インドの経済・財政政策のまとめ

ここでは、インドの経済政策や財政政策一般についてまとめていきたいと思います。

2019年はモディ首相が二期目を決めた年ですが、今後どういった政策で臨むのかなどが注目される年です。ここではインドの成長戦略を考える上でも重要な経済・財政政策に的を絞ってフォローしてきます。

この記事はタイムライン形式で追記していきます。

過去の経緯を網羅的にご確認されたい方は↓をご参考ください。

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モディ政権(二期目)の経済政策概要

政権の顔ぶれ

二期目のモディ政権ですが、閣僚の顔ぶれは1期目から劇的に変わったわけではありません。

一期目から続く課題と選挙公約の実現への取り組みを優先するものとなり、大きなサプライズ人事もなく、ベテランと若手のバランスが取れた内閣で、マーケットからはおおむね評価を受けている印象です。

MEMO
特に、鉄道、陸運、電力、エネルギーなどインフラ関連の主要閣僚が再任されたことは、第1期の政策が踏襲される事を示唆しており、前向きに評価されているようです。

財政

投資家は政府が財政緊縮にどの程度コミットするか注目しています。

経済成長が減速しているので、公共投資を増やしたい所ですが、歳出拡大余地は限られています。

2019年度の赤字幅
2019年2月に発表された暫定予算案では対GDP比3.4%と想定されています。

成長戦略や格差是正を望まれつつ、財政出動には限界があるため、どの様に調整するかが注目されるのです。

税制改革

税制改革に対する国民の期待値も高いようです。

現行の税法は複雑で、抜け穴も多いのです。

2019年度の予算案で直接税法の簡素化、税控除の撤廃、課税ベースの拡大に関する政府案が盛り込まれる予定です。

消費活性化政策

投資家は政府による個人消費刺激策がどういったものになるか注目しています。

また、消費低迷の一因が地方経済にあるため、政府が新予算案で農家所得を増やす対策を盛り込むことも期待されています。

invstem.com

但し、その場合は財政赤字が拡大する恐れが出てくるので、それはそれで心配です

インド準備銀行は、景気対策のため消費者向け信用のリスクウエイトの引き下げや、銀行のノンバンクへの貸し出し規制緩和を発表したりしています。

生活重視の政策

この政策は上記の消費活性策と関連していますが、二期目の一つの特徴の一つでしょう。

モディ氏は

「人口膨張は新しい挑戦だ。成長の妨げになりかねない」

との認識を示しています。

インドに詳しい人たちは、モディ氏の目玉政策だった地場産業の振興策『メーク・イン・インディア』が上手くいかず、「生活改善」に軸足を移したとみているようです。

民間投資促進のために必要なこと

インドが民間投資を本格的に拡大するには、非合理な規制や許認可手続きの整理、契約の円滑な履行、輸出企業の育成、物流インフラ整備など、抜本的な改革が必要とされています。

しかし、土地と労働の制度改革は先送りが続き、国有銀行の民営化もなかなか進みません。

民間企業の活動は非常に重要です。

これが上手くいかないと、労働人口の45%が従事する生産性の低い農業部門にずっと従事したままで、経済全体の生産性も上がりません。

その他の公約

invstem.com

報道で拾えたものをリストアップしてみました。粗い点はご容赦ください。
  • 2024年までにスタートアップを5万社増やす
  • 国有企業の民営化
  • 土地の所有者を明確にして譲渡しやすくする「土地改革」
  • 雇用の柔軟性を高める「労働法制改革」
注意
上記の内下の2つは1期目のモディ政権は関連法の改正を試みましたが、上院の壁に阻まれてきました。

2021年6月

新たな経済対策を発表

インド政府は6月28日、新型コロナウイルスの感染第2波を受けた景気刺激策として、GDPの約3%に相当する総額約6.3兆インドルピー(約9.5兆円)の追加経済対策を発表しました。

