このブログは、
- 相場に左右されずに
- 気長に忍耐強く
新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。
特に、
- これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
- 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方
を想定しています。
筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして7年くらいです。
ずっと投資し続けています。
このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2020年5月に起きた出来事をひとまとめにしている記事です。
各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。
また、別の時期のイベントを確認したい場合は↓をご確認ください。
参考 月次まとめ一覧へのリンクこの記事の日付は、その出来事が起こった日(現地時間)を原則としてします。
2020年5月31日 ブラジルの第1四半期GDP
ブラジルの1-3月のGDPは▲1.5%
ブラジルの1~3月期の実質経済成長率は前期比1.5%減で、5四半期ぶりのマイナス成長となったようです。
国内経済への直接的な影響は限定的でしたが、輸出低迷に引きずられる形で製造業・サービス業ともふるいませんでした。
回復途上にあった家計消費も低迷していて、新型コロナの影響が出始めています。
家計消費は13四半期ぶりにマイナスです。
中国のPMI、輸出不振で低下
2020年5月31日発表された2020年5月の製造業のPMIは、前月比0.2ポイント低い50.6でした。
拡大・縮小の節目となる「50」は3カ月連続で上回りましたが、水準は2カ月連続で下がりました。
背景は輸出不振と考えられます。
需要不足、特に海外の需要が弱く、それが生産の足かせとなっているという事です。
2020年5月30日 インド、経済再開へ舵
インド、経済再開に舵を切る
2020年5月30日、政府は6月1日以降に大半の経済活動を段階的に容認する方針を示しました。
新型コロナウイルス感染者の多い地域は除くものの、第1段階として6月8日からホテルやショッピングモールなどが営業開始可能となります。
2020年5月29日 インド、トルコのGDP
インドの1-3月期のGDPは8年ぶりの低水準
2020年5月29日に発表された1-3月期のGDPは前年比3.1%増となしました。
コロナウイルスに伴う影響があったものの、プラスは維持しました。
エコノミスト予想は2.1%増で上回りましたが、伸び率は8年ぶりの低水準となりました。
前年同期は5.7%増、同10ー12月期の4.1%増でした。
ロックダウン措置により、データ収集が影響を受けているため、1ー3月期のGDP成長率は下方改定される可能性があるようです。
また、統計・計画実施省はこの日、今年度(2021年3月31日まで)のGDP成長率見通しを従来の5%増から4.2%増に引き下げました。
【最新】インドの統計、データに関するまとめトルコ、1-3月の経済成長はプラスを維持
トルコ経済は1-3月(第1四半期)はプラス成長を維持したようです。
新型コロナウイルス感染拡大の厳しい影響はありましたがマイナス成長は免れました。
1ー3月GDPは前年同期比4.5%増となりました。
予想中央値は4.9%増でした。
昨年10-12月(第4四半期)は6%、1-3月GDPは前期比0.6%増でした。
トルコの経済データのまとめ原油価格、5%上昇
2020年5月29日、原油先物価格が5%上昇しました。
5月の米原油先物は月間として過去最大の上昇となりました。
米中の緊張が高まっても通商合意に影響しないという見方や減産への期待を受けました。
清算値はWTI先物の7月限CLc1が1.78ドル(5.3%)高の1バレル=35.49ドル。
北海ブレント先物7月限LCOc1は0.04ドル高の35.33ドルです。
【最新】原油・資源関連ニュースのまとめ2020年5月28日 中国全人代が終了
中国全人代が閉幕
22日から始まっていた中国全人代が28日に閉幕しました。
詳細は以下をご参照ください。
【2020年3月】中国全人代のまとめアルゼンチン政府が新提案
2020年5月28日、アルゼンチン政府は650億ドル規模の債務再編について修正案を発表しました。
返済期限をやや前倒しし、(大半の国債についてクーポンの支払いを2023年から2022年)、猶予期間を2年間に短縮する、というものです。
アルゼンチンのグスマン経済相は、債務再編交渉について、6月2日の期日を控えて進展しているとの声明を発表しています。
ただ、合意を締結して法廷闘争を回避するには、まだ作業が必要との事です。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2020年5月27日 格下げリスク予備軍が過去最高
格下げリスクのある会社や国の数が過去最高
S&Pによると、新型コロナウイルスのパンデミックにより、信用格付けに引き下げリスクがある国や企業の数が過去最高に達したようです。
S&Pの格付け対象のうち、2年以内に格下げされる可能性がある「ネガティブ」や、格下げの方向で見直している「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」が付されている発行体数は、5月下旬時点で合計1287に達しているようです。
