ここでは2019年6月末時点における、米中貿易摩擦問題に関連した両国の理屈上実行可能な手段をまとめておきたいと思います。
時間が経過して、どういった選択肢が元々あったのかを整理する時のツールとしても使えるでしょう。
米中貿易摩擦の経緯は↓
米中貿易摩擦についての経緯とまとめ2019年7月~12月米中貿易摩擦問題について整理してみた2018アメリカが取りうる手段
手段 | 説明 |
追加関税(第4弾関税) | 2019年6月で話題となっている対中制裁関税第4弾です。 |
個別中国企業への制裁 | ファーウェイやZTEといった企業に行ったような形で中国企業を狙い撃ちにする策です。 |
外交的圧力 | バクとしていますが、ウイグル族の人権問題や北朝鮮やイランへの協力容疑で企業や政治家を摘発する事です。 |
中国が取りうる手段
手段 | 説明 |
追加関税 | アメリカ製品に対する関税引き上げです。特に農作物には影響が出るでしょう。 |
レアアース禁輸 | ハイテク機器などに使用するレアアースのアメリカ向け輸出を止める措置です。 |
アメリカ国債の売却 | 中国は約1兆1200億ドル分の米国債を保有しています。米国債を売却する事で米金利を上昇させ、融資コストをあげます。 |
人民元の切り下げ | 人民元を切り下げ、貿易摩擦下でも輸出競争力を増強する案です。 |
アメリカ企業等への嫌がらせ | 中国国内の米企業や米国人に対して何らかの理由を作ってその活動を妨害し、経済活動を出来なくさせるものです。 |
どちらの国も強い副作用を持ったカード
上記の様にまとめると、持っているカードそのものの数は中国の方が若干多いように見えます。
しかし、その一つ一つのカードの影響力を考えると、アメリカも決して負けてはいません。
いずれにせよ、どちらの国も何かのカードを行使すれば強い副作用があるものが多いと言えるでしょう。
invstem.com
逆に、副作用が少ないカードは相手に与えるダメージも知れている、といった所でしょうか。
どのタイミングでどういったカードを使ってくるのか、またここに載っていないようなカードが今後出てきてそれを活用するのか、まだ分かりません。
いずれにせよこれは単なる貿易摩擦の範疇を超えた、国力を競い合うようなものに変貌していて、両国ともになかなか譲れない状況に追い込まれているという事でしょう。
MEMO
2019年6月末現在、マーケットもそれを織り込んで相場を読んでいくように変わってきているようです。↓をご参考ください。
貿易摩擦とマーケットの動き2019年5月~
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