先進国・その他の状況2018

2018年10月

欧州の成長率、0.6%に減速

EUが2018年10月30日発表した2018年7~9月期のユーロ圏のGDPの速報値は、実質で前期比0.2%増えました。

EU統計局によれば、年率換算の成長率は前期比0.6%で、4~6月期(年率1.8%)から大幅に減速した模様です。

アメリカとの通商問題や英国のEU離脱に伴う先行き不透明感の強まりを背景に、域内の景況感の悪化が進んでいる事の証拠となっている可能性があります。

ユーロ圏内では18年1月以降、景況感の悪化が続いています。2018年10月の景況感指数も2017年12月に17年ぶりの高水準をつけた後、10カ月連続で前月比で低下しています。

BREXIT、イタリアの財政問題、アメリカとの貿易問題など、景気を冷やすような効果を持つ出来事が目白押しなので、当局も難しいかじ取りが引き続き迫られます。

アメリカ、7-9月のGDP成長率は3.5%

アメリカ政府が2018年10月26日に公表した今年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.5%となりました。

これは、4-6月期の数値である4.2%増からは減速した形ですが、減税効果で個人消費が伸び、2%弱とされる潜在成長率は引き続き上回った水準となっています。

ただ、個⼈消費が⾼い伸びを維持した⼀⽅、輸出や住宅投資がマイナスとなっています。

当⾯、輸出と住宅投資が成⻑の抑制要因となる構図は続くでしょうから、四半期ベースでは4-6⽉期が今年の成⻑率の上限となる可能性があります。

主要産油国、今度は減産を示唆??

OPEC加盟国などの主要産油国は、2019年に原油生産を削減する可能性があると示唆しました。

在庫の増加と経済の不透明性を巡る懸念がその背景と言っていますが、極力大量に生産すると表明した数日前の姿勢を転換させたことになります。

2018年10月に入ると市場が混乱する中で上昇していた原油価格は少し下落しました。

しかし、主要産油国が減産すれば石油市場の見通しが変わるのは当然です。

サウジアラビアが記者殺害の件で立場が苦しくなり、アメリカを慮ったかのような発言(増産して原油価格を下げる用意がある旨の発言)をしたその直後に、それと反対の発言があると、価格を低水準にとどめるよう繰り返し要求しているトランプ大統領の怒りに再び火を付ける恐れがあるかもしれません。

ただ、今後どうなるか分かりません。もしかしたら数日後にまた増産をする旨の発言があるかもしれませんし。。。

日本株、7か月ぶりの安値水準

2018年10月25日の日経平均は前日比822円45銭安の2万1268円73銭と大幅に反落しました。

これは約7カ月ぶりの安値水準です。

前日のアメリカ株市場で企業業績の先行きに不透明感が台頭し、それをそのまま引きづる形で日本株オ落ちました。結局この日は日本を含むアジア市場に株安が広がりました。

ここ最近の日本株の下落については、多くの運用会社が複数回にわたってレポートを出しています。

↓のリンクをクリックすると、それらのレポートが一覧できます。

最近の日本株下落に関するレポート一覧

資源関連 原油は下落傾向 「OPECは極力大量に生産する体制」

2018年10月23日、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、リヤドで開かれた投資会議で、サウジが原油生産を過去最高に近い日量1070万バレルに引き上げていて、更にアメリカのイランに対する制裁で生じる供給不足分を埋め合わせるため、追加の増産を行うことも可能だと述べました。

この発言で、主要産油国が原油価格の上昇に歯止めをかける意向が鮮明となり、原油先物価格の下落傾向が続きました。

最近の原油価格の下落はこの発言による影響だけではありません。軟調な株式市場もあると思われます。

因みに、アメリカは2018年11月のイラン制裁発動による原油価格押し上げを緩和する上でサウジの協力
に期待していました。

例のサウジアラビア人記者の殺害などで、対米関係を気にせざるを得ず、アメリカが喜ぶコメントをした可能性もあるでしょう。

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