トルコの金融政策の経緯とまとめ

ここではトルコの金融政策について記していきます。

トルコの金融政策は かなり政治に翻弄されている所があります。独裁制に近い権力を持っているエルドアン氏に遠慮してしまうのです。

しかし、トルコは高金利通貨国として、リスクが高い事は分かっているものの、日本人にとってはトルコは旅行先でもかなり人気でなじみのある国でもあるので、興味が出てしまう通貨であることは確かです。

トルコの金融政策とそれに関連するマーケットの動きを中心にここでは記述していきます。

トルコの金融政策はかなり政治に左右される

トルコの金融政策を考えるうえで大切なのが、政治的な意思決定に大きく左右されるという経緯です。

特にトルコリラへ投資を行う個人投資家が注意しなければならないのが、エルドアン大統領の金融政策へのアプローチの仕方でしょう。

エルドアン大統領は大統領就任以来、自らの権力基盤強化に執心してきました。

国民からの支持を何とか取り付けて自身の権力基盤を安泰にするため、トルコに多いイスラム教徒が嫌がる利子という考え方を否定している可能性もあります。

エルドアン大統領の金融政策への考え方

有名なところですが、そもそも「利子」や「金利」というものを嫌っており、インフレを抑えるために金利を引き上げるという考え方も否定しています。

むしろ、インフレは金利を引き下げることで抑える事が出来るという、現代の金融理論とは真反対の考えを持っています。

エルドアン大統領は、インフレに対して利下げで対応するというやり方について、海外の金融マーケットから批判を受けている事を知っており、金融政策や経済政策について演説するときは、頻繁に自説を繰り返し主張しています。

トルコの中央銀行総裁、財務大臣の更迭

上記の通り、エルドアン大統領は金融政策に対して独自のアプローチを持っている人です。

元々は金融政策に対して中央銀行に一因する姿勢を見せていたものの、大統領となってより独裁色を強めてからは、金融政策に介入するようになってきました。

具体的には、エルドアン氏の主張に相いれない中央銀行や経済省庁の大臣を更迭し、代わりに自分の言う事を聞く人を任命する、というやり方です。

直近で、金融マーケットを驚かせたのが2021年3月のアーバル総裁の更迭とカブジュオール氏の新総裁就任でした。

アーバル総裁は金融市場からの信任も厚く、現代金融理論に則った政策を運営していました。このため、アーバル総裁の時はトルコリラはかなり安定的に推移したのです。

しかし、インフレを利上げによって乗り越える至極まっとうな政策をエルドアン大統領は嫌い、急に更迭してしまったのです。

カブジュオール氏が総裁となってからは、高いインフレ率にもかかわらず、金利据え置きか引き下げがなされるようになり、高いインフレ率とともに、トルコリラへの信任が下がってしまい、大幅なリラ安となってしまいます。

