このブログは、
- 相場に左右されずに
- 気長に忍耐強く
新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。
特に、
- これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
- 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方
を想定しています。
筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。
ずっと投資し続けています。
ここでは、米中貿易摩擦についてこれまでの経緯をまとめてみた記事です。
2018年以降、これまでの経緯については以下をご参照ください。kindle unlimitedで無料でご覧いただけます。
米中貿易摩擦とサプライチェーンの変化についての記事は↓をご参照ください。
貿易摩擦とマーケットの動きについてのまとめは↓
貿易摩擦に絡んで、ZTE問題も2018年発生しましたが、それは↓をご参照ください。
また、ZTE問題と関連して大きく話題となっている「中国製造2025」に関するまとめは↓をご参考ください!
この問題は習近平の権力問題にも波及するかもしれない問題です。この問題がうまくさばけずに、彼の牽制が失墜するという事もあるかもしれず、要注目なイベントであると言えるでしょう。
中国製造2025の中で特に重要な存在であるHUAWEIについての動向は↓
中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き
習近平については↓をご参考!
いつもの通り、この記事においては、新しく出てきたニュースが一番上になるように更新していきます!
米中貿易摩擦 アメリカ側の主張のおさらい
invstem.com
アメリカの対中貿易赤字
一番わかりやすい論点ですが、主にアメリカ側の貿易赤字を解消するための努力を中国が怠っているという主張です。
非関税障壁や管理通貨制度もこの中に含まれていて、中国が不当に国内産業を保護するので基本的にそれらを無くせと言っています。
中国の政治体制(為替操作、人権、世論操作、サイバー攻撃等の諸問題)
中国共産党による独裁制から来る様々な問題を解決せよと主張します。例えば、
- 人権抑圧
- キリスト教・チベット仏教・イスラム教などの宗教弾圧
- 権威主義的、全体主義的な管理社会、監視社会
- アメリカをはじめとする他国での世論操作
- 国家ぐるみのサイバー攻撃
といったものです。
不当な産業政策(中国製造業2025などのハイテク産業育成)
こちらについては上記の通り中国製造業2025を軸とした産業政策がアメリカにとって脅威となるので、色々な理屈で攻撃しています。
特に、
- 外資の技術移転の強制
- 知的財産の侵害
- 国家資本主義的な非市場経済
等が論点となる事が多いようです。
2021年2月
TikTok米事業売却が無期延期に
2月10日、オラクルとウォルマートによるTikTokの米事業取得計画が無期延期になったとの報道がありました。
バイデン政権が、中国ハイテク企業による米安全保障への脅威を巡る前政権の政策を見直していることが背景にあります。
米当局はTikTokの運営会社であるバイトダンスと協議を行っているという事です。
2021年1月
バイデン政権、トランプ政権の対中政策見直し
米ホワイトハウスの報道官は1月29日、中国との第1段階の通商合意を含め、トランプ前政権の国家安全保障に関連する全ての決定事項を見直すと明らかにしました。
バイデン政権の国家安全保障に対するアプローチにかかわるため、前政権の全ての決定事項を見直すと表明しました。
その上で、バイデン政権は中国への対応で同盟国、およびパートナー国と協調すると述べました。
新しい商務長官候補、ファーウェイ禁輸措置継続を示唆
米商務長官候補のレモンド・ロードアイランド州知事は1月26日、ファーウェイに対する禁輸措置の継続を示唆しました。
ハイテク分野で対中強硬姿勢を鮮明にしました。
レモンド氏は5Gを巡って米国の安全保障や経済安保を危険にさらすのを許すわけにはいかないと強い警戒心を示しました。
ファーウェイやZTEを名指しし、対抗措置を取っていくと説明しました。
