このブログは、
- 相場に左右されずに
- 気長に忍耐強く
新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。
特に、
- これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
- 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方
を想定しています。
筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして6年くらいです。
ずっと投資し続けています。
このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2019年11月に起きた出来事をひとまとめにしている記事です。
各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。
この記事の日付は、その出来事が起こった日(現地時間)を原則としてします。
11月30日
保守党と労働党との差が6ポイントに縮小
2019年11月30日に公表された世論調査で、保守党の労働党に対するリードが66ポイントとなり、前週の13ポイントから大きく縮小しました。
保守党の支持率は39%と前回調査の41%から低下した一方で、労働党の支持率は5ポイント上昇し、33%に達しました。
労働党に勢いが出てきているようで、保守党が過半数を獲得できずに終わる可能性も出てきています。
尚、自由民主党の支持率は5ポイント低下の13%、ブレグジット党は1ポイント上げて4%、緑の党は5%で変わりませんでした。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯中国、香港問題の報復は難しい??
香港問題について、中国はあらためて報復措置を警告していますが、具体策を提示するのはなかなか難しいようです。
中国が具体策を打ち出せないでいるのは、自国経済に跳ね返ることなく対米制裁を行うのが難しいためです。
米中貿易交渉で香港問題が話し合われることは確実と考えられますが、中国がアメリカ側に立場の明確化を要求したり、香港人権法の活用を控えるという言質を求めるといった事も考えられるという事です。
中国が取りうる策
PMIは7か月ぶりに50を上回る
2019年11月30日に発表された2019年11月の製造業PMIは前月比0.9ポイント高い50.2で、拡大・縮小の節目となる50を7カ月ぶりに上回りました。
50を上回った背景
クリスマス商戦などの受注が好調だったという事です。ただ、今後もこの勢いが持続するかは分かりません。
11月29日 インドの経済成長率は6年ぶりの低水準
インドの7-9月のGDPは6年ぶりの低水準
インドの7-9月の経済成長率は約6年ぶりの低水準となりました。
ただ、モディ政権に残された選択肢は少なく先行きが懸念されます。
2019年11月29日に発表された7-9月GDPは前年同期比4.5%増でした。
不振の背景
農村発の消費不振で減速していると考えられます。
人口の過半を占める農業従事者の収入が異常気象で減り、ほかの産業にも悪影響が波及しているのです。
インドでは農地を2ヘクタール未満しか持たない零細農家が全体の85%にのぼると言われています。
一般的に農家の収入は会社員などの約3割とされていて、その所得格差が問題となっています。
モディ首相は5月の総選挙で再選した後、農家の大規模化や技術向上で所得の底上げを図るとしてきたものの、異常気象の直撃で計画は頓挫し構造改革が進んでいない状況です。
農家の景況感が上昇する事がインド経済浮揚のきっかけには必要でしょう。
【最新】インドの統計、データに関するまとめアメリカ、70年ぶりに石油純輸出国に
2019年11月29日、アメリカエネルギー情報局が発表した統計によると、9月の原油・石油関連製品で輸出量が輸入量を1日当たり8万9千バレル上回り、輸出が輸入を70年ぶりに上回りました。
アメリカが石油の「純輸出国」となることで中東やロシアなどへのエネルギー依存度が減り、地政学的なバランスが大きく変わる可能性があります。
アメリカは今まで輸入超過国で、2005年後半には1日当たり1330万バレル輸入が輸出を上回っていました。
アメリカ国内で新型原油シェールオイルの生産が増えるにつれ輸出入の差が縮まっていて、ついに逆転となったわけです。
非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ201911月28日 メキシコ、インドネシアは引き続き緩和策
メキシコ、追加利下げの可能性を示唆
2019年11月28日、メキシコ中央銀行が11月14日の政策決定会合の議事要旨を公開し、そこで経済活動が予想よりも弱く、インフレも想定より高くない為、追加利下げの可能性が示されていたことが分かりました。
中銀は11月の会合で政策金利MXCBIR=ECIを7.5%に引き下げています。
議事要旨によると、インフレ率が中銀目標の3.0%に低下しているほか、経済活動が停滞し、マイナスの需給ギャップが引き続き拡大されると指摘され、世界中の中銀が金融政策を緩和していて、更なる金融緩和も正当化される旨のコメントがあったようです。
【最新】メキシコの金融政策についてのまとめと経緯インドネシア、2020年も緩和策を継続と明言
2019年11月28日、インドネシア中銀のペリー総裁は2020年も景気の下支えに向け金融緩和を維持していくと明言しました。
中銀は今年7月以降、4回の利下げで金利を1%引き下げたほか、銀行の預金準備率も来年1月から0.5%引き下げる方針を示しています。
総裁は年次の夕食会で
「今年はあらゆる政策手段を組み合わせて成長の下支えを行ってきたが、来年も同じだ。」
と表明しました。
追加利下げの可能性を示唆したほか、来年は中小企業や観光業、輸出産業を対象とした支援策も打ち出す意向を示しました。
インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~11月27日 トランプ大統領、香港人権法案に署名
トランプ大統領、香港人権法案に署名
2019年11月27日、トランプ大統領は香港の反政府デモを支援する「香港人権・民主主義法案」に署名しました。
内容
香港の「一国二制度」が守られ、アメリカが香港に通商上の優遇措置を与えるのが妥当かどうか、少なくとも1年に1回検証することを国務省に義務付ける内容です。
香港で起きた人権侵害の責任者には制裁が科せられます。
トランプ氏は声明で
「習近平中国国家主席と香港の市民に対する尊敬から、これらの法案に署名した。中国と香港の指導者と代表者が対立を友好的に解消し、長期的な平和と繁栄をもたらすことを願う」
としています。
来年の大統領選に向けて中国との通商合意を最優先とするトランプ氏は、これまで法案に署名するか拒否権を発動するか明確にしていませんでした。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月中旬に入ってから人民元はやや軟調
2019年11月下旬の人民元相場はやや弱含んでいます。
【2019年10月28日~11月27日のUSD-CNYの推移(出所:TradingView)】
米中協議に対する先行き不透明感が高まったことや、米議会が「香港人権・民主主義法案」を可決し、米中関係の悪化が懸念されたことが背景です。
ただ、人民元安が進むとの見通しが大勢を占めてい2019年8月から考えると、一時1ドル=7.2元の手前まで下落した人民元は7.0元近辺をウロウロとしていて、底堅い展開となっているとも言えます。
中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~11月26日 ブラジルレアルが対ドルで最安値