そしてリラ安が輸入物価高騰を招き、更にインフレ率を高めてしまうという悪循環となってしまったのです。

【2021年のUSD-TRYの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

2021年の無理な利下げを開始して以降、トルコリラが急激に落ちていくのが上記グラフで表れています。

トルコ中央銀行が採ってきた行動

トルコ中央銀行は、2021年以降、エルドアン大統領の意向を気にした金融政策を採ってきました。

それまでは金融政策を熟知した専門家集団が国の経済状況を鑑みて適切に金融政策を決定してきたのですが、それが既述のような形になってしまいました。

ただ、もちろん中央銀行の中には良識を持った人がいて何とか目の前の悪性インフレを抑え込もうとしています。

預金保護政策やリラ買い介入という事ですが、どれも必要な金融政策を採れないがための代替であり、厳しい状況です。

中央銀行の職員たちは・・・

一方で、まだまだ中央銀行の職員たちは何とか正常な金融政策を踏襲して、マーケットとの対話を続けたいと考えている節もあります。

エルドアン大統領の金利を嫌う体質を何とか掻いくぐり、正常な金融政策にしようという努力が所々で垣間見えるのです。

この意味では、トップの政治家が変わるとトルコの金融政策はすぐに正常なものに戻る土壌を残しています。

トルコの金融政策の過去の推移を知ることで今後の対策を練る

トルコに投資をする際は、既述の通り政治家の信条によって、普通の金融理論では考えられないような事も起きうることを理解しておく必要があります。

過去の経緯を網羅的にご覧頂く場合は以下をご参考ください。kindle unlimitedで無料でご覧いただけます。

トルコに関する本ブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う 基礎から学ぶ4つのポイント

トルコの政治と外交についてのまとめ記事は↓

トルコへの投資、政治と外交のまとめ2019

トルコ・リラの動きについては↓

トルコ・リラの動き、経緯とまとめ2019

2022年6月

政策金利を据え置き

トルコ中央銀行は6月23日、政策金利を6カ月連続で据え置きました。

エルドアン大統領は利下げ再開をあからさまに求めていますが、インフレ急騰や通貨リラの一段安に直面する中で政策金利の変更を見送りました。

声明⽂において、⽬先の利下げを⽰唆する⽂⾔は⾒当たらず、6⽉6⽇のエルドアン⼤統領が発言した、利下げ継続宣言のようなものはありませんでした。

このため、金融市場で浮上していた利下げ再開の思惑は一旦鎮まりました。

政策委はインフレ加速の要因として、地政学を理由とした供給ショックやエネルギー価格の上昇を挙げ、必要に応じてマクロプルーデンス政策を追加すると表明しています。

また、これまでに講じた措置により、ディスインフレのプロセスが始まると予測するとの見解を示しました。

国債CDS、19年ぶりの水準に

トルコ国債の向こう5年間のデフォルトリスクに備えるコストが急上昇、約20年ぶりの高水準に迫っています。

トルコ国債の保証コストを示すCDSのスプレッドは6月13日、841bpsに上昇しました。

2008年の世界金融危機や、現在大統領のエルドアン氏が首相に就任した2003年当時の水準を上回る水準です。

通貨リラの一段安や同国政府が頼る非従来型の金融政策を投資家が懸念していることを示唆してます。

S&P、資本規制のリスクを言及

S&Pグローバルは6月8日のオンライン説明会でトルコについて、通貨リラや金融市場への圧力がさらに強まる場合に、同国が追加の資本規制を導入するリスクが高まっていると指摘しました。

S&Pが今年4月にリラへの格付けを引き下げたのも追加の資本規制への懸念が背景だったと説明しました。

リラは現在、年初来の下落率が22%に達しており、昨年末ごろのような通貨危機の再燃への懸念が強まっている状況です。

エルドアン氏、利下げ継続を明言

トルコのエルドアン大統領は6月6日、激しいインフレ高進に見舞われる中でも利下げを継続する方針を明確に示しました。

大統領は現政府が利上げすることはない、引き続き利下げしていくと明言しました。

この発言を受けて通貨リラはドルに対して下げ幅を拡大しました。

一時0.9%安の1ドル=16.6リラ付近まで下落しました。

リラは年初からドルに対して19.8%下落しており、新興国通貨の中で最悪のパフォーマンスレベルとなっています。

このエルドアン大統領の発言を受けて、市場ではトルコ中銀が利下げを再開するとの思惑が浮上しているようです。

同行は将来のインフレ率鈍化を見込んで、昨年9月から12月にかけて政策金利(1週間物レポ金利)を19%から14%に引き下げたわけですが、通貨リラの暴落により、逆にインフレ率は急加速してしまいました。

その後は政策金利を据え置き、通貨の安定を重視する姿勢に移行していました。

早期の利下げ再開を市場参加者に意識されることはリラ安圧力の高まりを誘発し、それがむしろ利下げを難しくするため、トルコ中銀は利上げも利下げもしない(できない)状況が続く可能性が高いと考えられます。

2022年5月

エルドアン氏、独自の金融理論を繰り返す

トルコのエルドアン大統領は5月26日、インフレへの対処法として金利を引き上げることに強い反対を唱えました。

消費者物価とリラに圧力がかかっているにもかかわらず、前日にはトルコ中央銀行が超緩和的な金融政策の維持を決めていました。

エルドアン氏はイスタンブールで指標金利とインフレの関連性を押し付けようとしてくる人々は無学か売国奴かだと主張し、ロンドンやニューヨークから世界を見ることにしか能のない人々のむやみな話に注意を向ける必要はないと主張しました。

