ブラジル イベントヒストリー

2018年1月

ボベスパ指数は史上最高値を記録

ブラジル株式はかなり好調です。2017年12月下旬以降、上昇傾向にあり、ボベスパ指数は2018年1月19日に一旦史上最高値を更新しました。株価はかなり好調のようです。

ルラ元大統領の大統領復帰はほぼない

未だにカリスマ的な人気を誇っているルラ元大統領ですが、次の大統領選で大統領復帰を狙っていました。

ルラ元大統領は、現政権が進める構造改革に対して否定的な立場を貫いており、仮に同氏が次の大統領となればこれまでテメル大統領が進めてきた改革が後退する可能性が強まるものと思われておりました。

しかし、連邦裁判所は2018年1月、ルラ氏に対し、収賄などの罪で有罪判決を言い渡しました。更に2018年4月、ブラジル最高裁は服役から逃れるため人身保護を求めていたルラ元大統領の請求を退けました。これでルラ氏の収監が決定しました。

2018年1月のIMF世界経済見通し

IMFは2018年1月22日に世界経済見通しを発表しましたが、今年のブラジル経済の成長率見通しを昨年10月の予想から0.4ポイント上昇の1.9%に修正しています。

格下げ

2018年1月11日にS&Pがブラジル国債の格付けを一段階引き下げ、投資適格級を 3段階下回る「BB-」に、格付け見通しは「安定的」としています。

格下げとなった背景ですが、年金改革の遅れなど構造改革の遅れにあるようです。これについては後述しているのでそちらをご参考にしてください。

ブラジルレアル 急落の可能性は?

2018年現在でレアルが急落する事となる理由は、やはりテメル大統領の改革がとん挫すること、またはテメル大統領の汚職関連疑惑が大きくなって、自身の大統領続行が困難となった場合でしょうか。「改革」と書きましたが、一つの例を挙げるなら、下に記載した年金改革でしょうか。是非ご参考にしてみてください。

ルラ氏の有罪判決を受けて更に史上最高値を更新

2018年1月19日に一旦史上最高値を更新した後、1月24日に元大統領のルラ氏が有罪判決を受けたことでボベスパ指数は前日比+3.7%の大幅上昇を記録、史上最高値を再更新しました。

また、同日のレア ル相場も対米ドルで+2.9%のレアル高が進みました。

2018年1月時点では⽇⽶欧ともに景気が強くても物価が上がらない環境が続き、インフレ率は⽬標とする2%にも届いていません。

今ここで金利上昇が続くのですぐに対応を、という事にはならないと思いますが、よく注目しておく必要があります。

先進国の金利(長期金利)が上昇した直接のきっかけは、中国の⽶国債購⼊額の減額の可能性、欧州景気の拡⼤を受けて欧州中央銀⾏が緩和縮⼩のタイミングを早めるかもしれないという観測、⽇本でも⽇銀の超⻑期債買⼊れが減額されたこと、等から、⾦融政策の変更時期が早まるとの思惑が⾼まったことがあげられます。

ちなみに、2018年1月22日と23日に行われた日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が決定されました。

しかし、今後も金融政策の正常化を模索している欧米からの金利上昇圧力などには注視が必要でしょう。

2018年1月ではカナダが利上げをしています。もっとも、これは確実視されていたものでしたが。

いずれにせよ、2018年1月時点では⽇⽶欧ともに景気が強くても物価が上がらない環境が続き、インフレ率は⽬標とする2%にも届いていません。

今ここで金利上昇が続くのですぐに対応を、という事にはならないと思いますが、よく注目しておく必要があります。

年金改革

下院議長は、同法案の審議を2018年2月5日に再開し、同月19日の週に採決を行なう方針を示しました。

これについては、2018年1月15日の週に、「政府が同法案の採決を2018年10月の選挙後に先送りすることを検討している」との報道が出ました。

もちろんネガティブなニュースだったわけですが、マーケットは比較的平穏だったようです。市場参加者は既に同法案の早期成立が困難であることを相当程度織り込んでいたからです。

中央銀行の次の手

加えて、ブラジルの中央銀行は今の政治改革に対してもかなり注目しています。特に年金改革の行方は重要であるとの意見が多く見受けられます。この状況については、年金改革が成立すれば利下げの余地が生まれ、不成立なら利下げは見送られる可能性が高まるといった見方もあります。

利下げをしてきた中央銀行

ブラジルの中央銀行は現在、利下げをしているのですが、その理由は主に①底打ちしていると思われるが、なかなか上昇していかないブラジル景気、②良好なインフレ環境、と述べています。

しかし、①については足下好調な企業業績も出てきており、良い方向に向かっているのではないでしょうか。

中央銀行がインフレ率などの経済予想をするときに活用する将来の政策金利を、17年と18年は7.0%、19年は8.0%としているため、政策金利が7.0%となったいるここで一旦利下げが止まる可能性もあります。

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