【最新状況】各国の統計・データのまとめ

このブログは、

  1. 相場に左右されずに
  2. 気長に忍耐強く

新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。

特に、

  1. これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
  2. 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方

を想定しています。

筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。

ずっと投資し続けています。

ここでは、基本的に本ブログがある国(ブラジル、トルコ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、中国、インド、メキシコ)以外の国で、新興国投資をする際に重要となってくる国々の統計データをまとめていきます。

ただし、本ブログがある先でも、ホットなトピックが絡むものなどはこちらでも紹介するように致します。

2019年は↓

各国の統計・データのまとめ(2019年)

2018年(12月のみ)は↓をご参考ください!

各国の統計・データのまとめ(2018年)

また、アメリカの金融政策については別途↓をご参考ください。

アメリカの金融政策の経緯とまとめ

基本的には全て時系列で上から順に新しいものが来るようにしています。

2022年6月

アメリカ鉱工業生産、5月は予想外に低下

FRBが6月17日に発表した5月の鉱工業生産指数は、製造業が前月比0.1%低下しました。

市場予想の0.3%上昇に反して低下し経済の減速を示す結果となりました。

生産の減少は消費支出がモノからサービスへとシフトしていることも反映しているでしょう。

前月比の低下は1月以来初めて。前年同月比では4.8%上昇しました。

2022年4月

アメリカの1-3月のGDPは1.4%減

4月28日発表となった1~3月期のGDP速報値は前期比年率換算で1.4%減でした。

2021年10~12月期の6.9%増からは大きな現象です。

個人消費は堅調でしたが、人手不足などでモノの供給が追いついていません。

輸入が急増し、貿易赤字の拡大が成長率を抑える形になっています。

先行きは高いインフレと、FRBによる利上げが不安材料になります。

世界貿易量を下方修正

WTOは4月12日、2022年の世界のモノの貿易量は前年比3.0%増にとどまるとの見通しを発表しました。

前回の21年10月時点に予測した4.7%増から下方修正し、21年実績(9.8%増)からも減速すると見込んでいます。

ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁の影響などで、物流が鈍化する事が背景です。

2022年1月

アメリカの第4四半期GDPは順調も、今後は注意が必要

1月27日されたアメリカの2021年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+6.9%と、7-9月期(同+2.3%)から加速しました。

また、事前の市場予想(同+5.5%)対比でも上振れました。

項目別にみると、民間在庫投資が最大の寄与となりました。

コロナ禍以降懸念されている供給制約も、緩慢ながらもサプライチェーンの混乱が改善へ向かいつつある可能性があります。

また、7-9月期は米国内でのデルタ株の感染拡大により個人消費支出が抑制されていましたが、感染が一服したこと等を受け加速しました。

ただ、米国では12月からオミクロン株による感染拡大が急速に広がり、足元の新規感染者数も高水準で推移しています。

この影響を受ける形で、1-3月期にかけては、対人サービス消費等を中心とした個人消費の落ち込みや、感染防止や家族の世話等を理由とした離職による労働力不足が生じ、需給の両面から米経済にブレーキがかかるリスクがあります。

さらに、昨年までと異なり今年は大規模な経済対策は見込まれません。

財政政策による米GDPの押し下げが、中期的に続くという予想もあり、注意が必要です。

アメリカの消費者物価が7.0%上昇

12日発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が7.0%と39年半ぶりに7%台に達しました。

供給不足や需要の高まりで自動車や食品、住居の値上がりが一段と進んだことが背景です。

ガソリン価格の高騰も要因です。

インフレの過熱をにらみ、FRBは金融引き締めに動く構えです。

12月の物価上昇率は約39年ぶりの高水準だった11月の6.8%からさらに加速し、1982年6月(7.1%)以来の強さが続きました。

2021年10月

世界貿易が前年比で10.8%の伸び

WTOは4日、2021年の世界のモノの貿易量は前年比10.8%増えるとの予測を発表しました。

3月時点の見通し(8%増)から上方修正しました。

新型コロナウイルスのワクチンの普及で世界各地で経済再開が進むためです。

2桁の伸び率は、リーマン・ショック後に世界経済が持ち直した10年(13.9%)以来となります。

コロナ禍で20年は5.3%減に落ち込みましたが、各国の財政出動や金融緩和で企業活動が回復したのは周知のとおりです。

ワクチン接種も進み、多くの国の店舗や工場運営が正常化に向かっています。

地域別では、輸出ではアジアが14.4%と最も大きく、欧州(9.7%)、北米(8.7%)と続きます。

一方、中東は5.0%にとどまるなど、地域ごとにバラツキがあります。

輸入は南米(19.9%)を中心に多くの地域が2桁の伸び率になる見通しです。

2021年9月

世界の物流がコロナ再拡大で混乱

新型コロナウイルスの再拡大による物流網の混乱が長期化しています。

米国では海運の要衝で入港待ちのコンテナ船があふれ、中国でも港湾や空港で感染者が確認される度に物流が停滞しています。

需要増と人手不足で中国発米国向けのコンテナ輸送費は、コロナ危機前の6倍以上に急騰しました。

運賃高騰と荷動き停滞に伴う機会損失は企業収益や世界景気の足かせになりかねません。

世界の債務残高300兆ドルに迫る

国際金融協会によると、第2・四半期の世界の債務残高は4兆8000億ドル増加し296兆ドルと過去最高を更新しました。

300兆ドルの大台に迫っており、このペースで債務が増え続ければ300兆ドル超えは時間の問題です。

新興市場国の債務は92兆ドルと、前四半期から3兆5000億ドル増加しました。

中国の伸びが引き続き大きいものの、中国を除く債務も36兆ドルと過去最高を更新しました。

2021年8月

世界貿易が2000年以降で最大の伸び

25日発表された4~6月の世界貿易量は前年同期比で21.5%増え、2000年以降で最大の伸びとなりました。

1年前に新型コロナウイルスの流行で急減した反動に加え、経済対策で需要が急回復しました。

今回の伸び率はリーマン・ショック後の2010年4~6月期の同17.6%増を上回っています。

比較対象の2020年4~6月期が新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖の影響等で落ち込んでいたことの反動に加え、欧米の経済対策や早期に感染を抑え込んだ中国の景気回復が過去最大の伸び率を記録する主な要因となりました。

ただ、コロナの感染が世界的に再拡大しており、年後半は需要減速や供給網混乱のリスクもあります。

2021年7月

アメリカのGDP、コロナ前を回復

29日発表となったアメリカの2021年4~6月期のGDP速報値は前期比年率換算で6.5%増えました。

成長率は市場の事前予測(8.5%程度)を下回ったものの、GDPの規模は新型コロナウイルス危機の前である19年10~12月期の水準を回復しました。

米国経済が引き続き力強く回復していることが確認される結果となり、追加経済対策やワクチン接種の進展等により、経済活動の正常化が進んだことなどを背景に4期連続のプラス成長となりました。

