2018年10月30日更新!
2018年10月に予定されている選挙はこの国に投資をする人、している人にとってかなり重要なイベントです。
新興国に投資をするとき、政治が安定しているというのはかなり大切ですよね。
ブラジル又はブラジルレアルの今後の行方を占ううえでも、一旦まとめておきたいと考えて、この記事では2018年10月のブラジル大統領選挙について書きました。
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ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ
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2018年ブラジル大統領選挙の動向(時系列)
ここでは、ブラジルの大統領選挙に関する報道やニュースを時系列に並べます。
新しいものほど上位に来るように編集しています。
2018年10月
2018年10月30日 バラマキ政策の復活は大丈夫かと懸念の声も
ボルソナロ氏がアダジ氏よりも市場寄りであるという事で、マーケット関係者は安どしている所だと思いますが、一方で、選挙戦終盤のボルソナロ氏の発言を引用して、懸念を表明する人も少しずつ増えてきているようです。
懸念とは、具体的にバラマキ復活に関する懸念です。
例えば、選挙戦の終盤、ボルソナロ氏は突如、所得減税を提案しました。
最低賃金の5倍(月額約15万円)までは所得税を免除して、それを超えても税率は一律20%に抑えるという内容です。これがもし本当になると、給与所得者の6割が無税となってしまいます。
財政健全化が急務なのに、そんな事をやっていたら逆方向に行ってしまいます。
ボルソナロ氏が所属する政党は議会で少数派です。どうやって議会をまとめていくか、議会での強行突破をするために、ポピュリズム的な政策で押し切ったりしだすと、危険です。
2018年10月 次期大統領ボルソナロ氏とはどんな人か
ブラジルの次期大統領に内定したボルソナロ氏ですが、極右というだけでどういった人となりかはあまり知られていないような気もします。
そこでここでは、簡単な彼の略歴をご紹介します。
彼は最大都市サンパウロ郊外にある欧州系移民が暮らす小さな町に生まれました。
父親は歯科医でしたが無資格で、貧しかったそうです。
彼は軍人出身ですが、その契機となったのも少年時代だという事です。
ブラジルがまだ軍政時代だった頃、左派ゲリラを掃討するブラジル軍にあこがれて、18歳で軍幹部の養成校に入学します。
彼は陸軍に入り、大尉まで昇進しますが、給料が低すぎるという抗議活動を主導して逮捕されます。
これによって軍での出世は諦めざるを得なくなりますが、知名度が一気に上がりました。それをうまく活用して、1988年に第2の都市リオデジャネイロ市議選に立候補。めだたく当選します。
更に1991年には連邦下院議員に転じて国政への進出を果たします。
これまで所属してきた政党はいずれも小規模です。
それもあってか、なかなか国の要職に就く事はなく、議員活動をしてから30年近い下院議員の活動の中で、目立った実績はありません。むしろ、軍政礼賛や女性蔑視発言、同性愛否定論の主張が脚光を浴びてしまいます。
結婚は3回していて、息子が4人、娘が1人いるそうです。
長男は連邦上院議員、次男はリオデジャネイロ市議、三男が連邦下院議員という政治家一家です。
これまで巨大政党を率いたという実績や経験がなく、それが上手く作用して思い切った政策を実行できるのか、また何もできないか世界中から注目を集めています。
2018年10月28日 ボルソナロ氏、勝利
2018年10月28日のブラジル大統領選挙の決選投票で、極右のジャイル・ボルソナロ候補が勝利したようです。
この記事を書いている時点で開票率92%。得票率はボルソナロ氏が56%、左派候補のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長が44%になっているとの事で、ボルソナロ氏が頭角です。
一応マーケットの予想通りになったという事で、これだけで見れば、レアルが激落ちする事はなさそうです。
2018年10月25日 選挙終盤戦、ボルソナロ氏有利だが、、、
大手調査会社IBOPEが2018年10月23日に発表した世論調査では、ボルソナロ氏が57%の支持率を獲得しており、対抗馬の43%を大きく上回っています。
勝負という観点では、ボルソナロ氏が勝利する可能性が高いわけですが、当選後の国の分断も気になる所です。
仮にアダジ氏が敗北したとしても40%以上の支持を一応得ているわけですから、ボルソナロ氏が進めようとする政策も彼らに対して配慮を含んだものになる可能性があります。
その時に、ブラジルにとって本当に必要な改革や財政再建が、いわゆるバラマキ派の人たちをおもんばかって捻じ曲げられて閉まると、マーケットから再びそっぽを向かれてしまう可能性があります。
殆どのレポートや記事がボルソナロ氏の優勢を報道
ボルソナロ氏が決選投票で優勢であるとのレポートが様々な記事やレポートで論じられている中、マーケットも結構それを織り込んだ雰囲気になっているようです。
実際にその様な世論調査の結果なのでしょうがないのですが、マーケットがボルソナロ勝利を確信しすぎて、それが外れた時のインパクトを心配してしまいます。
新興国は政治でマーケットがおかしくなることが常です。
中道政党からもボルソナロ支持の動き
少しずつ、二派の内どちらにつくかを表明する人、団体が増えてきました。
2018年10月中旬においては、引き続きボルソナロ氏が有利なようです。アダジ氏は左派陣営の結集に専心していますが、なかなかうまく進まないようです。
中道右派の有力政党、民主党(DEM)のアントニオ・マガリャンエス・ネト党首は、「労働党を支援することはできない」と、個人としてボルソナロ氏支持を表明しました。
同氏と同政党は元々アルキミン氏を支持していましたが、決選投票ではボルソナロ氏支持に回る人が多いようです。
やはり、ボルソナロ氏の経済政策が現テメル政権と近い事もあり、中道の人たちからすると支持しやすいのでしょう。
マーケットはボルソナロ氏の勝利に少しずつ自信??