インドでは新型コロナウイルスの新規感染者が4月から急拡大し、5月上旬には1日当り新規感染者数が40万人近くまで増えました。

政府は主要地域のロックダウンで対応をしましたが、それに加えて、今回の追加財政支援策を決定しました。

ロックダウンによる影響が大きいと見られる中小・零細企業や観光業、農業等への支援が中心です。

主な内容

  1. 感染第1波(2020年9月下旬にかけての感染拡大)を受けて導入された零細企業向け緊急保証枠を1.5兆インドルピー増額し、4.5兆インドルピー(約8兆円)に拡大
  2. 公衆衛生インフラ整備を目的に、5,000億インドルピーの信用保証制度を創設
  3. 農業支援策として1,478億インドルピー、また、 貧困層向けの食料配給を、期間を11月まで延長した上で9,387億インドルピーを追加支出
  4. 観光業支援のため、50万人分の外国人観光客のビザ手数料を免除

患者数の急増による医療現場の混乱等から遅れ気味となっていたワクチン接種も徐々に進んでおり、経済が回復基調に行く事が期待されます。

2021年5月

中銀、医療産業に7400億円供給

インド準備銀行は5月5日、医療産業向けに5000億ルピー(約7400億円)の緊急資金供給を行うと発表しました。

インドは新型コロナウイルスの感染急増により、病床や医療用酸素の不足などに直面しています。

資金支援によって医療体制の崩壊に歯止めをかけたい考えです。

また、これと共に、個人や中小企業の融資返済を猶予するよう銀行に要請しました。

2021年3月

半導体企業に補助金

インド政府が、国内で製造部門を立ち上げる半導体企業に対して10億ドル超の現金提供を申し出ていることが分かりました。

モディ首相の国内製造業育成策「メーク・イン・インディア」の後押しを受け、インドは中国に次ぐモバイル機器製造大国となっています。

政府は半導体企業がインド内に製造部門を設ける時期に来ていると考えているようです。

労働法制と国営企業の改革に着手

モディ政権がついに経済構造改革の本丸に挑み始めました。

新労働法を4月にも施行し、企業が事業拡大に動きやすくします。

税金や人材を無駄遣いしてきた国営企業の整理も着手します。

市場経済への転換を進めますが、農政改革で噴出したように既得権益層の反発は強く、改革の先行きはまだ不透明です。

これまでの労働法制では社員数が10人、20人、50人と増えるごとに規制項目が増えるため、企業が意図的に成長を避ける傾向がありました。

こうした規制項目が減れば担当の検査官が減り、賄賂目当ての嫌がらせも減ります。経営者は怖がらずに事業を拡大できるようになると期待されています。

一部の業種・職種に限定してきた「有期雇用」も全面解禁します。

いったん増員すると、その後に雇用調整ができないという経営上のリスクを減らせるようにすることが目的です。

もちろん構造改革には痛みを被る既得権益層が存在します。

昨年秋から発生していた農業改革法撤廃を要求する農民の抗議運動はその象徴です。

農業改革法は、州政府が直接・間接に独占してきた農産品の卸売市場を原則自由化する内容だったため、これまで補助金で大きな恩恵を受けてきたコメや麦などを作る農家が猛然と反発したのです。

似たような事がまた起きる可能性があります。

コロナ感染者増加で行動制限を導入

1日あたりの新型コロナウイルスの感染者数が約5カ月ぶりの高水準まで増加したことを受け、3月23日に政府が行動制限の継続を発表しました。

3月下旬から各種大規模な祭りが続く中で、急速な感染再拡大が経済活動を抑制する懸念が強まりかねず、市場センチメントに水を差す可能性があります。

国営銀行の労組がストライキ

インドの国営銀行の9つの労働組合は15~16日、政府の民営化方針に反発し、全土でストライキを実施しました。

労組側によると、初日には約100万人が参加したという事です。

同国では農産物取引の自由化などを巡り政府と農家の対立も長期化しており、モディ政権の改革に対する反発が広がっています。

2021年2月

国営企業は最小限に

シタラマン財務相は2月18日、350社前後ある国営企業を「ギリギリ最小限まで減らす」と述べました。

社会主義の遺産の解消を目指すモディ政権の決意を改めて示しました。

昨秋から続く農民デモについては対話で必ず出口を見いだすと強調しています。

30品目の関税引き上げ

インドは地場製造業の振興に向け、2月初旬に約30品目の関税を引き上げました。

中国からの輸入が多い太陽光発電や携帯電話などに関連する部品を対象としています。

2020年11月に東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)への参加を見送ったインドは、貿易保護主義をさらに強めています。