アメリカの景気後退、最短の2か月

米景気の拡大・後退の転換点を判定する全米経済研究所(NBER)は19日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気後退は2020年4月が「谷」となり、後退局面は2カ月と過去最短になったと発表しました。

米国は21年3月に1.9兆ドルの財政出動を実現したほか、ワクチン普及を進め、コロナ危機からの経済活動の回復が現在も続いています。

GDPの規模は21年1~3月期にすでに危機前の99%の水準に回復し、通年で実質7%の高成長を視野に入れている状況です。

ISM製造業が引き続き高い水準

1日に発表された6月の米ISM製造業景気指数は60.6と、市場予想の60.9を下回り、2ヵ月ぶりに低下しました。

内訳をみると、景気指数を構成する5つの指数のうち、生産は2ヵ月ぶりに上昇しました。在庫は2ヵ月連続で上昇しています。

新規受注は2ヵ月ぶりに低下したものの、2004年1月以来、およそ17年ぶりの高さとなった今年3月に近い水準を維持しました。

2021年5月

全世界株指数が最高値を更新

世界全体の株価の動きを示すMSCI全世界株指数が28日、前日比2.9ポイント(0.4%)高の815.379と、1990年の算出来の高値を付けました。

米国を中心とした世界的な景気回復期待が追い風になり、連日高値を更新している状況です。

ワクチン接種の有無が景況感を左右

IHSマークイット社によると、ワクチン接種が進んでいる国の方が景況感が良いようです。

4月末時点で人口100人あたり70回ほどのワクチン接種がなされた米国や英国の総合PMIは4月に60台となり、好不況の目安となる50を大きく上回りました。

その一方、100人あたりの接種が4月末で1桁にとどまる日本の総合PMIはようやく50を上回った程度で、景況感の回復の遅れが目立っています。

世界の企業収益、底入れ鮮明

世界の企業業績が底入れしてきたようです。

2021年1~3月期決算を発表した企業のうち6割超が純利益で新型コロナウイルス前の19年1~3月期の水準を上回りました。

自動車やスマートフォンなどの需要回復に加え、ワクチン接種が進み経済活動が正常化に向かっています。

米中がけん引役となっている側面もあり、コロナの感染動向にまだまだ左右されやすいと思われるものの、一つの節目を超えた感じがあります。

世界の上場企業約1万1200社の決算実績や市場予想を集計したところ、1~3月期の純利益合計は前年同期比7倍の1兆516億ドルと2四半期連続で増えました。
売上高も16%増と大幅に伸び、コロナの影響で8割減益となった20年1~3月期を底に、回復基調が鮮明となっています。

アメリカの予想以上のインフレでマーケット動揺

米国で加速するインフレが市場を揺らしています。

4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比+0.8%と、市場予想の同+0.2%を大幅に上回り、2009年6月以来、およそ12年ぶりの高い伸びとなりました。

経済の再開に伴う需要の急回復に加え、人手や原材料の不足が重なった事が背景にあります。

消費者物価指数が予想より大きく上昇したことで、米短期金融市場で、FRBが2022年末までに25bpの利上げを実施する確率が100%織り込まれました。

これで世界の主要株価指数は軒並み下落し、投資家心理は冷え込んでいます。

ただ、単月の指標で物価を推し量ることは慎重であるべきでしょう。

後から振り返れば、当局が言うように一過性の上昇なのかもしれないからです。

2021年4月

アメリカのGDP、ほぼコロナ前の水準に回復

4月29日にアメリカが発表した、2021年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比年率6.4%増と大幅に上昇しました。

事前予想の同6.7%増は下回ったものの、米国経済の力強い回復が確認される結果です。

コロナ禍の影響が生じる前の2019年10-12月期比でみると▲0.9%となり、コロナ禍前の水準にほぼ回復しました。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年4-6月期には同31.4%減まで落ち込みましたが、追加経済対策、FRBによる緩和的な金融政策やワクチン接種の進展等を受け、3期連続のプラス成長となりました。

目先は、ワクチン接種が順調に進展する中、力強い財政政策もあり実質GDPは4-6月期にコロナ禍前の水準に回復するとみられます。

ISM非製造業景気指数が過去最高

4月5日に発表された3月のISM非製造業景気指数は63.7と、市場予想の59.0を上回り、1997年以降で過去最高を記録しました。

内訳をみると、4つの構成指数すべてが前月から上昇しました。

このうち、景況指数と新規受注指数がともに過去最高を記録しています。

また、雇用指数が2019年5月以来、およそ2年ぶりの水準を回復しました。

やはり、バイデン政権の1兆9,000億米ドル規模の追加経済対策の効果が表れた内容といえます。

世界の株式時価総額が過去最高

世界の株式時価総額が3月末時点で、約106兆ドルと過去最高を更新しました。

新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗期待で投資マネーが流入した結果です。

時価総額は過去1年間で約6割増えた計算です。

市場が景気回復を先行して織り込んだ結果、世界の時価総額はGDPを大きく上回る水準となっており、過熱感が強まっています。

2021年3月

世界の貯蓄が約3兆ドル増加

世界の主要経済国の消費者は、新型コロナウイルス対策によるロックダウン期間中に貯蓄を2兆9000億ドルを上積みしたようです。

潤沢な手持ち資金がコロナ禍からの景気回復を強力に押し上げる可能性があります。

2021年2月

アメリカの物価が1.5%上昇

米商務省が2月26日発表した1月の個人消費支出物価指数は前年同月比1.5%上昇しました。

前月より0.2ポイント伸び、米国で新型コロナウイルスが大流行する直前の2020年2月以来、11カ月ぶりの上昇率となりました。

国民への現金給付などを背景に消費意欲が高まっています。

金融市場では今後のインフレ動向に注目が集まっています。

今後、インフレが加速すればFRBが現在の大規模な金融緩和を見直す可能性があり、その結果米長期金利が急上昇し、株価も不安定になっています。

2020年12月

ISM製造業景況指数、11月は低下

ISMが12月1日に発表した11月の製造業景気指数は57.5でした。

10月の59.3からは低下しました。

新型コロナウイルス感染が全米で再び急増する中、新規受注が前月に付けた17年近くぶりの高水準から減速しました。なお、市場予想は58.0でした。

2020年11月

世界の債務残高が過去最大に

国際金融協会は11月18日、2020年末の世界の債務残高が過去最大の277兆ドルになるとの見通しを示しました。

GDP比では365%と、19年末から40ポイント以上拡大した事になります。

アメリカ総合PMIは5年7か月ぶりの高水準

2020年11月23日、IHSマークイットが公表した11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は57.9でした。

