2018年12月31日更新!
このブログは、
- 相場に左右されずに
- 気長に忍耐強く
新興国投資をする人たちのための情報提供ブログです。
特に、
- これから新興国へ投資をしたい人で基本的な情報を網羅的に学びたい人、
- 既に投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方
を想定しています。
筆者はバリュー平均法なる方法で新興国に投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。
ずっと投資し続けています。
このブログはこのブログが対象としているトルコ、メキシコ、ブラジル、インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、インド、先進国とその他のトピックについて、2018年12月に更新した箇所をひとまとめにしている記事です。
各抜粋から本ブログを飛ぶことが出来ます。
2018年12月31日
先端技術研究、8割で中国が首位
日経新聞の報道によると、最先端技術の研究で中国の存在感が際立っている事が分かりました。
日済新聞等の調査によれば、EVやロボットなど新産業の要となる電池や新材料の論文数を国別でみると上位30テーマのうち中国が23でトップに立っていて、アメリカの首位は7つにとどまったとの事です。
中国が上位を独占した背景にはもちろん科学技術研究の強化があって、その研究費は45兆円と10年前の3.4倍に達しているそうです。
そしてこのブログのテーマでもある「中国製造2025」というハイテク産業の育成策を掲げて製造業の底上げも図っています。
中国はこれまで論文数や研究者は多いが質が伴っていないと皮肉られてきましたが、最近は質も高まってきた事の一つの証拠でしょう。
ブラジルボルソナロ新政権 議会対策が課題
ボルソナロ氏の独自路線がどうなるか注目されていますが、一番壁になりそうなのが議会です。
ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)は上下両院で少数派で、上院(定数81)では4議席、下院(同513)でも52議席にすぎません。
新政権が準備する改革案の多くは上下両院でそれぞれ過半数が必要な法改正が求められます。議会の説得が必要なのです。
特に年金改革は憲法改正が伴い、両院でいずれも5分の3の賛成が必須となります。
下院第1党の労働党(56議席)はボルソナロ氏が厳しく非難していて、協力が難しい先です。
そこでキーとなってくるのが中道勢力なわけですが、協議の過程で修正を迫られるのは必至です。
また幾度となく政治取引の中で汚職を繰り返してきた国ですので、同じような事がここで起きる事は創造に難くありません。
ボルソナロ政権でも、法案通過の為の汚職が発覚すれば、またまた国民の政治不信から政局が不安定化し、改革停滞とそれに伴う経済とマーケット停滞が起きる可能性があります。
米中貿易戦争 アメリカ、初の「適用除外」
アメリカが中国からの輸入製品に課している制裁関税について、特例で関税の上乗せ対象から外す「適用除外」が1千件弱で認められたようです。
2018年12月29日、アメリカのUSTRが適用除外のリストを公表しました。
USTRは7~10月に受け付けた1万件超の申請のうち、1千件弱の認可を出した形です。因みに、これまで1千件超が却下されており、残りは継続して審査中とみられます。
適用除外の対象としたのは製紙向け製造機器やベルトコンベヤー関連部品、エアコン向け温度調節器などで、半導体などを対象に8月に発動した第2弾の制裁関税では、まだ適用除外を認めた案件は無く、9月に発動した第3弾では適用除外申請自体を受け付けていません。
ただ、今回の措置が米中間の緊張を緩和させる一つのステップとなるかもしれません。
ブラジルボルソナロ新政権 人事に関する概観
2019年からボルソナロ新政権が発足しますが、人事についての外観です。
以前に既述しましたが、ブラジルでは少数政党が乱立していて、連立政権を組むことが最近の常とう手段になっています。
これによって多くの与党が誕生し、党ごとに閣僚ポストを分け合ってきました。
ですが、ボルソナロ氏はこうした慣習に従わず、同氏の基盤の一つである国軍出身者や各分野の専門家を登用する形を取りました。
閣僚級の高官は新政権が約20人で、このうち政治家は約3割です。テメル現政権は約30人で大半が政治家だったので、かなり違います。
ボルソナロ氏は、閣僚が少なければ汚職の機会は減り、政治家でなければ様々な業界とのしがらみも少ないと考え、この様な布陣にしたと言われています。
今の所、国民はこうした彼独自のやり方を肯定的にとらえています。とにかく政治家の汚職に辟易してきたのが彼らですから。
「スーパー大臣」がどこまで機能するか
特に注目なのは「スーパー大臣」でしょう。
スーパー大臣は複数の省庁を統括する役職でボルソナロ氏が創設したものです。
スーパー大臣は現状3人いて、いずれも政界の外から入閣します。
経済改革は経済学者のパウロ・ゲジス氏が経済相として指揮し、財政、産業政策、貿易などをまとめて管轄する予定です。
汚職撲滅には連邦地裁判事としてルラ元大統領の汚職を追及したセルジオ・モロ氏が法務・公安相に抜てきされました。彼が警察と司法を統括する予定です。
治安回復の責任者には元軍人のフェルナンド・アゼベド氏が国防相に指名されました。
2018年12月30日
中国 中央銀行、「一部の期待ほど緩和しない」
中央銀行の当局者は金融政策について、穏健なスタンスに変わりはないと強調し、大幅な緩和政策行う事については否定的な見解を示しました。
中国人民銀行は先に公表した声明の中で、穏健な金融政策を維持し、引き締めと緩和の適切なバランスを図っていくと表明すると同時に、「中立」との文言を削除していました。
これが新たな表現だとして、一部のエコノミストが政策金利や預金準備率が来年引き下げられると予想していました。
米中貿易摩擦 中国、最高裁に知財保護部門を創設
2018年12月29日、中国の最高人民法院は2019年1月から知的財産権を巡る紛争を専門に解決する専門部門「知的財産権法廷」の運営を始めると発表しました。
アメリカの知財保護の要求に対する一つの対応策で、アメリカにアピールする狙いがありそうです。
東南アジア新車販売5%増 通年で記録更新の可能性
東南アジア主要6カ国の2018年11月の新車販売台数は約31万7800台と、前年同月比5%増えたようです。
タイとベトナムが好調で8カ月連続のプラスとなっており、2018年通年でも、これまで過去最高だった2013年を更新する可能性が出てきました。
1~11月の販売台数は前年同期比6%増の約324万8000台となっていて、2018年12月の販売台数が2017年12月(約34万台)並みの売り上げを達成すると、通年で5年ぶりに記録を塗り替える事になります。
米中貿易摩擦 米中が電話で首脳協議
2018年12月29日、米中首脳が電話で協議しました。
両氏が直接話すのは12月1日に訪問先のブエノスアイレスで会って以来です。
異例の年末協議は、双方が貿易戦争の打開に向けた交渉の「進展」を強調する場となりました。米中のそれぞれが国内の経済に不安を抱えるなか、動揺する市場を落ち着かせるねらいがあると思われます。
トランプ大統領はこの協議を受けて、交渉が順調であると早速SNSでアピールし、習近平も2019年が米中の国交樹立40周年であることにも触れ、早期の事態打開に意欲を見せました。
イタリア下院議会が予算案を可決
2018年12月29日、イタリア下院議会は2019年予算案を可決しました。
ベーシックインカムなどを盛り込んだバラマキ型の予算が成立しました。
これで、一先ずEUとの衝突の激化は回避し、ひと段落しましたが、財政悪化懸念はくすぶったままです。今後もどうなるか注意深くしておいた方が良いでしょう。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
日本はアメリカにTPP並みの工業製品関税の撤廃を要求
通商政策を担う茂木敏充経済財政・再生相がメディアのインタビューの中で、アメリカが日本の農産品でTPPと同水準の関税下げを求めるならば、日本は工業製品でアメリカにTPPと同様の内容を求めると答えました。
また、アメリカからは自動車の数量規制や為替条項の協議を求める声が上がっている事に対しては、管理貿易につながるような事は断固として反対し、為替条項についても、2018年9月の日米首脳会談で話題に出ておらず、共同声明にも一切入っていない事を改めて示した上で、現状話し合うつもりがない事を示唆しました。
2018年12月29日
2019年のブレント原油は70ドルに??
石油アナリストを対象とした調査によれば、北海ブレント原油価格は2019年にバレル当たり平均70ドルになる見通しとの事です。
これは2018年12月27日終値を30%余り上回った水準で大幅に上がる見通しです。
このブログでも既述の通り、原油価格は10-12月に大幅下落し、12月最終週には不安定な株式相場に連れる格好で乱高下しました。
主要産油国は、供給過多の回避を目指して2019年に生産抑制を計画していますが、原油相場は金融市場の動向や世界経済への懸念に振り回されています。
しかし、今回の調査では、アナリストは経済成長が順調に推移し、OPECの減産とベネズエラ、イランで供給減が悪化するにつれて、原油市場の需給が引き締まると見ているようです。
中国 人民元、いまだ下げ圧力
人民元の対米ドル相場は2018年12月28日に1ドル=6.8658元で取引を終え、2017年末と比べて5.2%下落しました。
一定の範囲内で変動を認める「管理変動相場制」に移行した2005年以降では、2016年に次ぐ大きな下落率となりました。
やはり米中貿易戦争で中国経済が減速するとの見方から元売りが優勢だった為ですが、引き続きマーケットでは2019年も元売り圧力が続くとの見方が多いようです。
心理的な節目の1ドル=7元に近づくと、中国本土から資本流出が加速するとの思惑が高まりやすく、中央銀行は過度な元売りを抑止するため、元売りの先物取引をやりにくくしたり、取引の目安となる「基準値」の計算方法を変えたりしています。中国らしいですね。
こうした「政策」の結果、人民元は2018年11月以降、米中が歩み寄るとの期待感もありいったん下げ止まったものの、引き続き先行きは元安を見込む声が多いようです。
新しい記事を投稿
マーケットの暴落時・暴騰時など特に大きな動きがあったときの記録用に作りました。
長期投資家にとって、細かい値動きはそこまで気にする必要はありませんが、相場が大きく動くときは割安・割高などになっている事も多く、長期投資家にとっても仕込み・売却の景気になりやすいです。
市場が大きく動いたときの過去の記録を参考、同じような事が起きた時どの様に動くべきかの一つの参考にご活用ください。
マーケットの急落・急騰についてのまとめ(2018ー2019年)
日本の鉱工業生産が2か月ぶりに前月比低下
2018年12月28日に発表された11月の鉱工業生産指数は前月比1.1%下がり2カ月ぶりにマイナスとなりました。
10月に大型案件があった汎用・業務用機械が大幅減になった影響と、液晶パネルや半導体関連を含む電子部品・デバイスも1.7%低下と全体を下押しした結果です。
生産はなお高水準にはあるものの、その拡大の勢いに陰りが見え始め、2019年の年明け以降もこの状況が続くものと思われています。
世界経済の状況を見て、企業は投資に慎重になっている可能性があります。
2018年12月28日
イタリア財政危機 イタリア議会予算局は政府の成長目標を「妥当」
2018年12月27日、イタリア議会予算局は、2019年の経済成長率見通しについて、下方修正の可能性を認めながらも、政府の1.0%は妥当との見解を示しました。
2019年予算案について、イタリア政府は既に欧州委員会と合意していますが、同年の成長率見通しを1.5%から1.0%に引き下げることが合意事項の一つとなっていました。
議会予算局は改訂前の予算案については、非現実的で楽観的としていましたが、今回は慎重ながらも承認する姿勢を表明した形となりました。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
日米TAG交渉 まず物品協定交渉を行う事を改めて確認する
日米貿易交渉を担当する茂木経済財政・再生相とライトハイザーUSTR代表が12月中旬に電話協議したことが分かりました。
2人が2018年9月下旬の日米首脳会談以来話すのはこれが初めてです。
当該日米首脳会談でまとめた共同声明を順守する事を確認したらしく、アメリカ側は金融・通信・薬といった大規模なサービス分野も含めた交渉を求めていますが、共同声明に沿い、まずは物品貿易協定(TAG)の議論を先行する見通しです。
2019年1月に始まるTAG交渉では、議論の対象となる項目で日米に溝がある事はこの記事の中でもご紹介している通りです。
日本側は物品の関税協議を中心に据えたい考えですが、アメリカは金融などのサービス分野も含む22項目の交渉項目を発表し、知的財産や投資も含めた包括的な協議を目指す姿勢を示していて、そもそも何を話し合うかの所で少し齟齬が生じている状況です。
日本、景気判断10番目の指標に「輸出数量」
日本政府は景気の現状を示す景気動向指数の算出に活用する指標に、輸出数量を加えます。
現在は生産や雇用情勢など9つの指標をもとに総合判断していますが、輸出が景気に与える影響が大きくなっているのを踏まえて変更するようです。
ただ、すぐに追加するというわけではなく、時期は流動的なようです。
世界経済のグローバル化に伴い、輸出動向が日本の景気に与える影響は大きくなっているというのは周知のとおりです。
内閣府の試算によると、世界の需要が1%増えると輸出と設備投資が増え、日本のGDPは0.31%増えるそうです。因みに、10年前の2008年に実施した同様の試算では、日本のGDP押し上げ効果は0.10%増だったとの事で、この10年で影響力は3倍に増えたという事です。
米中貿易摩擦 アップル、インドで最終品組み立て工場
アップルがインドで「iPhone」の最上位機種の組み立てを開始するとの報道がありました。
組み立ては台湾の鴻海精密工業の現地子会社を通じて行う予定で、鴻海がインドでiPhoneを生産するのは初めてとの事です。
組み立てはインド南部タミルナド州スリペルブデュールにある鴻海の工場で行う予定で、鴻海はiPhone生産への投資も含め、工場の拡張に250億ルピー(3億5600万ドル)を投資する予定です。
今回のインドでの組み立てについてですが、米中貿易摩擦の影響を回避する狙いがあると思われます。
貿易摩擦が激化の一途をたどる中、アップルにとって組み立て工場を中国以外の地域に拡大することは必須となっています。
