ブラジルレアルは上がるのか?現状から今後の行方まで色々なポイントで考えるブログ

このブログは、

  • 依然高い利回りであるブラジルレアルに投資をしてみたいが、どういう所に気を付けたら良いのか分からない人、または
  • 既に投資をしているがここ最近のブラジルレアルの不調さを不安に思っていて、色々と調べている方

向けに書いている投資ブログです。

ここ最近低い水準で推移するブラジルレアル。利回りの高さからとても魅力的ですし、見通しを考えるとき、ここまで落ちているのだからもうそろそろ上がるのでは、と思ってしまいます。

筆者はバリュー平均法でブラジルに2016年から投資をしている個人投資家です。含み損を抱えている状況ですが、投資は継続しています。

ずっと投資し続けています。以下に書いてある通り、この国のポテンシャルを考えれば長期で見れば上がる可能性が高いと思っているからです。

このブログはブラジルの基本情報のみならず、最近ブラジルとブラジルレアルで何が起こっているか網羅的に知りたい人に向けて書いているものです。

ブラジルレアル、ブラジル株式のチャート

invstem.com

まずはチャートを見てみましょう。

左上の「BRLJPY」がレアルー円、「USDBRL」がドルーレアル、「JZY0」ブラジル株式の代表的指数であるボベスパです。

クリックする事でご覧いただけます。

期間:直近5年(出所:TradingView)


2014年は1レアル=50円位だったことも考えると、かなりレアル安になっています。

ブラジルレアル、2020年5月にはボルソナロ大統領の汚職疑惑で最安値を更新

2020年5月12日、レアルが対ドルで前日比1.1%安の1ドル=5.88レアルで取引を終え、ブラジル市場の終値で最安値を更新しました。

【2020年のUSD-BRLの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

【2020年のBRL-JPYの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

対円では1レアル=18.01円程度でこちらも最安値です。

ボルソナロ大統領が家族のために警察人事に介入した証拠が出たと地元メディアで報じられ、通貨安が進みました。

新型コロナウイルスによる1日の死者数も過去最多を記録し、政治や経済の混乱が嫌気されています。

レアル投資家にとって受難の状況が続きます。

今後のレアル相場については、当局の通貨安けん制姿勢が下支え要因となるとみられる一方で、大統領を巡る政治動向がマイナス方向に働きそうです。

大統領の言動を巡る政局の混迷は、国内で急拡大するコロナ禍への政策対応の妨げになるだけでなく、構造改革の進展にも悪影響を及ぼすと懸念されます。

ここに加えて上記の汚職疑惑が続きます。

まずはコロナ感染者の拡大がどこまで進むのかに注目する事になりそうです。

感染拡大が進めば、結局その影響が多方面に出て最安値更新が続く可能性があります。

2020年5月時点での水準は、レアルの実質実効為替レートの過去10年平均に対し約30%以上割安な水準にあるとのレポートもあり、時間分散をきかせて仕込むのもありです

ブラジルの通貨、ブラジルレアル

 2023年のブラジルレアルの見通しは・・・

2023年からの大統領がルラ氏に決まった事で、投資家もどこまで現実路線が採られるか、という所です。政権も金融市場を全く無視するわけにもいかないでしょうから、ある程度現実路線の考え方を導入するものの、ひとたび支持率に影響が下がれば、いつものようにバラマキに回帰する可能性が高く、それは通貨や株価を押し下げるでしょう。