半導体不足が深刻に
世界で半導体不足が深刻になっています。
発端は米政府による中国企業への制裁です。
受託生産大手のSMICなどが標的となり、台湾勢などに注文が集中すると共に自動車用の需要急回復も重なりました。
品薄感が広がり、自動車メーカーの減産が相次いでいます。
この半導体需給が安定するのは2021年後半との見方があるようです。
中国の対米輸入、目標の6割どまり
第1段階の合意から1年が経過しました。
中国が米国製品を大量購入する約束は目標の6割弱にとどまっている状況です。
バイデン次期米政権は合意後も続く制裁関税が米経済の重荷になっていると批判しており、見直しに動く可能性があります。
第一段階の合意は知的財産権の保護など7分野で構成され、目玉は20~21年に中国がモノとサービス輸入を計2000億ドル(約21兆円)増やすとした約束でした。
中国通信3社の上場廃止を再決定
ニューヨーク証券取引所は1月6日、チャイナモバイルなど中国国有通信3社の上場廃止を再決定しました。
二転三転しており、市場は混乱しているようです。
2020年12月末に上場廃止方針を公表し、その後の1月4日に撤回して上場維持を認めると発表していました。
アリペイなどの中国製アプリを禁止
トランプ大統領は1月5日、アリペイなど中国アプリに関わる取引を米国内で禁じる大統領令に署名しました。
個人情報が流出するのを警戒しました。
2月の実施を目指しますが、バイデン政権への交代で実現性は不透明です。
中国通信3社上場廃止を取り消し
ニューヨーク証券取引所は1月4日、チャイナモバイルなど国有通信3社の上場廃止方針を撤回すると発表しました。
トランプ米政権の対中強硬政策を受けて、2020年12月31日に上場廃止手続きの開始を公表したばかりでした。
資本市場における米中対立の先鋭化にいったん歯止めがかかり、3銘柄の株価は香港市場で反転上昇しています。
NY証券取引所、中国通信3社を除外
ニューヨーク証券取引所は2021年1月1日までに、中国の通信大手3社の上場廃止に向けた手続きを始めると発表しました。
これはトランプ政権が2020年11月に米投資家による一部の中国株購入を制限する大統領令に署名したことを受けた措置です。
当然、今回の措置に中国政府は反発しています。
2020年12月
中国の米産品輸入目標、遠く及ばず
中国は米国との貿易合意で約束した輸入目標の達成に遠く及ばず今年を終えそうです。
2020年の中国の米産品購入は11月末時点で目標の半分を若干上回ったにすぎません。
中国は1-11月に20年の年間目標(1720億ドル)の50.5%程度を購入しています。
トランプ政権、政権交代前に中国への強硬措置を相次いで実行
トランプ米政権が政権交代を目前に、中国への強硬措置を相次いで実行に移しています。
人権侵害や南シナ海問題を理由に半導体やドローンなど大手企業に一斉に制裁を科しました。
これは、バイデン次期政権に中国への厳しい姿勢を続けるよう迫る狙いがあるとみられます。
アメリカ上場の中国企業へ圧力強化
12月18日、米国に上場する中国企業が米当局の監査を拒否した場合、米株式市場から締め出される可能性がある法案に、トランプ大統領が署名しました。
両国間の緊張がさらに高まる可能性があります。
内容は、
- 米国に上場する中国企業に対し監査
- 企業が外国政府の管理下にあるかどうかの開示を義務付ける
というものです。
アリババやバイドュなどに影響する可能性があります。
バイデン次期大統領、USTR代表に中国通を任命
バイデン次期大統領は、USTR代表に議会法律顧問のキャサリン・タイ氏を起用する方針を固めました。
中国通の実務家を貿易交渉の責任者にあて、知的財産や補助金など構造問題で中国に是正を迫る方針のようです。
アメリカの対中輸出が最大に
米商務省が4日発表したデータによると、対中国のモノ輸出は前月比27.6%増えて147億2300万ドルでした。
これは単月で過去最大の記録です。
トランプ大統領が再選のために重視してきた大豆などの農産品が伸びました。
アメリカ、中国との文化交流プログラムを中止
米国務省は12月4日、中国への研修旅行など5種の中国との文化交流プログラムを廃止した、と発表しました。