10月の56.3から上昇し、2015年4月以来の高水準を付けました。

製造業PMIが2014年9月以来の高水準でした。

新型コロナウイルス感染が急増する中でもコロナが引き起こした景気低迷からの回復が続いていることを示しました。

ISM非製造業、56.6に低下

ISMが11月4日に発表した10月の非製造業景況感指数は56.6で、前月から1.2ポイント低下しました。

2カ月ぶりの低下でダウ・ジョーンズまとめの市場予測(57.5程度)を下回りました。

「企業活動・生産」は61.2で1.8ポイント下がり、「新規受注」も58.8で2.7ポイント下がりました。

「雇用」は1.7ポイント低下の50.1で縮小圏近くまで低下しました。

新型コロナウイルスの感染者数は再び増加しており、活動拡大のペースが5カ月ぶりの水準に鈍ったことで、先行きの不透明感が増しています。

ISM製造業は過去2年で最高水準

ISMが発表した10月の製造業総合景況指数は、過去2年余りで最も高い水準となりました。

新規受注の伸びが2004年以来で最大となったほか、雇用指数が上昇しました。

詳細は、

  • ISM製造業総合景況指数は59.3に上昇し、予想全てを上回る
  • 予想中央値は56
  • 前月は55.4

といった感じです。

2020年10月

アメリカのGDP急回復も危機前には届かず

2020年10月29日、アメリカの7~9月期のGDP速報値が発表され、前期比年率換算で33.1%増加しました。

新型コロナウイルス禍で30%超のマイナス成長となった前期から持ち直しましたが、コロナ危機前に比べ3.5%小さい水準にとどまっています。

コロナ感染の再拡大で足元の回復力にもブレーキがかかっている状況です。

項目別にみると、

  1. 個人消費支出が前期比年率+40.7%と急増。家計への現金給付や、失業保険給付の上乗せ措置等の大規模な経済対策によって個人所得が大幅に増加したことに加え、都市封鎖期間中の繰り越し需要が、消費回復を後押し。
  2. 民間住宅投資も大幅に持ち直し。3月以降に実施されてきた積極的な金融緩和策を受け、住宅ローン金利の低下基調が続いたことが要因。
  3. 旺盛な内需を背景に、輸入が輸出を上回り急増

大統領選を控え、今後の経済対策など動向が注目されます。

ユーロPMIは50を4か月ぶりに下回る

IHSマークイットが10月23日に発表した2020年10月のユーロ圏総合PMIは49.4と、9月の50.4から低下しました。

好不況の節目である50を4ヵ月ぶりに下回り、足元の景気回復ペースの鈍さが見える結果です。

同時に発表されたドイツ、フランスともに前月より低下しており、欧州の景況感が再び悪化しつつあることが示されました。

ISM非製造業は市場予想上回る

ISMが発表した9月の非製造業総合景況指数は、市場予想を上回る活動拡大を示しました。

新規受注が大きく伸びたほか、雇用指数も上昇し、景気回復ペースが改善に向かうことを示唆しました。

非製造業総合指数は57.8と、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を上回り、全体水準を押し上げました。

市場予想は56.3で、8月は56.9でした。

因みに新型コロナの危機が始まる前の2月は57.3でした。

ISM製造業市場予想より小幅な拡大

アメリカの2020年9月の製造業活動は市場予想より小幅な拡大にとどまりました。

製造業景気指数は55.4でした。

2018年11月以来、1年9ヵ月ぶりの水準を回復した前月の56.0から56.5へ上昇するとの市場予想に反して5ヵ月ぶりに低下しました。

5カ月連続で好況・不況の節目である50を超えています。

ADP雇用統計は予想を上回る

2020年9月のADP全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが74万9000人でした。

エコノミスト予想の65万人を上回りました。

雇用は増加したものの、新型コロナウイルス感染が一部地域で再拡大し、政府の財政支援策が薄れる中、労働市場の回復は今後、失速する恐れがあります。

2020年9月

7月の世界貿易は急回復

世界の貿易が急回復しています。

2020年9月25日、オランダの経済政策分析局が7月の世界貿易量を発表しました。

それによれば、新型コロナウイルスで2020年4~5月に急減しましたが、6月以降に自動車など耐久財の需要が持ち直しました。

特に中国は7月に過去最大を記録するなど新興国の伸びが目立っています。

世界全体の貿易量は前年同月比では6.4%減だが、新型コロナの影響が強かった5月と比べると13.1%増えました。

19年の平均を100とした指数でみると、中国は20年7月に106.3となり、18年9月の記録を上回って最高でした。

新型コロナで需要が拡大したマスクやパソコンの輸出が伸びたほか、資本財の荷動きも回復した為です。

先進国は外出規制で4月に76.8まで落ち込みましたが、7月は91.0に持ち直した。

同月はアメリカが91.9、ユーロ圏が90.9、日本が87.3でした。

経済対策で耐久財の需要が持ち直したほか、4~5月に買い控えが起きた反動もあり、7~8月は車の販売が先進国でも伸びたようです。

電子機器や衣服の販売も回復しており、小売店の営業規制は残るものの、ネット通販が支えとなりモノの動きは戻っています。

ISM非製造業、活動拡大のペースの減速を示唆

ISMが発表した8月の非製造業総合景況指数は、活動拡大ペースの減速を示しました。

新規受注の伸び鈍化が背景にあり、新型コロナのパンデミックで打撃を受けた経済が、回復のペースを落としていることをうかがわせています。

ISM製造業景況指数は2018年11月以来の高水準

ISMが発表した8月の製造業総合景況指数は、2018年11月以来の高水準に上昇しました。

2020年8月の製造業景況感指数は、56.0と前月の54.2から1.8ポイント改善しました。

事前予想(54.8)も上回っており、3ヵ月連続で好況・不況の節目である50を超えています。

新型コロナウイルスの感染が再拡大していることもあり、市場では改善ペースの鈍化が予想されていましたが、製造業の景況感は予想以上に強いことが示されました。

ADP雇用統計、8月は予想を下回る

ADPリサーチ・インスティテュートによると、8月の米民間雇用者数は伸びが市場予想を下回りました。

労働市場の回復ペースが緩やかなものにとどまっていることが示唆されました。

雇用者数は、新型コロナウイルス感染がパンデミックとなる前の水準を大きく下回っている状況です。

新型コロナの回復、K字型に

新型コロナウイルス流行後の「K字型」回復が定着しつつあるようです。

比較的豊かな新興国・地域の株式相場と通貨が好調で、新興国市場内での格差が広がりつつあります。

17の新興国・地域を対象に実施した調査によれば、新型コロナをきっかけとしたリスクオフの動きが始まった1月20日から9月初めまでで1人当たりのGDPと株式パフォーマンスの間に42%の相関性が見られました。

