ここでは、インドネシアへの投資に関して、関係のありそうなインドネシアの政治ネタを拾っていきたいと思います。
2021年6月
次期大統領選挙で与党内の動きが少しずつ活発に
インドネシアのジョコ大統領が所属する与党内で、2024年の次期大統領選に向けた候補者争いが激しくなってきました。
連立与党として、人気が高い2代スハルト大統領の元娘婿と初代スカルノ大統領の孫娘を大統領と副大統領のペアとして候補にかつぐ案が浮上していまする。
ただ、党内基盤の弱さが指摘されているようです。
最大与党・闘争民主党のハスト幹事長は6月中旬、次期大統領選の候補者選びを巡り、党首であるメガワティ元大統領が決定権を握るとの見方を示しました。
メガワティ氏は初代スカルノ大統領の長女で、大統領退任後も党内で大きな影響力を持っています。
メガワティ氏の意中の人とされるのが、連立与党のグリンドラ党の党首も務めるプラボウォ国防相です。
メガワティ氏が返り咲きを狙って敗北した09年の大統領選時に副大統領候補としてペアを組みました。
現状、支持率ではプラボウォ氏が21.5%で首位を独走しています。
ただ、問題は同氏が初代大統領のスカルノ氏から事実上政権を奪い取った2代大統領スハルト氏の娘婿であるという事です。
それでも、同氏以外に候補がおらず、メガワティ氏はプラボウォ氏を候補にかつぐ選択肢を捨てられません。
世論調査では闘争民主党所属で中部ジャワ州知事のガンジャル氏が12.6%で2位につけています。
彼はSNSをうまく使い、350万人以上のフォロワーを抱えるインスタグラムを通じて党の頭越しに発信したりして、党内には同氏の言動を煙たがる党員も多いそうです。
闘争民主党は24年2月に予定する大統領選投票に向け、23年初めにも候補を決めるとみられます。
プラボウォ氏はスハルト政権時代の陸軍特殊部隊出身であるため、一部の人たちにアレルギーがあります。
党内には一定の人気を維持するジョコ氏が3選を禁じる憲法を改正して三たび出馬することに期待する声もあります。
2020年12月
イスラム教強硬派の指導者が逮捕
イスラム教強硬派指導者(シハブ氏)が2020年12月に逮捕されました。どの様に政治状況に影響を与えるか注視されます。
シハブ氏はその政治的影響力などから動向が注目されてきた人物でした。
こうしたなか、警察は娘の結婚披露宴における行動規制違反を理由にシハブ氏を逮捕しました。
これに対して、熱狂的な支援者の反発が懸念されます。
政治腐敗などが国民の政治不信を招き、その受け皿として宗教右派が存在感を高めており、今後政治情勢が混とんとする可能性があります。
2020年10月
再拡大する縁故主義
12月9日投票のインドネシアの全国統一地方選でジョコ大統領ら有力政治家の親族が相次ぎ、立候補を表明しています。
1998年のスハルト長期政権の崩壊と、その後の民主化で排除されてきた縁故主義が政界で再び広がる気配があります。
ジョコ氏の長男で飲食チェーンなどを営むギブラン氏は中部ジャワ州のソロ市長選に出馬しました。
ジョコ氏も2005年に実業家から同市長に転身し、その後、ジャカルタ特別州知事を経て大統領に当選したという経緯があります。
娘婿のボビー氏も北スマトラ州のメダン市長に立候補しました。
ジョコ氏と14、19年の大統領選で戦ったプラボウォ国防相のめいはバンテン州の南タンゲラン市の副市長選に出馬していますし、マアルフ副大統領の娘は同市の市長候補になりました。
それぞれ別の市長候補、副市長候補とペアを組んで立候補しているため、敵同士となります。
こうした有力政治家の親族の出馬が相次ぐ背景には憲法裁判所の判断があるとされています。
2015年には現職政治家の家族や親戚の首長選への出馬を禁じる地方選法が成立したものの、憲法裁は同法が「機会の平等」に反して違憲だと判断したのです。
インドネシアを30年以上統治したスハルト元大統領の時代、縁故主義がはびこっており、これがアジア通貨危機の打撃を拡大し、スハルト氏の退陣につながったとされています。
同国で初めてエリート層の出身でない大統領となったジョコ氏は縁故主義と距離を置くと期待されていただけに、その同氏が身内の出馬を許した事で、社会には失望が広がっています。
2020年7月末に実施した世論調査によると、政治の縁故主義について60.1%が肯定しないと回答しており、やはり民衆の支持は得ていません。
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