ボルソナロ氏の第1回投票における得票率が46%と予想を上回り、2位の労働党候補アダジ氏に約17%ポイントもの差をつけた事や、直近の支持率動向等を見て、マーケットはボルソナロ氏が当選し、ブラジルに必要な年金改革等、ファンダメンタルズ改善につながるような政策を行う事についての期待を高めています。
確かにそうなって欲しいなと思うばかりですが、逆にアダジ氏が逆転勝利したら、またはボルソナロ氏が大統領に当選してもギリギリの勝利で、労働党の要求を相当呑まざるを得ないような状況に陥ったら、といった事を考えると、なかなか大変な事になりそうです。
やはりマーケットの要望通りに行かなかった時の事も考えて投資タイミングや計画を練っていく必要がりそうです。
ボルソナロ氏、改革に消極的発言??
2018年10月10日、ボルソナロ氏はテメル現大統領が提案した年金改革案に賛成するつもりがない事を示唆したと、メディアが報じました。
これを受けて、ボルソナロ氏の改革への取り組みが思ったほど強固なものではない、と市場は感じたのか、10日のブラジル市場では、通貨レアルと株価指標のボベスパ指数が共に下落しました。
ボルソナロ氏も左派陣営の票を少しでも切り崩すためにこの様な発言をした可能性もありますが、人気取りに終始した政策運営だけはしてほしくないものです。
アダジ氏、企業民営化に反対明言
アダジ氏は2018年10月10日、ボルソナロ下院議員が進める国営企業の民営化について「短期的な利益のため国の資産を売ろうとしている」と批判、反対する意向を改めて示しました。
低所得者層が支持基盤であるアダジ氏は、経済政策について「税金を減らし、銀行に金利を下げさせれば消費が増える」と話していて、公共事業の復活等、財政拡張路線を進める意向も明らかにしています。
因みに、最新の世論調査だと、ボルソナロ氏58%、アダジ氏42%の支持となっているようです。
連立相手探しがポイント
決選投票に進むのはボルソナロ氏とアダジ氏に決まったわけですが、どちらも連立相手探しに奔走しなければなりません。
ブラジルの次期大統領は就任直後から財政悪化や景気低迷などの課題に直面します。どちらの候補が勝っても議会で改革を通すための連立相手探しに苦慮するのはほぼ間違いないです。
何しろ、ブラジルは過去数十年で最悪の景気後退からの回復途上であるだけなく、国民に負担を強いる年金制度改革も控えています。このため、来年1月1日に就任する次期大統領は迅速に行動していかなければならないのです。
現在優勢が伝えられているボルソナロ氏は、議会との癒着がはびこるブラジルの政治体質を批判しています。しかし、同氏が勝てば、政権樹立に向けて議会との交渉は避けられません。
一方のアダジ氏。現在頼れる連立相手は小規模政党である共産党に限られるでしょう。しかしアダジ氏が所属する労働党は、ルラ氏の後を継いだルセフ元大統領の弾劾を巡って共産党と対立し、最終的に連立が崩壊した経緯があります。
どちらがなっても、円滑に物事すすめていく為の連立相手探しに苦心する可能性が高いかもしれません。
2018年10月9日 ボルソナロ氏、46.2%の得票率で決選投票へ
2018年10月7日、ついにブラジル大統領選の第1回投票が行われました。
結果は大方の予想通り。
元軍人のジャイール・ボルソナロ下院議員が大差で首位に立ちました。支持率を急伸させていたルラ氏の後継者であるアダジ氏は29.1%でした。
この二人が10月28日の決選投票で対決します。
今の所はボルソナロ氏が有利なように見えますが、ボルソナロとアダジ氏に投票しなかった人が、決選投票でどういった行動をするのかは全くの未知数。
あと3週間弱、ブラジルに投資をしている人はソワソワする事になりそうです。
中間層や既得権益層はボルソナロ氏支持?
アダジ氏の支持率が急伸する中で、これまでばらけていた投票先が少しずつボルソナロ氏かアダジ氏かで別れてきたような感じです。
既得権益層や中間層は、どうやらボルソナロ氏への支持が多いようです。
極右のボルソナロ氏は過去の軍政賛美や差別発言を繰り返す事で、不支持の中間層も多いと言われていました。しかし、アダジ元サンパウロ市長の急追を受け、中間層などの間で危機感を募らせる人も多くなっているようです。
しかし、まだまだ流動的でとうなるか分かりません。もう少し落ち着かない状況が続きそうですね。
アダジ氏の支持率が急伸か??
大統領選挙が迫る中、ルラ氏の後継として急に注目をされているアダジ氏の支持率が急伸しているようです。
ルラ氏の人気に便乗し、過去の軍政賛美や差別発言を繰り返すボルソナロ氏を懸念する有権者の受け皿になっているのでしょう。
アダジ氏が高い支持率になるのは、ボルソナロ氏がなる位なら、彼の方がましという感じの人が多いからという指摘もあり、政策の内容でどこまで国民が判断しているのかは分かりません。
ただ、ルラ氏の後継と前面に出しているのですから、当然財政出動に積極的なはずです。
マーケットとしてはなかなか気が抜けない展開になっています。
2018年10月2日 引き続き決選投票の行方は不透明
先週、最新の世論調査が公表されました。
引き続きボルソナロ氏が首位で、その次にアダジ氏が高い支持を得ています。
ただ、両者が決選投票に進んだ場合の支持率は調査会社によってまちまちとなっているようです。
マーケットは、財政再建により積極的なボルソナロ氏を支持している人が多いですが、もしそうならなかった場合のレアル動向がかなり不安です。
因みに、入院しているボルソナロ氏の容体は良好で退院も近いそうです。
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