政治宣伝に利用されていた事が目的という事です。
これらの事業は、1961年以降、法律に基づいて、諸外国との学術・文化交流を促進する目的で設置されたものでした。
米下院お対中強硬法案を可決
米下院議会は12月2日、米株式市場に上場する外国企業の会計監査状況について、米当局の検査を義務づける法案を全会一致で可決しました。
これは中国企業を上場廃止に追い込む可能性がある内容で、投資家への影響が出ます。
上院に続く法案可決で、米議会の対中強硬姿勢が改めて浮き彫りになりました。
今後、トランプ大統領の署名によって成立となります。
今回の法案可決で中国勢の包囲網は一段と狭まりました。
中国の輸出管理法施行
中国は戦略物資などの輸出管理を強化する輸出管理法を12月1日施行しました。
安全保障などを理由に特定の外国企業への輸出を禁じられるようにします。
アメリカを念頭に海外の対中輸出規制への対抗措置と位置づけており、貿易面での報復がエスカレートする危険をはらんでいます。
2020年11月
アメリカがブラックリストに二社追加
トランプ政権が、中国軍が所有または支配しているとみなされる中国企業のリストにSMICとCNOOCを追加する見通しのようです。
これでアメリカからの投資が禁止され、バイデン新政権誕生を数週間後に控えて中国との緊張が高まる可能性があります。
米国産大豆購入を拡大
中国が10月から米国産大豆の輸入を再び拡大させたようです。
10月の輸入額は13億6000万ドルで、前年同月の3.1倍となりました。
前年同月を上回るのは7カ月ぶりです。
輸入実績の公表時期が米大統領選後であるため、輸入を増やした可能性もあります。
次期政権は米中協力も推進
バイデン次期政権では競争と同時に協力も重要との基本方針になるかもしれません。
国務長官候補に挙がっている民主党のクリス・クーンズ上院議員は11月20日、超党派の対中政策を望んでいるとし、中国と競争すると同時に、気候変動、公衆衛生、核不拡散などの分野での米中協力が重要になるとの認識を示しました。
バイデン氏、通商戦略を転換
バイデン次期大統領は11月16日、日中などの東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を念頭に「中国に対抗する必要がある」と明言し、通商戦略を見直すと表明しました。
トランプ政権の制裁関税などの手法はとらず、日欧などとの多国間枠組みをテコに、労働・環境を重視した貿易ルールを中国に迫っていく考えを示しました。
アメリカ、投資禁止の中国軍関連企業、新たに4社を追加
トランプ政権は、中国軍が所有または支配しているとみなされる中国企業のリストに4社を追加する見通しです。
アメリカは今年、中国の国有通信大手、チャイナテレコムやチャイナモバイル)、監視カメラ大手のハイクビジョンなど31社を、中国軍の支援を受ける企業に指定しています。
4社が追加されれば計35社となります。
トランプ氏、新たな対中強硬策を検討?
トランプ米大統領は在任中に中国への複数の新たな強硬措置を計画しているようです。
バイデン次期大統領の政策行動が制限される恐れがあり、注目されています。
検討されているのは、中国軍部による米テクノロジーの悪用阻止策や違法漁業対策、さらに香港や新疆ウイグル自治区を弾圧する中国共産党幹部もしくは機関への追加制裁などだという事です。
国家安全保障会議(NSC)の報道官は、
「中国政府が方針を転換し、世界の舞台において責任あるプレーヤーとならない限り、将来の米大統領がトランプ大統領のこれまでの行動を覆すことは政治的な自殺行為となるだろう」
との声明を出しています。
中国、対立長期化をにらむ
中国はバイデン氏が大統領に就任しても、中国への強硬路線が大きくは変わらないとみています。
バイデン氏は欧州や日本と連携して通商問題で中国に圧力をかける方針とされるうえ、香港や新疆ウイグル自治区での人権問題にも関心が強いためです。
アメリカによる中国企業への制裁措置の緩和も限定的ではないかとみているようです。
もちろん、バイデン氏にとってトランプ流の孤立主義からの転換は必要です。
世界経済はなお危機下にあり、国際協調が欠かせないためです。
ただ対中政策は、知的財産権の保護や産業補助金の見直しを巡って、強硬路線を引き下げることはないというのが多くの人の見方です。