ただ、2018年以降のトルコ政府の経済政策が市民にとって生活費の上昇という形で、重い代償を強いたことは認めました。

同国のインフレ率は今や70%と、中銀が公式に目標とする水準を14倍上回っている状況です。

政策金利、据え置き

トルコ中央銀行は5月26日の金融政策決定会合で、主要政策金利を14%に据え置くことを決めました。

据え置きは5会合連続となります。

中銀は、強力な対策が講じられ、物価の上昇は鈍化する見通しだと強調しています。

ただ高インフレと通貨リラの下落は続いているのが現実です。

リラはこのところ1ドル=16リラ台に達し、年始から2割近く下落しました。

4月の消費者物価指数は、前年同月比で69.97%上昇しており、文字通り非常事態です。

昨年後半の連続利下げに伴う通貨暴落はいったん落ち着いているものの、外貨準備不足の懸念が強まり、リラ安が進んでいます。

2022年4月

年末のインフレ率予測を上方修正

トルコ中央銀行は年末のインフレ率予測を42.8%と、今年1月時点の23.2%から上方修正しました。

エネルギーの輸入コスト上昇と通貨リラの下落が背景です。

中央銀行は、インフレ率が来年末までに12.9%、2024年には8.3%前後に減速すると見込んでいるようです。

ちなみに、同国の公式インフレ目標は5%です。

金利を据え置き

トルコ中央銀行は4月14日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは4会合連続です。

足元のCPI上昇率は前年同月比61%にも達しており、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰し、じきに70%を超えると予想されているにもかかわらず、政策金利の据え置きを決めました。

金融緩和による景気浮揚を優先する政権の意向に沿った形です。

中銀は、恒久的で強力なリラ化(liraization)を推進するために金融政策枠組みの包括的な見直しを続けるとしており、利上げでインフレを抑制しようとの意志は感じられません

2022年3月

高インフレ下でも金利据え置き

トルコ中央銀行は3月17日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは3会合連続です。

ウクライナ情勢を受けてインフレがさらに加速する可能性があり、市場では利上げに踏み切るとの観測もありましたが、やはりだめでした。

通貨リラの対ドル相場は金利据え置きの発表後、一時は前日比1%を超えて下がっています。

トルコではインフレが収まりません。

リラ安やロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー値上がりで、トルコのインフレ率は54%を超えていますが、エルドアン大統領は利上げを嫌い、トルコは世界の動きに逆行しています。

2月下旬にロシアがウクライナ侵攻を始めたことで、大半を輸入に頼る石油・天然ガスの価格が上昇し、インフレ圧力はさらに高まっています。

2022年2月

金利引き上げ以外のインフレ抑制策を検討

トルコがインフレに伴う家計負担の軽減に乗り出しています。

食料品の付加価値税を引き下げたほか、小売業者にさらなる値下げを促しています。

急激な物価上昇から国内ではデモが起きており、政府はインフレの長期化に危機感を募らせています。

ただ対策として一般的な利上げには否定的であるため、効果は見通せません。

エルドアン氏は

「少なくとも14%の値下げが行われると期待している」

と無責任なことを言っています。

政府は対策として14日に主要な食料品の付加価値税を8%から1%に下げ、その後、大手スーパーに当局が立ち入り、値札をみて価格が引き下がったかどうかをチェックしているようです。

政府はこれとは別に、小売業者にさらに7%の値下げを要求しています。

このほか、欲しい商品を最安値で扱う店舗を検索できるスマートフォン用アプリを政府自ら開発し、近く導入する計画です。

一部世帯では電気代の軽減も検討しているようです。

利上げ以外でのインフレ対策に、どこまで効果があるかは不透明です。

卸売物価指数(PPI)上昇率は94%にも及んでおり、小売業者にとってはとんでもない迷惑でしょう。

政策金利を据え置き

トルコ中央銀行は17日、金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めました。

据え置きは2会合連続です。

足元では消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比49%に達するほどインフレが加速していますが、中銀に影響力を行使するエルドアン大統領は経済成長を優先し、利上げを繰り返し否定しています。

