【2019年5月】トルコ及びトルコ・リラへの投資に関する問題点

トルコリラを巡ってはとにかく何年間もフラストレーションをためながら付き合ってきた方が大半だと思います。

この記事では、スポット記事として2019年5月時点におけるトルコへの投資に関するポイントを箇条書き形式でまとめておきたいと思います。

ここではトルコについて長年言われてきたファンダメンタル的な点よりもよりスポット的な課題や懸念についてフォーカスしていきたいと思います。

トルコの本ブログは↓

トルコリラと中長期的に付き合う

外貨準備の不足問題

トルコの⾦融市場においては、外貨準備⾼の信ぴょう性に対する懸念が高まっています。

トルコ中銀の資料によれば、2019年3月は最初の3週間で約100億ドル減り、一時250億ドル程度まで落ち込みました。

トルコリラの防衛で大量の外貨を売って自国通貨を買うわけですが、それがつきかけているというわけです。

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外貨準備高が減ると中央銀行に対する信認問題にも発展し、トルコリラはますます不安定になる可能性が出て来ます。

中央銀⾏の独⽴性への懸念

エルドアン大統領は「利下げすればインフレが止まる」という独創的な金融理論を持った人ですが、同大統領の独裁性が強まれば強まるほど、中央銀行はエルドアン大統領の顔色を見ながら政策を遂行する様になってきていると思われています。

この様な状況ではもちろん適切な金融政策を遂行することが出来ず、それはそのままトルコリラの不安定さにつながっていきます。

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トルコの金融政策に関するタイムライン記事は↓からどうぞ
トルコの金融政策の経緯とまとめ

アメリカとの関係

外交⾯でも色々な難題があります。

外交と言っても焦点は常に対米関係です。

2018年のトルコショックも対米関係の悪化が原因の一つだったわけですが、今は

  • ロシアからのミサイルシステム調達をめぐる問題
  • イラン産原油の禁輸問題

が一番ホットな問題ではないでしょうか。

どちらも対米関係の悪化が懸念されています。

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そこまで単純化する事は危険ですが、対米関係が悪いと大体トルコリラは軟調になります。

エルドアン大統領がどうやって対米外交を展開していくか注目されます。

政治や外交は↓からご確認いただけます!

トルコへの投資、政治と外交のまとめ

民主主義の危機

イスタンブール市長選挙のやり直しによって世界はトルコの独裁政治への懸念を高め、それに伴ってトルコリラはかなり下がりました。

しかも、やり直し選挙をしてエルドアン大統領側が必ず勝てるという保証もありません。

元々市長選挙のやり直しで批判が⾼まる中、やり直し選挙でエルドアン⼤統領側が再び敗北すれば、エルドアン大統領の政治的な影響力は一気に弱まり、それによって反対勢力との政治的対立が激化して行政機能停止に陥る可能性もあります。

追記(2019年6月下旬)
イスタンブール市長選は野党が大差で勝利しました。エルドアン大統領の求心力低下などで政治が不安定になると、トルコリラもまた軟調になる可能性があります。。。

そうは言っても異常なほど高い金利は魅力的

以上を見てくるとネガティブな情報ばかりなので、あまり投資したくありませんが、そうは言っても高い金利は魅力的な様にも映ります。

ハイリスクを許容できる投資家の型は、含み損覚悟のうえで投資タイミングの分散をしっかり行っていくと、長い目で見るとかなり高いリターンを稼げるようになるかもしれません。

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