ブラジルレアルが対ドルで最安値
2019年11月26日、レアルが前日比0.15%安の1ドル=4.23レアルと、過去最安値で取引を終えました。
年初来からの下落率は8%を超えています。
レアルが売られる理由
政策金利が過去最低にとどまる中、レアルを売る動きが続いているようです。
ブラジル中央銀行は同日、ドル売りレアル買いの為替介入を実施していますが、効果はそこまで出ていないようです。
少しずつレアル買いをするタイミングかもしれません。
【最新】ブラジルレアルの動きのまとめアメリカ、中国製の通信機器排除を目的とした規制を発表
2019年11月26日、アメリカ商務省はアメリカの通信網に危険を及ぼす可能性がある製品の調達を禁じる規制案を発表しました。
具体的内容
リスクが大きいと判断すれば米企業に取引を止めるよう求めることが出来るものです。
トランプ大統領が5月に大統領令に署名し、商務省に規制づくりに着手するよう指示しており、当然中国製品が念頭にあります。
貿易問題で部分合意を探るなか、アメリカはけん制する事も忘れません。
産業界などから30日間意見を募り、規制の詳細を詰めて施行する予定です。
規制案は商務長官が他省庁と協力し、通信網にリスクを及ぼしたり、安全保障を脅かすような取引を個別に特定していくスタイルです。
米企業にまず取引をやめるよう通達し、従わない場合は罰金を科す形になりそうです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月メキシコが新しい経済政策を発表
2019年11月26日、メキシコ政府は総額8590億ペソ(約4兆8千億円)に上る民活型のインフラ投資計画を発表しました。
民間企業が資金を投じて、道路や港湾といった交通インフラを中心に整備を進める、というものです。
ロペスオブラドール氏のまずい経済政策もあり、ずっと経済成長率は前期比でマイナスとなっており、これで挽回したい考えです。
具体的な内容
- 計画は2020~24年の5年間
- 合計147のプロジェクトが掲げられる
- 道路、港湾や空港などの交通インフラが7割以上
- 2020年に全体の半数近い案件が集中
- 沢山のインフラ工事をして景気浮揚に役立てたい考え
ロペスオブラドール大統領は
「インフラ計画によって経済に大きな刺激を与えたい」
とコメントしています。
メキシコの政策の遂行状況のまとめ11月下旬にSENSEXが過去最高値を更新
2019年11月時点のインド株式市場は、堅めの動きをしています。
米中貿易協議の進展期待などから投資家のリスク選好が強まり、インド株式市場にも買いが入っているのだと思われます。
2019年11月26日、中国は米中が貿易協議「第1段階」の合意に関して電話会談を行ったと発表しましたが、市場はこれを好感して、SENSEX指数も同日場中に初めて41,000ポイント台を付けて、過去最高値を更新しています。
この意味では引き続き割高感があるのでは、との指摘もあります。
ただ、中長期的な観点で見ればまだまだ上昇余地がある事に変わりはありません。
タイミングを見計らって時間分散をきかせながら投資していくのが良いでしょう。
【最新】インド株式の動きとまとめ米中、電話協議で進展あり?
2019年11月26日、米中の大臣級が貿易問題を巡って電話で協議しました。
米中閣僚が電話で協議するのは10日ぶりです。
前回の協議後に新華社が公表した声明は
「建設的な協議をした」
だけで具体的な進展に触れなませんでしたが、回の声明では
「共通認識に至った」
という表現になっていて前よりも進展したと受け取る事も出来ます。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月25日 ビットコインが7000ドル割れ
共産党系メディア、「第一段階の合意近い」
2019年11月25日、中国共産党機関紙・人民日報系メディアで米中通商交渉について「第1段階」の合意が非常に近いとの報道がありました。
中国は「第2段階」「第3段階」の合意に向けた協議継続にも引き続きコミットしているという事です。
共産党系のメディアからこうした報道があるという事は何らかの進展あっての事、という事でしょうか。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月NAFTA、アメリカの年内の批准は難しい??
2019年11月25日、アメリカの企業幹部や議会関係者は議会が今年中にUSMCAを承認する可能性が低くなりつつあるとの見方を示しました。
メキシコのセアデ外務次官は、今年中にアメリカ議会が承認することに「悲観的」との認識を示しています。
セアド氏によると、アメリカが労働問題に関するパネルの設置を求めていることがポイントの1つとなっているようです。
また、実効性の保証も対立している要因の一つで、アメリカはメキシコの自由度を奪うようなメカニズムを要求しているとし「そうしたものは受け入れられないと伝えた」と述べています。
NAFTA再交渉の経緯 まとめビットコイン、7000ドル割れ
2019年11月25日、ビットコインは10%近く下落し、6カ月ぶり安値を付けました。
中国による仮想通貨業務の取り締まりを巡る懸念が広がった為です。
ビットコインは前週末終値から一時9.8%値下がりし、6700ドル程度まで下落し、心理的節目の7000ドルを割り込みました。
暗号通貨(仮想通貨)、デジタル通貨の動向のまとめ11月24日 イギリス保守党がマニフェスト公表
中国知的財産権侵害への罰則強化
2019年11月24日、中国が知的財産権の侵害に対する罰則を強化すると発表しました。
もちろんアメリカを意識しての措置でしょう。
2019年11月24日に中国政府が発表した指針によれば、知的財産権侵害で刑罰を科すボーダーラインの引き下げも検討します。
中国は2022年までに知的財産権の侵害を減らすことを目指すとして、侵害を受けた被害者が賠償を得やすい環境にする計画です。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月保守党、マニフェストを公表
2019年11月24日、保守党はマニフェストを公表し、離脱協定案の関連法案審議を12月中に再開し、2020年1月末までに議会の承認を経て離脱を実現させると宣言しました。
離脱後の緩和措置として現在のイギリス・EUの経済関係が続く「移行期間」についても、2020年末以降に「延長しない」と明記しました。
仮に2020年1月末にEUと合意して離脱できても、2020年末までの移行期間中にEUとの間で新たな自由貿易協定がまとまらないと、突然関税などが発生する「合意なき離脱」に至ってしまう恐れがあります。
これを避けるため、今の離脱案では移行期間を22年末まで延長できることになっているのです。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯11月23日 世界の成長エンジンはやはりアジア
世界の成長エンジンはやはりアジア
リーマン・ショック前から純利益を10倍以上に増やした上場企業が世界で560社に上り、そのうちアジア企業が8割を占めているようです。
08年から純利益を10倍以上に増やした企業数を国別に見ると首位の中国(225社)に続き、日本は126社、中国と日本を除くアジアは91社となりました。
産業構造や社会の変化をとらえ、デジタル化で成長するITのほか、高齢化が追い風の医薬品メーカーなどの成長が目立っています。
各国の統計・データのまとめ(2019年)11月22日 新NAFTAの状況
新NAFTA、アメリカ民主党のジレンマで批准遅れる
批准を承認するか否かでアメリカの民主党はジレンマに陥っています。