1人当たりGDPと通貨のリターンでは31%でした。

昨年1人当たりGDPが1万ドルを上回った中国と韓国、台湾、マレーシアの株式リターンは、その水準に届かなかった4カ国(インドとインドネシア、フィリピン、タイ)より20%良いものでした。

中韓台とマレーシアではテクノロジー企業が多いということもありますが、当局が新型コロナ対応で国民と投資家を安心させるためより多く資金を投じることができたという事実もあるでしょう。

新興国市場では、急激な債務拡大と深いリセッションで、債務返済コストが一段と負担となり、ある程度の金融危機もしくは大きな債務再編の可能性を排除することはできないと指摘する人もいます。

日米欧の中央銀行資産がリーマンショック後の4倍に

新型コロナウイルス対応の積極的な資産購入で日米欧の主要3中銀の総資産が膨らんでいます。

ここ半年間の資産増加額は計618兆円とリーマン・ショック後の4倍のペースです。

国債購入で政府の財政出動に伴う金利上昇を抑え込み、企業の資金繰りも支えている事が背景です。

コロナ禍の長期化で中銀も当面は危機対応を緩められないが、緩和の副作用が強まる懸念もありそうです。

世界の株式時価総額が月末水準では最高に

世界の株式時価総額がどんどん膨らんでいます。

8月末時点で89兆ドル強と、月末ベースでは2019年12月以来8カ月ぶりに過去最高を更新しました。

米中がけん引し、新型コロナウイルスによる消失分を取り戻しました。

デジタル化やコロナからの回復度合いで国ごとに差が大きく、景気や企業業績に比べて回復が急で、市場が楽観的すぎるとの指摘も増えています。

8月の新興国債券市場、3か月連続で流入超

2020年9月1日、国際金融協会が公表したデータによると、8月に新興国の株式・債券市場に流入した非居住者の資金は21億ドルで、7月の152億ドル、6月の294億ドルから減少しました。

ただ、流入超は3カ月連続です。

同協会は、(新興国市場への)資金流入の回復規模は、今年の早い時期の流出規模に比べて小幅になっていると説明しました。

資金フローの内訳をみると、株式が44億ドルの流入超となる一方、債券は23億ドルの流出超でした。

債券の流出超は3月以来です。

2020年8月

アメリカの住宅統計は記録的な上昇

2020年8月18日に発表された7月のアメリカ住宅着工件数は前月比+22.6%の149万6千件(年率換算)と、市場予想の124万5千件を大幅に上回りました。

増加率は2016年10月以来の大きさでした。

8月17 日に発表された全米ホームビルダー協会(NAHB)などによる8月の住宅市場指数は78と、こちらも市場予想の74を上回り、1985年以降の過去最高である1998年12月に並びました。

アメリカの住宅市場は記録的なペースで勢いを増しており、新型コロナウイルス感染拡大で先行き不透明感が強いとみられるなか、米国経済のけん引役の1つとして市場で期待されています。

ISM非製造業も昨年2月以来の高水準

2020年8月5日、ISMが発表した7月の非製造業総合景況指数は、2019年2月以来の高水準となりました。

新規受注指数が過去最高に達し、景況指数も上向いた一方で、雇用指数はさらに悪化しました。

7月の非製造業総合景況指数は58.1で、エコノミスト予想の中央値は55、前月は57.1でした。

4つの構成指数の内訳ですが、

  1. 景況指数は2004年1月以来、16年半ぶりの水準を回復。
  2. 新規受注指数は1997年以降で過去最高を記録。
  3. 3月、4月と大幅に上昇した供給業者の納入指数は3ヵ月連続で低下。
  4. 雇用指数も3ヵ月ぶりに低下。

といった形です。

ADP雇用統計、雇用者数が急減速

ADPリサーチ・インスティテュートによると、7月の米民間雇用者数は伸びが急減速しました。

新型コロナウイルスの感染再拡大で労働市場や景気回復にブレーキがかかったことが示唆されました

7月の米民間雇用者数は前月比16万7000人増加しましたが、ADPリサーチは、減速の影響はあらゆる企業規模やセクターで出ていると発表資料で指摘しています。

ISM製造業が昨年3月以来の高水準

2020年8月3日、ISMが発表した7月の製造業総合景況指数は、2019年3月以来の高水準となりました。

内訳をみると、5つの構成指数のうち、供給業者の納入指数と在庫指数以外の3つの指数が上昇し、特に生産指数と新規受注指数はおよそ2年ぶりの高水準を記録しました。

受注が一段と堅調になり、在庫が減少したことで、製造業者の間で生産を増やす動きが広がったという事でしょう。

ただ、まだまだコロナウイルスの問題は収束する気配を見せず、製造業の先行きは予断を許しません。

ジャンク債の起債が2倍に

 新型コロナウイルス危機への経済対策としてFRBは計3兆ドルもの支援金を投入し、米債券・株式市場のあちこちで行き過ぎた結果を招いています。

FRBの債券購入プログラムは企業の社債発行を促し、第2・四半期の起債市場はかつてないほど「盛り上がって」います。

米証券業金融市場協会によると、上半期の投資適格級債の起債は約1兆2000億ドルに上り、過去最高を記録しました。

FRBは投資不適格(ジャンク)級債のほとんどでは購入を控えていましたが、それにもかかわらずジャンク債起債も上半期で2000億ドルと、前年の2倍以上になりました。

ただ、第2・四半期に新規の発行がこれほどまでに多かった分、第3・四半期はそれほど大量起債にはならない懸念がある可能性があります。

2020年7月

世界のマイナス利回り残高が15兆ドルに

世界のマイナス利回り債券の残高が15兆ドル(約1580兆円)に近づきました。

新型コロナウイルス危機と中央銀行による資産購入で、世界の債券利回りは低下し、ピークだった2019年の17兆ドルには届かないものの、マイナス利回り債の残高は4カ月連続で増加しています。

現在の投資家はどこかで利回りが得られないかと必死で探している状況でしょう。

マイナス利回り債券増加の中心は欧州で、ドイツ国債は全ての年限で利回りがゼロを下回り、ユーロ圏で高リスクと見なされるイタリア債ですら一部は利回りがマイナスとなっている状況です。

