2019年2月の動き

2019年2月8日

イタリアの財政危機 欧州委員会はイタリアの成長予想を1.2%から0.2%へ引き下げ

2019年2月7日、欧州委はイタリアの19年の成長見通しを従来の1.2%から0.2%へ引き下げました。

これはイタリアの中央銀行よりも厳しい見通しです。

ただ同国の主要経済団体である伊産業総連盟も19年の成長率は「ゼロをわずかに上回る水準」と悲観的になっていて、ますます政府が掲げている目標が無謀な感じになってきました。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

先進国・その他 ユーロ圏の成長率、大幅下方修正

ユーロ圏の景気減速が鮮明になってきています。

EUの欧州委員会は、2019年のGDP成長率の見通しを前回(18年11月)から0.6ポイント低い1.3%へ大幅に下方修正しました。

要因は、けん引役のドイツの伸び悩み、イタリアの景気後退入り、です。

BREXITのマイナス影響を加味していない

もちろんBREXITもあるでしょう。ただ、今回の経済見通しはその影響は加味せず、英国との貿易関係などは現状維持を想定して算出されたという事です。

もちろんここに合意なき離脱が起こればもっと大きなマイナス影響が出るでしょう。

先進国・その他の状況2019

米中貿易摩擦 交渉期限の3月1日まで、米中首脳会談はなし??

2019年2月7日、トランプ大統領は、中国との通商協議の期限である3月1日までに習近平国家主席と会談する計画がないことに言及しました。

トランプ大統領は、知的財産権の問題を残したまま会談すれば、早期の合意に対する根拠のない期待が高まる恐れがあることに懸念を示したという事です。

米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019

メキシコ 政策金利据え置き

中央銀行は2019年2月7日の金融政策決定会合で政策金利を8.25%のまま据え置くことを決めました。

据え置きは3会合ぶりです。

物価上昇率は中銀の目標を上回っていますが、上昇ペースは鈍っている事と、アメリカの利上げが遠のいていること、通貨ペソも2018年12月の新政権発足後に回復基調であること、などを考慮した形です。

メキシコに投資すべきか? メキシコペソ・メキシコ株の投資ブログ

インド インド準備銀行、0.25%の利下げ

2019年2月7日、中央銀行は政策金利を年6.25%へ0.25%引き下げると決定し、即日実施しました。

利下げは1年半ぶりで、当面の金融政策姿勢も「引き締め」から「中立」に変更し、将来の利下げにも含みを残しました。

物価上昇率が2%台に落ち着くなどインフレ懸念が後退している事と景気停滞観測が強まるなか、成長のけん引役である個人消費を刺激する狙いがあると思われます。

加えて、モディ首相の要求も反映したものと思われます。

2019年4~5月に総選挙を控えるモディ政権は景気刺激のため中銀に金融緩和を求めてきました。

ダス総裁は、パテル前総裁の突然の辞任を受けて2018年12月に就任した人で、モディ首相と近い人です。

今回は新総裁の下で開く初めての金融政策委員会でしたが、メンバー6人のうち、ダス総裁を含む4人が利下げを、残る2人が据え置きの意見を表明しました。

短期的な下げがあってもインド・インド株への投資!


2019年2月7日

イタリアの国債、30年債が再び記録的需要

イタリアは2019年で2度目となるイタリア国債の売り出しで80億ユーロ(約9988億円)を発行しました。

3週間前の国債発行でも過去最高の注文が集まり、投資意欲に衰えはほとんど見られないようです。

今回は410億ユーロを超える注文が殺到しました。

これは3週間前の国債発行の時を上回る需要です。

条件は、2049年9月償還で、スプレッドは18bpsを上回る水準で当初の目標から最大4bps縮小しました。

イタリアの財政問題に関する経緯とまとめ(2018年11月~)

