ベトナム株式市場は、高い経済成長見通し、安定した政治体制、積極的な内需やインフラ投資を背景に企業収益の拡大が見込まれること等から中・長期的でみた投資環境は非常に魅力的です。
ここではベトナム株式の動向に的を絞って推移と状況を記述していきます。
ベトナムVN指数のチャート
【直近5年のチャート】(出所:TradingView)
ベトナムVN指数とは
VN指数は、「ベトナム株価指数」とも呼ばれており、ベトナム最大の証券取引所であるホーチミン証券取引所に上場している全銘柄の時価総額加重平均指数です。
VN指数は、ベトナムの代表的な株価指数であり、2000年7月28日を基準日として、その日の時価総額を100として算出されています。
ハノイ指数とは
執筆中
2024年9月
規制を緩和
ベトナム財務省は2024年9月18日に、外国人機関投資家に対してプレファンディング規制を緩和する通達を発表しました。
この規制は、株式の買い付けにおいて、取引に必要な代金の100%を証拠金として事前に入金することを求める制度です。これを緩和することで、より投資のしやすい市場を目指すというものです。
2024年6月
VN指数、1300を超える
ベトナムのVN指数が1,300の大台を超え約2年ぶりの高値を更新しました。
5月の輸出は前年同月比+15.8%と、輸出主導の景気回復が見られます。
【直近5年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
2024年4月
上昇を受けての調整で大きく下落
ベトナム株は2023年11月以降2割以上上昇したことで調整となっています。
そこに加えて世界的なリスク回避の動きもあり、大きく下落しています。
加えて、ベトナムの政治情勢について懸念もあるでしょう。
ただ、ベトナム政府は引き続き景気加速の方針を強調するなど、経済発展を優先する姿勢を鮮明にしているため、大きな心配はいらないのではないかと思われます。
ベトナムのファンダメンタルズは引き続き良好で、海外のリスク回避の流れが落ち着けば、再び上昇に転じると思われます。
2023年9月
中銀の流動性吸収で大幅下落
ベトナム・ドンの流動性吸収で株価は大きく下落しました。
ベトナム中銀がドン安に歯止めをかけるために、売りオペによる流動性吸収を行いましたが、株式市場では、金融政策を緩和から引き締めに転換したと受け取る参加者が増加し、株価の大幅下落に繋がりました。
【直近半年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
足下堅調に推移するベトナム株式
ベトナムの株価指数は9月前半は堅調に推移しています。
預金金利の低下や、政府の景気対策による景気回復への期待感が背景にあるのでしょう。
主に個人投資家の資金が株式市場に向かっており、これが相場押上げにつながっているようです。
経済指標やPMIや輸出などが持ち直しつつあり、好調です。
こういう時はこれまで持っていた部分の上昇をとりあえずホールドし、また大きく下落したときに備えてキャッシュをためる方針を取ります。
2023年8月
利下げ効果で上昇
ベトナム株価指数は最終週には上昇しています。
主要銀行が預金金利を年初の7.5〜8.0%から6.0%以下へ引き下げるなど、利下げの効果が現れた他、1~8月の外国人訪問者数が通年目標にほぼ達したこと、輸出が市場予想を上回ったこと等が好感されたようです。
1か月ぶりの低水準に下落
8月下旬、VN指数が軟調になっています。
1200弱と、7月下旬以来1カ月ぶりの低水準で推移しています。
【直近半年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
背景としては、米国市場に上場した主要自動車メーカービンファストの株価がさえなかったことがあげられます。
8月23日のVN指数は前日比8ポイント(0.7%)安の1172となっていますが、18日に1200を割って以降、上値が重い状態です。
ベトナムの電気自動車メーカーであるビンファストは、8月15日に米ナスダック市場に上場しましたが、一時38ドル台をつけた株価は適正価格を探る動きから株価は乱高下し、8月18日には一時11ドル台まで下落してしまいました。
こうした著名な企業の株価の下げが、ベトナム本土にも波及したと思われます。
2023年7月
個人投資家が上昇を支え