インフレ調整後の実質利回りは35%近いマイナスとなっている状態です。

金をリラに替える事を奨励

2月11日、ネバティ財務相が⾦(ゴールド)をリラに替えることを奨励する政策を発表しました。

リラは当局に実質的にコントロールされているため、市場の評価を測るためには実際の⾦の動きを⾒る必要があります。

ウクライナ情勢が緊迫化しているとは⾔え⾦価格は堅調に推移しており、同政策が⾦市場に与える影響は⼩さいと思われます。

財務大臣、高インフレでも利上げせず

トルコのネバーティ財務相は2日、通貨リラ安定のために市場が求める中央銀行の利上げは「あり得ない」との認識を示しました。

国民のリラ保有を促す保証付き定期預金などの施策で為替相場は小康状態にあり、引き続き低金利による成長を目指すとしました。

しかしインフレは加速しており、リラ相場が下落に転じた際に傷が広がるリスクは増しています。

ネバーティ氏は政策金利について、低金利で生産や輸出を拡大し、中長期的な為替相場と物価の安定を図るのが新たなトルコ型成長モデルだと主張しています。

海外資金の流入に頼り、慢性的な経常赤字となっている状況を構造的に変えたいとしています。

トルコの1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比48.69%となっています。

本来は利上げによって沈静化を目指す局面ですが、トルコ中銀は21年9~12月に連続で利下げを実施し、政策金利はこの間に5ポイント低い14%となりました。

こうした中で金利低下でリラ安が加速し、それが輸入価格を押し上げて物価が上昇する悪循環に陥っています。

為替介入については、中銀が報告する直接介入以外に、公式の報告がない国営銀行経由の間接介入を行っていたことも認めました。

為替介入を続けた結果、外貨準備高は通貨スワップなどによる外貨借入分を除くと実質的にマイナスになっているとの指摘については、否定せずスワップを含む総額で考えるべきとの主張をしました。

足元のトルコ経済はリラ安による輸出がけん引しています。

2月2日発表された22年1月の輸出額は単月で過去最高を更新しています。

ネバーティ氏は21年のGDP成長率が10~11%、22年は5%程度になるとの見通しを示しましたが、トルコはエネルギーや中間財を輸入に依存するため、うまくいかない可能性も高いでしょう。

2022年1月

インフレ報告書を公表

27日にトルコ中銀が四半期に1度のインフレ報告書を公表し、トルコリラの安定の重要性を強調しました。

消費者物価指数は直近12月の前年同月比+36.1%から、2022年末に+23.2%、2023年末に+8.2%、2024年末に+5.0%へ鈍化するとの見通しが示されました。

カブジェオール総裁は記者会見で、中銀の独立性に関する質問に、政策はデータに基づき決定すると述べています。

注目ポイントは、物価安定のためにはリラの安定が重要であることを強調した所です。

短期・中期・長期で実施する全ての政策の焦点は、持続可能な物価安定のために、金融システムにおける『Liraization(リラの割合増加)』を確実にすることだなどと述べており、今後も利上げ以外の方法でリラ買いを促し、リラの安定に努めることが期待されます。