NAFTA見直しはトランプ大統領が2016年の大統領選で掲げた看板公約で、新協定に賛成すれば大統領選を前にある意味、敵に塩を送る形になってしまいます。
その一方で、民主党は本来協定見直しに賛成の立場です。
中西部の労働者層にはNAFTA発効でメキシコへの雇用流出が進んでしまったとの不満は根強く、現協定を放置する事は労働者の支持離れを加速させてしまう可能性があります。
こうした立場を踏まえて民主は特にメキシコ労働者の権利を強めるようUSTRに要請しています。
アメリカに比べて雇用ルールが緩いメキシコに雇用が流出するのを止めたい為です。
民主党としてはアメリカの雇用を守るための修正を政権に認めさせたと実績にしたいわけです。
NAFTA再交渉の経緯 まとめ11月21日 OECDが成長見通しを引き下げ
OECD、2020年の世界経済成長見通しを下方修正
2019年11月21日、OECDは経済見通しを発表し、世界の経済成長率予想を2019年、2020年ともに2.9%とし、2020年の予想を9月時点の3.0%から小幅下方修正しました。
2021年の見通し
2021年については、貿易戦争から中国経済の予想外の急減速まで、数多くのリスクが抑制されているという前提で3.0%に若干回復すると予想しています。
OECDは、各国政府が、気候変更やデジタル化、多国間主義の揺らぎといったグローバルな課題に対応しきれていない事を重大な懸念として挙げています。
報告書の中で
「これらの変化は構造的で、金融・財政政策で対処できる一時的要因と考えてはいけない。これらの問題について政策が対応できないと不確実性が高まり続け、成長見通しは悪化し続ける」
としています。
主要国の成長予想については、
- アメリカの今年の成長率予想を9月時点の2.4%から2.3%に下方修正。2020と2021年については2.0%予想。
- 日本は、今年と2020年の予想をそれぞれ1.0%と0.6%で据え置き、2021年は0.8%から0.7%に下方修正。
- 中国、今年の成長率予想を前回の6.1%から6.2%に若干上方修正。ただ、2020年は5.7%、2021年は5.5%と予想。
- ユーロ圏は、前今年が1.2%、2020年は1.1%と、それぞれ前回から0.1%上方修正。2021年は1.2%と予想。
となっています。
IMF、OECD経済・景気関連レポートに関するまとめインドネシア、政策金利は据え置きで預金準備率を0.5%引き下げ
2019年11月21日、インドネシア銀行の政策金利を据え置きと預金準備率のを引き下げを発表しました。
中銀は7日物リバースレポ金利を5%に維持し、預金準備率は0.5ポイント引き下げる決定をしました。
インドネシア中銀は先月まで4カ月連続で利下げをしていましたが、預金準備率引き下げは6月以来です。
インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~英労働党、巻き返しの為急進的な政策を発表
労働党が、今回の選挙で過去40年間では最も急進的なマニフェストを打ち出しました。
労働党の急進的政策
- 半年以内に、BREXITに関する国民再投票を実施
- 鉄道、水道、発電、郵便などを国有化。
- 2030年までに全国で完全光ファイバーによるブロードバンドを無料で提供
- 多国籍企業には英国での売り上げ、従業員、業務の比率に基づき課税
- 上位5%の所得者(年8万ポンド以上=約1130万円以上)に対して増税
- 新たな金融取引税の導入。
- 印紙税の課税対象を外国為替、金利デリバティブ、コモディティー取引にも拡大し、取引費用の50%とする
等です。
2年前の2017年総選挙の際にコービン氏は、急進的な社会主義的政策パッケージを掲げ、支持を伸ばしたという成功体験があります。
今回も、こうした急進策を取って劣勢の状況を挽回しようという事でしょう。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯ビットコイン、1か月ぶりに8000ドルを割る
2019年11月21日、ビットコインは7営業日連続で値下がりし、約1カ月ぶりに8000ドルを割り込みました。
ビットコインはこの下落により、アナリストやチャート専門家が売りシグナルと考える200日移動平均線も下回りました。
暗号通貨(仮想通貨)、デジタル通貨の動向のまとめ11月20日 インド、影の銀行処理に本腰
第一段階の合意は2020年にずれ込む可能性も
「第1段階」の合意が2020年にずれ込む可能性が出て来ました。お互いの要求水準が高いためです。
中国が関税撤廃拡大を求めているほか、アメリカもそれに対応して要求を強めているという事です。
トランプ大統領とムニューシン財務長官は暫定合意を発表した10月11日、合意の文書化には最長5週間の時間を要すると述べていましたが、その期間が経過した現在でも合意の見通しはまだ立たず、交渉がさらに複雑化する可能性があるようです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月中国が0.05%利下げ
2019年11月20日、中国が0.05%利下げして年4.15%としました。
中央銀行は事実上の政策金利である最優遇貸出金利の1年物を0.05%下げて年4.15%にすると発表しました。
物価上昇にも目配りしなければならず、下げは小幅にとどまりました。
最優遇貸出金利とは
この最優遇貸出金利は、銀行が優良企業向けに適用する貸出金利の事で2019年8月から公表を始め、以前の貸出基準金利に代わる新たな政策金利と人民銀は位置づけています。
毎月20日に公表し、企業向け貸し出しの参考になる1年物と住宅ローン金利の目安になる5年物の2種類があります。
1年物は8、9月と2カ月連続で下げた後、10月分は据え置きましたので、今回の下げは2カ月ぶりとなります。
5年物も11月分は4.8%と0.05%下げていますが、5年物の下げは初めてとなります。
【最新】中国の金融政策のまとめアメリカ、ファーウェイ制裁を一部緩和
2019年11月20日、アメリカがファーウェイに対しアメリカ製品の輸出を限定的に認める手続きを始めたことが分かりました。
トランプ大統領が6月末に制裁を一部緩和する方針を表明していましたが、貿易交渉の長期化や政権内の意見対立でこれまで実施が持ち越されていました。
トランプ政権による今回の決断が中国の譲歩につながるかは分かりません。
どのような製品を認めるかの判断基準は明確にされておらず、輸出許可を申請した企業のみが個別に分かる仕組みのようです。
インド中央銀行、「影の銀行」処理に本腰
2019年11月20日、インド準備銀行は住宅金融大手デワン・ハウジング・ファイナンスの破綻処理手続きに入ると発表しました。
発表によると、同社は企業統治に問題があり、複数の支払い義務を履行できなかったため、中銀が取締役会を引き継ぎ、管財人を指名したという事です。
ただ、一般事業会社向けに設計された手続きで金融機関を処理するのはかなり大胆と言えるかもしれません。
それだけ、インドにおける影の銀行問題が深刻化していて、こうする以外になかったのかもしれません。
インドの不良債権は2000億ドルに達しており、経済に大きな負のインパクトを与えており、こうした大胆な政策的動きはかなりポジティブです。
今回の取り組みは新しいものです。
インドには経営破綻した金融機関への対処に特化した枠組みがないからです。
ただ、規制当局には新たな権限が与えられ、また破産法の追加的な改正が行われたこともあり、不良債権を多数抱える影の銀行を処理する新しい形が可能になっています。
その意味で今回の案件は、インドの銀行業界が健全化に向かう取り組みで新たな節目と言えるかもしれません。
インドの経済・財政政策のまとめ中国、アメリカの香港問題採り上げをけん制