新型コロナの影響により既に700近い発行体が格下げされていますが、それでも1300弱の数が引き続き格下げリスクにさらされており、これは2009年の金融危機時に記録した1028を上回っているという事です。
2020年5月26日 アルゼンチンがデフォルトに格下げ
アルゼンチンをデフォルトに格下げ
2020年5月26日、S&Pはアルゼンチンの外貨建て債務の格付けについて、デフォルトを示す「D」に格下げしました。
フィッチも同日、外貨建ての長期債務を部分的なデフォルトを示す「RD」に格下げしています。
国債の利払い停止をうけた措置で、債務再編交渉の結果次第では市場からの資金調達が難しくなりそうです。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2020年5月25日 人民元基準値が12年ぶり安値
人民元基準値が12年3か月ぶりの安値
2020年5月25日、中国人民銀行は人民元取引の基準値を12年3カ月ぶりの安値となる1ドル=7.1209元に設定しました。
相場実勢に追随し、政府による元安容認といえるでしょう。
香港を巡ってアメリカが制裁を示唆したり、米中貿易摩擦の激化が懸念される等、米中関係が緊張しつつある中、アメリカをけん制するため元安カードをちらつかせたとの受け止め方がなされています。
中国人民元の動きの経緯とまとめ2019年5月~2020年5月23日 社債での資金調達が最高
アルゼンチン、9回目のデフォルト
2020年5月22日が支払期限だった5億ドル規模の国債の利払いは行われず、5月23日に形式的なデフォルト状態となりました。
債権団とは6月2日まで交渉を続けるが合意できるかは不透明です。
債権者との流動的な交渉が続く中、債務再編案を修正することを検討していると、グスマン経済相は明らかにしていました。
アルゼンチンのデフォルトは6年ぶり9度目です。
新型コロナウイルスの流行が追加の打撃となってしまいました。
グスマン経済相は債権団が提示した対案は当初案よりも良いものの、アルゼンチン政府が持続可能と見なす内容にはなおほど遠いと指摘しています。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)世界の社債発行、最高に
世界の企業の2020年4月の社債発行額が6314億ドルと過去最高を更新しました。
日米欧の中銀は資金繰り支援策として社債購入を拡大しています。
新型コロナウイルスの感染拡大で売上高が急減する中でも、多くの企業は調達コストを大きく増やさず資金を確保できています。
調査によれば、4月の発行額は1980年以降で最高で、過去10年の月間平均の2.2倍です。
また、世界の主要企業約1万4000社の3月末の有利子負債は約38兆ドルと、1年間で2.7兆ドル増えているようです。
【最新状況】各国の統計・データのまとめ2020年5月22日 インド緊急会合で利下げ
インドが政策金利を年4%に
2020年5月22日、インドは政策金利を0.4%引き下げて年4%とすることを決めました。
中銀は6月3~5日に金融政策決定会合を開く予定でしたが、20~22日に前倒しで開催しました。
利下げは3月に続き2回連続となります。
企業や個人が資金繰りに窮して倒産するのを防ぎます。
また、ダス総裁は2020年度(20年4月~21年3月の経済成長率がマイナスになるというコメントもしました。
民間でもインドがマイナス成長に陥るとの予測が増えている。
アルゼンチン、債務再編交渉の延長を債権団も認める声明
2020年5月22日、ブラックロックやフィデリティなどで構成する債権者団はアルゼンチン政府の求める債務再編交渉の延長を認める声明を発表しました。
一方で、同国政府が求める債務減免幅や支払い猶予期間は正当化できないと強調し、過剰な要求を見直すよう求めました。
声明を発表したのは「アドホック債権者グループ」で、アメリカとヨーロッパの機関投資家が名を連ねています。
合計で167億ドル分のアルゼンチン国債を保有しています。
尚、アドホック以外の債権者団も交渉期間の延長に合意しているようで、実際にデフォルトしても、2001年のデフォルト後のような法廷闘争は当面は避けられる見通しだという事です。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2020年5月21日 トルコが利下げ
トルコが0.5%の利下げ
2020年5月21日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を0.5%下げ、8.25%としました。
利下げは9会合連続です。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済悪化があるとはいえ、拙速な利下げで通貨リラは年初から対ドルで1割超下落しています。
リラ防衛のため、金融監督当局は外国市場でのリラ取引や金融機関の情報発信の制限に動きますが、外国からの資金流入を細らせる懸念は拭えません。
中央銀行はインフレは短期的に若干高まる可能性があるものの下期には需要面からのデフレ効果が優勢になるとの見通しを示し、利下げを正当化しました。
トルコの金融政策の経緯とまとめアルゼンチン、債務再編交渉を延長要望
2020年5月21日、アルゼンチン政府が期限の債務再編交渉を延長する方針を固めたようです。
国債を保有する米欧の投資家との交渉が難航する中、6月末まで交渉期限を延ばすようです。
5億ドルの国債の利払いをしないことで、デフォルトを確定させ、交渉を続ける戦略のようです。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2020年5月20日 原油市場に反転の兆し
原油市場に反転の兆し?
