ここでは、インド経済に関する様々なデータについて記述していきます。
但し、GDP関連に関しては以下の記事でカバーする事にします。
インドへの投資を検討する際に、同国のデータや数値がどうなっているかを確認して頂けるように編集していきます。
2024年10月
CPIは5.49%に加速
9月CPIは、8月の前年同月⽐+3%台から同+5.49%に加速しました。
9月が低かったというのもありますが、⾷品価格の上昇が市場予想を上回ったことが要因と思われます。
中銀のインフレ許容範囲の上限は6%ですが、そこら辺まで加速する可能性が高いと見込まれています。
2024年9月
CPIは3.7%プラス
2024年8月のCPIは前年同月比+3.7%と、2カ月連続で中銀の物価目標値の+4.0%を下回りました。
食品価格の前年同月比伸び率についてですがこちらも低く抑えられています。
米FRBが9月に利下げを開始すれば、インドも10月の金融政策決定会合で利下げに踏み切る可能性があります。
2024年8月
GDPは6.7%の成長
インド政府は8月30日、4~6月期のGDPの成長率が前年同期比で6.7%だったと発表しました。
人口増加などを背景にプラス基調が続いています。
総選挙期間中の政府支出の抑制を背景に、伸び率は7.8%を記録した1~3月から減速しました。
【2011年以降のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
2024年5月
GDP、8.2%成長
インド政府が5月31日発表した2023年度(23年4月~24年3月)のGDP成長率は8.2%でした。
政府による事前予測は7.6%成長だったので上振れています。
製造業などが好調で、22年度の成長率である7%を上回ったようです。
格付け見通しを安定的に
S&Pはインドのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げました。
背景としては、インドの経済ファンダメンタルズが改善しており、財政改革も進展が見込めるから、といったところです。
インドでは4月に総選挙の投票が開始され、その状況が注目されていますが、この投票結果にかかわらず、インド経済の改善と財政改革が幅広く継続されると見込まれています。
インフレ率が落ち着き
インド政府は5月13日、4月の消費者物価指数が前年同月比4.83%上昇したと発表しました。
インド準備銀行が許容上限とする6%を8カ月連続で下回りました。
【直近6年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
今回の総選挙は物価を重視する国民が多いと言われており、与党・インド人民党(BJP)に追い風となりそうです。
2024年4月
製造業PMIが16年ぶりの水準
インドの3月製造業PMIが2月の56.9から59.1へ大幅に上昇しました。
この水準は16年ぶりの高水準ですが、背景としては生産と新規受注の力強い拡大があると思われます。
2024年1月
成長率目標を引き上げ
インド政府が、2023/24年度(23年4月~24年3月)の実質GDP成長率予測値を前年比+7.0%から+7.3%へ引き上げました。
2023年12月に同+6.5%から7.0%へ引き上げたばかりでしたが、7-9月期のGDPの上振れを受けて、さらに上げたものと思われます。
この水準はもちろん主要国の中で最も高い成長率予想です。
2023年12月
インフレ率は5.55%のプラス
インドの11月消費者物価指数が発表されました。
前年同月比+5.55%と、中銀の物価許容範囲の上限6%を顕著に下回りました。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
食品・燃料を除くコアインフレが低下傾向にあり、インフレ懸念は限定的です。
来年半ば頃の利下げへの期待を強める内容と考えられます。
2023年11月
GDPは7.6%成長
11月30日、2023年7~9月期のGDPの成長率が7.6%だったとの発表がありました。
インド準備銀行などの予想値を上回った数値で、順調な経済成長を続けています。
【直近5年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
2023年10月
CPIは落ち着きを取り戻す
インドの9月CPIは市場予想の前年同月比+5.4%を下回る同+5.0%へ鈍化しました。
背景は、天候不順による野菜価格の高騰が収束したことなどがあげられます。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
3カ月ぶりに中銀のインフレ許容範囲の2-6%に収まりましたので、利上げ局面終了の可能性を高めたと言えます。
2023年9月
CPIは沈静化の兆し
インドの8月CPIは前年同月比+6.8%でした。
7月の同+7.4%から鈍化し、また市場予想以上に鈍化したことも安心材料と言えます。
トマト価格の高騰が沈静化し、タマネギに関しても政府の政策で、価格の上昇は一過性で終わりそうです。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
2023年8月
4-6月のGDPは7.8%上昇
8月31日、2023年4~6月期のGDP成長率が7.8%との発表がありました。
好調なサービス業や個人消費がけん引したようですが、物価上昇が懸念材料となりそうです。
【直近5年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
CPI、一時的要因で上昇
インドの7月CPIは市場予想の前年同月比+6.5%を大幅に上回る同+7.4%を記録しました。
これはトマトの価格高騰を主因とする一時的なものと思われます。
コアインフレも鈍化傾向にあるため、インフレ圧力の高まりは限定的でしょう。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
2023年7月
景況感も回復
インド準備銀行が2カ月に1度発表している消費者信頼感指数によると、5月の現状指数は88.5でした。
これは新型コロナウイルス禍が本格化する前の水準を回復した、ということです。
旅行や高額消費の復活で企業業績も改善し、株価も上昇する好循環が久しぶりに生まれています。
CPIが予想以上の伸び
2023年7月12日に発表された6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.81%上昇でした。
これは市場予想の4.6%上昇、前月の4.25%上昇を上回る水準です。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
食品価格の上昇が市場の想定を上回ったことなどが、今回の上昇の背景とみられます。
2023年6月
インフレ率は鈍化
インドの5月消費者物価指数は、前年同月比+4.25%となりました。
市場予想以上に鈍化しています。
食料品やガソリン価格の下落が寄与したと思われます。
【直近5年のインフレ率の推移(出所:TradingView)】
2023年5月
2022年度の成長率は7.2%
5月31日に発表した2022年度(22年4月~23年3月)のGDP成長率はプラス7.2%でした。
2021年度のプラス9.1%に比べると減速です。
コロナ禍からの消費回復の後押しもあり、内需が堅調なことから輸入が拡大しました。
輸入の拡大はGDPの下押し要因となります。
今年1~3月期の成長率は前年同期比6.1%増と10四半期連続のプラスでした。
【直近5年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
2023年3月
2022年の成長率は6.7%
インドの2022年のGDPは6.7%の成長でした。
中国の伸び率を上回る水準で、ドルベースの22年の名目GDPは約3兆3800億ドル(約460兆円)と英国を抜き、日本の8割に迫りました。