また、鴻海も米中貿易摩擦の影響軽減に向けベトナムでの工場新設を検討していると言われています。
こうした動きが今後増加してくる可能性があります。
中国の新車販売台数が28年ぶりに前年割れ
2017年の中国の新車販売台数は2888万台で、アメリカを7割近く上回り、日本の約5.5倍に相当していました。
しかし、2018年の販売台数は7月から前年割れが続き、通年では3%程度のマイナスになる見通しとの事です。
中国メディアによると通年での前年割れは1990年以来で28年ぶりになります。
足元で新車販売が落ち込んでいる背景には、景気の不透明感が強まった結果、高額消費を避ける傾向の広がりがある事と、2017年に小型車減税が打ち切られる前の駆け込み需要が発生した反動もあるとの事です。
しかし依然として中国の自動車保有率は先進国に比べ低い水準にとどまっていて、新車販売が伸びる余地はなお大きいとの見方が強いようです。
中国製造2025 アメリカ、ファーウェイやZTE製品の企業の使用禁止を検討
トランプ大統領は米国企業に対し、安全保障上重大な脅威となる外国メーカーの通信機器の使用を禁じる大統領令を出す検討に入りました。
もちろん、ファーウェイとZTEの社名は明示していませんが、実質的には2社の機器を米市場から閉め出す狙いがあるものとみられます。
この大統領令について、アメリカ政府は8カ月以上前から検討してきましたが、実際に発令されると、民間企業による中国ハイテク製品の排除も加速する可能性があります。
中国 上海株は4年1か月ぶりの安値
景気の先行き懸念が深まる中、2018年12月27日の上海総合指数は、前日比0.6%安の2483で取引を終えました。
この水準は2014年11月以来、4年1カ月ぶりの安値です。
直接の要因は11月の工業企業の利益が前年同月を下回ったこと。
改めて景気の先行きに警戒感が強まったようです。
シェール企業、資金調達の課題
増産を続け、良いニュースが続いているシェールガス産業ですが、問題がないわけではありません。
今のシェールブームを支えてきたものの一つに、安い資金調達を可能にしてきた金融環境があります。
そして、この金融緩和がこの先ずっと続かない限り、その事業継続性に疑問符がついてしまうシェール関連企業も多いようです。
株式市場と原油価格の下落、そしてFRBの利上げという三つの懸念が、もしかしたらシェール業界の合従連衡を促すかもしれません。
いずれにせよ、原油価格が落ちると、シェール企業が資金を借りる時に担保として差し出す埋蔵原油の評価額は下がり、それだけ資金調達力が弱まります。資金調達が出来ないと増産も思ったようにできません。
エクイティファイナンスも、原油価格と連動しがちのシェール企業の株価では、なかなか厳しそうです。
シェールに興味を持つ投資家は、引き続き原油相場と金融環境双方をしっかりにらんでおく必要がありそうです。
ベトナム 2018年の実質GDPは7.08%
2018年12月27日、ベトナム統計総局は2018年のGDP成長率が7.08%だったと発表しました。
これは政府の当初目標である6.7%を上回り、米リーマン・ショックが起きた08年以降最大の伸びです。
要因は韓国サムスン電子の輸出が好調だったこと。特にスマホの生産が堅調だったようです。
また、これに加えて米中貿易戦争の影響から、繊維業界を中心に中国からベトナムに生産シフトが進んだ影響もあったのでしょう。
米中貿易戦争で、更なるサプライチェーンの変動があると、ベトナムに良い影響が出てくる可能性がまだあります。
ロシア、OPECとの共同組織化構想をけん制
OPECと共同歩調をとっているロシアですが、2018年12月27日、ノバク・エネルギー相がOPECとその他産油国による機関の創設は、煩雑な手続きをさらに生むほか、米国が独占禁止的観点から制裁を科す恐れがあり、可能性は低いとの認識を示しました。
ロシアのエネルギー省は以前、ロシアとサウジアラビアが、現在のOPECプラスを正式な機関にすべきとの認識で基本合意したとしていましたが、ロシアの方針変更かどうかは分かりません。
2018年12月27日
12月27日 日経平均は750円高
2018年12月27日の日経平均は、前日に過去最大の上げ幅を記録した米株式相場を受けて、前日比750円高と急上昇しました。
上げ幅は今年最大で、2016年11月10日以来およそ2年1カ月ぶりの大きさです。
アメリカの株高で投資家心理の悪化が一服した事や、円安などおなじみの理由で日経平均の採用銘柄全てが上昇する全面高の展開となりました。
インド 地方選挙で与党インド人民党が全敗でも株価は底堅い
2018年12月はインドにとって大きなニュースがありました。
一つは地方選挙における与党の敗北、もう一つはインド中銀総裁の辞任のニュースです。
しかし、これら一見株価にネガティブな影響を与えるようなニュースが出た後でも、インドの株式市場は大きく下落することなく、比較的穏やかに推移しています。
この背景には、インド中銀がより緩和的な政策スタンスとなるとの期待があるのでしょう。そしてこれは、パテル総裁の後任に前財務次官シャクティカンタ・ダス氏が任命されたことでより確信が深まったと言えます。
ただ、来年の総選挙について同じように軽視して良いかというと全くそうではありません。
モディ政権と、インドへの投資をしている人にとって、引き続き重大なイベントです。そして現状では決して楽観視できるような状況ではないです。
トルコ 急激に改善するアメリカとの関係
2018年12月になってから、シリア情勢を巡って対立してきたアメリカとの関係が急改善しているようです。
トランプ大統領がシリアからの米軍撤退を決めたことで、トルコが敵視するシリアのクルド人勢力への支援停止が決まり、2国間の最大の懸案が解消するためです。
これに先立ち、米国務省は地対空ミサイル「パトリオット」のトルコへの売却も承認しました。
トランプ大統領がトルコに対して融和的な態度に出るのは、サウジの記者殺害も関係しているでしょう。
トルコが、ムハンマド皇太子の関与を示す証拠を次々に出すことで、同皇太子の国際的信用は失墜。サウジとの関係を重視したいトランプ大統領としては、トルコとアメリカの関係を回復させる事で、少しでもトルコの対サウジに対する攻撃を緩和させようとしているのかもしれません。
2018年のトルコリラ安はアメリカとの関係がこじれた事も大きな要因の一つ。それが取り除かれればトルコリラの上昇もまた望めるかもしれません。
中国 2019年は減速の予想
日系メディアの報道によると、中国の2019年のGDP成長率の予測平均値は6.2%だったようです。
米中貿易戦争の影響が本格的に表れ、29年ぶりの低水準にとどまる見通しです。
中国政府は様々な景気対策をしていますが、その効果が出るのは2019年下期以降との見方が多く、中国経済の先行きは不透明感が増しています。
足下の2018年10~12月期の成長率は6.4%と、7~9月期実績の6.5%より小幅に減速する見通しになっています。
2018年通年は6.6%と政府目標である6.5%前後を達成出来そうです。
ニューヨーク原油相場 急反発
2018年12月26日、ニューヨーク原油相場は大幅高となりました。WTI先物2月限で3.69ドル(8.7%)高の1バレル=46.22ドルとなっています。
米国株の上昇が手掛かりとなりました。
加えてOPECと協力する意向であると、ロシアが示唆したことも材料視されました。
いずれにせよ、ここ最近の下落の揺り戻しといった性格が強いものと思われます。
12月26日のダウは記録的急伸
2018年12月26日のアメリカ株式相場は急伸し、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均はともに5%高と、強気相場の中でも特に大きな上げとなりました。
ここ最近の続落の反動と、クリスマスシーズンの消費が好調であるとの報道、FRB議長の地位が安泰であるとの報道など様々なニュースが重なってこの様な形になったと思われます。
2018年12月26日
2018年12月25日 トランプ大統領、議長解任騒動の火消し??
トランプ大統領は、FRB議長の解任騒動について、同議長への信頼を表明しました。
その一方で、利上げのペースが速過ぎるとの不満も改めて表明しました。
同大統領は、記者団からパウエル議長について問われ、「利上げペースは速過ぎるというのが自分の意見だが、信頼している」旨のコメントを返しました。
解任騒動については政府内からも、さすがにまずいのではないかという意見が出ているとの報道がありました。
イタリアの財政危機 コンテ首相、拡張的な経済目標は堅持
コンテ首相は政府が拡張的な経済目標を追求し続ける方針と、当該連立政権が5年の任期を全うする意向である事を改めて表明しました。
同首相はメディアのインタビューの中で、「予算案は明らかに拡張的であり、EUとの交渉後でも基本方針は堅持されている」と語りました。
加えて、EUとの交渉が長引いたせいで、予算案の議会提出が遅れてしまったとしました。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
ドバイ原油も1年四か月ぶりの安値
2018年12月25日、アジア市場の指標となるドバイ原油のスポット価格が大幅に続落しました。
取引の中心となる2019年2月渡しは1バレル49.50ドル前後と、2017年8月末以来、1年4カ月ぶりに50ドルを割り込みました。
これは、WTI先物が1年半ぶり安値をつけたのを映したものでしょう。
中国 融資担保株が火種となるか
2018年12月の後半から、世界的に株式下落が続く中で、中国株式も同じ動きとなっています。
そんな中、中国株式市場で新たな懸念が出始めています。
創業者など大株主が資金借り入れのため担保に差し出した上場株の担保価値が下がり、預かっている金融機関が処分に踏み切れば一段の株安につながる可能性がある、というものです。
その量は結構凄いです。
時価で言うと概算で約4兆元(64兆円)、株数で見ると、4年ほど前と比べると約3倍になっていて、株式が担保にされている上場企業は3400社を上回っています。これは上場企業全体の9割超にあたります。
株価がさらに下落して消費者心理を冷やせば、減速する中国景気の重荷になりかねません。
監督当局である中国証券監督管理委員会も危機感を持っていますが、抜本的な解決策はまだ提示できていません。
いざとなれば政府・共産党の言う事を何でも聞くのが中国金融機関なので、大丈夫とは思いますが、懸念ポイントでしょう。
2018年12月25日
12月25日の日経平均は急落1010円安 背景は米政治リスク
2018年12月25日の日経平均株価は急落しました。
終値で前週末比1010円安の1万9155円と2017年4月以来、約1年8カ月ぶりの水準です。
下げ幅という意味では2月6日以来、今年2番目の大きさです。
今回の背景はアメリカの政治リスク。
FRB議長の解任検討騒動や、メキシコとの国境の壁建設費用を巡り、共和、民主両党の対立が解けず、暫定予算が不成立となった結果、一部の政府機関が22日から閉鎖された事がまずあるでしょう。
これに加えて、市場不安に拍車をかけたのがムニューシン米財務長官と米大手銀行首脳との会談でした。
株式市場の流動性や銀行システムの安定性について確認する狙いだったようですが、会議を開いたこと自体が逆に不安をあおる結果となり、「何か変な事があったに違いない」との疑心暗鬼を生んだのです。
米中貿易戦争 中国、2019年1月から一部製品で関税下げ
2018年12月24日、中国政府が2019年1月1日から一部の商品の輸入関税を下げると発表しました。
植物の種子などの搾りかすや薬の原料などは関税をゼロに下げ、綿花や一部の毛皮にかけている関税も下げる予定です。
合計で約700品目に本来の関税率よりも低い暫定税率を適用しますが、税率が変わらない商品もあるとみられます。ただ、本来の税率より高い暫定関税をかけていたリチウムイオン電池などは本来の関税率に戻すようです。
米国との貿易協議をにらみ、輸入拡大に前向きな姿勢を訴えるねらいがあります。
原油、一年半ぶりに42ドル
2018年12月24日、アメリカの原油先物市場で、指標となるWTIが大幅続落しました。
終値は前週末比3.06ドル(6.7%)安の1バレル42.53ドル。これは2017年6月以来、1年半ぶりの安値水準です。
これで今年10月初旬の高値から下落率が44.7%に達しました。
同日のNY株の大幅続落が影響したようです。もちろん元々景気減速懸念、シェール増産、といった要因が底にある事が前提で、という話です。
12月24日 NY株は大幅続落
24日のNY株がまた大幅に下落です。
ダウ工業株30種平均は4営業日続落し、終値は前週末比653ドル17セント(2.9%)安の2万1792ドル20セントと、2017年9月以来、約1年3カ月ぶりの安値となりました。
政治リスクが嫌気されたとの報道が多数あります。
アメリカでは22日に連邦予算が失効し、一部の政府機関で閉鎖が始まりました。
政府関係者が、この一部閉鎖が年明けまで続く可能性に言及し、一気に懸念が強まっています。
2018年12月23日
トルコ 2019年の予算可決
2018年12月22日、トルコ国会は予算を可決しました。実質的な大統領制に移行して初めての予算です。
歳入約8804億リラ(約18兆6千億円)、歳出9610億リラを見込んでいて、財政赤字のGDP比は1.8%と前年並みとなる予定です。
2018年は通貨リラが急落した影響から、政府は財政規律の強化を掲げています。このため、インフラ整備や産業振興を担当する省の予算は半減しました。
しかし、2019年3月末に統一地方選が迫っており、人気取りのためのバラマキ的な政策を急きょ打ち出すとの懸念も出ています。
ハイイールド債券の売りが加速
ハイイールド債に連動するETFの売りが急激に増えたようです。
2018年12月21日、約二時間の間におよそ1000億円相当のハイイールド債券連動のETFが売られました。
当該ETFのオプション市場も平均の4倍の取引高となり、プットとコールは15:1の割合になっており、かなりの売り圧力になっているようです。
FRB議長解任議論
トランプ大統領がFRBのパウエル議長の解任を議論しているとの報道がありました。
FRBは19日に利上げを決断しましたが、その結果株価が大幅に下落し、トランプ氏はパウエル氏の政策運営に不満を抱いているようです。
ただ、大統領がFRB議長を解任する権限は大幅に制限されており、実行は不透明です。
また、トランプ氏の側近が「パウエル議長を解任すれば惨状を招く」として大統領の説得を試みているようです。
FRBは独立機関なので、大統領が議長を解任するには「正当な理由」が必要となります。
関連法はFRBの責務を「雇用の最大化と物価の安定」と定め、金融政策方針の違いだけで大統領が議長を解任するのは難しいとされます。
2019年末にアメリカ産シェールオイルがOPEC減産分を穴埋め??
