この記事は過去に起きたトルコ関連のイベントを時系列にまとめたものです。
トルコの様々なイベントをヒストリカルに確認したい場合の便利ツールとしてご活用ください!
上から最新の状態という形で随時更新していきます。
2018年のトルコリラ急落についてのまとめと経緯は↓
トルコリラの通貨危機に関する考察記事は↓
トルコリラの動きに関するレポート一覧は↓
2018年9月
2018年9月3日 中央銀行の独立性を強調⇒利上げの示唆?
因みに、中央銀行は今回の引き続き凄まじいインフレ率を目の当たりにし、2018年9月3日、物価安定への「重大なリスク」に対応する考えを示しています。
つまり、利上げを示唆した、という事でしょう。
2018年8月
2018年8月13日、中央銀行が流動性を支える政策を発表も・・・
2018年8月13日には駐豪銀行が市中銀行の流動性を支える措置を発表しました。一瞬戻しましたが焼け石に水でしょう。
トルコ大使とボルトン補佐官が協議をしたり、色々なルートで何とか事態を収束させたいとやっていますが、牧師を開放しないとダメなのかもしれません。
この問題は感情的なものもはらんでいるような感じになっているし、アイディンティティにも関わるので予断を許さないですね。
トルコの国民感情がどうなるのかも注意しなければなりません。
エルドアンがこれを機に更に支持を伸ばすなら、国民の後押しで彼の独創的でユニークな金融政策が牙をむき、もっと恐ろしい事になるかも。
逆に国民がエルドアンはダメだとなっても、それはそれで政治的混乱が起きてリラ売りにつながる、、、
私のトルコ含み損は本当にすごい事になってしまいました、、、
2018年8月10日と13日 立て続けにトルコリラ暴落
マーケットはどう対応したらいいかよく分からなくなって、とりあえず売りを浴びせるだけなのか??
2018年8月10日にトルコリラが対ドルで一時約20%も急落し、過去最安値を更新しています。1日の下落率としては2001年以来の大きさ。
つまり、20年近くに一度の大相場ということ?
もしかしたら仕込み時期としては良いかもしれない。でも、もっと下落する可能性がある事もしっかりと認識する必要があります。
また、2018年8月13日のアジア市場で、トルコリラは対ドルで一時1ドル=7.2リラ台へ更なる急落。またまた最安値を更新しました。
前週末に比べた下げ幅は一時約1割に達しています。
もちろん背景はトルコによるアメリカ人牧師を巡った対米関係の悪化でしょう。
事態収拾の見通しが全く立たず、エルドアンは強気一辺倒。もちろんリラ安に歯止めがかからない状態となっているわけです。
2018年8月9日 トルコリラ下落 史上最安値をまた更新
2018年8月9日、またまたトルコ・リラが過去最安値を更新しました。
政府は何とか市場の悪化に歯止めをかけようとしていますが、そもそも経済政策に精通していない財務大臣であんまり信用されていないし、そんな事よりも対米関係の悪化や高いインフレの方が材料視されて下落しました。
2018年7月
2018年7月下旬~8月 米国人牧師問題でトルコリラ急落
2018年7月から持ち上がった問題です。
アメリカとトルコの同盟関係に深い亀裂が生じています。
アメリカがトルコのギュル法相とソイル内相に資産凍結などの制裁を科したからです。理由は米国人牧師の拘束に主導的役割を演じたからとのこと。
これを受けて、トルコの通貨リラは急落、2018年7月下旬に対ドルで過去最安値を更新したわけです。
ここから報復合戦が始まる可能性があります。
アメリカとの関係がうまくいかなければ、トルコのロシア・中国接近が促進される可能性があり、これも大変危険です。
こうした中、エルドアン大統領は2018年8月4日、トルコも対抗措置をとると表明しました。そうなるだろうと思っていましたが。
アメリカは2018年8月7日に対イラン制裁を再開する予定なわけですが、これについてもトルコはアメリカと歩調を合わせない見込みです。
怖いのは、これを受けてトルコの企業とかがアメリカで活動できなくなったり、ドルを基軸とする国際金融システムにアクセスできなくなる事です。
2018年7月24日の会合で金利据え置きを決定⇒トルコリラ急落
2018年7月24日、中央銀行は市場の期待を裏切り政策金利据え置きを発表しました。
当然通貨リラとトルコ株は急落。。。
金利を17.75%で据え置いたわけですが、市場予想は大体1%くらいの引き上げでした。
通貨の急落がさすがにきついですからね、、、
ところがそんなマーケットの声よりもエルドアン大統領の声を意識したのでしょうか、据え置きです。
発表後にリラは一時3%以上急落し、1ドル=4.9155リラを付けました。