中国が2022年に人口減に転じた一方で、インドの人口は2060年代まで増加が続くと予測されており、内需拡大を背景に高成長が続く見通しです。
ただ、足もとの状況でいくと、昨年以降インフレが進み、為替安の懸念も強まるなかで中銀は利上げを繰り返しています。
物価高と金利高で内需を取り巻く環境は楽観できず、景気にも懸念が出てくるかもしれません。
2023年1月
世銀が成長を下方修正
世界銀行はインド経済の最新見通しで、2024年度(2024年3月まで)の経済成長率をこれまでの6.9%から6.6%に下方修正しました。
世界経済の減速と不確実性の高まりが輸出と投資の伸びを圧迫し、成長を下押しするというのが背景です。
ただ、インフラ支出の拡大とビジネス支援措置が民間投資を呼び込み、製造能力の拡大を後押しするとも説明しています。
2022年11月
GDP、8期連続で成長
11月30日発表した7~9月期のGDPは前年同期比6.3%増と8四半期連続のプラスでした。
【直近5年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
旺盛な内需を背景に底堅い成長が続いています。
2022年の名目GDPは旧宗主国の英国を超え世界5位に浮上するとの予測も出ています。
2022年9月
インフレ率が加速
9月12日に発表された8月の消費者物価は前年同月比+7.0%となり、前月(同+6.7%)から加速して2ヶ月ぶりに7%を上回る伸びとなりました。
8ヶ月連続で中銀(インド準備銀行)の定めるインフレ目標(4±2%)の上限を上回る推移が続いています。
前月比も+0.52%と前月(同+0.46%)から上昇ペースが加速しており、国際原油価格の調整の動きなどを反映してエネルギー価格は下落している一方、食料品価格は上昇基調が続くなど、生活必需品を巡る物価の動きはまちまちの状況にあります。
乗用車販売、21%増加
9月9日発表された8月の乗用車販売台数(出荷ベース)は、前年同月比21%増の28万1210台でした。
4カ月連続のプラスで、生産台数は25%増の33万3484台でした。
世界的な半導体不足で販売が落ち込んだ前年の反動が要因という事です。
2022年8月
GDP、7期連続のプラスも先行きは不透明
インド政府が8月31日発表した4~6月期のGDPは前年同期比13.5%増と7四半期連続のプラスになりました。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大が収束し、製造業や電力が堅調だったことが背景です。
ロシアのウクライナ侵攻の影響で物価は上昇基調にあるため、金利上昇が経済活動を鈍化させ、今後数四半期は勢いが失われる可能性が高いという指摘もあります。
【直近5年のGDP成長率の推移(出所:TradingView)】
©Trading View
インフレ率、低下するも高い水準は続く
8月12日に発表された7月CPIは前年同月比+6.7%でした。
これは市場予想 (同+6.8%)を下回り、前月の同+7.0%から低下していますが、引き続き高水準です。
【直近5年のインドのインフレ率推移(出所:TradingView)】
©Trading View
インフレの加速ペースは鈍化したものの、高止まりが続いており、CPIは依然としてRBIの政策目標(2~6%)を上回る状況が続いています。
RBIは金融引締を継続するものと思われます。
2022年7月
新車販売51%増加
4~6月の新車販売台数は、前年同期比51%増の113万4943台でした。
新型コロナウイルスで販売が低迷した2020年と21年だけでなく、2019年の実績も上回りました。
足元でインフレの影響が懸念されるなか、今後も成長基調を維持できるかが焦点となりそうです。
2022年6月
CPI、8か月ぶりに伸び率が低下
インドの5月CPI は4月の前年同月比+7.8%から同+7.0%へ、8カ月ぶりに伸び率が低下しました。
食品価格の高騰の一部緩和が寄与しました。
金融引き締めによるインフレの抑制は続くと思われますが、今回のCPIは市場が予想する利上げの終着点の切り上がりを抑制
2022年5月
1-3月のGDPは4.1%
インド政府が5月31日発表した1~3月期のGDPは前年同期比で4.1%増でした。
6四半期連続のプラスを確保したものの、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大やウクライナ危機に伴う物価高で減速しました。
業種別では、農業が4.1%増、鉱業が6.7%増、電気・ガスが4.5%増、貿易・ホテル・交通が5.3%増でした。
一方で製造業は0.2%減と7四半期ぶりのマイナスに陥りました。
2021年度(21年4月~22年3月)の実質GDPは8.7%増となり、初期のコロナ感染拡大で大きく落ち込んだ20年度の6.6%減から回復しましたが、インド政府の予想を下回りました。
新型コロナウイルス感染抑制策で活動が妨げられたほか、ウクライナでの戦争がインフレ問題を増幅させたのです。
今後ですが、個人消費が弱含みで推移するなか、物価高を抑えるための利上げが景気をさらに冷やすとの懸念もあり、注視が必要です。
物価高を踏まえ、米モルガン・スタンレーは5月にインドの22年度の実質成長率を当初予測の7.9%から7.6%に引き下げています。
卸売物価、約30年ぶりの大きさ
インドの卸売物価は先月、ここ30年余りで最大の伸びとなりました。
ロシアのウクライナ侵攻やサプライチェーンの混乱が生産者コストを押し上げたようです。
インド商工省が5月17日発表した4月の卸売物価は前年同月比15.08%の上昇でした。
これは1991年9月以来の大きな伸び率です。予想中央値である14.92%も超えました。
インフレ率、上昇幅拡大
5月12日に発表された4月CPIは前年同月比+7.8%と、3月の同+7.0%から上昇しました。
3カ月連続でRBIの政策目標(2~6%)を上回りました。
RBIが6月会合を待たずに今月初めに利上げを決定したことを裏付けるような物価上昇ペースの加速です。
インド政府は14日国内食品価格の抑制を優先し、小麦の輸出を一時停止することを発表し、物価高による国民生活への影響を最小限に留める対応をとっています。
2022年4月
自動車販売、昨年度15%増加
インド自動車工業会(SIAM)が発表した2021年度(21年4月~22年3月)の国内新車販売は、20年度比15%増の378万台でした。
プラスは3年ぶりですが、新型コロナウイルス発生前(18年度)に比べるとまだ14%減でした。
メーカー別の乗用車販売では、マルチ・スズキが3%増の133万台で首位の座を維持しました。
足元で多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調だった地場大手のタタ自動車は、37万台と66%増加しました。
上昇が続くインフレ率
2022年4月12日に発表された3月のCPIは前年同月比6.95%上昇と、市場予想の6.40%、前月の6.07%を上回りました。
インド準備銀行(中央銀行)のインフレ目標は4%±2%ですが、3ヵ月連続でこれを上回りました。
中身を見ると、食料品の構成割合はCPI全体の約4割を占めていますが、3月は前年同月比で7.68%上昇しています。これが3月CPIが市場予想を上回る大幅な上昇となったひとつの背景と見られます。
2022年3月
CPIは上昇率で前月を上回る
3月14日発表された2月のCPIは前年同月比+6.1%と、1月の同+6.0%から拡大し、RBIの政策目標の上限である6%を上回りました。
天候不順による食用油価格の高止まり等を背景に、全体の約5割を占める飲食料品価格が同+5.9%と、1月の同+5.6%から拡大したことがCPIを押し上げた要因です。
今後は、回復しつつある個人消費と、原油高(インドは国内で消費する原油の約8割を輸入に頼っています)により、3月のCPI上昇率も拡大するものと思われます。
2022年2月
GDP、5.4%増