ユーロ圏、第2四半期は前期比12.1%マイナス

2020年7月31日、EU統計局が発表した2020年4~6月期のユーロ圏のGDP速報値は物価変動を除いた実質で前期比マイナス12.1%でした。

これは年率換算では40.3%減と、1~3月期に続いて過去最悪を更新しました。

もちろん背景は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞です。

国別ではスペインやイタリアなど南欧の落ち込みが大きいようです。

新型コロナの打撃は製造業よりも、観光などサービス業の方が大きいからです。

アメリカのGDP、前期比マイナス32.9%

アメリカ商務省が2020年7月30日に発表した4~6月期のGDPは、前期比年率換算でマイナス32.9%でした。

4~6月期の数値としては統計がある1947年以降で最大のマイナス幅となりました。

感染再拡大で7~9月期の回復力も疑問符がつき始めています。

コロナ感染と経済停止という複合危機は出口が見えず、雇用支援策などを続けられるかが当面の焦点となりそうです。

アメリカの鉱工業生産、60年ぶりの上昇幅

2020年7月15日にFRBが発表した6月の米鉱工業生産指数は前月比+5.4%となしました。

市場予想の同+4.3%を上回り、1959年12月以来の高い伸びとなりました。

内訳は、

  1. 製造業が同+7.2%と、1946年3月以来の高い伸び
  2. 前月に同+120.0%と、過去最高の伸びだった自動車・同部品が同+105.0%
  3. 機械など耐久財や、アパレルなど非耐久財のすべての品目が上昇
  4. 公益は同+4.2%と、前月の同-3.5%から持ち直し
  5. 鉱業は同-2.9%と、5ヵ月連続で低下
  6. 石油・ガス採掘は3ヵ月連続で2桁のマイナス

今後はアメリカの製造業の持ち直しが継続するかが焦点となりそうです。

ISM非製造業、4か月ぶりの高水準

ISMが2020年7月6日発表した6月の非製造業総合景況指数は、4カ月ぶりの高水準となりました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンが緩和され、経済活動がより広範囲に再開されたことを反映しました。

非製造業総合指数は57.1で、上昇幅は過去最大でエコノミストの予想値を上回りました。

企業の格下げが相次ぐ

今年格付けが下がった企業は世界で約1400社と過去最多のペースを維持しています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中央銀行は企業の資金繰りを支援しています。

これによって、資金調達はしやすい状況になっていますが、淘汰されるべき企業まで延命されるという懸念が広がっています。

新型コロナの収束にも時間がかかり、返済原資となる将来の稼ぎの回復も鈍くなっています。

S&Pが格下げした社債発行企業は6月までに世界で1400社程度と、前年同期の3.5倍程度になっています。

これは過去最多だったリーマン・ショック後の2009年とほぼ同じ水準です。

ADP雇用統計、予想を下回る雇用の伸び

2020年7月1日に発表となったADPリサーチ・インスティテュートでは、6月の米民間雇用者数は、市場予想を下回る伸びにとどまりました。

企業活動の再開は進んでいるものの、景気回復は当初の速いペースから鈍化しつつある兆候が示されました。

6月の米民間雇用者数は前月比237万人増で、エコノミスト予想の中央値は290万人増でした。

ISM製造業は約40年ぶりの大幅上昇

2020年7月1日、ISMが発表した6月の製造業総合景況指数は1年2カ月ぶりの高水準となりました。

新型コロナウイルスによるロックダウンが終わり、活動が拡大に転じたことを示しています。

ISM製造業総合景況指数は52.6で、前月から9.5ポイントの上昇です。この上昇幅は1980年8月以来の大きさです。

2020年6月

ヘッジファンドの清算が相次ぐ

2020年6月30日、ヘッジファンドリサーチが公表したデータによると、2020年第1・四半期のヘッジファンド清算件数が2015年以来最多を記録したようです。

新型コロナウイルスの感染拡大で市場が乱高下し、損失が膨らんだほか、大量の資金流出に見舞われたことが背景にあります。

清算されたファンドは304。

2015年第4・四半期(305件)以来の高水準です。

前期の2019年第4・四半期(198件)からは50%増加しました。

世界の貿易量、過去最大の落ち込みながらも最悪のシナリオは回避

2020年6月23日、WTOは新型コロナウイルスの影響で2020年は世界のモノの貿易量が過去最大の規模で落ち込むとした上で、最悪のシナリオは避けられるとの見方を示しました。

WTOは4月、2020年にモノの貿易量が13ー32%減り、2021年には21ー24%持ち直すという試算を公表しました。

海外直接投資、4割減

2020年6月16日、国連貿易開発会議は2020年の世界各国への海外直接投資が9240億ドルと、前年比で最大40%減るとの予測を発表しました。

背景

新型コロナウイルスによる経営環境の悪化で、M&Aなどにブレーキがかかっている事が背景にあります。

1兆ドルを下回るのは、05年以来15年ぶりで、リーマン・ショック後の09年の減少率(17%減)も大きく上回ります。

2021年についてはさらに5~10%減少し、22年にようやく回復に転じると予想しています。

世界の貿易量、第2四半期は27%減

2020年6月11日、国連貿易開発会議は第2・四半期の世界の貿易額が前期比27%減となり、2020年通年では前年比20%減になるとの見通しを示しました。

背景はもちろんコロナウイルスの感染拡大による影響です。

当該報告書では自動車とエネルギー部門の貿易が急激に落ち込んだ一方、農業食品の貿易は安定している、としています。

また、中国は他の主要経済国と比べ持ちこたえたとしています。

中国の4月の輸出は3%増で、5月は輸出入ともに8%減っており、持ち直しの傾向は長く続かない可能性があると指摘しています。

世界の損害保険支払いが急増

新型コロナウイルスの影響で、世界の損害保険会社に損失が広がり始めたようです。

コロナ感染拡大によるイベントの中止や休業による利益の喪失を対象にした補償が増えた結果、2020年の業界全体の保険金支払いは約12兆円と過去最大規模になる見通しのようです。

補償範囲を巡る係争も起きています。

コロナで損保会社の負担が増え、保険料上昇につながるとの見方が強まっています。

ISM非製造業は大幅に持ち直し

ISMが発表した5月の非製造業総合景況指数は、前月から持ち直しました。

非製造業総合景況指数は3.6ポイント上昇し45.4となりました。

約2年ぶりの大幅上昇です。

ADP雇用統計、労働環境が最悪期から脱した事を示唆

2020年6月3日発表となったADPアメリカ民間雇用者数は、市場予想より小幅な減少にとどまりました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う労働市場への打撃に関し、最悪期を脱した可能性が示唆されました。