アメリカンの原油生産が増え続け、2019年末にはOPEC加盟国とロシアなど非加盟国が12月初めに合意した日量120万バレルの減産分を穴埋めする見通しとの報道がありました。
アメリカエネルギー情報局が2018年12月19日に発表した週間統計によればアメリカの原油生産は日量1160万バレルで、過去最高の1170万バレルまであと一息まで迫りました。
今の状況に加えて2019年初めにシェール層での生産が増加するほか、年後半には以前から開発が進んでいた海洋油田の生産が本格化するらしく、産油量は2019年末までにさらに1118万バレル増加する予定である為、OPECの減産による不足分をほぼ埋める見込みです。
日米TAG交渉 アメリカの22項目の要求分野
21日にアメリカが発表した要求分野では、日本が主張してきた「物品」に限った交渉であるという主張とは相いれない項目も入っており、はなから日米での認識の違いが浮き彫りになったものとなりました。
要求分野には、自動車貿易の改善や農産品の関税引き下げのほか、薬価制度や為替問題にも矛先を向けていて、難題となるでしょう。
また、通信や金融などサービス分野も含まれ、「物品」以外も幅広に含まれる形となりました。
医薬品や医療機器については、日本が神経をとがらせる項目も入りました。
文言は「透明で公正な規制によって、米国製品が完全に日本市場にアクセスできるようにする」と書かれていて、日本の薬価制度の見直し等に切り込むつもりと思われます。
また、為替条項について日本側は受け入れない構えのようです。合意文書に為替条項が入ると、トランプ政権が日銀の金融緩和をけん制するといったリスクも排除できなくなるためです。
2018年12月22日
日米TAG交渉 アメリカ、22項目の交渉目的を発表 1月下旬から交渉開始
2018年12月21日、アメリカは日本との貿易交渉に向けて22項目の交渉目的を発表しました。
通貨安誘導を封じる為替条項を協議するほか、農産品や自動車では関税や非関税障壁の削減がその主な内容です。
また、今回のこの交渉目的の発表により、2019年1月下旬にも交渉を始められるようになりました。
メキシコ 2会合連続0.25%の利上げ
中央銀行は、12月20日の定例会合で、政策金利を8.00%から8.25%へ0.25%引き上げることを決定しました。
これは事前の市場予想通りの結果です。
背景は、足元のインフレ率の高止まりや、メキシコペソ安などによるインフレ期待の上昇などがあるとみられます。
例えば、11月の消費者物価上昇率は前年同月比+4.7%と、10月の同+4.9%から鈍化したものの、中銀のインフレ目標(3±1%)を上回っています。
今後の具体的なリスクとしては、①国内外の要因によるメキシコペソ安圧力、②生産性の向上を上回るペースでの賃金上昇によるコスト上昇圧力の高まりなどを中央銀行は挙げていて、実際、新空港建設の中止などロペスオブラドール大統領の政策に対する不透明感が高まり、メキシコペソが安くなっていたりします。
今後も為替動向とインフレ動向をにらみながら、金利の引き上げを判断していく事となるでしょう。
メキシコに投資すべきか? メキシコペソ・メキシコ株の投資ブログ
資源・原油関連 中東に力の空白で、原油供給にリスク
トランプ大統領がシリアからの米軍撤退開始を表明したのに続き、アフガニスタンからも大半を引き揚げる方針を決めました。
中東における力の空白は過激派の台頭を招き、これまでの秩序が崩壊する事を加速しかねません。当然混乱が深刻化すればエネルギー供給の途絶リスクだって増大します。
アメリカが中東から興味を失った理由の一つにシェール革命がよくあげられます。
有力産油国になったアメリカとカナダ、メキシコを合わせた北米のエネルギー体制はやがて域内消費に見合う生産を実現できる見通しで、中東の原油はアメリカにとってかつてほど重要ではなくなったという理屈です。
しかし、それでも世界のエネルギー安全保障は中東の地政学と無縁にはなれません。
例えば味では中国を中心としたサプライチェーンが確立しているわけですが、その際中東から海上輸送される化石燃料への依存は強くなっていて、中東情勢の不安定化から来るエネルギー供給の途絶はアメリカを含む世界経済に大打撃を与える可能性が高いです。
もちろん、単にエネルギーだけの話ではなく、国際政治学的にこれまでアメリカが睨みを利かせていたから沈静化していた色々な問題が一気に噴出してあらゆる火種が再び出てくる可能性もあります。最近のロシアの攻撃的な外交姿勢はその一つでしょう。
資源関連の値動きについては引き続き中東情勢にもよく目を凝らしてみておく必要があると思われます。
中国製造2025 鴻海・シャープが中国で半導体工場建設 地元政府が全面支援
台湾の鴻海精密工業と子会社のシャープが、中国に最新鋭の半導体工場を新設する方向で地元政府と最終調整に入ったようです。
総事業費は1兆円規模になる可能性がありますが、広東省珠海市が全面バックアップしているようです。
中国は外資に頼る半導体の国産化を強力に進めており、新工場も多額の補助金などで誘致しています。
貿易戦争を繰り広げるアメリカも注目していると思われます。
特に本件は、シャープが深く関与します。鴻海グループで半導体を製造するのはシャープだけだからです。そのシャープは元々日本の会社。日米のTAG交渉にも影響があったりするのでしょうか。
この動きにはやはり中国の思いがにじんでいます。
中国では半導体を巡り次々と1兆円規模の投資計画が浮上し、製造装置業界は需要増に沸いています。
実際、中国の装置市場の規模はすでに日本を越え世界3位に浮上しており、18年には台湾を抜き世界2位に、19年には首位の韓国に接近すると予測されています。
ただ、技術という意味では同分野では日本や米国メーカーが強く、中国企業は育っていないのが現状です。中国としては早くそこに追いつき、ZTEで起きたような事が二度とないようにしたいわけです。
シャープが自身の持つ半導体技術を中国に垂れ流しにしたりすると、日米の外交問題に発展しかねません。
BREXIT メイ政権、総選挙含むプランも検討か
メイ首相のチームは、首相が取り決めた離脱合意案が議会で否決された場合、EU離脱の延期や2回目の国民投票実施、新たな国政選挙発表を含む大胆な選択肢を非公式に検討していると報道されました。
2回目の国民投票は英政界の主流で支持を集めつつあるようですが、メイ首相は断固拒否しており、新たな政権を選択する国政選挙によって実現される可能性があります。
メイ政権は、新たな国民投票が行われる可能性があるという最近の報道を打ち消そうと努め、少なくとも彼女の首相在任中は国民投票の再実施を認めないと明言しています。
しかし、その一方で、首相の離脱案が最終的に議会で否決された場合、2回目の国民投票を目指す動きに弾みがつくとも理解しているようで、その際にどういった対応をすべきかを検討しているようです。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
中国 中央経済工作会議が閉幕 大規模減税や金融緩和を実施
2018年12月に行われた中央経済工作会議が、来年の経済成長を「妥当な範囲」に維持すると表明しました。
外部環境が厳しく景気は減速気味であると認めた上で、雇用、貿易、投資を支援し、小規模企業や民間企業の資金調達難の解消を図るとともに、リスクや金融市場の不安定な動きを抑制するとしました。
また、民間企業の資金調達難を解消する金融緩和策や大規模な減税も行っていく予定との事です。
先進国その他 2018年12月21日米株大幅続落 週間の下げはリーマンショック以来の大きさ
12月21日のアメリカ株式市場は引き続き大幅安です。
経済成長鈍化への懸念から、情報技術や通信サービスなど割高なセクターが特に売られたようです。
NYダウの週間の下落率は6.9%安に達し、下落率で見るとリーマン・ショック直後の2008年10月以来、約10年ぶりの大きさになっています。
2018年12月21日
アメリカ、中国の経済スパイ行為を非難、起訴
2018年12月20日、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドは、中国がサイバー攻撃によって知的財産を盗む行為を世界で展開していると非難し、このほかカナダ、日本、オランダ、スウェーデンも、中国のサイバー攻撃を非難する見通しだという事です。
アメリカは、中国のサイバー攻撃が2006年から行われているとしていて、これらの行為が、商業目的でのサイバースパイ行為を阻止する2015年の協定の違反に当たると指摘し、関与した二人の中国人をこのほど起訴しました。
今回の件を受け、ファーウェイで特に高まった米中間の緊張がさらにエスカレートする可能性があります。
BREXIT アイルランドが合意なき離脱の場合の対応策を発表
2018年12月19日、アイルランドはイギリスの合意なきEU離脱の際の緊急対応策を発表しました。
医薬品や食料品の不足を回避するための緊急策などが盛り込まれました。
イギリス領である北アイルランドとの500キロに及ぶ国境線に関し、EUの単一市場をどのように維持するかについてはまだ未策定であるとも述べました。
このほか、港湾や空港などのインフラ強化策、国内医療制度や北アイルランドとの共同電力市場を維持するための一連の法案について詳細が示されました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
中国 中国人民銀行が金融支援拡大
2018年12月に入ってから、中央銀行は小規模・零細企業への融資拡大に意欲的な銀行を対象に、最長3年間、低金利の資金を供給すると発表しました。
減速感の見える景気の下支えを図っての事です。
中央銀行は「対象を絞った」中期貸出制度を設け、規制上の要件を満たし、小規模・零細企業への与信を拡大する意欲のある銀行から申請を受け付けます。
金利は3.15%で、現行の似た制度よりも供給される資金の期間は短く、金利も高く設定されているようです。
シャドーバンキング問題の解決で金融引き締めが行きすぎたという思いが引き続き政府にはあるのでしょう。
中国製造2025 中国の圧力がカナダを翻弄
華為問題で、中国がカナダに対し様々な手段で圧力を強めているようです。
カナダ人の拘束や主力産品への貿易制限、不買運動など、ファーウェイ問題と直接関係のない案件ばかりで、カナダは対応に苦慮しています。
これらは「非対称戦術」や「複合戦術」などと呼ばれる中国に特徴的なやり方で、日本や韓国など米国に歩調を合わせる同盟国にも不安を広げています。
中国が世界で力を持つとどうなってしまうかという事が少し垣間見えてしまう事象ですね。
中国は他国と外交問題が発生すると直接関係のない問題で圧力をかけることが少なくありません。
例えば韓国が2017年に地上配備型ミサイル迎撃システムの在韓米軍への配備を受け入れると、消防点検などの名目で韓国大手スーパー「ロッテマート」の中国国内店舗を次々と営業停止にしましたし、2012年には南シナ海問題で対立したフィリピンに対し、バナナの輸入を制限しました。
更に、2010年に起きた尖閣諸島問題の際は、日本人会社員4人が拘束され、先端技術に欠かせないレアアースの日本向け輸出も滞りました。
本件については、中国はアメリカに対して色々と行うのが筋なのでしょうが、米中貿易戦争の協議を控えて関係悪化を避けたいため、カナダに矛先を向けているものと思われます。
先進国その他 米株は続落 政府機関閉鎖報道で
2018年12月20日のアメリカの株式相場も大幅続落です。
前日のFRBの政策発表が大きな衝撃を与えたのに続き、一部の米政府機関が閉鎖される可能性が高まり、売りが膨らんだ形です。
ボラティリティーは金融市場全体で高まっていて、アメリカの国債相場も政府機関閉鎖の恐れを受けて下落しました。
S&P500種は前日比1.6%安の2467.42、ダウ工業株30種平均は464.06ドル(2%)安の22859.60ドル、ナスダック総合指数は1.6%の下落でした。
先進国その他 日本株は年初来安値
2018年12月20日の日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比595円34銭(2.8%)安い2万0392円58銭で終えました。
この終値は3月23日につけた年初来安値を下回っていて、1年3カ月ぶりの低い水準です。
やはり前日の米国株安から直接影響を受ける形となりました。個人投資家の売りも目立ったようです。
2018年12月20日
アメリカの経常赤字は23%拡大
2018年12月19日発表されたアメリカの2018年7~9月期の経常収支は1248億1700万ドル(約14兆200億円)の赤字となり、前期の改定値に比べ23%赤字が拡大しました。
赤字額は2008年10~12月期以来約10年ぶりの大きさです。
モノの貿易赤字の拡大が経常赤字拡大の要因で、輸出が減る一方、輸入が増え、モノの貿易赤字は前期から239億5400万ドル増えたようです。
米中貿易戦争 次官級の電話会議を実施
WTOの非公式会議で米中双方がお互いを非難しあっている中で、両国の当局者らは電話で貿易戦争について協議したようです。
ムニューシン米財務長官は、両サイドが最近数週間に何回か対話を持ったと明らかにしていたましたが、19日の電話会議もその一つでしょう。
2019年1月に正式の交渉を対面で行う計画ですが、それ以前に公式な会談の可能性は低いと同長官は述べています。
日本、長期金利が0%に接近 1年3か月ぶりの低い値
2018年12月19日の国内債券市場で長期金利が0%に接近しました。
10年物国債の利回りが一時0.010%まで低下し、約1年3カ月ぶりの低い水準を付けました。
アメリカの金利低下を受けて、日本の長期金利にも低下圧力がかかっています。
アメリkカの利上げが早期に終了するとの観測から、18日にアメリカの長期金利は4カ月ぶりの水準に低下しましたが、これを受けて日本の長期国債先物を買う動きが勢いを増したようです。
イタリア財政問題 EUの承認を受けてイタリアの国債利回りは急低下 銀行株急上昇
2018年12月19日の欧州債券市場でイタリア国債が買われ、長期金利が大きく低下しました。
10年物国債利回りは一時2.7%台後半と前日より0.2%近くも下げていて、9月中旬以来約3カ月ぶりの低水準に戻りました。
もちろんその背景はEU欧州委員会が予算案修正を承認したためです。
イタリア最大手銀ウニクレディト等、イタリア国債を多く保有している金融機関の株価も大幅に上昇しました。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
BREXIT イギリス政府、合意なき離脱に向けた対応を企業と市民に促す
2018年12月18日、イギリス政府は合意なきEU離脱する事態に備えた計画を全面的に実行し、企業や市民に対応を促す方針を示しました。
離脱期限まで約100日となる中、メイ首相はEUと合意した離脱案について議会の採決を1月半ばに延期したが、承認が得られるめどは立っていません。
合意なき離脱となった際の緊急事態に備え、イギリス政府は医療用品の通常の供給を確実にするためのフェリーの停泊スペース確保や、英軍から3500人を動員することを計画しています。
政府は、合意なき離脱を避けられるシナリオが最も可能性の高いものだとしながら、合意なき離脱に備えた計画を「全面的」に実施すると表明しました。
政府は2016年の国民投票以降、EUからの離脱向けに42億ポンド(53億1000万ドル)超の資金を振り向けていて、今回、国境管理の強化に向け、内務省に4億8000万ポンド、通関業務の増加のため税当局に3億7500万ポンド、環境・漁業・食品関連当局に4億1000万ポンドが割り当てられました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
米中貿易戦争 WTO非公式協議で米中がお互いを非難
2018年12月19日に行われたWTOのの非公開会合において、米中は互いに国際貿易体制を弱体化させていると非難し合い、両国間の衝突があらためて浮き彫りとなりました。
アメリカは「中国の非市場的な経済体制と、開放的で透明性があり予測可能な国際貿易制度との根本的な相違が危機を引き起こしている」と指摘し、「この問題に対するWTO加盟国の取り組みが長年にわたり失敗してきたことも危機に拍車を掛けている」との見方を示しました。
更に、中国は半ば強制的な技術移転を強要しし、特に戦略的産業において他国が持つ先端技術の窃取を何度も繰り返していると指摘しました。
これに対して中国は、トランプ政権のアメリカの一国主義的な姿勢こそが危機の根源だと反論し、「中国は一国主義や保護主義に断固反対する」と応じました。
いずれにせよ、両国の溝が改めて浮き彫りとなった形です。
資源関連 NY原油1年4か月ぶりの安値
2018年12月18日、アメリカの原油先物相場は1バレル46ドル台と、約1年4カ月ぶりの安値となりました。
17日に大幅に下落してから18日に更なる安値を付けました。これで10月初旬に約4年ぶりの高値となる76ドル台をつけた後、約4割も下落した事になります。
世界景気の減速による石油需要の減退懸念に加え、アメリカとロシアの堅調な生産見通しが広がったためです。
金融市場では原油の先安を見込む声が増えています。
シェール企業はまだ大丈夫??