不良債権の受け皿構想を発表

政府は2月1日、市中銀行の不良債権の受け皿となるバッドバンク設立計画を明らかにしました。

インドでは不良債権が今年、過去最高水準となる見込みで金融システムの安定を脅かしているため、この問題への対処が望まれていました。

予算案を発表

2月1日発表された2021年度(21年4月~22年3月)の当初予算案は、歳出総額が前年度比14.5%増の約34兆8千億㍓になりました。

インド政府は20年度通年の成長率をマイナス7.7%と過去最悪を見込んでおり、インフラ投資で景気の底上げを狙います。

21年度予算案により国債発行が増加するとの観測から、インド国債市場では1月末から10年国債利回りが急上昇しています。

また、政府は21年度の財政赤字目標をGDP比6.8%に設定しました。

因みに、20年度の実績は3.5%の目標より大幅に悪化し、9.5%となりそうです。

インドの経済ファンダメンタルズは脆弱ですから、こうした「大盤振る舞い」は将来的に財政が制約要因となる可能性もあって注視する必要がありそうです。

トピックとしては上記のインフラ投資のほかに、ヘルスケア費用が10.5%増えている事もあるでしょう。

インドのコロナ累計感染者数は米国に次いで世界で2番目に多いことから、コロナ対応が経済対策ともいえるかもしれません。

2021年1月

農民デモ止まらず

農家のデモが激しさを増しています。

これは、農産物取引の自由化に関する農業の新法への抗議のためのデモです。

農家の一団は1月26日、首都ニューデリーで大規模な抗議活動を展開しました。

長引くデモの行方は混沌としている。

同日はインドで憲法を発布した共和国記念日でした。

政府による軍事パレードの式典が落ち着いた後、農家は正午からトラクターで行進するデモを容認されていましたが、農家は午前9時ごろ、デリー等でバリケードを破壊し、予定を前倒しする形でデモを開始したのです。