アメリカの石油需要がロックダウンが解除されつつある中で上向き始めているようです。
石油業界関係者の間には、市場は底を打ったとの期待が広がっているようです。
主要国が着実にロックダウン解除を進めていけば、世界の石油消費の落ち込み幅は、4月上旬の2500万-3000万バレルから、6月末までに1200万-1500万バレルに縮小する見込みです。
7月初めまでには、OPECプラスが生産抑制を続けてアメリカシェールオイル生産が減少基調のままであれば、世界の石油消費は生産を上回ると思われます。
このシナリオの下では、世界の石油在庫は第2・四半期にピークをつけ、第3・四半期に相当程度減少し始めます。
もちろん、コロナウイルス第二波がない前提とはなりますが。。。
【最新】原油・資源関連ニュースのまとめ2020年5月19日 調子良いナスダック
インドネシア、金利を予想外に据え置き
2020年5月19日、インドネシア銀行は予想外に政策金利を据え置きました。
大方のエコノミストが、悪化する経済を支えるため中銀が追加緩和を行うと見込んでいました。
先月の会合でも金利は据え置かれていました。
政策金利である7日物リバースレポ金利は2カ月連続で4.5%に維持されました。
多くのエコノミストは0.25ポイントの利下げを想定していました。
インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~ナスダック、年初来騰落率がいち早くプラスに
新型コロナウイルスの影響で世界の株価が大きく下落した中、アメリカのナスダック総合指数の年初来騰落率が世界の主要株価指数の中でいち早くプラスに転じました。
ナスダック総合指数の持ち直しをけん引したのは、同指数の時価総額構成比上位を占め、GAFAMと呼ばれる巨大IT企業5社、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトで、各社の株価の年初来騰落率は約3~29%の上昇となっています。
新型ウイルスの感染拡大に伴ない、自宅で過ごす時間が伸びた事で、彼らのサービス利用が増えると考えられたためです。
また、こうした巨大IT企業以外にも、バイオ医薬品やビデオ会議システム、画像処理半導体、動画配信サービス、電子決済を手掛ける企業などの株価が大きく上昇しています。
なお、同指数の産業構成比は、テクノロジーが約50%で最大、一般消費財・サービスが約20%で第2位、ヘルスケアは約10%で第3位となっています。
一方、石油・ガスは僅か0.3%程度にとどまり、原油価格が大幅に下落した影響が限定的だったことも、ナスダック総合指数の相対的な好パフォーマンスにつながりました。
ナスダックは世界最大の新興市場とも呼ばれるだけに、次代をけん引するような「次のGAFAM」の登場に期待する投資家も多いとみられます。
先進国・その他の状況2020年5月18日 EUが60兆円の基金
欧米債権団がアルゼンチンに対案を提出
アルゼンチン政府と、米欧の債権者団による債務再編協議が大詰めを迎えています。
政府案を拒否した3つの機関投資家グループは5月18日までに対案を提出したようです。
投資家側がアルゼンチン政府の再編案を拒否したことから、政府側は対案の提出を求めており、これに応じたものです。
アルゼンチンのデフォルトが確定するまでの利払い猶予期間が22日に終わりますが、両陣営が期限までに妥協案をまとめられるか依然不透明です。
具体的内容についてはよく分かっていません。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)EU、対コロナウイルス対策で60兆円共通債務
2020年5月18日、メルケル独首相とマクロン仏大統領はテレビ会議で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた欧州経済の復興のため、5000億ユーロ規模の基金を設立することで合意しました。
EU全体で借金をしてイタリアなどへの補助金に回す仕組みで、EUが債券市場から資金を調達し、被害の多い国や分野に回していきます。
ドイツがこれまでの反対を取り下げ、共通債務の枠組みを支持したのは、コロナ宇井売る問題を前に揺らぐ欧州の結束を取り戻す狙いがありそうです。
EUは4月に雇用維持や企業の資金繰り支援を中心とした5400億ユーロの経済支援をまとめていましたが、低利融資などが中心で、新型コロナの被害が深刻なイタリアなどの支援には不十分との指摘がありました。
金価格が一時7年ぶりの高水準に
2020年5月18日、金現物価格は一時、約7年ぶりの高水準に上昇しました。
金スポット価格は一時1.2%高の1オンス=1764.73ドルと、2012年10月以来の高値を付けました。
FRBが新型コロナウイルスの感染拡大で株式などの資産価格が大幅に下落する恐れがあるとの見方を示し、パウエル議長は米経済の回復過程が2021年の終わりまで長引く可能性を指摘した事が影響したと見られます。
新型コロナで経済成長が落ち込み、市場が混乱し、各国政府・中央銀行が大規模な刺激策を打ち出す中、金価格は今年16%上昇しています。
最近では、アメリカでマイナス金利が導入されるのではとの観測も金価格を後押ししています。
NYダウが911ドル上昇
2020年5月18日、アメリカ株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、終値は前週末比911ドル(4%)高の2万4597ドルとなりました。
約3週間ぶりの高値をつけ、上げ幅は一時1000ドルを超えました。
バイオ医薬ベンチャーのモデルナが同日、新型コロナウイルスワクチンの初期の治験で、有望な結果が出たと発表し、ワクチン開発の進展が好感されて全面高の展開となりました。
マーケットの急落・急騰についてのまとめ2020年5月17日 インド、3度目のロックダウン延長
新興国でビットコインの需要が急増
新型コロナウイルスの感染拡大で新興国からの資金流出が続くなか、ビットコインへの需要が高まっているようです。