2014年以降の原油相場の下落局面では、1バレル65ドルを切ったあたりからシェールオイルの生産が減少に転じました。損益分岐点がそこらへん近辺だったからです。
実は、アメリカのシェール生産の指標となる石油掘削装置(リグ)稼働数は2018年12月15日時点で873基と2週連続で減少していて、2カ月前の水準まで低下しています。
稼働準備に2カ月程度かかるため、10月初旬の相場下落の影響が表れたとみられるのですが、シェールオイルの生産技術は向上していて、生産コストは下がっており、既存の油田の採算分岐点は1バレル25~40ドルまで下がってきていると見られています。
もう少し下がってもアメリカのシェール企業は儲けが出る、と思われます。
アルゼンチンの通貨危機 マイナス成長続く
アルゼンチン政府が18日に発表した2018年7~9月のGDPは前年同期比3.5%減で、2四半期連続で大幅なマイナス成長となりました。
通貨の大幅下落や高インフレで工業・商業とも大幅に落ち込み、本格的な景気後退期に入っています。
アルゼンチンペソは金融政策でもって少しずつその動きが沈静化しつつあるものの、マイナス成長がずっと続くとマクリ政権も追い込まれます。
のマクリ大統領は2019年10月の大統領選で再選をねらっていますが、経済が振るわないとダメなのはどこの国も一緒です。
ただ、インフレ率が50%近くになっていて経済成長というのも少し厳しすぎます。もう少し長い目で見守る必要があると思いますが、選挙の日程は必ず訪れます。
マクリ政権は間違ってはいないと思うものの、選挙でそれが評価されるかはまた別問題であるところが難しい所です。
イタリア財政問題 EUがイタリアの予算を承認
2018年12月19日、EUの欧州委員会はイタリア側が再提出した2019年の修正予算案を承認しました。
既述の記事の通りですが、当初案より財政赤字幅を縮小させたのを評価し、EU財政ルールに違反しているとして検討していたイタリアへの年内の制裁手続き入りは見送ります。
ただ、今後も引き続き監視は続けるとしており、対立の火種がなくなったわけではありません。
イタリアにとっては、フランスの動乱が良い方向に作用した格好です。
イタリア側は修正予算案で、目玉政策の年金受給開始年齢の引き下げや、最低所得保障などの大枠は維持するものの、実行時期を遅らせたり、規模を縮小させたりする譲歩案を提示してきました。
また、甘いと批判され続けた2019年の経済成長率見通しも当初の1.5%から1.0%へ引き下げました。
これで、EU側もフランスの事もあるので事態を早めに収束させるべく、財政ルールを一時的に緩和する例外規定の適用を容認したのです。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
アメリカの金融政策 FRBが今年四度目の利上げ
2018年12月19日、FRBはFOMCで3カ月ぶりの利上げを決めました。
利上げ幅は0.25%で、これで政策金利は2.5%に近づきまいたた。
利上げは今年で四度目。2019年の利上げペースは従来の3回から2回に引き下げています。
最近の株価急落を無視し、トランプ大統領からの圧力に逆らう形となりました。
FRBは引き締め休止が近づいている可能性を示唆しましたが、マーケットの予想では2020年にはなお1回の利上げを見込んでいます。
各社多数のレポートを出しています。一覧は↓をご確認ください。
2018年12月19日
米中貿易戦争 東南アジア各国、中国への輸出急増
米中の貿易戦争が長引く可能性を見越して、輸出を前倒しする動きが広がっているようです。
例えば、シンガポールの2018年11月の積み替え輸出(再輸出)額は前年同月に比べ、9.4%増加し、マレーシアの10月の輸出額も過去最高を記録しました。
これから心配なのはこれらの反動です。景気の足腰が弱いと、それらがトリガーとなって更なる悪影響が及ぶ可能性があります。
シンガポールにおける積み替え輸出、つまり再輸出額の3割近くは中国・香港向けが占めています。
アジア各地から部品などを中国・香港に運び、中国で最終製品をつくり、アメリカなどに輸出する企業も多いのですが、その中国向けの再輸出は2018年10月に前年比+11.4%まで跳ね上がりました。
中国の景気が徐々に悪くなっている中で、これらの影響がサプライチェーンを通じて結びつきが深い東南アジア経済に確実に影響してくるわけですが、この様な輸出に関するボラがあると、プラスの時は良いもののマイナスの時の忍耐力が懸念材料として出て来ます。
中国製造2025 華為問題でサプライチェーンに変化
世界各国、特に西側諸国でファーウェイ製品が締め出しにあおうとしている中で、色々な変化が起きつつあります。
同社は通信基地局で世界シェア首位、スマートフォンで2位なので、半導体だけで年間調達額は1.5兆円を超え、日本企業からも5千億円規模の部品を買っています。
「ファーウェイ排除」の動きが進めば、サプライチェーンを担う日本や米国の企業にも打撃となるわけです。
2017年のファーウェイの調達額は半導体だけで140億ドルに達し、その多くがクアルコムやインテル等、米企業からの調達です。
同社の日本での調達額は約5千億円。
一部サプライヤーには、2020年までに日本での調達額を2倍に引き上げる計画を示していますが、今回の締め出しが強化されれば幅広い産業に影響するでしょう。
中国製造2025 華為、安全性対策に2200億円投資
ファーウェイの胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は、メディアのインタビューで安全保障上の懸念から欧米や日本で同社製品を締め出す動きが広がっていることについて「証拠がない」と反論しました。
その一方で、次世代通信規格「5G」時代をにらみ、5年間でサイバーセキュリティー分野に20億ドルを投資する用意があると話しました。
CFO逮捕については既に司法プロセスに入ったという事でコメントを控えました。
米中貿易戦争 2019年1月に米中で会談予定
アメリカのムニューシン米財務長官によれば、米中両国は2019年1月に、貿易摩擦に関する協議を行う予定であるとの事です。
同長官は、2019年3月1日までに「合意内容を文書化」する為、1月に協議を持つことで両国が合意したと話しました。
また、ファーウェイ問題については今回の協議と別問題であることも併せて言及しました。
BREXIT 少しずつ国民投票やり直し機運が高まっている??
メイ首相は何度も否定していますが、イギリスでブレクジットに関する仕切り直し論が増えてきているようえす。
まだ議会全体を動かすような動きにはなっていませんが、もし本当に仕切り直しとなると色々な影響が出てくると思われます。
実際に国民投票でEU離脱が決まってから2年余りを経ているわけですが、今なお、英政治家は望ましい離脱の形を巡り、合意できずにいます。
そしてその結果、2度目の国民投票を実施し、もう一度国民の信を問う事をを求める議員も増えてきました。
ある議員によれば、下院で投票やり直しを支持する議員は約150人に上るといいます。野党の労働党やスコットランド国民党(SNP)のほか、一握りの保守党議員も含まれています。
これはまだ議会で採決できるほどの数にはなっていませんが、時間がたつにつれてもしかしたら勢力が増えるかもしれません。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
イタリア財政問題 EU・イタリア間で非公式合意?
イタリアとEUとの話し合いの中で予算に関する実務的合意が成立し、2018年12月19日に正式発表される見通しとの報道がありました。
欧州委の会合後、EU側が協議の結果について説明する予定との事です。
イタリア政府はEUが制裁にかかる手続きを開始しないようにする為、2019年予算計画を約40億ユーロ圧縮し、財政赤字目標を当初のGDP比2.4%から2.04%に引き下げました。
欧州委は当初の予算計画がEUの財政基準に違反するとして制裁手続き入りを勧告していましたが、フランスの事もあり、どの様な判断がなされるか注目されています。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
2018年12月18日
中国 内需拡大方針を鮮明に
2018年12月13日、中国共産党は中央政治局会議を開き、2019年の経済政策などを議論し、貿易戦争を念頭に内需を拡大する方針を示しました。
会議では「強大な国内市場を形成し、経済の全体的な水準を高める」方針を決めました。
12月の米中首脳会談でもアメリカからは内需拡大を迫られていて、それへの対応が急務です。19年の経済運営は景気下支えに軸足を置くとみられます。
経済政策としては中国は金融リスク抑制、環境保護、貧困対策を3つの優先課題に据え、更に米中摩擦による景気減速で国内が動揺しないよう、党による統制を強める方針も示しています。
中国 米中貿易戦争で景気減速が鮮明に
貿易戦争の影響からでしょうか、中国の景気に減速感が鮮明になってきています。
2018年12月14日発表した2018年11月の小売売上高の伸びは15年半ぶりの低水準で、工業生産も実質10年ぶりの低い伸びにとどまりましたた。
貿易戦争の影響は雇用に及びつつあり、先行き不安から消費が低迷、生産も鈍化しています。
共産党指導部は2019年の経済運営方針を近々決めるようですが、減税など景気重視の姿勢を打ち出すとみられます。
不動産や製造業の投資が堅調だったので固定資産投資の伸びが3カ月連続で加速したことは明るい材料かもしれません。
ただ、一方でインフラ投資の伸びは横ばいとなっていて。地方政府は借金漬けで投資余力が失われている恐れがあるとの指摘もあります。
中国製造2025 ファーウェイの対米戦略は法廷闘争を軸に
華為技術(ファーウェイ)は、国家安全保障上の脅威として米政府から度重なる攻撃を受ける中、米政府との対話から法廷での争いへと対米戦略を見直したようです。
ファーウェイは、アメリカ政府による締め付けが厳しくなった2018年4月、アメリカ議会や政府機関への働きかけを担当していた米国スタッフ4人を解雇した一方で、米法律事務所ジョーンズ・デイ、モルガン・ルイス・アンド・バッキアスの2社を起用し、米国での訴訟に備える方向へとかじを切りました。
もちろんその方針転換に中国政府・共産党も色々とアドバイスしているでしょう。
米中のハイテク戦争が今後どの様に動いていくか、法廷闘争の行方も注目すると良いでしょう。
データ・統計のまとめ コンテナ船運賃は下落
アジアからアメリカへ貨物を運ぶコンテナ船のスポット運賃が下落しました。
物流は経済の血液。コンテナ船の状況を見る事は実体経済を把握するうえで大切です。
今回のコンテナ船運賃の下落は、2019年1月の米国による対中関税の税率引き上げを想定した米国の輸入業者による在庫積み増しが一服した事によるものと思われます。
米国の年末商戦向け輸送も終わり、貨物スペース不足が解消したようです。
米中貿易戦争 アメリカ、対中関税引き上げは3月2日から
2018年12月17日、アメリカは中国との協議で合意できなかった場合、制裁関税を2019年3月2日に引き上げると明らかにしました。
米中首脳会談で10%から25%への関税引き上げを90日間猶予することで合意しましたが、日時は明確に示していませんでした。
しっかりと日程を明確にすることで中国への本気度と強い姿勢を見せる形となりました。
資源関連 NY原油相場が大幅続落
2018年12月17日、ニューヨーク原油相場は大幅続落しました。
米石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫急増を示すデータがあると伝わり、1バレル=50ドルを割り込みました。
また、この日の株安も原油相場を圧迫しました。
結局、ニューヨーク商業取引所のWTI先物1月限は、1.32ドル(2.6%)安の1バレル=49.88ドルで終了し、ロンドンICEの北海ブレント2月限は85セント安の59.41ドルとなりました。
英国EU離脱 EU離脱案の採決は2019年1月中旬に実施
2018年12月17日、メイ首相は前週延期したEU離脱案の議会採決について、来年1月中旬に行う意向を表明しました。
さらに「自分の離脱案は譲歩案であり、完全ではない事は知っている。しかしこれに背くのであれば合意なき離脱に陥りかねない」とし、自身の離脱案か、合意なき離脱か、離脱放棄のいずれかを選択するしかないと強調しました。
国民投票の再実施については「取り返しのつかない損害」をもたらすとして重ねて否定しました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
アメリカ S&P500が2017年10月以来の安値
2018年12月17日の米株式相場は大幅続落しました。S&P500は前週末比2.1%下げて2545.94、ダウ工業株30種平均は507.53ドル(2.1%)安の23592.98ドル、ナスダック総合指数は2.3%下落です。
S&P500は1年2か月ぶりの安値で、貿易や地政学的緊張、米政府機関閉鎖の可能性がすでに懸念される中、アメリカの金融政策が経済成長に影響するとの見方が広がった事が背景にあります。
S&P500種の業種別指数は全て下落しましたが、特にテクノロジーやヘルスケア、消費者関連銘柄の下げがきつかったと言えるでしょう。
オバマケアが憲法違反と判断された事から医療保険株が急落し、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ベビーパウダーのアスベスト含有を巡るスキャンダルが悪化するとの懸念で、前週末から一段安となりました。
2018年12月17日
資源関連 IEA、産油国の減産で2019年は供給不足になると予想
2018年12月13日、IEAはOPECとロシアの減産合意やカナダの供給削減決定により、世界の原油市場が予想よりも早く供給不足になる可能性があるとの見解を示しました。
IEAは2019年の世界原油需要の伸び予想を前月と同じ日量140万バレルに据え置き、今年の伸びは日量130万バレルと予想しました。
IEAによれば2019年は、原油価格が2018年10月初めの高値から大幅に下落したものの、需要の伸び予想は引き続き日量140万バレルとしたうえで、価格下落による支援要因の一部は、世界、特に一部新興国の経済成長の鈍化によって帳消しになるとの見方を示しました。
因みに、OPECとロシアを中心とした非加盟国は、2019年1月から日量120万バレルの減産を実施することで合意しています。
インド選挙関連 中央銀行の新総裁により、モディ首相のバラマキがエスカレートか??