また、議会に超党派の反中感情がある事も重要です。
「中国を国際ルールに従わせる必要がある。トランプ氏とは異なる手法をとる」
バイデン氏は10月の討論会で、対中政策の見直しを示唆しましたが、中国にとってはあまり変わらないかもしれません。
2020年10月
アメリカの大統領が誰になっても対中政策は変わらず
イアン・ブレマー氏は、11月のアメリカ大統領選で誰が勝とうと、米中関係は一段と悪化するとの見方を示しました。
ブレマー氏は、中国政府のウイグル族抑圧に対するアメリカの批判や、香港、台湾、南シナ海、知的財産権、貿易、テクノロジーを巡る対立は、バイデン政権に変わるかトランプ政権が続くかにかかわらずエスカレートすると指摘しました。
対中規制の死角
トランプ政権が中国の半導体業界への締め付けを強化していますが、どこまで効果が望めるか不透明になっています。
ファーウェイや半導体受託生産のSMICなどへ半導体や半導体製造装置、設計ソフトの供給を制限し、世界の多くの関連企業が両社との取引を9月後半からストップしました。
ただ半導体の技術革新が輸出規制の効果を大幅に減らすかもしれません。
中国には1000社を超える新興の半導体関連企業があるということで、ファーウェイやSMICがそれらの企業によって輸入される半導体チップや設計ソフト、製造装置を買い集めれば、半導体の調達や製造設備拡充が事実上できるようになると言われています。
また、米日欧の半導体技術の優位が貿易管理で維持できるかもかなり不透明です。
それは半導体チップ1個に搭載されるトランジスタ素子数が1年半~2年で2倍になる、いわゆる「ムーアの法則」が通じなくなってきているからです。
従来の集積度向上はシリコン基板の平面上に張り巡らされた回路の線幅を細くする「微細化」で実現してきました。
ところが、線幅が35ナノ(ナノは10億分の1)メートルあたりまで小さくなった2000年代後半から技術的に難しくなり微細化の歩みは遅くなる一方です。
そこで、平面上での微細化よりも素子を縦に積んだり、回路面そのものを何層にも重ねたりすることでチップ1個当たりの素子数を増やす「立体化」の技術がムーアの法則を継続する主役になろうとしています。
スマホの写真保存などに使うフラッシュメモリーではすでに立体化が標準となりました。
回路面を128層まで重ねる立体化が進む一方、一時は16ナノメートル前後まで微細化が進んだ回路線幅が20~30ナノメートルに逆戻りしています。
立体化であれば、光線で回路図を基板に投射する「露光」と呼ばれる半導体製造工程で、波長が極端に短い「極端紫外線(EUV)」を使った最先端の技術でなくても、高性能半導体を造れる見通しとの事です。
EUVを使うには成膜や洗浄といったすべての工程でもEUV対応の最先端装置が必要になりますが、立体化なら従来の微細度を前提にした装置に手を加えれば道が開けます。
もちろんそれも簡単ではありませんが、EUV化に比べると難易度もコストも下がるというのが一般的な見方のようで、ファーウェイなどが必要とする最先端の半導体でもこのような技術が進む可能性があります。
アメリカ政府、中国の6メディアを外国の宣伝機関に追加認定
アメリカは6つの中国メディアを「外国の宣伝機関」に追加認定しました。
これら報道機関は中国政府の統制下にあると見なされ、アメリカ国内にある外国の大使館や総領事館と同等の規制が課せられます。
今回対象となったのは、中国政府の景気認識を伝える「経済日報」や上海市の共産党委員会機関紙「解放日報」、「第一財経グローバル」「新民晩報」「中国社会科学出版社」「北京週報」が指定されました。
中国で輸出管理法が成立
2020年10月17日、中国で国家安全保障上極めて重要な技術などの輸出を制限する輸出管理法が成立しました。
中国が12月1日に施行する輸出管理法は戦略物資の輸出に許可制を導入するほか、禁輸企業リストもつくり、輸出を禁じられるようにします。
中国企業への輸出規制を強めるアメリカへの対抗が狙いです。
戦略物資の品目に中国が生産シェアの6割超を握るレアアース(希土類)などが含まれる可能性があり、アメリカ以外への影響ももちろんあります。
アリババ系金融会社が米中対立のあおりを受ける
中国アリババ集団傘下の金融会社アント・グループに対して、トランプ政権による制裁論が浮上しています。