アルゼンチンなど資本規制で外貨が入手しづらい国ではドルに代わる資金逃避先として購入が相次いでいるようです。
2017年末のバブルのような盛り上がりは欠くものの、自国通貨が不安定な地域では資産として着実に浸透しつつあり、新しいトレンドが出来るのかもしれません。
暗号通貨(仮想通貨)、デジタル通貨の動向のまとめインド、3度目のロックダウン延長で経済回復の途は長い
インドがロックダウンの3度目の延長を余儀なくされ、経済回復への道筋は引き続き厳しそうです。
人口密度の高いスラムや出稼ぎ労働者の帰郷、宗教関連の集会などで拡大が止まらず、感染者数は中国を超えアジア最大になってしまいました。
政府は20兆ルピー(28兆円)規模の経済対策を打ち出したものの、封鎖が長引く中で経済の下支えにどれだけ効果があるかは不透明になっています。
インドの経済・財政政策のまとめ2020年5月16日 新型コロナが米中摩擦を激化
新型コロナで米中関係貿易協議は苦境に
新型コロナが世界的健康危機を引き起こし、世界経済が深刻な不況に陥る中、米中関係に関しては最悪のシナリオが全て復活する様相を呈しています。
米中は複数の分野で論争をエスカレートさせており、米中の対立激化を防ぐための数少ない成果である第1段階の貿易合意についても危機に瀕しています。
11月にのアメリカ大統領選挙を控えて対立はさらに表面化する可能性が高いと思われます。
トランプ大統領は新型コロナ感染拡大で再選の可能性が損なわれる中、今回の混乱を巡り中国を非難しています。
民主党候補のバイデン前副大統領や議会、複数の州もこれに同調しています。
一方で習政権は、輸出鈍化と失業増加を受け数世代で最悪の景気悪化に見舞われる中で国家主義的な姿勢を強めています。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ2020年5月15日 イギリス・EUとの交渉も難航
EUとの交渉、進展なし
2020年5月15日、今週行われた英・EUのFTAなどの将来関係を巡る3回目の交渉が平行線に終わったと発表されました。
1月末の離脱以降、双方はほとんどのポイントで歩み寄れていない状況です。
5月15日、バルニエEU首席交渉官は合意を楽観していないとし、合意不成立に終わる可能性を初めて示唆したほか、イギリス側の交渉責任者を務めるデービッド・フロスト氏っも、合意に向けほとんど進展していないと認めました。
ポンドは今月に入ってからの騰落率がG8通貨のうち最低で、ドルに対しては15日に5営業日連続で下落し、一時3月25日以来の安値を付けました。
次回の6月初旬の交渉が山場となりそうです。
【最新】BREXIT(ブレグジット)の影響の経緯とまとめアジア開銀、世界経済の損失が最大8兆8千億ドルになると試算
2020年5月15日、ADBは新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済に最大で8兆8千億ドルの損失が生じる可能性があるとの試算を発表しました。
世界のGDPの9.7%に相当します。
4月時点では最大4兆ドルと想定していましたが、その後の感染状況などを踏まえて見直しました。
ADBは各国が政策対応を続ければ、最大5兆4千億ドルに抑えられるとして、財政や金融面での持続的な取り組みの重要性を強調しています。
IMF、OECD経済・景気関連レポートに関するまとめアメリカ、ファーウェイの制裁強化
2020年5月15日、アメリカはファーウェイに対する事実上の禁輸措置を強化すると発表しました。
外国で製造した半導体でも米国製の製造装置を使っていればファーウェイに輸出できなくなります。
半導体メーカーの製品輸出が難しくなり、ファーウェイの経営には大きな打撃となりそうです。
中国の反発は必至で、米中貿易協議にも影響が出るでしょう。
中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動きブラジルの保健大臣が再び辞任
2020年5月15日、ブラジルのタイシュ保健相が辞任を表明しました。
新型コロナウイルス危機が始まってから保健相の退任は2人目です。
中南米で最も深刻なコロナウイルス感染状況となる中、ブラジルの危機対応を巡る混乱は一層深まる可能性があり、目が離せません。
2020年5月14日 メキシコが利下げ
メキシコが0.5%の金利を引き下げ
2020年5月14日、メキシコ銀行は政策金利を0.5%引き下げて5.5%にすることを決めました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済落ち込みに対応しました。
利下げは8会合連続です。
次回会合は6月に予定されていますが、金融市場では利下げ継続を見込む声が多いようです。
【最新】メキシコの金融政策についてのまとめと経緯IEAの報告を受け、原油先物が9%高
2020年5月14日、原油先物価格は大幅に上昇しました。
IEAが、世界の原油在庫は今年後半に減少すると予想したことを受けて大幅に上昇しました。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大第2波への懸念も残っており、このトレンドが続く可能性は限定的です。
清算値は北海ブレント先物LCoc1が1.94ドル(6.7%)高の1バレル=31.13ドル。WTI先物CLc1は2.27ドル(9%)高の27.56ドルでした。
IEA、20年の石油需要を上方修正
2020年5月14日、IEAは石油市場月報で、2020年の世界の石油需要予測をやや上方修正しました。
前年比で日量860万バレル減と、4月の前回より70万バレル引き上げました。
新型コロナウイルスによる経済活動の低迷で過去最大の需要減になる見通しは変わりませんが、欧州などで取られ始めた移動制限緩和の動きを織り込んだものです。
【最新】原油・資源関連ニュースのまとめ2020年5月13日 インドが新規経済政策を発表
