2020年7月の主な出来事

2020年7月31日 EUも大幅なマイナス成長

日経平均が629円安

2020年7月31日の日経平均株価は6日続落し、終値は前日比629円安の2万1710円となりました。

2万2000円を下回るのは6月29日以来ほぼ1カ月ぶりです。

2020年4~6月期決算を受けて株価が下落する銘柄が多く、企業業績への不安感が広がりました。

円高・ドル安が加速したことも重荷でした。

東京外国為替市場では一時1ドル=104円20銭近くまで円が買われ、約4カ月半ぶりの円高・ドル安水準です。

アメリカのGDP速報値が過去最大のマイナス幅となり、米景気の先行き懸念からドルが売られた結果です。

日本株では輸出株全般で売りが優勢となりました。

マーケットの急落・急騰についてのまとめ

ユーロ圏、第2四半期は前期比12.1%マイナス

2020年7月31日、EU統計局が発表した2020年4~6月期のユーロ圏のGDP速報値は物価変動を除いた実質で前期比マイナス12.1%でした。

これは年率換算では40.3%減と、1~3月期に続いて過去最悪を更新しました。

もちろん背景は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞です。

国別ではスペインやイタリアなど南欧の落ち込みが大きいようです。

新型コロナの打撃は製造業よりも、観光などサービス業の方が大きいからです。

【最新状況】各国の統計・データのまとめ【最新状況】各国の統計・データのまとめ

中国のPMIは予想外の上昇

2020年7月31日、中国国家統計局が発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.1でした。

前月の50.9から上昇し、3月以来の高水準となりましたが、中国では洪水被害が発生し、また新型コロナウイルスの感染が再拡大していたため、良くても横ばいと予想されており、この上昇は予想外でした。

景況改善・悪化の分岐点の50を5カ月連続で上回っています。

電気製品、医薬品の見通しが改善した事が主因とされています。

【最新】中国の統計・データに関するまとめ

NYの金先物、初めて200ドル超え

2020年7月31日、ニューヨーク金先物は中心限月の12月物が一時1トロイオンス2005ドルまで上昇し、過去最高値を更新しました。

金先物は7月27日に、2011年9月6日に付けた過去最高値の1923ドルを9年ぶりに突破し、その後も上昇を続け、節目の2000ドルを上回りました。

年初来の上昇率は30%を超え、7月の1カ月間だけで12%上昇しています。

あまりに急ピッチな上昇なので、短期的な調整には十分気を付けておく必要があるでしょう。

金の動き、金相場についてのまとめ

2020年7月30日 アメリカ前期比年率マイナス32.9%

アメリカのGDP、前期比マイナス32.9%

アメリカ商務省が2020年7月30日に発表した4~6月期のGDPは、前期比年率換算でマイナス32.9%でした。

4~6月期の数値としては統計がある1947年以降で最大のマイナス幅となりました。

感染再拡大で7~9月期の回復力も疑問符がつき始めています。

コロナ感染と経済停止という複合危機は出口が見えず、雇用支援策などを続けられるかが当面の焦点となりそうです。

【最新状況】各国の統計・データのまとめ【最新状況】各国の統計・データのまとめ

原油先物が一時5%下落

2020年7月30日原油先物が大きく下落しました。

アメリカの第2四半期が大幅なマイナス成長に陥ったことに加え、トランプ大統領が11月の大統領選延期の可能性に言及したことで売りが出たようです。

清算値は、北海ブレント原油先物LCOc1が0.81ドル(1.9%)安の1バレル=42.94ドル、WTI原油先物CLc1が1.35ドル(3.3%)安の39.92ドル。一時約5%下落しました。

【最新】原油・資源関連ニュースのまとめ

メキシコの2020年4-6月のGDPは前期比▲17.3%

2020年7月30日発表のメキシコの2020年4~6月期のGDPは、前の四半期に比べ17.3%減でした。

遡れる1994年以降で最も悪い水準となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で主要輸出先のアメリカへの輸出が落ち込んだ事が主因です。