証券保管機構が6月末時点での国内投資家の証券口座開設数が発表されました。
2カ月連続の大幅増となる約14.6万件となりました。
国内個人投資家の口座開設の増加が株式市場への資金流入をもたらし、株価上昇をけん引していると言えます。
ただ、個人投資家が熱狂しているときは、新規にあまり手を出すべきではありません。売る必要はないと思いますが、新しい仕込みは控えたほうが良いと考えています。
2023年6月
上昇開始の株式市場
ベトナム株が徐々に上昇傾向です。
6月の第一週については、5月の輸出が市場予想を上回ったことや、規制強化を受けた大手不動産企業の事業停滞問題に対して首相が直接に解決を指示したこと等を好感して、上昇しています。
【直近1年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
なお、ベトナムの国内投資家の証券口座開設数が5月に急増しており、8カ月ぶりに10万件を上回ったそうです。
株式市場のセンチメント改善に繋がるもので、本格的な上昇局面が期待されます。
2023年3月
規制緩和等による好影響
3月5日に、政府が社債発行や償還に関して、一定数以上の債権者の合意の下、償還期限の延期や不動産等現金以外の資産での償還を認める規制緩和を発表しました。
これが不動産企業の資金繰り改善の期待に繋がり、不動産株が大幅に上昇しました。
ただ、ベトナム指数全体で見ると、まだまだです。
【直近1年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
2023年1月
経済指標悪化で下落
ベトナム株式市場は、統計の数値が悪化して下落しました。
輸出や鉱工業生産などの経済指標が市場予想以上に落ち込んでおり、これを嫌気して下落したようです。
【直近1か月のVN指数の推移(出所:TradingView)】
引き続き外国人投資家の資金が流入
引き続きベトナム株式市場には外国人投資家の資金が流入しており、堅調に推移しています。
2023年1⽉17⽇にフック国家主席が異例の在任中の辞任を発表しましたが、これについても、権力闘争の側面はありながらも、政府⾼官の汚職事件の政治的な責任を取ったと受け止められ、海外では政治が機能しているとの評価に繋がっているようです。
権⼒闘争が⼀段落するとの期待もあり、外国⼈投資家の買い増しがみられています。
【直近1か月のVN指数の推移(出所:TradingView)】
2022年12月
割安感から外国人投資家の資金が流入
ここ数か月間ずっと軟調だったベトナム株式に外国人投資家の資金が流入したようです。
外国人投資家の資金流入が目立ち、前週末比で+6.7%とここ最近ではかなりの大幅上昇となりました。
【直近1か月のVN指数の推移(出所:TradingView)】
2022年11月
ここ数か月の軟調相場の要因
9月以降、ベトナム株式市場は急速に下げ幅を拡大しています。
【2022年初来から同年11月下旬までのVN指数の推移(出所:TradingView)】
背景に関しては、
- 米国の金融引き締め加速観測などの外部要因
- ベトナム中銀の大幅利上げ
- 不動産企業の経営者スキャンダル(社債発行関連)
等があげられるようです。
特にベトナムにおいては不動産の株価指数におけるウェートが高く、影響が大きくなってしまいます。
その後は、今回の問題の渦中となっている不動産会社VTPグループと関係が強いとみられるサイゴン商業銀行で取り付け騒ぎが発生し、株式市場では金融株まで大きく売られる展開となりました。
ただ、10月15日に政府がサイゴン商業銀行を特別管理下に入れたことを受け、事態は沈静化に向かっていると考えられます。
社債発行に関して問題が起きた事もあり、政府要人がホーチミン市不動産協会などと会談し、資金繰りの改善や社債引き受けの正常化などの提案を聴取したり、11月18日の報道によれば首相が不動産開発の遅れを解決するために専門チームを設置し、不動産開発の継続などの不動産業が直面する問題に対して、改善のための取り組みを始めたりしたようです。
これまでの急激すぎる株安によって、株式市場の予想PER(株価収益率)は割安な水準になっています。
ここに加えて政府の不動産業に対する規制緩和への方針転換や、市中銀行の与信枠拡大の検討が加割ることで、株価は今後は回復に向かっていくのではないかと考えられます。