フィリピンの2020年のGDP予想は▲2~3.4%
2020年5月13日、フィリピン政府は今年のGDP成長率が2~3.4%になるとの予想を発表しました。
新型コロナウイルスのパンデミックを受けて下方修正しました。
ドミンゲス財務相が数週間前に示した今年の見通しは1%減でした。
予測通りなら、この30年余りで最大の落ち込みとなります。
フィリピン開発予算調整委員会は、新型コロナ感染拡大が同国経済に及ぼす影響が今年2兆ペソ(約4兆2600億円)に上るとの見方を示しました。
これはGDPの約10分の1に当たる水準です。
また、巨額の政府支出により財政赤字は対GDP比最大8.1%に膨らむと予想しました。
その一方で、来年は7.1-8.1%のプラス成長に戻る可能性があるとしました。
フィリピンペソ・フィリピン株への投資 考えるべきポイントインド、28兆円規模の経済政策を数日にわたって発表
2020年5月13日、インド政府は20兆ルピー規模(約28兆円)の経済対策の具体策を示しました。数日にわたって内容を公開していくようです。
地場製造業や農業の振興を柱として、インド国内で競争力の高い商品を造るためにサプライチェーンを整備するという方針です。
初日は中小企業や建設業、ノンバンクの資金繰り対策を打ち出しました。
モディ首相の12日の演説によれば、国内に新しい供給網や市場を構築し、財源はインフラやITを活用した最新のシステムに投じ、土地や雇用、税制を巡る硬直的な法体系も見直すとしています。
インドの生産性は中国やタイの4分の1から5分の1と低いとの指摘もあり、このままでは大規模な経済対策を打ち出しても、外資を誘致できる保証はありません。
モディ氏の青写真通りに経済を底上げできるかどうか注視していく必要がありそうです。
インドの経済・財政政策のまとめアメリカの年金基金、中国株への投資を見合わせ
2020年5月13日、アメリカの連邦職員向けの年金基金が中国株への投資開始計画を取り下げました。
トランプ政権からの圧力によるものとされています。
対中強硬派には中国企業の米上場を阻止する動きがあり、規制当局も監視を強めています。
貿易と先端技術の争いが金融にも及ぶと、資金の流れが滞り、景気回復の足かせになるかもしれません。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ2020年5月12日 ビットコインの供給量が半減
ビットコインの供給量が半減
2020年5月12日、ビットコインの供給量が半分となります。
市場への供給量は当初の8分の1まで減少し、需給の引き締まりを想定した投資家の資金が流入しています。
世界の中央銀行が貨幣を増発するなかで、インフレへの抵抗力が高い資産として見直されている面もあるようです。
世界の中央銀行が新型コロナウイルスの経済への影響を抑えようと金融緩和に走り、法定通貨の供給を増やしていますが、そうすると理論的には貨幣の価値が下がり、物価が上昇するインフレになりやすくなります。
逆に新規供給が減少し続けるビットコインは貨幣価値が上がりやすくなるとの見立てです。
70年代は主要国はインフレの高進に苦しみ、金価格が上昇しました。これと同じことがビットコインにも起こると考えているマーケット関係者がいるのです。
暗号通貨(仮想通貨)、デジタル通貨の動向のまとめ中国、79品目の対米関税免除を発表
2020年5月12日、中国政府はフライトレコーダーやレアアース鉱石などアメリカ製品79品目にかけている追加関税を免除すると発表しました。
追加関税を下げることで、中国は米国製品の輸入拡大に前向きな姿勢を訴える狙いがありそうです。
79品目の大半は2018年9月に5%か10%の追加関税をかけ、19年6月にさらに税率を上げた商品です。
その前日にメディアを使った牽制をするなど硬軟織り交ぜて対応しているようです。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ原油、7月にも需要超過?
2020年5月12日、アメリカエネルギー情報局は最新の月報を公表し、7月にも石油が需要超過になるとの見通しを発表しました。
OPECプラスなどによる減産や今後の世界経済の回復が織り込まれ、世界の原油需給バランスは足元の「供給超過」の状態から今年7月に「需要超過」に転じる見通しが示されています。
また、OECD加盟国の商業用原油在庫も今年6月をピークに7月から減少に転じる見通しになっています。
【最新】原油・資源関連ニュースのまとめボルソナロ大統領の汚職疑惑でレアルが最安値を更新
2020年5月12日、レアルが対ドルで前日比1.1%安の1ドル=5.88レアルで取引を終え、ブラジル市場の終値で最安値を更新しました。
ボルソナロ大統領が家族のために警察人事に介入した証拠が出たと地元メディアで報じられ、通貨安が進みました。
新型コロナウイルスによる1日の死者数も過去最多を記録し、政治や経済の混乱が嫌気されています。
レアル投資家にとって受難の状況が続きます。
【最新】ブラジルレアルの動きのまとめOPECプラス、6月以降も現行の協調減産を継続
2020年5月12日、OPECプラスが6月以降も現行水準の協調減産を継続する意向であることが分かりました。
OPECプラスは4月、日量970万バレルの減産を5月と6月に実施することで合意しています。
7月から12月までは減産幅を日量770万バレルに縮小するものの、協調減産は2022年4月まで継続されることになっています。
フィリピン、16日から外出禁止を一部緩和
2020年5月12日、フィリピン政府は15日に期限を迎えるマニラ首都圏などの外出・移動制限措置を16日から一部緩和すると発表しました。
制限そのものは31日まで延長しますが、業種や人員を限って工場の操業を認めるというものです。
今回の制限緩和は、地域によって異なります。
感染者が比較的多いマニラと隣のラグナ州、中部セブ市は、緩和を一部にとどめますが、マニラ、ラグナ州を除く北部ルソン島の大半の地域などでは、制限をさらに緩和します。