インド政府が28日発表した2021年10~12月期のGDPは前年同期比で5.4%増と5四半期連続のプラスとなりました。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」が拡大する前にあたり、製造業などが持ち直していた事が要因です。
足元ではコロナ感染の減少で経済活動が再開していますが、エネルギー価格上昇などが懸念されています。
しかし、それから減少基調に転じ、足元では8千人台と落ち着きつつあるようです。
専門家の間では最大100万人に増えるとの見立てもあったようですが、影響はそこまで大きくならないようです。
現在はムンバイなどの各都市でも夜間外出禁止の措置が解除されています。
貿易赤字は引き続き高水準
インドの1⽉貿易⾚字は先⽉の過去最⾼⽔準近辺から減少しました。
輸出より輸⼊の伸びの鈍化が⼤きく、原油⾼の影響は今のところ懸念されたほど⼤きくないようですが、引き続き警戒が必要かもしれません。
インド政府がGDP見通しを改訂
インド政府は予算案発表にあわせ、経済見通しを改定しました。
実質成長率は感染拡大の影響で20年度に過去最悪のマイナス6.6%に落ち込みましたが、21年度は9.2%に持ち直すと見通しています。
2022年度も8~8.5%の成長を予測していますが、新型コロナの打撃が長引けば下振れする可能性もありそうです。
2022年1月
オミクロン株感染者急増
インドで新型コロナウイルスの新規感染者が急増しています。
2021年末は1日あたり1万人を下回る水準でしたが、新たな変異型「オミクロン型」の拡大で18日時点では同約24万人に跳ねあがりました。
いったん回復基調に乗った経済成長が再び下振れするとの観測が浮上しています。
ノムラ・シンガポールは1月、インドの22年度の実質成長率の予想を当初の9.2%から8.7%に引き下げています。
インドのメディアによると、米銀大手シティグループも22年度のインドの実質成長率を8.7%から8.3%に下方修正しました。
感染拡大が長引けば、サプライチェーン(供給網)が深刻な打撃を受け、農産物や石油製品などの価格を押し上げることも考えられます。
CPI上昇も、中銀の目標範囲内
1月12日発表された2021年12月のCPI上昇率は前年同月比+5.6%と、11月の同+4.9%から拡大しました。
これは5カ月ぶりの高水準です。
ただ、RBIの政策目標(2~6%)の上限を6ヵ月連続で下回りました。
天候不順による食用油価格の高止まりや穀物の値上がり等を背景に、全体の約5割を占める飲食料品価格が同+4.5%と、11月の同+2.6%から拡大したことが12月CPIを押し上げました。
中銀の見立て
RBIは12月8日の金融政策決定会合で、2022年1~3月期のCPI上昇率を前年同期比+5.7%としています。
これは、新型コロナウイルス感染の落ち着きによる食料品生産の回復等を背景に、政策目標の上限である6%を下回るとの見通しから計算されたものです。
2021年12月
インド自動車販売は3か月連続のマイナス
11月の乗用車販売台数(出荷ベース)は、前年同月比19%減の21万5626台でした。
半導体不足の影響で3カ月連続のマイナスでした。
11月としては過去7年間で最低の水準となってしまいました。
CPI、5か月連続で6%を下回る
12月13日発表された2021年11月のCPIは前年同月比+4.9%となりました。
上昇幅は10月の同+4.5%から拡大したものの、RBIの政策目標(2~6%)の上限を5ヵ月連続で下回りました。
資源価格の高騰や急激な景気回復を受けた人手不足による供給網の混乱等を背景に、多くの新興国で物価上昇が勢いを増しつつある中、インドの物価は比較的落ち着いた動きとなっています。
2021年11月
GDPは4半期連続のプラス
インド政府が30日発表した7~9月期のGDPは前年同期比8.4%増と4四半期連続のプラスでした。
インドは新型コロナウイルスの新規感染者が足元で減少し、景気の持ち直しが進んでいます。
前期比年率ベースでは2四半期ぶりのプラス成長に転じており、内・外需双方で景気の底打ちが確認されたと言えます。
製造業に加えてサービス業も回復しつつありますが、世界的な半導体不足やコロナの新たな変異型「オミクロン型」などの懸念材料も残っています。
インドのコロナ新規感染者は足元では6千人台と最悪期に比べ2%弱の水準に減り、ワクチン接種も10月下旬に10億回を超えました。
コロナの影響で20年4~6月期から2四半期連続のマイナス成長に陥りましたが、経済活動がようやく正常に戻りつつあります。
製造業は4~6月期の49.6%増に続いて、5.5%増えました。
9月の鉱工業生産指数は前年同月比3.1%上昇し、電機部品、製紙、織物などが大幅に伸びています。電気・ガスは8.9%増、農業も4.5%増でした。
CPIは4か月連続でRBIの目標レンジに
11月12日発表となった2021年10月のCPIは前年同月比+4.5%と、9月の同+4.3%から拡大しました。
ただ、RBIの政策目標(2~6%)の上限を4ヵ月連続で下回りました。
天候不順による食用油価格の高止まり(同+33.5%)や果物の値上がり等を背景に、全体の約5割を占める飲食料品価格が同+1.8%と、9月の同+1.6%から上昇したことが影響しました。
また、国内消費量の約8割を輸入に頼る原油の価格高騰を受けた燃料高で、それぞれ全体の約1割を占める光熱費が同+14.3%と9月の同+13.6%から加速したこと、運輸・通信費が同+10.9%と2021年6月以来の高水準となったこともCPIを押し上げました。
2021年10月
インド経済がコロナから回復
証券会社が算出するビジネス関連の指数が2020年春の新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を超えてきました。
新規感染者数が減り、生産や輸出が増えています。
ただ半導体や電力不足が本格回復の足かせになる可能性もあり、油断はできません。
ノムラ・シンガポールがインドのヒトやモノの動き、労働参加率、電力需要などを基に「ビジネス再開指数」を算出しています。
コロナ拡大前の20年2月末を100とした指数は8月中旬から9週連続で100を超え、10月中旬には105を記録しました。
コロナ前の水準に戻ってきたわけです。
個人消費やサービス業の動きはなお鈍いがものの、景気は22年春に向け緩やかに回復するとの見方も示しました。
インドの新規感染者は変異ウイルスの拡大を受け、5月上旬には1日あたり41万人強と世界最多になりました。
病床や治療に必要な酸素が不足する医療崩壊に陥り、各地域でロックダウンの措置を講じていました。
足元ではワクチン接種が進み、新規感染者は1万人台に減り、経済活動が正常化しています。
自動車販売、半導体不足で14か月ぶりにマイナス
14日まとめた9月の乗用車販売台数(出荷ベース)は前年同月比41%減の16万70台でした。
2020年7月以来、14カ月ぶりのマイナスとなりました。
インドは新型コロナウイルスが収束傾向にありますが、半導体不足が生産・販売に響きました。
主要メーカーの大幅減が目立っています。
最大手のマルチ・スズキの販売が57%減の6万3111台でした。
CPI、5か月ぶりの低水準
インド統計省が12日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.35%上昇となりました。
上昇率は8月の5.3%から鈍化し、5カ月ぶりの低水準となり、RBI(インド準備銀行)の政策目標(2~6%)の上限も3ヵ月連続で下回りました。
市場予想の4.5%も下回りました。
企業や政策担当者の間で世界的なエネルギー価格高騰に対する懸念が高まる中、食品価格の軟化と個人需要の低迷が上昇率の鈍化につながったと思われます。
ムーディーズが格付けを上方修正
ムーディーズ社は、5日にインドの外貨建て及び現地通貨建て長期債の見通しを「ネガティブ」から「安定的」へ上方修正しました。
ムーディーズ社は、銀行の自己資本は十分で、流動性も豊富で、実体経済への下押し圧力が同社の事前予想より弱いと評価しています。