アントは月内にも上海と香港で同時上場を目指していましたが、制裁が上場計画に影響を及ぼす可能性が出てきたようです。
激化する米中対立が大型上場を控える同社にも飛び火しそうです。
アメリカ、中国共産党員の移民受け入れを厳格化
トランプ政権が中国共産党員のアメリカへの移民を認めない法律を厳格に運用する方針を打ち出しました。
特定の国を名指ししていませんが、党員9千万人といわれる中国共産党を狙い撃ちしているとの見方が多くなっています。
中国の一党独裁体制への圧力を一段と強める狙いがあるのでしょう。
2020年10月上旬、アメリカ政府は移民政策に関する新たな指針を通知しました。
共産党や全体主義の政党に所属する外国人が、アメリカで永住権や国籍を取得するのを許可しない、というものです。
アメリカ人に帰化するときにアメリカの憲法と法律を守ると読み上げる宣誓と、共産党員であることが相反することを理由に挙げています。
中国で輸出管理法が成立
2020年10月17日、中国の戦略物資やハイテク技術の輸出管理を強化する輸出管理法が全人代常務委員会で成立しました。
安全保障などを理由に禁輸企業リストをつくり、特定の企業への輸出を禁じます。
アメリカを念頭に海外の輸出規制への対抗措置と位置づけるとの規定も追加しました。
施行は12月1日です。
中国の対米黒字、四半期で最高
2020年10月13日に発表となった貿易統計によると、2020年7~9月の対米貿易黒字は974億ドルとなりました。
これは四半期ベースで過去最高の数値です。
マスクなど新型コロナウイルス関連の輸出が増える一方、中国が2年間かけて2000億ドル拡大すると約束した輸入は伸び悩んでいる事が背景です。
中国、アメリカの農産品輸入目標未達の公算
2020年10月2日、パーデュー農務長官は米中の第1段階の通商合意の下で中国が確約した年間のアメリカ農産品輸入について、「非農業部門の通商問題」により達成できない可能性があると述べました。
パーデュー長官は非農業部門の問題が障害になっているとして、中国は努力しているものの、達成できない公算があると述べました。
1月の第1段階の通商合意の下、中国は年内に総額365億ドルの米農産品の輸入すると確約しています。
ただ1ー7月の輸入は86億ドルにとどまりました。
2020年9月
米中対立の影響
2020年9月28日、NAND型フラッシュメモリーで世界2位のキオクシアHDは10月6日を予定していた東京証券取引所への上場を延期すると発表しました。
今月中旬からのアメリカ商務省による中国への半導体輸出規制で、ファーウェイ向けの売り上げを計上できなくなったことが一因です。
問題がどこまで続くか見通しにくいとして、市場関係者は急速に先行きに慎重になったようです。
TikTok買収交渉、先行き見通せない状況
TikTokの配信を禁じる措置を司法が再び阻みました。
2020年9月27日、首都ワシントンの連邦地裁はTikTokの配信禁止を一時的に差し止めました。
強硬策をちらつかせて譲歩を引き出してきたトランプ政権の戦術は行き詰まり、先行きの不透明さが増しています。
トランプ大統領は8月6日に署名した大統領令を通じて、アメリカ企業などにティックトック運営会社との「取引」を禁じることを命じました。
この期限が27日夜に迫ってアプリ配信サービスからの排除が現実味を帯びるなか、直前に連邦地裁が待ったをかけた事になります。
中国の半導体生産に懸念
アメリカ商務省の輸出規制が中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の生産に打撃を与える可能性があるかもしれません。
アメリカ企業から製造設備などを輸入できなくなる恐れがあるためです。
生産が滞れば中国のハイテク産業に加え、半導体の自給率を引き上げ、アメリカ依存の脱却を図ってきた中国政府の戦略にも影響が及びそうです。
SMICは2000年に設立した半導体受託生産の中国最大手で、2019年の売上高は31億ドル、純利益は2億ドルです。
中国国有通信機器大手や国策ファンドなどが大株主に名を連ね、中国の半導体産業のけん引役となってきただけに輸出規制が実現すれば影響は大きいと思われます。
ゲーム市場が次なる主戦場に?