需給面でも、11月に政府の規制緩和への方針転換がみられると、外国マネーが急速に流入するなど、改善がみられており、少しずつ回復が実感され始めるでしょう。
VN指数が5%下落
ベトナムのVN指数が大きく下がっています。
【直近5年のVN指数の推移(出所:TradingView)】
約2年ぶりの安値水準ですが、これは今年春頃以降、当局が不動産、社債市場でのバブル抑制策を強めたことが背景にあると思われます。
ただ、11月8日には当局が主要不動産企業と協議し、引き締め策の転換を示唆したことで、最悪期を脱しつつあるとの報道が出ています。
2022年10月
金利引き上げで株価は下落
9月最終週から10月第一週は大きく下げました。
ベトナム株の下落は、9月の予想外の大幅利上げが主因とみられます。
【9月以降10月第一週までのVN指数の推移(出所:TradingView)】
2022年7月
主要経済指標が好調で株価も上昇
7月29日に発表されたベトナムの7月主要経済指標は、多くが好調でした。
小売売上高の前年同月比は、比較対象の2021年7月に広範囲のロックダウンが実施されたこともあり、+42.6%と上振れし、鉱工業生産も製造業などが好調で、同+11.2%。
また、物価上昇率は+3.1%と抑制され、マクロ環境は引き続き良好です。
【翌週のVN指数の推移(出所:TradingView)】
©Trading View
2022年6月
他の新興国同様、大きく調整局面に
最高値を更新し続けていたベトナム株式ですが、世界各国で利上げが行われる中、耐え時となっています。
【2022年3月~5月のベトナム株価指数の推移(出所:TradingView)】
©Trading view
2021年11月
VN指数が最高値更新
ベトナムのVN指数は、25日に1,500を超え、再び過去最高値を更新しました。
海外企業の投資拡大が期待される等、ポストコロナの経済見通しが明るいことや、緩和的な金融環境が支えとなり、個人投資家の資金流入が株式市場の上昇を牽引しました。
【2021年8月~11月のベトナム株価指数の推移(出所:TradingView)】
©Trading view
2021年10月
先進国利上げ懸念の中でも逆行高
先進国中銀がタカ派スタンスを強めたことや、石炭等一部の資源価格の下落を受け、新興国株は総じて下落したものの、ベトナム株だけは逆行高となっています。
10月最終週、ベトナムのVN指数は他の新興国とは別に、上昇しました。
27日、28日と連日で過去最高値を更新。
当局は、事前予想よりも早い段階となる11月にも一部地域で外国人観光客を隔離なしで受け入れ始めると発表しました。
経済活動の本格的な再開が期待され、株価を押し上げたとみられます。
2021年9月
コロナ感染を警戒も、堅調
ベトナム株は引き続きコロナショック以降も堅調に推移しています。
VN指数はほぼ右肩上がりの上昇トレンドをたどり、今年7月初には1,420ポイントを付け、過去最高値を更新しました。
新型コロナウイルスの感染拡大で多くのアジア株式市場は上値が重くなっていましたが、ベトナム株は相対的にコロナ感染が抑制されているとして、年前半はアジア株のなかで選好されていました。
2021年7月
コロナ感染で調整
7月に入ると、デルタ型の感染拡大でベトナムでも1日当たりの新規感染者数が1,000人を超え、これまで抑制されていた同国のコロナ感染者数が急増し、ベトナム株は調整しました。
コロナ感染の急拡大を受けて、ベトナム株は大きく調整しました。
VN指数は一時1,268ポイントまで急落しました。
最高値を更新
ベトナムは相対的にコロナ感染が進んでいないということで株式相場は最高値を更新しました。
ベトナムはアジアの中でもコロナ感染が相対的に抑えられており、それが好感されていて右肩上がりでした。
代表的な株価指数であるVN指数はほぼ右肩上がりの上昇トレンドをたどり、7月初旬に1,420ポイントを付け、過去最高値を更新しました。
2021年3月
VN指数が過去最高値を更新
3月の最終週にVN指数が過去最高値を更新しました。
3月29日に発表された1-3月期GDPは、製造業にけん引され、前年同期比+4.5%を記録しました。
輸出を通じて米財政政策の恩恵を受けることや、コロナ後の観光業の回復などが期待されるなど、良好な景気見通しを背景に、株価の一段の上昇が期待出来そうです。
2021年1月
利益確定売りで一時5%超下落