今からレアルを初めて買うという場合はもう少し様子見をした方が良いでしょう。

既に持っている人はじっくり腰を据えて一定程度の金利収入を確保しつつ気長に押し目買いを繰り返しながらリターンを積んでいくといった所が正攻法ではないでしょうか。

しかし、ボルソナロ大統領の就任期間においては、なかなか厳しい状態でした。

【2018年以降2023年3月までのUSD-BRLの推移(出所:TradingView)】

ボルソナロ大統領になってからは、基本的にレアル安の傾向でした。

あくまで結果論ですが、高金利であってもここまで下落傾向だとなかなか厳しいです。。。

仕込むタイミングは政治的な情勢をしっかり見据えておくことが大切でしょう。

ルラ氏が次期大統領に決定後、ブラジルレアルはボックス圏に、株価は下落

ルラ氏の経済政策に関する動向で当初は一喜一憂している感じがありましたが、実際に就任して数か月たつと、レアルマーケットの動きがどんどん小動きになってきました。

一方で株式指数は切り下がっていく感じで推移しました。

株価については第一次政権の時と同じように上昇基調に持っていけるか、注目です。

【2022年10月~2023年3月下旬までのボベスパ指数の推移(出所:TradingView)】

前回のルラ政権時の際のマーケットの動き

【ルラ第一次政権時(2003年1月~2011年1月)のUSD-BRLの推移(出所:TradingView)】

【ルラ第一次政権時(2003年1月~2011年1月)のボベスパ指数の推移(出所:TradingView)】

前回のルラ政権の時は、レアルは対ドルで上昇し続け、また株価も基本的に上昇しました。

2020年3月の時のドルーレアルの状態

2020年3月におけるマーケットはもはや投げ売りに近い状況でしたので、こういった時は冷静になって丁寧に下値を拾っていくべきでしょう。

【2020年のUSD-BRLの推移(出所:TradingView)】

もっとも、2020年3月~5月にかけて大きく下がった後、一瞬持ち直すのですが、そのあとまた同じ水準まで戻しています。

ここら辺の経緯は以下の書籍で経緯をご確認ください。kindle unliitedで無料でお読みいただけます。

ボルソナロ大統領の改革については手始めとなる年金改革は2019年10月に成立しました。

次は財政や税制改革です。内容は下の方に記していますので、そちらもご参考ください。

上記についても憲法改正が必要なものがあり、議会対策など、政治的なポイントがいくつもあって、それいかんによってブラジルレアルは大きく揺れ動く事でしょう。

コロナウイルスの様に、内政のみならず外部要因でも脆弱な動きをする場合がありますから、引き続き外部要因にも注意しておくべきです。

注意
財政改革の成否如何で乱高下するかもしれない事を考えれば、単純にブラジルの成長期待というだけで投資すると短期では大きなリターンを得れない可能性も高いかもしれません。

やはりオススメはじっくり腰を据えて一定程度の金利収入を確保しつつ気長に押し目買いをしながらリターンを積んでいくといった所が正攻法ではないでしょうか。

仕込むタイミングは政治的な情勢をしっかり見据えておくことが大切でしょう。

ブラジルレアルの底は?

今後の見通しを考える場合、まずは直近の最下限はどこなのかを知っておく必要があります。

それは、

2020年5月12日 1米ドル=5.88レアル
2020年5月12日 対円で1レアル=18.0円で史上最安値を更新

の二つですが、最安値を更新したばかりであまり意味がないですね。。。

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こういう時は冷静になって下値を丁寧に拾っていくというのが個人的なおススメです。

世界的な大暴落が起きた2020年3月9日、ブラジルにも大きな影響が及びました。

その後何度も最安値を更新しており、もはや底が見えない状況になりつつあります。

マーケットがとにかく投げ売りの状況となっており、感情的になっています。

こういう時こそ落ち着いて丁寧に下値を拾っていきたい所です。

ブラジルレアルの今後の見通し

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繰り返しになりますが。。。

今後の見通しを考える場合、まずは直近の最下限はどこなのかを知っておく必要があります。

それは、

2020年5月12日 1米ドル=5.88レアル
2020年5月12日 対円で1レアル=18.0円で史上最安値を更新

の二つでしょうか。

今後のイベントで注意すべきなのは、

  1. 利上げ局面の停止、
  2. 2022年10月の選挙の行方

の二つでしょう。

このうち、1については、現在中銀は通貨レアルの対ドル相場下落を食い止め、食料品を中心とした物価上昇を抑制するために利上げを続けてきていますが、これがそろそろ終わりに近い、という事です。

米金融引き締めによるドル高や世界景気後退懸念によって、レアルを押し下げる可能性があり、注意が必要です。

2については、(執筆中)

ビッグマック指数(≒購買力平価)で考えた場合のBRL

もう一つ、通貨が割安か否かを考える時のツールであるビッグマック指数と実際のレートを検討してみましょう。

ビッグマック指数の説明等は↓をご参考ください。

割安な新興国通貨はどれだ??購買力平価(ビッグマック指数)で考える簡単チェック

日本のビッグマックは390円、ブラジルでは22.9ブラジルレアル(2022年7月現在)。

1BRL 17.03円(2022年7月末時点)

が購買力平価説を基にした簡易的なブラジルレアル・円の為替レートになります。

こうした所からすると今の為替レートは高めになっているという事ですね。

ブラジルレアルの急落・暴落の可能性は?