米中対立はビデオゲーム業界が次の主戦場になる兆しが出てきたようです。
トランプ政権は、ゲームが保有する個人情報の安全性について懸念を示しました。
オンラインゲームは中国にとって戦略的に重要な意味を持っています。
時価総額6500億ドルを誇る巨大テクノロジー企業、テンセントのドル箱事業だからです。
同社は、ティックトックと共にアメリカ国内での配信を禁止された対話アプリ「ウィーチャット」の開発企業として広く知られています。
ゲーム事業はテンセントの売上高の3分の1以上を占めており、相次ぐ買収の結果、アメリカ事業は同社にとって重要な存在になっています。
中国系企業が生んだデジタル資産が米国の極めて多くのデバイスに保管されていることを懸念する声が上がるのも無理はないかもしれません。
攻撃の糸口になり得るからです。
アメリカ政府の目下の標的はティックトックですが、次はゲームに移り、将来も同様の問題が繰り返されるかもしれません。
米中双方は、互恵領域に築かれたつながりを保つ前提で解決策を追求して欲しい所です。
中国がシスコへの制裁を検討
2020年9月21日、中国がアメリカのテクノロジー企業への制裁に用いる可能性があるブラックリストに、シスコが含まれるとの報道がありました。
ただ、中国指導部は制裁発動を躊躇しており、11月の米大統領選まで決定を待つべきだとする意見もあるという事です。
米中二国間の投資、9年ぶりの低水準
ある調査会社によると、今年上半期の両国間の投資は9年ぶりの低水準に落ち込んだようです。
中国企業に対してアメリカ事業の切り離しを求める圧力がさらに強まる可能性もあるという事です。
米中間の企業による直接投資とベンチャーキャピタルによる投資は今年上半期に109億ドルと、前年同期比で16.2%減少しました。
これは新型コロナウイルスの流行も影響しています。
WTOが初の見解
2020年9月15日、WTOの第一審にあたる紛争処理小委員会は、アメリカの中国製品に対する関税は不当とする報告書をまとめました。
米中貿易戦争を巡ってWTOが判断を下すのは初めてで、中国の主張を認めた形です。
アメリカは裁定に不服な場合、60日以内に上訴できます。
中国製品にのみ関税を課す措置は、WTOのルール違反にあたるとの見解を示し、アメリカは措置の正当性を証明する責任を果たしていないなどと指摘しました。
ライトハイザーUSTR代表は声明で、
「中国による知的財産窃盗に関してアメリカが提出した広範な証拠に、パネルは異議を唱えなかったものの、その決定は、このような不正行為に対する改善措置をWTOが取らないことを示す」
と反発しました。
また今回の裁定は米中の第1段階貿易合意には影響を与えないとも付け加えました。
TikTok交渉、破局回避を模索
2020年9月15日、トランプ大統領はTikTokのアメリカ事業見直し案を検討すると表明しました。
国際事業を統括する本社をアメリカに設ける一方、中国側が支配権を維持する案が有力のようですだ。
米中双方は利用禁止という破局を避けるため妥協点を探っているようです。
ウイグル産の綿製品などを一部禁輸
2020年9月14日、トランプ政権は中国新疆ウイグル自治区にある5つの事業体からの綿花や衣料品などの輸入を禁止する方針を示しました。
但し、全面的な禁輸措置は見送っています。
禁輸の対象となるのは、綿花、繊維製品、衣料品、ヘア製品、コンピューター部品です。
アメリカ政府はこうした背景について、中国政府が自治区でイスラム教徒を拘束し、強制労働をさせていることに対抗する狙いがあると説明しています。
自治区全体への禁輸措置については、法的な検討をさらに行っていると述べました。
TikTokはオラクルと提携
TikTokの米国事業の買収交渉で、オラクルを中心とするグループの案の採用が有力になったようです。
先行していたマイクロソフトは13日に交渉中断を表明しています。
ただ、米中両国がせめぎ合うなか、双方の要求に応えることが交渉成立の条件となりそうです。