フィリピンの経済政策の経緯とまとめ2020年5月11日 トルコ、欧米3行との取引禁止を解除
トルコ、欧米3行との取引禁止を解除
2020年5月11日、トルコ当局は、国内の銀行にシティグループ、UBSグループ、BNPパリバとリラ取引を行うことを禁止していた措置を解除しました。
禁止措置は5月7日に実施されたばかりでしたが、為替市場以外にも影響が広がり、数日で撤回されました。
背景
当局は、シティとUBS、BNPがリラ債務要件を満たしていないとして、3行とのリラ取引を5月7日から禁止していました。
しかし、これが海外投資家のトルコ金融市場への印象を不必要に悪化させていました。
政権の中でも国際協調を重視する一部の人々が、金融市場への外国の関与を攻撃しても何も得られないとトルコ当局を説得したのかもしれません。
2018年の通貨危機以来、トルコ当局は外国人投資家の流動性に対するアクセスを制限し、リラ売りのトレーディングをいっそう難しくしてきました。
しかし、トルコが自由市場原則を放棄するのではとの疑問を投資家が持つようになり、資本流出に拍車を掛けてきました。
トルコの経済・財政問題と政策についてのまとめ2020年5月10日 中国が外資を排除
中国、外資の排除を進める
中国はIT機器とデータの両方で、独自の経済圏を構築しようと外資の排除色を強めています。
アメリカ企業の締め出しに踏み切れば、アメリカが反発する可能性は極めて高いでしょう。
中国批判を強めるトランプ大統領の対中政策などに影響が出て、大統領選の行方を左右する可能性もありそうです。
中国は既に地方政府や国有企業のIT機器調達において、先行して外資系企業の排除を強めています。
現在は一部の地方都市で試験導入しており、今後全国に広げる予定のようです。
1~2年前から政府調達の推奨企業・製品リストの作成を始めており、それに基づいたもののようです。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ2020年5月8日 雇用統計は戦後最悪の失業率
4月の失業率は戦後最悪
2020年5月8日発表の4月の雇用統計は、失業率が戦後最悪となる14.7%に急上昇し、就業者数も前月から2050万人減り、過去最大の減少となりました。
ADP雇用統計と同じで新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動がほぼ停止した影響によるものです。
労働省は働いていなくても就業者と見なされる「隠れ失業者」が多数いたと認めており、実際の失業率は20%近くに達した可能性があると明らかにしています。
ポイント
- 失業率は前月(4.4%)から10.3ポイント上昇
- 失業者数は714万人から2308万人に急増
- 失業率はリーマンショック時(09年10月、10.0%)などを超え、大恐慌直後の40年以来、80年ぶりという歴史的な水準に悪化
景気動向をもっとも反映する非農業部門の就業者数は、前月から2050万人減少しました。
今回の特徴をもう一つ加えると、女性と人種的マイノリティーが大きく影響を受けた、という事です。
女性の失業率は15.5%(前月4%)に跳ね上がり、男性を9ポイント上回りました。
また、人種別では、黒人・アフリカ系米国人で16.7%、ヒスパニック・ラテン系が18.9%。一方で白人は14.2%でした。
ただ、4月の統計では、失職者のうち現在の職場への復帰を前提とした「一時解雇・帰休」が78%となっており、通常時が10%台前半に過ぎない事を考えれば、早期の再就労が可能な一時的な離職者が極めて多いことを示しているとも言えます。
コロナ危機を短期で収束させれば、雇用悪化に歯止めがかかる可能性があります。
アメリカの金融政策の経緯とまとめIMF、世界経済見通しの下方修正を検討
2020年5月8日、IMFのゲオルギエワ専務理事は世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスを巡る不確実性が高いとして、世界経済の見通しを下方修正する可能性を示唆しました。
同時に、米中貿易戦争が再燃すれば、コロナ禍からの回復が遅延すると警告した。
IMFは4月に発表した最新の世界経済見通しで、2020年の世界の成長率は3.0%落ち込むと予想していました。
ゲオルギエワ専務理事は、多くの国の最近の経済指標はすでに悲観的な3%のマイナス成長予想を下回っていると指摘し、それに伴ってIMFの予想も下方修正せざるを得ないと示したものです。
IMF、OECD経済・景気関連レポートに関するまとめ2020年5月7日 トルコリラ、トルコショック時を超える安値
トルコリラが最安値を更新
2020年5月7日、リラの対ドル相場が一時前日比0.9%安の1ドル=7.2リラ台に下落し2018年の通貨危機「トルコショック」時の最安値を下回りました。
リラを買い支えようとする中央銀行の外貨準備は急減しており、トルコはアメリカなど主要中銀との通貨スワップ協定の締結を目指していますが上手くいくかは分かりません。
対米関係でも対欧州でも決して外交的に上手くいっているわけではないので、マーケットも懸念しているでしょう。
年初からのリラの下落率は5月時点で18%に達しています。
5月6日にはアルバイラク財務相が投資家らとの電話会議で2020年のプラス成長見通しなどを語りましたが、リラ売りは止まりませんでした。信用されてないという事でしょうか。
市場操作を巡る規制を強化した事も一因
同日、トルコの銀行監督当局は、金融市場で操作的と見なされる取引の範囲を拡大しています。
通貨リラが対ドルで最安値を更新する一つの要因となったと思われます。
銀行調整監視機構の新たな規制によれば、「誤解を招く価格」をもたらしたり、資産価格を「異常もしくは不自然な」水準に維持する結果となった銀行取引は今後、操作的とみなされるようです。
トルコでは今年2月にインサイダー取引や市場操作に関する罰則を強化し、刑期を延長する法律が成立しましたが、今回はこれを補完するものです。