50品目超の関税を引き上げ

インド政府は、スマホや電子部品、家電など50品目以上の輸入品を対象に、関税を5ー10%引き上げることを検討しているようです。

関税引き上げは、国内製造業を支援し、自立したインド経済の確立をめざすモディ政権の構想の一環です。

新型コロナウイルスの影響で国内経済が低迷する中、関税引き上げで27億ー28億ドルの税収増が見込めるという事です。

内向きになっているような気がして、少し懸念されます。

最高裁が農業新法を停止

インドの最高裁判所は1月12日、農産物取引を自由化する農業の新法を一時停止する措置を講じました。

新法に反対するインド農家の大規模なデモが収束しないことがその要因ですが、これは異例の動きです。

インドの農家と政府の新法をめぐる協議の先行きは混沌としています。

2020年12月

農業新法、なお農家は不安

インドで農産物取引を自由化する農業の新法を巡る大規模なデモが発生してから12月26日で1カ月を迎えました。

農家側は引き続き収入減少などに不安を募らしているようです。

デモは1日数万人規模に膨らんでいて、抗議が収束しなければモディ氏の政権運営に打撃を与える可能性があります。

モディ氏は12月に農家向け演説を2回行っていますが、不安を解消できるかどうかは不透明です。

9月に施行された農業の取引や契約を巡る新法は、大都市のスーパーなど様々な場所で自由な取引を可能にしました。

従来、農産物の販路は地域の卸売市場に限定されていました。

農家は民間業者に買いたたかれることに加え、政府の米や小麦を対象にした最低価格保証の撤廃などに不安を示しています。

農家側の代表と政府の話し合いも上手くいっておらず、政府と農家の亀裂は深まっています。

タタがエア・インディア買収の意向

タタ・グループが国営エア・インディアの買収に向けた「関心表明書」を提出したようです。

12月14日の報道です。

インド政府はエア・インディアを民営化するため、同社株を入札で売却する計画ですが、なかなか買い手がつかない状況が続いていました。

今回、タタを含む3社が表明書を提出したという事です。

すでに傘下に航空会社を2社抱えるタタが落札すれば、同社の航空事業は一気に拡大します。

新農業法案に広がる反発

農業改革の新法をめぐり農民の反発が広がっているようです。

農産物取引の自由化で収益が減る恐れがあるとし、大規模なデモが続いています。

インドは就業人口の半数が農業に従事しており、農家から支持を得る事は政治上きわめて重要です。

今回のデモはモディ政権が進めてきた経済改革にとって大きな試練となっています。

2020年11月

再生可能エネルギー産業

モディ首相は11月26日、国内の再生可能エネルギー産業に年間200億ドルの投資が必要になるとの見通しを示しました。

首相は

「インドのエネルギー需要は拡大が続いている。今後10年間で非常に大規模な再生エネルギーの導入が計画されている」

と述べました。

首相によれば、ソーラー発電、風力発電、バイオ発電、水力発電を含む同国のグリーンエネルギーの発電容量は、現在136ギガワットで、2022年までに220ギガワットに拡大する見通しという事です。

同国のグリーンエネルギー産業には過去6年間で640億ドルの投資が行われています。

新規雇用に補助金

インド政府は11月12日、新規雇用を創出するための経済対策を発表しました。

政府が補助金によって新規雇用の賃金を最大約2割負担することで、企業が人材を採用しやすい環境を整えます。

インドは新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞しており景気の下支えを狙います。

新規雇用は月額1万5千ルピー(約2万1千円)以下の賃金を対象とします。

従業員が50人以下の企業は最低2人、50人以上の企業は最低5人の新たな人材を採用すると、政府は補助金を2年間支給します。

この制度は2021年6月まで続ける予定です。

2020年10月

新たな経済政策を発表

2020年10月12日、インド政府は新型コロナウイルス流行で打撃を受けた経済を支援するための消費者需要刺激策を発表しました。

フェスティバルシーズン中に連邦政府職員の一部賃金を前倒し支給するほか、資本支出拡大も盛り込みました。

ニルマラ・シタラマン財務相はブリーフィングで、

  1. 道路・港湾・防衛プロジェクトに追加で2500億ルピー(34億1000万ドル)支出
  2. 2021年3月31日よりも前にインフラ向けに支出するための期間50年無利子融資1200億ルピーを州政府に提供