落ち込み幅はリーマン・ショック後の2009年1~3月期(5.1%減)の3倍超です。
これでマイナス成長は5四半期連続で、前年同期比では18.9%減でした。
ただ、7~9月期は、4~6月期比で4~5%程度のプラス成長になるとの見方が多いようです。

2020年7月29日 トルコ中銀、インフレ率鈍化を予想

FRB、現状維持を決定も次回に追加対策導入を示唆

2020年7月29日、FRBはFOMCで、ゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決めました。

大量の緩和マネーを流し込んだが、新型コロナウイルスの猛威で景気のV字回復は困難と見れます。

今回の声明では、経済と雇用については、足もとで多少か上向いたものの、今年初めの水準を大きく下回っているとしました。

パウエル議長は9月の次回会合で追加策を決定する可能性も示唆しました。

昨年初から進められている金融政策の枠組みの見直しはもうじき完了する見通しのため、次回9月のFOMCで、政策変更をインフレ率と紐付ける新たな枠組みの下、金融緩和が実質的に強化される見込みです。

アメリカの金融政策の経緯とまとめ

トルコ中銀、インフレ率鈍化を予想

2020年7月29日、トルコ中央銀行は四半期報告書で、インフレ率予想を引き上げましたが、間もなく鈍化するとの見方を示しました。

中銀は、新型コロナウイルスの感染第2波が起きないことを前提に、2020年末のインフレ率予想を8.9%とし、前回予想の7.4%から引き上げました

インフレ率は2021年末までに6.2%に低下すると予想しています。

因みに前回は5.4%に低下すると見込んでいた。

6月の消費者物価指数は前年比12.62%上昇し、中銀の目標を大きく上回りました。エコノミストはおおむね、年内インフレ率は高水準で推移すると予想しています。

また、外貨準備は、短期的な債務返済に対応できる水準だとし、下期に外貨準備の状況が改善するとの見方を示し、新型コロナウイルスの感染拡大のような状況で大きく変動することは異常ではないと指摘しています。

今週に入り一時1.5%下落した通貨リラ相場には言及しませんでした。

トルコの金融政策の経緯とまとめ

2020年7月28日 インド株式は高いパフォーマンス

金価格、最高値更新後に反落

2020年7月28日、金相場は先物が1オンス当たり初めて2000ドルに達するなど最高値を更新した後、反落しています。

投資家は金相場の上昇が急速かつ行き過ぎだったかどうかを見極めようとしているようです。

トレーダーが利益確定の売りを出したほか、ドルが下落分の一部を取り戻していることが、反落の背景です。

新型コロナウイルスのまん延による経済への打撃に終わりの兆しは見えず、経済成長の押し上げには追加刺激策が必要になるとの見方が広がっている一方で、投資家は一段高を狙うにはさらに強力な手掛かりを必要としている可能性があります

金の動き、金相場についてのまとめ

インド株式のパフォーマンスは引き続き良好

SENSEX指数は引き続き上昇基調で推移しています。

7月下旬には約4ヵ月半ぶりに38,000台を回復し、コロナウイルス問題発生後の安値から考えると50%弱の上昇となっています。

この水準は史上最高値である2020年1月14日終値まであと10%弱という水準まで回復している事を意味します。

セクター別の騰落率をみると、

  • ヘルスケアは+50%程度
  • ITセクターも+55%程度
  • 不動産は(+15%程度
  • 公益セクターは+20%程度

となっており、セクター間のパフォーマンス格差が大きくなっています。

上昇の要因としては、

  1. 主要国中央銀行の金融緩和策による世界的な過剰流動性
  2. 追加経済対策期待の高まり
  3. 大手IT企業等の市場予想を上回る決算発表
  4. Googleのインドへの巨額投資の発表:Googleが今後5~7年の間にインドに100億ドルの投資を行うと発表
  5. 新型コロナウイルスワクチン開発への期待