2018年12月に、中央銀行の総裁が突如辞任した事は別記事でもご案内したとおりですが、これがモディ首相の来年の選挙に向けたバラマキ政策のアクセルを踏ませる要因になるかもしれません。
ご参考↓
元々、2019年5月までに実施予定の次期総選挙を見据えて、モディ政権は様々な『バラ撒き』政策を志向していました。
しかし、その一方で財政上の制約がその足かせとなる状況も続いており、政府は中央銀行に対して余剰準備金の国庫納付を求める圧力を掛けたほか、銀行融資拡大に向けて国営銀行に対する融資規制の緩和を求める動きを強めており、パテル前総裁はそうした政府の姿勢に反発を示してきたわけです。
これが結果として政府と中央銀行の関係を悪化させ、モディ政権は中央銀行の総裁人事を巡っては、中央銀行の独立性を重視する学識経験者ではなく、官僚出身者など実務者を充てることで円滑な財政運営を図ろうと考えたのです。
中央銀行は、その後政策スタンス自体は変更しなかったもの、モディ政権が求める金融市場へ流動性供給拡大に向けた実質的な緩和姿勢を打ち出しています。
重要な州選挙で敗れたモディ政権にとって国民の人気取り政策は必須。中央銀行というそれまで歯止め役になっていた所が実質的に政府に屈服した事で、モディ首相の思惑は通りやすくなったと言えます。
しかし、これが中長期的な観点でインドのプラスになるかどうかは分かりません。
インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)
資源・原油関連 カタールのOPEC脱退の理由は
カタールがOPECから脱退した理由が徐々に明らかになりつつあります。
キーワードの一つはLNG。
LNGに注力したいカタール・ペトロリウム(QP)のCEO、サード・アルカービ氏は、石油担当相に就く前から、OPECからの脱退を待ち望んでおり、数カ月も前から脱退を計画していたようです。
カタールは産油量が少ないためOPEC内部での発言力が小さく、アルカービ氏が生産量が多い天然ガスへの注力を望んでいたのです。
アルカービ氏はアメリカで教育を受けた技術者で、「Mr.ガス」として知られていて、王族ではないものの、天然ガス資源事業に影響力を持ち、政権深部とも関係が深いとされます。
そういった状況の中、OPEC加盟国であり続ける事は世界最大のLNG田を抱えるアメリカでの開発に足かせとなったのです。
また、アメリカで検討されている「石油生産輸出カルテル禁止法」法案は、OPEC加盟国を独占禁止法で訴えられるとの内容で、アメリカで膨大な投資を計画している同社にとってはリスクとなる可能性もあります。
カタールの脱退は政治的なものもそうですが、経済的な側面も大いにありそうです。
日本、市中国債を20年債以下対象に2018年度対比減額4.8兆円
日本の2019年度国債発行計画の大枠が固まったようです。
入札を通じて市中発行する国債総額は2018年度当初比4.8兆円減の129.4兆円とし、満期20年以下の固定利付債を減額する予定です。
市中発行額の減額は6年連続で、これまで最大だった2013年度当初の156.6兆円からは27兆円程度下回る水準です。
金融政策の柱として買い取ってきた日銀の国債購入量は、一段と減りそうです。
イギリス国内の分裂が深刻化
EU離脱を巡イギリス国内の分断が深まっているようです。
離脱案への反対派は与党・保守党内の強硬離脱派、同党内のEU残留派、閣外与党の民主統一党(DUP)、野党第1党・労働党の4つに大きく分けることができます。
イギリス議会がまとまらないのはメイ氏の主張が現実的なものと非現実的なものの二つが混在しているからです。
例えば、アイルランド問題の難しさなどをみれば、メイ氏が「単一市場・関税同盟からの脱却」を訴えても強硬派はうなづきません。
閣外協力している与党の民主統一党は、「英国との一体性を守れるならEUとの関係が近い案でもよい」と言い始めており、労働党やEU残留派も巻き込んだ連携の可能性があります。
ただ、それが議会で過半数を形成するのは難しいでしょう。
このまま妥結点が見えないと「合意なし」離脱が現実のものとなる可能性があります。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
2018年12月15日
中国 11月の小売売上高が15年ぶりの低水準
中国国家統計局が2018年12月14日発表した2018年11月の主要経済統計によると、社会消費品小売総額(小売売上高)は年初来累計で前年同月比+9.1%と、2003年以来15年ぶりの低水準となりました。
11月単月では前年同月比+8.1%と、2003年5月の+4.3%以来15年半ぶりの低さです。
11月は、中国で「独身の日」と呼ばれるインターネット販売の大規模セールがあったのですが、それにも関わらず、小売売上高の減少が続いた事で、中国景気の減速感がかなり出てきている印象を持ちます。
やはり米中貿易摩擦を背景とする経済や雇用環境の先行き不安が消費者心理に影を落としているようです。
既述の通り、共産党上層部もこれに危機感を持っていて、様々な対策を打っています。
イタリア財政危機問題 EUは対イタリアで難しい局面 フランスのケースを受けて
EUが財政規律を巡って対立が続くイタリアへの対応に苦慮しています。
制裁をちらつかせながら2019年予算案の見直しを迫ってきたEUに対し、イタリアは2018年12月12日、財政赤字幅を縮小する一方、バラマキ色の強い政策は維持する妥協案を示しました。
フランスがデモ沈静化のためにEU財政ルールに違反する可能性が高まるなかで、ダブルスタンダードをなるべく取りたくないEUが、困難な立場に追い込まれています。
足下で、フランス政府はデモの沈静化を図る為、最低賃金の引き上げや年金生活者への増税の一部廃止など財政拡大を伴う支援策を発表していますが、これによって2019年予算案の財政赤字が3%を超え、EUの財政ルールに違反する懸念が強まっています。
イタリアはこれをチャンスとばかりに、EUに強気の姿勢で臨みつつあります。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
資源関連 サウジ、原油の対米輸出大幅削減
サウジアラビアは米国市場への原油輸出を今後、大幅に削減する予定です。
原油在庫の顕著な積み上がりを抑制する為です。
米国の石油精製業者は、2019年1月のサウジからの原油出荷が大幅に減る見通しについて、サウジより通知を受けたという事です。
まだどうなるかは分からないものの、サウジの対米原油輸出は、2017年遅くに記録した30年ぶり低水準である日量58万2000バレルより少なくなる可能性すらあるという事です。
これは直近3カ月の平均を約40%下回る水準で、もしそうなればかなりの調整になります。
米中貿易摩擦 中国、アメリカ車の追加関税を1-3月停止
中国は、アメリカから輸入する自動車にかける関税をいまの40%から15%に下げると発表しました。
期間は2019年1月1日から同3月31日までで、貿易摩擦がエスカレートする事態を避けるための米国への譲歩の一環とみられます。
EUはイギリスが求める「保証」を却下
EUは、最大の懸案事項であったアイルランド国境を巡るバックストップ条項(安全策)について、メイ首相が望んでいた追加的「保証」を拒否する姿勢を示しました。
その上で合意なき離脱への準備を加速する方針を明示しました。
ただ、EU首脳らは、バックストップ条項が決して発動されないよう取り組む考えをあらためて示すとともに、発動された場合でも一時的なものにすぎないとも強調しており、将来の通商合意に向けて早急に取り組むと姿勢も明確にしています。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
アメリカ金融政策 来年は3月と9月に利上げ??
ブルームバーグの最新の調査によれば、アメリカ金融当局は2018年12月18、19両日のFOMCで今年4回目となる利上げを決めた後、2019年には利上げのペースを落とすことになりそうです。
エコノミストは最新の四半期調査(2018年12月7日ー11日実施)で、金融当局が来週のFOMCで0.25ポイント利上げした後、19年の利上げは3月と9月の計2回にとどめると予想しています。
前回9月の調査では、来年の利上げは3回とされていましたが、下方修正されました。
また、2020年半ばにはもう1回の追加利上げが行われ、現行の金融引き締めサイクルの下で、FF金利誘導目標レンジは3-3.25%でピークに達すると見込まれています。因みに現在の目標レンジは2-2.25%となっています。
先進国その他の状況 外国人投資家による日本国債の買い越し額が過去最高に
2018年12月最初の週に、外国人投資家は日本の債券を1兆7200億円相当買い越したようです。
2005年1月以降で過去最高です。
こうした大量購入の傾向は日本銀行の今後の金融政策を複雑にする恐れがあります。
10年物日本国債の利回りは2018年12月10日に0.035%と4カ月ぶりの低水準となりました。
しかし、利回りをあまり下げないために日銀が購入を減らせば、超金融緩和モードを解除しようとしているとの観測が浮上し、円高となる恐れがあります。
どの様に日銀がこの局面をこなしていくか、一つの注目ポイントでしょう。
先進国その他の状況 日本、来年度成長率を下方修正、民間予想より高め
日本政府は2019年度の経済成長見通しで、実質GDPの伸び率を1.3%とする方針です。
2019年10月の消費増税に備えた対策で景気の腰折れを防ぎ、1%程度とされる潜在成長率を上回る成長を見込みます。
内閣府が7月に示した1.5%からは下方修正となりますが、1%割れを予想する日銀や民間よりも大幅に高い見通しになります。
尚、あわせて示す2018年度成長率見通しは0.9%とする方針で、7月に内閣府が示した1.5%から大幅な下方修正となります。
2018年12月14日
先進国その他の状況 日本の長期金利が5か月ぶりの低さ
2018年12月14日の債券市場で長期金利が一段と低下しました。
10年物国債利回りは前日比0.025%低い0.025%を付けています。債券がそれだけ買われているわけです。
因みに、この水準は日銀が金融緩和策を一部修正する前の7月3日以来約5カ月ぶりの低水準となります。
株安を背景に投資家の間で安全資産の国債の需要が高まり、長期金利の低下傾向が強まっているようです。
トルコ 政策金利は24%で据え置き
2018年12月13日、中央銀行は政策金利(1 週間物レポ金利)を24%に据え置くことを決定しました。
政策金利据え置きの決定は市場予想通りで、10 月に続き2 会合連続での据え置きとなりました。
中央銀行は声明文で、インフレ見通しが改善するまで金融引き締め的な政策を維持するとともに、物価の安定のためにあらゆる政策手段を利用すると述べています。
前回の決定会合の時の声明文からすると、インフレ見通しに安ど感的なトーンが感じ取れます。
しかし、安心するのはまだ全然早いでしょう。政治的な激しさがなくなっただけで根本的な問題が解決されたわけではないからです。
引き続き注視が必要でしょう。
中国製造2025推進を抑制??