この決定は株価指数の上昇にもつながりました。
2021年9月
CPIが4か月ぶりの低水準
インド統計局が9月13日発表した2021年8月のCPIは前年同月比+5.3%と、7月の同+5.6%から鈍化し、4ヵ月ぶりの低水準となりました。
RBIの政策目標(2~6%)の上限を2ヵ月連続で下回りました。
RBIは8月の会合で、2021年7~9月期のCPIは前年同期比+5.9%になるとの見方を示しましたが、7月及び8月のCPIを受け、実際の数値はRBI予想を下回るとの見方が増えつつあるようです。
RBIは、2021年度(21年4月~22年3月)のCPIは前年度比+5.7%になると見込まれています。
2021年8月
インドの4-6月期GDP、前年同期比20.1%
8月31日発表した2021年4~6月期実質GDP成長率は、前年同期比20.1%となりました。
前期の同1.6%から拡大し、基準年が改定された2011年4~6月期以降で過去最大の伸び率を記録しました。
比較対象の2020年4~6月期の成長率は、新型コロナの感染拡大で大きくマイナス(24.4%減)であった事が関係しており、その反動の影響もあるものと思われます。
また、年内にも米FRBのテーパリングが見込まれる上、感染動向に不透明感がくすぶるなかで状況が一変するリスクには注意が必要です。
CPIはピークアウトか
8月12日に発表された7月のCPIは前年同月比+5.6%と、前月の同+6.3%から0.7ポイント低下しました。
RBI(インド準備銀行)の政策目標(2~6%)の上限を3ヵ月ぶりに下回りました。
CPIの約5割を占める飲食料品価格が同+4.5%と、都市封鎖の解除による生産や物流網の回復等を背景に、6月の同+5.6%から1.1ポイント低下したことがCPIを押し下げました。
一方、CPIの約1割を占める光熱費は同+12.4%と、7中旬にかけての原油価格の高騰を背景に、過去最高水準で高止まりしています。
今後は規制緩和の進展で物流網等の再稼働が行われ、飲食料品価格の低下傾向が続くことが想定されます。
また、原油価格下落による光熱費の値下がりも予想され、CPIは今後低下基調入りするかもしれません。
新興企業の資金調達額が過去最高レベル
インドの新興企業の資金調達額は4-6月期に前期比+71%の約65億米ドルに達し、過去最大となったようです。
また、ユニコーンの数も過去最多の11社となっています。
社会の幅広い分野でのIT活用が進み、テクノロジー株として中国の次はインドとの期待が高まりつつあります。
インドの貿易相手国一位は中国
インドの輸出と輸入を合計した貿易額は2020年に中国が863億ドルとなり、国・地域別でみると3年ぶりに首位となりました。
18~19年は米国がトップだったが逆転しました。
インドと中国は20年5月から、国境係争地域でにらみ合いを続けています。
インドは国内市場で中国企業の参入を排除し、関税引き上げにも動きましたが、現実的には中国への依存が解消されていません。
宝石に使うとみられる原石・冶金、鉄鋼、綿などを輸出した一方で、電化製品や化学製品などを大量に輸入しています。
貿易赤字は440億ドルにのぼりました。
また、21年に入ってからも中国からの輸入は増加基調で推移しています。
自動車販売、前年同月比で45%増
12日発表された7月の乗用車の新車販売台数(出荷ベース)は、前年同月比45%増の26万4442台でした。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月を中心に販売不振が続いていましたが、足元では回復傾向にあります。
6月比では14%増で、新型コロナ発生前の19年7月と比べても39%増でした。
メーカー別では乗用車最大手のマルチ・スズキが、前年同月比37%増の13万3732台でした。
インフレ率が若干鈍化もまだインフレ圧力強い
12 日に発表された7月の消費者物価は前年同月比+5.59%となり、前月(同+6.26%)から鈍化しました。
これで3ヶ月ぶりに中銀が定めるインフレ目標(4±2%)の範囲内に収まりました。
ただし、前月比は+0.74%と前月(同+0.56%)から上昇ペースが加速しています。
これは生活必需品に物価上昇圧力がある事の影響です。
変異株による新型コロナウイルスの感染爆発の動きが一服していることで経済活動の再開の動きが広がるなか、エネルギー価格の上昇を受けた輸送コストの上振れを反映して幅広く財価格が押し上げられているほか、サービス物価も上昇の動きを強めるなど、幅広くインフレ圧力が強くなっているようです。
2021年7月
CPIが高止まり
インド統計局が7月13日発表した2021年6月のCPI上昇率は前年同月比+6.3%と、5月と同率でした。
RBIの政策目標(2~6%)の上限を2カ月連続で上回りました。
CPIから変動の大きい飲食料品や燃料を除いたコアCPIは同+6.2%と、5月の同+6.4%から低下しました。
CPI全体の約5割を占める飲食料品価格の上昇率が、都市封鎖の影響等により同+5.6%と、5月の同+5.2%から上昇しました。
また、国内消費の約8割を輸入に頼る原油価格の高騰により光熱費が同+12.7%と、5月の同+11.9%から拡大しています。
新車自動車販売は前年同期比4倍
14日にまとめた4~6月の新車販売台数は75万2072台でした。
厳格なロックダウンの影響を受けた前年同期比では4倍となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大前である2019年の同時期と比べると18%減でした。
乗用車は64万6272台で前年同期の4.2倍、商用車は10万5800台で同3.3倍となりました。
ただ、20年4~6月は新型コロナ対策で導入された厳格なロックダウンの影響で記録的な低水準を記録していました。
21年4~6月の実績を19年同期と比べると乗用車は9%減、商用車は49%減にとどまっています。
感染「第2波」に伴う外出制限が響いたようです。
2021年6月
CPIが半年ぶりの高水準
6月14日発表された2021年5月のCPI上昇率は前年同月比+ 6.3%と、4月の同+4.2%から急加速しました。
これは6カ月ぶりの高水準です。
RBIが許容範囲の上限に定める6%を6ヵ月ぶりに上回りました。
背景としては、CPIの約4割を占める食料品の価格が同+5.0%と、4月の同+2.0%から上昇幅が拡大した事です。
ロックダウンによる生産の停滞や物流網の混乱が生じたこと等が影響したものと思われます。
インド経済は長年にわたって抑制できない物価急騰に悩まされ、国の指導者たちに政治的負担となってきました。
インドの成長見通しが不透明な状況で、世界的にインフレが進行し、物価が上昇するという見通しが出てきており、懸念されています。
昨年の歴史的な不況からの急速な回復への期待は、新型コロナの感染の第2波が広がった事で崩れてしまいました。
自動車販売が前月比で大幅ダウン
11日発表された5月の乗用車の新車販売台数(出荷ベース)は8万8045台でした。
新型コロナウイルス対策で厳格なロックダウンが実施されていた前年同月比では2.6倍の水準でしたが、感染再拡大の影響で4月比では66%減少しました。
新型コロナ発生前の2019年5月と比べると61%減でした。
インド中銀、成長率見通しを下方修正
インド準備銀行は4日、2021年度(21年4月~22年3月)のGDP成長率の見通しを9.5%に下方修正しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、従来予測から1ポイント引き下げました。
政策金利は年4%のまま据え置いています。
2021年5月
インドの財政赤字が過去最悪のレベルに
インドの財政赤字は昨年度に対GDP比9.3%と過去最悪となりました。
新型コロナウイルス禍に伴う景気急降下から抜け出すため、政府が借金を増やし、財政赤字が膨らんだのです。
政府は今年2月に財政赤字見通しを対GDP比9.5%に変更していましたが、それよりは小幅な赤字にとどまりました。
