インドネシア・ルピアの動きの経緯とまとめ

ここでは、インドネシア・ルピアに的を絞って見ていきます。

インドネシア国債やインドネシア株式に投資をする際も、通貨ルピアの動きは極めて重要です。ジョコ政権の政策や金融政策と合わせてチェックしていくと良いでしょう。

インドネシア全般については、インドネシアルピア 失敗しないためのポイント!

インドネシアの金融政策については、インドネシアの金融政策のまとめ2019年4月~

インドネシアの経済政策については、インドネシア・ジョコ政権の経済政策のまとめ

 

インドネシア・ルピアのチャート

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まずはチャートから

【インドネシアルピア・日本円のチャート直近5年間(出所:TradingView)】


2020年3月

史上最安値を更新

2020年3月23日、インドネシアルピアの対ドル相場が1ドル16,625ルピアと史上最安値を更新しました。

新型コロナ・ウイルスの世界的な感染拡大や原油価格の暴落などで、世界的なリスク資産の換金売りが進む中で、インドネシアの資本市場からも多額の資本が流出し、ルピア相場は大きく下落してしまいました。

インドネシアは元々経常赤字の6-7割程度を証券投資資本によって調達しています。

高金利の国債には多額の資本が流入しており、昨年末時点の外国人保有比率は39%に上っていました

その一方で国内為替市場の流動性は低く、海外資本の流出が加速すると一気に国債売りとルピア売りに伴って国債価格とルピア相場が同時に下落するという構造的なもろさを抱えているのです。

もちろんこの弱さをよく知っているインドネシア金融当局は、市場の安定化に向けた政策を複数導入してきましたが、今回の市場混乱を抑えることはできず、史上最安値の更新となってしまったのです。

コロナウイルスの影響でルピアが軟調

新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念が強まる中で、インドネイアルピアは2018年の新興国市場混乱時以来となる1ドル=15000ルピア台となりました。

2020年3月17日現在、ルピアは1ドル=15015ルピアと、18年11月以来の安値となっています。

投資家はドル資産に避難していて、海外ファンドはインドネシア債を今年これまでに41億ドル相当売り越している状況です。

コロナウイルスの影響意外に資源安の影響もあるかもしれません。

2020年2月

利下げでやや軟調

これまで上昇する事が多かったルピアも、2020年2月に入ると中国などでの新型肺炎の感染拡大への懸念からやや軟調な展開となりました。

ルピア(対米ドル)相場は、2019年10月の利下げ以降、米中通商協議の「第1段階の合意」などを受けて世界的にリスク選好の動きが強まる中、上昇する展開となっていました。

2020年1月には中銀高官のルピア高容認発言などもあり、1月下旬には2018年2月以来のルピア高水準をつけました。

2月の金融政策決定会合前には、予想が0.25%の利下げと据え置きに割れていたこともあり、今回の利下げを受けてルピアは弱含みました。

今後のルピア相場は、新型肺炎の感染拡大がルピアの上値を重くすると思われます。

ただ、中銀やジョコ政権による景気下支えへの期待に加え、下落時には為替介入も実施されると見込まれることなどが、ルピアの下支え要因にもなると思われます。

2019年8月

7月と打って変わって8月は軟調に

2019年8月に入ってからインドネシア・ルピアが軟調です。

インドネシア・ルピアは2019年7月に対米ドルで+1.6%と主要アジア通貨最大の上昇率を記録しましたが、8月に入ってから軟調になりました。

【インドネシアルピアー日本円の直近1か月間の動き(出所:TradingView)】

7月に流入した資本が逆流し相場を押下げた形です。

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なぜ7月に資本が流入したのでしょうか
7月に資本が流入した背景

  1. 米利下げ期待による先進国長期金利の低下
  2. 6月のG20で米中摩擦が緩和されたこと
  3. 人民元相場の安定化に伴うルピアの変動性の低下
  4. キャリー取引の活発化
  5. 5-6月の貿易収支の改善
  6. 5月末のインドネシア国債の格上げ

といった所があげられるでしょう。

しかし、その後の7月末のFRBの利下げが長期的な利下げの始まりではないと発言した事やその後の米中貿易摩擦の激化で、世界的にリスクオフとなり、インドネシアルピアも同様の下落となってしまったのです。

7月に中央銀行は利下げを開始したわけですが、今回のリスクオフがどう影響するか、インドネシアルピアを見る上で大切なポイントとなるでしょう。

2019年5月

2018年12月以来の低水準

インドネシア・ルピアは2019年5月22日、対ドルで0.28%下落し、昨年12月28日以来の低水準となる1ドル=1万415ルピアをつけました。

これに対してインドネシア中央銀行の高官は、ルピアを安定させるために「市場にいる」と述べ、今のルピア安が、輸入のための(ドル)需要と配当の資金還流のために起こっているもので、心配するに足らないとコメントしています。

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