等が挙げられます。

【最新】インド株式の動きとまとめ

2020年7月27日 金が9年ぶりの最高値

金価格、9年ぶりの最高値

2020年7月27日、金の国際価格が2011年9月以来、約9年ぶりに史上最高値を更新しました。

新型コロナウイルスの感染拡大と米中対立の先鋭化によって、不確実性の高まり、低金利、過剰流動性という金を買う材料が重なり、最高値に達しました。

主にはETFなどを通じた金投資が増えたようです。

金現物相場は一時1オンス=1923.20ドルを付けました。

金の動き、金相場についてのまとめ

アルゼンチンの主要債権者、改めて政府最終提案を受け入れられないと表明

2020年7月27日、主要債権者はグスマン経済相宛ての書簡で、債権者の共同提案が、海外で発行した国債の半分以上を保有する投資家の支持を得たとし、政府側の最終案を受け入れない姿勢を鮮明にしました。

書簡によると、アルゼンチンが過去に債務交換した国債残高の60%を保有する金融機関と海外市場の国債発行残高の51%を保有する金融機関が今月20日に政府に提示した共同案に支持を表明したそうです。

総額約650億ドルの債務再編協議は、債権者側が一致団結して政府側の案に反対したことから停滞しています。

アルゼンチン経済省の報道官はコメントの求めに応じていません。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

2020年7月26日 アメリカ・イラン対立が再燃

アメリカ・イランの対立が再燃

アメリカとイランの対立が再燃する懸念がでています。

2020年7月23日、イランの民間旅客機がシリア上空を飛行中にアメリカ軍の戦闘機に異常接近された事が発端です。

11月のアメリカ大統領選が近づくなかで双方の疑心暗鬼が強まり、偶発的な衝突のリスクがふたたび高まるのではないかと懸念されます。

緊張は中東のより広い地域に及んでいます。

例えばイランと対立関係にあり、イスラエルはイランが後ろ盾となっているイスラム教シーア派の武装組織ヒズボラの武装集団が越境するのを阻止するため攻撃を実施したと発表しました。

また、6月下旬からイラン国内では軍事施設等で不可解な爆発や火災が相次いでおり、イラン側はイスラエルやアメリカによるサイバー攻撃であると疑っています。

アメリカやイスラエルは、関与についてあいまいな態度を取り、イランへの圧力のひとつとしているようです。

疑心暗鬼がこれ以上拡大すると暴発リスクがまたもや高まります。

【2019年6月~】イラン問題と原油価格の動向

2020年7月24日 中国株が急落

米中関係悪化で中国株が急落

2020年7月24日の中国株式相場は急落しました。

米中間の対立激化でセンチメントが急速に悪化し、中国のトレーダーや外国人投資家が一斉に売りに回ったようです。

以下が各指数の下落率です。

  • CSI300指数は4.4%安
  • 創業板(チャイネクスト)指数は6.1%安
  • 上海総合指数は3.9%安。

今後は米中関係を巡る懸念が市場を支配する可能性が高いかもしれません。

【最新】中国株式マーケットの経緯とまとめ

金、1900ドルを突破

2020年7月24日、金スポット価格は2011年以降で初めて1オンス=1900ドルを突破し、同じ年に付けた過去最高値に一段と迫りました。

政治的な緊張の高まりや世界経済の成長を巡る懸念が、金相場の上昇に拍車を掛けている状況です。

低い、またはマイナスの実質金利、ドルの下落、中央銀行の大規模な流動性供給によるインフレ上昇見通しなども、金相場上昇を後押ししていると言えます。

金の動き、金相場についてのまとめ

2020年7月23日 トルコ政策金利据え置き

トルコ、政策金利を据え置き

2020年7月23日、トルコ中央銀行は主要な政策金利の1週間物レポ金利を年8.25%のまま据え置くと決めました。

据え置きは2会合連続となります。

今回の据え置きはほぼ予想通りです。

足元のインフレ率(12.6%)を大きく下回っており、利下げ余地はない状況のままです。

トルコ中銀は前月までの9カ月間で計15.75ポイントの利下げを実施していて、市場の注目は利上げの可能性に集まっています。

市場では次回以降の利上げを予想する声もありますが、利上げを嫌うエルドアン大統領への忖度が働くかもしれません。

また、インフレ率についてですが中央銀行は声明で年末の物価上昇率が現行見通しの7.4%を上回る可能性を指摘しました。

中銀は4月、年末のインフレ予想を7.4%に引き下げましたが、一部のアナリストはこの日の中銀発言が7月29日に公表する次回の物価見通しで予想を上方改定することを示唆していると考えているようです。