すると述べました。

3月に厳しいロックダウンを導入したモディ政権は、支出が増えるフェスティバルシーズン(10月から3月まで)を控え、経済活動の全面的な再開を目指しています。

国鉄路線を一部民営化

インド政府が国鉄の一部路線の運営を民営化する計画を打ち出しました。

第1段階として関心のある企業を7日まで募った後、入札を実施する予定です。

2023年から民営列車の運行を始める構想で、フランスのアルストムなど外資を含む約20社が関心を示しているという事です。

3000億ルピー(約4200億円)規模の民間投資をテコに、巨額赤字を抱える旅客部門の採算改善を目指します。

民営化は政府と企業が協力する官民パートナーシップ(PPP)方式を活用します。

車両の運行業務と、線路などの設備管理を分けるシステムを導入します。

実際の運転はインドの国鉄の社員が担当し、企業は運用や車両の提供、メンテナンスを手掛ける事になります。

運賃も自由に決められ、企業は総収入の一定割合を国鉄に分配する仕組みです。

国鉄・インド鉄道は乗客が多い首都ニューデリー、商都ムンバイ、南部ベンガルールなどを走る109路線を対象に、151の列車を民間に開放する予定です。

2020年9月

中国排除の動きが加速も、懸念

インドが国境での対立を背景に中国企業を排除する姿勢を強めています。

製造業からゲームなどのアプリまで幅広く締め出し、国産に切り替える方針です。

ただ、インドの市場からは早くも技術不足や価格の上昇を懸念する声が挙がっています。

インドは研究開発力や人手も足りないため、中国産に太刀打ちしようがないというのです。

メディアによると家庭の日用品で中国産のシェアが5割を超えるのは食器、靴、家具、玩具、ゲーム、布地と多岐にわたっています。

インド政府はファーウェイなど中国企業の通信機器だけでなく、生活に欠かせない製品も締め出す構えで、低価格志向が強いインド消費者の行動が変わるか注目されます。

労働関連法案を可決

2020年9月23日、インドの上院議会は、労働関連法案を可決しました。

雇用における企業の自由裁量を拡大する内容や、ストライキの実施条件を従来より厳格化する内容などが含まれています。

これによって外国企業の対インド直接投資が後押しされると考えられ、インド経済にとってはプラスとなるでしょう。

新農業法案を可決

インド議会は9月20日、農家が農産品を民間業者向けに直接販売をしやすくするための新農業法案を可決しました。

農家が農産品をスーパーマーケットやオンライン食品販売会社等を含む流通会社、大手小売チェーンと直接取引を行うことを可能にする狙いがあります。

法案は、野党だけではなく、連立与党内からも激しい抗議が続く中で可決されました。

反対派の意見は以下の通りです。

  1. 農家が大手企業による収奪にこれまで以上にさらされると主張
  2. 法案の可決で、農家の売買交渉における立場は弱まり、大型小売チェーンや他の民間会社による農家支配が強まる可能性
  3. 法案可決によって現行の農家に対する政府の最低支援価格(MSP)が撤廃される可能性があり、そうなれば、零細農家は民間企業の言い値での取引を余儀なくされる恐れがある

これに対して、モディ政権は、農家が、政府による農家保護政策の支援を引き続き受けながら、可決された新法案に盛り込まれた農業改革のメリットも享受できると強調しています。

 

仮想通貨のトレーディングを禁止する法案を検討

インドは仮想通貨のトレーディングを禁止する新法を導入する計画中です。

こうした対応はアジア諸国の中で、一線を画したものです。

近く議会に提出される見込みで、連邦政府は仮想通貨の基盤となるテクノロジーであるブロックチェーンは奨励するものの、仮想通貨トレーディングは勧めない、という事です。

2020年8月

二輪車の物品・サービス税GST率を引き下げ

インド政府が二輪車の物品 ・ サービス税GST率を引き下げる考えを示唆しました。

現行制度では 、中間層の必需品の二輪車に対して 、高級品として最高税率が適用されていたため 、税制改定は中間層の消費拡大の期待に繋がります。

この発表を受けて株価も上昇しています。

2020年7月

海外大学の参入を承認

2020年7月29日、インド政府が国内に海外大学のキャンパス開設を認める計画を承認しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響に苦慮する中、教育施策の刷新で打開につなげる狙いがあります。

インド政府は国内のキャンパス開設に世界トップクラスの大学が参入することを許可するとコメントしました。

モディ首相率いる与党や左派の政治家は、これまで教育分野を海外機関に開放することには反対してきました。
しかし毎年75万人以上のインド人学生が留学し海外で多額の支出をしている現状から、開放を認める動きが政府内で広がったものです。