5月の米民間雇用者数は前月比276万人減となり、エコノミスト予想だった900万人減より大幅に良い結果でした。

ISM製造業、低位安定

2020年6月1日にISMが発表した5月の製造業総合景況指数は4カ月ぶりの上昇となりました。

新型コロナウイルスで活動に急ブレーキがかかっていた製造業ですが、低位で安定しつつある兆しかもしれません。

5月の製造業景気指数は43.1と、2009年4月以来11年ぶりの低水準を付けた4月の41.5から上昇しました。

2020年5月

世界の社債発行、最高に

世界の企業の2020年4月の社債発行額が6314億ドルと過去最高を更新しました。

日米欧の中銀は資金繰り支援策として社債購入を拡大しています。

新型コロナウイルスの感染拡大で売上高が急減する中でも、多くの企業は調達コストを大きく増やさず資金を確保できています。

調査によれば、4月の発行額は1980年以降で最高で、過去10年の月間平均の2.2倍です。

また、世界の主要企業約1万4000社の3月末の有利子負債は約38兆ドルと、1年間で2.7兆ドル増えているようです。

アメリカの雇用が2000万人減

2020年5月6日、アメリカの民間雇用サービス会社ADPが発表した4月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数は前月から2023万6千人減少しました。

新型コロナウイルスによる経済活動の封鎖によって、統計がある02年以降で最大の落ち込みとなりました。

3月時点のアメリカの労働力人口は1億6300万人で、1カ月で8人に1人が職を失ったことになります。

4月の雇用統計は5月8日に発表されますが、市場はADP調査と同じく2000万人程度の雇用減を予測しています。

リーマンショック時は2009年3月の80万人減が最大のおちこみでしたが、その25倍もの悪化幅が見込まれます。

業種別にみると、「レジャー・接客業」が861万人減と過去例のないマイナス幅となったほか、「商業・運輸・公共サービス」も344万人減、建設業は248万人減、製造業も167万人減となりました。

ISM非製造業、11年ぶりの低水準

ISMが発表した4月の非製造業総合景況指数は、サービス業の需要と雇用の急減で11年ぶりの低水準となりました。

非製造業総合景況指数は10.7ポイント低下し41.8です。

4月に非製造業および製造業の総合景況指数がいずれも大幅低下したことは、アメリカ経済が過去に例のないペースで縮小していることを表しています。

日本の投信の残高の増加が30年ぶりの大きさ

個人投資家の投資信託向け投資の規模が膨らんでいるようです。

公募投信の4月末の純資産残高は3月末に比べ5兆4889億円増加し、111兆8889億円となったようです。

増加は4カ月ぶりで、増加額は調査を始めた1989年1月以降で最も大きい数値です。

新型コロナウイルスの感染拡大で株価など資産の水準が低下し、チャンスと考えた個人の資金流入が続いているようです。

投信の種類別では世界の株式を組み入れた投信やREITへの資金流入が多いようです。

米製造業PMIは11年ぶりの低水準

2020年5月1日に公表された4月のアメリカのPMIは36.1と、2009年3月以来、11年超ぶりの低水準を付けました。

3月は48.5でした。

新型コロナウイルスの感染拡大で需要が減ったほか供給網も混乱した結果です。

ISM製造業景況指数生産が約70年ぶりの大幅下落

2020年5月1日、ISMが発表した4月の製造業総合景況指数で、主要項目のうち生産指数が1948年の統計開始以降で最も大幅に低下しました。

新型コロナウイルス感染拡大による経済への打撃で生産が落ち込み、大幅な雇用減をもたらしました。

製造業景況指数は予想ほど落ち込みませんでした。

発注から納品までの時間が一段と伸びたことが作用したと見られます。

アメリカ企業の社債急増

アメリカ企業の社債発行が急増しているようです。

4月の発行額は総額2294億ドルと月間では過去最高を更新しました。

FRBが大規模な社債購入を決め、投資家の需要が復調したためです。

ボーイングは250億ドルの起債

ボーイングは4月末に3年から40年までの年限で総額250億ドルの社債を発行しました。
10年債では米国債に対する上乗せ金利が4.5%と2019年7月の発行分の0.9%から大幅に拡大しました。

ハイイールドへの需要も拡大

ハイイールド債への需要も強まってきています。
業績不振から政府に支援を仰いだデルタ航空は、35億ドルを起債して当面の資金繰りにめどをつけましたが、年7%の高い利回りのハイイールドです。

社債発行手数料も過去最高に

企業が資金調達を急ぐ中、世界の投資銀行の1ー4月おける社債発行手数料は106億ドルと、前年同期比で24%増加して過去最高水準を付けました。

国債を含む全体の債券発行手数料は同じ期間で139億ドルと、こちらも過去最高水準です。

一方でM&A手数料は22%減と、軟調となりました。

新型ウイルスの危機を受けM&A活動が停滞した為です。

2020年4月

新興国からの資金流出が止まらず、将来の火種に

新興国からの資金流出が4月末までで約1000億ドルに上り、流出ペースはリーマン・ショックの約4倍に達しているようです。

背景

新型コロナウイルスの感染拡大で急速に進む財政悪化への不安が強まっているためです。

急速な通貨安で新興国のドル建て債務の負担はさらに増してしまいます。

米日欧の中央銀行による大量資金供給で市場は落ち着きを取り戻したかに見えますが、新興国が新たな火種になりかねません。

2019年末比の対ドル相場の落ち込みが目立つのは約27%下げたブラジルレアルです。

25%超下げた南アフリカランドや15%安のトルコリラも最安値圏です。

アメリカの1-3月のGDPは4.8%減

2020年4月29日発表されたアメリカの1~3月期のGDP速報値は、前期比年率換算で4.8%減少しました。

約11年ぶりの大幅なマイナス成長です。

4-6月はさらに大幅な縮小が見込まれており、少なくとも約80年ぶりの深刻なリセッションが近づいています。

11年弱に及んだ過去最長の米景気拡大は終わる見通しです。

S&Pが世界の成長予想をマイナス2.4%に下方修正

2020年4月16日、S&Pが2020年の世界成長率見通しをマイナス2.4%に下方修正しました。

世界的に実施されている新型コロナウイルス対策のロックダウン措置の影響を考慮しました。

また、同年のアメリカの成長率はマイナス5.2%、ユーロ圏はマイナス7.3%と予想しました。

VIX指数は依然として高水準で乱高下が続く

2020年4月6日現在のVIX指数は45.2と低下しましたが、依然高水準です。

もちろん、3月16日に記録した82.69からすれば相当低くなっていますが、さらにさかのぼって1月頃の10台からみれば依然高水準と言えます。

リーマン・ショックが起きた2008年10月からの約半年間もVIX指数はほぼ40を超える水準が続いていました。

この間、米国株式市場は基本的に不安定でしたから、今回についても同様にVIX指数が安定的に40を下回る水準が続かないと、アメリカの株式市場が落ち着きを取り戻したとは言えなさそうです。