金利据え置き

トルコ中央銀行は20日、政策金利を据え置き、利下げサイクルを停止しました。

同国はエルドアン大統領の意向に沿って実施した連続利下げで、インフレ率が記録的な水準に達していました。

金融政策委員会は1週間物レポ金利を14%としました。

これは予想通りの結果です。

トルコのインフレ率は昨年12月に前年同月比で36.1%と、約19年ぶりの高い伸びを記録しました。

UAEと通貨スワップ協定

トルコとアラブ首長国連邦の中央銀行は19日、現地通貨で約50億ドル相当の通貨スワップ協定を結んだと発表しました。

期間は3年で延長される可能性もあるとしています。

それぞれの声明によると、規模は640億リラと180億ディルハム。

中銀は通貨リラを支えるために直接、間接の為替介入を繰り返し、外貨準備高枯渇への不安がさらなる通貨安を呼ぶ悪循環に陥っています。

中国やカタールなどとの通貨スワップや市中銀行の預金準備を除く実質の外貨準備高はマイナスと指摘されています。

UAEとの協定は、外貨準備を積み増して市場の信頼を得るのが狙いとみられます。

ただ、UAEの通貨ディルハムはドルやユーロなどのハードカレンシー(国際通貨)ではないため、効果は限定的だとの指摘もあります。

リラ安定化に向けた措置に取り組んでいると発言

エルドアン大統領は通貨リラのボラティリティー低下に満足しているとした上で、トルコ政府はリラへの関心拡大に向けた措置に取り組んでいると述べました。

リラは昨年、対ドルで44%急落しましたが、今月に入りおおむね安定的に推移しています。

18日時点のリラは1.6%安の1ドル=13.65リラです。エルドアン大統領の発言後に下げ幅をやや拡大しました。

エルドアン氏、インフレを早期に収めると表明

エルドアン大統領は12日、インフレ率が12月は36%を超えたことを受け、できるだけ早期に物価を引き下げると表明しました。

ただエコノミストは、トルコの物価は上昇し続け、通貨リラ相場に一段の圧力がかかるとの見方を示しています。

エルドアン氏は、インフレ急伸はトルコ経済の実態を反映していないとして、政府の措置により「不当な」物価上昇の重しは近く緩和すると述べました。

ゴールドマン・サックスは、トルコのインフレ率は1月に40%を超え、その後は50%を上回る水準にさらに上昇し、2022年を通して高止まりすると予想しています。

トルコ当局はインフレ抑制に向け一段の措置を導入し、その後は金融政策を最終的に転換させる可能性があるとの見方を示しています。

預金保護策を企業にも拡大

トルコは、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する預金保護策について、企業の外貨預金口座と金預金口座も対象にする事としました。

1月11日に明らかになりました。

2021年末時点で企業の口座にあるドル、ユーロ、ポンド、金を半年から1年の期間でリラ建て預金にすれば預金保護制度の対象になるという事です。

12月に発表された預金保護策は、リラ建ての定期預金が満期を迎えた際、預入時に設定された利息と元本が為替変動のために外貨換算でマイナスになれば補塡する制度です。

2021年12月

借り入れコストが急上昇

トルコで借り入れコストが急上昇しています。

利下げを推し進めるエルドアン大統領の取り組みが裏目に出始めました。

トルコ中央銀行が9月に利下げを開始して以来、10年物トルコ国債利回りは7ポイント余り上昇し、29日には過去最高の24.9%に達しました。

政策金利である1週間物レポ金利を10ポイント以上上回り、上乗せ幅は過去最大となっています。

トルコ中銀の純外貨準備が2002年以降で最少

 トルコ中央銀行の12月24日時点の純外貨準備が86億3000万ドルと前週の121億6000万ドルから減少し、2002年以来の低水準を付けていたことが分かりました。

中銀は通貨リラ相場防衛に向け、今月に入り外国為替市場に対する直接介入を5回実施したと発表しています。

12月17日以降は介入実施の発表はありませんが、準備高が一段と目減りしたことは政府・中銀が一段のリラ防衛を行った可能性があることを示しています。

来年はインフレ抑止よりもリラ預金奨励に注力

トルコ中央銀行は来年、リラ預金の奨励を優先課題とする方針です。

トルコでは実際のインフレ率が20%超えているものの、中銀は2022年に向け準備した金融・外国政策文書で中期的なインフレ率目標を5%に維持することを明らかにしました。

昨年の文書で当時のアーバル総裁が目指していた引き締め政策は放棄しています。

トルコ中銀、リラ預金促す措置

トルコ中央銀行は銀行が外貨からリラに転換して中銀に預けた法定準備預金の一部について、通常より高めの14%の金利を支払うようです。

外貨建ての同預金については年1.5%の金利を課します。

外貨の準備預金の10%を来年1月21日までに、20%を3月18日までにそれぞれリラに転換した銀行は2022年末まで新たな金利を免除されるようです。

通貨スワップ協定を新たに締結予定

トルコ中銀がアゼルバイジャンとアラブ首長国連邦(UAE)の中銀と進めている通貨スワップ協定を巡る交渉は進展しており、年内に1カ国との合意が成立する可能性が高いようです。