GDP、前年同期比1.6%増
31日に発表された、1~3月期のGDPは前年同期に比べ1.6%増でした。
インドで新型コロナウイルスの感染が拡大する前にあたり、2四半期連続でプラスになりました。
インドは変異ウイルスの影響で4月上旬から感染者数が拡大し、世界最多のペースで推移しているものの、1~3月期は経済活動が堅調でした。
業種別では農業・水産業、製造業、電力・ガス、建設、金融などの幅広い分野がプラスでした。
個人消費は最初にコロナが拡大した2020年4~6月期から3四半期連続でマイナスが続いていましたが、1~3月期は2.6%増のプラスに転じました。
CPI落ち着きで、次回会合で利下げの可能性
5月12日発表した2021年4月のCPI上昇率は前年同月比+4.3%でした。
3月の同+5.5%から減速し、5ヵ月連続でRBIが許容範囲の上限に定める6%を下回りました。
CPIの4割を占める食料品価格の上昇率が同+2.0%と、3月の同+4.9%から低下したことがCPIを押し下げました。
こういたCPIの落ち着きから、次回の6月4日の金融政策決定会合で景気刺激を目的に中銀が追加利下げに踏み切るとの期待が高まる可能性があります。
インド自動車販売は前月比10%減
インド自動車工業会が12日まとめた4月の乗用車の新車販売台数(出荷ベース)は26万1633台でした。
新型コロナウイルス対策に伴う都市封鎖(ロックダウン)により「ゼロ」だった前年同月からは回復しました。
ただ足元ではコロナ感染が急拡大しており、前月比では10%減りました。
メーカー別では最大手のマルチ・スズキが同7%減の13万5879台でした。
二輪販売は99万5097台と34%減です。
2021年4月
成長率予想を下方修正する可能性
新型コロナウイルスの感染が再び急拡大しているインドで、2021年度の経済成長率が下方修正される可能性が出てきました。
UBSなどの民間調査機関が相次ぎ成長率見通しを引き下げました。
2021年度の最新の成長率見通しについて、UBSは当初の前年度比11.5%から10%に引き下げました。
印格付け会社ICRAも10~11%から10~10.5%、野村シンガポールも13.5%から12.6%に下方修正しています。
インド政府は20年度の成長率をマイナス8%と過去最悪を見込んでいますが21年度も景気回復がもたつきかねません。
IMFがインドの経済成長率予想を12.5%に上方修正したのは、ほんの2週間前のことでした。
これは主要国中で最も高い成長率だったわけですが、インドで新型コロナウイルス感染が急拡大する中、この強気な成長見通しへの不確実性が強まりつつあるわけです。
インドでは3月半ば以降は変異株による感染が再拡大しています。
累計の感染者数はブラジルを追い越したほか、死亡者数も拡大傾向を強めるなど感染拡大の中心地となっています。
この結果、行動制限を再強化する動きが広がりをみせており、底入れの動きを強めてきた景気に冷や水を浴びせる懸念が高まっています。
新車販売が6%減
4月12日、2020年度(20年4月~21年3月)の新車販売台数が19年度比6%減の328万台だった事が発表されました。
マイナスは2年連続です。
新型コロナウイルス対策として実施されたロックダウンなどが響きました。
乗用車は271万台と2%減りました。
メーカー別の乗用車販売をみると、最大手のマルチ・スズキは9%減らして129万台。2位の韓国・現代自動車も3%減の47万台でした。
インド中間層が3200万人減少
新型コロナウイルスの感染拡大で、インド市民の雇用や収入が大きく影響を受けています。
インドの中間層は2020年に3200万人減り、貧困層は2倍に増えたとの統計があります。
高い支持率を維持してきたモディ首相の人気にも陰りが見えており、外資が有望視していたインドの個人消費にも打撃となっています。
2021年3月
CPI上昇傾向が始まる?
インド統計局が3月12日に発表した2月のCPIは前年同月比+5.0%となりました。
1月の同+4.1%から上昇しましたが、RBIが許容範囲の上限に定める6%を下回っています。
背景
CPI構成要素の約45%を占める食料品価格が個人消費の回復等で同+4.2%と上昇した事です。
CPIの見通し
例えば 2月5日の金融政策決定会合では、ロックダウン解除によってCPIも1~3月期の前年同期比+5.2%から10~12月期には同+4.3%に鈍化するとの見通しが示されています。
今後の景気回復のスピードや原油価格の動向によっては、CPI上昇率が6%を超えることも想定されます。
2021年2月
GDP、3四半期ぶりにプラス
インド政府は2月26日、2020年10~12月期のGDPが前年同期比0.4%増だったと発表しました。
新型コロナウイルスの感染減少に伴う経済活動の正常化により、3四半期ぶりのプラス成長になりました。
昨年後半の企業マインドの改善も反映していると言えます。
前期比年率ベースでも 2 四半期連続のプラス成長となるなど景気の底入れが進み、政府の景気刺激策も重なり家計消費など内需が幅広く拡大している状況です。
実質GDPはコロナの感染拡大を受け、4~6月期に過去最悪の24.4%減、7~9月期に7.3%減と、2四半期連続でマイナス成長でした。
ただ、インドのコロナ感染者は最近落ち着きつつあり、20年9月に1日あたり10万人弱と世界最多で推移していた所から、12月には1万~2万人の水準に落ち着いています。
新車販売が6か月連続で増加
2月11日に明らかとなった1月の乗用車の新車販売台数(出荷ベース)は前年同月比11%増の27万6554台でした。
多目的スポーツ車(SUV)がけん引し6カ月連続で前年実績を上回りました。
ただ、世界的な半導体不足による生産への影響もあり今後も好調が続くかは不透明感があります。
販売台数の内訳を見ると、SUVが37%増だった一方、小型車やセダンなどは1%減でした。
インドで近年SUVの人気が高まっている面もありますが、半導体不足を受け、小型車などは一部の車種で生産が滞ったメーカーもあったようです。
2021年1月
2020年4-12月の新車販売が21%減
1月14日、2020年4~12月の新車販売台数が213万6077台と前年同期比21%減ったとの発表がありました。
ロックダウンで、夏ごろまで生産・販売ともに落ち込んだのが響きました。
乗用車の販売台数は10年前の水準にまで下がってしまい、市場は大きく縮小しています。
乗用車は金利の引き下げや公共交通の停止などを背景に2020年8月から販売が上向いていましたが、販売台数がゼロだった4月をはじめ、7月までの落ち込みを取り戻すことは出来ませんでした。
CPIが大幅に落ち着き
1月12日に発表した2020年12月CPIは、前年同月比+4.6 %でした。
市場予想は同+5.0%でしたのでそれを下回ると同時に、11月の同+6.9%から2.3%低下しました。
これは2019年10月以来、14ヵ月ぶりの水準です。
CPI構成要素の約4割を占める食料品が同+3.4%と11月の同+9.5%から6.1%も低下したことが主な要因です。
2020年12月
新車販売、4か月連続で前年を上回る
インド自動車工業会(SIAM)が12月11日に発表した11月の乗用車の新車販売台数は26万4898台でした。
これは前年同月比で5%増で、前年実績を上回るのは4カ月連続です。
事前の予想通り、10月中旬~11月中旬にかけての祭事需要が販売を支えました。
新型コロナウイルスへの感染を避けるため、公共交通でなく自家用車を使う動きも広がった事も背景にありそうです。
インド中銀、2020年度の成長率を上方修正
インド準備銀行は12月4日、2020年度(20年4月~21年3月)の実質成長率予想をマイナス7.5%に上方修正しました。
10月時点の予想はマイナス9.5%でした。
農村は収穫が好調で、都市の産業も回復に力強さがみえてきたためと説明しました。
10~12月期には3四半期ぶりに前年同期比でプラス成長に転じるとの見方も示しています。
2020年11月
景気後退入り
2020年11月27日、7~9月期の実質成長率が前年同期比7.5%のマイナスだった事が発表されました。