2019年11月20日、中国外務省は香港人権法案が成立すれば報復するとウェブサイトであらためて警告し、アメリカをけん制しました。
第一段階の合意について微妙な時期に来ているだけに、タイミングとしてはある意味絶妙です。
人権問題を取り上げる事で、トランプ政権に米中との合意を達成したという功績を与えず、選挙戦を有利にしたいという民主党の作戦もあるでしょう。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月19日 米上院、香港人権法案を可決
米中、5月にとん挫した協議を基準に関税の撤廃レベルを検討
米中両国は第1段階の合意で関税をどこまで撤回するかについて、5月に成立直前で頓挫した合意内容を基準に話し合いをしているようです。
米中は現在、第1段階の合意に向け最も難しい詰めの交渉を行っています。
中国側の要求
中国側は5月より後に発動した関税全ての即時撤回、5月より前に導入された関税についても徐々に撤廃するよう求めているという事です。
現在は、トランプ大統領が2018年に導入した中国産品およそ2500億ドル相当への当初の関税などの撤回について協議されているようです。
トランプ大統領の顧問の一部は中国に確実に公約を実行させるため関税をより長く維持するよう求めていたが、現在は第1段階の合意のために部分的な関税撤廃も検討の遡上に乗っているようです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月選挙の結果でポンドは乱高下する可能性も
ポンドは12月の選挙結果次第で急上昇も暴落もあると、マーケット関係者は考えているようです。
あるマーケット関係者は、
- 合意ある離脱に道を開く選挙結果となった場合、ポンドは来年末までに約12%高の1ポンド=1.45ドルに上昇
- 合意なき離脱なら約15%安の1.10ドルへと下落
と予測しました。
最新の世論調査では保守党が勝利し、こう着状態に終止符が打たれる可能性が示唆されていて、マーケット関係者の間ではポンドに対する懸念は若干和らいでいるようです。
ただ、メイ前首相の時の様に最後に保守党が苦境に立たされるという可能性もあり、予断は許しません。
BREXITとイギリスポンドの動きアルゼンチンの次期大統領、債務返済計画をIMFに表明
2019年11月19日、フェルナンデス次期大統領はIMFに対し、経済を成長させ、同国の債務に対処する計画だと述べました。
フェルナンデス氏はゲオルギエワ専務理事との電話会談を行い今後について話をした模様です。
12月10日に大統領に就任するフェルナンデス氏は、財政の健全性の重要性を十分に理解していると述べたものの、アルゼンチンとIMFの新たな合意に財政緊縮を盛り込まないとする自身の選挙公約をあらためて表明しました。
同氏は
「事態が極めて複雑なため、これ以上の支出削減はできない」
と述べました。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)日米貿易協定、衆院本会議で可決
2019年11月19日、日本の衆院本会議で日米貿易協定の承認案が可決されました。
与党側は12月9日の会期末までの参院承認、来年1月1日からの発効を目指しています。
今後は米国による自動車・部品関税の扱いが焦点になるほか、アメリカ側が求めるサービス分野も含めた広範な自由貿易協定締結についての議論が注目を集めていく事でしょう。
まずは交渉再開の時期や内容が注目されます。
日米TAG(日米物品貿易協定)交渉の関連ニュースのまとめと経緯アメリカ上院が香港人権法案を可決で米中協議に影響
2019年11月19日、アメリカ議会上院が香港人権・民主主義法案を全会一致で可決したことで、トランプ大統領が法案成立に必要な署名に応じるかが次の焦点となっています。
ディール外交で貿易交渉を優先するトランプ氏が人権問題でどう対応するか注目です。
これまでは中国への非難を手控えてきましたが、香港情勢の深刻化でそうした手法も限界を迎えています。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月ロシア製ミサイルシステムの破棄はない、とトルコ大統領が言明
2019年11月19日、エルドアン大統領はトランプ大統領と先週会談した際、ロシア製ミサイルシステムについて、アメリカの要求に応じて破棄することはないと言明したと明らかにしました。
アメリカはトルコが当該ミサイルシステムを破棄しない場合はトルコに制裁を科す可能性があると警告していますが、まだ制裁の発動には至っていません。
トルコへの投資、政治と外交のまとめペンス副大統領、香港デモを注視
2019年11月19日、ペンス副大統領は香港のデモに暴力が行使されればアメリカが対中貿易協定に署名するのは難しいとの見解を示しました。
ペンス副大統領はメディアのインタビューで、
「何らかの暴力が行われたり、この問題が適切かつ人道的に対処されなかったりした場合、われわれが中国と取引するのは極めて難しくなるとトランプ大統領は明確にしている」
と発言しました。
トランプ大統領はディール外交と言っていますが、こうした「価値」に基づく外交も行うという事でしょうか。
それとも、ただの交渉材料に使うだけでしょうか。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月18日 ロシアが協調減産拡大に反対
2019年11月、アメリカが禁輸措置継続も例外措置を90日間延長
2019年11月18日、アメリカはファーウェイに対する事実上の禁輸措置を継続すると発表したうえで保守にかかわる限定的な取引のみ認める例外措置を90日間延長すると発表しました。
米中両政府が貿易協議で部分合意を探るなか、中国が解除を求める同社への制裁は引き続き対立の火種となりそうです。。
中国政府は制裁の解除を求めていますが、アメリカの政府や議会は5Gでスパイ活動に使われるおそれがあるとして排除す方針です。
【2019年5月~】ファーウェイ(華為、HUAWEI)禁輸措置の影響ロシア、協調減産拡大に反対
2019年11月18日、ロシアがOPECプラスが実施している協調減産について、12月の会合で減産幅の拡大には賛同しないものの、現行水準の維持には合意する公算が大きいことが分かりました。
OPECは12月5日にウィーンの本部で会合を開催し、その後OPECプラスの会合を開いて、協調減産などについて協議する予定です。
12月5日にはサウジ政府が国営石油会社であるサウジアラムコのIPO向けプライシングを発表する予定で、その時の原油価格が重要な役割を果たすとみられています。
プーチン大統領は、サウジが当該IPOを控え、サウジの立場を尊重すると述べて、12月のOPECプラス会合の方向性を示唆した格好となったようです。
非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019中国は第一段階の合意について消極的??
2019年11月18日、中国政府がアメリカとの通商合意を巡り悲観的なムードになっているとの報道がありました。
米中当局は当初、「第1段階」の通商合意の一環として貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと発表していたものの、トランプ大統領が今月初旬に対中関税の撤回で合意していないと発言したことが引き金になっているという事です。
さらに、中国側は大統領弾劾調査に絡む証言や大統領選などのアメリカの政情を注視していて、状況が収束するまで合意を待つことが理にかなっているかどうか見極めているという事です。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月17日 香港の騒動が米中協議に影響も
香港人権法案可決の可能性、米中交渉に影響??
