2018年8月
裁判所、ルラ氏の出馬認めず
2018年8月31日、ブラジル高等選挙裁判所は汚職で有罪判決を受けていたルラ元大統領に対し、大統領選の出馬を認めない判断を下しました。ルラ氏は抗告するとみられるが認められる可能性は低いです。
予想通りなので大きなサプライズではありませんが、ルラ氏の票がどこに行くかが今回の大統領選挙については相当注目されています。
ルラ氏しのものより、彼の票の行方がかなり重要です。
候補者受付締め切り
そして2018年8月15日、大統領選挙の候補者登録を締め切る事となりました。
汚職で有罪判決を受け収監中のルラ元大統領を含む13人が立候補を表明しています。ただ、ルラ氏の出馬が認められる可能性は低いので、彼以外で人気一位のボルソナロ下院議員(63)を中心に選挙戦がたたかわれる事となります。
ボルソナロ氏が一番人気 経済界が期待するアルキミン氏は4位
ボルソナロ氏は少数政党を渡り歩いてきた政治家で、これまで殆ど注目されることはありませんでした。
しかし、汚職や不況などの閉塞感の中、しがらみのなさをアピールして戦ってきたのです。
主に、強いリーダーを求める若年層から支持を得ているようです。
2位以下の候補者は、シルバ元環境相(60)、ゴメス元財務相(60)アルキミン前サンパウロ州知事(65)となっています。
既存大政党所属のアルキミン氏は不利か
経済界が推すのは4位のアルキミン氏です。
彼は改革に前向きで、金融市場のみならず、経済界や中道政党の多くから評価されています。現大統領が推し進める年金改革など痛みを伴う必要な改革を引き続き推進してくれそうなのは彼だというのが今のところの評価です。
しかし、彼は大政党所属である事もあり、世論調査では振るいません。
ブラジルでは、汚職の蔓延などから、既存の政党・政治家に対する不信大きいのです。アルキミン氏がどうなのかは分かりませんが、どうしても既存政党のイメージをアルキミン氏がまとってしまうのはしょうがないのかもしれません。
アルキミン氏の汚職疑惑で更に窮地?
その金融市場で評価されている元サンパウロ州知事のアルキミン氏ですが、在任中に関わったとされる汚
職事件について、検察当局が起訴する可能性があると報じられました。
これによって市場に動揺が広がり、ブラジルレアルも下落しています。
ちょっときついかもしれないですね。既述の通り国民は政治家の汚職に辟易しています。
ただ、どうなるかは全く分かりません。ルラ氏を支持する人たちの票がどこに流れるか分からないからです。決戦投票の可能性はかなり高いと言われています。10月の選挙まで目が離せません。
大統領選挙の政見放送開始
2018年8月31日からテレビやラジオでの大統領選挙に関する政見放送が始まります。
過去の選挙ではこの放送が支持率に大きな影響を与えてきたと考えられており、かなり注目されています。
因みに、放送の割り当て時間が長いのはアルキミン氏。既存政党だからという事だと思いますが、彼が汚職疑惑や国民の巨大政党アレルギーを乗り越えどこまで支持を得られるかが、ブラジルレアルやブラジル株に投資をしている人にとっては注目材料となるでしょう。
アルキミン氏が放送時間の44%を獲得
アルキミン氏は中道政党との連立によってテレビ・ラジオでの政見放送時間の全体の44%を獲得しています。
前回はこの政見放送が大きく勝敗の結果を左右したと言われています。
8月31日からの政見放送開始後に支持率上昇がみられるかに注目が集まります。
2018年6月
左派陣営は弱体化 中道政党がどこまで踏ん張れるかがポイント
2018年6月下旬現在の選挙戦の状況ですが、左派陣営は分裂・弱体化の傾向にあるようです。中道政党がアルキミン氏擁立で結束すれば、アルキミン氏の優位性が高まる可能性もまだあります。
ただ、中道~中道右派政党(テメル政権の中核を占める政党)は、現時点で最終的な候補者を絞り込めていない模様で、今後の動向が注目されます。
2018年8月末からは選挙戦に大きく影響を与える政見放送も始まる予定であり、それまでに統一候補を決めるなどの対応が必要でしょう。
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