ベトナムVN指数は、1月19日に5%超下落しました。
ただ、同じ週後半は下落の約半分を取り戻しまいした。
株価下落については、特に要因が見当たらず、国内投資家の利益確定が要因と考えられているようです。
ベトナム株式は国内の緩和的な金融環境の下、個人マネーが流入し、昨年11月初から1月中旬までVN指数が、約29%の大幅上昇をしています。
2020年6月
ベトナム株式は回復途上
ベトナム株式市場は3月後半以降のリスクオン相場で回復途上にあります。
ベトナムでは新型コロナの抑制が上手くいっており、経済の早期持ち直し観測が強まっています。
元々ファンダメンタルズの中長期的な優位性が改めて評価されやすい状況で、それが株式相場にも反映されています。
ベトナム株式市場(VN指数)の業種別構成については、金融、不動産の構成比率が高く、これら2業種の指数影響が大きくなっています。
この2業種は新型コロナによるマイナス影響が大きいと見られたこともあり、大きく指数も下げましたが、今後のキャッチアップが期待されています。
不動産はベトナムの高い経済成長を享受できるセクターとして注目されています。
ベトナム政府は低い持ち家比率の引き上げを重要政策として掲げており、特に低価格住宅の開発を促進しようとしている状況です。
今回の相場上昇は、2018年当時の相場上昇と違って国内投資家主導です。
外国人投資家はむしろ売り越しています。
相場が急反発した後だけに、コロナの第二波や二番底懸念でグローバルなリスクオフがあった場合は利食い売りに押される可能性もありますが、バリュエーションに割高感はなく、中長期的なファンダメンタルズの優位性、外国人投資家資金の再流入の可能性を考慮すると、強気になって良いと考えられます。
2019年8月
国営93社の株式を来年末までに売却
ベトナム政府は、アグリバンクやベトナム郵電公社モビフォンといった国営企業93社の株式を2020年末まに売却する計画のようです。
民営化目標の達成に苦しんでいる政府がウェブサイトで発表しました。
invstem.com
- アグリバンク
- ベトナム・ナショナル・コール&ミネラル・インダストリーズ・ホールディング(ビナコミン)
- ベトナム・ノーザン・フード
など
- ベトナム郵電公社
- モビフォン
- ベトナム・ナショナル・コーヒー
- ベトナム・セメント・インダストリー
- サイゴン・トレーディング・グループ
など全62社
- サイゴン・ジュエリー
- ハウジング・アンド・アーバン・デベロップメント
- パワー・ジェネレーション・コーポレーション
- ハノイツーリスト
など27社
政府によると、政府が今年民営化する予定の18社のうち、2019年中に株式売却が行われたのは1社のみという事で、かなり低調です。
2019年7月
7月のベトナム株式市場
2019年7月のVN指数は、7月末時点で991. 66となり、前月比+4. 4%、年初来+11.1%となりました。
- 予想PER:16.4倍(2019年7月末時点)
- 予想EPS(1株あたり純利益)成長率:20%
上記の数値を見る限り割高感はないようです。
また、MSCI の「エマージング」指数への採用も引き続き期待されていて、これらも今後の同国株式市場を支える要因とみています。
invstem.com
6月のベトナム株式市場は大きな動きなし
ベトナム株式市場の動きを表すベトナムVN指数は、直近大きな動きはりません。
引き続き好調な輸出や海外投資により、2019年第2四半期のGDP成長率も前年同期比+6.7%と成長が続いています。
最近、国営企業の新規株式公開に関する修正案を発表し、2019-2020年における新規株式公開をする国営企業が103社に上る事が分かりました。
これらが株式市場の活性化と、継続的な経済成長の為の国営企業改革へとつながる事がが期待されます。
【2019年6月のベトナムVN指数の動き(出所:TradingView)】
2019年6月
5月のベトナム株式市場
5月のベトナム株式市場は一か月間で見ると下落しました。
月初は、FRBによる早期利下げ観測が後退して新興国株式全体が売られる中で、ベトナム株も同様の動きをしました。
しかし、その後、米中貿易摩擦の激化を受けてマーケットが軟調になる中でも、ベトナムが米中貿易摩擦によって恩恵を受ける可能性があることから、むしろベトナムマーケットは堅調な推移となりました。
しかし、最終的には