トルコの金融政策の経緯とまとめ

2020年7月21日 アメリカ、中国総領事館閉鎖を指示

アメリカが在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を指示

2020年7月21日、アメリカはヒューストンの中国総領事館閉鎖を通知しました。

同日、中国が湖北省武漢市にあるアメリカ総領事館の閉鎖命令を検討していると伝えましたが、アメリカへの対抗措置の可能性があります。

両国間で最大級の外交問題となりつつあります。

アメリカ政府は21日付で通告し、3日以内の閉鎖と職員の撤収を求めました。

中国側は前代未聞のエスカレーションとして非難し、対抗措置も辞さない姿勢を明らかにしました。

【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ

S&Pが年初来でプラスに

2020年7月21日、アメリカ株式市場は、政府が新たな新型コロナウイルス対策を策定するとの期待から景気敏感株に買いが入り、S&P500は上昇して年初来プラス圏となりました。

年初来ではS&P500が0.8%高とプラス圏に浮上しました。

ナスダックは19%上昇、ダウ平均は6%下落しています。

S&P500は2月下旬に付けた終値での最高値に4%以内の水準にあります。

先進国・その他の状況

米印、通商合意近いとのコメント

2020年7月21日、インドのゴヤル商工相はインドとアメリカは2年にわたる通商交渉を経て、合意に近づいていると明らかにしました。

関係者によると、インドはアメリカにジェネリック医薬品に関して譲歩を求めており、その見返りとして乳製品市場の開放や農産品の関税引き下げなどを提案しているようです。

両国はまた、アメリカがインドに対する「一般特恵関税制度(GSP)」の適用を復活させることも協議中との事です。

GSPの下、インドはあらゆる製品を無関税でアメリカに輸出することができていましたが、トランプ政権は昨年、インド市場へのアクセスに障壁があるとしてインドをその適用から除外しました。

ゴヤル氏はインド政府とアメリカ政府は50ー100項目の製品・サービスについて、締結まで数年かかるFTAを目指すよりも、まず特恵貿易協定の締結を目指すべきとの考えを示しています。

インドとアメリカの貿易摩擦問題インドとアメリカの貿易摩擦問題

EUの復興基金の創設で合意

2020年7月21日、EUはコロナ禍からの経済再生を図るため、7500億ユーロの復興基金を創設することで合意しました。

EUが借金して加盟国に配分する仕組みで、悲願だった財政統合に向けた一歩といえます。

ブレクジットなど逆回転した欧州統合は、コロナという危機をバネに強い結束をみせました。

先進国・その他の状況

イギリス政府、EUとのFTAを想定せず?

EUとイギリス間でのFTA交渉で、ジョンソン首相が設定した期限が迫る中、合意が難しい見通しだとの報道がありました。

報道によれば合意は成立しないというのがイギリス政府の前提で、ただ、EUが秋に譲歩する場合には基本合意は可能だとみているようです。

イギリス政府は年末に移行期間が終了がした後、EUとの貿易はWTOの条件に基づいて行われると考えているようです。

交渉は、漁業権や欧州司法裁判所の管轄権、公正な競争などの分野で行き詰まっているという。

ジョンソン首相の報道官は、EUとのFTA交渉に関連し、引き続き話し合いには建設的に応じるものの、独立国家としての権利を放棄するつもりはないと強調しました。

2020年7月20日 アルゼンチンに譲歩を促す債権者団

債権者団、共同戦線でアルゼンチンに譲歩を促す

2020年7月20日、アルゼンチン国債を保有する機関投資家で構成する3つの債権者団はアルゼンチン政府との債務再編交渉で、共同で新たな提案を提出したと発表しました。

共同戦線を組むことでアルゼンチン政府に対し譲歩を促す狙いがあります。

債権者団は声明で、債務再編交渉の対象となっている国債の3分の1を保有していることを明らかにし、今後9年間に350億ドル余りを免除する新たな債務再編案を共同で示しました。