ISM非製造業は2008年以来の大きさで下落

ISMが発表した3月の非製造業総合景況指数は、前月から低下し、業況と雇用の指数が活動縮小を示す領域に落ち込みました。

昨今の状況から考えれば当たり前ではあります。

前月の堅調な伸びから一転し、新型コロナウイルスに伴う負の影響がアメリカ経済をむしばんでいる状況が示された形です。

非製造業総合景況指数は2008年以来の大きさで低下しました。

市場予想はかなり上回りましたが、これには入荷遅延指数が1997年以来の大幅上昇となったことが影響しているようです。

新型コロナの感染拡大でサプライチェーンが混乱し、3月のISM製造業総合景況指数でも同様の状況が示されています。

国連、2020年の成長率が最悪の場合マイナス0.9%になると試算

国連の経済社会局は、新型コロナウイルスの世界的流行で2020年の世界のGDP成長率が最悪の場合、前年比マイナス0.9%になるとの予想を示しました。

従来はプラス2.5%と予想していました。

欧米の経済活動が7~9月以降も制限されれば、成長率がさらに下振れする可能性があるという事です。

レポートによれば新型コロナの影響で100カ国以上が国境を封鎖し、欧米で就業人口の25%にあたるサービス業がとくに打撃を受けているという事です。

深刻な景気後退を避けるために、まずは感染拡大を防いた上で、影響を受けた家計への収入補償等が必要になると指摘しています。

投資信託の流出が過去最大

これまで膨張してきた投資信託からの資金流出が相当量に膨らんでいます。

世界の投信の資金流出額は3月に5136億ドルと、リーマン・ショック時を上回り過去最大となりました。

ETFなど投資信託の残高はこの10年で2倍に膨らんでいましたが、新型コロナウイルスへの懸念で一気に逆回転しています。

ここ最近のマーケットの下落を裏付ける形となりました。

ADP雇用統計は2017年来初の減少

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した3月の米民間雇用者数は、2017年以降で初めて減少しました。

小規模企業による事業活動停止の動きが広がり、雇用者に影響が及び始めた状況が示された形です。

ただ、今回の統計は3月前半の状況を反映したものである事から、同月後半に見られたより大きな人員削減の動きは含まれていません。

アメリカの製造業PMIは2009年8月以来の低水準

2020年4月1日、IHSマークイットが3月のアメリカ製造業購買担当者景気指数(PMI)が48.5であったと発表しました。

これは2009年8月以来の低水準です。因みに2月は50.7でした。

指数は50が景気拡大・縮小の節目となります。

IHSマークイットは指数低下の要因について新型コロナウイルスのパンデミックによって供給不足が生じているため、としました。

ISM新規受注と雇用は2009年来の低水準

2020年4月1日、ISMが発表した3月の製造業総合景況指数では、主要項目のうち新規受注と雇用の指数が11年ぶりの低水準に落ち込みました。

背景はもちろん新型コロナウイルスのパンデミックに関連した需要急減です。

18業種中、10業種が活動の拡大を報告し、総合景況指数は市場予想より小幅な1ポイント低下にとどまっています。

2020年3月

産油国、2000億ドル以上の株式を売却?

産油国の政府系ファンドが、石油価格の急落と新型コロナウイルス感染拡大による財政悪化を背景に、最大2250億ドル分の株式を処分売りに出す可能性があるようです。

ある金融機関の試算によると、最近の世界的な株価下落により、非産油国を含めた世界の政府系ファンドは、合計で約1兆ドルの含み損を抱えているようです。

彼らに損失拡大を覚悟して株式投資を維持する選択肢はあまりありません。

原油価格の下落と緊急経済対策のダブルパンチにより、財政が悪化している為です。

既にノルウェーを除く産油国の政府系ファンドは、ここ数週間で既に1000億ドル規模の株式を処分しているとみられていて、今後数週間でさらに500億ドル以上分を売却する可能性があるようです。

大半の産油国の政府系ファンドは、石油価格の暴落によって政府から資金を求められる事態に備え、多額のキャッシュを維持するよう義務付けられています。

通常、政府系ファンドはまず現金の留保を行い、次に政府短期証券などの短期金融商品の売却から流動性を増やし、最後にパッシブ投資していた株式に手を付けると思われます。

アメリカの家計資産12兆ドル減少

アメリカの家計の金融資産が株価急落で急減しています。

1~3月の減少額は12兆ドル程度となったようです。

これはリーマン・ショック前後の1年半に失った額を上回る規模です。

新型コロナウイルスのまん延でアメリカでは失業も急増し、資産運用と雇用の両面で痛手を負っています。

このまま新型コロナの影響が長引くと個人消費への打撃も避けられず懸念されます。

アメリカのPMI、下げ幅が過去最大

アメリカのサービス業と製造業を合わせた総合的な経済活動指数が過去最大の低下となりました。

IHSマークイットが3月24日発表した米総合購買担当者指数(PMI)速報値は前月比9.1ポイント低下し40.5でした。

下げ幅は統計が始まった2009年10月以来最大です。

同指数は50を下回ると活動の縮小を示すとされています。

ヨーロッパのPMIが過去最低

2020年3月24日にIHSマークイットが発表した3月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)は31.4と、過去最低となりました。

エコノミスト予想の38.8も下回りました。

因みに前月は51.6でした。

東証1部の平均PBR、1.0倍を切る

2020年3月10日の東京株式市場では、東証1部のPBRが一時1倍を下回りました。

1倍割れは2012年12月以来、7年3カ月ぶりです。

日経平均株価は一時、1万9000円を下回る場面がありましたが、割安感を手掛かりに買い戻されました。

PBRの1倍割れは、企業の1株純資産よりも株価が低いことを意味しています。
実際に1倍近辺が過去の株安でも底値になることが多いとされます。
最近の株安でトヨタ自動車やNTTなど、高収益企業でも1倍を相次ぎ下回っている状況です。

ISM非製造業は予想に反して上昇

2020年3月4日に発表された2月のISM非製造業景気指数は57.3と、予想に反して3ヵ月連続で上昇し、1年ぶりの水準を回復しました。

3ヵ月連続の上昇は2014年5月以来、5年9ヵ月ぶりのことです。

同指数は50を上回ると景気が良い、50を下回ると景気が悪いとされています。

ISM製造業景況指数、活動停滞の水準に落ちる

2020年3月2日にISMが発表した2月の製造業総合景況指数は前月から低下し、活動の停滞を示す水準付近となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、アメリカ経済も悪影響を免れないとの懸念が強まっています。