今回は外為や金利を含む広範な資産が新たな規制の適用対象となるようです。
加えて低い流動性を利用した取引や、CDS取引でも特に急激な価格変動を利用したものを今回のリストに加えたようです。
フィリピンの第1四半期のGDPは▲0.2%
2020年5月7日発表の2020年1~3月期のGDPは前年同期比0.2%減でした。
マイナス成長は四半期ベースではアジア通貨危機後の1998年10~12月期以来となります。
新型コロナウイルスの感染拡大抑止のためのロックダウンの影響です。
市場予想の平均値は2.9%増でしたが、大幅に下回りました。
今回から基準年を従来の2000年から18年に変更し、過去の数値も見直しています。因みに、19年10~12月期のGDPは前年同期比6.7%増でした。
国家経済開発庁のチュア長官代行はオンラインでの記者会見で、7~9月のGDPはさらに悪化する可能性もあるとコメントしています。
20年通年については横ばいか、ややマイナスになるとの見方も示しました。
エコノミストも、経済成長率が今後さらに悪化すると予想しており、特にロックダウンの影響で内需が大きな打撃を受けるとの見方をしています。
第2四半期は更に悪化するでしょう。
チュア氏は経済を正常化させるため、数週間以内に景気刺激策をまとめたいと、経済対策策定に取り組んでいる事に言及しました。
2020年5月6日 ブラジル、0.75%の利下げ
ブラジルが予想を上回る0.75%の利下げで政策金利は3%
2020年5月6日、ブラジル中央銀行は政策金利を0.75%引き下げ、過去最低の年3%としました。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済が縮小する中、市場予想を大きく上回る利下げを行って経済の下支えをします。
利下げ幅は2017年10月以来の大きさです。
一方で、通貨レアルは軟調で資金流出が加速する可能性があります。
市場では前回会合と同様の0.5%引き下げを予想する声が強かったようですが、中銀は経済活動の収縮が前回会合に比べ著しく大きく、また3月の物価上昇率が年率3.3%と低水準だったことから、大幅利下げを行ったようです。
また、追加の利下げも示唆しました。
中銀は、
「委員会は次回会合に向けて、財政シナリオと経済指標次第では、今回よりも小幅な金融緩和を検討する」
とコメントしています。
ただ、マーケット関係者は、成長とインフレの見通しを考慮すると、次回会合も75bpの利下げになると考えている人も多いようです。
加えて、中央銀行が気にするのは政権と議会などが対立する今のブラジルの政治状況でしょう。
このままの状況だと期待される将来の構造改革に不安がよぎります。
格付け会社フィッチが見通しを引き下げた背景には財政改革への不安があるわけですから、ブラジル中銀としても、慎重な利下げスタンスを選択する必要があると思われます。
【最新】ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~アメリカの雇用が2000万人減
2020年5月6日、アメリカの民間雇用サービス会社ADPが発表した4月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数は前月から2023万6千人減少しました。
新型コロナウイルスによる経済活動の封鎖によって、統計がある02年以降で最大の落ち込みとなりました。
3月時点のアメリカの労働力人口は1億6300万人で、1カ月で8人に1人が職を失ったことになります。
4月の雇用統計は5月8日に発表されますが、市場はADP調査と同じく2000万人程度の雇用減を予測しています。
リーマンショック時は2009年3月の80万人減が最大のおちこみでしたが、その25倍もの悪化幅が見込まれます。
業種別にみると、「レジャー・接客業」が861万人減と過去例のないマイナス幅となったほか、「商業・運輸・公共サービス」も344万人減、建設業は248万人減、製造業も167万人減となりました。
【最新状況】各国の統計・データのまとめ2020年5月5日 インドネシアの第1四半期は+2.97%
北海ブレント、1バレル30ドルを回復
2020年5月5日の原油先物市場で、北海ブレントが4月15日以来の1バレル=30ドルを付けました。WTI先物6月限も前日比で一時20%を超える上昇となっています。
WTI原油期近物は先週10ドル付近で取引されていましたが、生産抑制が効果を表す中で価格が2倍以上になりました。
OPECプラス等が合計で日量970万バレルの減産を約束する一方、エクソンモービルなどアメリカの石油大手は6月末までに合わせて日量66万バレルの減産を計画している事が影響していると思われます。
【最新】原油・資源関連ニュースのまとめインドネシア、第1四半期のGDPは+2.97%
2020年5月5日発表のインドネシアの2020年1~3月期GDPは、前年同期比+2.97%でした。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞で、2019年10~12月期の4.97%から急速に鈍化しました。
これは統計が残る2001年以降、最低の記録です。
GDPの約58%を占める家計消費は2.84%増と、5.02%だった2019年1~3月期に比べて小幅にとどまったほか、GDPの約32%を構成する投資も+1.7%と、19年1~3月期(5.03%増)に比べ伸びが鈍化しました。
ロックダウンの措置はしばらく継続すると予想され、第2・四半期は大幅なマイナス成長になるとの予想が多いようです。
インドネシアの統計・経済データのまとめイギリス、アメリカとのFTA交渉が始まる
2020年5月5日、米英両政府は2国間の自由貿易協定の交渉を開始します。
イギリスにとってアメリカは国別で最大の貿易相手国で、ジョンソン英政権にとって米英FTAは大きなポイントの一つです。