- 予想より悪いアメリカやヨーロッパの経済指標
- BREXIT関連での混乱
- アメリカの金利の逆イールド現象
などから海外株式市場と同様にベトナム株式市場は前月末比で下落して終了しています。
2019年4月
2019年4月は月次で見ると大きな動きなく、引き続き割高でもなく底堅い
ベトナム株式市場の指数であるベトナムVN指数の4月一か月の動きは前月と比べてほぼありませんでした。
加えて同指数の予想PERは16倍程度、予想EPS成長率が20%であることを考慮すれば割高感がない状況も変わりません。
今後MSCI の「エマージング」指数への採用が決まれば、更なる資金流入も期待できるでしょう。
割高感なく引き続き底堅く推移
ベトナム株の株価バリュエーションを示す予想PERは、2019年4月中旬で15倍前後となっています。
ここ3年の推移でみるとその範囲は11~21倍前後で推移しているので、2019年4月現在では株価バリュエーション的に割高感はみられません。
今後も引き続き、ベトナム株は堅調な経済成長とパラレルに上昇していく期待が持てます。
2019年3月
2019年3月のベトナム株式市場は上昇
ベトナム株式市場の動きを表すベトナムVN指数は、2019年3月末時点で980. 76となり、前月比+1. 6%となり、また年初来+9. 9%となりました。
取引高もホーチミン証券取引所における3月の日次取引高が2億190万米ドルとなり、2月の1億8,540万米ドルを超える取引高となりました。
ベトナム株式は、やはりまだまだ海外の影響を受けやすくベトナム特有のトピックで上下動はそこまで激しく起こりません。
2019年3月においては
- ⽶中貿易協議の進展期待
- ⽶国の利上げ⾒通しの解消
で上昇したと見られます。
ただ、VNインデックスが心理的節目である1000ポイントを超えると、どうしても利益確定売りが出やすい状況になっているようです。
ここ最近、ベトナムへの海外直接投資の増加が取りざたされています。
同国への海外直接投資額は41.2億米ドルに達し、前年同期比+6.2%となりました。今後の国策として海外からの投資を増やしていく予定であり、海外マネーがベトナム株式の上昇をけん引していく可能性もあります。
2019年1月に底打ちし、3月には年初来高値を更新
ベトナム株の代表的指数であるベトナムVN指数は、2019年1月3日に底打ちしてから堅調な推移となり、3月18日には年初来高値の1,011.86ポイントをつけました。
貿易摩擦問題や中国の景気問題など、不透明感のある環境ではあるものの、ベトナムの安定的な政治体制と外資導入政策等、比較的盤石な成長基盤が整っている事を背景に、雑音がなければ上昇が期待できる相場になっています。
2019年以前
2018年7月中旬に底入れか??
結構凄い上昇で昨年等は上がってきたベトナム株が、2018年に入ってからずっと調整を続けるのはうなづけるところがありました。
米中貿易摩擦や米ドル高に伴う新興国市場からの資金流出懸念などを嫌気し、大きく調整したわけですが、それを契機に一度利益確定した投資家も沢山いたはずです。
ただ、その流れも7月中旬頃から一服しているような感じになっています。底入れしたのでしょうか。ベトナムの代表的な株式指数のベトナムVN指数は、2018年7月中旬以降6週連続で上昇しています。
2017年大幅上昇、2018年前半調整
チャート的にはずっと上り調子で、2017年のベトナムVN指数は+48%も上昇しました。
しかし、2018年4月上旬位から下落に転じています。一つのきっかけとして挙げられるのは、同じタイミングでベトナム財務省が発表した自動車や不動産に対する新たな課税案でした。これが、上昇が続いていたベトナム株式において、利益確定売りを誘発したと思われます。
ただし、その後政府は新課税案の導入を見送っており、当面は増税の影響はないと思われます。
もう一つ挙げられるのは需給。株価上昇局面で積み上がっていた信用取引の買い残が、最近減少しています。これも株価下落の一つの要因になっていたでしょう。
今回の相場調整により、株価も落ち着いた水準に戻ってきた感じになっています。バリュエーションも相応で、起業業績の伸びとともに、株価もそれ沿った価格形成が期待出来るのではないでしょうか。2018年6月は仕込み時期としてもありかもしれません。
ブルームバーグ提供のチャートもご参考ください。
コメントを残す