アメリカで香港での人権や民主主義を支援する「香港人権法案」を可決する可能性が出てきました。米中貿易交渉への影響があるかもしれません。
この法案は香港で人権侵害があれば、関税やビザ発給などアメリカが香港に認める特権を剥奪できるというものです。
下院では通過済みで上院でも早ければ11月18日に採決する予定です。
同法案が成立すれば中国の反発は必至で、貿易協議がこじれる可能性があります。
知的財産権の侵害などでは議会の強硬姿勢も目立っています。
法案提出者である共和党のルビオ上院議員は
「アメリカは中国に対して、香港市民の奮闘を自由世界が支持しているとのメッセージを発する必要がある」
と早期採決を要求し、民主党の上院トップ、シューマー院内総務もトランプ大統領に中国に妥協しないよう求めています。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月米資産は他国の資産に対して弱気、モルスタ
2020年はアメリカの株式と社債が他国の資産に対して劣ったパフォーマンスになり、米ドルも下落すると、モルガン・スタンレーが予測しています。
モルガンスタンレーは2019年11月17日付の年間見通しで、
「株については、達成可能な利益拡大への道筋が明白な市場(日本と新興市場)と、政治リスク低下によるバリュエーション再評価の余地のある市場(欧州)で最も大きな上昇の可能性がある」
としています
モルガン・スタンレーはS&P500株価指数が2020年末までに、現在の状況から若干下落し3000になると予想しています。
今年は中央銀行の緩和サイクル再開を追い風に欧米で株式相場が上昇しましたが、モルガン・スタンレーは1年前に、株式の配分をベンチマーク配分に対して「中立」としていました。
これについてモルスタは
「中銀の対応の積極性と、それを可能した先進国市場および新興国市場のインフレ低下、世界的な利益成長がマイナスに転じたにもかかわらず割高な株価を市場が受け入れる度合いを過小評価していたが、中銀が同じことを2回できるとは考えにくい」
とコメントしています。
マーケットの予測・見込み記事のまとめ11月16日 ジョンソン氏、離脱案支持を保守党議員に要求
イギリス、立候補する保守党議員が離脱合意案支持を誓約
2019年11月16日、ジョンソン首相は12月の総選挙に出馬する保守党の立候補者全員が、当選した場合は同首相の離脱合意案に賛成票を投じるとの誓約書に署名したと述べました。
これで、総選挙で過半数議席さえ獲得すれば、最新の離脱協定案を速やかに議会通過させられます。
ただ、保守党の立候補者らは離脱後のプロセスの採決については誓約していません。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯11月15日 インド株式は外部要因が落ち着き堅調
インド株式、外部要因が落ち着いたことなどから堅調
2019年11月中旬現在、インド株式市場は堅調な動きとなっています。
堅調な背景
米中が貿易交渉で暫定的に部分合意に達したことや、BREXITの「合意なき離脱」の懸念が後退したことで世界的な投資家のリスク選好姿勢の強まりが背景と考えられます。
政府が9月に発表した法人税減税に伴う7-9月期の企業業績の上振れも後押しし、代表的な株式指数のSENSEX指数は6月以来の40,000ポイント台を回復し、終値ベースで過去最高値を更新しました。
今後の見通し
2019年9月以降、更に大きく上昇するかと言うと難しいかもしれません。
最近の相場上昇で株価バリュエーションが高まっていることや、先行きの景気減速懸念が台頭するリスクなどがあるためです。
【最新】インド株式の動きとまとめ11月14日 メキシコが利下げ
メキシコ、3会合連続の利下げ
2019年11月14日、中央銀⾏は政策⾦利を0.25%ポイント引き下げ、7.50%とすることを決定しました。
これで利下げは8月、9月に続いて3会合連続であり、市場ではほぼ利下げが予想されていました。
メキシコ銀⾏は声明文で、
- 国内経済の先⾏きは慎重に見なければならない、
- インフレ率の鈍化
- ⽶中貿易摩擦やBREXITなど外部要因のリスクは幾分後退したとしつつも、引き続き世界経済への下⽅圧⼒となっている
事等に⾔及しています。
メキシコの金融政策はアメリカに追随する傾向があり、今回の利下げも10月のFOMCで利下げを実施したことに追随した動きと考えられます。
⾦融政策の先⾏きについては、メキシコの経済状況やインフレ鈍化傾向を考慮すると、次回(12月)においても追加利下げを⾏う可能性が⾼いと考えられます。
【最新】メキシコの金融政策についてのまとめと経緯米中、農産物輸入目標の達成方法が争点?
中国が年間で最大500億ドル相当のアメリカ産農産物を購入する目標を達成する方法が、「第1段階」の合意に向けた争点になっているようです。
鶏肉の輸入解禁も交渉の中の一つの話題だったのでしょう。
アメリカは中国に対し月間および四半期、年間の購入目標を示すよう求めているようですが、中国の交渉担当者らは抵抗を示しているようです。
中国の抵抗は強く、数日内の妥結は難しいのではとの感触があるようです。
中国側は、
関税の撤廃対象が大きければ、アメリカ産農産物の購入など中国側の譲歩も大きくなる
と示唆した発言をしています。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月アメリカ下院、年内に新NAFTA案を承認
2019年11月14日、アメリカ連邦議会下院のペロシ議長はUSMCAについてトランプ政権との協議で近く合意する可能性があると説明し、年内の下院通過を目指すと表明しました。
ペロシ氏はUSMCAの承認について
「年内に終えたい。それは私の目標だ。上院の承認にそれほど長い時間を要するとは思えない」
とコメントしました。
3カ国は1年前にUSMCAで合意していますが、各国とも議会の承認が必要となっていて、メキシコでは既に批准したものの、カナダはアメリカの動向を見極めようとしている状況です。
をしています。
NAFTA再交渉の経緯 まとめ2020年と2021年の世界景気の後退はない??
ムーディーズによれば、G20全体の2020年の成長率が、年率2.6%と19年と同じペースになるとの見通しで、2021年には2.8%に上向くとみているようです。
ムーディーズによれば、G20が2020年と2021年に景気後退入りすることはないとの事です。
ムーディーズは2019年11月14日のリポートで、
- 2020年にかけて米中の減速が続き、
- アメリカの実質GDP伸び率は2%をやや下回る潜在成長率近辺で安定、
- 中国は長期的な構造要因の結果として着実な減速を想定
との事です。
マーケットの予測・見込み記事のまとめ11月13日 FRB、7月から続いた利下げを当面停止
米中、農産物購入巡り交渉が暗礁? 大統領選意識?