つまり、政府案を拒否したわけです。

声明では、

「短期的にアルゼンチンの救いになると同時に、持続可能な解決策が提供されている」

としています。

アルゼンチン政府はこれ以上の譲歩は出来ないと言っていますが、8月4日の交渉期限までに合意できなければ法廷闘争に突入しかかねないため、国際金融市場からの締め出しを恐れるアルゼンチンが譲歩せざるを得ないとの見立てが市場では強くなっています。

アルゼンチンの通貨危機、財政危機の経緯とまとめ(2018年~)

2020年7月19日 世界の企業債務1兆ドル増

世界の企業債務、1兆ドル増

世界の主要企業は財務状況を強化して新型コロナウイルス危機を乗り切るため、2020年に新たに最大1兆ドルの債務を抱える見通しです。

調査によると、債務総額は前年比で12%増と過去最大の伸びを記録し、約9兆3000億ドルに達する可能性があるという事です。

2019年の債務も8%増と大幅に増大しましたが、これはM&Aや自社株買い、配当支払いの財源確保が主な要因でした。た。

しかし、今年は新型コロナの影響で利益が減少する中、財務状況の強化という事で、異なる理由が増加の背景にありそうです。

今は資本の確保やバランスシートの構築が焦点となっている城陽と言えそうです。

2020年7月18日 近時の中国株高の背景

近時の中国株高の背景にあるもの

ここ最近の株式市場のけん引役として認識されているのは、継続する新規資金流入です。

個人投資家が中心の公募投信や海外資金はかなり一貫した流入基調にありますが、今は機関投資家からの流入も多くなっています。

機関投資家の資金が多いとされるETFは、6月までは売り基調でしたが、7月から買いに転じています。

個人の資金流入の理由として、理財商品等の金利商品や不動産投資のリターンの低下もあるとされています。

債券価格の急落で理財商品が初めてマイナスリターンを記録したようですが、長らく大量の資金の受け皿になってきた理財商品の投資先が不調となり、一部資金が上昇基調の続く株式市場についに流れてきたとの見方があるのです。

中国本土株式市場は、流通株ベースで約780兆円の時価総額を擁しています。

その半分は機関投資家が保有しているとされています。

さすがに中国政府といえどもこの巨大な規模を簡単に左右することは出来ません

ここ最近の相場が官製相場だと思って片付けるのは簡単ですが、もう少し冷静に考えても良いかもしれません。

【最新】中国株式マーケットの経緯とまとめ

2020年7月16日 中国GDP、回復も年後半の経済に注目

中国の第2四半期は回復も、年後半の経済に注目

2020年7月16日発表の4~6月のGDPの実質成長率は前年同期比3.2%と2四半期ぶりにプラスに転換しました。

今回の成長率は市場予想を上回りました。

1~3月はマイナス6.8%でした。

今回の回復は生産が先導しました。

  • 工業生産は1~3月の前年同期比8%減から4~6月は同4%増まで改善
  • 半導体と車の回復が目立ち、6月の生産量の前年同月比伸び率は半導体が11%、車が20%
  • 外国人技術者らに優先的にビザ(査証)を出すなど政府も生産再開を全面的に支援
  • 農林漁業などの生産も拡大

足元では、長江流域での洪水や米中関係の悪化といった懸念材料がくすぶっており、例年、年後半の経済政策が議論される7月の中央政治局会議での議論に注目が集まりそうです。