今回は、2018年6月の大統領選挙以降初めての金融政策決定会合だったので、動向が注目されていたわけですね。今後の試金石というか。ゆえに、「やっぱりかい」みたいに思っている人も多いかも。
1ドル=5リラに突入するのも時間の問題かもしれません。
2018年6月
2018年6月の選挙後 エルドアン大統領に対する懸念増大
エルドアン大統領の暴走が止まりません。
2018年7月12日には対ドル相場が一時
1ドル=4.97リラ
まで下落し、約1カ月半ぶりに過去最安値を更新してます。
年初からの下落率は2割超に達していて、週間の下落率がほぼ10年ぶりの大きさとなる見込みです。
もちろん、世界の主要通貨では最大の下げです。
まず2018年7月9日に新政権により発表された閣僚人事や中央銀行の人事制度は、強権的な大統領の姿勢を改めて示すと受け取られて、マーケットは崩れました。
何しろ、財務大臣というとても重要なポストに、経済閣僚を経験した事のない親戚を置くという事なのですから、マーケットも不安になるはずです。
自分への忠誠心の高さでもって閣僚を選んでいるみたいに取られつつあります。
チャートが大好きな人からすると、ここで投資をしておきたいタイミングですが、なかなか上がるきっかけも見つけにくいようです。
金融政策決定会合 利上げ
中央銀行は2018年6月7日に開いた金融政策決定会合で、主要な政策金利である1週間物レポ金利を1.25%引き上げ、年17.75%としました。
事前の市場予想はおよそ0.5%だったため、予想を超えた利上げを好感し、通貨リラの対ドル相場は一時急騰しました。
金融政策については、これまで対応に批判が向けられてきており中央銀行は今回、引き上げ幅を予想に反して大きくすることで、金融政策に対する信認の回復に乗り出したようです。
もちろん、この背景にエルドアン大統領の経済運営に関する一定程度の方針変更があるのは間違いないと思われます。
しかし、これでリラが安定していくかどうかはまだ分かりません。今月の選挙含めイベントや突発事項について注意深く見ていく必要があるでしょう。
2018年5月
S&Pが格下げ
2018年5月1日、格付会社のS&Pがトルコの自国通貨建ての長期債務格付けを「BB+」から「BB」に、外貨建ての長期債務格付けを「BB」から「BB-」に、それぞれ1段階ずつ引き下げました。格付けの見通しは「安定的」です。
格下げの理由はトルコ経済の不均衡が拡大していることです。より具体的には、このブログでも他の所で言及している通り経常赤字や財政赤字の悪化、高いインフレ率の見通しが悪化したこと、トルコ・リラの不安定性、民間企業部門が債務などで苦しい状況になりつつあることが挙げられます。
また、6月1日にムーディーズもトルコの格付けを引き下げ方向で見直すと発表しました。
2018年5月以降のトルコリラの推移
更に2018年5月に入ってから、トルコリラは再び大きく下落しました。
背景には、5月に発表された直近のインフレ率が高かったことや6 月に実施される総選挙を前にトルコ政府から「バラマキ」的な色彩が強い経済政策が発表されたこともあるでしょう。
大統領選挙以降については、2018年6月25日早朝は上昇したものの、中央銀行の独立性への不透明感やファンダメンタルズ改善に向けた政策が実施されるかへの疑念が残っており、どうなるかは分かりません。
2018年5月28日金融政策の枠組み変更
2018年5月28日、中央銀行は金融政策枠組みの変更を発表しました。最近使用していなかった1週間物レポ金利を年8%から16.5%に引き上げ、政策金利としての使用を再開しました。
今回の変更で、金融政策実行の枠組みが簡素化され、政策金利に幅を持たせることが出来るようになり、実質的な金融引き締め効果を狙う事が出来ます。
今後、中央銀行が金利の高い翌日物貸出金利を通じた資金供給を増やせば、市場金利を高めに誘導することができるからです。
今回の措置にって中央銀行の金融政策引き締め姿勢の維持が改めてアピールされることとなり、中央銀行に対する信頼回復に一定程度繋がるものと思われます。
実際に、この措置発表を受けてトルコリラは対米ドルで一時、3%超上昇する展開となりました。
目先、トルコリラの動きは安定化することが期待されますが、根本的な問題解決はななされていないので、まだまだ油断は禁物です。
2018年5月23日緊急利上げ
下がり続け、どうにもならなくなっていく中、中央銀行は2018年5月23日、臨時の金融政策決定会合を開き、複数ある政策金利のうち事実上の上限金利とする「後期流動性貸出金利」を3%引き上げ年16.5%としました。
声明で「物価安定のため、強力な金融引き締めを決めた」と説明しています。
銀行間の資金融通を行う際の金利は年18%を超えており、今回の利上げで通貨安に歯止めがかかるかは不透明です。
