NAFTA再交渉の経緯 まとめ

2018年7月

2018年7月下旬 ロペスオブラドール氏、早期の妥結を模索

2018年7月下旬に、ロペスオブラドール氏はウェブサイトにも掲載された書簡で、「不透明な状況を長引かせれば中長期的に投資を減速させ得る。メキシコ、カナダ、米国の代表が参加する交渉の再開を提案する」と述べました。

これだけで判断してもしょうがないですが、ロペスオブラドール氏としては、早めにNAFTA交渉の妥結を望んでいる可能性が高く、無駄にアメリカとけんかしたくないとの思いが滲んでいます。

ロペスオブラドール次期大統領 アメリカ重視の方針

選挙期間中は頻繁に批判していたアメリカのトランプ大統領ですが、当選後はアメリカとの関係改善をっ模索している様です。

メキシコがNAFTAの再交渉をするにあたって、まずアメリカと話をしてその後カナダとその話し合いを基に行っていく、と述べている事や、トランプ大統領もメキシコとの二国間貿易協定をカナダより優先させる可能性があると述べていることなどから、今のところはその作戦が上手く行っているようです。

2018年7月中旬 再交渉の会合を開催

大統領選挙関連が一服した2018年7月中旬、グアハルド経済相はNAFTAの再交渉を2018年7月26日に行うと発表しました。

担当閣僚による会合のようです。

2018年6月

2018年6月下旬 アメリカとメキシコ・カナダの温度差大きい

2018年6月下旬現在においては、アメリカと、メキシコ・カナダとの温度差がいまだ大きく、協議は難航しているようです。

現状においては再交渉の合意は2019 年までずれ込むことが予想されます。

やはり、NAFTA交渉とは別だとしても、アメリカの追加関税措置の発動が少し尾を引いているのでしょうか。感情的な所の問題だと厄介です。

2018年6月1日 米、メキシコに対して鉄鋼とアルミに追加関税

アメリカは2018年6月1日、メキシコに対して鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%の追加関税を課す措置を発動しました。3月に決定した措置を実際に実行したわけですね。

メキシコも6月5日、対抗措置を即日発動させています。


こうしたやり取りもNAFTAの交渉にはネガティブでしょう。もちろんペソ安の誘引剤となっていると思われます。

メキシコの大統領選挙もあり、なかなか動きづらい

2018年7月にはメキシコの大統領選挙が控えているため、なかなかメキシコとしても交渉に再注力するというのは難しいのかもしれません。今月は大きな動きはないかもしれません。

2018年4月

2018年4月下旬 メキシコ EUとのFTAに大筋合意

2018年4月下旬に、EUとのFTA(自由貿易協定)が大筋合意したというニュースがありました。

メキシコにとってはアメリカへの依存度を低下させるという観点で、良かったのだと思われます。

2018年4月中旬 メキシコがNAFTA交渉を楽観視

2018年4月中旬にはメキシコのグアハルド経済相が、NAFTA再交渉について5月第1週にも基本合意に至る可能性があると話しました。

4月にペルーで行われる米州会議の場でNAFTA合意も発表されるのではという観測もありましたが、一旦その可能性は低まったようです。

しかし、引き続きメキシコ側にはこのまま行けるのではという安堵した雰囲気がありそうです。

ペルーでの米州会議でNAFTA合意発表?

アメリカやメキシコの交渉関係者は2018年4月13日からリマで始まる米州首脳会議で基本合意を発表するとの見方を示しており、同氏も早期合意に自信を覗かせました。

2018年4月初旬 米ライトハイザー氏による楽観論

2018年内の妥結もなかなか厳しいと言われていた中、2018年4月に入って、アメリカ通商代表部のライトハイザー氏が、近い将来アメリカはNAFTA合意に達すると期待していると発言しました。

これによってNAFTA交渉の結果に対する楽観論が広がりました。

NAFTAはメキシコが一方的に利益を享受しているシステムではありません。アメリカも農産物の輸出など大きなメリットを享受してきました。NAFTAの枠組みが崩壊する事はアメリカにとってもかなり大きなダメージになります。メキシコもそれが分かっているので、すぐに大幅な譲歩はしないでしょう。


また、ペルーで2018年4月13~14日に開催予定の米州首脳会議でNAFTA暫定合意の可能性も報道されています。交渉打開に向け、トランプ大統領はワシントンでカナダ、メキシコの閣僚を招くとの報道もあり、4月第一週目はかなり楽観的なニュースが広がっています。

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