【最新】中国の統計・データに関するまとめ

インドネシアが2か月連続の利下げ

2020年7月15日と16日にインドネシア中央銀行が開いた政策決定会合で、政策金利を4.25%から4%に引き下げることを決めました。

これで利下げは2カ月連続となります。

新型コロナウイルスの影響で景気の後退観測が強まっており、継続的な金融緩和が必要と判断しました。

今年に入り利下げは4回目となりますが、ペリー総裁は記者会見で、追加の利下げについて「金融政策で必要な手段をとる」と含みを持たせています。

今現時点では、ルピア支援よりも景気を優先しているようです。

インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~

2020年7月15日 OPECプラスが減産緩和を決定

OPECプラス、減産を緩和

OPECプラスは、新型コロナ危機対応として実施している協調減産の規模を8月から緩和します。

中国などで経済活動が再開し、原油価格の回復に産油国は自信を深めていると思われます。

OPECプラスの構成国は7月15日にオンラインで合同閣僚監視委員会を開催し、減産緩和の方針に反対の声は出ていないようです。

アメリカ、ファーウェイ等中国のIT企業にビザ発給制限

2020年7月15日、アメリカのポンペオ国務長官は、ファーウェイなどの中国企業に対するビザ発給を制限する可能性があると述べました。

ポンペオ長官は

「人権侵害に関与している政府に物質的な支援を提供しているファーウェイなどの中国IT企業について、特定の従業員に対するビザ発給を制限する可能性がある」

と表明しました。

その上で、世界中の通信機器メーカーは、ファーウェイとの取引が人権侵害を行っている企業との取引になるため、警告を受けたと認識する必要があると述べました。

中国製造2025についてのまとめと経緯

アメリカの鉱工業生産、60年ぶりの上昇幅

2020年7月15日にFRBが発表した6月の米鉱工業生産指数は前月比+5.4%となしました。

市場予想の同+4.3%を上回り、1959年12月以来の高い伸びとなりました。

内訳は、

  1. 製造業が同+7.2%と、1946年3月以来の高い伸び
  2. 前月に同+120.0%と、過去最高の伸びだった自動車・同部品が同+105.0%
  3. 機械など耐久財や、アパレルなど非耐久財のすべての品目が上昇
  4. 公益は同+4.2%と、前月の同-3.5%から持ち直し
  5. 鉱業は同-2.9%と、5ヵ月連続で低下
  6. 石油・ガス採掘は3ヵ月連続で2桁のマイナス

今後はアメリカの製造業の持ち直しが継続するかが焦点となりそうです。

【最新状況】各国の統計・データのまとめ【最新状況】各国の統計・データのまとめ

2020年7月14日 官製相場の中国株式市場

中国株式市場、時価総額10兆ドルに迫る

中国株式市場の時価総額が5年ぶりに10兆ドルに迫っています。

人民元ベースでは中国株式市場の時価総額は68兆元とすでに過去最高を更新しました。

ただ、これが官製株高である事は皆が分かっていること。

依然として国営メディアが株式の強気相場を擁護する一方で、「健全」な株式市場の重要性を訴える声も多くなっています。

ただ、昨今の香港情勢など中国に対する厳しい目が続く中、政府が支援を大きく後退させる事も考えにくく、ゴールドマン・サックス・やモルガン・スタンレーは強気相場が少なくとも今後数カ月は続き得ると予想しています。

【最新】中国株式マーケットの経緯とまとめ

アメリカが制定した香港自治法

2020年7月14日、トランプ大統領が署名して成立した「香港自治法」は、中国の大手銀行への金融制裁に道を開くものです。

ここでは米銀との取引を禁じる8つの手法を列挙しています。

ドル調達の封じ込めという中国への強烈な「脅し」ですが、実行すれば世界の金融システムに亀裂が入りかねない危険なものです。

具体的内容

香港自治法に盛り込まれた経済制裁は2段階あります。

  1. 国務省は90日以内に、香港の自由や自治を侵害した個人や団体を特定し、ドル資産の凍結などの制裁の可否を検討します。
  2. 2次制裁として、その個人や団体と取引がある金融機関も対象となります。
  3. 香港自治法は具体的な制裁手法を挙げており(1)米銀による融資の禁止(2)外貨取引の禁止(3)貿易決済の禁止(4)米国内の資産凍結(5)米国からの投融資の制限(6)米国からの物品輸出の制限――など8項目が決まっています。
【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ

イギリス、ファーウェイの製品を2027年までに

2020年7月14日、イギリス政府は5Gからファーウェイを2027年までに排除することを決めました。

周辺機器に限り部分的に容認してきましたが、方針転換してアメリカ側につきました。

英中関係は香港国家安全維持法を巡り緊迫しつつありますが、蜜月だったビジネス関係も変化が必至です。

中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き中国製造業2025 華為(ファーウェイ、HUAWEI)の5G戦略を巡る動き

