中国の一帯一路政策とインフラ建設支援についてのまとめと経緯

一帯一路関連の直接投資（2017年）が、201億ドルに

「一帯一路」における直接投資が、2017年に前年比32%増の201億ドルと過去最高になったようです。

パキスタンやラオスなど8カ国向けは前年比43%増の22億ドルに急増していて、投資残高も200億ドルに迫っています。

借金漬けにして小国を支配するとの批判が強まる可能性があります。

これまでの最高は2015年の189億ドルでしたが、2017年はそれを上回ったようです。

投資先は港湾、鉄道、道路などインフラ投資で、国別にみると、シンガポール（63億ドル）、カザフスタン（20億ドル）、マレーシア（17億ドル）、インドネシア（16億ドル）となっています。

ペンス米副大統領、一帯一路を非難

2018年10月4日、アメリカのペンス副大統領はワシントンで講演し、「一帯一路」を通じて影響力を広げる中国の手法を「債務漬け外交」だとして批判しました。

一帯一路の沿線国拡大は止まるところを知りません。アメリカもかなり焦っているのではないでしょうか。

2018年8月

2018年8月　マハティール氏、新たな植民義主義を拒否

マレーシアのマハティール大統領は、就任後初めて2018年8月に訪中しました。

この際はマレーシアによる「一帯一路」での協力を表明しつつ、「新たな植民地主義は望まない」と李克強首相の目の前でしっかりとクギを刺しました。

2018年8月　一帯一路が新興国のIMF離れを促す？？

トルコリラ急落を起点とした「トルコショック」が金融市場を襲っていますが、これが新興国不安の連鎖を生む事態に発展しつつあります。

しかし、グローバル経済の調整役は不在。内向き志向のアメリカは事態の収拾どころか危機をあおる側に回り、IMFの出番も見えてきません。

そんな中存在感を増すのが中国です。中国が一帯一路政策アAIIBなどで新興国の資金面の後ろ盾になればなるほど、新興国はそちらになびいていっている状況です。

しかし、そこには規律が緩み、過剰債務という不安の根が広がる矛盾もはらんでいます。

2018年7月

パキスタンはIMFではなく中国を選ぶ

対外債務が急増しているパキスタンはどんどん中国寄りになっています。

同国は元々IMF支援の常連国でしたが、2018年7月の総選挙で生まれたカーン新政権はIMFからの援助受け入れに消極的です。

パキスタン政府はIMFへの支援要請は、中国からのつなぎ融資など「より好ましい選択肢を模索した後」でのみ用いる「予備の選択肢」だとの考えを示しました。