やはり背景は新型コロナウイルスの感染拡大の食い止めに向けたロックダウンの影響が続いた事でしょう。
これで2四半期連続のマイナス成長となり、1996年に四半期統計の公表が始まって以降初めて事実上のリセッション入りとなりました。
ただ、足下ではコロナの感染も徐々に抑制されつつあり、経済政策の効果もあってインド経済は最悪の状況から徐々に脱しつつあると言えます。
10月CPIは前月から加速
10月CPIは前年同月比+7.6%(市場予想+7.3%)となりました。
9月の+7.3%から加速し、RBIが許容範囲の上限に定める6%を7カ月連続で上回っています。
要因としては、野菜価格の高騰等が挙げられます。
2020年10月
2020年9月のCPIは上昇
インド統計局が10月12日に発表した2020年9月CPI上昇率は前年同月比+7.3%と、8月の同+6.7%から加速しました。
都市封鎖による労働力不足や平年以上の大雨による生産量の減少等で、食料品CPIの上昇率が同+10.7%と、8月の同+9.1%から加速したこと等が影響しています。
インド準備銀行は10月9日の金融政策委員会(MPC)で、現在の物価上昇は都市封鎖による一時的なものとの見方を示し、一時的な現象との見方をしています。
自動車販売、26%増加
2020年10月16日、インド自動車工業会(SIAM)は、9月の乗用車販売台数が27万2027台と前年同月に比べて26%増えたと発表しました。
10月中旬から始まる祭事商戦や自動車ローンの金利低下で需要が増えると期待され、ディーラーへの出荷が増えましたた。
2カ月連続で10%以上の増加となりましたが、先行きについては「予測が難しい」と説明しました。
企業別では最大手のマルチ・スズキが34%増、2位の韓国・現代自動車も24%増と好調でした。
主要12社ではトヨタ自動車やフォルクスワーゲンなど4社を除く8社が前年実績を上回りました。
インド中銀、通年の成長率を▲9.5%と予想
2020年10月9日、インド準備銀行は、2020年度(20年4月~21年3月)の同国の実質経済成長率が9.5%のマイナスになるとの見通しを発表しました。
民間ではマイナス幅が10%を超えるとの予想もありますが、農村経済の回復や製造業の持ち直しで9%台のマイナスにとどまるとの見方を示しました。
ダス総裁は「21年1~3月までにプラス成長に転じる可能性がある」と述べています。
農村経済の回復ぶりを指摘し、都市部でも9月の製造業の購買担当者景況感指数(PMI)が56.8と2012年1月以来の高水準だったことなども示し、「今の状態が続けば景気の回復は早くなる」と期待を示しました。
2020年9月
インフレ率はわずかながら低下
8月の消費者物価指数は 、6.69%と前年同月比伸び率がわずかながら低下しました。
これによって市場には安心感がもたらされました 。
伸び率の鈍化が続けば、11 月予定の金融政策決定会合で利下げが期待されます。
自動車販売、久しぶりに前年同月比でプラス
2020年9月11日にインド自動車工業会が発表した8月の乗用車販売台数(出荷ベース)は、前年同月比14%増の21万5916台でした。
乗用車販売のプラスは2019年10月以来となります。
ただ、比較対象となる1年前の販売が低水準だったうえ、消費者の実際の購入を示す小売りベースではマイナスが続いており、このまま回復基調となるかは不透明です。
メーカー別では最大手のマルチ・スズキが21%増の約11万3千台、2位の韓国・現代自動車が20%増の約4万6千台と好調でした。
2020年8月
第2四半期の成長率はマイナス23.9%
2020年8月31日に発表となった4~6月期の実質経済成長率は前年同期比23.9%のマイナスと過去最悪でした。
コロナウイルスの収束の兆しは見えず、2021年初めまでマイナス成長が続く懸念もあります。
課題はGDPの過半を占める民間消費の鈍化です。
民間消費は2割以上落ち込んでいます。
経済活動を再開した後も製造業はフル稼働していません。
結局、工場でいつ感染するかわからず、その点も通常の稼働にはなりえない理由の一つです。
6月は通常のほぼ半分の1日5時間勤務で、足元の稼働率も需要低迷で7割前後にとどまるとされています。
最新のインド経済見通しでは、21年1~3月期までマイナス成長が続く見込みとのレポートもあります。
3月時点では20年10~12月期に成長率がプラスに転じるとみていましたが、一段の下方修正もありえます。
インドの人手不足が深刻
新型コロナウイルスの感染者が320万人を超えたインドで、多くの企業が労働力不足に直面しています。
感染の拡大が続くなか、国内の出稼ぎ労働者の多くが故郷に帰ったまま都市に帰ってこないためです。
主要産業では自動車や建設業などが影響を受けているようです。
多くの事業主が人手不足の問題に直面しています。
モディ首相が3月25日に都市を封鎖した後、看護師、介護者、大工、配管工、電気技師などあらゆる熟練労働者が故郷に戻った為です。
この現象は「リバースマイグレーション(逆移住)」と呼ばれています。
大企業にも影響は及んでいます。
あるレポートによれば、国内出稼ぎ労働者計約600万人に依存してきた製造業と建設業が最も影響を受けるとされています。
逆移住によって各社は稼働率の低下、事業コストの上昇、利益率の低下といった課題に直面します。
実際、インド最大の建設・エンジニアリング会社であるラーセン・アンド・トゥブロは、同社の事業を支える下請け労働者が、都市封鎖を挟んで22万5千人から16万人に減少したと明らかにしています。
地域別では、北部のデリーとそれに隣接するハリヤナ州が最も深刻のようです。
スズキ、ホンダ、二輪車大手のヒーロー・モトコープなどの完成車メーカーと、取引先部品メーカーが立地する、インド屈指の製造業の集積地として知られる場所ですが、4~7月の乗用車生産台数は約36万3千台と、前年同期比7割の大幅減となってしまいました。
落ち込んだ主因は都市封鎖による消費の急減ですが、労働力不足で生産に支障が出たことも響いています。
インフレが中銀目標を上回る6.9%
インドでは 、7月の消費者物価指数が発表され 、中銀目標レンジ2ー6%を上回る前年同月比6.9%へ加速しました 。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中 、物価上昇の悪影響もあって、景気回復が緩慢にんある可能性が強まっています。
次回の10月の金融政策会合においても 、政策金利が据え置かれる可能性が高いと予想されています。
今は スタグフレーションへの懸念の台頭にも注意が必要です。
自動車販売、前年の90%程度の水準にまで戻す
2020年8月11日にインド自動車工業会が発表した7月の乗用車の新車販売台数は18万2779台と前年同月に比べ4%減りました。
新型コロナウイルス拡大の影響で3~6月に大きく減少しましたが、7月は前年の9割強の水準に戻りました。
ただ景気の悪化や工場の稼働状況に課題が残り、8月以降に回復が続くかは分かりません。
2020年7月
6月のCPIは高止まり
インド統計局が発表た2020年6月のCPIは前年同月比+6.1%でした。
前月から0.2%低下したものの、RBIの物価目標(2~6%)の上限を超え、高止まりしています。
ロックダウンによって生産が滞り、日用品等の供給不足が続いていることが主な要因と見られます。
尚、CPI構成要素の約4割を占める食料品価格は、昨年夏場の天候不順で高騰していた野菜価格の落ち着き等の影響で、低下傾向となっています。
8月上旬に金融政策決定会合が予定されていますが、物価の高止まりもあり、追加利下げを見送るとの予想が今の所優勢のようです。
新車販売、前年同期比80%減
2020年7月14日、インド自動車工業会がまとめた4~6月の新車販売台数は18万5370台と前年同期に比べ80%減でした。
引き続き都市封鎖が原因です。
この統計はメーカーから販売店への出荷ベースとなっています。