2020年7月13日 イタリアの財政状況悪化

200億ユーロの追加刺激策で財政状況は悪化

2020年7月13日。イタリア政府が減税策や雇用支援などを含む総額200億ユーロの追加刺激策を準備していることが分かりました。

追加策によりイタリアの財政赤字の対GDP比率は11.6%近辺と、4月時点の10.4%から上昇すると見られています。

2019年の比率は1.6%と12年ぶり水準に低下していました。

政府は年初時点で今年の比率を2.2%にすることを目指していましたが、新型コロナウイルス感染拡大への対策で赤字は膨らんでいます。

政府はこれまでに家計と企業に対し750億ユーロの支援を表明しています。

今は良いですが、通常状態に戻ったとき、これがどう捉えられるのか少し懸念があります。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

2020年7月10日 米仏貿易摩擦

アメリカがフランス製品に報復関税を課すと発表

2020年7月10日、USTRは13億ドル分のフランス製品に25%の報復関税を2021年1月までに課すと発表しました。

IT企業に課税する「デジタルサービス税」が背景にあり、独自課税に動かないようフランスに改めて圧力をかけました。

追加関税の対象製品は化粧品やハンドバッグなど計21品目です。

デジタル課税に関する協議の時間を確保するため、発動日は180日間先送りして2021年1月6日に設定しました。

ルメール経済・財務相はアメリカのこの対応について、

「フランスの対応は今後も変わらない。2020年末までに国際的な解決に至らなければ、課税することになる」

と述べ、デジタル課税を巡る国際協議から先月撤退したアメリカに対し、OECD交渉に復帰するよう呼び掛けました。

アメリカ・ヨーロッパ(EU)の貿易摩擦問題についてのまとめと経緯

2020年7月8日 アメリカの対中強硬策

アメリカ、対中強硬策が続く

アメリカが中国への強硬策を矢継ぎ早に打ち出しています。

異例のスピードで施行された香港国家安全維持法への懸念など複数の要因がありそうです。

このまま行けば米中対立の激しさが増していきます。

7月6、7両日でアメリカが示した中国への対抗措置や声明は6つです。

内容ですが、

  1. 中国チベット自治区への米国人の入境を妨害した中国当局者へのビザ(査証)制限
  2. TikTokなど中国製アプリのアメリカ国内での使用禁止の検討
  3. FBI長官が中国のスパイ活動を警告

などです。

このタイミングで対中強硬策が目白押しとなるのは、

  1. 中国が香港国家安全法をとてつもないスピードで6月30日に施行させたこと。これはアメリカ政権内では中国の強権主義がかつてなく強まっている証左だと受け止められたようです。
  2. 6月17日にハワイで開かれたポンペオ国務長官と中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員による高官協議が事実上「破綻」したこと。
  3. アメリカ大統領選。対中政策で弱腰な姿勢を見せる事は出来ないわけです。

少なくとも大統領選まではこの状況が大きく変わる事はなさそう、というのが大方の見立てのようです。

【最新】米中対立・貿易摩擦の経緯とまとめ

2020年7月6日 ISM非製造業が4か月ぶりの高水準

ISM非製造業、4か月ぶりの高水準

ISMが2020年7月6日発表した6月の非製造業総合景況指数は、4カ月ぶりの高水準となりました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンが緩和され、経済活動がより広範囲に再開されたことを反映しました。