中国が、中国製造2025戦略推進の手綱を緩めつつあるようです。
同戦略に基づき技術獲得に向けあからさまな政府助成が行われていることなどに欧米は警戒感を示しているのはこのブログでも散々言及していますが、米中が通商協議を進める中、アメリカの苛立ちの根源ともなっていると思われます。
中国国務院は地方政府に対するガイダンスで、中国製造2025戦略を推進した地方政府を優先的に支援すると明記していましたが、ここにきて新たに発表された新たなガイダンスから、同戦略に関する文言が削除されています。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国が同戦略を外国企業により多くのアクセスを提供する新たなプログラムに置き換えることを計画していると報道しています。
それによれば中国は同戦略の代替となる、外国企業の参入に開放的な戦略の策定を進めているとし、新たな戦略は米中が通商協議を加速化させると見られる来年初旬に発表される見通しであるとしています。
ECB、量的緩和を終了
ECBは2018年12月13日開いた理事会で、量的緩和政策を12月末で終了すると決めました。
景気拡大で物価が徐々に上がり始め、デフレのリスクは消えたと判断したためです。
ただ、米中貿易戦争やBREXIT、イタリア問題など世界経済の先行きは不透明で、現在の超低金利政策から脱するには時間がかかる見通しです。
今後の焦点は利上げの時期に移るでしょう。
ECBは現在の超低金利政策を「少なくとも2019年夏まで」は維持するという考えを改めて示しています。
ブラジル ボルソナロ次期政権 経済政策は新自由主義的 金利は低めに、しかし物価上昇は抑えめに
ボルソナロ氏は新政権の経済チームには金利を低めに誘導しながら物価上昇率を目標圏に収めるよう指示したと、話しました。
経済チームを率いるのは既述した経済学者のパウロ・ゲジス氏です。新政権では経済相に就き、経済政策の司令塔「スーパー大臣」として大きな権限を与えられます。
ゲジス氏は省庁の垣根を越え経済政策全体を統括するほか、財務省、商工サービス省など主要な官庁を担当する予定です。
ゲジス氏はシカゴ大学で学位を取った新自由主義の経済学者です。経済活動への政府の介入を極力避け、規制緩和、補助金削減、国営企業の民営化に積極的です。財政再建のため年金受給開始年齢の引き上げにも取り組む予定です。
スーパー大臣と呼ばれる人たちは、他にも次期法相のセルジオ・モロ氏、次期国防相のフェルナンド・アゼベド氏の2人がいます。
統計・指標関連 ドイツZEW景況感指数 期待指数が小幅改善
ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた12月の独景況感指数は小幅改善しました。これは予想外でした。
現在の軟調局面からの出口が見え始めている可能性を示唆しています。
2018年12月11日に発表された12月の期待指数はマイナス17.5に上昇しました。ただ、指数は依然マイナスで、悲観が楽観を上回っています。
ただ、現況指数は悪化しており、今回の期待指数の改善を過大に解釈するべきではないとの指摘もあります。
アルゼンチンの通貨危機 11月のインフレ率は48%
2018年12月13日、11月のインフレ率が前年同月比48.5%だったと発表されました。
通貨ペソは下落が一段落し小康状態にあり、物価上昇のペースは落ち着きつつあると見られます。
IMFの支援や中銀の金融政策により、通貨ペソは9月末に記録した最安値から対ドルで9%高い水準で推移しています。
フィリピン 金融政策決定会合 6会合ぶりに据え置き
2018年12月13日、中央銀行は政策金利である翌日物借入金利を4.75%に据え置くことを決めました。
据え置きは6会合ぶりです。年初から続いた物価上昇が11月に鈍化し、金利も既に9年ぶりの高さにあることから、現在の水準を維持しました。
総裁も一連の金融政策の効果が出たとして今回の据え置きを決めたとコメントしています。
2018年12月13日
ブラジル 政策金利6.5%で据え置き
2018年12月12日、中央銀行は政策金利を年6.5%に据え置くと発表しました。
これで据え置きは6会合連続です。
インフレ率は低水準にあるが、米利上げなどの影響で通貨安の懸念が残る中、利下げを見送りました。
来年1月に就任するボルソナロ次期大統領は低金利を望んでいるとされていて、次回以降の会合の焦点となりそうです。
今回がゴールドファイン総裁にとって最後の会合となりました。
次回会合は新政権、新総裁で行われる会合で、2019年2月に予定されています。
ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ
資源関連 イランの産油量 11月11%減少
OPEC発表の月報によると、イランの2018年11月の原油生産量は前月に比べて日量約38万バレル(約11%)少ない同約295万バレルに落ち込んだようです。
アメリカの制裁の影響が出たとみられます。
米中貿易戦争 中国が譲歩する用意か??
中国政府がアメリカとの緊張緩和を目指し、自動車関税引き下げや大豆などの穀物輸入拡大を計画していることを米高官に伝えたとの報道がありました。
ムニューシン財務長官やライトハイザー通商代表部(USTR)代表、中国の劉鶴副首相は電話を通じ、90日間の「停戦」で合意した今月1日以降、初の協議を実施し、中国は早々にこうした措置を表明したようです。
ただ、3月1日の期限までに完全な決着につながるかどうかは、依然として不透明な状況です。
中国製造2025 ファーウェイCFOの保釈を決定
2018年12月11日、カナダの裁判所はファーウェイCFOの保釈を決定しました。
但し、いくつか条件が付されています。
まず保釈金は1000万カナダドル(750万米ドル)で、保釈後もカナダ国内にとどまり、外出時には電子監視の対象となります。また、午後11時から午前6時までの外出も禁止されます。
アメリカへの身柄引き渡しについては、カナダの裁判所が妥当と判断した場合、カナダの法相が身柄引き渡しの是非を決定するようです。
その場合、同CFOは複数の金融機関に対する詐欺行為の共謀罪で裁かれることになる予定で、有罪となれば、1つの罪につき最長30年の禁錮刑が言い渡される可能性があります。
アメリカとしてはこのネタを使って司法取引をし、何か次の一手を打ってくるのでしょうか。
新しい記事を投稿
インドの選挙についてまとめた記事を投稿しました。
来年の総選挙に向けてインドも選挙の季節です。その前哨戦である地方選挙についておフォローしていきます。
インドの選挙関連ニュースのまとめと経緯(2018年~19年)
英国EU離脱 メイ首相続投 保守党党首信任投票結果
イギリスの与党保守党が2018年12月12日の夜実施した下院議員による信任投票の結果、メイ党首(首相)が信任されました。
しかし、勝利したとはいえ、かなりの数の議員が不信任を表明しています。EU離脱を控えた重大局面で、首相の立場への打撃は避けられません。
無記名で行われた信任投票ではメイ首相への支持が200票、不支持は117票だったという事です。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
2018年12月12日
米中貿易摩擦 中国がアメリカ車の関税引き下げを検討か??
2018年12月11日、中国政府がアメリカの自動車にかけている関税を現行の40%から15%に下げる検討をしているとの報道がありました。
引き下げが実現すればアメリカ車への関税は欧州や日本から輸入する車と同水準になります。アメリカの車だけ高い関税であった事に意外感がありますが、これも今の貿易摩擦が関係しています。
中国は2018年7月1日に輸入車への関税を25%から15%に下げました。ただ、アメリカが発動した中国製品向け追加関税への報復措置として、米国から輸入した車には7月6日から25%の関税を上乗せしていたのです。
結果として米国産車にだけ計40%の関税がかかり、欧州や日本から輸入した車と比べて割高になっています。
2018年12月1日の米中首脳会談では中国がアメリカの農産品や工業品、エネルギーの輸入を大幅に拡大することで一致しましたが、車関税下げについても追加で意見を交わした可能性があります。
メキシコ 石油鉱区の入札を中止
2018年12月11日、メキシコの国家炭化水素委員会(CNH)は2019年2月に予定していた石油鉱区の入札を中止すると発表しました。
2018年9月に実施予定でしたが、ロペスオブラドール氏の意向に配慮して延期していたのです。
今回の決定によって中長期的な民間資本を活用した油田開発が遠のくことになります。
メキシコ ロペスオブラドール新大統領の政策についてまとめてみた
米中貿易戦争 中国、アメリカ産大豆を大量輸入
2018年12月12日、中国が150万トン以上の米国産大豆を購入したことが明らかになりました。
米中首脳が「休戦」で合意してから初めての大規模な購入となります。
中国の国有企業が購入した米国産大豆は5億ドル以上に相当し、アメリカが是正を求めている431億ドルに上る対中貿易赤字の削減にはほとんど寄与しない額ですが、一応次回の米中通商協議に向けて中国側が意向に沿った姿勢を取った形です。
中国はアメリカ産大豆の最大の輸入国で、2017年の輸入はアメリカの総輸出の約60%に相当し、120億ドルを超えました。しかし、2018年に入ってからはアルゼンチンとブラジルへの依存度を高めていたのです。
先進国その他の状況 日本株は引き続き日銀頼み
日銀が金融緩和の一環として購入しているETFの買い入れ額が初めて年間6兆円に達しました。
2018年は世界経済の減速懸念や米中貿易摩擦から株価の調整が続き、株価が下がったときに買い入れる日銀の購入ペースが速まったためと思われます。
ここまで続けてきたETF購入ですが政策の手じまいも難しくなっているようです。
そもそも日銀がETFの購入を決めたのは2010年でした。
当時の日経平均株価は2009年にバブル後最安値の7054円まで下げた後、1万円前後で足踏みしており、日銀は自らETFを購入することを通じて投資家の不安を和らげ、株式を買いやすくする効果を狙ったわけです。
今後どうやってETF残高を減らしていくのか、いずれにせよ相当時間がかかるでしょう。
ブレクジット EU離脱に備えて、イギリス国内の倉庫争奪戦が激化
イギリスのEU離脱を控え、在庫を増やそうとする企業の倉庫需要が急増しているようです。
イギリスが無秩序離脱なる事態に陥れば、国境検査や港湾のまひ、道路の大渋滞が発生し、イギリスとEUの間を行き来する5400億ドル相当の物流が脅かされます。
そうなれば企業活動にも相当なダメージを与える可能性があります。
そうなった場合に備え、2019年3月29日に予定されるEU離脱前に、あらゆる産業のあらゆる企業が在庫を積み増ししているのです。
実際にイギリスのPMIは、11月の生産増が在庫の増加であったことを示しています。
普通走行は5年契約らしいですが、離脱影響が一段落するまでに必要とみられる6カ月から1年程度の倉庫スペースに対する需要が爆発的に伸びているようです。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
ブレクジット 保守党内で党首の信任投票を実施
メイ氏をこのまま保守党の党首として支え続けるかの信任投票が2018年12月12日に実施されるとの報道がありました。
信任投票の実施に伴い、メイ首相は自分に批判的な保守党メンバーとの内々の会合を持ち、2022年までに行われる次期総選挙に党首として臨まないと明言したとの事です。
このような譲歩は、EU離脱が実現する過程で、メイ氏が引き続き英国のかじ取りを担うことを目指すものといえます。
仮にこの投票で信任されたとしても、不支持が多すぎると今後の離脱協議にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
2018年12月11日
BREXIT EUは再交渉を改めて否定
イギリス国内における離脱案の議会採決延期を受けて、メイ首相はEU首脳との打開策を検討する予定ですが、ユンケル欧州委員長はこの状況を受けて、「再交渉の余地はない」と改めて表明しました。
2019年1月中と見込まれる採決に向けて、経済を混乱させかねない「合意なし離脱」を回避できるか再び混沌としてきています。
イギリス議会の反対派の多くが求めるのが、離脱協定案に盛り込まれたアイルランド問題の「安全策」の削除や修正です。
協定案では2019年3月末の離脱から20年末までの移行期間に「検問など物理的な国境管理を避ける」ための具体策を検討するとし、解決が難しいと判断すれば、移行期間を最大2年延ばすか、イギリス全土をEUの関税同盟に残すといった安全策を発動するかどうかを、イギリス・EUで決めるとしています。
反対派は安全策をいったん発動すればやめられなくなる公算が大きく、事実上のEU残留に等しいと批判を強めているのです。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
イタリア、「フランスの様にならない為に予算の裁量必要」
イタリアはEUに対し、2019年度予算案への要求が厳し過ぎれば社会の安定が脅かされ得ると警告し、フランスのデモのような事態も起こり得ると指摘しました。
ある意味脅しですね。
EUはイタリアの19年度予算案の財政赤字目標がGDP比2.4%である点について、財政規律ルールに反しているため制裁を科すと説明してきましたが、コンテ首相はイタリア予算案の一段の裁量を求める見込みです。
フランスのデモを使ってEUに脅しをかけて、事が通ってしまうと同じような事をする国が今後も出てくるような。。。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
トルコ 2018年7ー9月のGDPは1.6%成長に更に減速
2018年12月10日、7~9月期のGDPが前年同期に比べ実質で1.6%増えたとの発表がありました。
市場予想は2%程度だった為、それをも下回った形です。
成長率は4~6月期の5.3%から減速が鮮明になっていて、GDPの6割を占める個人消費の伸びは1.1%にとどまり、4~6月期の6.4%から大きく縮小しました。
米国人牧師の拘束を巡る同国との対立でこの夏に通貨リラが急落して物価が高騰した事で殆ど説明はいらないと思います。
2019年前半にかけて景気後退局面に入るとの観測も浮上してきており、トルコ経済は全く油断ならない状況に変わりありません。
インド 中央銀行総裁が辞任
2018年12月10日、中央銀行のウルジット・パテル総裁(55)が辞任を表明しました。任期は2019年9月まででした。
このブログでも何度も触れている通り、中銀は金融政策や信用危機が懸念されるノンバンクへの対応を巡りモディ政権との意見の相違が目立ち、互いに公の場で非難するなど対立が激化していました。
11月には一旦沈静化したかのように見えましたが、両者の対立はやはり無くならず、今回のが辞任につながったと思われます。
今回の辞任は多方面に混乱を招きそうです。
これで、パテル氏の前任だったラグラム・ラジャン氏に続き、モディ政権下では中銀総裁が2代続けて政権との関係を主因に、退任・辞任に至ることとなりました。
モディ政権にとって、この様な事態は来春の総選挙を控え打撃となりそうです。
2018年12月10日
ファーウェイ問題につてカナダの裁判所は判断持越し
2018年12がつ10日、カナダの裁判所は同国で逮捕されたファーウェイの孟晩舟CFOの保釈の可否を巡る審問を開きましたが、判断を示すことなく休廷しました。
カナダもNAFTAでアメリカに痛い目にあわされ、また中国からの報復も気を付けなければならないという事もあって、政治的に色々と策を練ったりしているのでしょうか。
イギリス国内の採決延期
メイ首相は11日に予定していた離脱協定と将来関係の政治宣言合意受け入れの是非を問う下院採決の延期を決定しました。
EUと交わした合意案は、野党勢はもとより、保守党内のEU懐疑派や親EU派の双方、そして閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)から、厳しい批判にさらされていて、採決をしても否決される可能性があまりに高いからです。
新たな採決日程は決まっていないようですが、EU側との折衝とクリスマス休暇が近いことから、年明け以降にずれ込む可能性が高いと思われます。
今回同様に5日の集中審議と修正動議の採決が予定され、採決は最短でも1月中旬となるでしょう。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
閣内からも修正案 ノルウェー型を目指す??
