習近平についてのまとめと研究

習近平 権勢をほこる

権力掌握の仕方

人民解放軍を抑える

権力固めにまず重要なのは、共産党の軍隊である人民解放軍の掌握でした。

鄧小平も人民解放軍の掌握が権力固めに一番重要であると言っていたと言われています。

習近平は5年にわたる汚職摘発、組織大再編、そして幹部人事を通じて、人民解放軍を掌握していきます。

軍政と作戦両面の元制服組トップ2人をまず摘発。しばらく間を置いて、今度はその配下の現役の軍政と作戦の幹部2人も捕まえたのです。こうして、習近平に真の忠誠を誓わない軍幹部を一掃していきます。

反腐敗運動で政敵を徹底的に排除

その後も共産党の大物を次々と摘発し、自分のよく知っている人間だけを重要なポストに据えていく事で、習近平は共産党支配と中国支配を強めます。

2013年から始まるこの反習近平因子の排除はまだ終わりを告げていません。

個人崇拝への傾斜

2018年の憲法改正で、これまで実質的に最高権力者の座は10年までとしてきた中国共産党支配下の中国の方針が大きく変わります。

文化大革命の反省から、1人の人間へ権力が長期間集中しないよう集団指導体制を制度化しようとした鄧小平氏の努力が今回の憲法改正で実質的に無力化したのです。

少し古い本ですが、以下の本は中国共産党の内幕を知る上で大変参考になりました。元FTの記者が書かれた本です。ご参考にどうぞ。

毛沢東の時代に政治機構が硬直化

中国ではかつて毛沢東時代に行き過ぎた権力集中と個人崇拝によって国家体制が硬直化し、多数の政治的迫害や社会の発展の停滞を招きました。



このため鄧小平が権力を握って以降はこういった事が二度と繰り返されないよう強く戒められてきたわけです。

習近平、共産党のタブーを無視

しかし、2013年の習近平政権の成立以来、習近平はこれらのタブーを無視しました。

自分自身への個人崇拝を復活させ、憲法に「習近平新時代中国特色社会主義思想」と自身の名前を冠した思想を盛り込むなど、好き放題するようになったのです。

知識層:違和感 一般層:人気

こうした習近平支配に違和感を持つ中国人は少なからずいます。特に知識層で。

しかし党内では誰も何も言えないわけです。人事権を握っているのは習近平で、彼に歯向かうと何をされるか分からないから。

一方で国内では庶民層を中心に習近平の人気が高いようです。

この結果、反習近平の声はあまり表面化せずにきたわけです。

習近平の絶対権力ゆえの疲弊

一方で、こんな話も聞かれます。

習近平は、巧みな権力掌握によって厳しい現実も思い知らされている、と。

絶対的権力には絶対的責任が伴うわけです。あまりに、重大な決断を幾たびもしなければならず、精神的に疲弊している、と。また常に暗殺の影にも怯えなければならない。

極秘裏に習氏は何度も入院をしているともいわれます。

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