自律経済圏構想に力を入れる

モディ首相は新型コロナウイルスの感染拡大以降、国内に自立した経済圏をつくる構想を強調し始めています。

コロナの影響でサプライチェーンが崩壊したほか、中国との軍事衝突を機に中国企業を排除する動きが背景にあります。

インドにとって中国は最大の輸入国であるため、対中依存度をいかに減らせるかが焦点です。

自律経済圏構想は元々5月に地場の製造業や農業の振興とともに国内供給網を整えるという政策として初めて浮上しました。

インドは経済活動が崩壊して感染拡大も止まらず、いかにそれぞれの地域で強い経済基盤をつくらなければならないかという問題に直面したのです。

「国内の生産・消費活動と世界の供給網との融合を目指す」。

モディ氏は7月9日の演説で自立経済圏をこう説明しています。

国内の産業を底上げしながら輸出などにも力を入れるというのが基本概念です。

今後具体体なアイデアが出てくるものと思われます。

エア・インディアの買い手募集期限、三度目の延期

国営航空エア・インディアの民営化にまた不透明感が強まっているようです。

政府は同社の売却について、6月末としていた買い手企業の募集期限を8月末に延期しました。

新型コロナウイルスのまん延で航空業界は混乱しており、買い手を期限までに募るのは難しいと判断したようです。

これで募集期限の延期は3度目です。

インド政府は1月に同社の全株を民間に売却すると発表して、当初は3月中旬までに投資家から「関心表明書」を募る予定でした。

ところが、新型コロナの感染が拡大するなか、この提出期限を4月末、6月末とこれまで2度先延ばししてきました。

このまま行くと、8月の期限も怪しいと思われてしまいます。

2020年6月

都市封鎖を7月末まで延長

インド政府は6月29日、新型コロナウイルスに絡んだ都市封鎖の期限を7月末まで延長すると発表しました。

インドは3月25日から封鎖を始め、期日を延長するのは5度目となります。

封鎖は感染者が多い地域を対象としています。

自動車の輸出奨励制度を検討

 インド政府は今後5年間で自動車・自動車部品の輸出を倍増させるため、自動車業界向けの奨励制度を検討しているようです。

草案は、輸出向けの生産・調達を増やすため5年間にわたって企業にインセンティブを付与する、というもののようです。

インセンティブは、自動車・自動車部品の販売額で決まり、一定の売上高・利益があり、少なくとも10カ国に輸出している企業に付与されるという事です。

具体的にどのような形のインセンティブになるかは未定です。

ロックダウンを徐々に解除

2020年6月8日、インド政府は都市封鎖の段階的な解除を始めました。

まず飲食店やショッピングモールなどを再開し、落ち込んだ個人消費の回復につなげる狙いです。

ただ、インドでは都市封鎖したにもかかわらず感染拡大に歯止めがかかっておらず、解除によって感染ペースがさらに勢いづく恐れもあり、要注意です。

解除は3段階で進める予定です。

第1段階では宗教施設も認めています。

第2段階で学校の再開を認める予定です。

第3段階で飛行機の国際線や映画館といった利用者が密集するサービスを認める予定ですが、感染状況を見ながら再開時期を判断する事になりそうです。

2020年5月

経済再開に舵を切る

2020年5月30日、政府は6月1日以降に大半の経済活動を段階的に容認する方針を示しました。

新型コロナウイルス感染者の多い地域は除くものの、第1段階として6月8日からホテルやショッピングモールなどが営業開始可能となります。

感染者の少ない地域では実質的な封鎖解除に踏み切ります。

感染者が多い地域では従来の厳しい措置が6月30日まで続く予定です。

3度目のロックダウン延長で経済回復の途は長い

インドがロックダウンの3度目の延長を余儀なくされ、経済回復への道筋は引き続き厳しそうです。

人口密度の高いスラムや出稼ぎ労働者の帰郷、宗教関連の集会などで拡大が止まらず、感染者数は中国を超えアジア最大になってしまいました。

政府は20兆ルピー(28兆円)規模の経済対策を打ち出したものの、封鎖が長引く中で経済の下支えにどれだけ効果があるかは不透明になっています。

28兆円規模の経済政策を数日にわたって発表

2020年5月13日、インド政府は20兆ルピー規模(約28兆円)の経済対策の具体策を示しました。数日にわたって内容を公開していくようです。

地場製造業や農業の振興を柱として、インド国内で競争力の高い商品を造るためにサプライチェーンを整備するという方針です。

初日は中小企業や建設業、ノンバンクの資金繰り対策を打ち出しました。

モディ首相の12日の演説によれば、国内に新しい供給網や市場を構築し、財源はインフラやITを活用した最新のシステムに投じ、土地や雇用、税制を巡る硬直的な法体系も見直すとしています。

