2019年3月15日時点でのブレクジットに関するポイントをまとめます!
【2019年3月15日時点】BREXIT(ブレグジット)の今後のシナリオ
条件が付いた3月14日のEU離脱延期
イギリス議会が3月14日に可決した「離脱延期案」には条件がつきました。
それは、一度イギリス議会で否決された離脱案を3月20日までに再びイギリス議会に諮り、合意を得られたら離脱日を3月末から6月末に先送りする、というものです。
3月12日と同じ内容で20日までに議会に諮る??
これまでもずっと言われてきたメイ首相の瀬戸際戦術です。
一度3月12日に否決されたものと同じ修正案を、メイ首相はほとんど修正もせずに同じ内容で再び議会に持ち込むつもりのようです。
もちろん可決されれば、この離脱案に従って円滑な「合意ある離脱」となります。
3月20日までに承認されても否決されても、EUと延期を交渉
3月21日から始まるEU首脳会議では、3月末に予定していた離脱期日を6月末に繰り延べるようにEUと交渉する事になりますが、イギリス議会で否決されてもメイ首相は首脳会議に出席し、「延期」を申し入れるとみられます。
でも、イギリス議会でまた否決された状態で延期を申し入れても、EU側は厳しい態度をとるかもしれません。ただ、大方の見方ではイギリスから実際に延期要請があれば断ることはできず、渋々ながらも短期間の延期を受け入れる事になると思われます。
否決されたまま延期を申し入れた場合、EUは厳しい条件を提示か
例えば、1年など長期延期の代わりに欧州議会選への参加などを求める、といった感じです。
メイ首相は英議会に対し、3回目の採決で自らの離脱案が了承されなければ「延期期間は(6月末よりも)さらに長期にする必要があるだろう」と訴え、それが嫌なら同意せよ、と迫っています。
EU離脱時期の延期が長期間になると、国民再投票の再実施の可能性も高まる??
長期の延期となると、国民投票の再実施などの動きが活発になるかもしれません。
メイ首相は「離脱自体がなくなる可能性もある」と語り、BREXIT強硬派に自らの離脱案に同意するように呼びかけているのです。
これは、BREXITがなくなるよりは、メイ首相の案の方がまだ良いと思わせる作戦です。
しかし、決して強硬離脱派を説得するのは易しい事ではありません。
人数も80人程度いて、保守党内の強硬派をどこまで切り崩せるかが今後を考える上で重要です。
いつまでにイギリスは離脱するべきか
イギリスがEUを離脱するタイミングとしてよく言われるのは5月24日ー26日です。
欧州議会選挙が実施されるのがその日だからです。
ユンケル欧州委員長も、どんなに遅くても5月23日までに離脱する必要があり、それより後ずれするなら国内で欧州議会選を行う法的義務が生じると発言しました。
もちろんイギリスは欧州議会選を実施したくないし、EU側もそれは分かっています。
ただ、この日にちが取りざたされるのは、この日にちを過ぎてイギリスがまだ離脱できていないと、欧州議会に絡む新たな法的対立が生まれる可能性があるからです。
また、あまりに長く延長期間を長くすると、EUの新しい予算の分担を求められる可能性さえもあります。
とはいえEUも、今のイギリスの政治的停滞が簡単に打破されるとは考えていません。どうしようもない感じです。
EUも離脱時期延長は受け入れるしかない?
EUとしては延期を認める条件として、英国が離脱案の議会承認を取り付ける道筋を示してほしいとの意向を持っていますが、その温度感は様々です。
各国首脳の中で、イギリス政府が議会による離脱案承認をどうやって得るかの方針を明確に提示しない限り、延期に賛成しないと一番はっきり表明しているのはフランスのマクロン大統領です。
これに対してメルケル氏は、秩序あるブレグジットを確保するために、可能な限りイギリスに時間を与えたいと希望しています。
ブレクジット長期間の延長 EU側の意見
EUによる離脱の長期延長(最長2年弱)の話が出るのは、ブレクジット強硬派がメイ氏の離脱案を支持しなければ、永久にブレグジットは実現しないぞと圧力をかけることでした。
EU内の長期延期論支持派は、長期延期によってイギリスが2回目の国民投票もしくは総選挙を行い、最終的にはブレグジットさえ撤回される可能性があると主張します。
または時間が経つにつれてメイ氏の交渉姿勢が変化し、ブレクジット後のイギリスとEUとの関係が今よりもより親密(例えば関税同盟)になる可能性も出てくると言います。
一方、長期延期論の反対派は、EU側の大きなリスクとコストを心配します。
長年にわたって不確実性を持続させたり、時間や資源、エネルギーが浪費される恐れがあると警鐘を鳴らしているのです。
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