、金融緩和で景気浮揚を目指すエルドアン大統領の強い意思があると思われます。

しかし、国際収支のバランスを海外からの短期借り入れに頼る脆弱な構造は変わっておらず、経済はなおかなり脆弱です。

ただ、一方で、先進国各国が金融緩和を続けている事もあり、トルコリラもそれに支えられて一定程度安定推移できるのではなか、との意見もあります。

直前の市場予測との比較

利下げ幅は市場予測を上回りました。中央銀行が年末までのインフレ率の見通しが2019年7月に示した13.9%よりもかなり下回ると考えているからです。

エルドアン大統領、追加の利下げを期待、マーケットは10月に1.5~2.5%の利下げを予想

2019年10月5日、エルドアン大統領は中央銀行によるこれまでの利下げペースに満足しているとしながらも、さらなる金融緩和を期待していると述べました。

エルドアン大統領は演説の中で、

「トルコ中銀の適切な介入により金利は合理的な水準に低下しているが、さらに低下すると確信している」

と述べました。

大統領は依然として金利引き下げに固執しており、それがインフレ抑制につながると考えています。

2019年7月と9月に金融緩和を実施したウイサル総裁は、利下げペースの緩和の検討を示唆していますが、これをけん制したのでしょうか。

invstem.com

同総裁の下で、トルコ中銀の利下げ幅は既に7.5ポイントに達しています。

ただ、2019年10月3日に発表された9月のインフレ率は1桁台に低下していて、トルコの実質金利が7.24%と、新興国では最高水準にある事も確かです。

エコノミストは24日の次回会合で1.5-2.5ポイントの追加利下げが行われると予想しています。

2019年9月のインフレ率は1ケタ台に

トルコでは昨年のリラ安に伴いインフレが急加速するも、一転して2019年9月は+9.26%と久々に一桁台となりました。

背景は何でしょうか。

昨年起きたトルコリラの一連のショックが収束したことに加え、政府による資本規制導入などの施策でリラ相場が落ち着いたこと、また物価統制の動きなどによって、インフレ率が落ち着いたものと思われます。

ただ、2018年9月比で落ち着いたと言っても、その時はインフレ率が大きく加速していたので、数字上こうなるのは当たり前の事、とも言えます。

もう高インフレはずっと収まるでしょうか

一過性に終わる可能性も大いにあります。

9月のインフレ率が大きく鈍化した背景には、既述の通り、前年同月のインフレ率が大きく加速していたので、その反動でこうなっただけという見方があります。

10 月も表面上インフレ率が一段と鈍化すると見込まれる一方、その後は一転して12~13%程度に加速して再びインフレ目標から遠ざかる可能性があります。

2019年9月

3.25%の利下げ

2019年9月12日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合を開き、主要な政策金利である1週間物レポ金利を年率3.25%引き下げて16.50%にすると決めました。

invstem.com

7月に続き2会合連続の利下げです。

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利下げの理由は何でしょうか??

利下げの表向きの理由は物価上昇率が縮小傾向で、金融緩和を進めて景気をテコ入れする好機、というもの。

ただ、エルドアン大統領の意向も相当にあるでしょう。

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予想はどうだったのでしょうか??

事前の予測は2.75%程度でしたので、これを上回る利下げです。

ただ、エルドアン大統領は金融政策決定会合の直前に、金利を一けた台に、とする発言をしていたので、それに比べれば、まだ許容範囲っという事で、トルコリラはこの利下げ幅を受けて上昇しました。

エルドアン氏、近く政策金利を一けた台に

2019年9月8日、エルドアン大統領はトルコの政策金利が近く1桁台に引き下げられ、それに伴いインフレ率も鈍化するとの見通しを示しました。

MEMO

エルドアン氏は、「金利を下げればインフレが収まる」という持論をずっと主張し続けています。

大統領はテレビ演説で、

利下げを進めており、最短期間で金利を1桁台に引き下げる。そうすればインフレ率も1ケタ台となるだろう。

と語りました。

この前日には、トルコ中央銀行が9月12日の会合で利下げすると確信していると述べていました。

現行金利は19.75%ですので、もし一度に一けた台に政策金利をするならば、10%程度の利下げとなります。

トルコリラはどうなってしまうのでしょうか。。。

2019年8月 インフレ率見通しを引き下げ、追加の金融緩和への準備??

インフレ見通しを引き下げ、更なる金融緩和へ準備??

2019年7月31日、トルコ中央銀行はインフレ予測を下方修正しました。

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次の利下げに向けた準備、という事でしょうか。。。それよりも通貨防衛をしっかりとしてほしいと思ってしまいます。

中銀の発表によれば、年末のインフレ率は13.9%と、従来予想の14.6%から下がりました。

2020年の見通しは8.2%で据え置いています。

2019年6月

トルコ・リラの上昇などで、2019年6月のインフレ率は15.7%に減速しています。

エルドアン大統領は先週実施された4.25ポイントの大幅な利下げにも「不十分」だとして、年内は段階的な利下げが続く可能性を示しています。

2019年7月 4%以上の利下げを強行

政策金利を4.25%下げて19.75%に

2019年7月25日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合で、主要な政策金利の1週間物レポ金利を4.25%引き下げ、19.75%としました。