アメリカのメディアが、米中通商交渉が農産物購入を巡り難航しているようだと報道しました。
2019年11月13日の報道によれば、中国側はアメリカが一方的に優位な合意は望んでいないとの立場を明示したようです。
中国高官は
「状況が悪化すれば、中国はいつでも(米農産品の)購入を停止できる」
と述べたとの事です。
トランプ大統領が、米中合意第一弾を選挙戦に利用して、自身の再選の可能性を高める事を少しでも妨げようとしているのでしょうか。。。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月ロシア製ミサイル問題、亀裂回避を優先
2019年11月13日、トランプ大統領とエルドアン大統領は首脳会談し、ロシア製ミサイル問題について、で協議を続けることで一致しました。
要するに問題を先送りしたという事です。
決定的な亀裂の回避を優先したという事ですが、アメリカ議会の対トルコ強硬論が勢いを増しており、首脳間の「相性」だけで行う外交にも難しさが出てきています。
トルコへの投資、政治と外交のまとめFRB、7月から続いた利下げを当面停止
2019年11月13日、FRBのパウエル議長は議会証言で「金融政策は現状が適切だ」と述べ、7月から続いた利下げを当面停止する方針を表明しました。
米景気は貿易戦争による下振れリスクがあるものの、金融緩和が後押しして
「緩やかな経済成長が続く」
と強気な見方を示しています。
金融政策について
「想定通りに景気が推移すれば、現在のスタンスが当面は適切だとみている」
としていて、先行きは政策金利を当面据え置く考えを示唆しました。
アメリカの金融政策の経緯とまとめインドの消費者物価指数は3か月連続で加速
2019年11月13日発表された10月のインフレは3カ月連続で加速し、中央銀行が中期目標としている4%を上回る物価上昇率となりました。
10月の消費者物価指数は前年同月比4.62%上昇しました。
飲食品のインフレ率は6.93%に上昇し、野菜は26%余り値上がりしました。
【最新】インドの統計、データに関するまとめ11月12日 フィリピン、厳しい経済成長
トランプ大統領、第一段階の近い合意を示唆
2019年11月12日、トランプ大統領は講演で米中貿易協議の第1弾について近く合意する可能性があるとと述べました。
貿易協議の合意について
「アメリカにとっていい取引であることが条件で、25%の関税を全て受け取るのも悪くはない」
と中国側をけん制する事も忘れませんでした。
ただ、一部にはより詳細な内容を聞けるのではと期待する所もあっただけに、拍子抜けに終わっていた人も多かったようです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月フィリピン、2019年の成長目標の達成は難しそう
2019年11月に入ると、2019年の成長目標として掲げていた6-7%の成長は、達成が厳しそうな状況です。
経済が弱い要因
米中貿易摩擦が影を落としていると言えます。
輸出が鈍化し、設備投資も減速するなど企業活動が鈍っているのです。
15年10~12月期から10%を超えていた輸出の伸びは19年に入って1桁に低下し、7~9月期は横ばいにとどまっています。
米中摩擦を背景とする世界経済の減速で、主力の輸出品である電子部品の需要が落ち込んだ影響です。
これに加えてペソが対ドルで上昇していることも輸出の重荷となっているでしょう。
フィリピンペソ・フィリピン株への投資 考えるべきポイント各社で温度差あるものの、引き続き保守党がリード
各社世論調査で、温度差はありますが、保守党がリードを保っています。
スカイニュースの世論調査では、
- 保守党が42%、
- 労働党が28%、
- 自由民主党が15%、
- ブレグジット党が4%
となりました。
調査会社サーベーションによる11月12日発表の世論調査では、
- 保守党が35%、
- 労働党が29%、
- 自由民主党が17%、
- ブレグジット党が10%
となりました。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯11月11日 ブレグジット党が保守党と争わない方針
インドの10月の自動車販売は奮わず、12か月連続で前年実績を下回る
2019年11月11日に発表された10月の新車販売数は35万1800台と前年同月に比べ5%減りました。
前年実績を下回るのは12カ月連続です。
下げ幅は30%前後の減少が続いた7~9月に比べて縮小していますが、これは高額消費が広がるヒンズー教最大の祝祭「ディワリ」が10月にあった事が関係していると思われます。
インドでは経済成長の鈍化で個人消費が冷え込み、販売不振が長期化しています。
【最新】インドの統計、データに関するまとめブレグジット党、保守党と争わない方針を表明
2019年11月11日、ブレグジット党のファラージュ党首は来月の総選挙で保守党の現職議員とは争わない方針を表明しました。
これでジョンソン首相が議会で過半数を獲得できる可能性が高まりました。
この発言で、ポンドも上昇しました。
ファラージュ氏は
2017年の選挙で保守党が勝利した317選挙区に候補者を擁立しないというのは困難を伴う決断だったが、ジョンソン氏のより明確なEU離脱に信頼を寄せている
と述べました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)EU、トルコに制裁措置導入を決定
2019年11月11日、EUはトルコがキプロスの排他的経済水域内にある巨大ガス田を採掘しているのは違法として制裁措置を導入することを決めました。
トルコは欧州出身の過激派組織「イスラム国」の戦闘員を出身国へ送還する構えで、EUとトルコの緊張が高まっています。
トルコ側の主張
トルコはキプロスを国として承認しておらず、ガス田は自国などの権益と主張しています。
EUは採掘をやめるようトルコに言っていましたが、トルコは応じず、対立が激しくなっていました。
制裁の内容
制裁は主に関係者の域内への渡航禁止と資産凍結の2つのようです。
ただ、子の制裁をいつから始めるかなど具体的な日程は定めませんでした。
EUもこれ以上の対立は望んでおらず、トルコ側の歩み寄りに期待しているのでしょう。
トルコへの投資、政治と外交のまとめトルコ、欧米出身のIS戦闘員を各国に送還
2019年11月11日、トルコが拘束してきた「イスラム国」の戦闘員のうち欧米出身者を各国に送還し始めました。
送還する目的
トルコによるシリアへの軍事侵攻、キプロス沖のガス田採掘、ロシア製ミサイル購入を批判する欧米の譲歩を引き出す狙いがあると見られます。
この送還は、送還される側にとると、治安悪化の原因になるため、嫌なものです。
実際、欧米は受け入れに消極的で、送還を強行すれば混乱が広がりそうです。
トルコへの投資、政治と外交のまとめインド鉱工業生産減少で資本財生産の弱さを露呈
2019年9月のインドの鉱工業生産は8年で最大の前年割れとなったようです。
2019年11月11日、インド統計当局が発表した9月の鉱工業生産指数は前年同月比4.3%低下し、市場予想の2.5%低下を超える落ち込みとなり、2011年10月以来の大きな低下となりました。
鉱工業生産指数は8月に続き2カ月連続の低下です。
9月の資本財生産も前年同月比20.7%減少し、耐久消費財も9.9%減りました。
【最新】インドの統計、データに関するまとめ11月9日 インドの自動車販売、5年ぶりに縮小
インド、自動車販売が5年ぶりに縮小
インドの自動車市場が2019年、5年ぶりに縮小する見通しとなりました。
新車販売台数は10月も前年同月に比べて10%程度減ったもようです。
これで前年割れは12カ月連続です。
インド新車市場はモディ政権が発足した2014年から18年まで順調に拡大していました。
invstem.com
落ち込みの背景
原油高を背景に2018年夏ごろから伸びが鈍化し、自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋りや、自動車保険の負担増など複数要因が重なってマイナスとなっているようです。
今後の動向
来年導入予定の厳しい排ガス規制に伴う買い控え、現行規制適合車の在庫処分など強い要因と弱い要因が重なっており、予測は難しいです。
インド政府が法人減税など景気刺激策を打ち出しえちますが、新車販売がプラスに転じる時期も不透明です。
【最新】インドの統計、データに関するまとめ11月8日 アメリカ、米中部分合意を否定
人民元の基準値が6元台を回復
人民元が対ドルで上昇に転じ、2019年11月8日には取引の基準となる為替レート「基準値」が8月7日以来の6元台となりました。
これは3カ月ぶりの元高水準です。
【2019年11月4日~8日のUSD-CNYの推移(出所:TradingView)】