今後、極端なレアル安になる可能性はあるのか。

もちろん可能性はあります。

まずは政治の混迷です。

何度も繰り返しになってしまいますが、ボルソナロ政権がしっかりと政治改革を遂行できるか。

注意
例えば、汚職疑惑などで国会が空転したりすると、前政権や前々政権の様に遅々として物事が進まず、そのままレアルも下降といった事になりかねません。

もう一つは、やはりグローバル経済の低迷です。

貿易摩擦問題や、その他世界政治に絡む問題でリスクオフになったりすると新興国通貨はまず売られてしまいます。

例えば、2019年8月などには、なんとなくブラジルの内政(改革の進展など)などよりも米中摩擦の激化やアルゼンチンペソの急落といった外部要因でブラジル経済が危ぶまれる感じが強くなっていました。

もっともこれはどの新興国通貨にも言える事であり、ブラジルレアル特有の問題ではありません。

ブラジルレアル安になる理由は、政治の混乱と財政懸念

2015年に当時の史上最安値を更新した背景として、政治の混乱がありました。

現在も大統領選挙は混とんとしているので、政治不安につながるともっと大きな下落圧力につながる可能性があります。

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当時ブラジルレアルが回復したのは、ルセフ前大統領が辞職し、テメル大統領代行の大統領昇格となった後、政治機能の回復が見られたためです。
MEMO
2019年においてお政治が重要テーマであることは変わりありません。まずは年金改革の行方を見守る所からです。

ブラジルの金利

2023年5月時点の政策金利 13.75%

ブラジルの政策金利の推移は以下をご覧ください。kindle Unlimitedで無料でお読みいただけます。

【最新】ブラジルの政策金利と金融政策の推移とまとめ2018~

直近の金融政策決定会合

ブラジル中央銀行は5月3日開いた金融政策決定会合で、政策金利を13.75%で据え置きました。

据え置きは6会合連続となります。

声明文では、財務省が3月末に発表した新たな財政枠組み案などを受けてインフレ見通しの不確実性は一部後退したと記され、更なる利上げは可能性が低いとしました。

一方で、インフレ期待がインフレ目標から乖離していることを引き続き問題視しており、利下げには慎重な姿勢を示しています。

【2018年以降のブラジルの政策金利の推移(出所:TradingView)】

ルラ大統領が中銀へ圧力

2023年初頭、ルラ大統領が中央銀行へ圧力をかけているとして問題になっています。

同大統領は拡張的な財政政策を志向しており、その立場から、ブラジル中銀が採っている高金利政策を批判しています。

一方で金融市場は中銀の対応を評価しており、ルラ氏による批判が続けば為替相場にマイナスの影響もありそうです。

インフレ率は引き続き鈍化傾向

2023年4月11日に発表された2023年3月の消費者物価指数は、前年同月比で4.65%の上昇でした。

2021年1月(4.56%)以来の低い水準です。

税率引き下げが寄与したものであり、これ以降は下がりにくいとの見方が多いようです。

【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】

ブラジル株式市場の現状

ブラジルレアルの代表的指数ボベスパはページ最上部のチャートと合わせてご覧ください。

長期的なブラジル・ボベスパ指数の動き

まずは長期的な目線でブラジルの株式市場がどう動いてきたのかを見てみます。

【2002年~2022年11月末までのボベスパ指数の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

あくまで現地通貨ベースではありますが、20年スパンで見ると5倍以上になっています。

レアルー円の長期推移も見てみましょう。

【2007年~2022年中盤までのブラジルレアルー日本円の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

こちらは2007年以降なのでそのまま推移をあわせて比較することは出来ないのですが、2002年以降から見ても、レアルー円で一番レアル高だったのは2007年~2009年頃です。