具体的には、
  1. 中小企業やノンバンクへの資金支援
  2. 出稼ぎ労働者への食料配給
  3. 露天商への融資
  4. 灌漑など農業インフラの整備
  5. 政府がほぼ独占してきた石炭産業の民間開放
  6. 防衛産業の外資規制の緩和

などです。

その後、

  • 5月14日は3.1兆ルピーの農家向け支援、出稼ぎ労働者向けの食糧支給。
  • 5月15日は農業インフラ支援、漁業者支援。
  • 5月16日は石炭、鉱物、防衛などインフラ8分野の構造改革。
  • 5月17日は農村雇用の支援。
インドの生産性は中国やタイの4分の1から5分の1と低いとの指摘もあり、このままでは大規模な経済対策を打ち出しても、外資を誘致できる保証はありません。

モディ氏の青写真通りに経済を底上げできるかどうか注視していく必要がありそうです。

追加のコロナウイルス対応の経済対策を実施

2020年5月12日、モディ首相は13日に新しい経済対策を打ちだすと表明しました。

新型コロナウイルスへの感染防止策として都市封鎖を続けるなか、低迷する製造業、農業、雇用などの押し上げをめざします。

経済対策の規模は20兆ルピー(約28兆円)程度を見込んでいます。

これはインドのGDPの10%に相当します。

インドはロックダウンの影響を和らげるべく、3月末に貧困層を中心に1兆7千億ルピー(約2兆5千億円)の景気対策を発表しましたが、対策が不十分であったり迅速でないとの不満がくすぶっていました。

ロックダウンを更に2週間延長

2020年5月1日、インド政府は3日までとしていた全土の都市封鎖をさらに2週間延長すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染者の増加に歯止めがかかっていない為です。

これで都市封鎖は5月17日までの延べ54日間となります。

感染拡大を防止するためにしょうがないのですが、経済への打撃は深刻さを増しそうです。

2020年4月

全土封鎖から一部経済活動を再開

2020年4月15日、インド政府は20日から農業やインターネット通販など一部の経済活動の再開を容認すると発表しました。

感染が確認されていない農村地域では製造業の操業も認めるようです。

全土封鎖は5月3日まで延長しながら、経済正常化も探り始めました。

今回の決定により、インドの就労人口の5割強が従事する農業や漁業は再開できるようになります。

製造業に関しては特定の地域で医薬品や食品、情報技術(IT)機器などの生産活動が再開されることになるようです。

2020年3月

インド中銀、元利支払い猶予と量的緩和

2020年3月27日、インド準備銀行は銀行、ノンバンクによる融資のすべての元利支払いを3カ月間猶予し、同時に3.7兆ルピー(約5.4兆円)に上る資金を市場に注入する量的緩和策も打ち出しました。

新型コロナウイルス対策で政府が25日から21日間の全土封鎖に踏み切ったため、企業や個人の倒産・破産を防ぐ狙いがあります。

こうした融資返済猶予(モラトリアム)はインド以外にも広がるかもしれません。

銀行に着実にモラトリアムを実行してもらうため、すべての猶予行為を自己資本規制や不良債権管理規制などで問題資産扱いしないことも宣言しました。

さらに社債、コマーシャルペーパーなどの民間負債証券を中銀が発行市場、流通市場の両方から買い入れるほか、銀行の支払準備率を緩めるなどして、合計3.7兆ルピーの資金を供給します。

インドの2019年度のGDP(推計)は209兆ルピーと言われており、今回の資金供給規模はその約1.8%にあたる大規模なものです。

2.5兆円の経済対策、コロナウイルスで

2020年3月26日、インドのシタラマン財務相は新型コロナウイルス対策として貧困層を中心に1兆7000億ルピー(約2.5兆円)の経済対策を実施すると発表しました。