イギリス議会での離脱案了承が厳しくなっているのを受けて、メイ内閣の閣僚から否決後の修正案が公然と語られ始めています。
例えば、メイ首相に近いラッド雇用・年金相は、議会で否決された場合の修正案として「EUとノルウェー・プラス型の協定を結ぶのが選択肢になる」と語りました。
ノルウェーは非EU加盟国ですが、EUと規制や制度などを合わせてEUの単一市場に参加しており、イギリスの場合は、EUとの関税同盟にも残るノルウェープラスα型を想定しているようです。
一方、離脱案の大敗で政権が傷を負うのを避けるために、11日に予定されていた採決を先送りすべきだとの声も出ています。
ただメイ首相は離脱案が最善との姿勢を崩しておらず、閣僚らの動きが局面を変える機運は生まれていません。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
アメリカ、90日間の期限は厳格
2018年12月9日、アメリカのライトハイザー氏は中国の構造改革を巡る米中協議で定めた90日間について「厳格な期限だ」と述べ、2019年2月末までに合意できなければ追加関税の税率を引き上げると強調しました。
また、ファーウェイの問題についても今回の協議に影響を与えないと明言しました。
ご参考↓
同氏はアメリカの技術を守ると確約する合意でなければならないと語り、知的財産侵害や技術移転の強要、サイバー攻撃といった米中間に横たわる構造問題の解決が妥結の条件になるとコメントしました。
2018年12月9日
減産合意でサウジとアメリカの関係に亀裂?ロシア台頭
OPECプラスで合意した日量120万バレルの減産においてサウジアラビアは、トランプ大統領の不興を買う覚悟でロシアと原油政策で協調することを優先しました。
これが今後アメリカとの関係でどうなるか注目です。
直近はトランプ大統領はサウジを気遣う言動を取っていました。
しかし、依然として記者殺害事件で揺れるアメリカとサウジの同盟関係にあって、今回の決定はアメリカとサウジ間の亀裂を広げる可能性があります。
また今回の決定にあたってロシアの台頭も気になる所です。
アメリカと中東との関係が弱まり、ロシアが逆に台頭するとなると、政治はもちろんのことマーケットの秩序もある意味脅かされてくる可能性があります。
2018年12月8日
米中貿易戦争 アメリカ、中国政府系ハッカーを訴追
アメリカは同国の情報技術ネットワークに侵入するためITサービス企業に高度なサイバー攻撃を仕掛けたとして、中国政府系ハッカーに対する刑事訴追を検討しているとの報道がありました。
早ければ2018年12月10日にも詳細を公表するとの事です。
アメリカの当局者は、この数年にわたるハッキング活動について、知的財産を盗み中国政府の諜報活動を支援する狙いで中国が仕組んだ、かつてない規模の有害なサイバー攻撃だとしています。
この問題はファーウェイのCFO逮捕と並んで、米中貿易戦争妥結を遅らせる一つの要因となる可能性があります。
2018年12月7日 米株、週間で3月以来の大きな下げ
アメリカ株式市場は大幅安となりました。
大手ハイテク株が売られ、主要株価指数は2%を超す下げとなりました。
背景は米中貿易摩擦や米金利に対する懸念。
この週では2018年3月以来の大幅な下げとなっています。
英離脱問題(ブレクジット) EU離脱時期を延期する案が浮上
離脱する時期をめぐってEU側から2019年3月末の離脱時期を数カ月遅らせる案が浮上しているようです。
イギリスの議会では英・EUで合意した離脱案への反発が強く、議会承認の見通しが立っていない事を受けての措置です。
離脱時期の延期により善後策を練る時間を稼ぎ、経済に混乱を及ぼす無秩序離脱を避ける事が目的です。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
アメリカ雇用統計(2018年11月)
アメリカの2018年11月の雇用統計は、平均時給が前年同月比3.1%伸び、高水準を保ちました。
景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数も前月比15万5千人増加していて雇用環境は底堅く、FRBは12月中の利上げを検討するものと思われます。
ただ、ここ最近は貿易摩擦などの影響もあって景気に過熱感があるとかそういった感じでもないし、FRBも利上げについて少しずつ消極的な発言をするようになってきているので、どうなるか分かりません。
OPEC加盟国・非加盟国日量120万バレルの減産で合意
OPEC加盟国とロシアを中心とした非加盟国は2018年12月7日にウィーンで会合を開き、合わせて日量120万バレルの減産を実施することで合意しました。
アメリカの原油安を求める声を振り切り減産を決定し、更に減産幅が市場予想を上回ったことで、原油価格は約5%もの上昇を見せました。
OPEC加盟国が日量80万バレル、非加盟国が日量40万バレルの減産を行います。
2018年10月の水準を基準として、2019年1月から6月まで適用されますが、2019年4月に会合を開き見直しを行う予定です。
2018年12月7日
英国EU離脱 12月11日の英議会採決を延期か??
メイ首相は、2018年12月11日に迫る下院の承認採決を延期すべく検討に入っているようです。
採決で大敗を喫して、同国が深刻な政治危機に直面するリスクを回避するのが狙いだと思われます。
大敗が予想される状況で、メイ首相は自分に近い与党・保守党議員からも採決延期を強く求められているようです。
否決された場合、無秩序な離脱に追い込まれる恐れが生じるばかりでなく、首相追い落としの動きが再燃し、場合によっては総選挙の引き金になることもあり得ます。
今の段階にあって政治的な混乱は全く得策ではありませんので、11日の採決もある程度合理的な選択肢になっていると思われます。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
アメリカの石油輸出が輸入を始めて上回る
アメリカの石油輸出が週間で初めて輸入を上回ったことがアメリカエネルギー情報局の統計で分かりました。これは統計を取り始めた1973年以降で初めての事です。
それによると、2018年11月30日までの週でこの事象が起きたとの事です。
アメリカは40年間に及ぶ原油輸出禁止などにより長らく石油輸入大国でしたが、オバマ政権時代の2015年から原油輸出を解禁していました。
OPEC、減産を暫定合意
2018年12月6日、OPECは総会を開いて、2019年1月以降の協調減産について議論し、減産する事で暫定合意しました。
価格下落が続く原油は世界景気の減速懸念で需要が減り、今後も供給過剰が続くとの観測が出ています。
協調減産で原油安に歯止めをかける狙いがあり、非加盟国のロシアなども含め日量100万バレル超の減産を軸に合意を目指すようです。
どの程度減産するかですが、非加盟国のロシアの決定をまって決めるという事です。
英国EU離脱 JPモルガンはEUに残留する確率を40%に引き上げ
JPモルガンのエコノミストは、イギリスがEUに残留する確率が40%に高まったとの見方を示しました。
欧州司法裁判所の法務官が、イギリスにはEU離脱の決定を一方的に撤回できる権利があるとの判断を示したためです。
JPモルガンのアナリストは、「イギリスには現在、(離脱決定を)一方的に取り下げ、時間をかけて次の行動を決定するという選択肢があるようだ」と指摘し、その時間を新たな国民投票を行うために使われる可能性もあるとしました。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
米中貿易戦争 中国は90日の猶予期間内に妥結する事に自信??
2018年12月6日、中国商務省は米中貿易交渉について、米国が関税引き上げの猶予期間としている90日以内に貿易問題で合意することに自信を持っているとコメントしました。
また、今回の貿易協議の最終的な目標は関税の撤廃との認識を示し、その上でアルゼンチンにおける米中首脳会議は成功であったとしました。
このコメントはファーウェイのCFOが逮捕されたとのニュースの後に出ていますが、それでも一定程度の自信と見通しがついているという事でしょうか??
米中貿易戦争 ファーウェイCFOの逮捕で協議は前途多難?
ファーウェイのCFOが逮捕され、米中の90日間協議に暗雲が漂ってきています。
どの様な経緯になるか要注視です。
これらについては↓の記事にて経緯を記述していますのでご参考ください!
イラン、強気の2019年度予算
イランは2019年3月から始まる来年度の予算案をまとめ、その中で日量150万バレルの輸出を想定している事が分かりました。
アメリカがイラン産原油の輸入を禁じる制裁を打ち出していますが、予算案はその制裁をかいくぐり、アジアや欧州向けなどで一定量の原油の販売を続けることに自信を深めているようです。
イランは2017年に日量200万バレル以上の原油輸出量がありました。
今回の予算案では原油価格を1バレル54ドルと想定しているようえす。イラン産原油は、北海ブレントより1バレル3~4ドル割安で取引されていて、それを考慮すると想定価格は現在の相場にほぼ一致する水準です。
新しい記事を投稿
統計データや各種数値をまとめた記事を新たに投稿しました。
投資をする際の参考指標のまとめとして是非ご活用下さい。
2018年12月 中国ハイテク企業の排除、世界規模で
2018年12月初頭に起こったファーウェイの最高幹部逮捕は、アメリカによる中国ハイテク企業への強硬姿勢を裏付けたものです。
安全保障上のリスクが高いという理由で、アメリカ政府は2020年8月からファーウェイなど中国ハイテク企業の製品を使用しているだけで米政府との取引禁止の方針を打ち出します。
市場からの排除の動きが進めば企業のサプライチェーンにも影響を及ぼす可能性がありますし、習近平肝いりの中国製造2025も様々な所で方針変更を余儀なくされる可能性があります。
米中貿易戦争とハイテク排除はアメリカ側の一つの方針によって推進されているようです。
アメリカ側の強硬姿勢を支えるNDAA2019
アメリカの強硬姿勢を支えているのは2018年8月に可決された「2019年度米国防権限法(NDAA2019)」です。
安全保障上の理由から5社などへの締め付けを大幅に強化する条項を盛り込み、8月13日にトランプ大統領が署名し成立しました。
5社というのは、中国のハイテク産業を代表する企業であるファーウェイ、ZTE、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ)です。
アメリカ側としてはこうした動きを以下に世界全体に広めていくか考えている所でしょう。
2018年12月6日
インド、政策金利を6.5%で据え置き
インド準備銀行は、2018年12月5日に政策決定会合を開き、政策金利を6.5%で据え置くことを決めました。
据え置きは2会合連続です。
8~10月の物価上昇が落ち着いているうえ、足元では原油高や通貨安も一服し、インフレ懸念が後退した事で据え置き判断をしたようです。もちろん市場予想通りです。
因みに、前回10月の会合で政策姿勢を「中立」から「引き締め」に変更していたので、今回は「据え置きか利上げしかない」と総裁は言っていました。
中国製造2025 ファーウェイのCFO、逮捕される
カナダでファーウェイのCFOが逮捕されました。
対イラン制裁違反疑惑を巡るアメリカの要請に基づく措置のようです。
逮捕されたのは孟晩舟・最高財務責任者で、12月1日にバンクーバーで身柄を確保されたようです。
今後米中協議の中で交渉材料となる、または外交問題になるかもしれません。
今カナダが中国と勧めようとしているFTA交渉も影響を受ける可能性があります。
原油関連 2018年11月のアメリカシェールオイル生産は最高水準
アメリカの原油生産が過去最高水準となっています。
2018年11月の生産量は10月から7%増加しました。
現在原油価格は下落基調にあるわけですが、シェールオイルの生産性が向上し、利益を確保しやすくなっているようです。
OPECの総会が12月6日にありますが、アメリカの増産は相場下落を防ぎたい産油国への更なる減産圧力となるでしょう。
シェール企業からは『WTIが50ドル以上なら生産拡大を続ける』という声が多くなっているという事で、今の原油価格の水準が続くと更なる増産につながるかもしれません。
2018年12月5日
イギリス欧州離脱 離脱案承認引き続き難しい状況か
2018年12月4日、イギリス議会は、メイ政権がEU離脱に関する法的助言全容の公表を拒否したことが議会侮辱に当たると認定する動議を賛成多数で可決しました。
加えて、議会がメイ氏の離脱協定案を否決した場合、政府が離脱プロセスで、議会により多くの権限を付与するよう強いられる可能性も出てきました。
与党・保守党議員が示した修正動議も採決にかけられ、321票対299票で政権側が敗北しました。
直接的に離脱案の承認云々とは関係ありませんが、メイ首相と議会の間でかなり温度差があるのは確からしくなっています。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
先進国その他の状況 2018年12月4日の日経平均大幅下落
2018年12月4日の日経平均は大幅反落し、下げ幅が500円を超えました。
前日まで7連騰となっていたので、短期的な過熱感が意識される中、利益確定売りが先行しました。
そういった中でもとりわけ、今回の下落の要因を挙げるとすれば、ソフトバンク上場を前に、資金調達に向け保有株を売却する需給懸念があること、米中貿易戦争の交渉担当が、強硬派のライトハイザー氏になったこと、等があるでしょう。
アメリカ、11年ぶりの長短金利逆転 景気後退か??
アメリカの債券市場で期間の長い金利が短い金利を下回る「長短逆転(逆イールド)」が起き始めています。
2018年12月3日には5年物国債の利回りが2年債を11年半ぶりに下回りました。
米景気の先行きにも警戒感が芽生えていて、利上げの打ち止め観測も強まる中、注目の10年債と2年債の差も急縮小しています。
長短逆転は景気後退の予兆とされており、アメリカの金利の動向に関心が集まっています。
過去、逆転が定着したあと、少したってから景気後退が発生してきました。
10年と2年の金利差が前回逆転したのは2005~07年のあたりで、その後住宅バブルが崩壊して金融危機が起き、景気は07年12月にピークをつけました。
IT(情報技術)バブルが崩壊し景気が後退した01年の前年にも長短の逆転が起きています。
その例だけ見ると、とんでもないクラッシュが起きそうな感じですが、いずれにせよ要注目材料です。
先進国その他の動向 NY株が大幅安
2018年12月4日のアメリカダウ平均が急落し、前日比799ドル36セント(3.1%)安の2万5027ドル07セントで取引を終えました。
取引時間中には約1カ月ぶりに下げ幅が800ドルを超え、10月上旬につけた年初来高値からの下落率は約7%に達しました。
背景ですが、長期金利の動向から景気減速の懸念が強まったことに加え、米中貿易戦争の先行きに対する懸念もあるでしょう。特に強硬派のライトハイザー氏が交渉担当者に就いた事がネガティブに働いたようです。
2018年12月4日
BREXIT 離脱案が議会で否決なら内閣不信任案提出か
メイ英首相がEUと結んだ離脱合意案を議会が否決した場合、首相は内閣不信任案を突きつけられる可能性があります。
労働党によって不信任案が提出され、可決されてしまった場合、英国は再び総選挙を行う事になります。ただ、不信任案が可決されるには、保守党や協力政党の一部議員が同案への支持に回る必要があります。
12月11日に予定されている合意案の採決の見通しは引き続き厳しそうです。まず野党は全て否決を表明。さらに、保守党を閣外協力で支えている北アイルランドの民主統一党の他、与党である保守党内でも約100人程度が合意案に反対している状況です。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
イタリア、財政問題で強硬姿勢を改める用意あり??