その頃は1BRL=65円程度の水準でした。

2022年現在で20円台であることを考えると、一番高いところからは3分の1まではいきませんが、かなり減価している事が分かります。

日本の投資家がブラジル株式に投資をしていれば、為替で多少負けていたとしても、十分プラスを確保できている計算です。

執筆中

2020年3月9日の大暴落

2020年3月9日の週でブラジルの主要株価指数ボベスパは大暴落し、1年7か月分の上昇が一気に無くなりました。

背景

他国同様、新型コロナウイルスの懸念深刻化による売りが殺到したためです。

3月12日の取引時間中では、2度にわたりすべての株式売買を中断する措置(サーキットブレーカー)が発動されました。

これで前週末比からの下落幅は約26%となり、1年7カ月分の上昇分が帳消しとなりました。

【ボベスパの推移(2019年12月15日~2020年3月13日)出所:TradingView】
今週同措置が発動したのは3日目です。
地元メディアによると、1日に2度の発動は2008年の金融危機時でも実施されておらず、1日の下落率としては22年ぶりの大きさだという事です。

ルラ氏が立候補表明してからのボベスパ指数の推移

©Trading View

ルラ氏の立候補表明があった5月には一旦落ちましたが、その後再び上昇しているため、今のところルラ氏の立候補が株式市況に決定的に悪い影響を与えているかというと、そこまではないでしょう。

ただ、選挙戦が本格化する中で、財政懸念が増加したり、または企業負担が増加するといったようなことが出てくれば、当然ネガティブに反応するでしょう。

そこは副大統領のアルキミン氏のコントロールがどこまできくのか、といった所が注目されます。

ブラジル債券への投資は?

ブラジルへの投資で最もポピュラーなのはブラジル国債などの債券投資でしょう。

これ以外にも例えば公的機関(例えば世界銀行)などが、ブラジルレアル建ての債券を発行したりしていますが、大体同じくらいの利回りになっています。

短期金利が6.5%程度という事で、高い利回りを求めている人には引き続き魅力のある投資先ではありますが、今投資をするのは、やはりブラジルレアルの為替益狙いという性格もかなり持つことになるでしょう。

為替は全ての要因が複雑に絡み合って、価格形成がなされます。すべてを把握するのは不可能ですが、大まかな所だけでもポイントを押さえて投資する事が重要です。

因みに、ブラジル債券への投資は証券会社で買うことが出来ますし、売買タイミングを縛られたくないなら投資信託が一番良いでしょう。

ブラジルの大統領と選挙

2022年10月には新しい大統領を選ぶ選挙があります。

2023年からの新しい大統領はルラ氏に

10月30日投開票された大統領選の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が当選を決めました。

2023年1月に就任し、任期は4年です。

2016年8月以来、約6年半ぶりの左派政権となります。

再選を目指した現職の右派ボルソナロ大統領(67)との大接戦で、国内の分断という課題が鮮明となり、かじ取りが難しくなりそうです。

ルラ氏は、今後低所得者層を重視した政策、例えば社会福祉政策の拡充や富裕層への増税などを行うとみられます。

また、歳出上限法案の撤廃を公約に掲げていたことから、市場では財政規律の緩みが警戒されています。その他にボルソナロ氏の政策方針と異なるものとして、国営企業の民営化の撤回や、
BRICSとの関係強化などを主張しています。ただしルラ氏の所属するPTでは、中道右派のアルキミン氏を副大統領候補に承認しており、市場の左派政権への過度な懸念を抑えようとしていましたが、どこまで市場に配慮した政策になるかは未知数です。

前回どの様な動きになったかについては、以下の書籍をご参考下さい。

前回は世論がかなり二分されましたが、今回はどうなるでしょうか。

ブラジルへ投資が出来る金融商品の解説

ブラジル資源株式ファンドとは

ブラジルの株式市場に上場している会社に投資をしているファンドと、世界全体の資源関連の会社に投資をしていて、通貨をブラジルレアルでヘッジしているものと二つありますので、どちらが自分のニーズに合っているか確認する必要があります。

一般的にはブラジルの資源関連株式だけだと銘柄数が限られてしまいますので、世界の資源株式に投資をして、通貨をブラジルレアル建てにヘッジするといった類の方が不通と言えるでしょう。

ブラジルの社債

こちらもブラジルの会社が発行している社債のみを扱うファンドというよりは、新興国の会社の社債を投資対象としていて、通貨をブラジルレアルにヘッジしているものなどが多いようです。