米中貿易交渉の進展期待から元高が進み、それを反映しました。
既報の通り、米国への対抗措置を修正する一環との見方もあります。
中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~トランプ大統領、制裁関税撤廃について合意はないと言明
2019年11月8日、トランプ大統領は中国製品に対する発動済みの制裁関税を撤廃することに合意していないと記者団に述べ、中国との認識の相違が浮き彫りとなりました。
中国が取り下げを求めていると指摘しつつもアメリカ側は同意していないという事です。
意見の食い違いが表面化した形です。
大統領は更に関税を全面撤回することはないとも強調しました。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月中国の対米輸出、7か月連続で輸出入とも前年同月比で減少
2019年10月の対米輸出は前年同月比16%減の357億ドル、輸入も同14%減の93億ドルでした。
これで7カ月連続で輸出と輸入がそろって前年同月の水準を下回っており、米国の追加関税による打撃が鮮明になっています。
例えば、
- 9月に15%の追加関税がかかったテレビの9月の輸出は6億6千万ドルで、前年同月と比べて▲43%
- 家具の輸出も9月は前年同月比▲37%の5億9千万ドル
10月も同様の傾向が続いており、中国が発動済みの追加関税の撤廃にこだわるのはこうした背景があると思われます。
【最新】中国の統計・データに関するまとめ11月7日 アルゼンチンが返済繰延べに言及
フィリピンの2019年の7-9月期のGDPは数字上持ち直すが厳しい状況
2019年11月7日、2019年7~9月期のGDP伸び率が前年同期比6.2%だった事が分かりました。
3四半期ぶりに6%台に回復しました。
回復した背景は
今年度の予算案の承認が4カ月も遅れ、インフラ関連の公共支出の実施を政府が急いだことが大きいと見られます。
米中貿易戦争の影響は
もちろん米中貿易戦争の影響はあり、経済は力強さを欠いているため、楽観視は出来ません。
政府支出の伸び率は9.6%と、7%台にとどまった前2四半期から拡大しました。
貿易戦争が長期化するなか、フィリピンへの生産移管は行われないのか、というポイントですが、フィリピンは移管先として魅力は乏しいようです。
生産も活性化せず、7~9月期の輸出の伸び率も横ばいにとどまっています。
年間目標の6~7%成長の達成は
成長率目標(6~7%)実現には、10-12 月の成長率が最低前年比+6.7%となる必要がありますが、なかなか厳しそうです。
しかし、無理に目標を達成しようとして財政負荷が高まるようなことがあると新たなリスクとして認識される可能性もあります。
フィリピンペソ・フィリピン株への投資 考えるべきポイントアルゼンチン次期大統領、IMFに返済繰り延べの意思を表明
2019年11月7日、フェルナンデス次期大統領はIMFからの債務について返済の繰り延べを求めました。
2019年10月27日の大統領選で当選後、返済猶予を求める考えを公言したのは初めてです。
IMFは次期政権との協議に前向きな姿勢ですが、交渉がまとまらなければデフォルトの可能性が高まります。
2019年12月10日に発足する次期政権は、2003年にIMFとの債務再編交渉に成功したウルグアイに倣った債務繰り延べを計画しているようです。
米中が段階的な関税撤廃、アメリカの政権内で反対意見
第1段階合意の一つとして追加関税を段階的に撤廃する合意について、ホワイトハウス内や外部の顧問から激しい反対論が出ているようです。
それによると、追加関税撤廃はトランプ米大統領と劉鶴・中国副首相が10月に交わした当初の合意案には含まれていなかったという事で、追加関税を撤廃すれば、アメリカが交渉で切り札を失うことになるとの意見が政権内で出ているという事です。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月米中交渉妥結報道でS&Pは最高値
2019年11月7日、アメリカ株式市場は上昇し、ダウとS&P500が終値で最高値を更新しました。
背景は
米中が発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと伝わり、安心感が広がったためです。
ただ、その後の報道で合意に不透明感が生じ、上値は抑制されました。
先進国・その他の状況アメリカ、追加関税を段階的に撤廃?
2019年11月7日、中国は貿易協議で、アメリカが発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表しました。
中国はこれまで部分合意に応じる条件として、アメリカが発動した約3600億ドル分相当の中国製品への制裁関税の全廃を求めてきましたが、トランプ大統領は「合意の内容次第」と保留しています。
中国は最終的な全廃を目指す方針は変えませんが、第1段階では部分取り消しで応じる方向に態度を軟化させた格好です。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月6日 米中合意第一弾、12月にずれ込む可能性も
イギリスの総選挙に特化した記事を投稿
BREXIT関連記事として、2019年12月に投開票されるイギリス下院総選挙に特化した記事を投稿しました。
【2019年11-12月】イギリスの総選挙の経緯米中第一段階の合意は12月にずれ込む可能性
米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がありそうです。
アメリカの政府高官が2019年11月6日に明らかにしました。
条件や開催地を巡る協議がなお続いているという事です。
現時点では、達成する可能性の方が、達成しない方よりも高い、とコメントしているようです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月5日 インドネシアの経済減速が鮮明に
インドネシア、2019年7-9月期GDPは減速が鮮明に
2019年11月5日、インドネシアの2019年7~9月期のGDP伸び率が前年同期比で5.02%だった事が分かりました。
伸び率は4~6月期から小幅に減速し、3四半期連続での減速となりました。
インドネシアでも経済の減速が鮮明になってきている状況です。
ジョコ政権は2019年通年の成長目標を5.3%としていますが、9月までの累計ベースの経済成長率は前年比+5.04%に留まっており、目標達成は難しくなったと言えます。
invstem.com
減速の背景
インドネシアは中国を中心とするアジアの製造業のサプライチェーンに十分に組み込まれていないため、米中貿易戦争の影響は小さいと思われていましたが、世界景気の悪化懸念から資源価格が下落した事がインドネシア経済に悪影響を与えたのです。
米中部分合意で元安誘導が是正??
2019年11月5日、人民元が1ドル=6.98元台後半に急伸し、約3カ月ぶりに6元台を付けました。米中貿易交渉が前進するとの期待からです。
マーケットでは、米中合意に向けて中国当局が元安誘導の是正に動き始めていると見る向きもあります。
ただ、部分合意は人民元を短期的に押し上げるものの、貿易戦争の構造的な問題は未解決なので、元高が一方向に行く事はないと考えるマーケット関係者も多いようです。
中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~ブラジル、行政・財政改革案の概要を発表
2019年11月5日、ブラジル政府は行政・財政改革案の概要を発表しました。
概要
- 公務員の給与に代表される硬直化した予算の仕組みを改め、財政を立て直すこと
- 国から地方自治体への税の配分の仕方の見直し
等です。
10月に成立させた年金改革法案に続く重要課題として、2020年の成立を目指します。
課題
この改革は市場からの評価は相当高いですが、実現には憲法改正が必要で、かなりの抵抗も予想されるため、一筋縄ではいかないでしょう。
ブラジルでは公務員給与や教育関係予算など支出が固定化していて、歳出削減の余地が乏しい問問題がありました。
これを新たな改革案では労働時間と給与を削減できるようにして、柔軟性を持たせます。
政府案が実現した場合、初年度に247億8000万レアル(約6750億円)の予算削減効果が見込めるという事です。
税収の配分も見直します。
予算不足でインフラや治安の維持に苦労する州が多い中、公共政策を地方分権型に移行させて構造を抜本的に変えるという事です。
上記提案の実現には憲法改正が必要で、上下院で議席の5分の3の協力を得る必要があります。年金改革と同様に、時間がかかるでしょうし、どうやって議会を説得していくかという問題が立ちはだかります。