2020年2月のISM製造業総合景況指数は50.1と前月の50.9から低下しました。この指数は50が拡大と縮小の境目です。

2020年2月

世界の債務残高、年末に53兆ドル

2020年2月20日、S&Pグローバルは2020年に世界で8兆1000億ドルの国債が発行され、年末の債務残高は53兆ドルと過去最高を更新すると発表しました。

国債発行額の約70%に当たる5兆8000億ドルが満期を迎える長期債の借り換えです。

新発債の発行額は2兆3000億ドル程度と見込まれるようです。

発行増加をけん引するのはアメリカと日本です。

アメリカが3兆ドル、日本が1兆7500億ドルの国債を発行する予定で、合わせて発行額全体の約60%です。

アメリカの企業活動、2013年以降で初めて縮小

アメリカ総合購買担当者指数速報値は、前月比3.7ポイント低下して49.6となり、2013年以降で初めて縮小しました。

背景

新型コロナウイルスの流行でサプライチェーンが打撃を受け、企業が発注を控えたことが影響しました。

新型ウイルス流行がアメリカ経済にも悪影響をもたらし始めたことを示すシグナルと言えます。

同指数は50を下回ると活動の縮小を示しています。

コロナウイルスの影響、不透明でまだ未知数

なかなかコロナウイルスの影響が読めず、経済の先行きが晴れません。

民間金融機関は中国経済の見通しを相次いで引き下げていますが、どこまで影響が及ぶのか分からない為、幾多の修正をせざるを得ない、といった所でしょう。

S&Pは2020年のGDP成長率の予測値を従来の5.7%から5%へと大幅に下方修正しています。

ゴールドマン・サックスは感染拡大が3月までにおおむね収まるとの前提を置くと、1~3月期の成長率は4%、20年は5.5%としていますが、4月以降も感染拡大が続く場合は成長率が5%以下に落ち込む可能性があるとしました。

UBSは経済的な打撃がSARS並みになると分析しています。

英バークレイズは5.4%成長を基本シナリオとしつつも、リスクシナリオでは4.5%まで落ち込むとしています。

もう少し強気な所で行くと、スタンダードチャータードは1~3月期の成長率は4.5%にとどまるものの、その後急回復し通年の見通しは5.8%と予想ています。

各社結構数値にばらつきがあり、しかも修正を複数回している所を見ると、どれも多くの仮定を置いて推計せざるを得ない状況が浮かび上がります。

モノの貿易、一段と減速する可能性

2020年2月17日、WTOは世界のモノの貿易について、2020年初の伸びは依然として弱い可能性があると発表しました。

新型コロナウイルスの影響によりトレンドを下回る状況が一段と悪化する恐れがある為です。

WTOのモノの貿易指標は11月発表時の96.6から95.5に低下しています。

同指標が100未満の場合はモノの貿易の伸びが中期的なトレンドを下回っていることを示唆します。

WTOは今回の数値には新型コロナウイルスの感染拡大など最近の状況が考慮されていないとしており、感染拡大によって貿易に関する見通しが一段と悪化する可能性があるとしました。

コロナウイルスの影響、見解分かれる

 新型コロナウイルスの経済への影響について、アナリストによって見解が大きく分かれているようです。

中国が短期的ながらも当初の予想以上の影響を受けるとみている点については共通ですが、その深刻さについては議論が分かれています

米ピーターソン国際研究所のシニアフェロー、ニコラス・R・ラーディー氏は第1・四半期の中国のGDP伸び率が4%まで落ち込む可能性があるとの見方を示した一方で、S&Pのアナリストは同5.0%と見込んでいます。

因みに、ウイルス発生前の時点で中国政府が示していた年間成長率見通しは6%でした。

ADP雇用統計は強い

2020年2月5日、ADOリサーチ・インスティテュートが1月の米民間雇用者数を発表し、2015年5月以来の大幅な伸びとなりました。

労働市場の堅調さが続いていることが示唆された形です。

暖冬が1月の大幅な雇用押し上げにつながったとも見られており、特に娯楽・ホスピタリティー、建設の分野で顕著に大きな伸びとなったようです。

ISM非製造業も大幅に持ち直し

2020年2月5日にISMが発表した1月の非製造業総合景況指数も、製造業景況指数と同様に受注動向の改善を受けて5カ月ぶりの高水準となりました。

2020年1月の非製造業総合景況指数は55.5と、前月よりも上昇し、新型コロナウイルスに関する懸念の増大が実体経済への脅威となる中でも、底堅い拡大を示しました。

ISM製造業景況指数は大幅に持ち直す

2020年2月3日、ISMが1月の製造業総合景況指数を発表しました。

ISM製造業総合景況指数は50.9と、節目の50をわずかに上回る程度ですが、大幅に持ち直し、市場予想も上回りました。

同指数の5つの構成指数のうち、在庫を除いた4指数が上昇しました。

なかでも生産が昨年4月以来、9ヵ月ぶりの水準を回復し、上昇幅が6年半ぶりの大きさとなったほか、新規受注は8ヵ月ぶりの水準を回復しました。

昨年7月以来の活動拡大となり、低迷に陥っていた製造業セクターの成長を示唆しています。

2020年1月

世界貿易量、減少

2019年11月の世界貿易量は前年同月に比べて1%余り少なかったと、オランダの当局が発表しました。

減少はこれで6カ月連続で、世界経済にとって厳しい時期が続いていることを浮き彫りにしています。

通年の世界貿易量も2009年以来の減少となる見通しが今の所強いとの事です。

日本株、自己株買いと日銀が存在感

日本株は事業法人と日銀が最大の買い手となり、2019年の株の買い越し額は4.2兆円でした。

2019年の事業法人の買越額は自社株買いの増加で4.2兆円と過去最高となったようです。

日銀もETFを通じて4.4兆円買い入れました。

外国人や個人など運用目的の投資家の売りを、自社株買いと金融政策の買いが吸収した構図となりました。

ある調査によると、主要500社のうち自社株買いを実施している企業は3割にとどまっていて、まだ拡大余地は大きいようです。

外国人投資家の動向

2019年始から売り越していた外国人投資家は10月から買い戻しに転じたようです。
ただ、2019年全体では8000億円の売り越しとなったようです。
個人投資家も4.3兆円の売り越しです。

個人の売買代金は207兆円と12年以来7年ぶりの低水準となっていますが、これは大きく値下がりした時に買う傾向が強い個人の動きの通りでした。

ボラティリティも小さかったため、ネットトレーダーの売買も減ったようです。

ISM非製造業景況指数は4か月ぶりの高い水準

アメリカISMが発表した12月の非製造業総合景況指数は、業況持ち直しを反映し4カ月ぶりの高水準となりました。

製造業とは一転、経済全般は引き続き安定している様子が示された格好です。

ポイント

  • 12月の非製造業総合景況指数は55.0に上昇
  • 前回(11月)は53.9
  • 指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

ISM製造業は予想外に低下

アメリカのISMが発表した昨年12月の製造業総合景況指数は、市場の予想外に低下し、不安の残る結果となりました。

特に新規受注や生産が低調だったようです。

ポイント

  • 製造業総合景況指数は47.2に低下。
  • この水準は2009年6月以来の低さ
  • 前回(11月)は48.1
  • 5カ月連続での活動縮小を示す形に
  • 新規受注と生産は09年4月以来の低水準

 

 

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