トルコの経済・財政問題と政策についてのまとめ

この記事ではトルコの経済政策や財政策といった事に焦点を当てていきます。

最近はどこでもそうですが政治がうまくいかがマーケットを見る上で特に重要になっています。

トルコはエルドアン大統領が独裁制を強める中で、特に政治動向にマーケットが左右される事が多くなりました。

それが良いか悪いかはさておき、トルコへの投資にあたってどの様な政策が実施されているかを知るのは大切な事です。その参考として頂ければ幸いです。

2020年7月

株の空売りを当面禁止

2020年7月6日にイスタンブール取引所が、大手金融機関6社に対して株式の空売りを禁止すると発表しました。

期間は1カ月もしくは3カ月です。

6月23日にMSCIは取引規制の強化などを理由にトルコ株をMSCIエマージング・マーケット・インデックスから除外する可能性があるとの声明を出していて、海外投資家がトルコ株を敬遠する動きが懸念されていました。

ここからトルコ株が急落する事を懸念した当局による政策でしょう。

2020年5月

欧米3行との取引禁止を解除

2020年5月11日、トルコ当局は、国内の銀行にシティグループ、UBSグループ、BNPパリバとリラ取引を行うことを禁止していた措置を解除しました。

禁止措置は5月7日に実施されたばかりでしたが、為替市場以外にも影響が広がり、数日で撤回されました。

背景

当局は、シティとUBS、BNPがリラ債務要件を満たしていないとして、3行とのリラ取引を5月7日から禁止していました。

しかし、これが海外投資家のトルコ金融市場への印象を不必要に悪化させていました。

政権の中でも国際協調を重視する一部の人々が、金融市場への外国の関与を攻撃しても何も得られないとトルコ当局を説得したのかもしれません。

2018年の通貨危機以来、トルコ当局は外国人投資家の流動性に対するアクセスを制限し、リラ売りのトレーディングをいっそう難しくしてきました。

しかし、トルコが自由市場原則を放棄するのではとの疑問を投資家が持つようになり、資本流出に拍車を掛けてきました。

ロックダウンの一部緩和を発表

2020年5月4日、エルドアン大統領は都市封鎖措置の一部緩和を発表しました。

理髪店やショッピングモールは11日から、大学や裁判所は6月15日から再開する予定です。

5~7月にかけて徐々に正常化を進めるようです。

出入りを原則禁止している31都市のうち7都市について禁止を解除しますが、最大都市イスタンブールや首都アンカラを含む24都市の移動禁止は5月中旬まで延長します。

トルコでは既に12万人以上の感染が確認されていますが、新規の感染者数は4日まで3日連続で2000人を下回るなどピークを越えたとの見方が出ています。

2020年4月

国営銀行への資本注入を検討

トルコ政府が国営銀行への資本注入を検討しているようです。

新型コロナウイルスのパンデミックで打撃を受けている企業への支援を銀行に促す事が狙いです。

この計画は始まったばかりで、注入規模などもまだ明確になっていません。

資本注入の原資は、リラ建て国債の発行などが選択肢に挙がっているという事です。

資本注入先として検討されているのが、国内最大手のトルコ農業銀行とハルク銀行、バキフラール銀行の三つのようです。

2020年3月

コロナ対策に150億ドルの景気対策

2020年3月18日、エルドアン大統領は新型コロナウイルスの感染拡大による影響を緩和するため、総額1000億リラ(154億ドル)の経済対策を発表しました。

主な内容

新型ウイルスの影響を受けた企業については、債務返済を少なくとも3カ月延期できたり、様々な業種を対象に、付加価値税と社会保障費の納付期限を延期します。

国民に対し、不要不急の場合や通勤を除き、向こう3週間の外出自粛も勧告した事に加えて、銀行に貸し渋りをしないよう求めたほか、企業には人員削減回避を呼び掛けました。

2019年10月

シリアへの軍事行動が経済政策に支障をきたす可能性

トルコの対シリアへの軍事行動が、経済政策遂行に支障を来す可能性があります。

ようやく通貨リラも落ち着いてき始めた2019年10月ですが、エルドアン氏が決断した軍事行動で、全てが水泡に帰す可能性さえ出てきています。

invstem.com

中央銀行は追加利下げすると考えられていましたが、その利下げ余地も消える恐れが出てきています。

シリアへの攻撃は、トルコ国内の政権への支持率をあげる可能性はありますが、投資家は「またか」という気分になるでしょう。

トルコリラは10月8日、ドルに対して1カ月ぶりの安値を付け、先週末比では2.4%%下落しています。

