2019年7月になって、保守党の次期党首決定が近づく中、いよいよ合意なき離脱があるのではないかという事でマーケット含め緊張感が高まる展開となっています。
そこで、ここではスポット記事として2019年7月現在における合意なき離脱の攻防を記します。
BREXIT全体のタイムライン記事は↓
BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年4月~12月)BREXIT(ブレグジット)の交渉経緯と影響のまとめ(2019年3月)保守党党首選挙の状況
2019年7月23日にジョンソン氏が保守党党首となり、イギリス首相に就任しました。
この記事はスポット記事として投稿しているので、当選前の内容もそのまま残します。
2019年7月に新しい保守党党首が決定し、そのままイギリスの首相に就任する予定です。
既に候補者はジョンソン氏とハント氏の二名に絞られていて、7月23日に次期党首が決定します。
今の所ほぼジョンソン氏が当選すると見て間違いないと思われています。
そのジョンソン氏はかねてより10月31日が来れば合意なき離脱も辞さない形で必ずBREXITを実現すると言っています。
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ジョンソン氏、ハント氏どちらが次期首相になっても「合意なき離脱」となる可能性は高いです。ただ、より強硬なのはジョンソン氏であるとよく言われているようです。
保守党党首選挙の詳細は以下の記事にてフォローしています。
【2019年5-7月】BREXIT関連、イギリス保守党選挙ジョンソン氏の「合意なき離脱」の方法
ジョンソン氏は、あくまでEUと離脱協定で合意することを望んでいますが、必要なら合意なき離脱も辞さない考えを示しています。
ただ、合意なき離脱は議会によって阻止される可能性があるため、ジョンソン氏は議会の停会をするまたは、議会が休会している時に合意なきBREXITを実行させるのではないかと言われています。
ジョンソン氏は議会の休会時期を巧みに利用することを計画しているとの報道に対し、コメントを避けています。
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11月初旬に議会の開会を宣言する「女王演説」が行われる予定ですが、議会は女王演説前に1-2週間の休会をするため、離脱期限の10月31日前後は休会になります。ジョンソン氏はこれを利用しようと考えていると報道されています。
ジョンソン氏自身は議会の休会というアイデアに魅力を感じていないとしながらも、その可能性について否定はしていません。
総選挙を見据えて強硬対応を演出か??
ジョンソン氏は近い将来に総選挙が行われる可能性をもちろん認識しており、保守党の支持回復に向け、強硬な離脱主張を繰り返すことが予想されます。
こう考えると、EUとの協議は平行線のまま、秋の離脱期限を迎える可能性が相応にありそうです。
イギリス議会の対応
イギリス議会は、休会を使った合意なき離脱をなんとか阻止しようと動いています。
2019年7月18日、英下院は「合意なき離脱」を阻止することを目指した修正案を可決しました。
「北アイルランド法案」の修正案で、英領北アイルランドの自治回復に向けた進展状況について議会が特定の日に報告を受けることを定めています。
この「特定の日」を休会中に定めれば、休会中でも議会が開かれることになります。
一部閣僚の辞任観測も
ある報道によれば、一部の閣僚が合意なき離脱を阻止するために辞任する可能性があるとも言われています。
ジョンソン氏の保守党も、合意なき離脱を阻止したいと考えている議員がたくさんおり、議会のみならず身内の保守党議員全員を一つにまとめる事さえも相当な困難が予想されます。
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マーゴット・デジタル・文化・メディア・スポーツ相が既に辞任しているほか、ハモンド財務大臣もジョンソン氏が党首に当選したら辞任する意向を示し、また、ダンカン外務担当閣外相も7月22日に辞任しています。
ジョンソン内閣への不信任案提出して離脱延期を
2019年7月24日、ジョンソン首相が就任してから、最大野党・労働党のコービン党首は「新首相は総選挙を通じて決めるべきだ」と解散総選挙に向けて攻勢を掛け始めています。
もし不信任案が通って14日たっても議会の過半数の支持を得られる新政権ができなければ、総選挙になります。
EU側は理由があれば延期を検討するという意見も多いようで、この場合は10月末の離脱は延期になる可能性が高くなります。
EUの対応
EUも合意なき離脱に備えて色々動いています。
- アイルランドに数十億ポンド規模の支援
- ジョンソン氏に合意なき離脱の時期を延長するよう打診
EUは、イギリスがBREXITにおいて財政的責任を受け入れるなら、EUは再交渉に応じる意向を示すとの報道も出ています。
ポンドは下落基調
英ポンドは合意なき離脱の可能性上昇によって主要通貨に対して下落基調となっています。
【英ポンドー日本円のチャート(2019年4月17日~7月17日)出所:TradingView】
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対円のポンド相場は1ポンド=146円台だった5月上旬からほぼ一貫して下落を続け、1月3日の年初来安値(133円95銭)以来の水準となっています。
ーケットでは投機筋のポンドの売り持ち高が約10カ月ぶりの高水準に積み上がり、投資家の先安観を映しています。
ハント外相が勝利すればポンド高になるのか?
一方で、もしハント首相が予想外に勝利を収めれば、ポンドは2年ぶりの安値付近から反発する可能性がありそうです。
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しかし、EUから妥協を引き出し、仮に何かしらの新しいアイデアが出てきたとしても、それを分裂するイギリス議会で承認されるようにするのはかなり困難です。
メイ現首相と同じ運命にハント氏もなる可能性は高く、ポンドの反騰は短命に終わるとの見方が強いようです。
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