中国、アメリカに外交官の報復措置
中国政府は香港を含む同国内に駐在するアメリカ国の外交官に対し、報復措置を取ると発表しました。
トランプ政権がアメリカ国内の中国外交官に新たな制限を課したことに対抗します。
中国は駐中国米外交官に課す措置についてアメリカ政府に通知したと、11日夕の声明で明らかにしていますが、詳細は明示していません。
中国半導体、脱アメリカ進む
アメリカ政府が中国ハイテク企業への規制を強めるなか、半導体受託生産の中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)がアメリカ技術に頼らない生産体制の構築を急いでいます。
中国製装置の使用比率を高め、アメリカ以外の国の技術の採用も探っています。
先端半導体を手がけるにはなお時間がかかりますが、米中摩擦は中国独自の半導体産業の形成を促しているようです。
アメリカ、中国人向けビザ1000件以上を取り消し
2020年9月9日、アメリカは中国人に発給した1000件以上のビザを取り消したと明らかにしました。
中国軍と関係があるとみられる中国からの学生や研究者の入国を阻止する取り組みの一環です。
TikTokを巡った対立が先鋭化
TikTokを巡り米中が対立を深めています。
トランプ米政権が中国の運営企業にアメリカ事業売却を迫る一方、中国当局は同国が強みを持つ人工知能の「禁輸」をちらつかせて対抗に動いています。
新興の若者向けアプリを舞台に、米中テクノロジーの分断が進んでいる象徴的案件となっています。
ティックトックはアメリカに1億人のユーザーを抱えており、アプリを通じて中国政府にアメリカ国民の個人情報が流出することをアメリカ政府は安全保障上の脅威と認識しています。
そこでトランプ氏は8月初め、9月15日までの米国事業の売却を要求したのです。
また、大統領令を通じて、9月20日を期限にアメリカ企業などにバイトダンスとの「取引」を禁じる措置をとるとしました。
根拠は、国際緊急経済権限法(IEEPA)です。
国防や経済への特殊な脅威が生じた際に、様々な権限を大統領に認める法律で、過去にはクーデターやテロ行為などに適用されてきました。ファーウェイの制裁にも使われたのが同法です。
圧力をかけるアメリカに、中国も対抗措置として「輸出禁止・輸出制限技術リスト」の改訂を8月28日に発表しています。
リストには「AI相互作業インターフェース技術」や「データ解析に基づく個人別情報提供サービス技術」などの文言が追加され、ティックトックのAIやアルゴリズムが対象となっています。
制裁合戦も、ドル支配でアメリカ優位
アメリカはこの数カ月、10人以上の中国当局者に対して制裁を発動し、多くのアメリカ企業へのアクセスを制限し、中国も対抗措置を繰り出しますが、実効性はアメリカの制裁の方が強めです。
一連の措置で香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はクレジットカード利用で一苦労したり、香港警察の信用組合は推定14億ドル相当の資産を中国の銀行に移さざるを得なかったようです。
一方、マルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両アメリカ上院議員らに対して中国が警告していた「断固たる対抗措置」の内容はまだアメリカ側に伝わってきていません。
中国はアメリカとの対立激化のリスクを最小限に抑えるため、様々な調整をしているものの、国際金融におけるドル支配によって制限を受ける事が一番の理由でしょう。
国際銀行間通信協会によると、7月のドルの世界での決済シェアは約40%である一方、人民元は2%弱です。
このため、中国の国有銀行を含め多国籍の銀行がアメリカの制裁に従わないというのは難しくなっています。
中国側の最強の武器は引き続き自国の広大な市場へのアクセス阻止で、台湾を訪れるアメリカ当局者と関係を持つ企業を対象にこの措置が検討されているようです。
中国から撤退するアメリカ企業は少数