このまま輸入物価を押し上げる水準までリラが下がれば、金融緩和頼みの経済政策はまた迷走するでしょう。

アメリカの利下げのおかげで、トルコ中銀が利下げをしてもドルに対するリラの下落は防げるようになりました。

これもあって、アルバイラク財務相は強気の経済成長予想を披露できたのです。

しかし、今回の軍事行動で経済が圧迫されると、また暗黒でしょう。

トルコはそれでなくともファンダメンタルズが脆弱です。

エルドアン氏は国内の支持基盤が弱くなっているため、何とか点数稼ぎをしたいのかもしれません。しかし、そうした近視眼的な考えが、結局はトルコの人たちを苦しめるという事を忘れてはならないのです。

2019年9月

トルコ政府、インフレは落ち着き、来年から5%の成長を見込む

トルコ政府は、経済が今年のほぼゼロ成長から急加速し、インフレは鈍化するとの見通しを示しました。

2019年9月30日、アルバイラク財務相が記者向けのプレゼンテーションで語った所によると、

  • インフレ率が8月の15%から年末には12%に減速すると予想
  • 更に2020年末に8.5%、21年末には6%への低下を見込みます。
  • GDPは2019年が0.5%の伸びにとどまるものの、2020年からの3年間は5%の成長を続けるとの見通し
との事です。

政府が見込んでいる数値について、マーケット関係者は全く信用していないようです。

2019年7月

不良債権処理停滞

トルコの不良債権処理に向けた取り組みが進んでいないようです。

MEMO

トルコは経済の構造改革の一環として多額の債務を抱える建設、不動産、エネルギー会社に融資している金融機関を支援する計画を遂行中です。

ところが、銀行が当初案を拒否したり、棚上げにしたりしてこの3カ月ほとんど進展がみられていないとの事です。

不良債権はいわば経済活性化の足を引っ張るものなので、政府がしっかりとした支援をしなければならない所もあります。

年内に経済回復が行われるか長期停滞となるかは、政府がどれだけ迅速かつ確実に支援策を実施できるかどうかにかかっているかもしれません。

2019年4月

2019年4月10日、国営銀行に5500億円注入と発表

2019年4月10日、トルコのアルバイラク財務相は280億リラ(約5500億円)相当の国債を発行し、債券の形で国営銀行に資本注入すると発表しました。

2018年のトルコショック以降、不良債権比率が高まっている国営銀の財務を改善します。

トルコショック以降、政府は国営銀行などに低金利の融資などを促して国内景気を下支えしようとしてきましたが、景気は一向に良くならず、むしろ不良債権比率が4.2%まで高まり金融システム不安につながる懸念が出てきていました。一部には同国の実際の不良債権比率はもっと大きいとの指摘もあるようです。

そこで政府は金融セクターの強化を企図し、今回の措置に踏み切ります。ただ、国営銀行3行のうち、どの銀行を資本注入の対象とするかは明らかになっていません。

この発表を受けて、国営ハルク銀行株は一時、前日比4.4%上昇し、同ワクフラル銀行株は1.3%上昇しました。

因みに、トルコリラは小幅な値動きのままです。今回の資本注入がどこまでトルコ経済の立て直しに効果を発揮するのかが不透明である事の裏返しでしょう。

2018年9月

2018年9月 中期経済計画を発表 ファンダメンタルズ改善に意欲

アルバイラク財務大臣は、2018年9月20日、中期の経済計画を発表し、その中で新規のインフラ開発を事実上凍結する事を発表しました。

財政規律を重視し、金融市場の信頼回復を優先する狙いです。ただ、企業の破綻増で膨らむ銀行の不良債権への対応には踏み込まず、マーケットは失望してトルコリラが直後に下げています。

実質成長率の目標も下方修正し、2018年が3.8%、2019年は2.3%に引き下げました。また、消費者物価指数の上昇率目標は18年末で20.8%、19年末が15.9%、20年末は9.8%としました。

エルドアン大統領が経済発展の原動力としてきたメガ(巨大)インフラ事業については「国際的な資金調達を通じて実行する」と説明したものの、今の様に市場の信頼が失墜している状況下では、海外からの資金調達など不可能です。

自分たちで招いた事なのでしょうがないですが。

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Jerome Hartwick

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