インドの新車販売はコロナ前から前年割れが続いており、2020年度(20年4月~21年3月)が2年前の半分になるとの予想がなされています。
自動車工業会のワデラ会長は2018年度の水準に戻るには3~4年かかるとの見方を示しています。
新車販売55%減で需要回復には時間
インド自動車大手5社の6月の国内新車販売台数(出荷ベース)は9万8228台と前年同月比55%減少でした。
ロックダウンが5月中旬から段階的に緩和され、6月は各社の生産拠点と多くの系列販売店が業務を再開したものの、需要回復にはまだ遠いようです。
さすがに4月(ゼロ台)、5月(86%減)からは持ち直したものの、なお前年同月の半分以下の水準にとどまっています。
2020年6月
鉱工業生産の下げ幅が歴史的な急落
2020年6月12日、4月の鉱工業生産が発表され、前年比▲55.5%と前月の▲16.7%より下げ幅が急拡大しました。
月次統計が使用可能な1982年4月以来最低の水準です。
なお、統計局は都市封鎖措置などからデータ収集が十分でないとも言っており、今後大幅な遡及改定がされる可能性もあるとみられます。
ただ、いずれにせよ都市封鎖の経済活動への下押し圧力は相当大きい事に変わりありません。
新型コロナで1億2千万人が失職
2020年5月のインド都市部における失業率が26%となったようです。
3月末からのロックダウンの影響です。
都市部で失職した出稼ぎ労働者は農村に帰らざるを得ず、その過程で感染者が広がる構図となっており、まだまだ感染拡大の懸念が高いままです。
新車販売、前年同月比86%減
インド自動車大手5社の5月の国内新車販売台数は、前年同月比86%減の3万1861台でした。
自動車各社は5月中旬までに生産を再開し、多くの地域で販売店も営業を始めたものの、従来の水準に戻るには時間がかかりそうです。
ロックダウンの影響で消費は冷え込んでおり、新車販売は6月以降も低水準が続きそうです。
2020年5月
1-3月期のGDPは8年ぶりの低水準
2020年5月29日に発表された1-3月期のGDPは前年比3.1%増となしました。
コロナウイルスに伴う影響があったものの、プラスは維持しました。
エコノミスト予想は2.1%増で上回りましたが、伸び率は8年ぶりの低水準となりました。
前年同期は5.7%増、同10ー12月期の4.1%増でした。
ロックダウン措置により、データ収集が影響を受けているため、1ー3月期のGDP成長率は下方改定される可能性があるようです。
また、統計・計画実施省はこの日、今年度(2021年3月31日まで)のGDP成長率見通しを従来の5%増から4.2%増に引き下げました。
ゴールドマン、4-6月期のGDPは▲45%と予想
ロックダウンが続くインドの第2四半期のGDPが過去最悪のレベルに達するとゴールドマン・サックス・グループが5月17日付リポートで予想しました。
同社推計では、インドのGDPは4ー6月期に前期比年率45%減となるようです。
これまでは20%減を想定していました。
7-9月期については20%増と予想を上方修正し、10-12月期は+14%、来年1-3月期は+6.5%と据え置きました。
これらを踏まえると2021年3月末に終わる本年度の実質GDPは前年比▲5%となります。
これはインドがこれまで経験したどの景気後退となる事を意味します。
2020年4月
自動車販売は引き続きかなり低水準
2020年3月のインドの新車販売台数は前年同月に比べ、61%減少し15万6,041台となりました。
この数か月の販売台数の落ち込みは急激で、3月はリーマンショック直後である2008年12月(約12万台)以来の低水準となってしまいました。
モディ政権は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月下旬から全土で21日間のロックダウンに踏み切っており、生産や販売が停止したことが影響したとみられます。
インドにおける感染者数は急増していて、封鎖期間の延長も想定されており、今後も落ち込みが予想されているようです。
CPIが2か月連続で低下
2020年4月13日発表になった2020年3月のCPIは前年同月比+5.9%と、前月から0.7%低下しました。
前月を下回るのは2カ月連続です。
変動の大きい食料品・飲料・燃料を除いたコアCPIは同+4.1%と、前月と同じでした。
理由
これまで高騰していた野菜価格も落ち着き、CPIの約4割を占める食料品の上昇が落ち着いたためと考えられます。
3月の新車販売台数は大幅低下
2020年4月13日、インド自動車工業会は3月の新車販売台数が15万6041台と前年同月に比べ61%減ったと発表しました。
背景
全土のロックダウンで、自動車は販売、生産ともに停止している事が大きな要因でしょう。
4月末まで封鎖期間の延長を決めた州もあるので、4月の販売も厳しそうです。
2020年3月
新車販売、引き続き不調
2020年3月13日、インド自動車工業会が発表した2月の新車販売台数は31万186台と前年同月比14%減でした。
景気低迷を受け、16カ月連続で前年実績を割り込んでしまいました。
インドでも新型コロナウイルスの感染が拡大しており、個人消費が一段と冷え込む恐れもあります。
中国とインドを結ぶサプライチェーンの分断が今後懸念されており、中国からの部品供給も滞り始めているようです。
CPI、7か月ぶりに低下
2020年3月12日発表になった2020年2月のCPIは前年同月比+6.6%と、2014年5月以来の高水準となった1月から1.0%低下しました。
前月を下回るのは7ヵ月ぶりです。
構成要素の約40%を占める食料品の価格低下が主な要因となっています。
夏場の天候不順の影響で高騰していた野菜価格が、生産の回復による供給回復で値段が低下したことが背景にありそうです。
2020年2月
4.7%の成長で減速が続く
2020年2月28日、インド統計局は2019年10~12月期の実質経済成長率が前年同期比4.7%だったと発表しました。
同年7~9月期(5.1%)から一段と鈍化しました。
背景
「貸し渋り」が続いているうえ、悪天候に伴う野菜価格の高騰で物価が上昇し、農村を中心に消費が一段と冷え込んでいる事が要因です。
インド政府は実質成長率を19年度(19年4月~20年3月)が5%、20年度は6~6.5%と予測していますが、額面通りに受け取る向きは少ないようです。
物価上昇、5年8か月ぶりの高さ
2020年2月12日、インド政府は2020年1月のCPIが前年同月比7.6%上昇したと発表しました。
伸び率は14年5月の8.3%以来となる5年8カ月ぶりの高い水準となりました。
農村を中心に消費を冷やしつつあります。
インドのCPIは19年1月から9月まで伸び率が2~3%で推移していましたが、同年10月以降に急速に上がり始めました。
7%台の伸び率は2カ月連続となります。
インドは菜食主義者が多いため、野菜や豆類の物価上昇は国民の食生活を直撃すると言われています。
インフレが個人消費を一段と冷やす恐れがある一方で、インド中央銀行は物価上昇の目標中心値を4%に定めており、インフレへの警戒から景気を刺激するための利下げに動けなくなっています。
自動車新車販売8%減、好転はまだ見通せず
インド自動車工業会が2020年2月10日発表した1月の新車販売台数は33万8003台と前年同月比で8%減ったようです。
経済成長の減速などで15カ月連続で前年実績を下回り、好転にはまだ時間がかかるとの見方が多いようです。
SIAMのラジャン・ワデラ会長は
「自動車の保有経費の上昇や経済成長率の鈍化が引き続き影響している」
とのコメントを発表しました。
2020年1月
消費者物価、5年5か月ぶりの高さ
2020年1月13日、インド統計局は13日、2019年12月のCPIが前年同月比7.4%上昇したと発表しました。
これは2014年7月(7.4%上昇)以来の伸び率です。
昨夏の悪天候を受け、19年9月から上昇率が高まっており、これを放置すると市民の政府への不満が拡大するかもしれません。
インドは菜食主義者が多く、特に野菜や豆類の物価上昇は国民の食生活を直撃すると言われています。