トルコはリラ急落やインフレの進行に見舞われており、外貨を必要としています。

為替介入で枯渇した外貨準備を強化する狙いがあると思われます。

水面下で中銀がリラ買い介入

エルドアン大統領が通貨リラを支える計画を公表した今週初め、同国の対外純資産は59億ドル減少しました。

当局が水面下で外国為替市場への介入を行った可能性を示しています。

政府は介入を否定していますが、対外純資産の急激な落ち込みは、2年余り前にも行われたオペレーションと同様の裏口介入が実施されたことを示唆しています。

当時は国営金融機関がリラを支えるためにドルを売っていました。

預金保護政策で実質的なドルペッグ制へ

エルドアン大統領は20日、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する新たな預金保護策の実施を表明しました。

リラ安に苦しむ家計部門の支援に向けて、リラ建預金に対して為替変動による損失を政府が補填するというものです。

つまり実質的なトルコリラのドルペッグ制で、政府がこうしてリラの価値に底を設けることは、投資家の利益を損なう利上げを実行しながらそれを公にしていないことになると、専門家は批判しています。

リラの下落とインフレに歯止めをかけるのが目的で、リラは対ドルで一転急騰しましたが、財政負担が増すため、持続性は疑問です。

この政策はトルコ経済にわずかに残された明るい材料である財政を圧迫します。

誤った政策の代償を公的財政で穴埋めする傾向は、トルコでますます強まっています。

利上げはしていないと主張するがために、この財政が犠牲になってしまったわけです。

また、本来お互いに独立するべき財政政策と金融政策が、双方の政策が絡み合っている点も危険です。

21日の財務省声明によると、リラ建ての定期預金が満期を迎えた際、預入時に設定された利息と元本が為替変動のために外貨換算でマイナスになれば補填されるようです。

対象は個人の定期預金(3カ月もの~12カ月もの)です。

演説の直前に一時前週末比10%超安い1ドル=18リラ台の史上最安値を付けたリラはその後、13リラ台に急騰しました。

どうやら国営銀行がリラ買いに参加してリラ高を演出したもようですが、21日もリラ買いの動きは続き、一時11リラ台を付けました。

20日の最安値からの上昇幅は50%を超えました。

政策金利を1%引き下げ

トルコ中央銀行は16日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを1%ポイント引き下げて14%とすることを決め、来月には利下げを一時停止することを示唆しました。