しかしエルドアン大統領は、「現在の急激な変動(下落)はトルコ経済の現実と合致していない」と主張しました。もちろん市場がこれで安心する事はないでしょう。
因みに、2011 年や2014 年にも大幅な利上げを行い通貨防衛をした事があります。その時はトルコ・リラは上昇か横ばいの動きとなり、急場をしのぐことが出来ました。
今回についても、大幅な利上げを行ったことでいったんは安定を取り戻す可能性があります。しかし、本質的な問題は何も解決されていないため、どの様な金融政策、財政政策を行うか注視していく必要があります。
大統領選挙の受付締め切り
そして2018年5月、大統領選の立候補の受け付けが締め切られました。現職のエルドアン大統領(64)のほか、世俗主義の最大野党・共和人民党(CHP)からはインジェ議員(54)、そのほか国会に議席を持たない小政党の党首も含め計7人が立候補を届け出たようです。
大統領選と同日には国会総選挙も実施される予定です。与党側はAKPなど3党が、野党側はCHPなど4党がそれぞれ政党連合の結成を決めました。これでエルドアン大統領の安定的な政治基盤が出来上がれば、目先の人気取りの政策より長期的な施策が出来る可能性も広がり、その点投資家にとっては良いかもしれません。もちろん、さらなる独裁・悪政となる可能性も否定できません。
2018年5月末現在においては、急激な通貨安や物価上昇に直面し、再選を目指すエルドアン大統領とAKPは、有権者の関心が従来の治安から経済問題に移っていることを背景として苦戦を強いられているようです。場合によってはエルドアン大統領率いる与党連合が過半数割れするという可能性もあります。
過半数割れするとなると、野党が国会を制する「ねじれ」状態が生じ、主導権争いによる政治の停滞は避けられません。その結果、更なる市場の混乱につながる恐れもあり、投資家にとってやきもきする展開が続きそうです。
エルドアン大統領と与党への支持率
2018年の5月中旬現在では、与党支持率が低下しているという世論調査も出ており、不透明感が高まってきているようです。今後もこれらの動向には注意が必要でしょう。
トルコリラ下落に対する政府・中央銀行の反応
2018年5月3日に発表された4月の消費者物価指数では、前年比で10.85%の上昇と、市場予想および前月の実績値を上回る内容となり、同国のインフレ圧力の強さを示す形となってしまいました。
また、2018年5月14日、訪問先のロンドンでのインタビューで、大統領は再選後に金融政策の決定を巡り、一段と強い影響力を行使する考えを示しました。これによってトルコリラ市場はまた下落。大統領の金融政策に対する理解不足と傍若無人な言動に嫌気がさしているようです。
同じく2018年5月16日には中央銀行が通貨安に対して必要な措置をとる用意があるとの声明を発表したものの、効果は一時だけであまりありませんでした。
2018年4月
下落し続けてきた背景
2018年4月に入っても最安値を更新している状況で、投資家にとっては相当厳しい状況が続いています。
通貨が下落してきた背景にはいくつかあります。
- 地政学的なリスクの高まり、
- 来年の大統領選挙と今年急きょ開かれることとなった議会選挙を見据えて拡張的な財政政策が採られていること、
- 輸入の増加によって経常赤字が拡大していること、
- 大統領が利上げを嫌気しているため、金融政策の引き締めもしづらく高インフレが続いていること、などです。
これまでエルドアン大統領は選挙を意識して人気取り政策に邁進してきましたが、これが無くなって中長期的な政策にシフトする可能性もあります。
利上げ
2018年4月、中央銀行は事実上の政策金利をを0.75%引き上げ年13.5%としました。
引き上げは2017年12月以来、3会合ぶりです。中央銀行は声明で、輸入物価上昇のリスクを挙げ、物価安定のため金融引き締めを実施したとしています。
また、必要があれば更なる引き締めについても言及しました。
エルドアン大統領は利上げ反対を公言していましたが、通貨リラの下落が全くとらないため、今回の利上げに踏み切ったものと思われます。
ただ、マーケットには、相場を反転させるには不十分であるとの声が多いようです。
既述の通り、2018年5月に発表されたインフレ率の加速や、足元の国際金融市場動向を受けて、中央銀行は追加利上げを含めた通貨安対策に動く可能性が高まってると考えられます。
実際にトルコのエルドアン大統領は2018年5月9日、チェティンカヤ中銀総裁や資本市場の監督当局者らが出席する緊急会合を開催し、通貨リラについて協議しました。結局目新しい政策は何も出てきませんでしたが、少しずつトルコリラの本格的対応を行う姿勢が見え始めています。
大統領選挙等の前倒しを発表