非製造業総合指数は57.1で、上昇幅は過去最大でエコノミストの予想値を上回りました。

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アルゼンチン、債務再編案を正式に提出

2020年7月6日、アルゼンチン政府は650億ドルの債務再編案をアメリカ証券取引委員会に正式に提出しました。

支持の有無を表明していないブラックロックやフィデリティなどがメンバーの主要債権者団体の対応に注目が集まります。

新たな最終案では支払い条件を改善したほか、争点となっていた法的条項で譲歩しました。

一部債権者は6日に提案に支持を表明し、合意が成立するとの期待からアルゼンチン債は4%値上がりしました。

ただ総額で約210億ドルの再編対象債務を保有する「アドホック」と「エクスチェンジ」の債権者グループは意思の表明を控えています。

グスマン経済相はまた、アルゼンチン政府は債権者の一部と合意することを検討するともしています。

今回提出された目論見書によると、交渉期限である8月4日までに再編対象債務の66.6%の保有者が支持した場合のみ、再編を推し進める事になっています。

2005年と2016年の債券契約が単独で扱われる場合は再編対象債務の50ー60%の保有者が支持する必要があるという事です。

十分な支持が得られた場合は9月4日に成立します。

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トルコ、株の空売りを当面禁止

2020年7月6日にイスタンブール取引所が、大手金融機関6社に対して株式の空売りを禁止すると発表しました。

期間は1カ月もしくは3カ月です。

6月23日にMSCIは取引規制の強化などを理由にトルコ株をMSCIエマージング・マーケット・インデックスから除外する可能性があるとの声明を出していて、海外投資家がトルコ株を敬遠する動きが懸念されていました。

ここからトルコ株が急落する事を懸念した当局による政策でしょう。

2020年7月5日 アルゼンチンが債務交渉の期間延長を示唆

アルゼンチン、債務交渉の期間延長を示唆

2020年7月5日、アルベルト・フェルナンデス大統領は米欧の機関投資家との債務再編交渉について期間延長の可能性を示唆しました。

大統領は8月末まで交渉の窓口は開いているとして、7月24日としていた従来の期限を越えて交渉を続ける可能性を示唆しました。

また、債権者団側に新たな条件を提案することを明らかにしました。

新たな再編案にはヘアカット(債務減免)額の縮小やクーポンの引き上げなどが盛り込まれているとの報道があり、債権団にとってより有利な条件を提示したとされています。

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2020年7月3日 中国株式、5年ぶりの高値

CSI300指数が5年ぶりの高値

2020年7月3日の中国株式相場は上昇し、CSI300指数が終値ベースで5年ぶりの高値となりました。

上海・深圳上場株に連動するCSI300指数は前日比1.9%高の4419.60で引けました。

上海総合指数は2%高の3152.81。

これでCSI300の年初来上昇率は7.9%と、世界の主な株価指数の中でもトップクラスです。

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2020年7月2日 雇用統計、改善も油断できず

雇用統計は2か月連続で改善も油断できず

2020年7月2日に発表された6月の雇用統計は、失業率が11.1%と、前月(13.3%)から改善しました。

ロックダウンが一部で解除され、飲食業を中心に就業者数が480万人増えました。

6月は失業率、就業者数とも市場予測(12%台、300万人増)を大きく上回る改善幅です。

失業率は4月に戦後最悪の14.7%まで急上昇したものの、それ以降は2カ月続けて改善しました。

ただ、新型コロナウイルスの新規感染例が増加する中、失業保険申請件数は高止まりしており、また、ロックダウンの影響をあまり受けなかった企業の間でも需要低迷のあおりから従業員をレイオフする動きが広がっているという指摘もあります。

全く油断できない状況に変わりありません。

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イギリスとEU、交渉を一日早く打ち切り

2020年7月2日、イギリスとEUは将来の関係を巡る交渉を予定より1日早く打ち切りました。

交渉終了後には、大きな隔たりが依然存在するとの警告が発せられた。

イギリス政府の発表によると、協議は来週ロンドンで予定通り再開されるとの事です。

イギリス政府は声明で、交渉が包括的で有意義だったとしながら、多くの重要な問題で、イギリスEU間で大きな相違があるとEU側が強調した、と説明しました。

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2020年7月1日 ISM製造業は40年ぶりの上昇幅

ISM製造業は約40年ぶりの大幅上昇

2020年7月1日、ISMが発表した6月の製造業総合景況指数は1年2カ月ぶりの高水準となりました。

新型コロナウイルスによるロックダウンが終わり、活動が拡大に転じたことを示しています。

ISM製造業総合景況指数は52.6で、前月から9.5ポイントの上昇です。この上昇幅は1980年8月以来の大きさです。

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OPECとロシア、協調減産を8月に縮小

OPECとロシアが8月から協調減産の規模を縮小する可能性があるようです。

OPECプラスは新型コロナウイルス感染拡大による需要減に対応するため、5月から日量970万バレルの協調減産を実施しています。

当初はこの規模での減産は6月末までとしていたが、7月末まで延長されていました。

これが8月まで引き延ばされない可能性がある、という事です。

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