アメリカISM非製造業は上昇
2019年10月のISM非製造業総合景況指数は上昇し、市場予想も上回りました。
雇用や受注、景況などの指数が改善し、米経済の最大部分を占めるサービス業が安定的かつ緩やかに拡大している状況が示唆されました。
指数は前月、3年ぶりの低水準でしたが、一応持ち直した形です。
各国の統計・データのまとめ(2019年)世界の金需要は引き続き高水準
2019年11月5日に金の国際調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシルが発表した7~9月の世界の金需要は1107トンと、前年同期を3%上回りました。
背景
景気減速への警戒感が高まりや、投資マネーがETFに流入したこと、中央銀行の購入等が背景にあります。
OPEC、長期的には増産の見込みを発表
2019年11月5日、OPECが長期見通しを発表し、長期的には増産していく見込みを示しました。
2019年版の中・長期の世界石油見通しが公表され、
- 2040年には加盟国の原油などの生産量は18年比21%増加し、日量4440万バレルに達する
- シェールオイル増産などの影響で加盟国の生産は、20年代前半にかけて減少
- その後はアメリカなどOPEC非加盟国の供給が減るため、加盟国の生産が再び増える
- 新興国の原油需要は引き続き旺盛で、2040年の石油需要は12%増の日量1億1060万バレル
- 需要としては、石油化学製品向けが高まり、自動車向けが環境規制等で先進国を中心に低下
という内容です。
非公開: 原油・資源関連ニュースのまとめ2019イラン、核合意違反第4弾を発表
2019年11月5日、イランのロウハニ大統領は核合意の義務停止の「第4弾」を発表しました。
具体的な内容
中部フォルドゥの施設にある遠心分離機を再稼働させ、ウラン濃縮の能力を拡大する、というものです。
兵器級に近い濃縮レベル20%への引き上げといった強硬策は見送りました。
引き続きイランの妥結に向けた意思は消えておらず、合意からの逸脱を小出しで進める事によって、米抜きでの合意維持をめざす欧州に圧力を加える狙いです。
【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向中国の対米輸出、25%減少
2019年11月5日、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した資料によると、2019年上半期に中国からの対米輸出が前年同期比25%減少したようです。
背景はもちろん制裁関税です。
通信機器や家具など幅広い製品が影響を受けたようです。
- 金額ベース、中国からの対米輸出は350億ドル減少。
- このうち約6割はメキシコや台湾、EUなどが中国に代わる輸出国に。
ただ、報告書では中国企業は関税の影響があっても競争力を維持していると分析し、最近は輸出価格を引き下げることで、関税の影響を吸収し始めたと指摘しています。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月4日 米中貿易交渉の攻防激しくなる
米中、第一段階合意へ攻防激しくなる
米中両政府が、部分合意を巡って激しく交渉しているようです。
双方の主張
アメリカはは11月中に目指す「部分合意」で中国の大幅な輸入拡大や、合意文書に署名する首脳会談の米国開催を要求しており、中国は追加関税の全面撤回を前提条件に突きつけています。
歩み寄りは簡単ではなく、貿易戦争の「休戦」まで依然として曲折がありそうです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月11月1日 アメリカ雇用統計の数値は好調
雇用統計が好調でアメリカ株が過去最高値を更新
2019年11月1日、アメリカの株式市場では、雇用統計が好調だったことで株価が押し上げられ、S&P500とナスダック総合が終値ベースで過去最高値を更新しました。
雇用統計の詳細はアメリカの金融政策の経緯とまとめをご参考ください。
雇用統計を受けて市場関係者は
「景気サイクルの終りにこれほど近い時期になっても経済に耐性があることが示された。これにより市場でリスク選好度が高まっている」
とコメントを述べています。
また、2019年10月の中国PMIが51.7と、約2年半ぶりの高水準となったことも市場心理の支援要因となったようです。
ISMの10月の製造業景気指数は48.3とふるいませんでしたが、雇用統計が好調だったことで大きく意識されませんでした。
先進国・その他の状況この半年内にアメリカの10年金利が急騰?
アメリカの株価は上昇する一方で、アメリカの10年債利回りは急騰する可能性があると、大手金融機関が予想しています。
FOMCが「保険」として実施した利下げに対する市場の反応は、これまでのところ1990年代半ばの展開に極めてよく似ていようです。
あるレポートによれば、
「市場が1995年のサイクル半ばに起きた展開と同じ道をたどり続けるのであれば、向こう6カ月に株価は5%程度の小幅上昇となるだろうが、米10年債利回りは1%くらい上昇し、利回り曲線はスティープ化すると示唆される。ドルやクレジットのスプレッドはほぼ変わらない」
との事です。
invstem.com
このレポートを発行した金融機関によると、
- 雇用や消費者景況感が底堅いこと、
- 製造業の回復などサイクル半ばの動きにマクロ経済が全体として外れずにいること
が前提となるようです。
マーケットの予測・見込み記事のまとめアルゼンチンの次期大統領、アメリカとIMF融資について協議
2019年11月1日、フェルナンデス次期大統領はトランプ米大統領と電話会談し、IMFとの債務問題について協議したようです。
フェルナンデス氏はIMFに対する債務繰り延べを主張していて、最大の出資国であるアメリカに理解を求めていく考えです。
IMFの対アルゼンチン融資の背景
IMFの支援はマクリ氏がトランプ氏に協力を要請し、アメリカが融資実行を後押しした経緯があります。
新しい政権はアメリカよりも中国寄りだとして、市場ではアルゼンチンが再びデフォルトを気にしています。
フェルナンデス氏は
「アメリカとの成熟した、心のこもった関係を維持したい」
とSNSに投稿し、IMFによる融資の判断に影響力を持つアメリカを敵視しない姿勢をアピールしています。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2019年10月のアメリカの雇用統計、堅調で利下げ停止論を後押し
2019年11月1日発表された10月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比12万8千人増えました。
予想対比でどうか
市場予測(約9万人増)は上回りました。貿易戦争の逆風下でも雇用は底堅さを保っており、FRBの利下げ停止論を後押しするかもしれません。
この数値は適切な決定をしたという安心感をFRBに与え、今後数カ月にかけて状況が悪化しない限り、金利は当面据え置かれるのかもしれません。
因みに前月対比では、自動車関連のストで減速していますが、低調な設備投資や貿易を巡る緊張にもかかわらず、個人消費のけん引で過去最長の景気拡大がなおも継続する可能性が示されたと言えるかもしれません。
ストライキの影響
2019年10月はGMのストがあった影響で、自動車部門の就業者数が前月から約4万2千人減少しました。
このストライキは10月25日に終結していますが、雇用統計では失業者として扱っています。
アメリカの金融政策の経緯とまとめWTOが中国の対米報復関税を認める方向
2019年11月1日、WTOは中国が米国に対し年間最大で36億ドルの報復関税を課すことを認めました。
今回の判断を受けて中国が報復関税を発動すれば、米中貿易戦争が一段と激化するのは必至です。
中国は年70億ドルの報復関税を求めていましたが、WTOはその半額程度が妥当と判断したようです。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月米中貿易交渉、第一段階における閣僚級交渉で進展
2019年11月1日、米中両国は閣僚級の高官が貿易・投資問題の部分合意に向けて電話で追加協議し、「農業、金融サービスなどで大筋合意した」としました。
残る問題
知的財産権の保護を巡ってはなお隔たりが残っているようです。
米中は11月中に首脳会談を開いて部分合意の署名を交わすとしていますから、詰めの協議を急ぎます。
ただ、中国は米中が「原則コンセンサス」に達したと説明し、アメリカはこれより若干慎重な評価を下しながらも、交渉で進展があるとしています。
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月
コメントを残す