サルビーニ、ディマイオ両副首相が、財政赤字目標に関する強硬姿勢を緩和させるかもしれません。
元々、両副首相は2019年の赤字目標について、当初案の2.4%に固執する姿勢を示していましたが、コンテ首相が両者を、GDPの1.9-2%という赤字目標で説得しつつあるとの事です。
同時に、投資マージンをより大きく見積もる交渉が進められているようです。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
米中貿易戦争 中国製造2025は今後の議題とならず
G20時に行われた米中協議は、追加関税の発動を90日間保留するという形でひとまず終わりましたが、今後米中で協議していく議題の中に、トランプ政権が強く求めていた中国製造2025の見直しが入っていない事が分かりました。
アメリカの対中強硬派には撤回を求める声が根強くあり、今後の協議で火種となる可能性もあります。
ここは中国政府のメンツの問題でしょう。仮にアメリカが中国製造2025をやめさせたとしても、中国は秘密裏に中国製造2025と同じことが出来るでしょうし。
2018年12月 ロペスオブラドール氏が新大統領に就任
2018年12月1日、新興左派政党、国民再生運動のロペスオブラドール氏が新大統領に就任しました。
汚職や治安悪化が続くなかで変革を求める国民の期待は強い半面、建設中の新空港工事の中止を表明するなど大衆迎合的な政治手法を巡り経済界との対立も深刻です。
2018年7月の大統領選では過去最多票を得て圧勝し、2018年11月26日付の世論調査でも支持率は66%に達しています。
一方で株価やメキシコペソは微妙な動き。当選直後は上げたものの、徐々に彼のやり方や進め方が極めて大衆迎合的で、経済界の要望を無視する事も多いので下落をしています。
例えば選挙中から主張していた首都郊外での新空港建設中止に関して、経済界と事前協議する約束をほごにして、法的根拠がない「国民への意見調査」を実施し、中止意見が多数を占めると、即座に建設撤回を発表してしまいました。
ロペスオブラドール氏が国民への意見調査を盾にして、契約済みの案件ですら簡単に覆す可能性が出てきたという懸念が広がり、マーケットは大混乱です。
同氏は6年間の任期中、毎年4%の成長を約束すると意気込んでいますが、民間金融機関の19年の成長見通しは2%台です。
まだ、彼に対する最終評価をするには早すぎるのですが、マーケットがしっかりと彼を信頼できるような政策をするかどうか、かなり不透明です。
今からメキシコに投資を開始するのはやめておいて、少し待った方が良いかもしれません。
米中貿易戦争 米中交渉担当は対中強硬派のライトハイザー氏に
トランプ大統領は、今後行われる米中通商協議について、対中強硬派のロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を責任者に指名したようです。
これまでは、金融市場寄りのスティーブン・ムニューシン米財務長官が務めており、中国との合意形成にも前向きでしたが、変更となりました。
中国側にとっても今回の決定は想定外だったようです。
この担当者変更で交渉の在り方がどの様に変わるか注目です。
BREXITで金融は少しずつロンドン離れへ
金融機関のイギリス離れが本格化しつつあります。
2018年12月3日、バンカメは欧州事業の拠点を英ロンドンからアイルランドの首都ダブリンへと移す手続きを1日付で終えたと発表しました。
2019年3月末のブレグジットが迫るなか、不測の事態に備える金融機関の動きが本格化してきています。
アイルランド中央銀行はイギリスのEU離脱に絡み、金融機関や資産運用会社などから100件を超す事業免許の申請を受け付けました。
イギリスの大手銀バークレイズもEU事業拠点をダブリンに置く見通しです。
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)
中国製造2025 特許出願件数、中国が7年連続首位
2018年12月3日に、世界知的所有権機関(WIPO)が2017年の特許出願件数が過去最高の317万件になったと発表しましたが、出願の受け付け国では中国が138万件と全体の約4割を占め、7年連続で首位になりました。知財の質もあるでしょうから一概に中国が凄いというわけではありませんが、それでもやはり、一定程度知財の世界では中国がけん引する形でアジアの勢いが増している事が改めて示されたわけです。
特に最近は人工知能(AI)や自動運転など新技術の開発競争が激しくなり、各国の研究者や企業が出願を急いでいる為、件数も増加しています。
中国での出願は電子機器やコンピューター技術、デジタル情報通信の分野が目立ち、ファーウェイやZTEをはじめとしたハイテク企業が大幅に出願を増やしています。
因みに、特許出願件数が2位となったのはアメリカで61万件、3位は日本(32万件)、4位は韓国(20万件)でした。
米中貿易戦争 アメリカ車に対する関税を引き下げか??
米国家経済会議NECのックドロー委員長は、現在40%となっている米国産車に対する関税が即時に引き下げられる可能性があると述べました。
引き下げられる水準ですが、ゼロまで引き下げられると想定していると述べていて、農業製品に対する報復関税の撤廃が含まれる可能性があるとも加えました。
カタールがOPECから脱退
2018年12月3日、カタールがOPECからの脱退を宣言しました。
アラブ産油国の脱退は初めてで、シェアの低下に直面するOPECの求心力は一段と弱まりそうです。
カタールの原油産出量は少ないですが、一方でLNGの輸出量は世界最大です。
カタールがOPECの一員であることは、エネルギー市場におけるOPECの存在を大きいものとしてきましたので、カタールの脱退はOPECにとって大きな打撃となると思われます。
カタールはOPEC脱退にあわせ、LNGの輸出量を現在の年7700万トンから年1億1000万トンに数年で引き上げる計画を発表し、独自のガス戦略に一段と傾斜する立場を鮮明にしました。
今回の脱退は、サウジとカタールの断行があると言われています。断行は、カタールがイスラム原理主義勢力「ムスリム同胞団」を支援したことや、イランと親密な関係を維持していることが理由でした。
そのイランともサウジは関係は良いとは言えません。OPECの影響力はどんどん弱まるばかりです。
それに加えて風力などの自然エネルギーの台頭、シェールオイルなどの攻勢もあります。
資源への投資を行う際はそうしたマクロな環境にも目を配る必要があるでしょう。
トルコ、11月のインフレ率は改善
2018年12月3日に発表された11月のCPIは、前年同月比+21.6%で前月の25.2%から大きく低下したようです。
インフレの改善は3月以来8カ月ぶりとなりました。
政府の減税措置や値下げキャンペーン、原油相場の下落が効いたもようです。
トルコ中央銀行は10月末に従来の予測を大幅に上方修正し、2018年末のCPI伸び率を23.5%としていましたが、このままいけばこの水準を下回って着地する可能性もあります。
トルコの高すぎるインフレ率は、国際社会からの厳しい視線と同じですから、これが緩和するのはとりあえず良い事でしょう。
2018年12月3日
米中貿易戦争 追加関税90日間の猶予で合意
2018年12月1日、米中両国はアメリカが年明けに予定していた中国への追加関税を猶予することで合意しました。
米中は知的財産保護など中国の構造改革を巡り協議を続けるますが、アメリカ側は90日以内と期限を区切り、合意できなければ関税を引き上げる方針です。
アメリカは既に2500億ドル分の中国製品に制裁関税を課していますが、このうち2000億ドル分について2019年1月以降、関税率を10%から25%に引き上げる予定でした。
ただ、今後の議題や交渉期限などを巡り両国の発表内容には食い違いもみられるようです。
トランプ大統領、NAFTA離脱通知で議会に圧力
2018年12月1日、トランプ大統領は現行のNAFTAからの離脱を米議会に近く通知すると表明しました。
通知後6カ月で正式に離脱する決まりで、トランプ氏は期限を区切り、米議会に新協定の早期批准を迫る狙いがあるようです。
トランプ氏は議会の与野党が新協定で合意できなければ「新協定か、NAFTAが発効した1994年より前の貿易ルールに戻るか、選択を迫られる」と話しました。
既に新しいNAFTAにアメリカは署名していますが、これについての賛否をアメリカ議会が今後決める事になっています。
資源・原油関連 OPEC総会、減産協議難航??
2018年12月6〜7日に開催されるOPEC内外の主要産油国の会合で、イランなどがサウジアラビアに減産の負担を最大限負うよう迫る見通しとの報道がありました。
調整が難航すると、原油価格の下落を阻止する事が難しくなる可能性があります。
OPEC関係者の間では、アメリカからの要求を呑んで市場に大量の原油を供給したのはサウジなのだから、減産によるマイナスの影響を背負うのもサウジであるべきだとの声が上がっているようです。
米中貿易戦争で供給網に変化
米中の貿易戦争が始まってから、少しずつですがグローバルなサプライチェーンに変化が起こり始めています。しかも、その新しい製造拠点の「争奪戦」が激しさを増しているようです。
中国に対するアメリカの関税の対象範囲が拡大し、関税率もさらに高くなる可能性や、近隣の新興国が「先着順」でしか新規ビジネスを受け入れられないのではないかとの恐れがある為と考えられます。
新たな拠点には、他のアジア諸国、とりわけベトナムとタイが望ましいとされますが、行政手続きや熟練労働者の不足、限定的なインフラなど受け入れ能力に制約があり、一筋縄ではいきません。
米中貿易戦争が世界のサプライチェーンをどの程度、どの様に変化させるかしっかりと見守る必要があります。
イタリア、マイナス成長 政権の成長計画はどうなるか??
2018年11月30日に発表された2018年7-9月期GDP改定値は前期比でマイナスとなりました。
現政権が描く成長計画が順調には進まない可能性が示された形です。
内需と投資の減速がその主因です。
現政権のサルビーニ副首相は、前政権に責任があるとして、「2019年には雇用増や減税に基づく予算案で成長軌道に戻る」と強気の見通しを示しましたが、内心は焦っているでしょう。
EUとの交渉含め世界経済に与える影響には要注視です。
イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)
ブラジル、2018年7-9月のGDPは1.3% ストライキの影響は一巡
2018年11月30日に発表されたブラジルの7~9月期のGDPは前年同期比で1.3%増え、伸び率は4~6月期から0.4ポイント高まりました。
しかし、低い数値です。
5月に発生したトラック運転手によるストライキの影響が一巡したものの、依然として景気回復のペースが鈍いというのがよく分かります。経済的なポテンシャルがあるのが分かっているがゆえに、とても悔しい所です。
ただ、2018年11月29日には主要株価指数のボベスパが過去最高値を更新するなど、新しい政権への期待も膨らんでいるようです。
ボルソナロ政権がその期待に応えてくれることをとにかく祈ります。
ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ
インド、2018年7-9月期は7.1%成長
2018年11月30日に公表された2018年7~9月期のGDP成長率は前年同期比で7.1%でした。
公共投資が大幅に伸びたとみられていて、個人消費も堅調でした。通貨安や原油高で消費者の負担が増え、一部の耐久消費財では販売が伸び悩んだようですが、全体では4~6月期の消費額を上回っています。
成長率は直前の4~6月期(8.2%)よりは低い伸びとなりましたが4四半期連続で7%を超えています。
2018年12月1日
NAFTA関連 カナダ、メキシコは中国とのFTA締結を検討
カナダとメキシコが中国とのFTAの検討を始めています。
対米貿易への依存から抜け出すため巨大な中国市場を狙うようです。
中国と対立するアメリカは、新NAFTAに中国とのFTA締結をけん制する条項を加えていますがどうなるのでしょうか。
カナダのトルドー首相は2018年11月中旬、シンガポールで中国の李克強と会談し、停滞していたFTA協議の再開で一致しました。
トルドー首相はNAFTA再交渉を通じて、米国リスクを改めて認識、中国との貿易拡大に意欲を示したようです。
メキシコも対中FTAに前向きです。ロペスオブラドール政権のセアデNAFTA交渉官は月、4年の任期中に交渉を始めたい意向を表明しています。
チリなどほかの中南米諸国が中国とのFTAで恩恵を受けていて、メキシコにも利益になると期待しているのです。
アメリカはメキシコやカナダに強い態度で接した分、こういった所でしっぺ返しを食らってしまう可能性があります。
2018年12月 ロペスオブラドール氏が新大統領に就任
2018年12月1日、新興左派政党、国民再生運動のロペスオブラドール氏が新大統領に就任しました。
汚職や治安悪化が続くなかで変革を求める国民の期待は強い半面、建設中の新空港工事の中止を表明するなど大衆迎合的な政治手法を巡り経済界との対立も深刻です。
2018年7月の大統領選では過去最多票を得て圧勝し、2018年11月26日付の世論調査でも支持率は66%に達しています。
一方で株価やメキシコペソは微妙な動き。当選直後は上げたものの、徐々に彼のやり方や進め方が極めて大衆迎合的で、経済界の要望を無視する事も多いので下落をしています。
例えば選挙中から主張していた首都郊外での新空港建設中止に関して、経済界と事前協議する約束をほごにして、法的根拠がない「国民への意見調査」を実施し、中止意見が多数を占めると、即座に建設撤回を発表してしまいました。
ロペスオブラドール氏が国民への意見調査を盾にして、契約済みの案件ですら簡単に覆す可能性が出てきたという懸念が広がり、マーケットは大混乱です。
同氏は6年間の任期中、毎年4%の成長を約束すると意気込んでいますが、民間金融機関の19年の成長見通しは2%台です。
まだ、彼に対する最終評価をするには早すぎるのですが、マーケットがしっかりと彼を信頼できるような政策をするかどうか、かなり不透明です。
今からメキシコに投資を開始するのはやめておいて、少し待った方が良いかもしれません。
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