2019年1月29日
BREXIT イギリス人の半分がアイルランド国境問題について「分からない」
BREXIT最大の懸案であるアイルランド国境問題への対応策について、半分以上の国民が理解していないことが、世論調査でわかったそうです。
調査によると、イギリス・EUが合意したアイルランドの国境問題の「安全策」について、「よく分かっている」との回答は13%にとどまり、逆に5割超が「わからない」などと回答したという事です。
また、18%は「聞いたことがない」と答えました。
国民不在で議論が進んでいる事に少し懸念が残りますが、いずれにせよこのような状況で再投票を行っても、そもそも国民の間に判断できるほどの知識が備わっていないという根本問題がありそうです。
先進国・その他の状況 アメリカ 2019年の経済成長率は低下か
2019年1月28日、アメリカの議会予算局が年次報告を発表しました。
それによると、今後数年間でアメリカの財政赤字はさらに拡大し、経済成長は「控えめ」となる見通しのようです。
アメリカ経済は今後3年間で減速する見通しで、成長率は2019年が2.3%、20年が1.7%となったのち、21年には1.6%に下がると見込んでいます。
2018年の成長率は3.1%だったと推定しています。因みにトランプ政権の目標は3%です。
統計・データ 企業の格下げが世界で増加
S&Pによれば、格付け変更全体に占める格下げの比率が2018年10~12月は64%にのぼり、10四半期ぶりの高い水準となったようです。
格付け別にみると、BB以下の元々「投機的」とされているものの下落が格下げ数の70%程度を占めていて、元々信用力の低かったところが更に悪くなっている、というのが状況のようです。
ただ、元々投資適格だったものが投機的に下がってしまったものもいくつかあり、もしこういった数が今後も継続的に増えていくと注意が必要です。
中国製造2025 アメリカ、中国のファーウェイ(華為)を起訴
2019年1月28日、アメリカ司法省はイランとの違法な金融取引に関わった罪などでファーウェイと同社の孟晩舟CFOを起訴したと発表しました。
孟氏を逮捕したカナダに身柄の引き渡しを求めています。
ファーウェイは米通信会社から企業秘密を盗んだ罪でも起訴されています。
閣僚級の米中貿易摩擦協議を目前に控え、米中の対立が激しくなるのは必至です。ただ、協議直前の起訴は中国により大きな譲歩を迫る為の策だとの見方もあります。
メイ首相が方針転換でバックストップ条項撤回を求める案を支持
メイ首相は、自身がEUと1年半を費やして結んだ離脱協定を実質的に放棄し、政府全体として協定の修正を支持する方向へとかじを切りました。
具体的には、アイルランド国境問題について「バックストップ」措置を取り除く修正案を支持する方向に方針転換をしました。
しかし、その修正案についてEUが真剣に検討するかどうかは分かりません。
※バックストップ条項とは
バックストップ条項とは、一言で言うとブレクジット後も北アイルランドだけEUの規則が適用される、というものです。
しかし、それには多くの留保と条件があるので注意してください。
北アイルランドとアイルランドとの紛争
北アイルランドはイギリスの領土です。
普通、イギリスがEUから離脱すれば、イギリス領である北アイルランドもEUではなくイギリスのルールに基づいた法規制が敷かれます。
しかし、北アイルランド(イギリス)とアイルランドはこれまで宗教上の対立などから激しい争いをしてきた歴史がありました。
EUの単一市場制度が紛争に終止符を打ってくれた
それが、イギリスもアイルランドも同じEUのメンバーとなって、国境が撤廃され自由にヒトとモノが往来できるようになったことで、そうした紛争が下火になっていったという経緯があるのです。
再びアイルランド紛争、という悪夢は回避したい
それが、今回のブレクジットで今までEUのルールの下、物理的な国境もなく円滑に営まれてきた様々な取引が一気に出来なくなって、しかも物理的な国境がいきなり出現したとなると、また北アイルランドとアイルランド間で血塗られた紛争が再発するのではないかとイギリスは懸念したのです。
EU:「北アイルランドだけEUに残せばよい」 イギリス:「それは出来ない」
これに対してEUは、北アイルランドだけをイギリス本土から切り離し、EUの関税同盟、単一市場に残すことにすれば、国境管理をする必要はないと提案しました。
しかしそうすると、北アイルランドはイギリスにもかかわらず、そこだけEUの規制が適用されてしまうので、実質的にイギリス本土から独立したような姿になってしまいます。
イギリス政府はそれは出来ないと拒否しました。
イギリスとEUがとりあえず出した結論
イギリスとEUが出した結論は、こうでした。
2019年3月にイギリスはEUから離脱するが、20年末の移行期間(最長2年、1回限り延長可能)までイギリス全体がEUの関税同盟、単一市場に留まることとし、その後はこれから決める。
移行期間後はその交渉に委ねられるが、交渉がまとまらなければ、北アイルランドについてはバックストップが適用される。
イギリス国内の強硬派が反対
バックストップ条項はイギリスのEUからの完全撤退を邪魔するものだとして強硬派が反対をしました。
メイ首相は何とか説得できると踏んだのですが、それが2019年1月現在、出来なかったのです。
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