1%ポイントの利下げは市場予想通りです。

通貨リラが史上最低水準に急落後も、エルドアン大統領下で異例の政策を続けました。

他国が金融引き締めに向かっているのに対し、トルコ中銀は金融緩和を進めています。

利下げは4会合連続で、インフレはさらに加速するとみられます。

政府は最低賃金を50%引き上げるなどの財政出動で市民の不満を和らげる方針ですが、効果を危ぶむ声も上がっています。

中銀は1週間物レポレートが19%だった9月に始まった利下げの効果を今後数カ月間監視すると説明していますが、具体的な説明はありませんでした。

トルコ中銀はこの間に5%の利下げをしており、リラの記録的な急落を背景にインフレ率は21%を超えています。

トルコの実質利回りが大幅なマイナスになっている中で、エコノミストはこの政策を無謀と広く批判しています。

新しい財務大臣、金利を上げない決意を表明

トルコは金利を引き上げない決意だとネバティ新財務相が13日述べました。

トルコ中央銀行の政策決定に圧力を加えているエルドアン大統領の方針に沿った発言です。

同中銀は16日の会合で、政策金利を再び引き下げると見込まれています。

インフレ率が20%に上昇する中での金融政策緩和を受け、通貨リラは対ドルで繰り返し最安値を更新している状況です。

インフレ率が加速

トルコのインフレ率は11月に3年ぶりの高水準に上昇し、前月からの伸び加速は6カ月連続となりました。

トルコ・リラが下落し、消費者物価の見通しは不透明性が続いています。

3日の発表によれば、11月の消費者物価指数は前年同月比で21.31%上昇と、前月の19.89%上昇から加速しました。

前月比のインフレ率は3.51%と、市場予想中央値の3%も上回りました。

カブジュオール総裁、来年の利下げ停止を示唆

トルコ中央銀行のカブジェオール総裁が2日、来年1月以降は積極的な金融緩和を休止する考えを示したことが分かりました。

国内投資家との月次電話会議で同総裁は、12月に追加利下げを実施する余地は限られていると述べたという事です。

ある参加者は、12月に小幅な利下げを行うのを最後に、2022年に向けてはしばらく様子を見るという印象を受けたと語りました。

財務大臣を更迭

12月2日、エルドアン大統領は財務相を交代させる人事を発表しました。

これまで、財務大臣はエルドアン大統領の一連の経済政策に異を唱えていたと言われています。

イエスマンを後任としたことで、自分の思い通りにしやすい状況を作りました。

リラ相場に調整圧力が掛かることは不可避ななか、政策運営はいよいよ八方塞がりとなる可能性があります。

前日のエルドアン氏発言を受けて、中銀が為替介入

1⽇にはトルコ中銀が外貨売り・リラ買いの為替介⼊を実施しました。

エルドアン氏の発言がまたリラを下落させたことを受けての措置です。

この介入によってリラが反発する場⾯もみられましたが、外貨準備が潤沢ではないトルコが為替介⼊によりリラを⽀えるにも限界があると市場では受け⽌められ、リラの上昇は⼀時的に
終わりました。

ただ、トルコ中央銀行がリラ急落に歯止めをかけようと約10億ドルを費やして為替介入に動いたことは、エルドアン大統領の経済改革計画に政策担当者がますます不安を募らせていることの表れでしょう。

大統領が利下げを求める中でも、中銀が行動をとることに積極的だという兆しがトルコで初めて見られたのです

投資家も、金融当局がどこまで危機のさらなる深刻化を阻止できるのか注目しています。

ただ、1日の介入に対してリラ相場の反応が薄かったことを踏まえると、投資家の信頼感は低いようです。

リラ下落はトルコが工業大国に生まれ変わり、高金利に引かれて国外から流入する短期資金への依存から脱却するためのコストとして、エルドアン氏の目には映っているのかもしれません。

しかし、その壮大な設計図を狂わせる問題が積み上がり始めており、このままでは済まないでしょう。

リラ急落はトルコの中流層に大打撃を与え、投資家をいらだたせ、大統領への不満を高めてしまいました。

2023年の次回選挙までにエルドアン氏が経済を立て直すのはほぼ不可能だろうと、多くのアナリストらは指摘しています。

エルドアン氏はリラ安が質の高い製品の輸出拡大に寄与すると主張していますが、これまでも安いリラだったのに結局工業輸出国への変貌はなりませんでした。

早く常識的な政策に戻る勇気を持つ必要があるでしょう。

2021年11月

エルドアン氏、選挙まで更に金利が下がっていくと発言

新型コロナウイルスのオミクロン株への懸念で市場センチメントが悪化している中、30⽇にエルドアン⼤統領が、2023年の選挙までに⾦利は⼤幅に低下するだろうと発⾔しました。

短期的な外国資金への依存から脱却し、国内生産と輸出で繁栄する経済への転換を主張しています。

自らの政治生命を賭け、金利引き下げで落ち込んだ支持率の回復を図ろうとしてるのです。

更に、より安価な資金によって製造業は押し上げられ、雇用が創出され、現行は政府目標(5%)の4倍程度の伸びとなっているインフレ率も鈍化し、通貨も最終的には上昇すると語りました。