BRICSの一国 ブラジルの経済・産業

経済は南米トップ、世界トップ10に入る規模

ブラジルのGDPは2兆ドルを超え世界トップ10に入る経済大国で名実ともに南米トップの国です。経済規模だけでいうならばカナダより大きく、イタリアと同じくらいになっています。

2017年~2022年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)

©Trading View

新興国とは思えないくらい、低い成長率が続いています。

GDPは6四半期連続のプラス成長

2022年9月1日発表された2022年4~6月期のGDPは前年同期比で3.2%増となりました。

ボルソナロ政権が実施した現金給付策の拡充や減税策で、家計消費が堅調に推移しました。

6四半期連続のプラス成長で、1~3月期(1.7%増)から加速しましたが、需要の先食いとの見方が多く、先行きへの懸念はむしろ強まっているようです。

【直近5年のブラジルのGDP成長率の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

ブラジルの人口

人口も多く、その数は約2億人です。しかし、人口が多いので一人当たりのGDPになると8700ドル(2017年)ほどと、世界でも70番目くらいの位置です。出生率は1.8程度で新興国の中では少し低めかもしれません。

ブラジルの農業

ブラジルの第一次産業のGDPに占める割合は約5%です。

広大な国土、温暖な気候、多くの水資源を有しているため世界有数の農業生産国となっています。

現在の耕地は約8,000万ヘクタールあると言われており、更に耕地利用が可能な土地も数多くあるため、海外から注目されています。

有名な生産品はやまりコーヒー豆。これは世界第一位です。

他にもさとうきび、オレンジも世界第1位です。大豆、たばこ、牛肉、鶏肉なども盛んに生産されており、いずれも世界第2位、とうもろこしは世界第3位の生産量をほこります。

因みに、NAFTA交渉の影響で、メキシコへのトウモロコシ輸出が急増しています。

資源国としてのブラジル、中国の影響も注意

鉱工業の分野では、南米の生産の約60%を占めています。ブラジルは、資源が豊富な国で、特に鉄鉱石には強みがあり、産出量は世界第2位と、輸出余力もかなりあります。

ちなみに、鉄鉱石の輸出を担っているのがヴァーレという会社で世界4大鉱物メジャーの一つになっています。

この鉄鉱石の一大消費地は中国ですので、その価格は中国の需要が変動要因の一つとなります。

中国は産業合理化を行う為、過剰な設備の廃棄を行っており、鉄鋼生産量が減少傾向にあります。

中国の政策もブラジル投資を考えるとき重要です。中国に関するブログは以下をご参考にしてください。

中国のブログ

鉄鋼の大きな輸出先であるアメリカの保護貿易政策の件については、ブラジルは適用除外の扱いを受けています。

ブラジルは石油の産出もしています。

ペトロブラスという会社が海底油田の探索に成功し、自給のみならず輸出も行えるようになりました。

科学技術の発展にも注力

ブラジルは、南米で最も発達した工業国でもあります。

ブラジルの工業分野は、自動車、鉄鋼、コンピュータ、航空機など多岐にわたります。これらブラジルの科学技術の発展は、外資の導入を誘致することに成功したと言われています。