トランプ大統領は、アメリカ企業は中国本土を離れて自国に拠点を移すべきだと訴えているが、中国で事業を展開するアメリカ企業のほとんどはそれに応じる意向がないようです。
上海にある米商業会議所が2020年9月9日発表したリポートによると、調査した200社余りの製造業者のうち、アメリカに一部でも生産を移転すると回答したのは約4%にすぎなかったようです。
75%強は中国外に生産を移す考えはないと回答しています。
トランプ大統領の思惑とは裏腹に、中国へ引力はまだ強いようです。
中国、アメリカ人記者の記者証更新を意図的に遅らせる
中国当局が、ブルームバーグなどアメリカの報道機関の一部ジャーナリストの記者証更新を遅らせているようです。
アメリカでも、複数の中国人記者が現在、失効したビザの更新を待っている状況です。
関係者によると、中国人記者は90日の猶予期間の間はアメリカに滞在できますが、その期限も11月上旬には切れるようです。
中国、TikTokに絡んで、AI輸出の制限を検討
2020年9月3日、中国政府はテクノロジー輸出を承認したり禁止したりする権利があると強調し、「TikTok」のアメリカ事業売却取引で重要な役割を果たす意向をあらためて示しました。
中国政府は、人工知能技術を輸出制限対象に加えた規制改定について、特定の企業を念頭に置いているわけではないと説明した一方で、この対象に該当するテクノロジーを持つ全ての企業は、関連する政府当局と協議する必要があると主張しました。
ティックトックのアメリカ事業売却を巡っては、マイクロソフトやオラクルなどが交渉に乗り出しているようですが、取引は複雑でトランプ政権も監視しており、中国政府の今回の主張で交渉の行方はさらに危うくなりそうです。
米中争い激化でも米中両国の株を持つ理由
政治的な対立が深まっている米中ですが、株式投資という観点で両国の関係をみると少し様相が変わってきます。
各国・地域の代表的な株価指数について、過去20年間の相関係数を算出してみます。
相関係数とは、2つの資産間での値動きの連動性を示す指標であり、-1から1の間の値をとり、1に近いほど正の相関性が強く(同方向に動く傾向が強い)、-1 に近いほど逆相関(逆方向に動く傾向が強い)、0に近いほど相関性がないとみなされます。
日本や米国、欧州などの先進国・地域の株価指数の相関係数をみると、概ね0.6~0.8前後の高い値となっており、株価指数の値動きには高い相関性があることがわかります。
一方、中国とその他の相関係数は、概ね0.3前後と相対的に低い値となっているのです。
つまり、中国株式はアメリカなどの株価指数との相関性が低いわけです。
つまり、分散投資という観点で見ると、アメリカや日本の株式を中心に運用している場合、相関性が低い中国株を併せ持つことは、ポートフォリオの分散効果を高めることが期待されるわけです。
政治や外交面などで対立関係を深める米中国ですが、資産運用における株式投資という観点からは、相対的に高い分散効果が見込まれる相性の良い組み合わせと言えるわけです。
シノケムとケムチャイナが国主導で統合協議
中国中化集団(シノケム)と中国化工集団(ケムチャイナ)が経営統合に向けた協議に入ったようです。
国有企業である両社の董事長を務める寧高寧氏が2020年9月2日に表明しました。
6月に農業部門を統合したばかりだが、全体統合が実現すれば、売上高は約16兆円と2位を大きく引き離す世界首位の化学メーカーとなります。
アメリカの規制対象に加えられる可能性が高まるなど、先鋭化する米中対立が背中を押しました。
習近平指導部は2012年の発足後、国際競争力を高めようと、国有企業同士の合併を促してきました。
その結果、鉄道車両大手の中国中車、鉄鋼大手の中国宝武鋼鉄集団などが誕生しましたが、当初の狙いに反して競争力の向上や世界シェアの拡大は必ずしも実現していないのが実情です。
2020年8月以前
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