BREXIT 拘束力ある修正をEUに求める

2019年2月7日、メイ首相はユンケル欧州委員長と会談し、EU離脱問題の打開策を協議する予定です。

この中でアイルランドの国境問題への対応策につき、協定そのものの書き換えを含めた「法的拘束力のある変更」を求める方針です。

北アイルランド国境問題と安全策

しかし、英・EUは過去の紛争の再発を避けるために、離脱後も北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間に、物理的な国境を置かない方針で合意済みでした。これを覆すのはかなりハードルの高いこと。

合意済み離脱協定にはその具体策が見つかるまで、英国全土を関税同盟に残すなどの「安全策」が盛り込まれていましたが、イギリス議会は1月29日に協定の修正を求める動議を賛成多数で可決したのです。

メイ首相はユンケル委員長に「イギリスがずっと安全策に陥るわけではないという保証が欠かせない」と主張する見通しです。

北アイルランド問題についてのメイ首相の提案

以下の具体策が考えられます。

  • 安全策の発動に期限を設ける
  • イギリスが一方的に安全策を打ち切れるようにする

等ですが、いずれも過去EUに拒否されています。

EUは2018年12月の首脳会議で「安全策は一時的である」という首脳文書をまとめていますが、これに条約や協定のような法的拘束力はありません。どこまでこれにイギリスの要望通りに近づけられるかです。

BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2018年11月~)

ブラジル 政策金利6.5%で据え置き

2019年2月6日、ブラジル中央銀行は政策金利の基準金利を過去最低の年6.50%で据え置くと発表しました。

これで据え置きは7会合連続で、大方の市場予想通りです。

同国景気が緩やかに回復するなか、物価指標は適正な水準にあると評価し、政策の現状維持を決めたようです。

ボルソナロ新政権が着手する経済の構造改革で景気回復が進み、年内の利上げを見込む声も出ていますが、中央銀行の声明では、世界景気の減速が国内景気に悪影響を与えるリスクがあると指摘し、慎重なスタンスを見せました。

ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

金投資 金銀格差がリーマンショック並みに

金と銀の価格差がリーマン・ショック並みの高水準にあります。

産業用の需要比率が高い銀の上値が重い一方で、金は逃避マネーの流入が活発になり上昇中です。

近年はドル高などで上値が重くなった金でしたが、銀と比べると世界経済の不安を反映して、価格がどんどん上がってきています。

金銀格差が83倍 リーマンショック並みに

金と銀の関係を示す指標には、金の価格を銀で割った「金銀比価」が使われます。

2019年2月上旬において、金の国際価格は1トロイオンス1310ドル前後と銀(同15.7ドル前後)の83倍になっています。

中国の景気減速懸念を背景に買われた2016年2月には80倍を記録しました。

その後いったん下がりましたが、2017年から再び上昇し現在に至ります。

因みに過去20年間の平均は60倍程度だったという事です。最近で一番高かったのはリーマンショックの時で84倍、90年代の湾岸戦争時は100倍だったという事です。

金の動き、金投資についてのまとめ

インドネシア 2018年通年のGDP成長率

2019年2月6日、2018年のGDP成長率が発表されました。

2017年に比べ5.17%の成長で、伸び率は14年10月に誕生したジョコ政権下で最高になりました。公務員賞与の増額など財政支出が個人消費を下支えした形です。

しかし、外国からの投資は落ち込んでいて、4月の大統領選挙では成長戦略が重要な争点となるでしょう。

2019年のインドネシアのGDP成長率目標

インドネシア政府は2019年のGDP伸び率の目標を5.3%程度に定めています。

2019年4月には公務員給与を5%増額して下支えを狙いますが、慢性的な財源不足なので、この様な放漫な財政支出がいつまで続けられるかは不透明です。

細る対インドネシア海外投資が不安の種

また、細っている海外からの直接投資額も心配です。

2018年の海外からの投資はジョコ政権発足後初めてマイナスに転じました。

大統領選挙を控えて外国企業が選挙結果を見極めたいという心理が働き、投資に急ブレーキがかかっているのですが、上記の様な放漫な支出でファンダメンタルズ悪化を招くと、政治が安定しても投資が控えられてしまう可能性があります。

インドネシアルピア 失敗しないためのポイント!


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