インド経済の成長が鈍化する中、インフレは個人消費を一段と冷やす懸念もあり、注視が必要です。
自動車販売、低調で世界5位に後退
2019年の新車販売台数は18年比13%減の約381万台となり、かなり低調となりました。
背景
- 金融機関の貸し渋り
- 経済成長の鈍化で個人消費が冷え込んだこと
- 企業活動が鈍ったこと
等でしょうか。
前年実績を5年ぶりに下回り、市場規模はドイツに抜かれ世界5位に後退しました。
ただ直近の月次販売は落ち込みが小幅になっているようで、長引いた販売不振ももしかしたら底を打ったかもしれません。
2019年11月
7-9月のGDPは6年ぶりの低水準
インドの7-9月の経済成長率は約6年ぶりの低水準となりました。
ただ、モディ政権に残された選択肢は少なく先行きが懸念されます。
2019年11月29日に発表された7-9月GDPは前年同期比4.5%増でした。
不振の背景
農村発の消費不振で減速していると考えられます。
人口の過半を占める農業従事者の収入が異常気象で減り、ほかの産業にも悪影響が波及しているのです。
インドでは農地を2ヘクタール未満しか持たない零細農家が全体の85%にのぼると言われています。
一般的に農家の収入は会社員などの約3割とされていて、その所得格差が問題となっています。
モディ首相は5月の総選挙で再選した後、農家の大規模化や技術向上で所得の底上げを図るとしてきたものの、異常気象の直撃で計画は頓挫し構造改革が進んでいない状況です。
農家の景況感が上昇する事がインド経済浮揚のきっかけには必要でしょう。
消費者物価指数は3か月連続で加速
2019年11月13日発表された10月のインフレは3カ月連続で加速し、中央銀行が中期目標としている4%を上回る物価上昇率となりました。
10月の消費者物価指数は前年同月比4.62%上昇しました。
飲食品のインフレ率は6.93%に上昇し、野菜は26%余り値上がりしました。
10月の自動車販売は奮わず、12か月連続で前年実績を下回る
2019年11月11日に発表された10月の新車販売数は35万1800台と前年同月に比べ5%減りました。
前年実績を下回るのは12カ月連続です。
下げ幅は30%前後の減少が続いた7~9月に比べて縮小していますが、これは高額消費が広がるヒンズー教最大の祝祭「ディワリ」が10月にあった事が関係していると思われます。
インドでは経済成長の鈍化で個人消費が冷え込み、販売不振が長期化しています。
鉱工業生産減少で資本財生産の弱さを露呈
2019年9月のインドの鉱工業生産は8年で最大の前年割れとなったようです。
2019年11月11日、インド統計当局が発表した9月の鉱工業生産指数は前年同月比4.3%低下し、市場予想の2.5%低下を超える落ち込みとなり、2011年10月以来の大きな低下となりました。
鉱工業生産指数は8月に続き2カ月連続の低下です。
9月の資本財生産も前年同月比20.7%減少し、耐久消費財も9.9%減りました。
自動車販売が5年ぶりに縮小
インドの自動車市場が2019年、5年ぶりに縮小する見通しとなりました。
新車販売台数は10月も前年同月に比べて10%程度減ったもようです。
これで前年割れは12カ月連続です。
インド新車市場はモディ政権が発足した2014年から18年まで順調に拡大していました。
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落ち込みの背景
原油高を背景に2018年夏ごろから伸びが鈍化し、自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋りや、自動車保険の負担増など複数要因が重なってマイナスとなっているようです。
今後の動向
来年導入予定の厳しい排ガス規制に伴う買い控え、現行規制適合車の在庫処分など強い要因と弱い要因が重なっており、予測は難しいです。
インド政府が法人減税など景気刺激策を打ち出しえちますが、新車販売がプラスに転じる時期も不透明です。
2019年10月 CPI、1年ぶりに高水準
CPIが約1年ぶりの高水準に
2019年10月14日に発表された2019年9月のCPIは、前年同月比+3.99%と8月の+3.28%から拡大し、2018年7月の+4.17%以来約1年ぶりの高水準となりました。
背景は
食料品の値上がりが主な要因と見られています。
今回、9月のCPI上昇率が3.99%となった事で、中央銀行が金融政策目標とする4.0%にほぼ等しくなりました。
利下げ観測がこれで弱まると考えられます。
自動車販売、11か月連続で前年同月比でマイナス
2019年10月11日、インド自動車工業会が発表した9月の新車販売は、28万1736台と前年同月比27%減となりました。これで前年割れは11カ月連続となりました。
自動車販売が不振の背景は何でしょうか。
販売不振は2018年後半から金融機関の貸し渋りなどを背景に始まり、直近では経済成長の鈍化で需要が減退している事が要因です。
政府が景気刺激策を打ち出し、自動車メーカーは新モデル投入でテコ入れに取り組むが、まだ効果は見えていない状況です。
インド政府も景気対策を打ち出していますが、なかなかまだ成果に結びついていません。
2019年9月
インド企業の業績、急ブレーキ
インド企業の業績が急速に悪化しているようです。
上場約2500社の2019年4~6月期決算は純利益が前年同期比12%減となりました。
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インド政府が経済対策を打ち出していますが、効果は限定的との見方も多く、企業業績の低迷は今後も続くかもしれません。
レポートによると、上場2574社(金融を除く)の219年4~6月期は売上高が3%増の約14兆9300億ルピー(約22兆4000億円)、純利益が12%減の約9600億ルピーとなりました。
2ケタ減益は新たな間接税導入で経済が混乱した2017年7~9月期以来ですが、今回は売上高の伸びも良くなく、需要自体が落ち込んでいる事を示唆しています。
特に内需型の企業の落ち込みが大きいのもインド経済全体の不調さを物語っています。
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金融機関の貸し渋りが背景にあると言われています。
更にその裏には、大量の不良債権問題があると考えられます。
政府は不良債権処理を進めるため査定を厳しくしましたが、その結果2016年ごろから不良債権残高が急増し、金融システム全体が身動きが取れないようになってしまったのです。
こうした中、存在感を強めたのがノンバンクでした。特に自動車ローンの貸し出しを増やしてきたのです。
しかし、これも行き詰まります。
2018年9月に明るみに出た大手ノンバンクの債務不履行です。
これで、ノンバンク全体の信用不安が広がり、自動車ローンの貸し渋りが広がって急に金回りが悪くなってしまったのです。
自動車の販売不振は他産業にも波及しています。
例えば、鉄鋼需要の約20%は自動車産業向けで、相当影響が大きいようです。
経済の不調は雇用にも影を落としていて、それが結果的にGDPの5割強を占める個人消費を冷え込ませる事となるのです。
実際に、2019年4~6月期の実質GDPは前年同期比5.0%増となり、1~3月期の5.8%増から減速しました。
これは2013年1~3月期(4.3%増)以来、約6年ぶりの低水準なのです。
これによって企業は決算見込み等を下方修正したりしています。
例えば、タタ製鉄は2019年8月、2020年3月期の設備投資計画を3割削減し800億ルピーに下方修正しています。
もちろんこれによってインド株も振るいません。
モディ政権の継続で一時は過去最高値を更新したSENSEXですが、2019年7月発表の予算案への失望から売りが先行し、そこからの戻りはあまりありません。
インド株式への投資家たちは今仕込み時と言えるかもしれません。
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