インドは25日から3週間の全土封鎖を始めており、約8億人を対象に5キログラムのコメか小麦を無料で支給します。

このほか、農家や高齢者、身体障害者への現金給付、医師や看護師など医療関係者への医療保険提供などが行われます。

インドでは全土のロックダウンで食料や医薬品などの供給体制に不安が出ています。

シタラマン氏はこうした状況を受けて、一般の人たちが食料や資金を得られることが重要だと強調し、農家には4月末までに1人あたり2000ルピーを支給し、日雇い労働者にも賃金保障額を手厚くする考えを表明しています。

インドの人口を考えれば、まだ感染拡大の初期段階といえる段階で全⼟封鎖という強硬策に出たことや財政、⾦融政策を続けて打ってきたことは評価されて良いと思われます。

エア・インディアのスポンサー募集期限を4月まで延長

インド政府は、国営航空エア・インディアの売却について、17日までとしていたスポンサー企業の募集期限を4月末まで延期しました。

2018年に頓挫した同社の民営化は、再び暗礁に乗り上げる可能性があります。

インド政府は1月にエア・インディアの全株式を売却すると発表しました。

今月17日までにスポンサー企業から「関心表明書」を募る計画でしたが、コロナウイルス懸念で業績悪化の見通しがより濃くなる中で、スポンサーを期限内に探すのは困難と判断したのだと思われます。

新型コロナの世界的な流行で有力な買い手とみられた国内外の航空会社も苦境に陥っているのです。

イエス銀行の支援策を最終決定

2020年3月16日、インド準備銀行はイエス銀行の再建案が最終決定したと発表しました。

国営銀行と民間銀行が合計1035億ルピー(約1450億円)を出資し、3月5日から続いていたイエス銀の預金引き出し制限を18日に解除します。

同国最大の商業銀行、国営インドステイト銀行が725億ルピー、民間大手のICICI銀と住宅金融大手HDFCがそれぞれ100億ルピーを、ほかの民間銀2行が計110億ルピーを出資する予定です。

中銀、イエス銀行への出資比率引き上げを検討

イエス銀行の支援を巡り、国営銀行が同銀への出資額引き上げの検討を始めたようです。

当初想定の4倍となる1000億ルピー(約1400億円)規模に上る可能性があるとの事です。

金融不安への警戒感が強まるなか、政府・中央銀行は国営銀が49%出資する救済案で、不安の払拭を急ぎます。

もともとイエス銀は自ら3月14日までに資金を集める計画でしたが、これが不調に終わる恐れがあるのかもしれません。

自力での資金調達が不調に終われば、金融不安が一段と高まりかねないとの懸念が浮上し、中銀が先手を打ったとの見方があります。

イエス銀行の救済案を発表

2020年3月6日、インド準備銀行は資金繰りが悪化し経営難に直面する民間大手イエス銀行の再建案を発表しました。

国営インドステイト銀行が49%を出資し、イエス銀に2人の取締役を送り込みます。

中銀は9日までイエス銀の株主や預金者らの意見を募り、再建策を最終決定する見通しのようです。

インドステイト銀の出資額は約245億ルピー(約350億円)に上り、出資から3年間はイエス銀への出資比率を26%より下げないことも盛り込みました。

インド中銀、大手銀行の預金引き出す制限

2020年3月5日、インド政府はインド準備銀行(中央銀行)の申請を受けて、民間大手イエス銀行の預金引き出し額を制限しました。

4月3日まで5万ルピー(約7万円)に制限されます。

イエス銀行は不良債権が増加して財務体質が悪化しており、資金繰り改善に向けて資金調達を目指したものの実現していませんでした。

今回の措置でイエス銀は新規の貸し出しや投資などの活動も禁止されます。

政府・中銀は、イエス銀が倒産すれば金融システム全体に不安が広がる可能性があると判断し、救済を急ぐことにしたと思われます。

2020年2月以前

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Mae Wooton

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