この改正を受けて、エルドアン大統領は2018年4月18日、2019年11月実施予定だった大統領選と総選挙を2018年6月24日に前倒しすると表明しました。この一連の動きについての背景を確認したい場合は、以下をご参考ください。
経済状況の急速な悪化に対する強い焦りがあるのでしょう。早く政権基盤を固めて、中長期的な政策を出せる環境を作りたいのだと思われます。
リラの下落と一瞬持ち直した理由
更に4月に入ってからは市場からの信任が厚いシムシェキ副首相が辞任するとの報道が出て、下落基調を強めました。
ただ、2019年11月に実施予定だった大統領選挙と総選挙が2018年6月に前倒しされる事を受けて、通貨リラは足元では持ち直しています。政権がいよいよ通貨の下落阻止に向けて本腰を入れるという思惑があっての事です。
中央銀行の毅然とした態度が必要
前述した総選挙での勝利を確実なものとすべく、政府は景気刺激策を繰り返し導入しています。その結果足元でもインフレは10%台と、中央銀行の目標水準(5%±2ポイント)を大きく上回っています。物価上昇に対して、中央銀行は金融引き締めを行なっているものの、選挙での勝利を目指すエルドアン大統領があからさまに利下げを要求する中、これまでの対応は積極さを欠き、中央銀行に対する市場の信頼が低下する事態につながっています。
金融引き締めに関する政府の態度
ただ、政府の態度にも少しずつ変化が表れていて、ユルドゥルム首相は2018年4月11 日に「中央銀行は金融政策について責任を負っている。トルコ・リラを防衛し、経済を支援する必要がある場合には必要な措置をとるだろう。」と述べています。この発言からトルコ政府もトルコ・リラ安の進行について警戒を強めていて、一定程度の金融引き締めはやむを得ないと考えているのではないでしょうか。
2018年3月
新しい選挙法改正案の可決
2018年3月に新しい選挙法改正案が可決しました。これまで単独で獲得しなくてはならなかった最低議席数なるものが、単独ではなく協力関係にある複数政党数の合計となったのです。
ムーディーズがトルコ国債を格下げ
2018年3月、格付会社のムーディーズは、トルコの自国通貨建長期債務格付および外貨建長期債務格付を「Ba1」から「Ba2」へそれぞれ1段階引き下げました。格付見通しは「ステーブル(安定的)」です。格下げとなった理由は、金融政策の実効性の低下や構造的経済改革が遅れていること、経常赤字と対外債務が増加し対外要因による不安定さが増していること、政治リスクの高まり、等です。どれも目新しいものではないのですが、状況としては引き続き要注視といった所で、気は抜けません。更に2018年5月1日にはS&Pもトルコ国債を格下げしました。
2018年2月
選挙の前倒し観測
選挙法の改正が行われたことで、元々2019年11月に予定されていた総選挙が前倒しされる可能性が高まってきました。2015年6月の総選挙では与党は過半数を獲得できず、再選挙となったものの、今の与党である二つの政党が政党連合として臨めば過半数の獲得が容易となり、政権基盤が安定するとの思惑があります。総選挙が早期に実現し、安定的な政権基盤となればエルドアン政権は目先の選挙対策ではなく、中長期的な目線で構造改革に取り組むことが可能になります。
インフレ率に注目
2018年2月、イスタンブールのインフレ率が下がってきたことから、国全体のインフレ率についても低下するのではとの期待が膨らんできています。実際に2月発表のインフレ率について、事前の市場予想通り鈍化しました。中央銀行は金融引き締め姿勢を維持するとの見方が強いですが、今後を考えると物価動向に注目すると良いかもしれません。
IMFもトルコリラに対して懸念
IMFは2018年2月、需要の超過や高いインフレ、経常収支の悪化を指摘し、トルコ経済に過熱感があると指摘しました。
トルコ経済はインフラ整備から消費者ローンまで不足する資金を海外からの資金で賄っています。
先進国の金利上昇でそうした資金調達に困難が生じてくると、経済に大きな打撃となる可能性があります。
クルド人・アサド政権との闘い
2018年2月にはクルド人勢力とアサド政権が、トルコ軍に対抗するため、共闘を行おうとしています。こういった動きは当然トルコリラの売り要因になるので既に投資をしている人にとっては耐えどころです。余裕がある人はこういう異常事態の時に低い所で拾い続けるというのも良いと思います。
2018年1月
エルドアン大統領の強硬姿勢
最近の出来事という意味では2018年1月20日に、エルドアン大統領が米国の反対を押し切ってシリアのクルド人勢力、民主連合党(PYD)に対する軍事作戦を始めたと宣言しました。もちろん、こうした動きは対米関係の悪化につながり、それを嫌う投資家にとってトルコリラ売りの材料となってしまいます。
コメントを残す