ただ両国の交渉はイギリスとEUのFTA交渉の影響を受けるほか、米英間にも埋めるべき溝があるため、早期の決着は難しそうです。
当初は3月中に交渉を開始する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1カ月以上ずれこんでしまいました。
両国の貿易はイギリス側の大幅な黒字のため、FTAの発効はEUを離脱した英側に大きなメリットとなるはずです。
しかし現在、イギリスとEU間のFTAがないため、今回の米英FTAは一からの交渉となります。
イギリスはは年内にもアメリカと合意したい考えですが、ハードルは高いでしょう。
【最新】BREXIT(ブレグジット)の影響の経緯とまとめEU、域内重要企業への出資を検討
EUは新型コロナウイルス感染症のパンデミックで経済的影響を受ける域内の重要企業への出資計画を練っているようです。
EUは新型コロナの影響で打撃を受ける南欧諸国の支援を巡り意見が対立していますが、企業への支援では断固とした行動を取る事で、結束を示したい考えです。
報道によると、5月5日にフランスが、域内の戦略的バリュー・チェーンに含まれる重要企業などを対象とする資本増強や株式取得に向けたエクイティファンドの創設を呼び掛けたものです。
先進国・その他の状況ISM非製造業、11年ぶりの低水準
ISMが発表した4月の非製造業総合景況指数は、サービス業の需要と雇用の急減で11年ぶりの低水準となりました。
非製造業総合景況指数は10.7ポイント低下し41.8です。
4月に非製造業および製造業の総合景況指数がいずれも大幅低下したことは、アメリカ経済が過去に例のないペースで縮小していることを表しています。
【最新状況】各国の統計・データのまとめ2020年5月4日 アルゼンチン債務再編交渉は難航
アルゼンチン債務、債権団が再編案を再び拒否
米欧の機関投資家がアルゼンチン政府側の債務再編案を改めて拒否したようです。
アルゼンチンは利払いの62%削減や3年間の支払い猶予といった条件について一度拒否されていましたが、5月8日までに受け入れるように主張していました。
5月4日までに3つの債権者団がそれぞれ再編案を拒否するとの声明を発表し、アルゼンチンのグスマン経済相は、
「持続不可能な要求は持続不可能な結果をもたらす」
とコメントを発表し、債権者団に譲歩するよう改めて主張しました。
債権団は、債務再編案の見直しについて政治的にもモラル的にも受け入れられないとしています。
アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)2020年5月3日 中国、今年の成長目標を設定せず
中国、今年の成長目標を設定しない可能性
中国の指導部は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響がまだ分からないとして、今年の経済成長に数値目標を採用しない選択肢を検討しているようです。
その代わりGDPの目標を成長率の数値ではなく文章化して発表する可能性があるようです。
昨年の目標は6ー6.5%でした。一方で、今年の成長率の予想値は1.5~1.8%となっています。
中国指導部が成長率の数値目標発表を見送る場合、少なくとも過去20年で初めてとなります。
【2020年3月】中国全人代のまとめ2020年5月2日 コロナウイルスと米中対立
コロナウイルス問題に関する新興国支援で米中の対立
米中対立が新型コロナウイルスで打撃を受けた新興国への金融支援にも及んでいるようです。
焦点となっているのはIMFの特別引き出し権(SDR)です。
活用すれば感染対策の原資を捻出できますが、アメリカは中国などを利すると警戒して反対しているのです。
SDRはドル、円、ユーロなど5通貨に裏打ちされた「外貨準備資産」で、IMFの決定を経て加盟国に配分されます。
ドルなど現実の通貨に交換できる実質的な通貨で、外貨が不足した国の資金調達の手段になります。
低所得国が新型コロナへの対策に注力できるよう、今こそSDRを発行すべきだとグテレス国連事務総長らも訴えています。
しかし、問題はSDRがIMFへの出資比率に応じて配分される点です。
つまり、SDRを発行しても、それはIMFに出資した国々にその出資比率に応じて配分されるのです。出資比率が大きいのはアメリカや日本、中国です。つまり、支援をあまり必要としていない国です。
そして、アメリカはそこを懸念をしています。
中国に大量のSDRが配分されるのです。
もしSDRを5000億ドル分も発行すれば、IMFへの中国の出資比率は6.41%なので、300億ドル相当を手に入れる事になります。
これを原資に広域経済圏構想「一帯一路」の国々に医療やインフラを気前よく提供すれば、中国の影響力は強まります。
米政府は中国のほかイランが恩恵を受けることも嫌っている言われています。
SDRの配分にはIMF加盟国の85%の賛同が必要であり、16%超の議決権を握るアメリカが反対したままでは実現しません。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ2020年5月1日 アメリカ企業の社債急増
アメリカ企業の社債急増
アメリカ企業の社債発行が急増しているようです。
4月の発行額は総額2294億ドルと月間では過去最高を更新しました。
FRBが大規模な社債購入を決め、投資家の需要が復調したためです。
ボーイングは250億ドルの起債
ハイイールドへの需要も拡大
社債発行手数料も過去最高に
企業が資金調達を急ぐ中、世界の投資銀行の1ー4月おける社債発行手数料は106億ドルと、前年同期比で24%増加して過去最高水準を付けました。
国債を含む全体の債券発行手数料は同じ期間で139億ドルと、こちらも過去最高水準です。
一方でM&A手数料は22%減と、軟調となりました。
新型ウイルスの危機を受けM&A活動が停滞した為です。
【最新状況】各国の統計・データのまとめ
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