日本も多くの企業が現地法人を設立したり、工場を持ったりしています。

今後も経済発展するための素地は既に持っていると言えるでしょう。

ブラジルのインフラ劣化に伴う経済への悪影響

2018年以降、とにかくブラジルで橋やダムなどインフラのトラブルが頻発しています。

これによって物流も滞り、商品市況に影響を与えかねない事態が相次いでいます。

2019年4月には北部パラ州の橋が崩落し、大豆の輸出港につながる主要道路が閉鎖されました。

2018年にはトラック運転手のストライキで鶏肉、19年1月にはダム鉱山の決壊で鉄鉱石の輸出が滞り、国際相場を押し上げました。

資源や食料で世界経済に欠かせないブラジルですが、インフラのもろさからくる物流機能不全というリスクが浮き彫りになっています。

ブラジルが世界シェアの約2割を誇る鉄鉱石でも、同様のインフラ崩壊にからむ国際相場への悪影響が出ています。

2019年1月に資源大手ヴァーレが保有する鉱山ダムが決壊し、行方不明者を含め300人超の犠牲者が出たのです。

同社は事故を受け複数の鉱山の稼働を停止し、輸出見通しを急減させたことで、鉄鉱石相場を押し上げました。

国連はブラジル政府に対し、物流インフラの改善を求めてきましたが、歴代政権は無視してきました。

背景には予算不足という根本的な問題が横たわっています。

特に最大のネックは、50代から受給資格を得ることができる年金制度です。

労働争議により、インフラが機能しなくなるという問題もあります。

2018年5月には燃料費の値上げに抗議するトラック運転手らのストライキにより、1週間以上にわたり物流網が停止し大きな社会混乱を引き起こしました。

ブラジルの政治

大統領制で議会は二院制

ブラジルは大統領制です。大統領および副大統領の任期は4年で、3選は憲法で禁止されています。

議会は上院(元老院、定数81)・下院(代議院、定数513)の二院制を敷いています。

現在の大統領や直前の大統領については「ブラジルの大統領」で記述しておりますのでご参考にしてください。

ボルソナロ氏の政治リスク

ボルソナロ政権の改革を進める上で国民からの支持は欠かせませんが、ボルソナロ氏がめちゃくちゃクリーンな政治家なのか、というと必ずしもそうとは言い切れません。

実際に、不支持率が支持率を上回る状況が続くなど、決して好調というわけではありません。

ただ、ボルソナロ大統領は年金制度改革を含めた財政再建を行うなど、過去のブラジル大統領と比べ市場からの評価・期待は高い事はある程度確かです。

そのため大統領が支持を落とすことは市場の不安材料とみなされる可能性があり注意が必要と言えます。

ブラジル政治は少数政党が乱立し、連立での政権運営が行われているため、ボルソナロ大統領の立場はそこまで強いわけではありません。

それでもやっていられるのは国民からの支持があるからです。

これを失うと大統領の求心力が失われ、さらなる改革期待の後退や最悪の場合は政権交代の可能性もあるかもしれません。

特に与党内では大統領の息子達が幅を利かせたり、身内重用も目立っていて、こうした行動が支持率低下に拍車をかける可能性があります。

ブラジルの大統領は、スキャンダルで常に世間から見放され、下野する事が多かったこともあり、この問題に継続的に注意していく必要があると思われます。

コロナウイルスを巡る対応でボルソナロ大統領と州政府が対立

新型コロナの感染拡大を受け、ブラジルでは州政府レベルでの都市封鎖が行われています。

しかし、ボルソナロ大統領は経済活動の混乱を嫌気し都市封鎖に反対しており、州政府と対立しているのです。

ブラジル国民は州政府による感染防止策を支持しており、ボルソナロ大統領への抗議活動が行われています。

これが原因で上記の様に国民からの支持が失われると、再び政治で混乱するブラジルに後戻りです。

相次ぐ閣僚の辞任で大統領の求心力低下を懸念

2020年4月、マンデッタ保健相とモロ法務・公安相がボルソナロ大統領との対立を理由に辞任しました。

マンデッタ氏はコロナウイルス対策の対立、モロ氏は法務大臣として適切に職務が遂行できていないという理由からです。

マンデッタ氏のコロナウイルス対策は国民や州政府、議会からも支持されており、また、モロ氏はその汚職追及の姿勢が国民から高い評価を受けていた為、どちらもボルソナロ大統領にとって大きな痛手となるはずです。

今後の求心力の低下で改革が停滞する事が懸念されます。

おすすめのブラジル投信は?

個人的にお勧めするのは、やはり外資系の運用会社の商品か、国内の運用会社でもしっかりとした海外のブラジル運用に強い運用会社に外部委託している商品です。

信託報酬が若干高くなる傾向にありますが、信託報酬の高さばかり気にして、肝心のリサーチ体制やパフォーマンスを置き去りにしてはいけません。

パフォーマンスは1年などの短期ではなく、なるべく長めのもののほうがパフォーマンスの差がしっかり出ます。参考にできると思います。

また、純資産が最低でも10億円はあるものが良いと思います。

あまりに純資産が小さいファンドは、運用会社も入ってくる信託報酬が多くないので繰り上げ償還(途中でファンドの運用をやめてしまうこと)をする可能性が高くなってくる為です。

加えて個人的に重視しているのはレポートの充実です。

投資する前も投資した後も質の高いレポートがたくさん出ている事は大切ですね。

特にしっかりと相場観を記している所は重宝するものです。

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11 COMMENTS

Kimora Marina

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