「ホットマネー」や、すぐに引き揚げられ得る投資に翻弄されるとして、トルコは資本の呼び込みを目指さないとも述べました。

トルコ中銀は12月にも利下げ停止を検討する意向を明らかにしており、こうした大統領の姿勢は中銀を難しい立場に置くでしょう。

当然このコメントを受けて、翌日トルコ・リラは急落しました。

エルドアン氏、低金利維持を再強調

エルドアン大統領は26日、トルコ国民が高金利によって苦しめられることは許されないとし、低金利を維持する姿勢を改めて示しました。

これを受け、トルコの通貨リラは4%下落しました。

エルドアン大統領は低金利を実現させ、生産、雇用、経済黒字を重視した新たな経済政策にコミットしていると表明しました。

加えてIMFや世界銀行から支援を受けるという考えにも反対すると改めて述べました。

リラ急落で影響が続々

急激な通貨安に見舞われているトルコで混乱が広がっています。

23日に一時、対ドルで前日比15%超下落すると、リラ安に伴う物価の高騰を見込んだオンライン販売など一部の商取引が停止しました。

大都市では反政府デモも起きています。

デモの参加者は数十~数百人程度と小規模なものが多いようですが、反体制派の拘束などが相次ぐ近年のトルコで明確に反政府を掲げるデモは異例です。

デモの背景にあるのは急激な通貨安への危機感です。

通貨リラは23日、対ドルで一時、前日比15%安の1ドル=13リラ台半ばまで下落しました。

年初からの下落幅は4割を超え、11月以降だけでも3割近くリラ安が進んでいます。

1日の最大下落幅は2018年の通貨危機「トルコショック」時を超えました

トルコリラが急反発

24日の外国為替市場でトルコ・リラが急反発、対ドルで一時5%超値上がりしました。

20年余りで最長の連続下落に歯止めがかかりそうな勢いです。

大きな要因は単純な押し目買いといった所でしょうか。

エルドアン大統領は経済成長および雇用創出を目指して利下げを支持していますが、物価上昇に対する懸念を招き、リラ相場は大きく変動している状況です。

信用リスクは高まらず、中銀は様子見の可能性

トルコリラを巡っては、市場では、いずれ利上げせざるを得ない状況になることを織り込んで国債利回りが上昇していますが、信用リスクが過去の危機時に比べて上昇していないことはトルコ中銀が利上げする必要性を削いでいるとも言えます。

リラが安定化するためには、インフレが落ち着くか、市場の圧力に屈してトルコ中銀が利上げする必要がありそうですが、すぐにトルコ中銀が動く気配は見られず、少し時間がかかるかもしれません。。

エルドアン氏が利下げを称賛しリラが大暴落

22日、エルドアン氏が高インフレ下の中の利下げを称賛し、トルコ・リラが暴落しました。

エルドアン大統領が22日夜、競争力のある為替レートが「雇用や投資を拡大する」などと発言しました。

当局が通貨安を容認し、緩和的な金融政策を続けるとの受け止めが広がり、リラに売りが殺到しました。

11月に入ってから、歯止めのきかないリラ安に対し、市場の一部ではトルコが早晩、緩和的な金融政策の転換を迫られるとの見方もありました。

しかし、エルドアン氏は22日の演説で、トルコ経済を攻撃する外国勢力などの陰謀があると示唆した上で、中銀の利下げを称賛し、引き締めを主張するエコノミストらを西側の従属者などと批判したのです。

3か月連続の利下げ

トルコ中央銀行は18日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を16%から15%に下げました。

世界の中銀が引き締めに動くなかでの金融緩和により、通貨リラは下落が止まりません。

利下げは9月から3カ月連続で、合計の下げ幅は4%となりました。

中銀は声明で12月の次回決定会合まで現在の緩和姿勢が続く可能性も示唆しました。

18日のリラ相場は一時、対ドルで前日比3%下落し、年初からの下落幅は3割を超えました。

エルドアン氏、金利引き下げを示唆

エルドアン大統領は17日、与党の会合で「金利と闘う」などと演説し、政策金利の引き下げを示唆しました。

トルコ中央銀行は18日に金融政策決定会合を控えており、通貨リラは一時対ドルで前日比3%下落、史上最安値を更新しました。

演説では、金利が原因でインフレがその結果だとする自説を繰り返し、金利を否定するイスラム教の教えにも言及しました。

エルドアン氏の発言はさらなるインフレにつながる恐れがある事は言うまでもありません。

中銀は9~10月に計3%の利下げを行い、市場はさらに続けるとみています。

リラは9月以降だけで2割下落しました。

輸入に頼るエネルギーなどを中心に、足元のインフレ率は20%近い状況です。

エルドアン氏はこの日、中銀は独立していることを主張しましたが、同氏は過去2年の間に総裁を3度更迭するなど中銀の金融政策に公然と介入しており、一連の発言は中銀への利下げ圧力だとの受け止めが広がっています。

2021年10月以前

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Abdul Stille

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