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政策金利を下げるのは約3年ぶりです。

足元でインフレが和らぐなど緩和に転じる環境が整いつつあったものの、気になるのは中央銀行へのエルドアン政権の影響力です。

メモ

実際に市場予想を超える急激な下げ幅となった背景には、景気浮揚を狙うエルドアン大統領政権の圧力があったと思われます。

データ

かつて25%を超えていたインフレ率は2019年6月時点で、15.7%まで低下。

一方で通貨防衛を目的とした政策金利24%は経済活動は冷え込ませ、GDPは19年1~3月期まで前年同期比で2四半期連続で減少。

上記の様な現状に基づき、市場は2.5%の利下げを予想していました。

ところが実際はその市場予想を大きく超える利下げとなり、政治的な圧力が働いたとの見方が強まっています。

エルドアン大統領、中央銀行の抜本改革必要と発言

2019年7月10日、エルドアン大統領は、中央銀行に抜本的に改革が必要で、そうしなければトルコは深刻な問題に直面すると語りました。

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大統領は先週、2020年の任期を前にチェティンカヤ中銀総裁を更迭しています。

大統領は持論の金利引き下げを行う事でインフレが鎮静化されるという話を暗に強調しつつ、チェティンカヤ氏が会合の回数を減らし、様々な措置について政府に相談せずに独断で実施したと批判しました。

7月下旬の金融政策決定会合で数パーセントの利下げも??

突然の中央銀行総裁の更迭というエルドアン大統領の衝撃的な決定を受けて、投資家の間では中銀が予想以上のペースで利下げに動くとの懸念が高まっています。

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それゆえ、トルコリラも急激に下げているわけです。

マーケットでは、7月25日の会合で数パーセントの利下げを決める可能性さえあると身構えています。

注意
そうなると、どこまでリラは下がるのでしょうか。今は動くときではないでしょう。

エルドアン大統領、金利で譲れない一線を示す

エルドアン大統領は、中央銀行総裁のチェティンカヤ氏を解任した後、次期総裁と他の当局者が金融政策について政府の方針に従う事を期待している事を言明しました。

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エルドアン大統領の中央銀行総裁の解任についてはこちらから。
トルコへの投資、政治と外交のまとめ

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中銀は9カ月余りにわたって金利を据え置いていますが、これにエルドアン大統領は強く不満を持っているのです。

発表後に開かれた非公開会合で、エルドアン大統領は「高めの金利水準がインフレを招く」という持論が、政治家と官僚全員に支持される必要があると言明したようです。

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加えて、政府の経済政策を支持しない場合は、結果を伴う(職を解かれる?)とも警告したという事です。

一連の発表を受けて、もちろんトルコリラは売り一色です。悲しい事に、エルドアン大統領が金融政策について話すほどリラは下がり、その結果輸入物価が上昇してインフレ率が上がるのです。。。

2019年6月

トルコ中銀、政策金利を24%で据え置き、追加引き締めの可能性は低下

2019年6月12 、トルコ中央銀行は定例の金融政策委員会を開催し、政策金利である1週間物レポ金利を6会合連続で24.00%に据え置く決定を行いました。

これに伴って短期金利の上下限に当たる翌日物貸出金利及び翌日物借入金利もそれぞれ25.50%、22.50%に据え置かれています。

しかし、前回会合(2019年4月)の声明文では、今後必要であれば、さらなる金融引き締めを実施する」との文言がありましたが、今回の声明ではそれが削除され、追加引き締めの可能性が低くなったものと思われます。

2019年5月

国内銀行にトルコ国債購入の依頼

これが政策と呼べるかは分かりませんが、トルコ財務省はトルコ国内の主要12銀行の担当者を呼び、リラ建て国債の購入を拡大するよう促しました。

これに対して銀行側は、長期債の発行を増やしてほしいとの要望を出したようです。

トルコリラの下落を受け、トルコ政府の調達コストは大幅に上昇しています。

一方で外国人投資家による同国国債への投資が振るわず、国内の銀行にこの様なお願いをしたのでしょう。

大規模なトルコリラ売りの決済を、当日から翌日に変更

2019年5月20日、トルコ政府は銀行に、大規模な外貨買いについて決済を翌日とすることを命じました。

通貨リラの防衛策を強化する事がその意図です。

10万ドル相当以上の全てのリテール取引を、現行の当日決済から翌日決済に変更するというものです。

トルコリラの売りに0.1%の課税

アメリカとの政治対立や地方選挙後の政治的混乱などでリラは売り込まれていますが、トルコ政府は通貨防衛措置としてリラ売りに対する0.1%課税する事を決めました。

これは初めての試みではなく、10年前にも導入した事がある政策です。

なりふり構わずリラ防衛をしています。

2019年5月、トルコ中銀が一時的な通貨防衛策

2019年5月9日、中央銀行は通貨リラの下落に歯止めをかけるため、金融引き締め策を発表しました。

銀行への資金供給の一部を停止し、利上げに近い効果を狙ったものです。

背景は最大都市イスタンブール市長選のやり直しの決定で、先行き不透明感から外国為替市場でリラが強烈に売られた事です。

トルコの政治状況については↓をご確認ください。

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

通貨安が物価高につながるのを防ぐため、通貨防衛に動いたわけです。

2019年4月

2019年4月、政策金利は据え置きも追加利上げには消極的メッセージ

トルコ中央銀行は金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利(年24%)を据え置きましたが、声明文で今後の追加利上げに消極的なメッセージを発しました。

市場では利下げ観測が強まった為、リラ売りを呼びました。対ドルで一時、前日比1.8%下げて年初来安値を更新しています。

5会合連続となった据え置きは市場の予想通りでした。
しかし、3月の金融政策決定会合の際の声明文にあった「必要があればさらなる引き締めを行う」との文言が消えた事にマーケットは反応しリラは急落。

今回の声明文で、6月の次回会合で利下げが行われる可能性が高まったとのマーケット関係者らの声が聞こえてきます。

会合前には、リラ安で利下げは遠のいたとの見方も出ていた事もあり、緩和的なメッセージがネガティブサプライズでリラ売りを呼んだようです。

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Abdul Stille

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