2019年2月の動き

2019年2月4日

アメリカ産シェール製品の行き場が中国以外へ

アメリカではシェールガスから基礎化学品のエチレンなどを造るプラントが相次ぎ稼働していますが、最大の輸出先である中国への輸出が細っています。

理由は米中貿易摩擦の影響からアメリカ製品に輸入関税25%をかけていること。

行き所を失ったシェール製品がアジアなど他地域に流入し、市況が急落しています。例えばアジアの輸出市場で2018年9月に1トン1400ドルの高値だったエチレン価格は、2018年12月には同900ドル台まで急落しています。

元々シェール企業の台頭を見込んで、日本企業はエチレンプラントの整理を進めてきました。それもあり比較的堅く収益を稼いできましたが、既述の様な状況は少し想定外でした。

この状況が続くと、好調だった日本の石化各社の業績も足を引っ張られそうです。

原油・資源関連ニュースのまとめ2019

中国 中国企業の赤字決算相次ぐ 数は過去10年で最大

2018年度の決算について、中国で通期の赤字見通しを示している上場企業の数は、過去10年で最大となっています。

景気鈍化で事業が停滞し、資産価値が減少したためです。

ある調査によると上海と深センに上場している企業のうち395社が、2018年通期純損益が赤字になる見通しを示していて、赤字額は合計で2890億〜3350億元(約4兆6800億〜5兆4300億円)に上る可能性があるようです。

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先進国・その他の状況 中国の減速、世界に影響

世界の景気や業績が中国の減速により、悪化しつつあるようです。

2018年10~12月期は中国が前年同期比で最終減益だったようですが、日本やアジアもマイナスだったようです。

欧米も7~9月に比べ増益率が鈍っていて、「世界の消費地」たる中国の景気減速が影響を拡大しつつあるようです。

先進国・その他の状況2019

統計・データ ヘッジファンドの2018年残高は、10年ぶりの減少

ヘッジファンド業界全体の運用成績が10年連続で市場平均を下回っている事もあってか、2018年にはついに運用資産残高も減少に転じたようです。

いわゆるヘッジファンドと呼ばれるものは、全世界で約350兆円を運用し約1万あると言われています。

投資戦略は様々ですが、多様な金融商品の「買い」と「空売り」を組み合わせて、どんな相場でも絶対収益の確保を狙う点では殆ど同じでしょう。

そんなヘッジファンドが直面したのが、日米欧の中銀がばらまいた1千兆円以上の緩和マネーです。

誰もが勝てる「適温相場」でオーソドックスなパッシブ運用が手数料も安く稼げるようになったのです。

パッシブファンドの膨張で個々の企業の割高・割安の判断が利きにくくなり、ヘッジファンドの強みが徐々に失われていく局面が増えたのです。

しかし、米エンロン事件では不正会計を暴き、金融危機時には無価値な証券化商品バブルをいち早く見抜いて利益を上げたのはヘッジファンドであり、時に金融市場のモニタリング役も果たしてきた彼らがいなくなると、緩和マネーは警告役不在の金融市場で水膨れし、とんでもない下落相場を招いてしまう恐れもあります。

各国の統計・データのまとめ(2019年)

原油関連 2019年1月は大幅な減産

2019年1月のOPECの産油量は2年ぶりの大幅な減少となりました。

サウジアラビアは約束していたよりも大幅な減産を実施したほか、同盟国であるアラブ首長国連邦とクウェートも大きな減産を行ったようです。

イランとリビアはOPECの減産合意から除外されていますが、こちらも結果的には減産となったようです。

資源関連ニュースのまとめ2019

ブラジルボルソナロ政権 年金改革に着手

ボルソナロ政権が支給開始年齢の引き上げを軸とする年金改革法案を議会に提出する準備に着手しました。

まずは、議会対策です。

上下両院はそれぞれ2019年2月2日までに議長選を実施し、いずれも中道勢力から選出され、ボルソナロ政権が支援したマイア下院議長は改革への支持を表明しています。

ブラジルにおける下院議長は大統領、副大統領に次ぐ国政のナンバー3と位置づけられています。

ボルソナロ氏は当初、自身が所属する右派の社会自由党(PSL)から選出しようと考えていたようですが、法案通過に必要な中道勢力の協力を得るため、政党間の調整を得意とするマイア氏の続投支持に転じたのです。

年金改革法案の中身

政権が準備する年金改革法案の柱は支給開始年齢の引き上げです。

近く改革案を公表し、法案をまとめる方針のようですが、ボルソナロ氏の支持基盤である軍関係者の扱いを巡り調整しているようです。

マーケットは改革の中身に期待して上昇基調

株も為替も改革に期待して上昇基調です。

しかし、まだ中身がついてきていない状態ですので、ボルソナロ政権にはしっかりと将来を見据えた改革案を出してほしいものです。

自身の支持基盤に甘い所を見せると、期待で上がってきた分、また凄い下落になってしまう可能性があります。

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